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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-203743(P2020-203743A)
(43)【公開日】2020年12月24日
(54)【発明の名称】仕分け装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/46 20060101AFI20201127BHJP
   B65G 47/28 20060101ALI20201127BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20201127BHJP
【FI】
   B65G47/46 C
   B65G47/28 L
   B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-111376(P2019-111376)
(22)【出願日】2019年6月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】西村 力
(72)【発明者】
【氏名】吉永 樹朗
(72)【発明者】
【氏名】寺谷 茂
【テーマコード(参考)】
3F015
3F081
3F522
【Fターム(参考)】
3F015AA06
3F015FA02
3F015GA01
3F081AA01
3F081BC04
3F081BD04
3F081CC02
3F081CC08
3F081CD01
3F081EA10
3F522AA02
3F522BB01
3F522CC03
3F522DD04
3F522DD22
3F522DD32
3F522EE16
3F522FF12
3F522GG13
3F522GG45
3F522JJ01
3F522KK06
3F522LL53
(57)【要約】
【課題】シュートでの荷詰まりの発生を抑制することができる仕分け装置を提供する。
【解決手段】複数の荷物6を仕分けるための仕分け装置2であって、荷物6を搬送経路18に沿って搬送させた状態で、荷物6を搬送経路18の側方に配置された複数のシュート12のいずれかに払い出す搬送装置8と、複数の荷物6のそれぞれと、複数のシュート12のそれぞれとの対応関係を把握する把握部(取得部30)と、搬送経路18の搬送方向に沿って連続する少なくとも二つの荷物6であって、同一のシュート12に割り当てられた少なくとも二つの荷物6が存在する場合に、搬送方向の前方側の荷物に対する、搬送装置8における払い出しの開始時点から、荷物6がシュート12内に進入する進入時点までの払い出し動作期間を、搬送方向の後方側の荷物6に対する払い出し動作期間よりも短くすることを決定する決定部(取得部30)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の荷物を仕分けるための仕分け装置であって、
前記荷物を搬送経路に沿って搬送させた状態で、前記荷物を前記搬送経路の側方に配置された複数のシュートのいずれかに払い出す搬送装置と、
前記複数の荷物のそれぞれと、前記複数のシュートのそれぞれとの対応関係を把握する把握部と、
前記搬送経路の搬送方向に沿って連続する少なくとも二つの荷物であって、同一の前記シュートに割り当てられた前記少なくとも二つの荷物が存在する場合に、前記搬送方向の前方側の荷物に対する、前記搬送装置における払い出しの開始時点から、前記荷物が前記シュート内に進入する進入時点までの払い出し動作期間を、前記搬送方向の後方側の荷物に対する前記払い出し動作期間よりも短くすることを決定する決定部と、を備える
仕分け装置。
【請求項2】
前記決定部は、前記前方側の荷物における前記搬送装置上での位置を、払い出し方向で前記シュートに近い側とし、前記後方側の荷物における前記搬送装置上での位置を、払い出し方向で前記シュートに遠い側とすることを決定する
請求項1に記載の仕分け装置。
【請求項3】
前記搬送装置は、載置された前記荷物を前記払い出し方向に搬送するためのベルトコンベアを有するクロスベルトソータであり、
前記仕分け装置は、前記ベルトコンベアに投入された前記荷物の位置を、前記決定部の前記決定に基づいて変更する位置変更部を備える
請求項2に記載の仕分け装置。
【請求項4】
前記決定部は、前記搬送装置に既に載置されている荷物に対して、当該荷物と同じシュートに割り当てられた荷物が、前記搬送方向の前方及び後方の少なくとも一方に投入された場合に、各荷物における前記搬送装置上での位置を決定し、
前記位置変更部は、前記決定部の前記決定に基づいて前記各荷物の位置を変更する
請求項3に記載の仕分け装置。
【請求項5】
前記搬送装置に対して前記複数の荷物を投入する投入装置を有し、
前記投入装置は、前記決定部の前記決定に基づく位置に各荷物を前記搬送装置に対して投入する
請求項2に記載の仕分け装置。
【請求項6】
前記決定部は、前記前方側の荷物に対する、前記搬送方向での払い出しの開始位置を、前記後方側の荷物に対する前記開始位置よりも、前記搬送方向の後方とすることを決定する
