ティシューソフトネス測定装置TSAにより、試料台に設置した前記フェイシャルティシュの2プライのままのサンプルに対し、ブレード付きロータを100mNの押し込み圧力として上から押し込んだ後に回転数2.0(/sec)で回転させ、前記試料台の振動を振動センサで測定したとき、
前記ティシューソフトネス測定装置TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度(TS750)が4〜15dBV2rmsであり、6500Hzを含むスペクトルの極大ピークの強度(TS7)が7〜20dBV2rmsである請求項1又は2に記載のフェイシャルティシュ。
ティシューソフトネス測定装置TSAにより、試料台に設置した前記フェイシャルティシュの2プライのままのサンプルに対し、ブレード付きロータを回転させずに100mNと600mNの押し込み圧力でそれぞれ上から押し込んだとき、
それぞれ押し込み圧力100mNと600mNの間での前記サンプルの上下方向の変形変位量で表される、剛性(D)の測定値が1.5〜3.5mm/Nである請求項1〜3のいずれか一項に記載のフェイシャルティシュ。
前記フェイシャルティシュの、JIS−P8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強さをDMDTとし、乾燥時の横方向の引張強さをDCDTとし、DMDTとDCDTとの積の平方根である(DMDT×DCDT)1/2をDGMTとしたとき、DGMTが1.5〜3.0N/25mmである請求項1〜4のいずれか一項に記載のフェイシャルティシュ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施形態に係るフェイシャルティシュについて説明する。
フェイシャルティシュの1プライ当りの坪量が10〜16g/m
2、紙厚が0.40〜0.90mm/10枚、クレープの本数が13〜30本/6mm、該クレープの高さが15〜40μmである。なお、紙厚は、フェイシャルティシュの個々のシートを10枚重ねた厚み、つまり、2プライのフェイシャルティシュを5組重ねた厚みである。
フェイシャルティシュの1プライ当りの坪量が10g/m
2未満である場合、使用感が劣る。また、紙厚も0.40mm/10枚未満となり、強度を確保するために叩解を強くする必要があり、その結果、フェイシャルティシュの柔らかさが低下する。又、紙が薄くなってボリューム感が低下する。
フェイシャルティシュの1プライ当りの坪量が16g/m
2を超えると、紙厚も0.90mm/10枚を超え、フェイシャルティシュの柔らかさ、使用感が低下する。又、このフェイシャルティシュを用いたフェイシャルティシュ製品入りカートン(後述)の高さHが80mmを超えて高くなり過ぎ、カートンの強度が低下して潰れ易くなる。
上記坪量が11〜14g/m
2であることが好ましく、12〜13g/m
2であることがより好ましい。
上記紙厚が0.50〜0.85mm/10枚であることが好ましく、0.60〜0.80mm/10枚であることがより好ましい。
【0015】
フェイシャルティシュのクレープの本数が13〜30本/6mm、高さが15〜40μmである。クレープは微細なシワ、ひだであり、このクレープが伸縮することで滑らかさが確保されると共に、比容積(紙厚)に影響する。紙厚が高いとボリューム感があり、紙厚が低いとボリューム感が劣る。
又、ボリューム感を向上させるためにクレープを高くすると、表面の滑らかさが低下すると共に繊維間結合が緩み、紙の強度が低下して断紙が起こりやすくなり、製品としての強度も低下する。
そこで、クレープを上述のように規定した。さらに、柔らかさ確保のために後述する柔軟剤を添加した場合、その後のカレンダーでボリューム感が低下し易くなるという傾向がある。そこで、クレープを上述の範囲で高くすることで、柔軟剤を添加した場合であってもボリューム感を維持できる。
【0016】
上記クレープの本数が13本/6mm未満であると、クレープ高さが高くなって凹凸が大きくなり、滑らかさが低下すると共に強度が低下する。又、比容積が大きくなって上述のカートンの高さHが80mmを超える。
クレープの本数が30本/6mmを超えるとクレープ高さが低くなって凹凸が小さくなり、滑らか過ぎて表面がパリパリした触感になり、触感が劣る。
上記クレープの本数は、好ましくは15〜28本/6mm、より好ましくは18〜25本/6mmである。上記クレープの高さは、好ましくは18〜35μm、より好ましくは22〜30μmである。
【0017】
なお、クレープの本数と高さは本来は別個独立に制御されるが、フェイシャルティシュでの一般的なクレープ率の範囲(10〜40%程度)においては、クレープの本数を多くするとクレープ高さは低くなり、クレープの本数を少なくするとクレープ高さは高くなる傾向にある。
