(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-203857(P2020-203857A)
(43)【公開日】2020年12月24日
(54)【発明の名称】毛髪洗浄用組成物、及び毛髪洗浄方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/31 20060101AFI20201127BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20201127BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20201127BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20201127BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20201127BHJP
【FI】
A61K8/31
A61Q5/02
A61K8/37
A61K8/34
A61K8/39
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-112483(P2019-112483)
(22)【出願日】2019年6月18日
(71)【出願人】
【識別番号】592255176
【氏名又は名称】株式会社ミルボン
(72)【発明者】
【氏名】荒木 健志
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB051
4C083AB052
4C083AC011
4C083AC022
4C083AC102
4C083AC111
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC181
4C083AC182
4C083AC331
4C083AC352
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC482
4C083BB04
4C083CC38
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】濡れた毛髪に馴染みやすく、毛髪表面からシリコーンなどの油分の除去効率が高い毛髪洗浄用組成物、及びこの組成物を使用する毛髪洗浄方法の提供。
【解決手段】毛髪洗浄用組成物は、液状炭化水素及び/又は液状エステル油と、ノニオン界面活性剤と、多価アルコールと、水とが配合され、多価アルコール及び水の総配合量が15質量%以上のものであり、毛髪洗浄方法は、その毛髪洗浄用組成物組成物を使用する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状炭化水素及び/又は液状エステル油と、ノニオン界面活性剤と、多価アルコールと、水とが配合され、
多価アルコール及び水の総配合量が15質量%以上であることを特徴とする毛髪洗浄用組成物。
【請求項2】
前記液状炭化水素及び前記液状エステル油が配合された請求項1に記載の毛髪洗浄用組成物。
【請求項3】
前記液状炭化水素及び前記液状エステル油の総配合量が2質量%以上である請求項1又は2に記載の毛髪洗浄用組成物。
【請求項4】
前記ノニオン界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが配合された請求項1〜3のいずれか1項に記載の毛髪洗浄用組成物。
【請求項5】
前記多価アルコールの配合量が10質量%以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の毛髪洗浄用組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の毛髪洗浄用組成物を使用する毛髪洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪洗浄用組成物及びその組成物を使用する毛髪洗浄方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
メイクアップ化粧料を洗浄するための肌洗浄用組成物として、特許文献1には、HLBが所定範囲のノニオン界面活性剤2種、40℃で液状の流動パラフィン、植物油が所定量配合されたものが開示され、当該組成物の具体例として、水の配合量が12質量%未満のものが開示されている。特許文献1に具体的に開示された肌洗浄用組成物を毛髪洗浄に転用したとしても、肌洗浄用組成物を塗布する際の毛髪は水で予洗されて濡れた状態であるため、肌洗浄用組成物が毛髪に馴染み難い。
【0003】
一方、毛髪を洗浄するための毛髪洗浄用組成物は、主たる洗浄成分としてアニオン界面活性剤を配合するのが一般的であるが、毛髪表面に付着しているシリコーンなどの油分、特に毛髪への吸着力が強いアミノ変性シリコーンの除去効率が十分ではない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−209033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、濡れた毛髪に馴染みやすく、毛髪表面からシリコーンなどの油分の除去効率が高い毛髪洗浄用組成物、及びこの組成物を使用する毛髪洗浄方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者が鋭意検討を行った結果、多価アルコール及び水の総配合量を高めると毛髪に馴染みやすくなり、液状炭化水素及び/又は液状エステル油と、ノニオン界面活性剤とを配合すれば、シリコーンなどの油分を毛髪表面から効率的に除去可能との知見を得、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明に係る毛髪洗浄用組成物は、液状炭化水素及び/又は液状エステル油と、ノニオン界面活性剤と、多価アルコールと、水とが配合され、多価アルコール及び水の総配合量が15質量%以上であることを特徴とする。本発明に係る毛髪洗浄用組成物は、毛髪に馴染み易い上に油分除去に優れるだけでなく、多価アルコールが配合されるから、当該組成物を毛髪から水洗除去する際とその除去後における毛髪の指通りに優れる。
