(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-202868(P2020-202868A)
(43)【公開日】2020年12月24日
(54)【発明の名称】風味付け部材、風味付け部材の製造装置および風味付け部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
A24D 3/02 20060101AFI20201127BHJP
A24D 3/04 20060101ALI20201127BHJP
【FI】
A24D3/02
A24D3/04
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-153554(P2020-153554)
(22)【出願日】2020年9月14日
(62)【分割の表示】特願2017-556739(P2017-556739)の分割
【原出願日】2016年4月26日
(31)【優先権主張番号】1507269.7
(32)【優先日】2015年4月29日
(33)【優先権主張国】GB
(71)【出願人】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ファロン、ゲイリー
(72)【発明者】
【氏名】パク、キ ソン
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045BA03
4B045BB03
4B045BC04
4B045BD02
4B045BD06
4B045BD34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】新たな風味付け部材、風味付け部材の製造装置および風味付け部材の製造方法と、風味付け材料からなるロッドを含む喫煙品用の風味付け部材を提供する。
【解決手段】風味付け部材43は、キャリアー材15と、バインダー13によってキャリアー材15に接着された風味付け粒子14とを含む。この風味付け部材43は、バインダー13と風味付け粒子14を含む混合物12にキャリアー材15を通すことによって形成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙品用の風味付け部材であって、この風味付け部材は、風味付け材料からなるロッドを含み、風味付け材料は、キャリアー材と、バインダーによってキャリアー材に接着された風味付け粒子とを含み、
風味付け材料は、キャリアー材をバインダーと風味付け粒子を含む混合物中を通すことによって形成される風味付け部材。
【請求項2】
キャリアー材は繊維ウェブであり、ウェブの繊維には風味付け粒子が接着されていることを特徴とする請求項1記載の風味付け部材。
【請求項3】
キャリアー材は、アルミニウム、タバコ、セラミック、綿の内の1つから作られていることを特徴とする請求項1または2記載の風味付け部材。
【請求項4】
風味付け材料を形成するためにキャリアー材が通過する混合物は練り粉のような粘度を有することを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の風味付け部材。
【請求項5】
風味付け部材は、風味付け材料の連続したロッドから切断された風味付け材料の個別のロッドを含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の風味付け部材。
【請求項6】
風味付け部材は、風味付け材料からなるロッドの周囲に外方ラッパーを含むことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の風味付け部材。
【請求項7】
喫煙品であって、この喫煙品は
喫煙材ロッドと
フィルターロッドと
請求項1乃至6いずれか1項記載の風味付け部材を含む喫煙品。
【請求項8】
風味付け部材は、フィルターロッドと喫煙材ロッドとの間に配置されることを特徴とする請求項7記載の喫煙品。
【請求項9】
喫煙品用の風味付け部材の製造装置であって、この風味付け部材は、風味付け材料からなるロッドを含み、風味付け材料は、キャリアー材と、バインダーによってキャリアー材に接着された風味付け粒子とを含み、この装置は、
バインダーと風味付け粒子の混合物が入った出口を含む容器と、
キャリアー材の供給部とを含み、
