【実施例】
【0047】
本発明の方法は、ここまでに一般的に説明したが、以下の実施例を参照することによりさらに容易に理解されるであろう。以下の実施例は例証のために提供するものであって、本発明の方法およびキットを限定することを意図するものではない。
【0048】
実施例1:ユニバーサルマスターミックス(Universal Master Mix)
他に特記されない限り、2.5Xユニバーサルマスターミックス(UMM)は下記の比率で調製される。下記の表は15 mlのUMMを調製するのに好適な試薬の体積を示すが、必要に応じて任意の好適な体積を調製することができる。
【表1】
【0049】
GoTaq Flexi緩衝液(商標)およびその同等物はイオン性界面活性剤を含有し、マグネシウムを含まない。
【0050】
実施例2:呼吸器ウイルス核酸の直接増幅に対するKClの効果
インフルエンザBウイルスを含む人工的に作ったスワブ検体を、培養されたインフルエンザBウイルス(「Flu B」)(Great Lakes株)を内部対照核酸と共にウイルス輸送媒体試料に加えることにより調製した。Flu Bおよび対照核酸のCt値を、UMMからKClを除き、さらに1または2μlのいずれかの逆転写酵素(Improm II逆転写酵素、Promega カタログ番号A3800)を含有する実施例1のユニバーサルマスターミックスを用いて、25 mM KClの存在下および不在下で測定した。Flu Bウイルスの鋳型コピーの連続希釈を158および39.5のTCID
50/mlで評価した。RT-PCR反応は下記の通りに実行した。
【0051】
段階1:75℃で3分間(1回)
段階2:47℃で10分間(1回)
段階3:97℃で2分間(1回)
段階4:102℃で1秒間、次いでデータ収集のため60℃で20秒間(45回反復)。
【0052】
Ct測定の閾値は50,000であった。Flu Bおよび内部対照プローブに対する発蛍光団はそれぞれJOEおよびQ670であった。すべてのアッセイを2回実行し、結果を平均した。
【表2】
【表3】
【0053】
表1および2の結果は、KClの存在が、血清中の呼吸器ウイルス(Flu B)についての直接RT-PCR増幅アッセイの感度を低いウイルス濃度で増大させることを証明している。これらの結果はさらに、KClの存在が、RT-PCRによる分析の前に血清からのウイルスを濃縮および/または精製する必要性を軽減または否定することを示している。
【0054】
実施例3:臨床試料からの呼吸器ウイルス核酸の直接増幅
さまざまな臨床試料(口腔スワブおよび脳脊髄液)をHSV-1および/またはHSV-2の存在について評価した。実施例1のユニバーサルMMを、MgCl
2およびKClに対して特記された修正を行って使用した。
【0055】
口腔スワブRT-PCR増幅マスターミックスは下記の表の通りであった。
【表4】
【0056】
CSF RT-PCR増幅マスターミックスは下記の表の通りであった。
【表5】
【0057】
直接RT-PCR増幅プロトコールおよび最初に核酸抽出プロトコールを使用するRT-PCR増幅プロトコールの両方を用いて臨床試料を分析した。核酸はRoche MagNA Pure LC装置および対応する全核酸単離キット(Total Nucleic Acid Isolation Kit)を用いて抽出した。合計200μlの試料を抽出し、核酸を50μl中に溶離した。
【0058】
それぞれのアッセイにおいて、10μlの試料を40μlの本実施例に記載されたマスターミックスに加えた。RT-PCR反応は下記の通りに実行した。
【0059】
段階1:75℃で3分間(1回)
段階2:47℃で10分間(1回)
段階3:97℃で2分間(1回)
段階4:102℃で1秒間、次いでデータ収集のために60℃で10秒間(50回反復)。
【0060】
結果は下記の通りである。
【表6】
【0061】
これらのデータは、HSVに感染した口腔またはCSF試料に関して、上記の直接増幅法は、多重RT-PCR増幅アッセイにおいて、分析の前に核酸抽出および濃縮を行うRT-PCRプロトコールと比較して同等の結果を与えることを証明している。
【0062】
実施例4:直接核酸増幅アッセイに対するRNA分解酵素阻害剤の効果
対照ウイルスをウイルス輸送媒体に加えて、上記の直接増幅RT-PCRアッセイを用いる分析のための合成試料を作った。それぞれのアッセイにおいて、10μlの試料を、1μlのRNA分解酵素阻害剤(「RNAsin」)(Promegaカタログ番号N261B)の存在下または不在下で、40μlの実施例1に記載したUMMに加えた。RT-PCR反応は下記の通りに実行した。
【0063】
段階1:50℃で10分間(1回)
段階2:97℃で2分間(1回)
段階3:102℃で1秒間、次いでデータ収集のために58℃で20秒間(50回反復)。
【0064】
