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特開2020-203461画像形成装置、その制御方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-203461(P2020-203461A)
(43)【公開日】2020年12月24日
(54)【発明の名称】画像形成装置、その制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 5/30 20060101AFI20201127BHJP
   H04N 1/21 20060101ALI20201127BHJP
   G06T 1/60 20060101ALI20201127BHJP
【FI】
   B41J5/30 Z
   H04N1/21
   G06T1/60 450D
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-113458(P2019-113458)
(22)【出願日】2019年6月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅井 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】内田 弥
(72)【発明者】
【氏名】久保 広明
【テーマコード(参考)】
2C187
5B047
5C073
【Fターム(参考)】
2C187AC06
2C187AC08
2C187BF04
2C187BF34
2C187BG03
2C187DD03
2C187FB12
2C187FC02
2C187FD01
2C187GB06
2C187GC08
5B047AA01
5B047EA07
5B047EB04
5C073AA02
5C073AB07
5C073BB01
5C073CE01
5C073CE04
(57)【要約】
【課題】画像データの処理の遅延を回避しながら、製造コストの削減をするための技術を提供することである。
【解決手段】画像データに対して所定の処理を実施するように構成された画像処理部と、所定の処理を実施された画像データの画像を形成する画像形成部とを備える画像形成装置である。画像処理部は、ファイルメモリーを含み、画像データが低解像度である場合、画像データに対し、前記ファイルメモリーに格納し、その後、予め定められたパターンを含むか否かを検知する検知処理Xを実施するように構成されており、画像データが高解像度である場合、画像データに対し、2値化処理と並行して、所定の解像度へ変換する解像度処理B3を実施し、その後、検知処理Xを実施するように構成されている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに対して所定の処理を実施するように構成された画像処理部と、
前記所定の処理を実施された画像データの画像を形成する画像形成部とを備え、
前記画像処理部は、
ファイルメモリーを含み、
画像データが低解像度である場合、画像データに対し、前記ファイルメモリーに格納し、その後、予め定められたパターンを含むか否かを検知する検知処理を実施するように構成されており、
画像データが高解像度である場合、画像データに対し、2値化処理と並行して、所定の解像度へ変換する解像度処理を実施し、その後、前記検知処理を実施するように構成されている、画像形成装置。
【請求項2】
前記画像処理部は、第1の画像データが高解像度である場合、前記第1の画像データの前記2値化処理を実施するときに、
低解像度である第2の画像データに対する前記検知処理が実施中であれば、前記第1の画像データに対して、前記解像度処理と前記2値化処理とを並行して実施するように構成されており、
低解像度である前記第2の画像データに対する前記検知処理が実施中でなければ、前記第1の画像データに対して、前記解像度処理を行わずに前記検知処理を実施するように構成されている、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像処理部は、バッファメモリーをさらに含み、
入力された画像データを、順次前記バッファメモリーに格納し、所定の単位ごとに前記バッファメモリーから画像データを読み出して当該画像データが低解像度であるか高解像度であるかを判断する、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像処理部は、画像データをビットマップ形式のデータに展開する画像展開処理した前記画像データを前記バッファメモリーに格納する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像処理部は、画像データが低解像度である場合、前記2値化処理と前記解像度処理とを行わずに、前記ファイルメモリーに圧縮した画像データを格納させ、当該画像データを伸張して取得する圧縮伸張処理を行った後に、前記検知処理を実施する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像処理部は、画像データが高解像度である場合、画像データに対し、前記解像度処理が実施された後、前記圧縮伸張処理を実施せずに前記検知処理を実施する、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像形成装置の制御方法であって、
処理対象の画像データが高解像度であるか低解像度であるかを判断する解像度判断を実施するステップと、
前記画像データが低解像度である場合に、前記画像データに対し、ファイルメモリーに格納し、その後、予め定められたパターンを含むか否かを検知する検知処理を実施するステップと、
前記画像データが高解像度である場合に、前記画像データに対し、2値化処理と並行して、所定の解像度へ変換する解像度処理を実施し、その後、前記検知処理を実施するステップとを備える、制御方法。
【請求項8】
前記画像データに対して所定の処理を実施するときに、他の画像データに対する前記検知処理が実施中であるか否かを判断するステップを備え、