請求項1に記載の仕分け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の荷物を仕分けるための仕分け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の荷物を仕分けるための仕分け装置が知られている。特許文献1に開示された仕分け装置は、環状の搬送経路に沿って移動する複数のトレイを有する搬送装置と、複数のトレイにそれぞれ荷物を1個ずつ投入する投入装置と、複数のトレイの各々に載置された荷物が払い出される複数のシュートとを備えている。複数のトレイの各々は、荷物を載置するためのトレイとして機能するとともに、当該トレイに載置された荷物をシュートに払い出すためのベルトコンベアとしても機能する。
【0003】
荷物を載置したトレイは、複数のシュートのうち当該荷物の払い出し先として割り当てられたシュートに向けて、搬送経路に沿って移動する。トレイがシュートに近付いたタイミングで、当該トレイがベルトコンベアとして駆動する。これにより、当該トレイに載置された荷物は、搬送経路に沿った搬送方向に対して直交する払い出し方向に搬送され、シュートに払い出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017−71458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、上述した仕分け装置では、シュートが一度に連続して払い出された複数の荷物を受け入れる能力(荷物の個数)は比較的低く、例えば4〜6個程度が限界である。そのため、多数の荷物が同じシュートに連続して払い出された場合には、当該シュートの能力を超えてしまい、当該シュートで荷詰まりを起こすおそれが生じる。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決しようとするものであり、その目的は、シュートでの荷詰まりの発生を抑制することができる仕分け装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る仕分け装置は、複数の荷物を仕分けるための仕分け装置であって、荷物を搬送経路に沿って搬送させた状態で、荷物を搬送経路の側方に配置された複数のシュートのいずれかに払い出す搬送装置と、複数の荷物のそれぞれと、複数のシュートのそれぞれとの対応関係を把握する把握部と、搬送経路の搬送方向に沿って連続する少なくとも二つの荷物であって、同一のシュートに割り当てられた少なくとも二つの荷物が存在する場合に、搬送方向の前方側の荷物に対する、搬送装置における払い出しの開始時点から、荷物がシュート内に進入する進入時点までの払い出し動作期間を、搬送方向の後方側の荷物に対する払い出し動作期間よりも短くすることを決定する決定部と、を備える。
【0008】
これによれば、搬送経路の搬送方向に沿って連続する少なくとも二つの荷物であって、同一のシュートに割り当てられた少なくとも二つの荷物が存在する場合には、決定部は、前方側の荷物に対する払い出し動作期間を、後方側の荷物に対する払い出し動作期間よりも短くすることを決定する。これにより、前方側の荷物がシュートに進入する進入時点と、後方側の荷物がシュートに進入する進入時点との間隔を広げることができる。したがって、シュート内で複数の荷物が干渉しにくくなり、荷詰まりの発生を抑制することができる。
【0009】
また、決定部は、前方側の荷物における搬送装置上での位置を、払い出し方向でシュートに近い側とし、後方側の荷物における搬送装置上での位置を、払い出し方向でシュートに遠い側とすることを決定する。
【0010】
これによれば、決定部が、前方側の荷物における搬送装置上での位置をシュートに近い側とし、後方側の荷物における搬送装置上での位置をシュートに遠い側とすることで、前方側の荷物に対する払い出し動作期間を、後方側の荷物に対する払い出し動作期間よりも短くしている。これにより、同一のシュートに対する搬送装置からの払い出しの開始位置や速度を変更しなくても、払い出し動作期間を変更することができる。
【0011】
また、搬送装置は、載置された荷物を払い出し方向に搬送するためのベルトコンベアを有するクロスベルトソータであり、仕分け装置は、ベルトコンベアに投入された荷物の位置を、決定部の決定に基づいて変更する位置変更部を備える。
【0012】
これによれば、位置変更部が、ベルトコンベアに投入された荷物の位置を、決定部の決定に基づいて変更するので、搬送装置に荷物が投入された後に、ベルトコンベア上の荷物の位置を変更することができる。したがって、投入動作が従来と同様のままであっても、搬送装置上での荷物の位置を変更することができる。
【0013】
また、決定部は、搬送装置に既に載置されている荷物に対して、当該荷物と同じシュートに割り当てられた荷物が、搬送方向の前方及び後方の少なくとも一方に投入された場合に、各荷物における搬送装置上での位置を決定し、位置変更部は、決定部の決定に基づいて各荷物の位置を変更する。
【0014】
これによれば、搬送装置に既に載置されている荷物に対して、当該荷物と同じシュートに割り当てられた荷物が搬送方向の前方及び後方の少なくとも一方に投入された場合には、決定部が各荷物における搬送装置上での位置を決定している。このため、搬送装置に追加で投入された荷物により、同一のシュートに割り当てられ、搬送方向に沿って連続する少なくとも二つの荷物が発生した場合でも、決定部は、各荷物における搬送装置上での位置を適切に決定することができる。
【0015】
また、仕分け装置は、搬送装置に対して複数の荷物を投入する投入装置を有し、投入装置は、決定部の決定に基づく位置に各荷物を搬送装置に対して投入する。
【0016】