RNAsinが存在しない場合、Ctは測定することができず、これはウイルスRNAがRTの前に分解されたことを示唆している。2回繰り返して実行されたアッセイにより、RNAsinの存在下での平均Ctは32.5であった。これらの結果は、RNAsinの存在が直接RT-PCR増幅法の感度を改善することを証明している。
【0065】
実施例5:直接核酸増幅アッセイに対する試料前加熱の効果
ウイルス輸送媒体にインフルエンザA、インフルエンザB、およびRSVウイルスの組合せをおよそ5,000ウイルスコピー/mlで加えて、「FABR」合成試料を形成し、またはインフルエンザBウイルス(10
-4)単独を加えた。これらの試料を、1μlのImprom II逆転写酵素および0.25μlのRNAsinを加えた実施例1のユニバーサルマスターミックスを用いて直接増幅により評価した。内部対照としてMS2ファージを加えた。実験試料を75℃に3分間前加熱し、それぞれのアッセイに対して10μlの試料を40μlのユニバーサルマスターミックスに加えた。RT-PCR反応は以下の通りに実行した。
【0066】
段階1:50℃で10分間(1回)
段階2:97℃で2分間(1回)
段階3:102℃で1秒間、次いでデータ収集のために58℃で20秒間(50回反復)。
【0067】
結果は下記の通りである。
【表7】
【0068】
次に、対照脳脊髄液試料にHSV-1ウイルス(TCID
50/ml = 2.14)を加えて、対照ウイルスをRNAsinの不在下、試料前加熱を行っておよび行わずに評価した。HSV-2核酸の存在について試料を同時に評価することにより、HSV-1検出法の特異性を確認した。どの試料にもHSV-2は検出されなかった。結果は下記の通りである。
【表8】
【0069】
これらの結果は、直接RT-PCR増幅および評価の前に試料を短時間前加熱することにより、多くの場合に(すなわち、少なくともFluB、RSV、およびHSV-1において)ウイルス検出の感度が増大すること、および他の場合(すなわち、FluA)に感度に負の影響を与えないことを証明している。さらに、試料の前加熱はRNA分解酵素阻害剤の添加の必要性を減少させるか、または排除する。
【0070】
実施例6A:BSAを用いる便試料プロトコール
ヒト便試料を標準的な臨床的方法を用いて患者から得る。試料は輸送および短期保存のために2〜25℃に維持し、使用の前に2回以上の冷凍/解凍サイクルを行わない。評価のために、フロックスワブを完全に混合した便検体中に浸し、スワブを検体容器の側面に押しつけることにより過剰な便を除去する。次に、スワブを1 mlのTris-EDTA(TE)緩衝液中で回し、捨てる。試料を97℃に10分間加熱する。次に、試料を実施例1のUMM(下に記載するUMMの修正を行う)を用いて1:4に希釈する(すなわち、2μlの試料を8μlのUMMに加える)。場合により、正の内部対照核酸を含有する2μlの溶液を8μlのUMMに加え得る(4μlのUMM、ならびに0.35 mg/mlのBSA、それぞれ600 nMのフォワードおよびリバースプライマー、それぞれ300 nMの内部対照プライマー、および0.5μlの内部対照DNAを含む)。クロストリジウム・ディフィシル標的プライマーはFAM蛍光団により標識し、内部対照標的はQuasar670蛍光団により標識した。熱サイクルを97℃で2分間の初期変性工程により開始し、次いで97℃で10秒間、および60℃で30秒間を40サイクル行った。リアルタイムPCRは40サイクル行い、標的核酸(この実験においてはクロストリジウム・ディフィシルTCD-B遺伝子であった)に特異的な蛍光標識プローブを用いて増幅曲線を測定した。
【表9】
【0071】
実施例6B:BSAを用いない便試料プロトコール
BSAの添加が便材料によりもたらされる検出の阻害を減少させるかどうかを決定するために、BSAの存在下および不在下の両方で、標的としてクロストリジウム・ディフィシルDNAを用いて、BSAを含む試料を試験するために使用したプロトコールに従ってRT-PCRアッセイを行った。実施例6Aに示した処方に従って、ただしBSAを含まない試料では100X BSAを加えずに、便試料を調製した。核酸の精製にMagnaPureシステム(Roche)を使用した。BSAを含まないPCR製剤をウェル1〜20にプレートし、BSAを含むPCR製剤をウェル21〜40にプレートして、上記の通りにPCR反応を行った。
【0072】
表6に示される結果は、BSAの添加が便試料からのグラム陽性嫌気性菌核酸検出の阻害を減少させることを示している。
【0073】
表6:
【表10】
【0074】
実施例7:直接RT-PCR増幅は緩衝液に依存する