前記画像データが高解像度であり、かつ、他の画像データが低解像度であって前記検知処理が実施中であれば、前記画像データに対し、2値化処理と並行して、前記解像度処理を実施し、その後、前記検知処理を実施し、
前記画像データが高解像度であり、かつ、他の画像データが低解像度であって前記検知処理が実施中でなければ、前記画像データに対し、前記解像度処理を実施せず、前記検知処理を実施する、請求項7に記載の制御方法。
【請求項9】
入力された画像データを、順次バッファメモリーに格納するバッファメモリー格納処理を実施するステップをさらに含み、
前記解像度判断を実施するステップは、所定の単位ごとに前記バッファメモリーから前記画像データを読み出して当該画像データが低解像度であるか高解像度であるかを判断する、請求項7または請求項8に記載の制御方法。
【請求項10】
前記バッファメモリー格納処理を実施するステップは、ビットマップ形式のデータに展開する画像展開処理がされた前記画像データを前記バッファメモリーに格納する、請求項9に記載の制御方法。
【請求項11】
前記検知処理をするステップは、前記画像データが低解像度である場合、前記画像データに対し、前記2値化処理と前記解像度処理とを行わずに、前記ファイルメモリーに圧縮した画像データを格納させ、当該画像データを伸張して取得する圧縮伸張処理を行った後に、前記検知処理を実施する、請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項12】
前記検知処理をするステップは、前記画像データが高解像度である場合、前記画像データに対し、前記解像度処理が実施された後、前記圧縮伸張処理を実施せずに前記検知処理を実施する、請求項11に記載の制御方法。
【請求項13】
1以上のプロセッサーによって実行されることにより、前記1以上のプロセッサーに、請求項7〜請求項12のいずれか1項に記載の制御方法を実施させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関し、特に、予め定められたパターンを含むか否かを検知する検知処理を実施する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multi-Functional Peripheral)等の画像形成装置によって形成される画像において、近年、画質が向上している。この意味において、従前より、有価証券や紙幣などの印刷禁止画像の印刷の回避のために実施されている、印刷用の画像データに対する検知処理の意義が重要になってきている。
【0003】
このような検知処理について、たとえば特開2002−335399公報(特許文献1)は、画像データの入力形態、または解像度に応じてそれぞれのデータバスを有し、低解像度の画像を検知処理の一部に使用することで、プリントパフォーマンスを向上させる技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−335399公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術においては1つのプリントジョブに対して、複数の解像度のデータを取得することによりプリントパフォーマンスを向上させることはできるが、解像度が異なるプリントジョブを連続して処理する場合、処理する解像度を切り替えるために、ジョブ間で発生する処理の遅延を防ぐことはできない。たとえば、低解像度の画像を含むジョブの後に高解像度の画像を含むジョブを続けて処理する場合、画像の解像度の違いから処理の内容が異なるため、高解像度の画像に対する検知処理の実施を低解像度の画像に対する検知処理の実施を待って行う必要が生じ、高解像度の画像をシート上に印刷する処理の開始に遅延が生じる。
【0006】
高解像度の画像データと低解像度の画像データのそれぞれの検知処理に対して専用の回路を設けることも想定されるが、そのような場合、画像形成装置における回路規模が増大し、これにより、画像形成装置の製造コストが大きく上昇する事態が想定され得る。
【0007】
本開示は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、画像データの処理の遅延を回避しながら、製造コストの削減をするための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のある局面に従う画像形成装置は、画像データに対して所定の処理を実施するように構成された画像処理部と、所定の処理を実施された画像データの画像を形成する画像形成部とを備える。画像処理部は、ファイルメモリーを含み、画像データが低解像度である場合、画像データに対し、ファイルメモリーに格納し、その後、予め定められたパターンを含むか否かを検知する検知処理を実施するように構成されている。画像データが高解像度である場合、画像データに対し、2値化処理と並行して、所定の解像度へ変換する解像度処理を実施し、その後、検知処理を実施するように構成されている。
【0009】
本開示のある局面に従う画像形成装置の制御方法は、処理対象の画像データが高解像度であるか低解像度であるかを判断する解像度判断を実施するステップを備える。また、当該制御方法は、画像データが低解像度である場合に、画像データに対し、ファイルメモリーに格納し、その後、予め定められたパターンを含むか否かを検知する検知処理を実施するステップを備える。さらに、当該制御方法は画像データが高解像度である場合に、画像データに対し、2値化処理と並行して、所定の解像度へ変換する解像度処理を実施し、その後、検知処理を実施するステップを備える。
【0010】
本開示のある局面に従うプログラムは、1以上のプロセッサーによって実行されることにより、当該1以上のプロセッサーに、上述の制御方法を実施させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、画像形成装置は、画像処理部で、画像データが高解像度である場合、画像データに対し、2値化処理と並行して、所定の解像度へ変換する解像度処理を実施するように構成されている。これにより、本開示の画像形成装置は、画像データの処理の遅延が回避され、かつ、製造コストの削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】画像形成装置の利用態様の一例を表す図である。
