【解決手段】前記巻取制御部は、前記糸長測定部が必要な長さの糸を巻き終えた後に、事前に設定されたバンチ形成綾角で前記糸を前記トラバース幅の範囲内から範囲外まで移動させて前記巻取管に糸を巻き取るバンチ形成制御を実行し、バンチ形成綾角は前記巻取綾角よりも大きいことを特徴とする糸巻取装置。
前記巻取制御部は、前記糸継動作を実行させた後、前記バンチ形成制御を実行するまでの間に、前記巻取部にパッケージの巻取りを開始させるとともに繋がった糸を前記トラバースアーム部材の糸掛け部に掛けるための糸掛け動作を実行し、さらに前記巻取部によるパッケージの巻取りを停止させることを特徴とする請求項3に記載の糸巻取装置。
前記巻取制御部は、前記バンチ形成制御において、前記巻取部によるパッケージの巻取りが停止している状態で事前に設定されたバンチ形成綾角で前記糸を前記トラバース幅の範囲内から範囲外まで移動させることを特徴とする請求項4に記載の糸巻取装置。
前記の糸巻取装置においては、前記パッケージに必要な長さの糸が巻かれたことの通知を受けた後、前記糸切断部に糸を切断し、前記巻取部による前記パッケージの回転を停止させた後にバンチ形成制御を実行することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の糸巻取装置。
前記の糸巻取装置においては、前記巻取制御部は、前記糸継動作を実行させた後、前記バンチ形成制御を実行するまでの間に、前記巻取部にパッケージの巻取りを開始させるとともに繋がった糸を前記トラバースアーム部材の糸掛け部に掛けるための糸掛け動作を実行し、さらに前記巻取部によるパッケージの巻取りを停止させることを特徴とする請求項6に記載の糸巻取装置。
前記バンチ形成綾角は前記トラバース幅方向における前記パッケージの中央位置で前記パッケージの表面と、前記パッケージを支持して糸の巻取を補助する接触ローラとにニップされた糸を前記糸掛け部で前記トラバース幅の範囲外まで移動させることにより形成される角度であることを特徴とする請求項6または7に記載の糸巻取装置。
前記巻取制御部は、前記バンチ形成制御において、前記糸綾振部にコーン状のパッケージの小径側のトラバース幅の外に糸を案内させ、パッケージの小径側の巻取管上に所定の糸長さが巻き取られた後、さらに前記糸綾振部にコーン状のパッケージの小径側のトラバース幅の外からトラバース幅の中央に向けて前記糸綾振部に糸を案内させる糸端中央寄せ制御を行うことを特徴とする請求項9に記載の糸巻取装置。
前記巻取制御部は、前記バンチ形成制御において、前記糸綾振部にコーン状のパッケージの小径側のトラバース幅の外に糸を案内させ、パッケージの小径側の巻取管上に所定の糸長さが巻き取る際に前記パッケージを1.75回転から2.25回転までのいずれかの回転回数で回転させることを特徴とする請求項10又は11に記載の糸巻き取り装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、コーン巻パッケージなどでは、パッケージの小径側に傾斜が形成されているので、この小径側の巻取管上に糸を堆積させようとした際に、
図5のように糸の標準の生産における巻取プロセスと連続して糸のガイドを移動させる動作を実行させると、糸の標準の生産における巻取プロセスと同じ巻取速度と綾角でバンチ形成が行われることになる。このときに、綾角を十分に取らなければ、糸はそのままの勢いて巻取管の外側まで移動してしまいパッケージのプロファイルの外側に移動するが、さらに巻取管の幅をも越えた位置にまで移動してしまう。これにより、巻取管の小径側を支持する小径側支持アームと巻取管の間に糸が脱落し、巻取管を支持アームから取り外した際に、パッケージに付随する輪状の糸の塊となってしまう。この塊がパッケージの運送工程などにおいてパッケージから糸が引き出され、引き出された糸が絡みつくなどの不具合を引き起こしてしまう事がある。
【0007】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、所定の巻取制御で綾角を変化させることで巻取管上に確実に糸を堆積させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0009】
本発明の観点によれば、以下の構成の糸巻取装置が提供される。即ち、
糸巻取装置は、給糸ボビンが支持される給糸部と、前記給糸部から糸を引き出された糸を巻取管に巻き付けてパッケージを形成する巻取部と、前記巻取部により巻き取られた糸の長さをカウントする糸長測定部と、前記巻取部に設けられ、前記パッケージの回転軸方向に設定されたトラバース幅で往復移動して糸を案内する糸綾振部と、設定された巻取綾角で糸が巻き付けられるように前記糸綾振部を制御する巻取制御部と、を備え、前記巻取制御部は、前記糸長測定部が必要な長さの糸を巻き終えた後に、事前に設定されたバンチ形成綾角で前記糸を前記トラバース幅の範囲内から範囲外まで移動させて前記巻取管に糸を巻き取るバンチ形成制御を実行し、バンチ形成綾角は前記巻取綾角よりも大きいことを特徴とする。