この装置は、ある長さのキャリアー材を容器内の混合物を通過するように搬送して、風味付け粒子がその長さのキャリアーに接着し、ある長さの風味付け材料を形成するように構成され、かつ、その長さの風味付け材料を押し出して風味付け材料からなるロッドを形成するためにその長さのキャリアー材を搬送して出口から出るように構成されている装置。
【請求項10】
前記ある長さのキャリアー材は、連続長のキャリアー材であり、前記装置は、その連続長のキャリアー材を混合物を通過するように搬送し、バインダーによって風味付け粒子が連続長のキャリアー材に接着されるようにして連続長の風味付け材料を形成するように構成され、かつ、その連続長の風味付け材料を押し出して連続長の風味付け材料からなるロッドを形成するように構成されていることを特徴とする請求項9記載の装置。
【請求項11】
混合物は練り粉のような粘度を有することを特徴とする請求項9または10記載の装置。
【請求項12】
装置は、容器の出口の方向へ混合物を搬送する手段を含むことを特徴とする請求項9乃至11いずれか1項記載の装置。
【請求項13】
搬送手段は、容器内に位置し容器の出口に面しているスクリューコンベアを含むことを特徴とする請求項12記載の装置。
【請求項14】
搬送手段は、容器内の混合物に圧力を加える手段を含むことを特徴とする請求項12記載の装置。
【請求項15】
装置は、出口を介して容器から前記ある長さの風味付け材料を引っ張り出す手段を含むことを特徴とする請求項9乃至14いずれか1項記載の装置。
【請求項16】
出口は、ダイを含み、このダイは、前記ある長さの風味付け材料が出口を介して吐出されて風味付け材料からなるロッドを形成する際に押し出されたその長さの風味付け材料の形を整えるように構成されていることを特徴とする請求項9乃至15いずれか1項記載の装置。
【請求項17】
ダイは、風味付け材料からなるロッドにらせん状の外形を供するように構成されていることを特徴とする請求項16記載の装置。
【請求項18】
キャリアー材が混合物を通って搬送される際に、前記ある長さのキャリアー材をねじる手段を含むことを特徴とする請求項9乃至17いずれか1項記載の装置。
【請求項19】
噴射ノズルは容器内にある量のバインダーを注入するように構成されていることを特徴とする請求項9乃至18いずれか1項記載の装置。
【請求項20】
包装ステーションは、風味付け材料からなるロッドの周囲に外方ラッパーを供するように構成されていることを特徴とする請求項9乃至19いずれか1項記載の装置。
【請求項21】
包装ステーションは、出口を介して容器から前記ある長さの風味付け材料を引っ張り出すように構成されていることを特徴とする請求項15に従属する請求項20記載の装置。
【請求項22】
切断ステーションは、風味付け材料からなるロッドを風味付け材料の個別のロッドに切断するように構成されていることを特徴とする請求項9乃至21いずれか1項記載の装置。
【請求項23】
喫煙品用の風味付け部材の製造方法であって、この風味付け部材は、風味付け材料からなるロッドを含み、風味付け材料は、キャリアー材と、バインダーによってキャリアー材に接着された風味付け粒子とを含み、この方法は、
出口を有する容器をバインダーと風味付け粒子の混合物で満たすことと、
ある長さのキャリアー材を供給することと、
その長さのキャリアー材を容器内の混合物を通過するように出口の方向へと搬送し、風味付け粒子がバインダーによってその長さのキャリアー材に接着し、ある長さの風味付け材料を形成することと、
風味付け材料からなるロッドを形成するためにその長さの風味付け材料を押し出すようにその長さのキャリアー材を搬送して出口から出すこととを含む方法。
【請求項24】
前記ある長さのキャリアー材は、連続長のキャリアー材であり、
前記方法は、連続長のキャリアー材を混合物を通過して搬送して、風味付け粒子がバイ
ンダーによって連続長のキャリアー材に接着し、連続長の風味付け材料を形成することと、
連続長の風味付け材料を押し出しして連続した風味剤ロッドを形成することとを含むことを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項25】
容器の出口の方向へ混合物を搬送することを含むことを特徴とする請求項23または24記載の方法。
【請求項26】
容器の出口の方向へ混合物を搬送するためにスクリューコンベアを使用することを含むことを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項27】