これによれば、投入装置が、決定部の決定に基づく位置に各荷物を搬送装置に対して投入するので、投入時に荷物を決定された位置に設置することができる。したがって、搬送装置上での荷物の位置変更をしなくても、前方側の荷物がシュートに進入する進入時点と、後方側の荷物がシュートに進入する進入時点との間隔を広げることができる。
【0017】
また、決定部は、前方側の荷物に対する、搬送方向での払い出しの開始位置を、後方側の荷物に対する開始位置よりも、搬送方向の後方とすることを決定する。
【0018】
これによれば、決定部が、前方側の荷物に対する払い出しの開始位置を、後方側の荷物に対する払い出しの開始位置よりも、搬送方向の後方とすることを決定することで、前方側の荷物に対する払い出し動作期間を、後方側の荷物に対する払い出し動作期間よりも短くしている。これにより、搬送装置上での荷物の位置や、払い出し時の速度を変更しなくても、払い出し動作期間を変更することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一態様に係る仕分け装置によれば、シュートでの荷詰まりの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施の形態に係る仕分け装置の全体構成を示す平面図である。
図2】実施の形態に係る仕分け装置の一部を拡大して示す平面図である。
図3】実施の形態に係るコントローラの機能構成を示すブロック図である。
図4】実施の形態に係る位置決定処理を説明するための説明図である。
図5】実施の形態に係る管理テーブルの一例を示す図である。
図6】変形例1に係る仕分け装置の機能構成を示すブロック図である。
図7】変形例1に係る管理テーブルを示す図である。
図8】変形例3に係る払い出しの開始位置を説明するための図である。
図9】変形例3に係る管理テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0022】
(実施の形態)
[1.仕分け装置の全体構成]
まず、図1及び図2を参照しながら、実施の形態に係る仕分け装置2の全体構成について説明する。図1は、実施の形態に係る仕分け装置2の全体構成を示す平面図である。図2は、実施の形態に係る仕分け装置2の一部を拡大して示す平面図である。
【0023】
図1に示す仕分け装置2は、例えば、通信販売業、卸売業及び宅配業等の物流分野において、自動倉庫等の倉庫4に保管され且つ送付先がそれぞれ割り当てられた複数の荷物6を、送付先毎に仕分けるための装置である。なお、複数の荷物6の各々は、例えば梱包された商品等である。
【0024】
図1に示すように、仕分け装置2は、搬送装置8と、投入口10と、複数のシュート12と、センサ14と、コントローラ16とを備えている。
【0025】
搬送装置8は、荷物6を環状の搬送経路18に沿って搬送し、且つ、搬送経路18に沿った搬送方向に対して直交する払い出し方向に荷物6を払い出すための装置であり、いわゆるクロスベルトソータである。搬送装置8は、複数のトレイ20と、駆動ユニット22とを有している。
【0026】
複数のトレイ20は、搬送経路18に沿って互いに環状に連結されている。図2に示すように、複数のトレイ20の各々は、荷物6を載置するためのトレイとして機能するとともに、当該トレイ20に載置された荷物6を払い出し方向に搬送するためのベルトコンベアとしても機能する。複数のトレイ20のうち隣り合う任意の2つのトレイ20は、連結部23を介して相互に連結されている。駆動ユニット22は、複数のトレイ20を搬送経路18に沿って所定の方向(例えば図1において時計周り方向)に移動させる。
【0027】
投入口10は、倉庫4に保管されている荷物6を搬送経路18の近傍まで供給するためのものである。投入口10の一端部は倉庫4に連結され、投入口10の他端部は搬送経路18の近傍に配置されている。作業者24は、倉庫4から投入口10を通して供給されてきた荷物6を、手作業でトレイ20に載置する。なお、本実施の形態では、投入口10を1つのみ配置したが、これに限定されず、複数の投入口10を搬送経路18に沿って並べて配置してもよい。
【0028】
複数のシュート12は、トレイ20から払い出し方向に払い出された荷物6を搬出するためのものである。複数のシュート12は、搬送経路18の一側方において、搬送経路18に沿って並んで配置されている。
【0029】
具体的には、シュート12は、ローラ部121と、一対の壁部122とを有している。ローラ部121は、幅方向に延設した複数のローラ(図示省略)が、払い出し方向に沿って配列されている。ここで、シュート12の幅方向は、搬送方向に平行な方向である。ローラは、フリーローラであってもよいし、駆動ローラであってもよい。一対の壁部122は、ローラ部121の幅方向における両端部に設けられている。一対の壁部122は、シュート12上を流れる荷物6のガイドとして機能する。
【0030】
なお、図2では一つのシュート12及びIRセンサ26しか図示していないが、実際には、複数のシュート12のそれぞれに対応して、複数のIR(Infrared)センサ26が配置されている。複数のIRセンサ26の各々は、当該IRセンサ26に対応するシュート12に近付いたトレイ20に駆動信号を無線通信により出力する。この駆動信号は、当該トレイ20に載置された荷物6を、当該荷物6の仕分け先であるシュート12に払い出すように、当該トレイ20に指示するための信号である。