インフルエンザAの試料および内部対照を直接増幅を用いて評価して、実施例1において定義されたユニバーサルマスターミックス中で使用した酵素が直接検出アッセイを促進するそれらの能力において唯一のものであるかどうかを決定した。600 nMインフルエンザAスコーピオン/プライマー(マトリックス遺伝子に対するもの)、500 nMブタH1スコーピオン/プライマー(ヘマグルタニン(hemaglutanin)遺伝子に対するもの)、および150 nMのMS2ファージに特異的なアーマード(armored)RNA内部対照(IC)スコーピオンプライマーからなるハイブリッドプライマー濃度が使用された。反応ミックスは、2つの別個の酵素および緩衝系:GoTaq(登録商標)Flexi、およびそれに付随するユニバーサルMMの成分である5X PCR緩衝液(Promega; カタログ番号M891AまたはM890A)、ならびにFastStart High Fidelityおよびそれに付随するRNA MMの成分である10x緩衝液(Roche)を、以下の濃度で使用して調製した。
【表11】
【0075】
試料はウイルス輸送媒体中に加えたインフルエンザウイルスから構成された。合計2μlの検体を8μlの上に挙げた各反応ミックスに加えた。それぞれの試料を前抽出することなく直接増幅した。
【0076】
次に熱サイクルを行い、標的核酸に特異的な蛍光標識プローブを用いて増幅曲線を測定した。InfA M遺伝子プローブ、H1N1特異的HA遺伝子プローブ、およびICプローブを、それぞれFAM、CFR610、およびQ670により標識した。次に、2つのサイクルプロトコールを用いてRT-PCR(ICy/ユニバーサル96-ウェルディスク;3M)を行った。最初にGoTaqサイクルによりGoTaqおよびFastStartアッセイを行い、次に両方のアッセイをFastStartサイクルにより行った。FastStartプロトコールは下記の通りである。
【0077】
段階1:47℃で15分間(1回)
段階2:97℃で10分間(1回)
段階3:97℃で15秒間、次いで60℃で30秒間(40回反復)。
【0078】
GoTaqサイクルプロトコールは下記の通りである。
【0079】
段階1:47℃で10分間(1回)
段階2:97℃で2分間(1回)
段階3:97℃で5秒間、次いで58℃で30秒間(40回反復)。
【0080】
結果を
図1(A)および(B)に示す。
図1(A)および(B)は、FastStartサイクルプロトコールを用いて実行したFastStart緩衝液を用いた試料、およびGoTaqサイクルプロトコールを用いて実行したGoTaq緩衝液を用いた試料を表す。FastStartサイクル条件および緩衝系を用いた場合に増幅は観察されなかったのに対して、GoTaqサイクル条件および緩衝系を用いた場合には強い増幅が観察された。
【0081】
試料保存緩衝液の効果も比較した。特に、ユニバーサル輸送媒体(UTM)または1X Tris-EDTA(「TE」)中で保存した試料からのH1N1核酸増幅をFastStartプロトコールを用いて比較した。
図2に示される通り、UTM試料においては有意な増幅が観察されなかったのに対して、TE試料では強い増幅曲線が得られた。
【0082】
FastStart化学およびサイクル条件に対する核酸抽出の効果を研究した。
図3に示される通り、FastStartプロトコールでは臨床試料から直接H1N1核酸を増幅することができないことが確認された(
図3B)。しかしながら、増幅反応の前に核酸を抽出した試料では強い増幅が観察された(
図3A)。これらの結果は、すべてのRT-PCR増幅条件を直接増幅/検出系に適用することはできないこと、およびGoTaq化学はこのアッセイフォーマットに特に好適であることを証明している。
【0083】
直接増幅に対するGoTaq化学およびサイクル条件の有効性が、インフルエンザA-陽性患者試料(2009パンデミックH1N1陽性試料を含む)を用いて確認された。増幅は、下記のパラメーターを用いて行った。
【表12】
【0084】
サイクル条件は下記の通りである。
【0085】
段階1:47℃で10分間(1回)
段階2:97℃で2分間(1回)
段階3:97℃で5秒間、次いで58℃で30秒間(40回反復)。
【0086】
図4Aに示す結果は、非パンデミックインフルエンザAウイルスを含む試料からのものであり、FAM標的の増幅はインフルエンザAの検出を示すが、パンデミックH1N1インフルエンザAの検出を示さない。
図4Bは、パンデミックH1N1試料の増幅を示し、H1N1特異的標的に加えてインフルエンザA標的の増幅を証明している。
【0087】
実施例8:直接核酸増幅アッセイによるFlu A、Flu BおよびRSVの検出ならびに核酸抽出を用いる方法との比較
臨床検体(スワブ)および対照試料からの核酸を直接核酸増幅アッセイを用いて増幅して、結果を核酸抽出を含む方法を用いた増幅結果と比較した。増幅プライマーの配列を下記の表に示す。
【表13】
【0088】
臨床検体および対照試料を65℃〜70℃に5分間加熱した。反応混合物を下記の通りに調製した。
【0089】
反応混合物
【表14】
【0090】
次に、熱サイクルを次のサイクルパラメーターを用いて行った。
【0091】
サイクルパラメーター
【表15】
【0092】
下に示す通り、直接核酸増幅アッセイを用いた増幅結果を、核酸抽出を含む方法を用いて得られた増幅結果と比較した。
【0093】
試験した臨床検体(スワブ)
【表16】