【0008】
本発明に係る毛髪洗浄用組成物は、前記液状炭化水素及び前記液状エステル油が配合されたものが好ましい。液状炭化水素及び液状エステル油の双方が配合されていれば、毛髪表面からの油分の除去効率により優れる。
【0009】
本発明に係る毛髪洗浄用組成物において、前記液状炭化水素及び前記液状エステル油の総配合量が2質量%以上であると良い。この総配合量範囲であると、毛髪表面からの油分の除去効率により優れる。
【0010】
本発明に係る毛髪洗浄用組成物は、前記ノニオン界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが配合されたものが良い。ポリオキシエチレンアルキルエーテルが配合されていると、毛髪表面からの油分の除去効率により優れる。
【0011】
本発明に係る毛髪洗浄用組成物は、前記多価アルコールの配合量が10質量%以上であると良い。多価アルコールの配合量が10質量%以上であると、当該組成物を毛髪から水洗除去する際、この除去後における毛髪の指通りに優れる。
【0012】
本発明に係る毛髪洗浄方法は、本発明に係る毛髪洗浄用組成物を使用するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る毛髪洗浄用組成物によれば、毛髪に馴染み易くするよう多価アルコール及び水の総配合量を所定量以上とし、液状炭化水素及び/又は液状エステル油と、ノニオン界面活性剤とを配合するので、シリコーンなどの油分を毛髪表面から効率的に除去可能となる。
【0014】
また、本発明に係る毛髪洗浄方法によれば、多価アルコール及び水の総配合量を所定量以上とし、液状炭化水素及び/又は液状エステル油と、ノニオン界面活性剤とを配合した毛髪洗浄用組成物を使用するので、当該組成物が毛髪に馴染み易く、シリコーンなどの油分を毛髪表面から効率的に除去可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施例1a〜1b、比較例1の毛髪洗浄用組成物で洗浄した後の毛束の撮影画像
【
図2】実施例2a〜2cの毛髪洗浄用組成物で洗浄した後の毛束の撮影画像
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態に基づき、本発明を以下に説明する。
<<毛髪洗浄用組成物>>
本実施形態に係る毛髪洗浄用組成物は、液状炭化水素及び/又は液状エステル油と、ノニオン界面活性剤と、多価アルコールと、水とが配合されたものである。また、本実施形態の毛髪洗浄用組成物には、使用上許容されるのであれば、更に公知の毛髪洗浄用組成物に配合されている成分が、任意成分として配合されていても良い。
【0017】
<液状炭化水素及び/又は液状エステル油>
本実施形態の毛髪洗浄用組成物には、液状炭化水素、液状エステル油、又は、液状炭化水素及び液状エステル油が配合される。液状炭化水素及び/又は液状エステル油の配合により、毛髪表面からシリコーンなどの油分を効率的に除去でき、当該除去の効率を上げるには、液状炭化水素、液状エステル油の双方の配合が好ましい。
【0018】
本実施形態の毛髪洗浄用組成物における液状炭化水素及び液状エステル油の総配合量は、毛髪表面からの効率的な油分除去の観点から、2質量%以上が良く、4質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。一方、その総配合量の上限は、毛髪から本実施形態の毛髪洗浄用組成物の水洗除去を容易にするためには、15質量%未満が良く、10質量%未満が好ましい。
【0019】
上記液状炭化水素は、25℃で液状のものであり、例えば、流動パラフィン、流動イソパラフィン、イソドデカン、スクワランが挙げられ、低コスト化の観点から、流動パラフィンが好ましい。本実施形態の毛髪洗浄用組成物には、一種又は二種以上の液状炭化水素が配合され、当該組成物における液状炭化水素の配合量は、毛髪表面からの効率的な油分除去の観点から、0.5質量%以上が良く、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましい。一方、その配合量の上限は、毛髪から本実施形態の毛髪洗浄用組成物の水洗除去を容易にするためには、10質量%未満が良く、5質量%未満が好ましい。
【0020】
上記液状エステル油は、25℃で液状のものであり、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピルなどの直鎖脂肪酸と低級アルコールとのエステル;カプリル酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイルなどの直鎖脂肪酸と直鎖高級アルコールとのエステル;ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸2−オクチルドデシルなどの直鎖脂肪酸と分枝アルコールとのエステル;イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピルなどの分枝脂肪酸と低級アルコールとのエステル;エチルヘキサン酸セチル、イソステアリン酸ヘキシルなどの分枝脂肪酸と直鎖高級アルコールとのエステル;ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、ジジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、カプリン酸酸ネオペンチルグリコール、ジ2−エチレンヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラオクタン酸ペンタエリスチルなどの脂肪酸と多価アルコールとのエステル;ネオペンタン酸2−オクチルドデシル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ジメチルオクタン酸2−ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸2−オクチルドデシル、イソパルミチン酸エチルヘキシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリルなどの分枝脂肪酸と分枝アルコールとのエステル;が挙げられる。本実施形態の毛髪洗浄用組成物には、一種又は二種以上の液状エステル油が配合され、当該組成物における液状エステル油の配合量は、毛髪表面からの効率的な油分除去の観点から、0.5質量%以上が良く、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましい。一方、その配合量の上限は、毛髪から本実施形態の毛髪洗浄用組成物の水洗除去を容易にするためには、10質量%未満が良く、5質量%未満が好ましい。
【0021】
<ノニオン界面活性剤>
本実施形態の毛髪洗浄用組成物には、当該組成物における液状炭化水素及び/又は液状エステル油の分散安定性と、毛髪表面からシリコーンなどの油分の効率的除去のため、ノニオン界面活性剤が配合される。
【0022】
上記ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトールテトラ脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルアルカノールアミドが挙げられる。本実施形態の毛髪洗浄用組成物には、一種又は二種以上のノニオン界面活性剤が配合され、当該組成物におけるノニオン界面活性剤の配合量は、液状炭化水素及び/又は液状エステル油の分散安定性と、毛髪表面からの効率的な油分除去との観点から、10質量%以上が良く、15質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。一方、その配合量の上限は、例えば40質量%未満である。
【0023】
上記ノニオン界面活性剤例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを配合すると良く、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(2E.O.)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(4.2E.O.)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(9E.O.)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(2E.O.)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(5.5E.O.)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(7E.O.)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(10E.O.)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(2E.O.)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(4E.O.)などのポリオキシエチレンの平均付加モル数が2以上10以下、かつ、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを構成するアルキル基の炭素数が12以上18以下のものが挙げられる。本実施形態の毛髪洗浄用組成物において、ポリオキシエチレンの平均付加モル数が2以上10以下、かつ、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを構成するアルキル基の炭素数が12以上18以下のポリオキシエチレンアルキルエーテルの一種又は二種以上が配合され、当該ポリオキシエチレンアルキルエーテルの本実施形態の毛髪洗浄用組成物における配合量は、例えば1質量%以上5質量%以下である。
【0024】
<多価アルコール>
本実施形態の毛髪洗浄用組成物には、当該組成物を毛髪に馴染み易くさせると共に、同組成物の水洗除去途中と除去後の毛髪の指通りを向上させるため、多価アルコールが配合される。毛髪の馴染み易さについては、多価アルコール及び水を配合する方が、多価アルコールを配合しない(水を配合する)場合よりも、本実施形態の毛髪洗浄用組成物の粘性が高まり、毛髪に馴染ませ易くなる。
【0025】
上記多価アルコールは、炭素数が6以下、かつ、2以上の水酸基を有するアルコールであり、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコールが挙げられる。本実施形態の毛髪洗浄用組成物には、一種又は二種以上の多価アルコールが配合され、当該組成物における多価アルコールの配合量は、当該組成物を毛髪に馴染み易くさせると共に、同組成物の水洗除去途中と除去後の毛髪の指通りを向上させる観点から、10質量%以上が良く、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、35質量%以上が更に好ましい。一方、その配合量の上限は、低コスト化のため、50質量%未満である。