図2】画像形成装置のハードウェア構成の一例を表す図である。
図3】画像処理部の機能構成の一例を示す図である。
図4】画像処理部において、入力された画像データを転送する処理のフローチャートである。
図5】低解像度のジョブが連続して実行される場合のタイミングチャートである。
図6】高解像度のジョブが連続して実行される場合のタイミングチャートである。
図7】低解像度のジョブの後に高解像度のジョブが実行される場合に遅延が発生しないタイミングチャートの一例である。
図8】低解像度のジョブの後に高解像度のジョブが実行される場合に解像度処理を行うタイミングチャートの一例である。
図9】低解像度のジョブの後に高解像度のジョブが実行される場合に遅延が発生するタイミングチャートの一例である。
図10図9の例に対応する画像処理部の構成の一例を示す図である。
図11図9の例に対応する処理であって、画像処理部に入力された画像データを転送する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面を参照しつつ、画像形成装置の一実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらの説明は繰り返さない。
[画像形成装置の利用態様]
図1は、画像形成装置の利用態様の一例を表す図である。図1に示されるように、画像形成システム1000は、画像形成装置100とユーザー端末200とを含む。画像形成装置100は、MFP等の複合機であってもよいし、プリンターであってもよい。ユーザー端末200は、汎用のコンピューターであってもよいし、スマートフォンなどの携帯端末であってもよい。画像形成装置100とユーザー端末200とは、ネットワークNを介して通信可能に構成されている。
[画像形成装置のハードウェア構成]
図2は、画像形成装置100のハードウェア構成の一例を表す図である。
【0014】
画像形成装置100は、画像形成装置100全体を制御するための制御部101を備える。画像形成装置100は、さらに、表示部102と、操作部103と、通信部104と、記憶部105と、撮像部106と、画像処理部107と、画像形成部108とを備え、これらの要素は、内部バスで制御部101と接続されている。
【0015】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)を含む。表示部102は、たとえば、液晶ディスプレイ、OEL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイ、および/または、ランプなどの、表示装置によって実現される。操作部103は、たとえば、ディスプレイ(ソフトウェアキー)および/またはハードウェアキーなどの入力装置によって実現される。
【0016】
通信部104は、たとえば、LAN(Local Area Network)カードなどの通信インターフェイスによって実現される。記憶部105は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)および/またはSSD(Solid State Drive)などの記憶装置によって実現される。撮像部106は、たとえば、イメージセンサーなどの撮像装置によって実現される。
【0017】
画像処理部107は、たとえば、画像データに対してラスタライズおよび2値化処理などの処理を実行する演算装置(たとえば、circuitry)と、演算結果であるデータを格納するためのメモリーとによって実現される。
【0018】
画像形成部108は、たとえば、静電潜像を形成するための感光体、画像形成のためのインクを供給するためのインクカートリッジ駆動回路、印刷用紙を搬送するためのローラー、および、当該ローラーを駆動するためのモーターなどを含む、プリンターユニットによって実現される。
[画像形成装置の機能構成]
図3は、画像処理部107の機能構成の一例を示す図である。画像処理部107は、RIP(Raster Image Processor)処理部301と、RIP処理バッファメモリー302と、DMA(Direct Memory Access)コントローラー303と、2値化処理部304と、圧縮・伸張処理部305と、ファイルメモリー306と、解像度処理部307と、プリントコントローラー309と、検知処理部311とを含む。
【0019】
RIP処理部301、DMAコントローラー303、2値化処理部304、圧縮・伸張処理部305、解像度処理部307、プリントコントローラー309、および、検知処理部311のそれぞれは、1以上のプロセッサーによって実現される。これらのそれぞれは、汎用のプロセッサーおよび/または専用のプロセッサー(たとえば、ASICなどのハードウェア)が所与のプログラムを実行することによって実現される。RIP処理バッファメモリー302およびファイルメモリー306のそれぞれは、メモリーによって実現される。
【0020】
RIP処理部301は、入力された画像データをラスタライズして、RIP処理バッファメモリー302に格納する。RIP処理バッファメモリー302は、ページ単位でデータを格納する。DMAコントローラー303は、RIP処理バッファメモリー302に格納された画像データをページ単位で画像処理部107内の各要素へ転送する。
【0021】
より具体的には、DMAコントローラー303は、高解像度に分類される画像データを2値化処理部304、解像度処理部307、または検知処理部311へ転送し、低解像度に分類される画像データを圧縮・伸張処理部305へ転送する。一例では、DMAコントローラー303は、所与の閾値以下の解像度を有する画像データを低解像度に分類し、当該閾値を超える解像度を有する画像データを高解像度に分類する。閾値の一例は、600dpi(dot per inch)である。また、本実施の形態において、DMAコントローラー303は、解像度処理部307を介さずに検知処理部311へ転送する経路を有するが、当該経路を有さず解像度処理部307を介してのみ検知処理部311へ転送するとしてもよい。また、RIP処理バッファメモリー302を有さず、DMAコントローラー303は、RIP処理がなされたデータを順次、転送することとしてもよい。