【0094】
直接核酸増幅アッセイを用いて得られた結果と上に示す核酸抽出を含む方法を用いて得られた結果との間には100%の一致が存在した。
【0095】
実施例9:直接核酸増幅アッセイによるHSV-1、HSV-2、およびVZVの検出ならびに核酸抽出を用いる方法との比較
臨床検体ならびに人工試料からの核酸を直接核酸増幅アッセイを用いて増幅して、結果を核酸抽出を含む方法を用いた増幅結果と比較した。反応混合物を下記の通りに調製した。
【0096】
反応混合物
【表17】
【0097】
増幅プライマーの配列を下記の表に示す。
【0098】
配列
【表18】
【0099】
熱サイクルを下記のサイクルパラメーターを用いて行った。
【0100】
サイクルパラメーター
【表19】
【0101】
下に示す通り、直接核酸増幅アッセイを用いた増幅結果を、核酸抽出を含む方法を用いて得られた増幅結果と比較した。
【0102】
VZV
32検体(13検体のスワブ、2検体の硝子体液、17検体のCSF)のうち合計32検体が、核酸抽出を含む増幅法を用いてVZV陽性であると検出された一方で、32検体のうち31検体が直接増幅法により陽性であると検出された。試験結果が陰性であったCSF試料は、ヌクレアーゼ阻害剤を加えて試験した場合にはCt 37.1を有することが検出された。
【0103】
HSV-1およびHSV-2
臨床検体(スワブ):
核酸抽出を含む増幅法を用いて陽性と検出された2つのHSV-1試料は、直接増幅法を用いても陽性であった。同様に、核酸抽出を含む増幅法を用いて陽性と検出された2つのHSV-2試料は、直接増幅法を用いても陽性であった。
【0104】
人工試料:
HSV-1およびHSV-2について、人工試料を用いて直接増幅と増幅の前に核酸抽出を行う方法とを比較した検出結果を下に示す。
【0105】
HSV-2
【表20】
【0106】
* TCID
50:50%組織培養感染量
HSV-1
【表21】
【0107】
* TCID
50:50%組織培養感染量
上記の通り、直接増幅法および核酸抽出を用いる方法を用いた結果は、HSV-1およびHSV-2の検出において同等である。
【0108】
実施例10:直接核酸増幅アッセイによるエンテロウイルスの検出および核酸抽出を用いる方法との比較
試料からの核酸を直接核酸増幅アッセイを用いて増幅して、結果を核酸抽出を含む方法を用いた増幅結果と比較した。反応混合物を下記の通りに調製した。
【0109】
反応混合物
【表22】
【0110】
増幅プライマーの配列を下記の表に示す。
【0111】
配列
【表23】
【0112】
熱サイクルを下記のサイクルパラメーターを用いて行った。
【0113】
サイクルパラメーター
【表24】
【0114】
下に示す通り、直接核酸増幅アッセイを用いた増幅結果を、核酸抽出を含む方法を用いて得られた増幅結果と比較した。
【0115】
核酸抽出を含む増幅法による試験の結果陰性であった32の試料は、直接増幅法によっても陰性であった。核酸抽出を含む増幅法による試験の結果陽性であった16の試料は、直接増幅法によっても陽性であった。
【0116】
人工試料を用いて直接増幅と増幅の前に核酸抽出を行う方法とを比較した検出結果を下に示す。
【表25】
【0117】
* TCID
50:50%組織培養感染量
上記の通り、直接増幅法および核酸抽出を用いる方法を用いた結果は、エンテロウイルスの検出において同等である。
【0118】
実施例11:直接核酸増幅アッセイによるクロストリジウム・ディフィシルの検出および核酸抽出を用いる方法との比較
直接核酸増幅アッセイを用いて試料からの核酸を増幅して、結果を核酸抽出を含む方法を用いた増幅結果と比較した。
【0119】
便検体を異なる個人から得た。フロックスワブを便検体中に浸した。過剰な便検体を除去した。スワブを1 mlのTE緩衝液中に入れて回し、スワブを捨てた。試料を加熱ブロック中で97℃に10分間加熱した。
【0120】
PCRマスターミックスを下記の通りに調製した。
【0121】
PCRミックス
【表26】
【0122】
2μlの加熱した試料を8μlのマスターミックスに加えて、下記のサイクルパラメーターを用いてPCRを行った。
【表27】
【0123】
プライマーはクロストリジウム・ディフィシルのトキシンB領域を標的とする。増幅プライマーおよびアンプリコンの配列を下に示す。
【0124】
クロストリジウム・ディフィシル・スコーピオンプライマー:
【0125】
クロストリジウム・ディフィシルリバースプライマー:
【0126】
クロストリジウム・ディフィシル・アンプリコン:
【0127】
クロストリジウム・ディフィシル・スコーピオンプライマーからの蛍光シグナルを495 nmで検出し、内部対照からのシグナルを644 nmで検出した。
【0128】
下に示す通り、直接核酸増幅アッセイを用いた増幅結果を核酸抽出を含む増幅法を用いて得られた結果と比較した。
【表28】
【0129】
