特開2020-204211(P2020-204211A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社デンソーの特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-204211(P2020-204211A)
(43)【公開日】2020年12月24日
(54)【発明の名称】開閉体制御装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/689 20150101AFI20201127BHJP
   E05F 15/41 20150101ALI20201127BHJP
   B60J 1/17 20060101ALI20201127BHJP
   B60J 1/00 20060101ALI20201127BHJP
【FI】
   E05F15/689
   E05F15/41
   B60J1/17 A
   B60J1/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】45
(21)【出願番号】特願2019-113079(P2019-113079)
(22)【出願日】2019年6月18日
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 潤
【テーマコード(参考)】
2E052
3D127
【Fターム(参考)】
2E052AA09
2E052CA06
2E052EA14
2E052EB01
2E052EC01
2E052GA10
2E052GB15
2E052GC06
2E052GD09
2E052HA04
3D127AA02
3D127BB01
3D127CB05
3D127CC05
3D127DF35
3D127DF36
3D127FF01
3D127FF19
(57)【要約】
【課題】第一開閉体及び第二開閉体に隣接し、モータ駆動部によって開閉方向に移動される第三開閉体に生ずる異常を適切に判定する。
【解決手段】学習値記憶処理部50では、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態が取得される。また、フロントサイドガラス32の移動位置毎の移動速度に応じた学習値が取得される。そして、取得されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態に関連付けて学習値がRAM44に記憶される。異常判定処理部60では、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態が判定され、この判定結果に応じた学習値がRAM44から抽出される。そして、フロントサイドガラス32の移動位置毎に、フロントサイドガラス32の移動速度に応じた検出値が検出され、上述の抽出された学習値及び予め定められた補正値に基づいて算出された閾値と、検出値とを比較した結果が異常判定結果として出力される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一開閉体及び第二開閉体に隣接し、モータ駆動部によって開閉方向に移動される第三開閉体の移動時に処理を実行する学習値記憶処理部と、
前記学習値記憶処理部が処理を実行した回の後の回における前記第三開閉体の移動時に処理を実行する異常判定処理部と、
を備え、
前記学習値記憶処理部は、
前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を取得する開閉状態取得部と、
前記第三開閉体の移動位置毎の移動速度に応じた学習値を取得する学習値取得部と、
前記開閉状態取得部で取得された前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態に関連付けて前記学習値を記憶部に記憶させる記憶処理部と、
を有し、
前記異常判定処理部は、
前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を判定する開閉状態判定部と、
前記開閉状態判定部の判定結果に応じた前記学習値を前記記憶部から抽出する学習値抽出部と、
前記第三開閉体の移動位置毎に、前記第三開閉体の移動速度に応じた検出値を検出し、前記学習値抽出部によって抽出された前記学習値及び予め定められた補正値に基づいて算出された閾値と、前記検出値とを比較した結果を異常判定結果として出力する異常判定結果出力部と、
を有する、
開閉体制御装置。
【請求項2】
第一開閉体及び第二開閉体に隣接し、モータ駆動部によって開閉方向に移動される第三開閉体の移動時に処理を実行する学習値記憶処理部と、
前記学習値記憶処理部が処理を実行した回の後の回における前記第三開閉体の移動時に処理を実行する異常判定処理部と、
を備え、
前記学習値記憶処理部は、
前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を取得する開閉状態取得部と、
前記第三開閉体の移動位置毎の移動速度に応じた学習値を取得する学習値取得部と、
前記学習値取得部で取得された前記学習値のうち、前記開閉状態取得部で取得された前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態が予め定められた開閉状態である場合の前記学習値を記憶部に記憶させる記憶処理部と、
を有し、
前記異常判定処理部は、
前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を判定する開閉状態判定部と、
前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態に関連付けて予め記憶された補正値を前記開閉状態判定部の判定結果に応じて選択する補正値選択部と、
前記第三開閉体の移動位置毎に、前記第三開閉体の移動速度に応じた検出値を検出し、前記記憶部に記憶された前記学習値及び前記補正値に基づいて算出された閾値と、前記検出値とを比較した結果を異常判定結果として出力する異常判定結果出力部と、
を有する、
開閉体制御装置。
【請求項3】
第一開閉体及び第二開閉体に隣接し、モータ駆動部によって開閉方向に移動される第三開閉体の移動時に処理を実行する学習値記憶処理部と、
前記学習値記憶処理部が処理を実行した回の後の回における前記第三開閉体の移動時に処理を実行する異常判定処理部と、
を備え、
前記学習値記憶処理部は、
前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を取得する第一開閉状態取得部と、
前記第三開閉体の移動位置毎の移動速度に応じた学習値を取得する学習値取得部と、
前記第一開閉状態取得部で取得された前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態と、前記学習値とを記憶部に記憶させる記憶処理部と、
を有し、
前記異常判定処理部は、
前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を取得する第二開閉状態取得部と、
前記記憶部に記憶された前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態と、前記第二開閉状態取得部で取得された前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態との組み合わせより、予め設定されたテーブルから補正値を選択する補正値選択部と、
前記第三開閉体の移動位置毎に、前記第三開閉体の移動速度に応じた検出値を検出し、前記記憶部に記憶された前記学習値及び前記補正値に基づいて算出された閾値と、前記検出値とを比較した結果を異常判定結果として出力する異常判定結果出力部と、
を有する、
開閉体制御装置。
【請求項4】
第一開閉体及び第二開閉体に隣接し、モータ駆動部によって開閉方向に移動される第三開閉体の移動時に実行される学習値記憶処理と、
