特開2020-202804(P2020-202804A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社クボタの特許一覧

<>
  • 特開2020202804-田植機の苗植付装置 図000003
  • 特開2020202804-田植機の苗植付装置 図000004
  • 特開2020202804-田植機の苗植付装置 図000005
  • 特開2020202804-田植機の苗植付装置 図000006
  • 特開2020202804-田植機の苗植付装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-202804(P2020-202804A)
(43)【公開日】2020年12月24日
(54)【発明の名称】田植機の苗植付装置
(51)【国際特許分類】
   A01C 11/02 20060101AFI20201127BHJP
【FI】
   A01C11/02 380A
   A01C11/02 385Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-113033(P2019-113033)
(22)【出願日】2019年6月18日
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】竹内 宏行
【テーマコード(参考)】
2B065
【Fターム(参考)】
2B065AA05
2B065AA07
2B065AB01
2B065AC01
2B065AC06
2B065BB01
2B065BB03
2B065BB30
2B065DA30
(57)【要約】
【課題】部材の損傷等のおそれが少なく良好にグリスの供給作業を行えるようにすることが望まれていた。
【解決手段】苗植付爪17を支持する支持ケース23の内部に、スライド移動に伴って苗植付爪17から苗を押し出す苗押出し具24と、苗押出し具24をスライド移動させる移動操作機構25とが備えられ、支持ケース23の内部にグリスを注入するためのグリスニップル44と、グリスの注入に伴って内部の空気を外方に排出する空気排出口45とが備えられ、空気排出口45を塞ぐとともに、グリスニップル44を外方側から覆う閉状態と、空気排出口45を開放するとともに、グリスニップル44を外方に向けて開放する開状態とに切り換え可能な蓋部材46が備えられている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
苗植付爪を支持する支持ケースの内部に、スライド移動可能に支持され且つスライド移動に伴って前記苗植付爪から苗を押し出す苗押出し具と、前記支持ケースの苗植え用の移動操作に伴って前記苗押出し具をスライド移動させる移動操作機構とが備えられ、
前記支持ケースの外方から内部に向けてグリスを注入するためのグリスニップルと、前記グリスの注入に伴って前記支持ケースの内部の空気を外方に排出する空気排出口とが備えられ、
前記空気排出口が前記グリスニップルの近傍に位置する状態で設けられ、
前記空気排出口を塞ぐとともに、前記グリスニップルを外方側から覆う閉状態と、前記空気排出口を開放するとともに、前記グリスニップルを外方に向けて開放する開状態とに切り換え可能な蓋部材が備えられている田植機の苗植付装置。
【請求項2】
前記移動操作機構に、前記苗押出し具を前記支持ケースから突出する側に付勢するコイルバネと、前記コイルバネに抗して前記苗押出し具を前記支持ケースに引き込む駆動機構とが備えられ、
前記グリスニップルが、前記支持ケースのうち前記コイルバネの一端部を受止める箇所に設けられ、
前記支持ケースの内部に、前記グリスニップルから前記コイルバネの配設部並びに前記駆動機構の配設部を通過して前記空気排出口に至るように空気抜き経路が形成されている請求項1に記載の田植機の苗植付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、田植機の苗植付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
苗植付装置は、苗植付爪を支持する支持ケースの内部に、スライド移動可能な苗押出し具と、支持ケースの苗植え用の移動操作に伴って苗押出し具を移動させて苗を押し出す駆動機構とが備えられている。