上記の通り、核酸抽出を含む増幅法により陽性であると確認された試料の99%が直接増幅アッセイによっても陽性であると確認され、核酸抽出を含む増幅法により陰性であると確認された試料の91%が直接増幅アッセイによっても陰性であると確認された。
【0130】
検出限界(LoD)を、クロストリジウム・ディフィシル細菌ストックを加えた便-TE緩衝液マトリックス中の人工試料からなるパネルを用いて決定した。パネルは、陰性(無添加のマトリックス)およびおおよそのLoD(それ以前の試験の相において得られたもの)に近いさまざまな濃度の試料を含んだ。3つの別個の調製物および各レベルでのPCRの実行(8つの反復/実行)からの24回の反復の結果をProbit Analysisにより分析して、95%の確率で正確に検出され得る最低濃度を決定した。検出限界は0.04 cfu/反応である。
【0131】
アッセイの再現性
クロストリジウム・ディフィシル細菌ストックを加えた便-TE緩衝液マトリックス中の人工試料を用いて再現性の研究を行った。パネルには、陰性(無添加のマトリックス)、低い陽性(LODのおよそ2〜4倍)、および中程度の陽性(LODのおよそ8〜10倍)の試料が含まれた。再現性の研究は、2つの統合されたサイクラー装置を用いて5日間(連続した日ではない)に渡って行った。それぞれの日に、それぞれの装置で2回の実行を行った。それぞれの実行は各パネルメンバーおよび正の対照(PC)の4回の反復ならびに鋳型を含まない対照(NTC)の1回の反復を含んだ。Integrated Cycler装置のそれぞれの実行において、パネルおよびPCを4回繰り返してアッセイし、NTCを1回アッセイした。1ロットの直接増幅アッセイを使用して、1日に装置あたり2回の実行で5日間(連続する日ではない)に渡ってパネルを実行した。装置あたり少なくとも1人のオペレーターを有する最低2台の装置が存在した。結果の再現性の概要を下に示す。
【表29】
【0132】
潜在的干渉物質の存在下でのアッセイの性能
このアッセイの性能を、下記の表に示した濃度の、便試料中に存在し得る潜在的干渉物質を加えて評価した。合計21種の潜在的干渉物質(それぞれ4回ずつ反復)およびベースライン(陽性)試料(5回反復)を最初に試験した。2種を除くすべての干渉試料が最初の実行の4回の反復すべてにおいて「陽性」と判定された。2種の干渉物質(バンコマイシン(Vancomycin)およびペプトビスモール(Pepto-Bismol))について、再度の確認のための実行において、5回の反復のすべてが「陽性」であった。干渉は観察されなかった。
【表30】
【0133】
交差反応性
さまざまな可能性のある交差反応体について分析特異性を実施した。合計47種の潜在的交差反応生物体を試験した。ロタウイルス生物体のみが、最初の試験において3回の反復すべてで「陰性」と判定された。「ロタウイルス」についての5回反復した確認のための実行も「陰性」と判定された。交差反応性は確認されなかった。
【表31】
【0134】
*臨床試験研究室におけるこの試料のその後の試験により、試料がクロストリジウム・ディフィシルに対して陽性であったことが確認された。
【0135】
実施例12:直接核酸増幅アッセイによるA群連鎖球菌の検出および核酸抽出を用いる方法との比較
試料からの核酸を直接核酸増幅アッセイを用いて増幅して、結果を核酸抽出を含む方法を用いた増幅結果と比較した。
【0136】
スワブ試料を直接増幅アッセイに使用した。PCRマスターミックスを下記の通りに調製した。
【0137】
PCRミックス
【表32】
【0138】
2μLのスワブ試料からの輸送媒体を8μLのPCRマスターミックスに加えて、下記のサイクルパラメーターを用いてPCRを行った。
【表33】
【0139】
増幅プライマーおよびアンプリコンの配列を下に示す。
【0140】
A群連鎖球菌スコーピオンプライマー:
【0141】
A群連鎖球菌リバースプライマー:
【0142】
A群連鎖球菌アンプリコン:
【0143】
下に示す通り、直接核酸増幅アッセイを用いた増幅結果を、核酸抽出を含む増幅法を用いて得られた結果と比較した。
【表34】
【0144】
上記の通り、核酸抽出を含む増幅法により陽性であると確認された試料の93.8%が直接増幅アッセイによっても陽性であると確認され、核酸抽出を含む増幅法により陰性であると確認された試料の99%が直接増幅アッセイによっても陰性であると確認された。
【0145】
実施例13:干渉物質の存在下での直接核酸増幅アッセイによるFlu A、Flu BおよびRSVの検出
実施例8の実験プロトコールを用いて、臨床検体からの核酸を下記の表に挙げられたさまざまな干渉物質の存在下で直接核酸増幅アッセイを用いて増幅した。
【表35】
【0146】
それぞれの潜在的干渉物質に対して直接増幅アッセイを2回繰り返して実施した。Q670蛍光標識を内部対照に使用し、PCは正の対照を表し、NEGは負の対照を表す。
【0147】
下記の表は、潜在的干渉物質の存在下でのFlu Aウイルス検出のCtの結果を表す。
【表36】
【0148】