出口を介して容器から前記ある長さの風味付け材料を引っ張り出すことを含むことを特徴とする請求項23乃至26いずれか1項記載の方法。
【請求項28】
出口を介して押し出された前記ある長さの風味付け材料が吐出される際、風味付け材料の形を整えるためにダイを使用することを含むことを特徴とする請求項23乃至27いずれか1項記載の方法。
【請求項29】
前記ある長さの風味付け材料がダイを通る際、風味付け材料にらせん状の外形を供するためにダイを使用することを含むことを特徴とする請求項28記載の方法。
【請求項30】
混合物を通って前記ある長さのキャリアー材が搬送される際、キャリアー材をねじることを含むことを特徴とする請求項23乃至29いずれか1項記載の方法。
【請求項31】
容器にある量のバインダーを注入するために噴射ノズルを使用することを含むことを特徴とする請求項23乃至30いずれか1項記載の方法。
【請求項32】
風味付け材料からなるロッドの周囲に外方ラッパーを供するために包装ステーションを使用することを含むことを特徴とする請求項23乃至31いずれか1項記載の方法。
【請求項33】
出口を介して容器から前記ある長さの風味付け材料を引っ張り出すために包装ステーションを使用することを含むことを特徴と請求項27に従属する場合の請求項32記載の方法。
【請求項34】
風味付け材料からなるロッドを、風味付け材料の個別のロッドに切断することを含むことを特徴とする請求項23乃至33いずれか1項記載の方法。
【請求項35】
添付の図面を参照して本明細書に記載した風味付け部材。
【請求項36】
添付の図面を参照して本明細書に記載した喫煙品。
【請求項37】
添付の図面を参照して本明細書に記載した喫煙品用の風味付け部材の製造装置。
【請求項38】
添付の図面を参照して本明細書に記載した喫煙品用の風味付け部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風味付け部材の製造装置および製造方法、特に喫煙品用の風味付け部材の製造装置および製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
煙変性剤を喫煙品の本体に含有させ、喫煙品に対し、風味付けまたは他の煙あるいはエアロゾルを改良することは知られている。風味付け顆粒をフィルターロッドまたは紙巻きタバコの包装紙あるいは他の形体の喫煙品に組み込んで、吸引された煙または他のエアロゾルの風味を強くしてもよい。
【0003】
喫煙品に使用するための別の風味付け部材および風味付け部材の製造装置と製造方法を提供することが望まれている。
【発明の概要】
【0004】
本明細書では、喫煙品用の風味付け部材の実施態様が記載され、この風味付け部材は、風味付け材料からなるロッドを含み、風味付け材料は、キャリアー材と、バインダーによってキャリアー材に接着された風味付け粒子とを含み、風味付け材料は、キャリアー材をバインダーと風味付け粒子を含む混合物中を通すことによって形成される。
【0005】
キャリアー材は、繊維ウェブでもよく、風味付け粒子はウェブの繊維に接着されていてもよい。キャリアー材は、アルミニウム、タバコ、セラミック、綿の内の1つの材料から作られてもよい。
【0006】
風味付け材料を形成するためにキャリアー材が通過する混合物は、練り粉のような粘度を有してもよい。
【0007】
本発明の風味付け部材は、風味付け材料の連続したロッドから切断された風味付け材料の個別のロッドを含んでもよい。
【0008】
本発明の風味付け部材は、風味付け材料からなるロッドの周囲に外方ラッパーを含んでもよい。
【0009】
本明細書では、喫煙材ロッド、フィルターロッドおよび上述の風味付け部材を含む喫煙品の実施態様もまた記載されている。
【0010】
本発明の風味付け部材は、フィルターロッドと喫煙材ロッドの間に配置されていてもよい。
【0011】
また本明細書では、喫煙品用の風味付け部材の製造装置も記載されており、この風味付け部材は、風味付け材料からなるロッドを含み、風味付け材料は、キャリアー材と、バインダーによってキャリアー材に接着された風味付け粒子とを含み、この装置はバインダーと風味付け粒子の混合物が入った出口を含む容器と、キャリアー材の供給部とを含み、この装置は、ある長さのキャリアー材を容器内の混合物を通過するように搬送して、風味付け粒子がその長さのキャリアー材に接着し、ある長さの風味付け材料を形成するように構成され、かつ、その長さの風味付け材料を押し出して風味付け材料からなるロッドを形成するためにその長さのキャリアー材を搬送して出口から出るように構成されている。