【0003】
そして、従来では、苗押出し具の移動を円滑に行うために、グリスニップルを通して支持ケースの内部にグリスを供給する構成となっており、グリスの供給が行われるときには、グリスニップルとは別に形成された開口を通して内部の空気を抜き、グリスが供給された後は、蓋部材によって開口を閉塞するようにしたものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−124809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来構成では、グリスニップルを通して支持ケースの内部にグリスを供給する場合には、予め蓋部材を取り外しておく必要がある。しかし、蓋部材を取り外すことを忘れると、蓋部材によって開口を閉じたままグリスを供給することになる。その結果、支持ケースの内圧が高くなり、無理な力によって蓋部材や駆動機構が損傷するおそれがあった。
【0006】
そこで、部材の損傷等のおそれが少なく良好にグリスの供給作業を行えるようにすることが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る田植機の苗植付装置の特徴構成は、苗植付爪を支持する支持ケースの内部に、スライド移動可能に支持され且つスライド移動に伴って苗植付爪から苗を押し出す苗押出し具と、前記支持ケースの苗植え用の移動操作に伴って前記苗押出し具をスライド移動させる駆動機構とが備えられ、前記支持ケースの外方から内部に向けてグリスを注入するためのグリスニップルと、前記グリスの注入に伴って前記支持ケースの内部の空気を外方に排出する空気排出口とが備えられ、前記空気排出口が前記グリスニップルの近傍に位置する状態で設けられ、前記空気排出口を塞ぐとともに、前記グリスニップルを外方側から覆う閉状態と、前記空気排出口を開放するとともに、前記グリスニップルを外方に向けて開放する開状態とに切り換え可能な蓋部材が備えられている点にある。
【0008】
本発明によれば、グリスを供給する場合には、蓋部材を開状態に切り換える必要がある。蓋部材が開状態であれば空気排出口も開放されているので、グリスニップルから支持ケース内にグリルを供給するときに、支持ケースの内圧は高くなることがない。グリス供給作業が終了して蓋部材を閉状態にすることで、空気排出口が塞がれる閉塞状態が維持される。
【0009】
ところで、支持ケースの内圧が高くならないようにするために、開口を閉じるための蓋部材の構成として、例えば、閉じ付勢用のバネ体を備えない構成のオイルシール等のように支持ケースの内圧が所定以上になると、オイルシールからグリスや空気が漏れ出るようにする構成が考えられる。しかし、この構成では、支持ケースとしてのシール機能が充分でなく、通常使用時にグリスが漏れ出すおそれがある。これに対して、本発明では、蓋部材を閉状態に切り換えると、シール機能が良好となる。
【0010】
従って、通常使用では良好なシール機能を発揮しながら、部材の損傷等のおそれが少ない状態で良好にグリスの供給作業を行うことが可能となった。
【0011】
本発明においては、前記駆動機構に、前記苗押出し具を前記支持ケースから突出する側に付勢するコイルバネと、前記コイルバネに抗して前記押し出し具を前記支持ケースに引き込む駆動機構とが備えられ、前記グリスニップルが、前記支持ケースのうち前記コイルバネの一端部を受止める箇所に設けられ、前記支持ケースの内部に、前記グリスニップルから前記コイルバネの配設部並びに前記駆動機構の配設部を通過して前記空気排出口に至るように空気抜き経路が形成されていると好適である。
【0012】
本構成によれば、支持ケース内にグリスを供給するとき、グリスが空気排出口に向けて短絡的に流動することを回避して、コイルバネ及び駆動機構に対して適正にグリルが作用する状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】乗用型田植機の全体側面図である。
図2】苗植付装置の側面図である。
図3】苗植付機構の縦断図である。
図4】植付アームの縦断側面図である。