【0031】
センサ14は、トレイ20に載置された荷物6の位置を検出するための検出部の一例である。具体的には、センサ14は、複数のシュート12よりも搬送経路18の上流側に配置されている。センサ14は、トレイ20に載置された荷物6を上方から撮像するカメラを有している。センサ14は、カメラで得た画像に対して画像処理を施すことにより、上面視におけるトレイ20上での荷物6の位置を検出する。また、センサ14は、当該荷物6が、複数のトレイ20に対して連続的に載置された荷物群に含まれているかも検出する。センサ14は、トレイ20上での荷物6の位置と、当該荷物6の荷物群での順番とを、検出結果としてコントローラ16に出力する。
【0032】
コントローラ16は、センサ14の検出結果に基づいて、搬送装置8を制御する。コントローラ16の機能構成については後述する。
【0033】
以下、上述した仕分け装置2の動作の概要について説明する。倉庫4から投入口10を通して供給されてきた荷物6には、例えばバーコード(図示せず)が貼り付けられている。荷物6のバーコードには、当該荷物6を識別するための識別情報である。作業者24が荷物6をトレイ20に載せる際に、例えばバーコードリーダ(図示せず)を用いて荷物6のバーコードを読み取ると、コントローラ16が荷物6とトレイ20とを紐付ける。これにより、コントローラ16は、予め上位コントローラ28で設定された荷物6の仕分け先となるシュート12を、荷物6の仕分け先とする。
【0034】
図1に示すように、荷物6を載置したトレイ20は、搬送経路18に沿って、複数のシュート12のうち仕分け先として割り当てられた特定のシュート12に向けて移動する。ここで、図2に示す例では、連続するトレイ20に載置された全ての荷物6に対して、同一のシュート12Aが仕分け先として割り当てられている。各荷物6を載置した各トレイ20は、シュート12Aに近付いたタイミングで、シュート12Aに対応するIRセンサ26からの駆動信号に基づいて、ベルトコンベアとして駆動する。これにより、各荷物6は、各トレイ20により払い出し方向に搬送され、トレイ20からシュート12Aに払い出される。
【0035】
[2.コントローラの機能構成]
次に、図3を参照しながら、コントローラ16の機能構成について説明する。図3は、実施の形態に係るコントローラ16の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、コントローラ16は、機能構成として、取得部30と、記憶部32と、制御部34と、通知部36とを有している。
【0036】
取得部30は、センサ14からのトレイ20上での荷物6の位置及び当該荷物6の荷物群での順番と、上位コントローラ28からの仕分け先情報とを取得する。取得部30は、取得した仕分け先情報に基づいて、荷物6に対応するシュート12を把握する。つまり、取得部30は、連続的に並んだ複数の荷物6のそれぞれと、複数のシュート12のそれぞれとの対応関係を把握する把握部の一例である。
【0037】
また、取得部30は、荷物群をなす各荷物6の順番に基づいて、各荷物6のトレイ20上での位置を決定する。この位置決定処理について詳細に説明する。図4は、実施の形態に係る位置決定処理を説明するための説明図である。図4の(a)は、荷物群をなす各荷物6が搬送装置8に投入された直後の状態を示している。図4の(a)では、いずれの荷物6もトレイ20の中央に配置されている場合を示しているが、各荷物6の位置はばらついている場合もある。
【0038】
各荷物6は、作業者24によって、各トレイ20上に載置された直後に、センサ14によってそのトレイ20上の位置が検出されている。また、センサ14では、トレイ20上に荷物6が存在しているか否かも検出しており、当該結果に基づいて、複数の連続するトレイ20のそれぞれに荷物6が載置されている場合には、荷物群内での各荷物6の順番も検出している。例えば、図4の(a)では、連続する3つのトレイ20のそれぞれに対して荷物6が載置されているので、センサ14は各荷物6に対して順番付けをしている。ここで、荷物群をなす3つの荷物6のそれぞれを荷物A、荷物B、荷物Cとすると、搬送方向前方側の荷物Aは一番目、中央の荷物Bは二番目、後方側の荷物Cは三番目となる。
【0039】
取得部30は、順番付けした各荷物6のトレイ20上での位置を決定する。つまり、取得部30は、決定部の一例である。図4の(b)は、決定された位置が各荷物6に反映された状態を示している。具体的には、取得部30は、一番目の荷物Aにおけるトレイ20上の位置を、払い出し方向でシュート12に最も近い側の第一位置に決定する。取得部30は、三番目の荷物Cにおけるトレイ20上の位置を、払い出し方向でシュート12に最も遠い側の第三位置に決定する。取得部30は、二番目の荷物Bにおけるトレイ20上の位置を、第一位置と第三位置との間の第二位置に決定する。
【0040】
取得部30は、センサ14から取得した各荷物6のトレイ20上での位置と、決定した位置との差分に基づいて、各トレイ20の変位量を求める。例えば、荷物Aの場合には、取得部30は、センサ14から取得した荷物Aのトレイ20上での位置と、第一位置との差分を算出し、当該算出結果に基づいて、荷物Aが載置されているトレイ20の払い出し方向での変位量(第一値)を求める。同様に、取得部30は、荷物Bの変位量(第二値)、荷物Cの変位量(第三値)を求める。
【0041】