【0012】
上記ある長さのキャリアー材は、連続長のキャリアー材であってもよく、本発明の装置は、その連続長のキャリアー材を混合物を通過するように搬送し、バインダーによって風味付け粒子が連続長のキャリアー材に接着されるようにして連続長の風味付け材料を形成するように構成されてもよく、かつ、その連続長の風味付け材料を押し出して連続長の風味付け材料からなるロッドを形成するように構成されてもよい。
【0013】
混合物は練り粉のような粘度を有してもよい。
【0014】
本発明装置は、容器の出口の方向へ混合物を搬送する手段を含んでもよい。搬送手段は、容器内に位置し、容器の出口に面しているスクリューコンベアを含んでもよい。その代わりにまたは加えて、搬送手段は容器内の混合物に圧力を加えるための手段を含んでもよい。
【0015】
本発明の装置は、出口を介して容器から上記ある長さの風味付け材料を引っ張り出す手段を含んでもよい。
【0016】
出口は、ダイを含んでもよく、このダイは、上記ある長さの風味付け材料が出口を介して吐出されて風味付け材料からなるロッドを形成する際に押し出されたその長さの風味付け材料の形を整えるように構成されていてもよい。
【0017】
ダイは、風味付け材料からなるロッドにらせん状の外形を供するように構成されてもよい。
【0018】
本発明の装置は、混合物を通って搬送される時、上記ある長さのキャリアー材をねじる手段を含んでもよい。
【0019】
本発明の装置は、ある量のバインダーを容器内に注入するように構成された噴射ノズルを含んでもよい。
【0020】
本発明の装置は、風味付け材料からなるロッドの周囲に外方ラッパーを供するように構成された包装ステーションを含んでもよい。
【0021】
包装ステーションは、出口を介して容器から上記ある長さの風味付け材料を引っ張り出すように構成されてもよい。
【0022】
本発明の装置は、風味付け材料からなるロッドを、風味付け材料からなる個別のロッドに切断するように構成された切断ステーションを含んでもよい。
【0023】
また本明細書では、喫煙品用の風味付け部材の製造方法も記載されていて、この風味付け部材は、風味付け材料からなるロッドを含み、風味付け材料は、キャリアー材と、バインダーによってキャリアー材に接着された風味付け粒子とを含み、この方法は、出口を有する容器をバインダーと風味付け粒子の混合物で満たすことと、ある長さのキャリアー材を供給することと、その長さのキャリアー材を容器内の混合物を通過するように出口の方向へと搬送し、風味付け粒子がバインダーによってその長さのキャリアー材に接着し、ある長さの風味付け材料を形成することと、風味付け材料からなるロッドを形成するためにその長さの風味付け材料を押し出すようにその長さのキャリアー材を搬送して出口から出すこととを含む。
【0024】
上記ある長さのキャリアー材は、連続長のキャリアー材であってもよく、本発明の方法は、連続長のキャリアー材を混合物を通過して搬送して、風味付け粒子がバインダーによ
って連続長のキャリアーに接着し、連続長の風味付け材料を形成することと、連続長の風味付け材料を押し出しして連続した風味剤ロッドを形成することとを含む。
【0025】
本発明の方法は、容器の出口の方向へと混合物を搬送することを含んでもよい。
【0026】
本発明の方法は、容器の出口の方向へと混合物を搬送するためにスクリューコンベアを使用することを含んでもよい。
【0027】
本発明の方法は、出口を介して容器から上記ある長さの風味付け材料を引っ張り出すことを含んでもよい。
【0028】
本発明の方法は、出口を介して押し出された上記ある長さの風味付け材料が吐出される際、風味付け材料の形を整えるためにダイを使用することを含んでもよい。
【0029】
本発明の方法は、上記ある長さの風味付け材料がダイを通る際、風味付け材料にらせん状の外形を供するためにダイを使用することを含んでもよい。
【0030】
本発明の方法は、混合物を通って上記ある長さのキャリアー材が搬送される際、キャリアー材をねじることを含んでもよい。
【0031】
本発明の方法は、ある量のバインダーを容器内に注入するための噴射ノズルを使用することを含んでもよい。