【0010】
バンチ形成制御において、巻取綾角よりも大きいバンチ形成綾角で前記糸を前記トラバース幅の範囲内から範囲外まで移動させているので、パッケージの表面から巻取管に糸が落下する際の糸の軌道が直線に近い形となる。このように直線に近い軌道でパッケージの表面から巻取管に糸が落下させることにより、糸が勢い余って巻取管の幅をも越えた位置にまで移動してしまい、巻取管の小径側を支持する小径側支持アームと巻取管の間に糸が脱落してしまうことを防ぐことが出来る。
【0011】
前記の糸巻取装置においては、前記糸綾振部は、前記糸が掛けられる糸掛け部と、
一端に糸掛け部が取り付けられ、他端に駆動源が取り付けられる棒状本体部と、を有するトラバースアーム部材であることを特徴とする。
【0012】
アーム式のトラバース部材によって糸を案内しているので、綾角を自在に変更することが出来る。これにより糸種などに応じて最適なバンチ形成綾角を設定して、前記糸を前記トラバース幅の範囲内から範囲外まで移動させることが出来る。
【0013】
前記の糸巻取装置においては、糸を切断する糸切断部と、糸が切断された際に糸を繋ぐ糸継装置を更に備え、前記巻取制御部は、前記糸長測定部から前記パッケージに必要な長さの糸が巻かれたことの通知を受けた後、前記糸切断部に糸を切断させ、前記巻取部による前記パッケージの回転を停止させた後に、前記糸継装置により切断された糸を繋ぐ糸継動作を実行させ、その後に前記バンチ形成制御を実行することを特徴とする。
【0014】
前記の糸巻取装置においては、前記パッケージに必要な長さの糸が巻かれたことの通知を受けた後、前記糸切断部に糸を切断し、前記巻取部による前記パッケージの回転を停止させた後にバンチ形成制御を実行している。このようにパッケージの回転を一旦停止することにより巻取方向への糸の移動がなくなり、巻取綾角よりも大きなバンチ形成綾角を容易に実現することが出来る。また、前記パッケージに必要な長さの糸が巻かれた際に糸を切断するのでパッケージに余分な糸が巻かれてしまうことを防止することが出来る。
【0015】
前記の糸巻取装置においては、前記巻取制御部は、前記糸継動作を実行させた後、前記バンチ形成制御を実行するまでの間に、前記巻取部にパッケージの巻取りを開始させるとともに繋がった糸を前記トラバースアーム部材の糸掛け部に掛けるための糸掛け動作を実行し、さらに前記巻取部によるパッケージの巻取りを停止させることを特徴とする。
【0016】
前記の糸巻取装置においては、糸を前記トラバースアーム部材の糸掛け部に糸を掛けるためにパッケージを巻き取り方向に回転させる必要があるが、糸掛け部に糸を掛けた後に、さらにパッケージの巻取りを停止させるので、巻取綾角よりも大きなバンチ形成綾角を確実に実現することが出来る。
【0017】
前記の糸巻取装置においては、前記巻取制御部は、前記バンチ形成制御において、前記巻取部によるパッケージの巻取りが停止している状態で、事前に設定されたバンチ形成綾角を用いて前記糸を前記トラバース幅の範囲内から範囲外まで移動させることを特徴とする。また、前記の糸巻取装置においては、前記バンチ形成綾角は前記トラバース幅方向における前記パッケージの中央位置で前記パッケージの表面と、前記パッケージを支持して糸の巻取を補助する接触ローラとにニップされた糸を前記糸掛け部で前記トラバース幅の範囲外まで移動させることにより形成される角度であることを特徴とする。
【0018】
前記の糸巻取装置においては、パッケージの巻取りが停止している状態で事前に設定されたバンチ形成綾角で前記糸を前記トラバース幅の範囲内から範囲外まで移動させているので、糸はパッケージの表面と接触ローラによりニップされた状態となる。この状態で前記糸を前記トラバース幅の範囲内から範囲外まで移動させることにより、巻取綾角よりも大きなバンチ形成綾角を確実に実現することが出来る。
【0019】
前記の糸巻取装置においては、前記巻取部が巻き取るパッケージはコーン形状のパッケージであり、前記巻取制御部は、前記バンチ形成制御において、前記糸綾振部にコーン状のパッケージの小径側のトラバース幅の外に糸を案内させることを特徴とする。また、上述のように糸をニップした状態で、糸を移動させたとしても、給糸ボビンから糸が供給されるので張力の増加により糸が破断することはない。
【0020】
本バンチ形成制御では、糸が勢い余って巻取管の幅をも越えた位置にまで移動してしまう可能性の高いコーン状のパッケージの小径側であっても、確実にバンチ形成を行うことが出来る。