【0022】
一例では、画像形成装置100は、600dpiの画像データと1200dpiの画像データとが入力され得る。この場合、600dpiの画像データは、低解像度の画像データとして取り扱われ、1200dpiの画像データは、高解像度の画像データとして取り扱われる。
【0023】
2値化処理部304は、高解像度の画像データを2値化する。DMAコントローラー303は、2値化処理部304で2値化された画像データを圧縮・伸張処理部305へ転送する。
【0024】
圧縮・伸張処理部305は、画像データを圧縮する。DMAコントローラー303は、圧縮された画像データをファイルメモリー306へ転送する。
【0025】
DMAコントローラー303は、画像処理部107へ入力された画像データが高解像度である場合、図4を参照して後述される条件に従って、RIP処理バッファメモリー302から読み出された画像データを2値化処理部304へ転送することと並行して、解像度処理部307または検知処理部311へ転送する。
【0026】
解像度処理部307は、検知処理部311で検知処理をするために高解像度の画像データの解像度を所定の解像度へと変換する。検知処理を行うための前処理である。
【0027】
検知処理部311は、画像データにおいて特定の画像パターンを検知する検知処理を実行する。特定の画像パターンは、たとえば、出力が禁止される紙幣または有価証券等の画像を構成するパターンである。検知処理部311は、検知処理の結果をDMAコントローラー303へ出力する。
【0028】
検知処理部311は、特定の画像パターンを検知する前処理として、入力された画像データを所定の解像度へと変換する調整を行う。当該所定の解像度は、解像度処理部307が変換する解像度と同一の解像度である。したがって、既に解像度処理部307が、入力される画像データに対して、所定の解像度へ変換していた場合、検知処理部311は、当該解像度の変換処理をしない。この場合、検知処理部311が行う検知処理の時間は短縮される。
【0029】
本実施の形態において、検知処理部311へ入力される画像データは、低解像度か高解像度にかかわらず、2値化処理がされない。これにより、検知処理部311が行う検知処理の精度が損なわれることがない。
【0030】
DMAコントローラー303は、画像データが、検知処理において上記特定の画像パターンを含まないと判断されたことを条件として、圧縮・伸張処理部305で伸張された画像データを、プリントコントローラー309へ転送する。DMAコントローラー303は、画像データが、検知処理において上記特定の画像パターンを含むと判断された場合、当該画像データをプリントコントローラー309へ転送しない。
【0031】
これにより、画像形成装置100において、特定の画像パターンを含む可能性がある画像データに従った画像が形成されることが回避される。この場合、DMAコントローラー303は、制御部101に、当該画像データについての検知処理を通知してもよい。これに応じて、制御部101は、表示部102に、画像データに印刷を禁止されている画像が含まれる(可能性がある)ことを示す情報を表示してもよい。
【0032】
プリントコントローラー309は、画像データを画像形成部108へ転送し、印刷用紙などの記録媒体に当該画像データに従って画像を形成するように画像形成部108を制御する。
[処理の流れ]
図4は、画像処理部107において、入力された画像データを転送する処理のフローチャートである。当該処理は、DMAコントローラー303を実現するハードウェア要素によって実行され、一例では、所与のハードウェア要素(circuitry)が所与のプログラムを実行することによって実現される。
【0033】
図4の処理は、たとえば、ユーザー端末200から画像形成装置100へ印刷ジョブの実行指示が入力されたことに応じて開始される。なお、図4の処理は、画像形成を含むジョブの実行指示に伴って開始されればよく、画像形成装置100におけるコピージョブの実行指示(たとえば、コピーボタンの押下)に応じて開始されても良い。
【0034】
ステップS10にて、DMAコントローラー303は、画像処理部107に入力された画像データのRIP処理(RIP処理部301によるラスタライズ)が完了したか否かを判断する。DMAコントローラー303は、RIP処理が未だ完了していないと判断するとステップS10へ制御を留め(ステップS10にてNO)、RIP処理が完了したと判断するとステップS15へ制御を進める(ステップS10にてYES)。
【0035】
ステップS15にて、DMAコントローラー303は、ジョブにおいて画像を形成される画像データが高解像度であるか否かを判断する。一例では、DMAコントローラー303は、ジョブにおいて印刷を指示されるファイルが高解像度の画像を含む場合、上記画像データが高解像度(たとえば、600dpiを超える解像度)であると判断する。他の例では、DMAコントローラー303は、上記画像データが高解像度の画像を含まない場合、上記画像データが高解像度ではないと判断する。DMAコントローラー303は、上記画像データが高解像度でないと判断するとステップS20へ制御を進め(ステップS15でNO)、そうでなければステップS25へ制御を進める(ステップS15でYES)。
【0036】
ステップS20にて、DMAコントローラー303は、上記画像データを圧縮・伸張処理部305へと転送し、処理を終了する。
【0037】
ステップS25にて、DMAコントローラー303は、検知処理部311が実行中であるか否かを判断する。DMAコントローラー303は、検知処理部311が実行中であると判断するとステップS30へ制御を進め(ステップS25でYES)、そうでなければステップS35へ制御を進める(ステップS25でNO)。