【0032】
本発明の方法は、風味付け材料からなるロッドの周囲に外方ラッパーを供するように構成された包装ステーションを使用することを含んでもよい。
【0033】
本発明の方法は、出口を介して容器から上記ある長さの風味付け材料を引っ張り出すために包装ステーションを使用することを含んでもよい。
【0034】
本発明の方法は、風味付け材料からなるロッドを、風味付け材料からなる個別のロッドに切断することを含んでもよい。
【0035】
本発明の実施態様を、あくまで例示のみを目的として、添付する図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の装置の第1の実施態様の略式断面図である。
【
図2】
図1の装置を使用して製造した風味付け部材を示す。
【
図3】本発明の風味付け部材を含む喫煙品の実施態様の略断面図である。
【
図4】
図4は本発明の装置の第2の実施態様の略断面図である。
【
図5】
図5は
図4の装置の変型例を使用して製造した風味付け部材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、喫煙品用の風味付け部材を製造するための本発明の第1の実施態様の装置10を示す。
【0038】
装置10は、容器または槽11を含み、これはバインダー13と風味付け粒子14を含む混合物12で満たされている。装置10はまた、キャリアー材スプール16の形体のキャリアー材15の供給部も含む。装置10は、キャリアー材スプール16から混合物12を通って連続長のキャリアー材15を搬送するように構成され、これによりバインダー1
3によって、風味付け粒子14がキャリアー材15に接着され、連続長の風味付け材料17を形成する。
【0039】
キャリアー材15は、連続した繊維ウェブの形体であり、これにより風味付け粒子14は、バインダー13によってウェブの繊維に接着される、および/またはウェブの繊維の間に埋め込まれる。変型例(図示せず)では、キャリアー材15は、連続したストランドの形体であり、その外表面にはバインダー13によって風味付け粒子14が接着されていてもよい。キャリアー材は、アルミニウムのような熱伝導性材料から作られてもよい。あるいは、キャリアー材は、タバコ、セラミックまたは綿のような別の材料から作られてもよい。
【0040】
バインダー13は、混合物12に接着性を与えるように構成されており、これによって混合物12がキャリアー材15に接着することができる。バインダー13は、混合物12に練り粉のような粘度を与える。混合物は練り粉のような粘度を有することにより、該混合物が容器から流れ出すことはない。この実施態様では、バインダー13は、水で希釈された糊で作られる。しかしながら、当然ではあるが、混合物12に対して粘着性を付与するための他の好適なバインダーも使用することができる。例えば、バインダーは水で希釈された小麦粉から作製してもよい。
【0041】
風味付け粒子14は、ビーズ状であり、該ビーズはメントール、バニラ、ベンズアルデヒド、桂皮アルデヒド、フラネオール(登録商標)、ハーブオイル、スパイスオイルまたはシトラスオイルのような1つ以上の風味付け成分でコーティングされている。風味付け粒子14は、バインダーも含み、該バインダーは例えば、混合物12のバインダー13に類似している。この実施態様では、風味付け粒子14は、実質的に球状であり、その直径は、0.2mmから3mmの間である。
【0042】
容器11は、底部18と、底部18から延びた側壁19と、底部18とは反対側に位置する上部開口部20と、出口21とを含む。出口21は側壁19に形成され、底部18の近くに位置する。出口21は、容器11の側壁19から外側に延びたダクト22の形体である。
【0043】
スクリューコンベア23が容器11内に設けられている。スクリューコンベア23は、底部18に沿って配置される。スクリューコンベア23は、搬送チェンバー24と、該搬送チェンバー24から延びた搬送スクリュー25とを含む。搬送チェンバー24は、入り口開口部26と出口開口部27とを含む。出口開口部27は、容器11の出口21に面している。搬送スクリュー25は、底部18に対して実質的に平行に延びた長手方向軸A−A’を有する。搬送スクリュー25は、搬送チェンバー24内で長手方向軸A−A’を中心に回転するように構成され、これによって混合物12を入り口開口部26から、出口開口部27および出口21の方向へ搬送する。経路28が搬送チェンバー24の出口端と容器11の隣接する側壁19の間に設けられ、これを介してある長さのキャリアー材15が出口開口部27を介して搬送チェンバー24から供給され、同伴する混合物12と共に出口21の方向へ搬送される。