【0021】
前記の糸巻取装置においては、前記巻取制御部は、前記バンチ形成制御において、前記糸綾振部にコーン状のパッケージの小径側のトラバース幅の外に糸を案内させ、パッケージの小径側の巻取管上に所定の糸長さが巻き取られた後、さらに前記糸綾振部にコーン状のパッケージの小径側のトラバース幅の外からトラバース幅の中央に向けて前記糸綾振部に糸を案内させる糸端中央寄せ制御を行うことを特徴とする。
【0022】
本バンチ形成制御では、パッケージの小径側の巻取管上に所定の糸長さが巻き取られた後、さらに前記糸綾振部にコーン状のパッケージの小径側のトラバース幅の外からトラバース幅の中央に向けて前記糸綾振部に糸を案内している。これにより、糸終端部をパッケージの表面に巻きつけることが出来る。糸端をパッケージの表面に巻きつけることにより、糸端がフリーになり搬送工程などで解けて引きずる不具合の発生を防止する事ができる。
【0023】
前記巻取制御部は、前記糸端中央寄せ制御完了と同時もしくはその後に前記糸切断部に糸を切断させることを特徴とする。
【0024】
糸端中央寄せ制御においてパッケージの中央部に巻き付けられる糸の長さを必要最低限に留めることにより、オペレータが糸端を見つけて引き出す作業が容易になる。
【0025】
前記巻取制御部は、前記バンチ形成制御において、前記糸綾振部にコーン状のパッケージの小径側のトラバース幅の外に糸を案内させ、パッケージの小径側の巻取管上に所定の糸長さが巻き取る際に前記パッケージを1.75回転から2.25回転までのいずれかの回転回数で回転させることを特徴とする。
【0026】
上述の回転回数で回転させることにより、巻取管からパッケージの表面に渡る糸が90度以内の角度で形成される。このように形成された渡り糸は、後工程でオペレータが糸を指で摘んでピックアップする際に、容易にピックアプ出来るので作業効率が向上する効果がある。また、オペレータが巻取管に形成されたバンチをつまんで糸をピックアップする際も、約2周のバンチ巻き回数であれば、容易に外してピックアップすることができる。
【0027】
糸が巻かれたパッケージの巻取管上にバンチを形成するバンチ形成方法であって、
パッケージとして必要な長さを巻き取る第一工程と、カッタに糸を切断させ、同時にパッケージの巻取りを停止させる第二工程と、切断された糸を繋ぐ第三工程と、
パッケージを糸巻取方向に回転させつつトラバースアーム部材の糸掛け部に糸を係合させる第四工程と、トラバースアーム部材の糸掛け部をトラバース幅方向の中央位置で停止させ、さらにパッケージの糸巻取方向への回転を停止させる第五工程と、
糸を補足したトラバースアーム部材の糸掛け部を、パッケージの表面に糸を巻くための標準のトラバース幅の外側のバンチ形成位置まで移動させる第六工程とからなることを特徴とする。
【0028】
バンチ形成方法であって、トラバースアーム部材の糸掛け部を標準のトラバース幅の外側のバンチ形成位置から標準のトラバース幅であるパッケージセンターまで移動させる第七工程をさらに備えることを特徴とする。
【0029】
上記方法によりバンチを形成する際に、巻取綾角よりも大きいバンチ形成綾角で前記糸を前記トラバース幅の範囲内から範囲外まで移動させているので、パッケージの表面から巻取管に糸が落下する際の糸の軌道が直線に近い形となる。このように直線に近い軌道でパッケージの表面から巻取管に糸が落下させることにより、糸が勢い余って巻取管の幅をも越えた位置にまで移動してしまい、巻取管の小径側を支持する小径側支持アームと巻取管の間に糸が脱落してしまうことを防ぐことが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、発明の実施の形態を説明する。初めに、
図1を参照して、本実施形態の自動ワインダ(糸巻取装置)1の全体的な構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る自動ワインダ1の正面図である。なお、本明細書において「上流」及び「下流」とは、糸巻取時での糸の走行方向における上流及び下流を意味するものとする。
【0032】
図1に示すように、自動ワインダ(糸巻取装置)1は、並べて配置された複数のワインダユニット10と、自動玉揚装置80と、機台制御装置90と、を主要な構成として備えている。
【0033】
それぞれのワインダユニット10は、給糸ボビン21から解舒された糸20を綾振り(トラバース)しながら巻き取り、パッケージ30を形成できるように構成されている。
【0034】
自動玉揚装置80は、各ワインダユニット10においてパッケージ30が満巻となった際に、当該ワインダユニット10の位置まで走行し、満巻のパッケージ30を回収するとともに空ボビンを供給することができるように構成されている。