クレープの本数と高さは、例えば、公知の方法であるヤンキードライヤを用い、クレープドクター角の調整およびクレープ率の調整により、適宜調整できる。
【0018】
クレープの本数と高さは、マイクロスコープを用いて測定して求める。
マイクロスコープとしては、KEYENCE社製の製品名「ワンショット3D測定マクロスコープ VR−3100」を使用することができる。マイクロスコープの画像の観察・測定・画像解析ソフトウェアとしては、製品名「VR−H1A」を使用することができる。又、測定条件は、倍率38倍、視野面積8mm×6mm(シートのMD方向が6mmの辺に平行の条件)で測定する。なお、測定倍率と視野面積は、求めるクレープの大きさによって、適宜変更しても良い。なお、3次元測定機や輪郭形状測定機は、点や線で測定されるが、ワンショット3D測定の場合、面全体を測定するため、全体の形状やうねりがわかりやすい。
【0019】
図1〜
図4にクレープの本数と高さの具体的な測定方法を示す。
図1、
図2は、マイクロスコープによるX−Y平面の画像を示し、
図1がメイン画像、
図2がメイン画像の高さプロファイル(マッピング)である。
図1、
図2の上下方向がシートのMD方向、左右方向がシートのCD方向となる。
なお、
図2のX−Y平面画像のCD方向に任意の位置で、MD方向に平行な線分S1−S2を画像の上下全体に引くと、
図3に示すようにクレープの高さ(測定断面曲線)プロファイルが得られる。なお、個々のクレープはCD方向に沿って(
図2の左右方向に)延びており、線分S1−S2はこれら複数のクレープを横断するので、
図2のX−Y平面画像のCD方向のどの位置で線分S1−S2を引いても、クレープの高さプロファイルはほとんど変わらない。
【0020】
ここで、
図3の高さプロファイルは、実際のフェイシャルティシュの試料表面の凹凸を表す(測定)断面曲線Sであるが、ノイズ(フェイシャルティシュの表面に繊維塊があったり、繊維がヒゲ状に伸びていたり、繊維のない部分に起因した急峻なピーク)をも含んでおり、クレープの高さや本数の算出に当たっては、このようなノイズピークを除去する必要がある。
そこで、所定のフィルタ条件(λs:150μm(150μmより細かいノイズをカットする)、λc:2.5mm(2.5mmより大きい波(うねり、サンプル自体の傾き)をカットする)にて断面曲線Sを処理し、粗さ曲線W(
図4)を算出する(上記ソフトウェア上で自動で求められる)。
但し、λsはJIS-B0601「3.1.1.1」に記載の「粗さ成分とそれより短い波長成分との境界を定義するフィルタ」、λcは同規格に記載の「粗さ成分とうねり成分との境界を定義するフィルタ」である。
【0021】
得られた粗さ曲線Wについて、上記ソフトウェア上で自動で算出されたRc(山谷(凹凸)の平均高さ)をクレープ高さとする。
但し、RcはJIS-B0601(2013)「4.1.4」に記載の「粗さ曲線要素の平均高さ」である。
次に、
図4の粗さ曲線Wから、山の数を計測してクレープの本数を求める。計測は目視でもよく、ソフトウェア(例えば、表計算ソフトウェアなど)で算出できればその値でもよい。
ここで、
図4の部分拡大
図5を参照し、山の数の計測方法を説明する。1つの山は、隣接する上に凸の変曲点P2と、下に凸の変曲点P3で規定する。変曲点は、粗さ曲線W上で曲率の符号(プラス、マイナス)が変化する点(この点で0)である。点P1は、粗さ曲線W上で曲率の符号が変化しない(プラスのまま)なので、計測に含めない。さらに、変曲点P4、P5のようにP4−P5間の高さが3μm未満の場合は計測に含めない。
又、
図2の1画像につき線分S1−S2を3本設定し、
図4の粗さ曲線Wを3つ得る。そして、これら3つの粗さ曲線Wそれぞれにつき、山の数とRcを求める。試料の画像を3枚用意し、合計9個のデータ(山の数とRc)を平均して求めた、クレープ高さと本数を採用する。
【0022】
フェイシャルティシュの比容積が3.0〜7.0cm
3/gであると好ましい。比容積が3.0cm
3/g未満であると、滑らかすぎて触感が劣る場合がある。一方、比容積が7.0cm
3/gを超えると、滑らかさが劣ると共に上述のカートンの高さHが80mmを超えて高くなる場合がある。比容積は、より好ましくは4.0〜6.5cm
3/g、さらに好ましくは4.9〜5.8cm
3/gである。
【0023】
フェイシャルティシュをティシューソフトネス測定装置TSA(Tissue Softness Analyzer)により測定したとき、TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度(TS750)が好ましくは4〜15dBV
2rmsであり、より好ましくは5〜13dBV
2rms、最も好ましくは6〜11dBV
2rmsである。
TS750が15dBV
2rmsより高いと滑らかさに劣り、4dBV