図5】苗取りゲージの縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る田植機の苗植付装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る苗植付装置が装備された乗用型田植機の全体を示す側面図である。図1に示すように、乗用型田植機は、前部側に左右一対の前車輪1,1が装備され、後部側に左右一対の後車輪2,2が装備された走行機体3を備えている。走行機体3の前部側にエンジン4が搭載され、走行機体3は、前車輪1及び後車輪2がエンジン4からの駆動力によって駆動されて自走するように構成されている。走行機体3の後部側に、運転座席5、前車輪1を操向操作するステアリングハンドル6及び運転ステップ7を備えた運転部8が備えられている。走行機体3の後部に、複数の苗植付機構9を備えた苗植付装置10が連結されている。走行機体3の前部側に左右一対の予備苗貯留部11が設けられている。
【0015】
図2に示すように、苗植付装置10は、角パイプ状の機体横向きのメインフレーム12、このメインフレーム12の機体横幅方向略中央部に連結されているフィードケース13、メインフレーム12に機体横幅方向に適宜間隔をあけて配置して連結されている複数の植付伝動ケース14等により枠体が構成され、枠体の前部に苗のせ台15が機体横幅方向に一定ストロークで往復横移動駆動される状態で備えられている。植付伝動ケース14の後部の左右両側に苗植付機構9が駆動自在に支持されている。苗植付装置10の下部には機体横幅方向に並ぶ複数の接地フロート16が備えられている。
【0016】
走行機体3の走行に伴って、走行機体3側から動力が供給されて、苗植付機構9に備えられた苗植付爪17より、苗のせ台15に載置されたマット状苗の一部(1株分)を切り出し、接地フロート16により整地された後の圃場面に植え付けていくように構成されている。
【0017】
苗植付機構9について説明する。
図3に示すように、苗植付機構9は、植付伝動ケース14の横側部に機体横向きのロータ支軸18を介して回転駆動可能に支持された機体側面視界でほぼ長方形の回転ケース19と、回転ケース19の両端部に各別に機体横向きのアーム支軸20を介して回転駆動可能に支持された一対の植付アーム21とを備えている。
【0018】
回転ケース19は、フィードケース13から植付伝動ケース14に入力される駆動力によってロータ支軸18が回転駆動されることにより、ロータ支軸18の機体横向きの軸芯X1まわりに回転駆動される。一対の植付アーム21は、回転ケース19が回転駆動されることにより、ロータ回転軸芯X1まわりに公転する。一対の植付アーム21は、回転ケース19に内装された遊星ギア式伝動機構22がロータ支軸18の駆動力によって駆動されてアーム支軸20を回転駆動することにより、アーム支軸20の機体横向き軸芯で成り、ロータ回転軸芯X1に平行なアーム回転軸芯X2まわりに回転ケース19に対して自転するように回転駆動される。
【0019】
図4に示すように、一対の植付アーム21それぞれは、苗植付爪17を支持する支持ケース23の内部に、スライド移動可能に支持され且つスライド移動に伴って苗植付爪17から苗を押し出す苗押出し具24と、支持ケース23の苗植え用の移動操作に伴って苗押出し具24をスライド移動させる移動操作機構25とが備えられている。
【0020】
苗押出し具24は、支持ケース23のロッド支持部26にスライド可能に支持された押出しロッド27と、苗に対して押し出し作用する押出し操作部28とを備えている。苗押出し具24は、移動操作機構25の操作により、押出し操作部28が苗植付爪17の先端側に位置した苗押出し位置と、押出し操作部28が苗押出し位置から苗植付爪17の基端側に後退した待機位置とに亘り、苗植付爪17と平行又はほぼ平行にスライド操作される。苗押出し位置に操作されると、苗植付爪17の先端部が保持している苗の根部を押出し操作部28によって押圧して、苗を苗植付爪17から押出し操作する。押出しロッド27は、待機位置に操作されると、苗植付爪17の先端部による苗取出し及び苗保持を可能にする。
【0021】