【0035】
機台制御装置90は、操作部91と、表示部92と、を主要な構成として備えている。操作部91は、オペレータが所定の設定値を入力したり適宜の制御方法を選択したりすることで、各ワインダユニット10に対する設定を行うことができる。表示部92は、各ワインダユニット10の糸20の巻取状況、及び、発生したトラブルの内容等を表示可能に構成されている。
【0036】
次に、ワインダユニット10の詳細な構成について
図2を参照して説明する。
図2は、ワインダユニットの正面図及びブロック図である。
【0037】
図2に示すように、各ワインダユニット10は、巻取ユニット本体16と、ユニット制御部50と、を備えている。
【0038】
ユニット制御部50は、例えば、CPUと、ROMと、を備えて構成されている。前記ROMには、巻取ユニット本体16の各構成を制御するためのプログラムが記憶されている。CPUは、このROMに記憶されたプログラムを実行する。また、ユニット制御部50は、算出部71と、綾角パターン記憶部72と、巻取制御部73と、を備えている。なお、これらの詳細な構成は後述する。
【0039】
前記巻取ユニット本体16は、給糸ボビン21と巻取ボビン(巻取管)22との間の糸走行経路中に、給糸ボビン21が支持された給糸部100側から順に、糸解舒補助装置12と、テンション付与装置13と、スプライサ装置(糸継装置)14と、糸長検出センサ(糸長測定部)61と、クリアラ(糸品質測定器)15と、巻取部17と、を配置した構成となっている。
【0040】
糸解舒補助装置12は、給糸ボビン21から解舒される糸20が振り回されて給糸ボビン21上部に形成されるバルーンに対して規制部材40を接触させ、当該バルーンを適切な大きさに制御することによって糸20の解舒を補助するためのものである。規制部材40の近傍には前記給糸ボビン21のチェース部を検出するための図略のセンサが備えられており、このセンサがチェース部の下降を検出すると、それに追従して前記規制部材40を例えばエアシリンダ(図略)によって下降させることができる。
【0041】
テンション付与装置13は、走行する糸20に所定のテンションを付与するものである。テンション付与装置13としては、例えば、固定の櫛歯36に対して可動の櫛歯37を配置するゲート式のものを用いることができる。可動側の櫛歯37は、櫛歯同士が噛み合わせ状態又は解放状態になるように、例えばロータリ式に構成されたソレノイド38により回動することができる。このテンション付与装置13によって、巻き取られる糸20に一定のテンションを付与し、パッケージ30の品質を高めることができる。なお、テンション付与装置13には、上記ゲート式のもの以外にも、例えばディスク式のものを採用することができる。
【0042】
スプライサ装置14(糸継装置)は、クリアラ15が糸欠点を検出してカッタ(糸切断部)39で糸20を切断する糸切断時、又は給糸ボビン21からの解舒中の糸切れ時等に、給糸ボビン21側の下糸と、パッケージ30側の上糸とを糸継ぎするものである。このような上糸と下糸とを糸継ぎする糸継装置としては、機械式のものや、圧縮空気等の流体を用いるもの等を使用することができる。
【0043】
糸長検出センサ(糸長測定部)61は、パッケージ30に巻き取られた糸20の糸長さを非接触で検出する装置である。糸長検出センサ61は、糸20の毛羽量を検出して糸20の移動量を算出して、糸長さを検出するように構成されている。具体的には、この糸長検出センサ61は、受光素子と光源とを備えた光学式の毛羽検出部を、糸走行方向に沿って複数備えている。そして、糸走行方向で異なる位置にある毛羽検出部の出力信号の変化に基づいて、糸20の走行長さを検出する。
【0044】
クリアラ15は、糸20の太さを検出するための図略のセンサが配置されたクリアラヘッド49と、このセンサからの糸太さ信号を処理するアナライザ53と、を備えている。クリアラ15は、前記センサからの糸太さ信号を監視することにより、スラブ等の糸欠陥を検出するように構成されている。前記クリアラヘッド49の近傍には、前記クリアラ15が糸欠点を検出したときに直ちに糸20を切断するためのカッタ39が設けられている。なお、アナライザ53は、ユニット制御部50に設けるようにしても良い。
【0045】
前記スプライサ装置14の下側及び上側には、給糸ボビン21側の下糸を捕捉してスプライサ装置14に案内する下糸案内パイプ25と、パッケージ30側の上糸を捕捉してスプライサ装置14に案内する上糸案内パイプ26と、が設けられている。また、下糸案内パイプ25と上糸案内パイプ26は、それぞれ軸33,35を中心にして回動可能に構成されている。下糸案内パイプ25の先端には吸引口32が形成され、上糸案内パイプ26の先端にはサクションマウス34が備えられている。下糸案内パイプ25及び上糸案内パイプ26には適宜の負圧源がそれぞれ接続されており、前記吸引口32及びサクションマウス34に吸引流を発生させて、上糸及び下糸の糸端を吸引捕捉できるように構成されている。