下記の表は、潜在的干渉物質の存在下でのFlu Bウイルス検出のCtの結果を表す。
【表37】
【0149】
下記の表は、潜在的干渉物質の存在下でのRSVウイルス検出のCtの結果を表す。
【表38】
【0150】
*偽陽性FAMシグナルが、2回の反復のうちの1回で検出された。
結果は、負の対照でFAM、JOEまたはCFR610チャネルにおいて有効な増幅シグナルがなく、Q670チャネルにおいてCt < 40であったことに基づいて正確であることが確認された。また、PCの反応はFAM、JOEおよびCFR610チャネルにおいてCt < 40を与えた。
【0151】
Flu A、Flu BおよびRSVの検出のための直接増幅アッセイの結果は、試験されたいずれのウイルスについても、いずれの干渉物質を使用した場合にも、干渉物質を含まない対照試料と比較してCt値における有意の変化が存在しなかったことを証明している。したがって、直接増幅アッセイは、これらのウイルスの低い陽性の試料を検出する場合に潜在的干渉物質により影響を受けない。
【0152】
実施例14:干渉物質の存在下での直接核酸増幅アッセイによるHSV-1およびHSV-2の検出
実施例3の実験プロトコールを用いて、陰性スワブマトリックス上および合成脳脊髄液中の核酸を、下記の表に挙げられたさまざまな干渉物質の存在下で直接核酸増幅アッセイを用いて増幅した。
【表39】
【0153】
全血潜在的干渉物質(干渉物質ID:1)を10%で試験したが、これは精製されたヘモグロビンよりも臨床的に関連性が高い。また、ヘモグロビン潜在的干渉物質(干渉物質ID:9)を、5.0〜1.25 mg/mLのより高い濃度で試験したが、これらの濃度ではHSV-1およびHSV-2の検出が阻害された。
【0154】
それぞれの潜在的干渉物質に対して直接増幅アッセイを3回繰り返して実施した。Q670蛍光標識を内部対照に使用し、PCは正の対照を表し、NEGは負の対照を表す。
【0155】
下記の表は、潜在的干渉物質の存在下での陰性スワブマトリックス上のHSV-1ウイルス検出のCtの結果を表す。
【表40】
【0156】
女性尿試料においてHSV-1が検出されたものの、試料を含まない対照よりも高い蛍光値により示されるように、女性尿(干渉物質ID:2)の液体チェックは失敗であった。すべての潜在的干渉物質試験に同じHSV-1レベルを使用したにも関わらず、K-Yブランドゼリー(干渉物質ID:5)は、対照試料と比較して早いCt値を与えた。女性尿およびK-Yゼリー潜在的干渉物質を再試験したが、両方の試料について早いCtが再現された。
【0157】
下記の表は、潜在的干渉物質の存在下での陰性スワブマトリックス上のHSV-2ウイルス検出のCtの結果を表す。
【表41】
【0158】
上記のHSV-1についての女性尿試料についての液体チェックの問題はHSV-2にも当てはまった。
【0159】
下記の表は、潜在的干渉物質の存在下での合成脳脊髄液中のHSV-1ウイルス検出のCtの結果を表す。
【表42】
【0160】
下記の表は、潜在的干渉物質の存在下での合成脳脊髄液中のHSV-2ウイルス検出のCtの結果を表す。
【表43】
【0161】
結果は、負の対照でFAMまたはCFR610チャネルにおいて有効な増幅シグナルがなく、Q670チャネルにおいてCt < 40であったことに基づいて正確であることが確認された。また、PCの反応はFAMおよびCFR610チャネルにおいてCt < 40を与えた。
【0162】
HSV-1およびHSV-2の検出のための直接増幅アッセイの結果は、試験されたどちらのウイルスについても、いずれの干渉物質を使用した場合にも、Ct値における有意の変化が存在しなかったことを証明している。したがって、直接増幅アッセイは、これらのウイルスの低い陽性の試料を検出する場合に潜在的干渉物質により影響を受けない。
【0163】
実施例15:改善された性能を提供する直接増幅アッセイの成分
下記のデータは改善された性能を与える直接増幅アッセイの成分を表す。一実施形態において、これらの成分のすべてを組合せることにより、公知の阻害剤(例えば、血液およびヘパリン)の存在下でさえも有効なリアルタイムPCRを可能にする系が提供される。
【0164】
KClの効果
直接増幅アッセイへのKCl(20〜40 mMまで)の添加は蛍光シグナルを改善し、反応に改善された感度を与える。
図5のデータは、KClの存在下および不在下でのMRSAの検出を示す。KClが存在しなくてもいくらかの検出が可能であるが、KClの存在は反応の有効性を改善する。
図5のデータは、カチオン性界面活性剤などの他の反応成分の存在下で得られたものである。
【0165】
BSAの効果
クロストリジウム・ディフィシルを含む便試料にさまざまな濃度でBSAを加えた。下に3500 ng/反応として表される高濃度では、いくつかの患者試料から阻害が除去された。下の表(Ct値を表す)に見られる通り、5 ng/反応の低いBSA濃度において、クロストリジウム・ディフィシル標的は検出されず、内部対照は3つの試料のうち2つで検出されなかった。具体的には、内部対照は試料Aを用いて検出された。しかしながら、高濃度の試料と比較して、低いCt値は遅い増幅を証明し、阻害の特徴を示している(Ct値は問題の標的を検出するために十分なシグナルが作り出されるPCRサイクルである)。