2rmsより低いと滑らか過ぎて表面がパリパリした触感になり、フェイシャルティシュとしての触感が得られなくなる場合がある。
又、TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、6500Hzを含むスペクトルの極大ピークの強度(TS7)が好ましくは7〜20dBV
2rmsであり、より好ましくは9〜18dBV
2rms、最も好ましくは11〜16dBV
2rmsである。
TS7が20dBV
2rmsより高いと十分な柔らかさが得られず、7dBV
2rmsより低いと柔らかなものの、表面の強度が弱くなり、フェイシャルティシュ使用時に紙粉が多く発生する場合がある。
【0024】
又、ティシューソフトネス測定装置TSAにより、試料台に設置したフェイシャルティシュのサンプルに対し、ブレード付きロータを回転させずに100mNと600mNの押し込み圧力でそれぞれ上から押し込んだとき、それぞれ押し込み圧力100mNと600mNの間での前記サンプルの上下方向の変形変位量で表される、剛性(D)の測定値が好ましくは1.5〜3.5mm/Nであり、より好ましくは1.7〜3.3mm/N、さらに好ましくは2.0〜3.0mm/Nである。
D測定値が1.5mm/Nより低いとしなやかさに劣り、3.5mm/Nより高いと、しなやかさが際立ちすぎ、クッション性に劣る場合がある。
なお、しなやかさは、フェイシャルティシュを触ったときのたわみ易さを表す。
【0025】
ここで、
図6に示すように、ティシューソフトネス測定装置TSA210は、紙試料(サンプル)206の上から、回転したブレード付きロータ204を押付けたときの各種センサで検知した振動データを、振動解析してパラメータ化(TS値)することにより、紙のソフトネス(手触り感)を定量評価するものであり、ドイツのエムテック(Emtec Electronic GmbH、日本代理店は日本ルフト株式会社)社製の商品名である。
TSAを用いた具体的な測定は、(i)円形の試料台205を外側から覆うようサンプル206(emtec社のサンプルパンチを使用して直径が約112.8mmの円形に加工したサンプル)を設置し、サンプル206の外周をサンプル固定リング208で保持し、(ii)ブレード付きロータ204を100mNの押し込み圧力でサンプル206の上から押し込んだ後、ロータ204を回転数2.0(/sec)で回転させ、(iii) 試料台205の振動を、試料台205内部に設置した振動センサ203で測定し、振動周波数を解析する。(iv)次に、押し込み圧力100mNと600mNで、ロータ204を回転させずにそれぞれサンプル206を変形させたときの上下方向の変形変位量(mm/N、剛性D)を計測する。 (i)〜(iv)の手順により、フェイシャルティシュの総合的なハンドフィール値の要素(滑らかさ、しなやかさ、ボリューム感)が各々数値化できる。測定は1サンプルについて表裏5回ずつ繰り返し、平均化する。なお、表裏とは、2プライのままのフェイシャルティシュのうち、製品の外側に向く両面(つまり、シートの重ね合わせ面と反対面)を意味する。
【0026】
なお、試料台205はベースプレート201上に設置され、試料台205とベースプレート201の間には、力センサ202が配置されている。そして、力センサ202の検出値により、ブレード付きロータ204の押し込み圧力を制御する。又、ブレード付きロータ204はモータ209によって回転する。
又、振動解析してパラメータ化(TS値)するソフトウェアは、emtec measurement systemを用いる。本ソフトウェアには、各種アルゴリズム(例えば、Base Tissue、Facial、TP等)が備えられ、TS7、TS750、Dをソフトウェア上で自動的に取得し、これらTS7、TS750、Dおよび、坪量、厚さ、Ply数等から各種アルゴリズムの種類によって、HF(ハンドフィール)値が計算される。本発明では、HF値ではなく、TS7、TS750、Dのみを規定しており、上記測定条件を満たせば、アルゴリズムは何を使用しても良く、TS7、TS750、Dの値はアルゴリズムの種類によって変わることはない。
【0027】
図7は、TSAによる紙試料サンプルの振動周波数の解析結果の一例を示す。低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークAの強度をTS750とし、6500Hzを含む(6500Hzの前後の)スペクトルの極大ピークBの強度をTS7とする。極大ピークBは、通常、約6500Hzに位置する。
図8は、TSAによる紙試料サンプルの剛性Dの測定方法を示す。
【0028】
紙試料サンプルの振動周波数は、紙の構造及びロータ4の回転数に依存し、振幅(スペクトルの強度)は、クレープの高さ等の紙の構造の高さに依存する。そして、スペクトルの最初のピーク(