【0046】
前記巻取ユニット本体16は、巻取ボビン(巻取管)22を着脱可能に支持するクレードル23と、巻取ボビン22の周面又はパッケージ30の周面に接触して従動回転可能な接触ローラ29と、を備えている。また、巻取ユニット本体16は、糸20をパッケージ30の表面にトラバースさせるためのアーム式のトラバース装置27をクレードル23近傍に備えており、このトラバース装置27によって糸20をトラバースしながらパッケージ30に糸20を巻き取ることが可能に構成されている。
【0047】
巻取部17は、クレードル23と、パッケージ駆動モータ(パッケージ駆動部)41と、トラバース装置(糸綾振部)27と、を主要な構成として備える。
【0048】
前記クレードル23は、コーン形状(テーパ形状)の巻取ボビン22の小径側を支持する小径側支持アーム23aと、当該巻取ボビン22の大径側を支持する大径側支持アーム23bと、を有している。クレードル23は、この小径側支持アーム23aと大径側支持アーム23bとによってコーン形状の巻取ボビン22を把持することにより、当該コーン形状の巻取ボビン22を回転可能に支持するように構成されている。
【0049】
前記クレードル23は回動軸48を中心に回動可能に構成されており、巻取ボビン22への糸20の巻取りに伴うパッケージ30の糸層径の増大を、クレードル23が回動することによって吸収できるように構成されている。即ち、糸20が巻き取られることによりパッケージ30の糸層径が変化しても、当該パッケージ30の表面を接触ローラ29に対して適切に接触させることができるようになっている。また、クレードル23及びトラバース装置27は、コーン形状の巻取ボビン22に糸20を巻き付けることにより、
図2に示すようにコーン形状のパッケージ30を形成可能に構成されている。
【0050】
前記クレードル23には、サーボモータで構成されたパッケージ駆動モータ41が取り付けられており、このパッケージ駆動モータ41によって巻取ボビン22を回転駆動することにより、当該巻取ボビン22の表面(又はパッケージ30の表面)に糸20を巻き取るように構成されている。パッケージ駆動モータ41のモータ軸は、巻取ボビン22をクレードル23に支持させたときに、当該巻取ボビン22と相対回転不能に連結されるようになっている(いわゆるダイレクトドライブ方式)。このパッケージ駆動モータ41の動作はユニット制御部50により制御されている。なお、ユニット制御部50とは独立したパッケージ駆動モータ制御部を設け、このパッケージ駆動モータ制御部によってパッケージ駆動モータ41の動作を制御するようにしても良い。
【0051】
次に、トラバース装置27について説明する。トラバース装置27は、トラバースアーム部材28と、トラバースアーム駆動モータ(綾振り駆動部)45と、糸案内部材52と、を主要な構成として備えている。
図3及び
図4は、トラバース装置27の模式的な側面図及び正面図である。
【0052】
トラバースアーム部材28は、支軸のまわりに旋回可能に構成した細長状のアームとして構成されている。トラバースアーム部材28の先端には、糸掛け部11が接続されている。糸掛け部11は、糸20を係合させることができるようにフック状に構成される。一方、トラバースアーム部材28の基端側は、トラバースアーム駆動モータ45の駆動軸45aに固定されている。トラバースアーム駆動モータ45は、トラバースアーム部材28を駆動するためのものであって、サーボモータにより構成されている。なお、このサーボモータとしては、例えば、ブラシレスDCモータ、ステッピングモータ、ボイスコイルモータ等、適宜のモータを用いることができる。
【0053】
トラバース装置27は、糸掛け部11に糸20を係合させた状態で、トラバースアーム駆動モータ45を駆動してトラバースアーム部材28を
図4の矢印のように往復旋回運動させることにより、糸掛け部11を左右(パッケージ30の巻き幅方向)に往復運動させて、糸20を左右方向でパッケージ表面にトラバースする構成になっている。これにより、糸20を所定の巻き幅に所定の速度で綾振りしながら巻取ボビン22に巻き取り、当該巻取ボビン22の外周面に形成される糸層を所望の密度で形成させていくことができる。
【0054】