【表44】
【0166】
界面活性剤の効果
カチオン性界面活性剤を加えると蛍光シグナルが改善し、直接増幅アッセイに改善された感度を与える。
図6に示される通り、シンプレキサ・ボルデテラ(Simplexa Bordetella)に対して直接増幅アッセイを行った場合に、界面活性剤を添加しなくてもいくらかの検出は可能である。しかしながら、界面活性剤を使用した場合、より高いシグナル高さにより示される通り、反応の有効性が改善し、それにより改善された感度が得られる。
【0167】
追加の加熱の効果
試験したいくつかの生物体はアッセイ性能を改善するために追加の加熱工程を必要とする。例えば、
図7に示される通り、Flu Bについて、標準的な反応において提供されるもの(例えば前加熱)以上の追加の加熱を用いた場合に、感度の改善が観察された。Flu Bを用いた改善は70℃の温度で見られた。クロストリジウム・ディフィシルおよびA群連鎖球菌などの他の生物体を検出するアッセイの性能は95℃の温度で見られた。阻害剤を破壊し、生物体を溶解するための試料の加熱は、熱が試薬を破壊する可能性とのバランスを取らなければならない。いくつかの実施形態において、試料の加熱は試薬(例えば、緩衝液)を加える前に行う。
【0168】
系の許容性
下記のデータ(百日咳菌/パラ百日咳菌(Bordetella pertussis/parapertussis)PCR)は、直接増幅アッセイが30%までの輸送媒体(Copan UTM)を阻害なしで許容し得ることを示す。下で直接検出法により試験したすべての試料は、30%の試料および70%の直接増幅反応ミックスを使用した。直接検出の結果を、増幅の前にDNA抽出および精製を使用した結果と比較した。患者の検体を使用した場合、直接法は抽出および精製試験と比較して99%の感度および特異性を有した。
【表45】
【0169】
以前の文献は検体を反応混合物に加える前にかなりの希釈を必要をしたので、感度が限定された。
【0170】
実施例16:さらなる検体型による直接増幅アッセイ
全血
全血を使用してヒト遺伝子試験を行った。全血は1:4希釈または10μlの反応体積中に0.5μlのいずれかで使用することができた。いずれの場合にも、ヘム(PCR阻害剤として知られる)はアッセイに影響を与えなかった。直接増幅法を用いて第V因子ライデン(Leiden)変位または第II因子変位の存在について試験した場合と、増幅および突然変異の検出の前に核酸抽出を利用する標準的方法を用いた場合とで完全な一致が達成された。
【表46】
【0171】
ヘパリンを含む全血
図8のデータは、1つの血液試料を3本の管に収集してそれぞれ異なる抗凝血剤(ヘパリン、EDTA、クエン酸塩)を加えたものからの増幅プロットを示す。図に示される通り、増幅プロットは、公知のPCR阻害剤であるヘパリンを抗凝血剤として使用した場合でさえも、すべての試料が有効な増幅を与えることを示す。
【0172】
口腔スワブ
図9のデータは、突然変異(第V因子ライデン変位領域の検出)についてヒト遺伝子DNAの2つの試料および1つの負の対照のそれぞれを4回反復した結果を表す。すべての反復において効率的な増幅が見られた。試料は頬の内側を約10秒間スワブで拭くことにより収集し、スワブ表面全体が使用されたことを確認した。次に、スワブを500μLの1X TE緩衝液2μL中に入れ、これを抽出を行わずにPCR試料に直接入れた。
【0173】
以前に刊行された文献との比較
以前に刊行された結果は、有効な検出を行うためには試料を希釈しなければならないことを示している。これらの刊行物、例えば、参照文献Pandori et al., BMC Infect. Dis., 6:104 (2006)と比較すると、前記のデータは、10倍の量の試料が、刊行された方法よりも10倍低い検出限界を提供することを証明している。
【0174】
本明細書において言及または引用した論文、特許、および特許出願、ならびに他のすべての文書および電子的に利用可能な情報の内容は、個々の刊行物について明確にかつ個別に参照により組み込まれることが指示されたのと同じ程度に、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。出願人は任意の前記論文、特許、特許出願、または他の物理的および電子的文書からの任意の、かつすべての材料および情報を本出願に物理的に組み入れる権利を保有する。
【0175】