図7のA)であるTS750は滑らかさ、粗さを表す。一方、TS7が現れる周波数(5000〜8000Hzの範囲、通常は6500Hz近傍)は、ロータ4の共振周波数であり、水平振動となって紙表面を進むときに紙繊維による瞬間的な遮断とロータ4の振動に起因する。剛性Dは、紙の剛性(引張強度)に相関する。
TS7の値が低いほど、柔らかさ、ふんわり感(表面ソフトネスおよびバルクソフトネス)に優れ、TS750の値が低いほど、滑らかさに優れる。又、Dの値が大きいほど、しなやかさに優れる。
さらに、TS7、TS750、及びDの関数に基づき、総合的なハンドフィール値(HF値)を算出することができる。
例えば、(HF値)=A×(TS7)+B×(TS750)+C×(D)+αという関数を設定することで、総合的なハンドフィール値を客観的(定量的)に数値化できる。ここで、A,B,C及びαは係数であり、これら係数を適宜設定することで、ハンドフィール値を構成するファクター(つまり、TS7、TS750、及びDにそれぞれ対応する、柔らかさ、滑らかさ、剛性)の重み付けを調整し、実際の柔らかさの官能評価に合致させることができる。
なお、A及びBを負の値とし、Cを正の値とした場合、ハンドフィール値の値が大きくなるほど、総合的な柔らかさに優れることを意味する。
【0029】
2プライのままのフェイシャルティシュの、JIS−P8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強さをDMDTとし、乾燥時の横方向の引張強さをDCDTとし、DMDTとDCDTとの積の平方根である(DMDT×DCDT)
1/2をDGMTとしたとき、DGMTが1.5〜3.0N/25mmであると好ましい。
フェイシャルティシュのDGMTが1.5N/25mm未満であると、やぶれ易くて実用に適さない。DGMTが3.0N/25mmを超えると硬くなり、柔らかさが損なわれる。上記DGMTは、好ましくは1.6〜2.6N/25mm、更に好ましくは1.7〜2.1N/25mmである。
なお、DGMTは、JIS P8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強さDMDT(Dry Machine Direction Tensile strength)と、乾燥時の横方向の引張強さDCDT(Dry Cross Direction Tensile strength)との積の平方根であり、(DMDT×DCDT)
1/2(DGMT:Geometric Tensile Strength)で表される。
【0030】
TS7、TS750、D値及びDGMTを上記範囲に管理する方法の一例としては、坪量を上記範囲とし、叩解を強く(例えば、後述するカナダ標準ろ水度)して強度を確保しつつ、クレープの本数と高さを管理し、滑らかさを向上させることが挙げられる。
【0031】
フェイシャルティシュは、パルプを主成分(50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上)とする。なお、フェイシャルティシュから後述するソックスレー抽出法または熱分解GCにより、柔軟剤の含有割合を定量できるので、フェイシャルティシュから柔軟剤の質量割合を除いた値をパルプの質量割合とみなす。なお、フェイシャルティシュには柔軟剤以外の各種薬品も含まれるが、これら薬品の合計はせいぜい3質量%以下(一般には2質量%以下)とみなせるので、薬品の質量を含めた値をパルプの質量とみなす。
【0032】
パルプとしては木材パルプ、古紙パルプ、非木材パルプがあるが、パルプが木材パルプ100%から成っていてもよく、木材パルプに加えて古紙パルプ、非木材パルプを含んでも良い。パルプ以外の成分としては、填料、合成繊維、天然繊維等を挙げることができる。目標とする品質を得るためには、パルプ全体に対してNBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)の含有率が、好ましくは0〜65質量%、より好ましくは20〜55質量%、さらに好ましくは30〜45質量%である。また、パルプ全体に対してLBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)の含有率が好ましくは35〜100質量%、より好ましくは45〜80質量%、さらに好ましくは55〜70質量%である。また、パルプ全体に対してミルクカートン(牛乳パック)由来の古紙パルプの含有率が好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、さらに好ましくは0〜10質量%、最も好ましくは0質量%である。
【0033】
ミルクカートン(牛乳パック)由来の古紙パルプは、針葉樹パルプが主体であり、フェイシャルティシュの強度を確保しやすい一方、品質のバラツキが大きく、含有割合が高すぎると製品の品質に影響するので、上記範囲の含有率にすることが好ましい。また、ミルクカートン(牛乳パック)由来の古紙パルプの含有割合が高すぎると後述するカチオン要求量が高くなるため、上記範囲の含有率にすることが好ましい。