トラバースアーム駆動モータ45の作動は、前記巻取制御部73により制御される。ただし、トラバースアーム駆動モータ45の作動は、ユニット制御部50により制御しても良いし、また、専用の綾振り制御部を設けて制御しても良い。また、糸掛け部11に対して糸走行方向の上流側には、糸案内部材52が配置されている。この糸案内部材52は、当該糸案内部材52よりも糸走行方向において上流側の糸20の糸道を接触ローラ29側に屈曲させることで、当該糸20を糸掛け部11によって捕捉することができるように案内するためのものである。
【0055】
また、
図3に示すように、前記綾振アーム駆動モータ45の駆動軸45aは、トラバースストロークの一端側と他端側とを結ぶ直線の方向で見たときに、糸案内部材52よりも上流側の糸20の糸道に対して平行に近い角度となるように(駆動軸45aの延長線と糸20の糸道とが鋭角をなすように)配置されている。また、トラバースストロークの一端側と他端側とを結ぶ直線の方向で見たときに、トラバースアーム部材28の基端部と、糸掛け部11とを結ぶ仮想線が、糸案内部材52よりも上流側の糸20の糸道の延長線に対して略直交するように配置されている。ここで、糸20の糸道は、ワインダユニット10の設置面(本実施形態の場合は水平面)に対して略垂直となっている。従って、本実施形態の自動ワインダ1において、糸掛け部11は、ワインダユニット10の設置面(本実施形態の場合は水平面)に略平行な平面内で往復駆動するように構成されている。
【0056】
次に、自動ワインダ1がパッケージ30の巻取りを完了した際に実施する処理について、
図4から
図9までを参照して説明する。
図5は、従来から実施されているバンチ形成を説明するための模式図である。
図6は、本発明におけるバンチ形成制御の開始時を説明するための模式図である。
図7は、本発明におけるバンチ形成制御を作動させバンチを形成している状態を説明するための模式図である。
図8は、本発明における糸端中央寄せ制御の開始時を説明するための模式図である。
図9は、本発明における糸端中央寄せ制御の終了時を説明するための模式図である。
【0057】
本発明の自動ワインダユニット10の巻取制御部73は、糸長検出センサ61が検出した糸長さに基づいてパッケージ30として巻き取られた糸の長さを算出している。算出された糸の長さがパッケージ30として必要な長さ(満巻き長さ)に達した場合、巻取制御部73はカッタ39に糸を切断させ、同時にパッケージ駆動モータ41に停止信号を送ることによりをパッケージ30の巻取りを停止させる。
【0058】
バンチ形成制御は実行のON/OFFを事前に設定することが出来、バンチ形成制御は実行がOFFになっている場合は、満巻き長さに達したパッケージ30を玉揚げし、糸の巻かれていない巻取管22をセットして新たなパッケージの巻取りが再開される。
【0059】
バンチ形成制御の実行がONになっている場合は、満巻き長さに達したパッケージ30に対してバンチ形成が実行される。以下、
図6から
図12の模式図とフローチャートを使用して本発明のバンチ形成制御を説明する。
【0060】
図10のフローチャートに基づき説明する。前述のように本発明の自動ワインダユニット10の巻取制御部73は、糸長検出センサ61が算出した糸の長さがパッケージ30として必要な長さ(満巻き長さ)に達するまで巻取作業を継続する(
図10、S1,S2)。
【0061】
糸長検出センサ61が検出した算出された糸の長さがパッケージ30として必要な長さ(満巻き長さ)に達した場合(S2、YES)、巻取制御部73はカッタ39に糸を切断させ(S3)、同時にパッケージ駆動モータ41に停止信号を送ることによりをパッケージ30の巻取りを停止させる(S4)。
【0062】
バンチ形成制御の実行がONになっている場合(S201、YES)は、満巻き長さに達したパッケージ30に対してバンチ形成が実行される。
バンチ形成制御において、まず切断された糸を繋ぐ糸継ぎが実行され(S5)、続いてバンチ形成制御が実行される(S6)。尚、バンチ形成制御の詳細に関しては後述する。
【0063】
バンチ形成制御(S6)の実行後、糸端中央寄せ制御(S7)実行のON/OFFを確認する(S202)。糸端中央寄せ制御(S7)実行のON/OFFは事前に設定することが出来る。
【0064】
糸端中央寄せ制御(S7)がONになっている場合(S202、YES)、糸端中央寄せ制御(S7)が実行される。尚、糸端中央寄せ制御の詳細は後述する。糸端中央寄せ制御(S7)が完了した後、巻取制御部73はカッタ39に糸を切断させ、同時にパッケージ駆動モータ41に停止信号を送ることによりパッケージ30の巻取りを停止させる。
【0065】
本実施形態の糸巻取装置1は巻取制御部73に対して、以下の設定を行うことが出来る。算出された糸の長さがパッケージ30として必要な長さ(満巻き長さ)に達した際のバンチ形成制御の実施有無(S201)。バンチ形成制御後の糸端中央寄せ制御の有無(S202)。バンチ形成制御(S6)開始時にバンチ形成位置までトラバースアーム部材28の糸掛け部11を移動させる際のパッケージ回転の有無。