取得部30は、各荷物6の仕分け先情報、順番、変位量を記憶部32に記憶させる。図5は、実施の形態に係る管理テーブル38の一例を示す図である。記憶部32は、管理テーブル38を記憶するためのメモリである。管理テーブル38は、例えば図5に示すようなデータテーブルである。図5に示す管理テーブル38には、トレイ20の各々に関する情報として、荷物、仕分け先情報、順番、変位量が格納されている。
【0042】
図5に示す例では、管理テーブル38の一行目には、一つ目のトレイ20にある荷物Aの仕分け先情報「シュート12A(例えば図2に示すシュート12)」と荷物Aの順番「一番目」と変位量「第一値」とが格納されている。
【0043】
また、管理テーブル38の二行目には、二つ目のトレイ20にある荷物Bの仕分け先情報「シュート12A」と、荷物Bの順番「二番目」と変位量「第二値」とが格納されている。
【0044】
また、管理テーブル38の三行目には、三つ目のトレイ20にある荷物Cの仕分け先情報「シュート12A」と、荷物Cの順番「三番目」と変位量「第三値」とが格納されている。
【0045】
なお、図5では、同一のシュート12に対して複数の荷物6が連続的に払い出される複数のトレイ20に対する管理テーブル38を例示した。これ以外のトレイ20に対しては、トレイ20上での荷物6の位置調整は不要であるので、当該トレイ20に対する管理テーブルは、荷物、仕分け先情報のみが格納されることとなる。
【0046】
図3に戻って、制御部34は、記憶部32に記憶された管理テーブル38を通知部36に出力する。
【0047】
通知部36は、制御部34からの管理テーブル38を搬送装置8に通知する。これにより、搬送装置8は、管理テーブル38に基づいて、各トレイ20をベルトコンベアとして駆動する。
【0048】
[3.搬送装置の動作]
搬送装置8は、管理テーブル38で変位量が設定されたトレイ20に対しては、当該トレイ20がシュート12に到達する前に、変位量に基づいてトレイ20をベルトコンベアとして駆動させておく。具体的には、図4の(b)に示すように、荷物Aが載置されたトレイ20aに対しては、搬送装置8は、変位量である第一値に基づいてトレイ20aを駆動させる。これにより、荷物Aが載置されたトレイ20aは、払い出し前に荷物Aを第一位置に移動させておく。同様に、荷物Bが載置されたトレイ20bは、払い出し前に荷物Bを第二位置に移動させており、荷物Cが載置されたトレイ20cは、払い出し前に荷物Cを第三位置に移動させている。
【0049】
このように、トレイ20上での荷物6の位置は、通知部36から通知された管理テーブル38に基づいて、払い出し前に調整されている。つまり、通知部36は、トレイ20に投入された荷物6の位置を、取得部30の決定に基づいて変更する位置変更部の一例である。
【0050】
また、搬送装置8では、管理テーブル38の仕分け先情報に設定された仕分け先に対応するIRセンサ26から、トレイ20が駆動信号を受信すると、当該トレイ20は、駆動信号を受信してから基準始動時間及び基準速度で駆動し、トレイ20上の荷物6を払い出す。基準始動時間とは、IRセンサ26によって当該トレイ20の荷物6が検出されてから、トレイ20が払い出し動作を開始するまでの基準時間である。
【0051】
ここで、連続する複数のトレイ20のそれぞれに荷物A、B、Cが載置されるとともに、各荷物A、B、Cの仕分け先が同一のシュート12Aである場合には、管理テーブル38の変位量に基づいて、各荷物A、B、Cのトレイ20上での位置が調整されている。このため、図4の(b)に示すように、荷物Aが載置されたトレイ20aでは、シュート12Aに対応するIRセンサ26から駆動信号を受信すると、基準始動時間及び基準速度で駆動することで、第一位置にある荷物Aをシュート12Aに払い出す。同様に、荷物Bが載置されたトレイ20bでは、シュート12Aに対応するIRセンサ26から駆動信号を受信すると、基準始動時間及び基準速度で駆動することで、第二位置にある荷物Bをシュート12Aに払い出す。さらに、荷物Cが載置されたトレイ20cでは、シュート12Aに対応するIRセンサ26から駆動信号を受信すると、基準始動時間及び基準速度で駆動することで、第三位置にある荷物Cをシュート12Aに払い出す。
【0052】
ここで、各荷物A、B、Cにおいては、払い出し動作期間が異なる。払い出し動作期間とは、払い出しに関連した動作が開始される払い出しの開始時点から荷物A、B、Cがシュート12A内に進入する進入時点までの各荷物A、B、Cの動作期間のことである。具体的には、払い出しの開始時点は、IRセンサ26が各荷物A、B、Cを検出した時点である。進入時点は、荷物A、B、Cの同一箇所(例えば、払い出し方向での先端部または後端部)がシュート12A内に進入する時点である。
【0053】
例えば、荷物Aは、第一位置に配置されているために、払い出し動作期間は、他の荷物B、Cよりも短くなる。また、荷物Bは、第二位置に配置されているために、払い出し動作期間は、荷物Cよりも短くなる。つまり、連続する複数のトレイ20のそれぞれに荷物A、B、Cが載置されるとともに、各荷物A、B、Cの仕分け先が同一のシュート12Aである場合には、搬送方向の前方側の荷物Aに対する払い出し動作期間は、後方側の荷物Bに対する払い出し動作期間よりも短くなる。このため、荷物Aがシュート12Aに進入する進入時点と、荷物Bがシュート12Aに進入する進入時点との間隔を広げることができる。これは、荷物Bと荷物Cとの関係においても同様となる。