上記LBKPの材種としてユーカリ属グランディス、及びユーカリグロビュラスに代表される、フトモモ科ユーカリ属から製造されるパルプが好ましい。
【0034】
なお、フェイシャルティシュに適切な強度を確保するために、通常の手段で原料配合し、パルプ繊維の叩解処理にて強度調整を行うことができる。目標の品質を得るための叩解としては、叩解前後のパルプにおいて、JIS−P8121で測定されるカナダ標準ろ水度で0〜200ml、より好ましくは20〜180ml、更に好ましくは50〜150ml濾水度を低減させる。又、乾燥紙力増強剤や湿潤紙力増強剤は適宜使用してもよく、湿潤紙力増強剤は使用することが好ましい。
【0035】
柔らかさを確保する観点から、フェイシャルティシュが柔軟剤を0.03〜0.30質量%含有してもよい。
柔軟剤の含有量が0.03質量%未満であると柔らかさが低下する場合があり、0.30質量%を超えると、コストアップとなったり、柔らかさが著しく向上するものの強度が低下する場合がある。柔軟剤の含有率は、好ましくは0.03〜0.20質量%、より好ましくは0.03〜0.10質量%である。
【0036】
上記柔軟剤は特に限定されないが、脂肪酸系ノニオン界面活性剤、脂肪酸系両性界面活性剤、脂肪酸系アニオン界面活性剤、脂肪酸系カチオン界面活性剤等の脂肪酸化合物が例示され、特に脂肪酸系両性界面活性剤でカチオンリッチなものが好ましい。
なお、フェイシャルティシュ中の脂肪酸化合物の含有量は、ソックスレー抽出法により成分を抽出して、高速液体クロマトグラフィーにより定量できる。
または、熱分解GC(必要に応じて、GC−MS)により、成分を抽出せず、定量することも可能である。必要に応じて、メチル化試薬(例えば、25% Tetramethylammonium hydroxide(TMAH)メタノール溶液(Aldrich社製))を使用し、定量することができる。
【0037】
本発明の実施形態に係るフェイシャルティシュのシートを構成するウェブは、一般的な抄紙方法によって製造できる。
具体的には、パルパー(槽)内で、製紙原料(パルプ)を所定濃度で水に離解し、さらに適宜その他の製紙薬品を配合して紙料とする。この紙料をインレット(ヘッドボックス)からワイヤーに噴出し、脱水して湿紙ウェブとする。この湿紙ウェブをフェルト等でドライヤパートに搬送する。
ドライヤパートは、クレープ付けドクターを備えたヤンキードライヤーを用いることができ、ドクターにより公知の方法でウェブにクレープを付ける。又、他のタイプの乾燥部(たとえばエアースルードライヤー、金属製の乾燥ベルト)を適用することができる。
【0038】
ここで、パルパーからインレットの間で紙料に対して柔軟剤を添加すると良い。
パルパーからインレットの間で紙料に対して柔軟剤を添加し、柔軟剤を添加する場所における柔軟剤添加前の紙料の濾液のカチオン要求量を5〜180μeq/Lとするとよい。なお、柔軟剤はパルパーから種箱の間で紙料に対して添加することが好ましい。柔軟剤を種箱より前に添加することで、滞留時間が長くなり、繊維への定着性が向上しやすくなる。
紙料の濾液のカチオン要求量は以下のように測定する。まず、柔軟剤添加前の紙料を100g採取し、ワットマン無灰定量ろ紙(グレード41)を用いて吸引濾過し、濾液を採取する。次に、粒子荷電測定装置(Muteck PCD−02)を用いて濾液10mlの電荷を中和するまでに必要とした1/1000規定のポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液の量に基づいて、カチオン要求量を測定する。本測定を5回行い、値を平均する。
【0039】
ここで、紙料の濾液のカチオン要求量は、濾液中のアニオン成分量を表す。アニオン量が多い(カチオン要求量の値が大きい)と、柔軟剤(両性でカチオンリッチ)が紙の繊維に定着する前に濾液中のアニオン成分に定着(消費)してしまう。そのため、柔軟剤が紙の繊維に十分に定着できず、柔軟剤の効果が十分に生じない。
カチオン要求量が5μeq/L未満であると、紙料への他の薬品(乾燥紙力剤、湿潤紙力剤等)の添加により系内が陽転してしまい、柔軟剤の定着性が劣る場合がある。また、カチオン要求量が180μeq/Lを超えても柔軟剤の定着性が劣る場合がある。カチオン要求量は、好ましくは10〜130μeq/L、より好ましくは20〜100μeq/Lである。なお、カチオン要求量は、抄紙機の系内(調成工程、抄紙工程)で使用する清水の量、ミルクカートン(牛乳パック)由来の古紙パルプの含有率にて調整できる。また、公知の凝結剤、定着剤、硫酸バンド等の抄紙薬品を添加することによっても調整できる。
【0040】