バンチ形成回転回数。中央寄せ制御(S7)時の中央巻き付け回転回数。
【0066】
次に、バンチ形成制御に関して
図11のフローチャートを用いて詳細に説明する。
バンチ形成制御が開始されると、まず巻取制御部73はテンション付与装置13により糸20に対して、バンチ形成に必要なバンチ形成テンションを付与する(S11)。
次に巻取制御部73は糸掛け動作を実行し、パッケージ30を糸巻取方向に回転させつつトラバースアーム部材28の糸掛け部11に糸20を係合させる(S12)。
【0067】
バンチ形成制御(S6)開始時にバンチ形成位置までトラバースアーム部材28の糸掛け部11を移動させる際のパッケージ回転停止を有りに設定されている場合(S13、YES)、巻取制御部73はトラバースアーム部材28の糸掛け部11をトラバース幅方向の中央位置で停止させ(S14)、さらにパッケージ30の糸巻取方向への回転を停止させる。
【0068】
次に巻取制御部73はトラバースアーム部材28の糸掛け部11を、パッケージ30の表面に糸を巻くための標準のトラバース幅の外側のバンチ形成位置まで移動させる(S16、
図6)。このときに前記パッケージ30の中央位置で前記パッケージ30の表面と、前記パッケージ30を支持して糸の巻取を補助する接触ローラ29とに糸をニップさせ、その状態で糸を前記糸掛け部11で前記トラバース幅の範囲外まで移動させている。上述のように糸をニップした状態で、糸を移動させたとしても、給糸ボビンから新たな糸が供給されるので、張力の増加により糸が破断することはない。
【0069】
上述の動作により、形成される角度であるバンチ形成綾角θ2は、通常巻取時の巻取綾角θよりも大きい角度となる。このように大きなバンチ形成綾角θ2を形成してパッケージ30の中央から標準のトラバース幅の外側まで糸を移動させることにより、パッケージ30の表面から巻取管22上に糸が落下する際の糸の軌道が直線に近い形となる。直線に近い軌道(パッケージの半径方向に沿う軌道)でパッケージ30の表面から巻取管22に糸が落下させている。これにより、糸が勢い余って巻取管22の幅をも越えた位置にまで移動してしまい、巻取管22の小径側を支持する小径側支持アーム23aと巻取管22の間に糸が脱落してしまうことを防ぐことが出来る。尚、従来技術において綾角とはパッケージ30により糸を巻取りつつ、トラバースを行うことにより形成される糸の角度を示すが、本発明のバンチ形成綾角θ2は、上述のように停止したパッケージ30の表面と、前記接触ローラ29とにニップされた糸を前記糸掛け部11で前記トラバース幅の範囲外まで移動させる際に形成される糸の角度も含む概念である。
【0070】
巻取制御部73は、トラバースアーム部材28の糸掛け部11を、パッケージ30の表面に糸を巻くための標準のトラバース幅の外側のバンチ形成位置まで移動させた後、事前に設定されたバンチ形成速度でパッケージ30を回転させる(S17)。この回転により巻取管22上にバンチ300が形成される。巻取制御部73は、パッケージ30を所定の回転回数駆動させた後(S18、YES)、バンチ形成制御(S6)を終了し次の工程に移行する。
【0071】
巻取制御部73は、バンチ形成制御(S6)後に糸端中央寄せ制御(S7)の実施有無を確認する。糸端中央寄せ制御(S7)の実施が有りに設定されている場合(S202、YES)は、トラバースアーム部材28の糸掛け部11を標準のトラバース幅の外側のバンチ形成位置から標準のトラバース幅の中央であるパッケージセンターまで移動させ停止させる(S21、
図8、
図9)。このとき、パッケージ30はS17におけるバンチ形成速度で回転しているので、パッケージ30の中央に中央バンチ400が形成される。トラバースアーム部材28の糸掛け部11は前記パッケージセンターに停止しているが、糸が完全に巻き上げられた後は、トラバースアーム部材28をパッケージ幅方向の一端側に退避させる。
【0072】
巻取制御部73は、トラバースアーム部材28の糸掛け部11をパッケージセンターまで移動させ、さらにパッケージ30を所定の回転回数駆動させた後(S22,YES)、バンチ形成制御(S6)を終了する。巻取制御部73は、バンチ形成制御(S6)終了後、カッタ39に糸を切断させ(S8)、同時にパッケージ駆動モータ41に停止信号を送ることによりをパッケージ30の巻取りを停止させる(S8)。
【0073】