【0038】
ステップS30にて、DMAコントローラー303は、上記画像データを2値化処理部304および解像度処理部307へと転送し、処理を終了する。
【0039】
ステップS35にて、DMAコントローラー303は、上記画像データを2値化処理部304へと転送し、処理を終了する。
[タイミングチャート]
図5図8までは、本開示に係る画像形成装置100における画像処理部における処理のタイミングチャートの一例を表す。また、図9では、比較例の画像形成装置における画像処理部における処理のタイミングチャートの一例を表す。図5図9のそれぞれは、連続する2つのプリントジョブ(各図における「ジョブ1」「ジョブ2」)が実行される際のタイミングチャートを表す。図5図9に示された各例において、「ジョブ1」と「ジョブ2」のそれぞれは、3ページ分の画像データを含むファイルのジョブを表す。
【0040】
図5図9のそれぞれでは、「RIP処理」等のように、画像データに対して実施される処理が示されている。より具体的には、低解像度の画像データに対して実施される処理として、RIP処理部301によるRIP処理(ラスタライズ)A1、圧縮・伸張処理部305による圧縮処理A2および伸張処理A3、検知処理部311による検知処理X、ならびに、プリントコントローラー309による印刷処理Yが示されている。
【0041】
高解像度の画像データに対して実施される処理として、RIP処理部301によるRIP処理(ラスタライズ)B1、2値化処理部304による2値化処理B2、解像度処理部307による解像度処理B3、圧縮・伸張処理部305による圧縮処理B4および伸張処理B5、検知処理部311による検知処理X、ならびに、プリントコントローラー309による印刷処理Yが示されている。なお、図9に示す比較例の画像形成装置は、解像度処理部307を持たない。
【0042】
図5図9のそれぞれにおいて、横軸は時間の経過を表す。図5図9では、各処理がどのジョブのどのページの画像データを対象としているかが表される。以下、図5図9のそれぞれについて説明する。
図5:低解像度のジョブが連続して実行される場合)
図5は、低解像度のジョブが連続して実行される場合のタイミングチャートである。図5の例では、ジョブ1およびジョブ2のいずれもが低解像度の画像データを印刷するプリントジョブである。図5に示されるように、まず、ジョブ1の1ページ目の画像データについてRIP処理A1が実施される。ジョブ1の1ページ目の画像データのRIP処理が完了すると、1ページ目の画像データが圧縮・伸張処理部305へ転送され、2ページ目の画像データのRIP処理A1が実施される。このように、ジョブ1の1ページ目から3ページ目のそれぞれの画像データが、順に、RIP処理A1、圧縮処理A2、伸張処理A3の処理対象とされる。各画像データは、伸張処理A3が終わった後に、検知処理Xの処理対象とされる。各ページの検知処理Xが完了すると、当該検知処理で上述された特定の画像パターンが検知されなかったことを条件として、当該ページの印刷処理Yが実施される。
【0043】
図5の例では、ジョブ1の最後のページ(3ページ目)のRIP処理A1の後、ジョブ2の最初のページ(1ページ目)のRIP処理A1が開始する。ジョブ2についても、1ページ目から3ページ目のそれぞれの画像データが、順に、RIP処理A1、圧縮処理A2、伸張処理A3の処理対象とされる。
【0044】
図5の例では、ジョブ2の1ページ目の伸張処理A3は時刻t12で終了する。ジョブ1の3ページ目の検知処理Xは、時刻t12より前の時刻t11で終了する。すなわち、ジョブ2の最初のページの検知処理Xがジョブ1の最後のページの検知処理Xの終了を待つことなく開始され得る。図5の例では、ジョブ間での解像度が同一であるため、ジョブ2の画像データの処理において、ジョブ1の画像データの処理を待つことによる遅延が生じることはない。
図6:高解像度のジョブが連続して実行される場合)
図6は、高解像度のジョブが連続して実行される場合のタイミングチャートである。図6の例では、ジョブ1およびジョブ2のいずれもが高解像度の画像データを印刷するプリントジョブである。図6に示されるように、まず、ジョブ1の1ページ目の画像データについてRIP処理B1が実施される。ジョブ1の1ページ目の画像データのRIP処理が完了すると、1ページ目の画像データが、2値化処理部304へ転送される。このとき、ジョブ1よりも前に処理されているジョブは存在しないため、検知処理部311が実行中であることはない。したがって、当該画像データは、2値化処理部304と検知処理部311のそれぞれに転送される(図4のステップS25でNO)。
【0045】
ジョブ1の1ページ目の画像データが2値化処理B2および検知処理部311のそれぞれに転送され、2ページ目の画像データのRIP処理B1が実施される。このように、ジョブ1の1ページ目から3ページ目のそれぞれの画像データが、順に、RIP処理B1、2値化処理B2、解像度処理B3、圧縮処理B4、伸張処理B5の処理対象とされる。ジョブ1の各画像データは、ジョブ1よりも前にジョブが存在しないため、検知処理部311が実行中であることはなく、RIP処理B1が終わった後に、検知処理Xの処理対象とされる。各ページの検知処理Xおよび伸張処理B5が完了すると、当該検知処理で上述された特定の画像パターンが検知されなかったことを条件として、当該ページの印刷処理Yが実施される。
【0046】
図6の例では、ジョブ1の最後のページ(3ページ目)のRIP処理B1の後、ジョブ2の最初のページ(1ページ目)のRIP処理B1が開始する。ジョブ2についても、1ページ目から3ページ目の画像データが高解像度であるため、それぞれの画像データは、順に、RIP処理B1、2値化処理B2、解像度処理B3、圧縮処理B4、伸張処理B5の処理対象とされる。
【0047】
図6の例では、ジョブ2の1ページ目のRIP処理B1は時刻t22で終了する。一方、ジョブ1の3ページ目の検知処理Xは、時刻t22より前の時刻t21で終了する。すなわち、画像処理部107(DMAコントローラー303)は、ジョブ2の1ページ目の2値化処理B2を実施しようとしたときに、検知処理部311が実行中ではないと判断できる(図4のステップS25でNO)。したがって、図7の例では、DMAコントローラー303はジョブ2の画像データを解像度処理部307へは転送せず、検知処理部311へ転送する。