従って、各苗植付機構9は、回転ケース19が回転駆動されることにより、一対の植付アーム21それぞれの苗植付爪17の先端側が苗のせ台15の下端側と圃場面との間を回動移動し、一対の植付アーム21の苗植付爪17が、交互に、苗のせ台15に載置されたマット状苗の下端部から一部を植付苗として取出し、取出した植付苗を保持して圃場面に下降して植付け、植付後に上昇して苗のせ台15の下端側に戻る苗植え運動を行なう。
【0022】
移動操作機構25について説明する。
移動操作機構25には、苗押出し具24を支持ケース23から突出する側に付勢する押出しバネ29(コイルバネの一例)と、押出しバネ29に抗して苗押出し具24を支持ケース23に引き込むカム式駆動部30(駆動機構の一例)とが備えられている。
【0023】
支持ケース23における後部側に外方に膨出する状態の筒形ケース部31が設けられている。押出しバネ29は、押出しロッド27の基端側と筒形ケース部31の膨出側端部31aとの間に介装した状態で筒形ケース部31に内装されている。押出しバネ29は、筒形ケース部31の膨出側端部31aを反力点として苗押出しロッド27のバネ受け部32を押圧操作することにより、押出しロッド27を苗押出し側にスライド操作する。
【0024】
カム式駆動部30は、回転ケース19と植付アーム21との相対回転に伴って作用する操作カム33と、操作カム33の作用によって揺動する揺動アーム34とを備えている。揺動アーム34は、支軸35を介して植付アーム21の左右の側壁部に揺動可能に支持されている。揺動アーム34の先端部と押出しロッド27とが連結部材36によって連動連結されている。揺動アーム34の基部から被操作アーム部37が操作カム33に向けて延出されている。被操作アーム部37は、苗植付機構9の苗植運動に伴い、植付アーム21がアーム回転軸芯X2まわりの回転ケース19に対して揺動することにより、操作カム33の周りを移動して操作カム33のカム周面33aに位置したり、カム周面33aから外れたりする。
【0025】
操作カム33を相対回転不能に支持する支軸38は、支持ケース23に対して相対回転可能に支持されているが、一対の支軸38が相対回転不能に連結されて、操作カム33の植付アーム21に対する回転が規制され、揺動アーム34を操作カム33によって揺動操作できるように構成されている。
【0026】
従って、移動操作機構25は、操作カム33によって揺動操作される揺動アーム34と、押出しバネ29(コイルバネの一例)とにより、苗押出し具24を苗押出し位置と待機位置とに亘ってスライド操作し、かつ苗押出し具24を待機位置に維持操作する。
【0027】
苗植付爪17が苗植付をする際、植付アーム21の回転ケース19に対する自転のために被操作アーム部37がカム周面33aから外れ、揺動アーム34が操作カム33による支持を受けないことにより、押出しバネ29が揺動アーム34を支軸35のまわりに揺動操作しながら、苗押出し具24を押出し位置にスライド操作する。
【0028】
苗植付爪17が苗植付を終えて上昇するに伴い、植付アーム21の回転ケース19に対する自転のために被操作アーム部37がカム周面33aに乗り上がって揺動アーム34が操作カム33による揺動操作を受けることにより、揺動アーム34が押出しロッド27を押出しバネ29に抗して待機位置に戻し操作する。
【0029】
苗植付爪17が苗植付を終えてから次の苗植付を行なうまでの間、被操作アーム部37がカム周面33aに位置して操作カム33が揺動アーム34を押出しバネ29に抗して揺動操作する状態を維持するので、揺動アーム34が待機位置に維持される。尚、図中、符号40は、押出しバネ29により押されて苗押出し具24が苗押出し位置に至ったときに、揺動アーム34を受け止め保持する弾性体からなる受止め部材である。
【0030】
〔苗取りゲージについて〕
苗植付爪17が苗の取り出し作用する位置を調整するための苗取りゲージ41について説明する。
苗取りゲージ41は、苗植付爪17が載置苗に対して取り出し作用を行う位置を調整するためのものである。図5に示すように、苗取りゲージ41は、摺動レール42に載置された状態で使用される。摺動レール42は、苗のせ台15に支持される植付苗の下端を支持する。そして、摺動レール42の上下位\\置を変更調節することにより、苗取り量を変更調節することができる。
【0031】