【0044】
噴射ノズル29が容器11の上部開口部20に設けられている。噴射ノズル29は、バインダー13を貯蔵する貯蔵タンク30と流体連通している。噴射ノズル29は、容器11内に、ある量のバインダー13を注入するように構成されている。例えば、容器11内の混合物12の量が減少している場合、噴射ノズルは、バインダー13を追加して容器11を満たすように構成されている。あるいはその代わりに、貯蔵タンク30が、バインダー13と風味付け粒子14を有する混合物12を貯蔵し、噴射ノズル29は、ある量の混合物12を容器11に注入するように構成されている。
【0045】
装置10は、上記ある長さのキャリアー材15が容器11を通って搬送されるときに、それをねじるように構成されてもよい。例えば、出口ダクト22は、ダクト22の内方面にらせん状に形成された突起物を有してもよい。キャリアー材15が混合物12を通って搬送されるときに、該キャリアー材15をねじることによって、かなりの量の風味付け粒子14をキャリアー材15に接着させることが可能になる。
【0046】
包装ステーション32が、容器の出口21の下流に設けられている。包装ステーション32は、容器11内で形成された上記ある長さの押し出しされた風味付け材料17を包装し、風味付け材料17からなる包装された押し出されたロッド33を形成する。包装ステーション32は、管状の「ガーニチャー」34を含み、該ガーニチャー34は、実質的に既に当業界で知られているように広い入り口開口部35と狭い出口開口部36を有する。ガーニチャー34は、広い入り口開口部35と狭い出口開口部36の間のテーパーした案内部37の箇所で狭くなっていく。ガーニチャー34は、一般的に断面が円形である。連続した「ガーニチャーベルト」38は、ガーニチャー34を通り、複数のガイドローラー39上を延びている。ガーニチャーベルト38は、矢印Gで示された方向へローラー39の周囲を搬送されるように駆動させられる。ガーニチャーベルト38は、容器出口21から上記ある長さの風味付け材料17を引っ張り出し、ガーニチャー34を通って上記ある長さの風味付け材料17が搬送されるように構成される。ガーニチャー34を通ってそのある長さの風味付け材料17が搬送されると、風味付け材料17は、広い入り口開口部35に入れられた時の緩い状態から狭い出口開口部36から出る時にはより圧縮された状態になる。外方ラッパーまたはプラグラッパーとしても知られる、包装紙「P」は、包装紙スプール40からガーニチャーベルト38の上方面に供給されてもよく、ガーニチャーベルト38を動かすことによって、ガーニチャー34を通って搬送される。包装紙Pがガーニチャー34を通って搬送されると、テーパーした案内部37の形状が、ガーニチャーベルト38とその上にある包装紙Pを成形し、これによって包装紙Pの断面は、広い入り口開口部35に入った時の平らな状態(スプール上にある時)から、ガーニチャー34の出口開口部36から出る時は断面がほぼ円形となり、風味付け材料からなるロッド33を完全に巻くことになる。包装紙Pが、風味付け材料17の周囲を包装し、その縁部がガーニチャー34の上方部分で継ぎ目を形成する。この継ぎ目はその後、接着されてもよい(あるいは、継ぎ目が形成される際に包装紙は予め接着されていてもよい)。ガーニチャー34の上方部分のセクションは、包装紙の継ぎ目の接着剤を加熱し活性化するための加熱棒(図示せず)を含んでもよく、これによって風味付け材料からなるロッドの周囲の包装紙を接着する。
【0047】
切断ステーション41が包装ステーション32の下流に設けられている。切断ステーション41は、切断ブレード42を含む。切断ステーション41は、風味付け材料17の包装されたロッド33を切断し、風味付け材料17あるいは風味付け部材43の単一の長さの個別のロッドとするように構成されている。
【0048】