【0026】
<水>
本実施形態の毛髪洗浄用組成物には、当該組成物を毛髪に馴染み易くさせるために、水が配合される。本実施形態の毛髪洗浄用組成物における水の配合量は、低コスト化の観点から、5質量%以上が良く、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましい。
【0027】
また、本実施形態の毛髪洗浄用組成物における多価アルコール及び水の総配合量は、当該組成物を毛髪に馴染み易くさせるために、15質量%以上であり、25質量%以上が好ましく、35質量%以上がより好ましく、45質量%以上が更に好ましい。一方、当該総配合量の上限は、例えば80質量%未満である。
【0028】
<任意成分>
本実施形態の毛髪洗浄用組成物には、上記の通り、公知の毛髪洗浄用組成物に配合されている成分を、任意成分として配合できる。この任意成分としては、エタノール、糖類、油脂、無機化合物、香料、防腐剤などである。
【0029】
また、本実施形態の毛髪洗浄用組成物には、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、及び両性界面活性剤から選ばれた一種又は二種以上のイオン性界面活性剤を配合できるが、当該イオン性界面活性剤の配合量は、本実施形態の毛髪洗浄用組成物において5質量%未満が良く、3質量%未満が好ましく、2質量%未満がより好ましく、1質量%未満が更に好ましく、0.5質量%未満がより更に好ましい(イオン性界面活性剤を配合しないことが最適である。)。イオン性界面活性剤を配合した場合、液状炭化水素及び/又は液状エステル油による毛髪表面からの油分除去効率が低下する傾向があり、イオン性界面活性剤を配合する場合であっても、その配合量は5質量%未満が良い。
【0030】
<剤型>
本実施形態の毛髪洗浄用組成物の使用時の剤型は、液状であると良い。この液状剤型の場合は、B型粘度計を使用して25℃で計測した60秒後の粘度が、例えば50mPa・s以上1000mPa・s以下である。
【0031】
(pH)
本実施形態の毛髪洗浄用組成物の25℃におけるpHは、特に限定されないが、
例えば4以上9以下である。
【0032】
<<毛髪洗浄方法>>
本実施形態の毛髪洗浄方法は、本実施形態の毛髪洗浄用組成物を毛髪に塗布した後に、水洗する処理を行うものであれば特に限定されず、例えば、(1)本実施形態の毛髪洗浄用組成物を毛髪に塗布後に水洗、(2)本実施形態の毛髪洗浄用組成物を毛髪に塗布後、更に別の組成物を塗布してから水洗、が挙げられる。
【実施例】
【0033】
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
【0034】
<毛髪洗浄用組成物>
実施例1a〜1b、比較例1、実施例2a〜2cの毛髪洗浄用組成物を、流動パラフィン、イソノナン酸イソトリデシル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(2E.O.)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(9E.O.)、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(60E.O.)、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(8E.O.)、プロピレングリコール、フェノキシエタノール、パラオキシ安息香酸メチル、香料、無水エタノール及び水を使用して製造した。各毛髪洗浄用組成物の製造で使用した成分、その配合量は、下記表1〜2の通りとした。
【0035】
<毛髪洗浄評価>
市販の毛束(ビューラックス社製「BM−YK−A」:約1g、約10cmのヤク毛毛束)に対し、ナイルレッド0.5質量%含ませた1gの市販のアミノ変性シリコーン(信越化学工業社製「KF−880)を塗布した後、実施例及び比較例の毛髪洗浄用組成物のいずれか1gを塗布してから、毛束を30回なめした。次に、温水で30秒間毛束を水洗してから、毛束を乾燥させた。そして、毛束の色合いを目視確認し、毛髪洗浄評価を行った。評価においては、実施例1a〜1b及び比較例1における評価と、実施例2a〜2cにおける評価を行った。
【0036】
下表1において、実施例1a〜1b及び比較例1の毛髪洗浄用組成物に配合した成分及びその配合量と共に、毛髪洗浄評価の結果を示す。また、洗浄後の毛束の撮影画像を、
図1に示す。
【0037】
表1の毛髪洗浄評価において、ナイルレッドの赤みが最も除去されていたものを「1」、次に除去されていたものを「2」、最も除去されていなかったものを「3」として示した。液状炭化水素及び液状エステル油が配合された実施例1aが最も優れ、液状炭化水素が配合された実施例1bが次に優れ、液状炭化水素及び液状エステル油の配合が無かった比較例1が続く結果であった。
【表1】
【0038】
下表2において、実施例2a〜2cの毛髪洗浄用組成物に配合した成分及びその配合量と共に、毛髪洗浄評価の結果を示す。また、洗浄後の毛束の撮影画像を、
図2に示す。
【0039】
表2の毛髪洗浄評価において、表1と同様の基準で評価結果を示した。液状炭化水素及び液状エステル油の総配合量が多い実施例2aが実施例2cよりも優れ、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを配合しなかった実施例2bが実施例2cに続く結果であった。
【0040】
【表2】