【0054】
[4.効果]
上述したように、本実施の形態によれば、複数の荷物6を仕分けるための仕分け装置2であって、荷物6を搬送経路18に沿って搬送させた状態で、荷物6を搬送経路18の側方に配置された複数のシュート12のいずれかに払い出す搬送装置8と、複数の荷物6のそれぞれと、複数のシュート12のそれぞれとの対応関係を把握する把握部(取得部30)と、搬送経路18の搬送方向に沿って連続する少なくとも二つの荷物6であって、同一のシュート12に割り当てられた少なくとも二つの荷物6が存在する場合に、搬送方向の前方側の荷物に対する、搬送装置8における払い出しの開始時点から、荷物6がシュート12内に進入する進入時点までの払い出し動作期間を、搬送方向の後方側の荷物6に対する払い出し動作期間よりも短くすることを決定する決定部(取得部30)と、を備える。
【0055】
これによれば、搬送経路18の搬送方向に沿って連続する少なくとも二つの荷物6であって、同一のシュート12に割り当てられた少なくとも二つの荷物6が存在する場合には、決定部は、前方側の荷物6に対する払い出し動作期間を、後方側の荷物6に対する払い出し動作期間よりも短くすることを決定する。これにより、前方側の荷物6がシュート12に進入する進入時点と、後方側の荷物6がシュート12に進入する進入時点との間隔を広げることができる。したがって、同一のシュート12内で複数の荷物6が干渉しにくくなり、荷詰まりの発生を抑制することができる。
【0056】
また、決定部は、前方側の荷物6における搬送装置8上での位置を、払い出し方向でシュート12に近い側とし、後方側の荷物6における搬送装置8上での位置を、払い出し方向でシュート12に遠い側とすることを決定する。
【0057】
これによれば、決定部が、前方側の荷物6における搬送装置8上での位置をシュート12に近い側とし、後方側の荷物6における搬送装置8上での位置をシュート12に遠い側とすることで、前方側の荷物6に対する払い出し動作期間を、後方側の荷物6に対する払い出し動作期間よりも短くしている。これにより、同一のシュート12に対する搬送装置8からの払い出しの開始位置や速度を変更しなくても、払い出し動作期間を変更することができる。
【0058】
また、搬送装置8は、載置された荷物6を払い出し方向に搬送するためのベルトコンベア(トレイ20)を有するクロスベルトソータであり、仕分け装置2は、ベルトコンベアに投入された荷物6の位置を、決定部の決定に基づいて変更する位置変更部(通知部36)を備えている。
【0059】
これによれば、位置変更部が、ベルトコンベアに投入された荷物6の位置を、決定部の決定に基づいて変更するので、搬送装置8に荷物6が投入された後に、ベルトコンベア上の荷物6の位置を変更することができる。したがって、投入動作が従来と同様のままであっても、搬送装置8上での荷物6の位置を変更することができる。
【0060】
なお、本実施の形態では、トレイ20上における払い出し方向での荷物6の位置を調整する場合を例示した。しかし、トレイ20上における搬送方向での荷物6の位置を調整することでも、払い出し動作期間を変更することも可能である。
【0061】
(変形例等)
以上、本発明の仕分け装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態に対して当業者が思い付く変形を施して得られる形態、及び、上記実施の形態における構成要素を任意に組み合わせて実現される別の形態も本発明に含まれる。以降の説明において、上記実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0062】
[変形例1]
上記実施の形態では、搬入装置8で、各荷物6の位置を調整する場合を例示した。しかしながら、投入時に各荷物6の位置を調整してもよい。図6は、変形例1に係る仕分け装置2Aの機能構成を示すブロック図である。図6に示すように、仕分け装置2Aには、搬入装置8に対して複数の荷物6を投入する投入装置9が設けられている。投入装置9は、例えばロボットや、合流コンベアなどの荷物6の自動投入が可能な装置である。投入装置9は、投入口10と、搬送経路18との合流地点の近傍(例えば図1に示す作業者24の位置)に配置されている。
【0063】
投入装置9が採用される場合には、各荷物6の仕分け先情報及び当該荷物6が載置されるトレイを示すトレイ情報などは予めスケジューリングされており、これらの情報は、上位コントローラ28からコントローラ16の取得部30に出力されている。取得部30は、これらの情報に基づいて、管理テーブル38aを作成する。
【0064】
図7は、変形例1に係る管理テーブル38aを示す図である。図7に示す管理テーブル38aには、トレイ20の各々に関する情報として、荷物、仕分け先情報、順番、配置位置が格納されている。配置位置とは、トレイ20上での荷物6の位置である。取得部30は、上位コントローラ28から送られた各荷物6の仕分け先情報及びトレイ情報に基づいて、連続する少なくとも2つのトレイ20のそれぞれに荷物6が載置され、かつ各荷物6の仕分け先が同一のシュート12であるか否かを判断する。このような条件が満たされた各トレイ20に対しては、取得部30は、当該トレイ20に載置される荷物6の荷物群内での順番及び配置位置を決定する。例えば、荷物群をなす3つの荷物6のそれぞれを荷物A、荷物B、荷物Cとすると、搬送方向前方側の荷物Aは一番目、中央の荷物Bは二番目、後方側の荷物Cは三番目となる。取得部30は、順番付けした各荷物6のトレイ20上での位置を決定する。取得部30は、一番目の荷物Aにおけるトレイ20上の位置を第一位置に決定し、二番目の荷物Bにおけるトレイ20上の位置を第二位置に決定し、三番目の荷物Cにおけるトレイ20上の位置を第三位置に決定する。なお、上記条件に当てはまらない荷物6に対しては、取得部30は、配置位置を例えば第二位置に決定する。