本明細書に実例として記載した発明は、本明細書に特に開示されていないが、任意の要素(単数または複数の)、限定(単数または複数の)の不在下で好適に実施し得る。さらに、本明細書において使用される用語および表現は、限定ではなく説明の用語として使用されたものであり、前記用語および表現の使用において、提示および記載された特徴またはその一部の何らかの同等物を除外する意図は存在せず、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内でさまざまな修正が可能であると認められる。したがって、本発明を好ましい実施形態および随意的な特徴により具体的に開示したが、本明細書に開示されたそこに具体化された発明の修正および変更は当業者により実施可能であり、そのような修正および変更は本発明の範囲に包含されると見なされることが理解されるべきである。
【0176】
本明細書において、本発明を広く一般的に記載した。一般的開示の中に含まれるより狭い種および亜族の分類のそれぞれも本発明の一部を形成する。これは、条件付きの本発明の一般的説明または属から任意の対象物を除く消極的限定(削除された材料が本明細書に特に列記されたか否かに関わらず)を含む。
【0177】
他の実施形態は以下の特許請求の範囲内に含まれる。さらに、本発明の特徴または態様がマーカッシュ群を用いて記載される場合、当業者は、それによりその発明がマーカッシュ群の任意の個々のメンバーまたはメンバーのサブグループによっても記載されることを認めるであろう。
本発明は以下の態様も提供する。
[1] ヒトから得られた生体試料中の微生物由来の標的核酸の存否を確認するための方法であって、該方法が、
(a) 試料から標的核酸を抽出することなく、試料由来の標的核酸の増幅に好適な条件下で試料をDNAポリメラーゼおよび緩衝液と接触させる工程;
(b) 工程(a)により得られた試料に、存在する場合には標的核酸が増幅されるように熱サイクルを行う工程;ならびに
(c) 存在する場合には工程(b)により製造された増幅された標的核酸を検出する工程
を含み、
試料中の核酸を増幅の前に試料から抽出しない、
前記方法。
[2] 試料を工程(a)の前に希釈しない、[1]に記載の方法。
[3] 試料を工程(b)の前に加熱する、[1]に記載の方法。
[4] 試料を工程(a)の前に加熱する、[3]に記載の方法。
[5] 試料を工程(b)の前に、約2分間以上、約70℃以上の温度に加熱する、[1]に記載の方法。
[6] 緩衝液が塩化カリウム(KCl)を含む、[1]に記載の方法。
[7] KClが約5 mM〜約50 mMの濃度で存在する、[6]に記載の方法。
[8] 緩衝液がGoTaq(商標)Flexi緩衝液を含む、[1]に記載の方法。
[9] GoTaq(商標)Flexi緩衝液が工程(b)の間1X〜5Xの濃度で存在する、[8]に記載の方法。
[10] DNAポリメラーゼがTaqポリメラーゼである、[1]に記載の方法。
[11] 標的核酸がDNAである、[1]に記載の方法。
[12] 標的核酸がRNAである、[1]に記載の方法。
[13] 増幅の前に、試料をさらに逆転写酵素と接触させる、[12]に記載の方法。
[14] 試料をDNAポリメラーゼおよび逆転写酵素と同時に接触させる、[13]に記載の方法。
[15] 試料が血液、血清、血漿、脳脊髄液、口腔液、および便からなる群より選択される、[1]に記載の方法。
[16] 血液が全血である、[15]に記載の方法。
[17] 試料が口腔領域から得られる、[1]に記載の方法。
[18] 微生物がウイルスである、[1]に記載の方法。
[19] ウイルスが、インフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、単純ヘルペスウイルス、およびエンテロウイルスからなる群より選択される、[18]に記載の方法。
[20] 微生物が細菌である、[1]に記載の方法。
[21] 細菌がクロストリジウム属または連鎖球菌属である、[20]に記載の方法。
[22] 緩衝液がさらにアルブミンを含む、[1]に記載の方法。
[23] アルブミンがBSAである、[22]に記載の方法。
[24] 緩衝液がさらに界面活性剤を含む、[1]に記載の方法。
[25] 界面活性剤がカチオン性界面活性剤である、[24]に記載の方法。
[26] ヒトから得られた生体試料中の微生物由来の標的核酸の存否を確認するための方法であって、該方法が、
(a) 試料から標的核酸を抽出することなく、試料由来の標的核酸の増幅に好適な条件下で試料をDNAポリメラーゼおよび緩衝液と接触させる工程;
(b) 工程(a)により得られた試料に、存在する場合には標的核酸が増幅されるように熱サイクルを行う工程;ならびに
(c) 存在する場合には工程(b)により製造された増幅された標的核酸を検出する工程
を含み、
試料中の核酸を増幅の前に試料から抽出せず、かつ、
緩衝液が、KCl、ウシ血清アルブミンおよび界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種の成分を含む、
前記方法。
[27] 界面活性剤がカチオン性界面活性剤である、[26]に記載の方法。
[28] さらに工程(a)または工程(b)の前に試料を加熱することを含む、[26]に記載の方法。