苗取りゲージ41は、ブロック状に形成され、上側の面に上下途中部に段差43が形成されている。この苗取りゲージ41を植付苗が載置されていない摺動レール42に対して載置した状態で、苗植付爪17を相対的に上側から下方に移動させながら段差43にあたるまで移動させたときの位置を適正位置に設定する。このように構成することで、位置変更動作と苗取りゲージ41から目視で読み取る高さ計測処理とを繰り返し行い必要がなく、能率よく高さ調節を行える。
【0032】
〔グリスの供給構成について〕
図4に示すように、支持ケース23には、支持ケース23の外方から内部に向けてグリスを注入するためのグリスニップル44と、グリスの注入に伴って支持ケース23の内部の空気を外方に排出する空気排出口45とが備えられている。
【0033】
空気排出口45がグリスニップル44の近傍に位置する状態で設けられ、空気排出口45を塞ぐとともに、グリスニップル44を外方側から覆う閉状態と、空気排出口45を開放するとともに、グリスニップル44を外方に向けて開放する開状態とに切り換え可能な蓋部材46が備えられている。
【0034】
説明を加えると、グリスニップル44が、支持ケース23のうち押出しバネ29の一端部を受止める箇所、すなわち、支持ケース23における筒形ケース部31の膨出側端部31aに設けられている。グリスニップル44から供給されるグリスがニップル支持部の内部を通り、押出しバネ29に向けて供給されるように案内される。
【0035】
膨出側端部31aにおけるグリスニップル44の近傍に位置する状態で空気排出口45が形成されている。そして、カム式駆動部30に対応する内部空間から空気排出口45に向けて延びる状態で空気通流路48が形成されている。
【0036】
グリスニップル44からグリスが供給されると、グリスは、押出しバネ29の配設部に相当する箇所の内部を通過したのち、カム式駆動部30の配設部に相当する内部空間、及び、空気通流路48を通り、空気排出口45に向けて流動していくことになる。従って、内側筒状部47の内部、押出しバネ29の配設部、カム式駆動部30の配設部、及び尾、空気通流路48に連なる状態で、空気排出口45に至る空気抜き経路Qが形成されている。
【0037】
支持ケース23における膨出側端部31aの外方側を覆う閉状態と、膨出側端部31aの外方側を開放する開状態とに切り換え可能な蓋部材46が備えられている。蓋部材46は、図4に示すように、閉状態では、空気排出口45を塞ぐとともに、グリスニップル44を外方側から覆う状態となる。図示はしていないが、開状態では、空気排出口45を開放するとともに、グリスニップル44を外方に向けて開放する状態となるように構成されている。蓋部材46は、ネジ込み装着あるいは、弾性変形による嵌め込み装着等、種々の形状で装着することができる。
【0038】
グリスを供給するときは蓋部材46を外して開状態とする。このことにより、グリスの供給を良好に行える。グリス供給が終了したのちは、蓋部材46を装着して閉状態に切り換えることにより、通常作業時のグリスの漏れ等を防止できる。
【0039】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、グリスニップル44が、支持ケース23のうち押出しバネ29の一端部を受止める箇所に設けられる構成としたが、この構成に代えて、グリスニップル44の設置位置は、適宜変更して実施してもよい。
【0040】
(2)上記実施形態では、支持ケース23の内部に、グリスニップル44から押出しバネ29の配設部並びにカム式駆動部30の配設部を通過して空気排出口45に至るように空気抜き経路Qが形成されるものを示したが、このような構成に限らず、空気抜き経路Qは適宜変更して形成することができる。
【0041】
(3)上記実施形態では、乗用型田植機における苗植付機構について記載したが、歩行型田植機における苗植付機構に適用するものでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、田植機の苗植付装置に適用できる。
【符号の説明】
【0043】
17 苗植付爪
23 支持ケース
24 苗押出し具
25 移動操作機構
29 コイルバネ
30 駆動機構
44 グリスニップル
45 空気排出口
46 蓋部材
Q 空気抜き経路
図1
図2
図3
図4
図5