【0065】
図6に戻って、制御部34は、記憶部32に記憶された管理テーブル38aを通知部36に出力する。通知部36は、制御部34からの管理テーブル38aを搬送装置8及び投入装置9に通知する。これにより、投入装置9は、管理テーブル38aに基づいて、決定された配置位置に各荷物6が各トレイ20上に配置されるように、各荷物6を搬送装置8に投入する。また、搬送装置8は、管理テーブル38に基づいて、各トレイ20をベルトコンベアとして駆動する。
【0066】
以上のように、変形例1に係る仕分け装置2Aは、搬送装置8に対して複数の荷物6を投入する投入装置9を有し、投入装置9は、決定部の決定に基づく位置に各荷物6を搬送装置8に対して投入する。
【0067】
これによれば、投入装置9が、決定部の決定に基づく位置に各荷物6を搬送装置8に対して投入するので、投入時に荷物6を決定された位置に設置することができる。したがって、搬送装置8上での荷物6の位置変更をしなくても、前方側の荷物6がシュート12に進入する進入時点と、後方側の荷物6がシュート12に進入する進入時点との間隔を広げることができる。
【0068】
[変形例2]
上記実施の形態では、一箇所の投入口10から連続的に荷物6が投入される場合を例示した。しかしながら、複数の投入口を有する仕分け装置であると、搬送装置8のトレイ20に既に載置されている荷物6に対して、当該荷物6と同じシュート12に割り当てられた荷物6が、搬送方向の前方及び後方の少なくとも一方のトレイ20に投入される場合も想定される。
【0069】
このため、変形例2に係る決定部(取得部30)は、既にトレイ20に載置されている荷物6と同じシュート12に割り当てられた荷物6が、搬送方向の前方及び後方の少なくとも一方のトレイ20に投入されると、各荷物6におけるトレイ20上での位置を決定する。この決定に基づいて、位置変更部(通知部36)は、各荷物6の位置を変更する。これにより、搬送装置8では、トレイ20上での各荷物6の位置が調整される。
【0070】
これによれば、搬送装置8に既に載置されている荷物6に対して、当該荷物6と同じシュート12に割り当てられた荷物6が搬送方向の前方及び後方の少なくとも一方に投入された場合には、決定部が各荷物6における搬送装置8上での位置を決定している。このため、搬送装置8に追加で投入された荷物6により、同一のシュート12に割り当てられ、搬送方向に沿って連続する少なくとも二つの荷物6が発生した場合でも、決定部は、各荷物における搬送装置8上での位置を適切に決定することができる。
【0071】
[変形例3]
上記実施の形態では、連続する複数の荷物6であって、同一のシュート12に対応付けられた複数の荷物6に関して、搬送装置8上での各荷物6の位置を調整することで、各荷物6の払い出し動作期間を異ならせる場合を例示した。この変形例3では、各荷物6の払い出しの開始位置を調整することで、各荷物6の払い出し動作期間を異ならせる場合について例示する。
【0072】
図8は、変形例3に係る払い出しの開始位置を説明するための図である。ここで、図8では、連続する2つのトレイ20のそれぞれに荷物6が載置されるとともに、各荷物6の仕分け先が同一のシュート12Aである場合を示している。図8の(a)は、連続する2つのトレイ20のうち、搬送方向で前方側のトレイ20の払い出し直前の状態を示している。図8の(b)は、連続する2つのトレイ20のうち、搬送方向で後方側のトレイ20の払い出し直前の状態を示している。
【0073】
図8中、2つの破線は、トレイ20が払い出しを開始する第一開始位置P1、第二開始位置P2を示している。第一開始位置P1は、第二開始位置P2よりも搬送方向で後方に配置されている。また、荷物群をなす2つの荷物6のそれぞれを荷物D、荷物Eとすると、搬送方向前方側の荷物Dは一番目、後方側の荷物Eは二番目となる。
【0074】
例えば、それぞれ荷物6が載置された2つのトレイ20のうち、搬送方向で前方側のトレイ20dの払い出しの開始位置は、第一開始位置P1とする。一方、搬送方向で後方側のトレイ20eの払い出しの開始位置は、第二開始位置P2とする。
【0075】
前方側のトレイ20dでは、IRセンサ26によって荷物Dが検出されてから、第一時間を経過した後に第一開始位置P1に到達する。この到達を起点として、前方側のトレイ20dが払い出しを開始し、荷物Dをシュート12Aに払い出す。
【0076】
一方、後方側のトレイ20eでは、IRセンサ26によって荷物Eが検出されてから、第一時間よりも長い第二時間を経過した後に第二開始位置P2に到達する。この到達を起点として、後方側のトレイ20eが払い出しを開始し、荷物Eをシュート12Aに払い出す。
【0077】
このように、前方側の荷物Dに対する払い出し動作期間は、後方側の荷物Eに対する払い出し動作期間よりも、第一時間と第二時間との差分だけ短くなる。つまり、前方側の荷物Dがシュート12Aに進入する進入時点と、後方側の荷物Eがシュート12Aに進入する進入時点との間隔を広げることができる。