インレットから紙料をワイヤーに噴出する時のファーストパスリテンションが30〜90%であるとよい。但し、ファーストパスリテンション={1−(ワイヤーで脱水された白水中の紙料の濃度(質量%))/(インレット中の紙料の濃度(質量%))}×100、で表される。
ファーストパスリテンション(FPR:一次歩留率)は、ワイヤー上に紙料中の原料が溜まる割合である。例えば、インレットの紙料濃度(紙料中の製紙原料(パルプ)とその他固形の製紙薬品の合計濃度が0.8質量%、ワイヤーで脱水された白水中の紙料濃度が0.3質量%の場合、FPR=(0.8%−0.3%)/0.8%×100={1−(0.3%/0.8%)}×100=63%となる。
すなわち、原料のうち、63%が紙になり、37%は紙にならずに原料に戻ることになる。FPRが低いと、系内を循環している原料が多くなり、ひいては柔軟剤が紙に抄き込まれずに系内に蓄積してしまい、異物の発生につながり操業性が悪化する。FPRが90%を超えると、紙の地合が悪化して、品質が劣る場合がある。FPRは、好ましくは40〜85%、より好ましくは50〜80%である。
【0041】
インレットから紙料をワイヤーに噴出する時のワイヤーの抄速を1200〜2200m/minとすることが好ましい。
ワイヤーの抄速が1200m/min未満であると生産性が低下し、2200m/minを超えると、FPRが低くなり、異物の発生が顕著になり、操業性が悪化する場合がある。ワイヤーの抄速は、好ましくは1400〜2100m/min、より好ましくは1600〜1900m/minである。
【0042】
クレープ付は、紙を縦方向(マシン走行方向)に機械的に圧縮し、クレープと称される波状の皺を形成する公知の方法であり、紙に嵩(バルク感)、柔らかさ、吸水性、表面の滑らかさ、美観(クレープの形状)などを付与する。このクレープ付けは、ドライクレープと言われる。クレープには、ウェットクレープ(紙が乾燥する前、湿紙の状態で行う)もあるが、ドライクレープは柔らかさが出やすく、嵩高になりやすいため、ドライクレープが好ましい。
また、クレープ率は次式により定義される。
クレープ率(%)=100×(ヤンキードライヤー速度(m/分)−リール速度(m/分))÷リール速度(m/分)
クレープ率は好ましくは10〜40%、より好ましくは15〜35%、最も好ましくは20〜30%である。
【0043】
なお、フェイシャルティシュ加工において、カレンダー処理、エンボス加工の有無、印刷の実施有無は、適宜選択できる。
又、カレンダー前後の紙厚の変化ΔTが0.08〜0.25mm/10枚であることが好ましい。ΔTが0.08mm/10枚未満であると滑らかさが劣る場合があり、ΔTが0.25mm/10枚を超えるとボリューム感が劣る場合がある。
また、カレンダー前のウェブのクレープの高さを25〜45μmとすると、製品(カレンダー後)のクレープの高さを上記範囲に管理し易いので好ましい。
【0044】
次に、本発明の実施形態に係るフェイシャルティシュ製品入りカートン(以下、適宜「カートン」とも称する)について説明する。このカートンは、後述する本発明の実施形態に係る2プライのフェイシャルティシュの積層体を収容した紙製のカートンである。
図9は、本発明の実施形態に係るフェイシャルティシュ製品入りカートン20の斜視図である。フェイシャルティシュ製品入りカートン20は、シート状のフェイシャルティシュの積層体25と、積層体25を収容した紙製の矩形箱体の本体部22とを備え、フェイシャルティシュ製品入りカートン20の高さHは、内部の積層体25の積層方向に沿った高さである。積層体25としては、個々のシート状のフェイシャルティシュを、例えばポップアップ式にZ折りやV折り等して積層してもよく、ポップアップしないように重ねられてもよい。又、カートンの本体部22は板紙等から形成することができる。
【0045】
積層体25の組数が150〜210組、カートンの高さH(外寸)が42〜80mmである。
積層体25の組数が150組未満であると、カートン20の交換頻度が多くなって不便となる。積層体25の組数が210組を超えると、カートンの高さHが80mmを超えて高くなり過ぎ、潰れ易くなったり、潰れを防止するためにカートンの強度を高めることでコストアップとなる。
積層体25の組数が160〜200組であることが好ましく、170〜190組であることがより好ましい。
カートンの高さHが50〜75mmであることが好ましく、60〜70mmであることがより好ましい。
なお、カートンの紙厚は例えば、好ましくは0.30〜0.50mm/1枚、より好ましくは0.33〜0.47mm/1枚、さらに好ましくは0.36〜0.44mm/1枚とすることができる。
【0046】
フェイシャルティシュ製品入りカートンの(組数×プライ数×(紙厚/10)/カートンの高さH)で表される比が0.25〜0.53であることが好ましい。