【0048】
すなわち、ジョブ2の最初のページの検知処理Xがジョブ1の最後のページの検知処理Xの終了を待つことなく開始され得る。図6の例では、ジョブ間での解像度が同一であるため、ジョブ2の画像データの処理において、ジョブ1の画像データの処理を待つことによる遅延が生じることはない。
(解像度が異なるジョブを実行する場合)
画像処理部107は、低解像度のジョブと高解像度のジョブとで、処理の内容が異なる。図5および図6を参照してわかるように、低解像度のジョブと高解像度のジョブの間では、検知処理の開始のタイミングが相違する。低解像度のジョブにおいてDMAコントローラー303は、伸張処理完了後に検知処理部311へ画像データを転送する。高解像度のジョブにおいてDMAコントローラー303は、RIP処理完了後に検知処理部311へ画像データを転送する。
【0049】
すなわち、低解像度のジョブにおける検知処理を開始するタイミングは、ジョブ全体の中で比較的後半に開始する。高解像度のジョブにおける検知処理を開始するタイミングは、ジョブ全体の中で比較的前半に開始する。
【0050】
この検知処理を開始するタイミングの差異により、DMAコントローラー303は、高解像度の画像データを検知処理部311へ転送しようとしても、検知処理部311で低解像度の画像データが処理されているため、高解像度の画像データを検知処理部311へ転送できない場合がある。そのため、画像処理部107は、低解像度の画像データに対する検知処理部311での処理の終了を待つ必要があるため、処理の遅延が生じる場合がある。
【0051】
逆に、高解像度のジョブに続いて低解像度のジョブを実行する場合、DMAコントローラー303は、低解像度の画像データを検知処理部311へ転送しようとするとき、検知処理部311では高解像度の画像データに対する処理が終了しているので、高解像度の画像データを検知処理部311へ転送することができる。そのため、画像処理部107は、高解像度の画像データに対する検知処理部311での処理の終了を待つ必要がないため、処理の遅延が生じることはない。
【0052】
図7から図9では、低解像度のジョブの後に高解像度のジョブが実行される場合のタイミングチャートの一例をそれぞれ示す。以下、これらの図を用いて処理が遅延する例と、遅延の回避方法について説明する。
【0053】
まず、図9を参照して、処理が遅延する例を示す。図9は、低解像度のジョブの後に高解像度のジョブが実行される場合の遅延が発生するタイミングチャートの一例である。図9の例では、ジョブ1は低解像度の画像データを、ジョブ2は高解像度の画像データを、それぞれ印刷するプリントジョブである。
【0054】
図9では、本実施の形態の画像形成装置と比較させるための例を示す。ここで、図10および図11を参照して、図9に示された比較例をより詳細に説明する。図10は、図9の例に対応する画像処理部107Aの構成の一例を示す図である。図9の例に対応する画像処理部107Aでは、本実施の形態の画像処理部107とは異なり解像度処理部307を含まない。
【0055】
図11は、図9の例に対応する処理であって、画像処理部107Aに入力された画像データを転送する処理のフローチャートである。図10の構成は、図3の構成と比較して、解像度処理部307を含まない。図10の例では、画像データが高解像度である場合、DMAコントローラー303は、当該画像データを2値化処理部304および検知処理部311へ転送する。検知処理部311が他の画像データの検知処理を実施している場合、DMAコントローラー303は、当該画像データの検知処理の終了後に、次の画像データを検知処理部311へ転送する。
【0056】
図11の処理では、図4の処理と比較して、DMAコントローラー303は、検知処理部311が実行中であると判断すると(ステップS25でYES)、検知処理部311が実行中でなくなるまでステップS25に制御を留める。DMAコントローラー303は、検知処理部311が実行中でないと判断したことを条件として(ステップS25でNO)、画像データを2値化処理部304および検知処理部311へ転送する。
【0057】
図9に戻って、ジョブ1は、図5の例と同様に、1ページ目から3ページ目のそれぞれの画像データが、順に、RIP処理A1、圧縮処理A2、伸張処理A3の処理対象とされる。各画像データは、伸張処理A3が終わった後に、検知処理Xの処理対象とされる。各ページの検知処理Xが完了すると、当該検知処理で上述された特定の画像パターンが検知されなかったことを条件として、当該ページの印刷処理Yが実施される。
【0058】
図9の例では、ジョブ1の1ページ目の印刷処理が終了して所定期間が経過したタイミングで、ジョブ2の1ページ目のRIP処理B1が開始される。その後、ジョブ2についても、1ページ目から3ページ目のそれぞれの画像データが、順に、RIP処理B1、2値化処理B2、解像度処理B3、圧縮処理B4、および、伸張処理B5の処理対象とされる。
【0059】
時刻t51でジョブ2の画像データのRIP処理B1が終了しても、検知処理Xがジョブ1の画像データを処理対象としているので、DMAコントローラー303は、ジョブ2の1ページ目の画像データをRIP処理バッファメモリー302から検知処理部311へ転送できない。RIP処理バッファメモリー302にジョブ2の1ページ目の画像データが格納されているため、RIP処理部301は、ジョブ2の2ページ目の画像データのRIP処理B1を開始できない。
【0060】