【0078】
図9は、変形例3に係る管理テーブル38を示す図である。図9に示す管理テーブル38bには、トレイ20の各々に関する情報として、荷物、仕分け先情報、順番、始動時間が格納されている。
【0079】
決定部(取得部30)は、センサ14から入力された各トレイ20上の荷物D、Eの荷物群での順番と、上位コントローラ28からの仕分け先情報とを取得している。決定部は、荷物群をなす各荷物D、Eの順番に基づいて、各トレイ20の払い出しの始動時間を決定する。始動時間とは、IRセンサ26によって当該トレイ20の荷物D、Eが検出されてから、トレイ20が払い出し動作を開始するまでの時間である。具体的には、始動時間は、上述の第一時間、第二時間などである。決定部は、順番が先にある荷物Dに対しては始動時間を短くすることを決定する。換言すると、決定部は、前方側の荷物Dに対する、搬送方向での払い出しの開始位置(第一開始位置P1)を、後方側の荷物Eに対する開始位置(第二開始位置P2)よりも、搬送方向の後方とすることを決定する。
【0080】
このように、決定部が、前方側の荷物Dに対する払い出しの開始位置を、後方側の荷物Eに対する払い出しの開始位置よりも、搬送方向の後方とすることを決定することで、前方側の荷物Dに対する払い出し動作期間を、後方側の荷物Eに対する払い出し動作期間よりも短くしている。これにより、搬送装置8上での荷物D、Eの位置や、払い出し時の速度を変更しなくても、払い出し動作期間を変更することができる。
【0081】
なお、トレイ20の払い出し時の速度を調整することでも、払い出し動作期間を変更することも可能である。さらに、トレイ20上における払い出し方向での荷物6の位置、トレイ20上における搬送方向での荷物6の位置、払い出しの開始位置及び払い出し時の速度の少なくとも2つを組み合わせることで、払い出し動作期間を変更してもよい。このように複数の条件を組み合わせる場合には、誤仕分けを抑制するため、各条件の調整量を小さくしておくことが望ましい。
【0082】
[その他]
上記実施の形態では、搬送装置8をクロスベルトソータで構成したが、これに限定されず、例えばチルトトレイソータ、ダイバータ又はローラ分岐等で構成してもよい。また、変形例3に係る搬送装置8においては、シューソータで構成することも可能である。
【0083】
また、上記実施の形態では、複数のシュート12が、搬送経路18の一側方において、搬送経路18に沿って並んで配置されている場合を例示した。しかしながら、複数のシュート12は、搬送経路18の両側方のそれぞれにおいて搬送経路18に沿って並んで配置されていてもよい。この場合、シュートの存在する側によって、トレイ上の位置が異なることとなる。例えば、右側のシュートに荷物を払い出す場合には、第一位置は最も右側となり、第三位置が最も左側となる。一方、左側のシュートに荷物を払い出す場合には、第一位置は最も左側となり、第三位置が最も右側となる。
【0084】
また、上記実施の形態では、連続する3つのトレイ20のそれぞれに荷物A、B、Cが載置されるとともに、各荷物A、B、Cの仕分け先が同一のシュート12Aである場合を例示した。しかしながら、連続するn個(nは2以上の自然数)のトレイのそれぞれに荷物が載置されるとともに、各荷物の仕分け先が同一のシュートであればよい。
【0085】
連続するn個のトレイのそれぞれに荷物が載置されるとともに、各荷物の仕分け先が同一のシュートである場合には、トレイ上に払い出し方向または搬送方向で異なるn個の位置を設定し、当該n個の位置に対して、各荷物の位置を調整すればよい。これは、払い出しの開始位置の調整または払い出し時の速度の調整においても同様である。
【0086】
なお、隣り合う2つの荷物の相対的な位置関係でトレイ上での位置を決定すればよい。具体的には、決定部は、隣り合う2つの荷物のうち、前方側の荷物におけるトレイ上での位置を、払い出し方向でシュートに近い側とし、後方側の荷物におけるトレイ上での位置を、シュートに遠い側とする。つまり、隣り合う2つの荷物のうち、一方の荷物は、払い出し方向でトレイの中央部に配置されてもよい。nが3以上となった場合でも、そのうちの1つの荷物6が払い出し方向でトレイの中央部に配置されていてもよい。
【0087】
また、上記実施の形態では、IRセンサ26による荷物6の検出に基づいて払い出し動作を開始する場合を例示した。しかしながら、仕分け装置でトレイを識別可能とし、当該トレイの検出に基づいて払い出し動作を開始させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明の仕分け装置は、例えばクロスベルトソータ等に適用することができる。
【符号の説明】
【0089】
2、2A 仕分け装置
4 倉庫
6、A、B、C、D、E 荷物
8 搬送装置
9 投入装置
10 投入口
12、12A シュート
14 センサ
16 コントローラ
18 搬送経路
20、20a、20b、20c、20d、20e トレイ
22 駆動ユニット
23 連結部
24 作業者
26 IRセンサ
28 上位コントローラ
30 取得部(把握部、決定部)
32 記憶部
34 制御部
36 通知部(位置変更部)
38、38a、38b 管理テーブル
121 ローラ部
122 壁部
P1 第一開始位置
P2 第二開始位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9