使用時に、容器11は、バインダー13と風味付け粒子14を有する混合物12で満たされる。ガーニチャーベルト38は、矢印Gで示す方向へローラー39を通るように操作される。ガーニチャーベルト38によって、ある長さのキャリアー材15は、キャリアー材スプール16から上方開口部20を通って容器11へと搬送され、出口21を通って容器11からガーニチャー34へと搬送される。スクリューコンベア23は、A−A’軸を中心に回転し、容器11の出口21の方向へ混合物を搬送する。
【0049】
容器11内でキャリアー材15が搬送されると、キャリアー材15は、混合物12内を通過し、バインダー13は、風味付け粒子14と一緒にキャリアー材15に接着され、これによりある長さの風味付け材料17が形成される。
【0050】
キャリアー材15は、容器11内の混合物12を通過するとき、ねじり手段によってねじられ、これによって、キャリアー材15に接着する風味付け粒子14の量がより増加される。
【0051】
容器11の出口21を通過した後、上記ある長さの風味付け材料17は、包装ステーション32に搬送される。そのある長さの風味付け材料17は、矢印Fが示すようにガーニチャー34の広い入り口開口部35を通過し、ガーニチャーベルト38によって、ガーニチャー34のテーパーした案内部37へと案内される。ガーニチャーベルト38は、そのある長さの風味付け材料17を広い入り口開口部35へと案内する役割を果たす。風味付け材料17は、テーパーした案内部37を介して搬送され、これによって風味付け材料17は、狭い出口開口部36から吐出される際に押し出され、小型化されたロッドに形成される。上記ある長さの風味付け材料17がガーニチャー34を通過し圧縮されると、包装紙Pは圧縮されたロッドの外側の周囲を包み、継ぎ目に接着剤が塗布され、接着剤を活性化するために加熱され、これによって風味付け材料17がガーニチャー34の狭い出口開口部36を通過すると、包装紙Pによって包装された風味付け材料17の圧縮された円筒状ロッド33に形成される。
【0052】
風味付け材料17の包装されたロッド33が包装ステーション32を通過した後、切断ステーション41に搬送され、そこで風味付け材料17の包装されたロッド33は、切断ブレード42によって、風味付け材料17または風味付け部材43の単一の長さの個別のロッドに切断される。
【0053】
風味付け部材43が切断ステーション41を出た後、風味付け部材43は、喫煙品を形成するためにタバコロッドおよびフィルターロッドと結合される。
【0054】
上述の装置および方法を使用して製造された本発明の風味付け部材43を
図2に示す。風味付け部材43は、包装紙Pがない状態で
図2に示されている。風味付け部材43は、実質的に円筒状でその長さに沿って断面が一定である。その部材は、風味付け材料17のロッドを含み、このロッドはキャリアー材15の繊維ウェブと、バインダー13と繊維ウェブに接着された風味付け粒子14の混合物12を含んでいる。風味付け材料17の繊維ウェブは、押し出しされても、繊維の間に空間を含み、これによって空気が繊維の間を通って流れることが可能になる。また別の例(図示せず)では、風味付け部材43は、管の中に配置されてもよい。
【0055】
図3は、本発明の風味付け部材43を組み込んだ喫煙品50の例示的構造を示す。喫煙品50は、タバコロッド51と、フィルターロッド52と、風味付け材料17からなる個別に包装されたロッド33によって形成された風味付け部材43とを含む。風味付け部材43は、タバコロッド51とフィルターロッド52の間に位置している。タバコロッドラッパー53がタバコロッド51の周囲に配さている。同様に、フィルタープラグラッパー54もフィルターロッド52の周囲に配されている。フィルターロッド52および風味付け部材43は、外方プラグラッパー55によって、結合している。タバコロッド51を風味付け部材43およびフィルターロッド52と共に保持するために、チッピング紙56が、外方プラグラッパー55とタバコロッドラップ53の周囲に配されている。
【0056】
第2の実施態様である本発明の風味付け部材の製造装置70が
図4に示され、この装置は第1の実施態様の装置10と類似している。同様の特徴には同じ参照符号のままにしてあり、その詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0057】
第1の実施態様である装置10と第2の実施態様である装置70の相違点は、第2の実