DMAコントローラー303は、時刻t52で、ジョブ1の1ページ目の画像データの検知処理部311への転送を開始する。これにより、DMAコントローラー303は、時刻t52で、ジョブ2の2ページ目の画像データのRIP処理を開始する。すなわち、図9の例は、解像度処理B3を含まないので、画像データを、RIP処理B1の後、圧縮処理B4、および伸張処理B5へと進めるような経路が存在しない。これにより、ジョブ2の2ページ目の画像データのRIP処理B1の開始が、図8の例と比較して大幅に遅延し、当該2ページ目の画像データについて、2値化処理B2以降の処理の開始も遅延する。これにより、ジョブ2について、各ページの検知処理Xが先に終了しても、伸張処理B5の終了が図8の例と比較して遅くなり、結果として、印刷処理Yの開始が遅くなり処理が遅延する(時刻53)。
【0061】
当該遅延を発生させないためには、ジョブ2の開始タイミングを遅くすればよい。以降、図9から図11で示した比較例から、本実施の形態の画像形成装置100に戻り、図7を用いて具体的に遅延を発生しない例を説明する。図7は、低解像度のジョブの後に高解像度のジョブが実行される場合の遅延が発生しないタイミングチャートの一例である。図7の例では、ジョブ1は低解像度の画像データを、ジョブ2は高解像度の画像データを、それぞれ印刷するプリントジョブである。
【0062】
図7の例のジョブ1は、図5の例と同様に、1ページ目から3ページ目のそれぞれの画像データが、順に、RIP処理A1、圧縮処理A2、伸張処理A3の処理対象とされる。各画像データは、伸張処理A3が終わった後に、検知処理Xの処理対象とされる。各ページの検知処理Xが完了すると、当該検知処理で上述された特定の画像パターンが検知されなかったことを条件として、当該ページの印刷処理Yが実施される。
【0063】
図7の例では、ジョブ1の1ページ目の印刷処理が終了し、ジョブ2の1ページ目のRIP処理B1が開始される。その後、ジョブ2についても、1ページ目から3ページ目のそれぞれの画像データが、順に、RIP処理B1、2値化処理B2、解像度処理B3、圧縮処理B4、および、伸張処理B5の処理対象とされる。
【0064】
図7の例では、時刻t32で、ジョブ2の1ページ目のRIP処理B1が終了し、2値化処理B2が開始される。一方、ジョブ1の最終ページの検知処理Xは、時刻t32より前の時刻t31で終了している。すなわち、画像処理部107(DMAコントローラー303)は、ジョブ2の1ページ目の2値化処理B2を実施するときに、検知処理部311が実行中ではないと判断できる(図4のステップS25でNO)。したがって、図7の例では、DMAコントローラー303はジョブ2の画像データを解像度処理部307へは転送せず、検知処理部311へ転送する。ジョブ2の画像データの検知処理は、ジョブ1の画像データの検知処理の終了を待つこと無く実施される。
【0065】
しかしながら、図7の例ではジョブ1とジョブ2との処理全体に要する時間が、図5または図6で示す例と比較して長くなる。これは、ジョブ2の1ページ目の処理の開始時間を遅らせたためである。以下、解像度処理部307を用いることでジョブ1とジョブ2との処理全体の時間を長くさせずに、遅延を回避する例を示す。
【0066】
図8は、低解像度のジョブの後に高解像度のジョブが実行される場合に解像度処理を行うタイミングチャートの一例である。図8の例では、図7の例と同様に、ジョブ1は低解像度の画像データを、ジョブ2は高解像度の画像データを、それぞれ印刷するプリントジョブである。
【0067】
図8の例においても、図7の例と同様に、ジョブ1の1ページ目から3ページ目のそれぞれの画像データが、順に、RIP処理A1、圧縮処理A2、伸張処理A3の処理対象とされ、その後、検知処理Xの処理対象とされる。各ページの検知処理Xが完了すると、当該検知処理で上述された特定の画像パターンが検知されなかったことを条件として、当該ページの印刷処理Yが実施される。
【0068】
図8の例では、ジョブ1の最後のページ(3ページ目)のRIP処理A1の終了後比較的早期にジョブ2の1ページ目の画像データのRIP処理B1が開始される。このため、ジョブ2の1ページ目の画像データについて、RIP処理B1が完了して2値化処理B2が開始されるタイミング(時刻t41)では、ジョブ1の最後のページの画像データの検知処理Xが未だ終了していない。ジョブ1の最後のページの画像データの検知処理Xは、時刻t41より後の時刻t42で終了する。すなわち、時刻t41では、検知処理部311が実行中であると判断される(ステップS25にてYES)。
【0069】
そこで、図8の例では、画像処理部107(DMAコントローラー303)は、ステップS35の制御として説明されたように、ジョブ2の画像データについて、2値化処理B2と並行して解像度処理B3を行った後に、検知処理Xを実施する。これにより、ジョブ2の1ページ目の画像データの検知処理Xは、時刻t42のタイミングで開始される。
【0070】
上述で説明したように、解像度処理B3は、検知処理Xをするための前処理に相当する。したがって、ジョブ2の画像データは、解像度処理B3の処理がなされたことにより、検知処理Xの処理時間が短縮されている。
【0071】
換言すれば、図8の例では、ジョブ2の前のジョブ1の画像データに対する検知処理Xの進捗に従って、DMAコントローラー303は、当該画像データを2値化処理B2および解像度処理B3の対象にするか、2値化処理B2および検知処理Xの対象にするか、を選択することができる。これにより、画像形成装置100では、検知処理の精度の低下および処理の遅延が極力回避され得る。また、高解像度のデータと低解像度のデータのそれぞれに専用の回路を設けることなく1つの回路で処理を行っているため、回路規模が増大し製造コストが大きく上昇することもない。
[小括]
以上のように、実施の形態1に係る画像形成装置100は、画像データに対して所定の処理を実施するように構成された画像処理部107と、所定の処理を実施された画像データの画像を形成する画像形成部108とを備える。画像処理部107は、ファイルメモリーを含み、画像データが低解像度である場合、画像データに対し、ファイルメモリーに格納し、その後、予め定められたパターンを含むか否かを検知する検知処理Xを実施するように構成されている。画像データが高解像度である場合、画像データに対し、2値化処理B2と並行して、所定の解像度へ変換する解像度処理B3を実施し、その後、検知処理Xを実施するように構成されている。これにより、画像データの処理の遅延が回避され、かつ、製造コストの削減を図る。