本実施形態では(S18)、(S22)の条件判断において、回転回数を基準としたが、この回転回数は整数値でなくて良い。例えば、2回+1/4回転(2.25回転)というように端数が含まれていても良い。実際にバンチ形成制御(S6)において形成するバンチ300を1回転+3/4回転(1.75回転)から2回転+1/4回転(2.25回転)で形成すると、パッケージ30の表面から巻取管22に渡る糸と、巻取管22からパッケージ30の表面に渡る糸が90度以内の角度で形成される。このように形成された渡り糸は、後工程でオペレータが糸を指で摘んでピックアップする際に、容易にピックアプ出来るので作業効率が向上する効果がある。また、オペレータが巻取管22に形成されたバンチ300をつまんで糸をピックアップする際も、約2周のバンチ巻き回数であれば、容易に外してピックアップすることができる。さらに、回転回数ではなく回転角度で制御する事もできる。回転角度で制御する場合は、上記の範囲は、630度〜810度となる。
【0074】
上述の回転回数の代わりにパッケージ30の回転時間を基準とすることもできる。さらに、バンチ形成制御(S6)や糸端中央寄せ制御(S7)は個別に実行の有無を切り替えることが出来るので、例えばバンチ形成制御(S6)により小径側の巻取管22上にバンチ300を形成して、そこで処理を終了して、次工程の玉揚げ工程に移行することも出来る。
【0075】
本発明によれば、バンチ形成制御(S6)において、巻取綾角θよりも大きいバンチ形成綾角θ2で前記糸を前記トラバース幅の範囲内から範囲外まで移動させているので、パッケージ30の表面から巻取管22に糸が落下する際の糸の軌道が直線に近い形となる。このように直線に近い軌道でパッケージ30の表面から巻取管22に糸が落下させることにより、糸が勢い余って巻取管22の幅をも越えた位置にまで移動してしまい、巻取管22の小径側を支持する小径側支持アーム23aと巻取管22の間に糸が脱落してしまうことを防ぐことが出来る。
【0076】
トラバースアーム部材28によって糸を案内しているので、綾角を自在に変更することが出来る。これにより糸種などに応じて最適なバンチ形成綾角θ2を設定して、前記糸を前記トラバース幅の範囲内から範囲外まで移動させることが出来る。
【0077】
前記の糸巻取装置においては、前記パッケージ30に必要な長さの糸が巻かれたことの通知を受けた後、前記糸切断部に糸を切断し、前記巻取部による前記パッケージ30の回転を停止させた後にバンチ形成制御を実行している。このようにパッケージ30の回転を一旦停止することにより巻取方向への糸の移動がなくなり、巻取綾角よりも大きなバンチ形成綾角θ2を容易に実現することが出来る。
【0078】
前記の糸巻取装置においては、糸を前記トラバースアーム部材の糸掛け部11に糸を掛けるためにパッケージ30を巻き取り方向に回転させる必要があるが、糸掛け部11に糸を掛けた後に、さらにパッケージ30の巻取りを停止させるので、巻取綾角よりも大きなバンチ形成綾角θ2を確実に実現することが出来る。
【0079】
前記の糸巻取装置においては、パッケージ30の巻取りが停止している状態で事前に設定されたバンチ形成綾角θ2で前記糸を前記トラバース幅の範囲内から範囲外まで移動させているので、糸はパッケージ30の表面と接触ローラ29によりニップされた状態となる。この状態で前記糸を前記トラバース幅の範囲内から範囲外まで移動させることにより、巻取綾角よりも大きなバンチ形成綾角θ2を確実に実現することが出来る。
【0080】
本バンチ形成制御では、糸が勢い余って巻取管22の幅をも越えた位置にまで移動してしまう可能性の高いコーン状のパッケージ30の小径側であっても、確実にバンチを形成することが出来る。
【0081】
本バンチ形成制御では、パッケージ30の小径側の巻取管22上に所定の糸長さが巻き取られた後、さらに前記糸綾振部にコーン状のパッケージ30の小径側のトラバース幅の外からトラバース幅の中央に向けて前記糸綾振部に糸を案内している。これにより、糸終端部をパッケージ30の中央に巻きつけることが出来る。糸端をパッケージ30の表面に巻きつけることにより、糸端がフリーになり搬送工程などで解けて引きずる不具合の発生を防止する事ができる。
【0082】
糸端中央寄せ制御(S7)においてパッケージ30の中央部に巻き付けられる糸の長さを必要最低限に留めることにより、オペレータが糸端を見つけて引き出す作業が容易になる。
【0083】
本発明はコーン状のパッケージ30の小径側にバンチ300を形成する際に非常に有効であるが、これには限られない。コーン状のパッケージ30の小径側にバンチ300を形成する際や、糸層が平行に巻かれたチーズパッケージ30にバンチ300を形成する際にも有効である。
【0084】
また、本発明は、自動ワインダに限らず、巻返し機及び精紡機(例えば空気紡績機、オープンエンド紡績機)等の他の糸巻取装置にも適用することができる。