カートンの高さHを高くせずに組数を増やすには、シートの坪量を低くして紙厚を低くする必要がある。そこで、上記比を規定した。
上記比は、カートンの高さHに対し、どの位の紙厚のフェイシャルティシュ製品が何枚(組数)入っているかの指標であり、この比が高いほど、同じカートンの高さHでもより多くのフェイシャルティシュ製品が入っており、カートンの交換頻度が少なくなって便利となる。但し、この比が0.53を超えると、カートン20の高さ方向にフェイシャルティシュ製品が充填され過ぎ、カートン20からフェイシャルティシュ製品を取り出し難くなる。
一方、この比が0.25未満であると、カートン20内のフェイシャルティシュ製品が少な過ぎ、カートン20の内部でティシューが折れ曲がり、カートン20からフェイシャルティシュ製品を取り出し難くなる。
上記比が0.30〜0.48であることが好ましく、0.35〜0.41であることがより好ましい。
【0047】
なお、カートンの坪量は、好ましくは280〜400g/m
2、より好ましくは300〜380g/m
2、さらに好ましくは320〜360g/m
2とすることができる。上記比が0.28〜0.53の範囲において、カートンの坪量が280g/m
2未満であると、カートンの強度が弱くなる場合がある。また、カートンの坪量が400g/m
2を超えると、カートンのコストが高くなる場合がある。
【0048】
本発明は上記した実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
【実施例】
【0049】
パルプ組成の含有率(質量%)がパルプ全体に対してNBKP:40%、LBKP:60%、ミルクカートン由来の古紙パルプが0%となるようにし、表1〜表3に示す特性を有するシートの2枚重ねのフェイシャルティシュのウェブとして、抄紙機を用いてウェブを製造し、プライマシンで2枚重ねしてフェイシャルティシュに加工し、以下の評価を行った。なお、柔軟剤の含有量が0.05%となるよう、紙料に対して柔軟剤を添加した。
坪量:JIS P8124に基づいて測定し、シート1枚当たりに換算した。
厚さ:シックネスゲージ(尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定した。測定条件は、測定荷重250gf、測定子直径30mmで、測定子と測定台の間に試料を置き、測定子を1秒間に1mm 以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取った。なお、1回の測定は試料(2プライのフェイシャルティシュ)を5枚(シート相当で10枚)重ねて行い、測定を10回繰り返して測定結果を平均した。
比容積:シート1枚当たりの厚さをシート1枚当たりの坪量で割り、単位gあたりの容積cm
3で表した。
DGMT(Dry Geometric Tensile Strength):JIS P8113に基づいて測定した乾燥時の縦方向引張り強さDMDTと乾燥時の横方向引張り強さDCDTの積の平方根を算出した。
なお、坪量、DGMT、厚さの測定は、JIS-P8111に規定する温湿度条件下(23±1℃、50±2%RH)で平衡状態に保持後に行った。
【0050】
TS7、TS750、Dの測定は、上記ティシューソフトネス測定装置TSAを用いて行った。測定条件も上記のとおりである。また、クレープの測定は、上記ワンショット3D測定マクロスコープ VR−3100を用いて行った。測定条件も上記のとおりである。また、TS7、TS750、D、クレープの測定は、試料をJIS-P8111に規定する温湿度条件下(23±1℃、50±2%RH)で平衡状態に保持後に行った。
【0051】
下記の官能評価を、モニター20人によって行った。
使用感:フェイシャルティシュで顔を拭いたときと、鼻をかんだときの使用感を評価した。
ボリューム感:フェイシャルティシュを手で持ったときの感触を評価した。
柔らかさ:フェイシャルティシュを手で持ったときの感触を評価した。
滑らかさ:フェイシャルティシュを手で持ったときの感触を評価した。
破れにくさ:フェイシャルティシュを手で破ったときの抵抗を評価した。
クッション性:フェイシャルティシュを手で持ったときの反発を評価した。
しなやかさ:フェイシャルティシュを手で持ったときの感触を評価した。
カートンの交換頻度:フェイシャルティシュの組数が多いほどカートンの交換頻度が少ないことから、5点:180組以上、4点:180組未満160組以上、3点:160組未満150組以上、2点、150組未満140組以上、1点:140組未満で評価した。
取り出し性:カートンからのフェイシャルティシュの取出し易さを評価した。
カートンの耐久性(強さ):カートンの高さHが低いほどカートンの強度が高いことから、5点:高さHが64mm以下、4点:高さHが64mmを超え75mm以下、3点:高さHが75mmを超え80mm以下、2点:高さHが80mmを超え90mm未満、1点:高さHが90mm以上、で評価した。