【0072】
また、画像処理部107は、第1の画像データが高解像度である場合、第1の画像データの2値化処理B2を実施するときに、低解像度である第2の画像データに対する検知処理Xが実施中であれば、第1の画像データに対して、解像度処理B3と2値化処理B2とを並行して実施するように構成されている。低解像度である第2の画像データに対する検知処理Xが実施中でなければ、第1の画像データに対して、解像度処理B3を行わずに検知処理Xを実施するように構成されている。これにより、検知処理Xが実施中でない場合は、解像度処理B3をせずに検知処理Xを実施できる。
【0073】
さらに、画像処理部107は、RIP処理バッファメモリー302をさらに含み、入力された画像データを、順次RIP処理バッファメモリー302に格納し、所定の単位ごとにRIP処理バッファメモリー302から画像データを読み出して当該画像データが低解像度であるか高解像度であるかを判断する。これにより、DMAコントローラー303は、ジョブごとに低解像度であるか高解像度であるかを判断し、処理することができる。
【0074】
また、画像処理部107は、画像データをビットマップ形式のデータに展開する画像展開処理した画像データをRIP処理バッファメモリー302に格納する。これにより、ビットマップ形式の画像データを処理対象とすることができる。
【0075】
さらに、画像処理部107は、画像データが低解像度である場合、2値化処理B2と解像度処理B3とを行わずに、ファイルメモリー306に圧縮した画像データを格納させ、当該画像データを伸張して取得する圧縮伸張処理を行った後に、検知処理Xを実施する。これにより、低解像度である場合は、2値化処理B2をせずに検知処理Xをすることができ、検知精度が低くなることがない。
【0076】
また、画像処理部107は、画像データが高解像度である場合、画像データに対し、解像度処理B3が実施された後、圧縮伸張処理を実施せずに検知処理Xを実施する。これにより、高解像度の画像データに対して圧縮伸張処理を実施せずに検知処理Xをすることができる。
【0077】
さらに、実施の形態1に係る画像形成装置の制御方法は、処理対象の画像データが高解像度であるか低解像度であるかを判断する解像度判断を実施するステップと、画像データが低解像度である場合に、画像データに対し、ファイルメモリーに格納し、その後、予め定められたパターンを含むか否かを検知する検知処理を実施するステップと、画像データが高解像度である場合に、画像データに対し、2値化処理B2と並行して、所定の解像度へ変換する解像度処理B3を実施し、その後、前記検知処理を実施するステップとを備える。これにより、画像データの処理の遅延が回避され、かつ、製造コストの削減を図る。
【0078】
また、画像データに対して所定の処理を実施するときに、他の画像データに対する検知処理Xが実施中であるか否かを判断するステップを備え、画像データが高解像度であり、かつ、他の画像データが低解像度であって検知処理Xが実施中であれば、画像データに対し、2値化処理B2と並行して、解像度処理B3を実施し、その後、検知処理Xが実施され、画像データが高解像度であり、かつ、他の画像データが低解像度であって検知処理Xが実施中でなければ、画像データに対し、解像度処理B3を実施せず、検知処理Xが実施される。これにより、検知処理Xが実施中でない場合は、解像度処理B3をせずに検知処理Xを実施できる。
【0079】
さらに、入力された画像データを、順次RIP処理バッファメモリー302に格納するバッファメモリー格納処理を実施するステップをさらに含み、解像度判断を実施するステップは、所定の単位ごとにRIP処理バッファメモリー302から画像データを読み出して当該画像データが低解像度であるか高解像度であるかを判断する。これにより、DMAコントローラー303は、ジョブごとに低解像度であるか高解像度であるかを判断し、処理することができる。
【0080】
また、バッファメモリー格納処理を実施するステップは、ビットマップ形式のデータに展開する画像展開処理がされた画像データをRIP処理バッファメモリー302に格納する。これにより、ビットマップ形式の画像データを処理対象とすることができる。
【0081】
さらに、検知処理Xをするステップは、画像データが低解像度である場合、画像データに対し、2値化処理B2と解像度処理B3とを行わずに、ファイルメモリー306に圧縮した画像データを格納させ、当該画像データを伸張して取得する圧縮伸張処理を行った後に、検知処理Xを実施する。これにより、低解像度である場合は、2値化処理B2をせずに検知処理Xをすることができ、検知精度が低くなることがない。
【0082】
また、検知処理Xをするステップは、画像データが高解像度である場合、画像データに対し、解像度処理B3が実施された後、圧縮伸張処理を実施せずに検知処理Xを実施する。これにより、高解像度の画像データに対して圧縮伸張処理を実施せずに検知処理Xをすることができる。
【0083】
さらに、実施の形態1に係るプログラムは、1以上のプロセッサーによって実行されることにより、1以上のプロセッサーに、上述に記載の画像形成装置の制御方法を実施させる。これにより、画像データの処理の遅延が回避され、かつ、製造コストの削減を図る。
【0084】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0085】
100 画像形成装置、101 制御部、102 表示部、103 操作部、104 通信部、105 記憶部、106 撮像部、107,107A 画像処理部、108 画像形成部、200 ユーザー端末、301 RIP処理部、302 RIP処理バッファメモリー、303 DMAコントローラー、304 2値化処理部、305 圧縮・伸張処理部、306 ファイルメモリー、307 解像度処理部、309 プリントコントローラー、311 検知処理部、1000 画像形成システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11