施態様である装置70では、スクリューコンベアが除外されていることである。代わりに容器の上方開口部20にピストンが設けられている。ピストンは、プレート71の形状をしていて、このプレートは、容器11の底部18と実質的に平行である。プレート71は、容器11の上方開口部20に実質的に近い。プレート71は、オリフィス72を含み、これによって、容器11内にキャリアー材15が導入される。プレート71は、混合物12に圧力を加え、これによって出口21の方向へ混合物21を押し込むように構成されている。混合物12は、練り粉のような粘度を有するので、プレートが混合物12に圧力を加える際に、混合物12がプレートのオリフィス72を通って溢れることはない。
【0058】
第1の実施態様の装置10と第2の実施態様の装置70のさらなる相違点は、第2の実施態様の装置70では、容器11の出口21はダイ73を含むことである。ダイ73は、風味付け材料17が出口を通って吐出される時に、風味付け材料17を成形するように構成されており、これによって風味付け材料17のロッド33が形成される。ダイ73は、風味付け材料17のロッド33を円筒状に形成するように構成されている。しかしながら、ダイの様々な異なる構成も、本発明の範囲内である。
【0059】
ダイ73を通った後、風味付け材料17の全長は、上述の本発明の第1の実施態様の装置10のように包装ステーション32で包装される。
【0060】
包装ステーション32の次に、風味付け材料17のロッド33は、上述の本発明の第1の実施態様の装置10のように、切断ステーション41で、風味付け材料17の個別のロッドに切断される。
【0061】
変型例ではダイは、風味付け材料17のロッド33をらせん形状にするための内部外形を有してもよい。このようなダイを使用することによって形成された風味付け材料17のらせん形状ロッド75を
図5に示す。風味付け材料17のらせん形状ロッド75を供することによって、風味付け粒子14をキャリアー材15により効率よく接着させることができる。
【0062】
本発明の装置および方法は、喫煙品用の風味付け部材を製造する別のおよび効率のよい方法を提供する。特に、本発明の装置および方法は、繊維性のキャリアー材に風味付け粒子が包含された風味付け部材を製造することを可能とする。したがって、本発明の装置および方法は、相対的にコストがかかり、時間がかかり、継続し平行する過程を実施することが難しい、管内を風味付け粒子で満たす過程を省くことができる。
【0063】
本明細書で使用される「喫煙品」なる用語はタバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品をベースにしているかに関係なく紙巻きタバコ、シガーおよびシガリロなどの喫煙可能な製品、発熱するが燃焼しない製品および電子タバコを含むエアロゾル発生装置のようなニコチン送出製品を含む。喫煙品には喫煙者によって吸引される気体流用のフィルターを設けてもよい。
【0064】
種々の問題への対処と技術の進歩のため、本開示全体は、種々の態様を例示的に示しており、これらの態様では、特許請求される発明が実施され、優れた風味付け部材および喫煙品用の風味付け部材を製造する装置および方法を提供することができる。本開示の利点および特徴は、態様の代表的な試料であり、網羅的および/または排他的でもない。それらは、特許請求された特徴の理解と教示の助けのためにのみ提示される。当然だが、本開示の利点、態様、実施例、機能、特徴、構造、および/または他の態様が、本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定する、または特許請求の範囲の均等物に限定すると見なされるべきではなく、本開示の範囲および/または精神から逸脱することなく他の態様を利用しても改変を行うことができる。種々の態様は、開示された構成要素、成分、特
徴、部品、工程、手段等の組合せを適切に含んでも、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
【手続補正書】
【提出日】2020年10月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙品用の風味付け部材であって、この風味付け部材は、風味付け材料からなるロッドを含み、風味付け材料は、キャリアー材と、バインダーによってキャリアー材に接着された風味付け粒子とを含み、
風味付け材料は、キャリアー材をバインダーと風味付け粒子を含む混合物中を通すことによって形成される風味付け部材。
【外国語明細書】