カートンの見栄え:カートンの高さHが高いほどカートンの見栄えが良いことから、5点:高さHが64mm以上、4点:高さHが64mm未満50mm以上、3点:高さHが50mm未満42mm以上、2点:高さHが42mm未満35mm以上、1点:高さHが35mm未満、で評価した。
評価基準は5点満点で行った。5点:大変良好である、4点:良好である、3点:実用上問題ない、2点:劣る、1点:顕著に劣る。
【0052】
得られた結果を表1〜表3に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
表1〜表3から明らかなように、フェイシャルティシュの坪量、紙厚、クレープの本数及び高さを所定の範囲とした各実施例の場合、フェイシャルティシュの滑らかさ、柔らかさ、ボリューム感、強度を両立させることができた。なお、実施例18〜21は、坪量を変えずに叩解の度合いを変更し、さらに紙力剤の量を増減させたものである。また、実施例22〜25は、カレンダーのニップ圧力を変更し、カレンダー前後の紙厚の変化ΔTを調整したものである。
【0057】
フェイシャルティシュの1プライ当りの坪量が10g/m
2未満、紙厚が0.40mm/10枚未満である比較例1、11の場合、フェイシャルティシュの強度が低下し、使用感、ボリューム感、破れにくさ、クッション性が劣った。
又、比較例1のフェイシャルティシュを用いてカートンを製造したが、上記比が0.25未満となり、取り出し性が劣った。
又、比較例11のフェイシャルティシュを用いてカートンを製造したが、カートンの高さHが42mm未満となり、カートンの見栄えが劣った。
【0058】
フェイシャルティシュの1プライ当りの坪量が16g/m
2を超え、紙厚も0.90mm/10枚を超えた比較例2の場合、強度(DGMT)が3.0N/25mmを超えて高くなり過ぎ、使用感、柔らかさ、しなやかさが劣った。
又、比較例2、12のフェイシャルティシュを用いてカートンを製造したが、上記比が0.53を超え、取り出し性が劣った。
又、比較例12のフェイシャルティシュを用いてカートンを製造したが、カートンの高さHが80mmを超え、カートンの耐久性が劣った。
【0059】
クレープの本数が30本/6mm以上、クレープの高さが15μm未満である比較例3の場合、紙厚が0.40mm/10枚未満となり、ボリューム感が劣った。
又、このフェイシャルティシュを用いてカートンを製造したが、上記比が0.25未満となり、取り出し性が劣った。
【0060】
クレープの本数が13本/6mm未満、クレープの高さが40μmを超えた比較例4の場合、紙厚が0.90mm/10枚を超えると共に、滑らかさが劣った。
又、このフェイシャルティシュを用いてカートンを製造したが、上記比が0.25未満となり、取り出し性が劣った。
【0061】
比較例3のフェイシャルティシュを用いてカートンを製造した比較例5の場合、カートン高さHが42mm未満となり、カートンの見栄えが劣った。
比較例3のフェイシャルティシュを用いてカートンを作成した比較例6の場合、組数が210組を超えたためにカートンの高さHが80mmを超え、カートンの耐久性が劣った。又、上記比が0.25未満となり、取り出し性が劣った。
比較例4のフェイシャルティシュを用いてカートンを製造した比較例7の場合、カートン高さHが80mmを超え、カートンの耐久性が劣った。
比較例4のフェイシャルティシュを用いてカートンを製造した比較例8の場合、組数が150組未満となったためにカートンの交換頻度が高くなった。
【0062】
カレンダー前後の紙厚の変化ΔTが0.25mm/10枚を超えた比較例9の場合、紙厚が0.40mm/10枚未満となり、TS750が4dBV
2rms未満となり、ボリューム感が劣った。
又、このフェイシャルティシュを用いてカートンを製造したが、上記比が0.25未満となり、取り出し性が劣った。
カレンダー前後の紙厚の変化ΔTが0.08mm/10枚未満である比較例10の場合、紙厚が0.90mm/10枚を超えると共に、TS750が15dBV
2rmsを超え、滑らかさが劣った。
上記課題を解決するため、本発明のフェイシャルティシュは、2プライのフェイシャルティシュにおいて、前記フェイシャルティシュの1プライ当りの坪量が10〜16g/m
ィシューソフトネス測定装置TSAにより、試料台に設置した前記フェイシャルティシュの2プライのままのサンプルに対し、ブレード付きロータを100mNの押し込み圧力として上から押し込んだ後に回転数2.0(/sec)で回転させ、前記試料台の振動を振動センサで測定したとき、前記ティシューソフトネス測定装置TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度(TS750)が4〜15dBV