前記学習値記憶処理が実行された回の後の回における前記第三開閉体の移動時に実行される異常判定処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記学習値記憶処理として、
前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を取得する開閉状態取得処理と、
前記第三開閉体の移動位置毎の移動速度に応じた学習値を取得する学習値取得処理と、
前記開閉状態取得処理で取得された前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態に関連付けて、前記学習値を記憶部に記憶させる記憶処理と、
を前記コンピュータに実行させ、
前記異常判定処理として、
前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を判定する開閉状態判定処理と、
前記開閉状態判定処理の判定結果に応じた前記学習値を前記記憶部から抽出する学習値抽出処理と、
前記第三開閉体の移動位置毎に、前記第三開閉体の移動速度に応じた検出値を検出し、前記学習値抽出処理によって抽出された前記学習値及び予め定められた補正値に基づいて算出された閾値と、前記検出値とを比較した結果を異常判定結果として出力する異常判定結果出力処理と、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項5】
第一開閉体及び第二開閉体に隣接し、モータ駆動部によって開閉方向に移動される第三開閉体の移動時に実行される学習値記憶処理と、
前記学習値記憶処理が実行された回の後の回における前記第三開閉体の移動時に実行される異常判定処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記学習値記憶処理として、
前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を取得する開閉状態取得処理と、
前記第三開閉体の移動位置毎の移動速度に応じた学習値を取得する学習値取得処理と、
前記学習値取得処理で取得された前記学習値のうち、前記開閉状態取得処理によって取得された前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態が予め定められた開閉状態である場合の前記学習値を記憶部に記憶させる記憶処理と、
を前記コンピュータに実行させ、
前記異常判定処理として、
前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を判定する開閉状態判定処理と、
前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態に関連付けて予め記憶された補正値を前記開閉状態判定処理の判定結果に応じて選択する補正値選択処理と、
前記第三開閉体の移動位置毎に、前記第三開閉体の移動速度に応じた検出値を検出し、前記記憶部に記憶された前記学習値及び前記補正値に基づいて算出された閾値と、前記検出値とを比較した結果を異常判定結果として出力する異常判定結果出力処理と、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項6】
第一開閉体及び第二開閉体に隣接し、モータ駆動部によって開閉方向に移動される第三開閉体の移動時に実行される学習値記憶処理と、
前記学習値記憶処理が実行された回の後の回における前記第三開閉体の移動時に実行される異常判定処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記学習値記憶処理として、
前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を取得する第一開閉状態取得処理と、
前記第三開閉体の移動位置毎の移動速度に応じた学習値を取得する学習値取得処理と、
前記第一開閉状態取得処理で取得された前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態と、前記学習値とを記憶部に記憶させる記憶処理と、
を前記コンピュータに実行させ、
前記異常判定処理として、
前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を取得する第二開閉状態取得処理と、
前記記憶部に記憶された前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態と、前記第二開閉状態取得処理で取得された前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態との組み合わせより、予め設定されたテーブルから補正値を選択する補正値選択処理と、
前記第三開閉体の移動位置毎に、前記第三開閉体の移動速度に応じた検出値を検出し、前記記憶部に記憶された前記学習値及び前記補正値に基づいて算出された閾値と、前記検出値とを比較した結果を異常判定結果として出力する異常判定結果出力処理と、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉体制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
開閉体制御装置としては、例えば、次のものが公知である(例えば、特許文献1参照)。すなわち、公知の開閉体制御装置では、車両のフロントサイドガラスの移動位置毎におけるモータ電流を検出し、このモータ電流と閾値とを比較することで、フロントサイドガラスの挟み込みを判定している。
【0003】
ここで、例えばフロントサイドガラスと摺動するガラスランやガラスウェザストリップが経年変化すると、フロントサイドガラスに作用する摺動抵抗が変化し、これに伴ってフロントサイドガラスの移動位置毎のモータ電流も変化する。このように、経年変化等によりフロントサイドガラスの移動位置毎のモータ電流が変化する場合に、閾値が一定のままであると、フロントサイドガラスの挟み込みを正しく判定できない虞がある。
【0004】
そこで、公知の開閉体制御装置では、フロントサイドガラスが上昇する度に、フロントサイドガラスの移動位置毎のモータ電流を学習値として検出し、この学習値に補正値を加算して挟み込み検出の閾値を設定している。
【0005】
さらに、この公知の開閉体制御装置では、サッシュレスのハードトップ車の場合に、フロントドアの開状態と閉状態とでフロントサイドガラスに作用する摺動抵抗が異なる点に着目し、フロントドアの開状態用と閉状態用の二種類の補正値を用意している。そして、この補正値を学習値に加算することでフロントドアの開状態用と閉状態用の二種類の挟み込み検出の閾値を設定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許3484923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、例えば、ルーフ開閉式のサッシュレス車の場合には、例えば、ルーフやリアクオータガラスの開閉状態によって、フロントサイドガラスに作用する摺動抵抗が変化する。したがって、ルーフ開閉式のサッシュレス車に上述の開閉体制御装置が適用された場合には、ルーフやリアクオータガラスの各々の開閉状態に応じた適切な挟み込み検出を行うことができない虞がある。
【0008】
このような問題は、ルーフ開閉式のサッシュレス車に限らず、第一開閉体及び第二開閉体に隣接する第三開閉体をモータ駆動部によって開閉方向に移動させる乗り物等おいて、第三開閉体の移動中の挟み込み又は巻き込み等の異常を判定する場合にも発生することが想定される。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、第一開閉体及び第二開閉体に隣接する第三開閉体をモータ駆動部によって開閉方向に移動させる場合に、第三開閉体に生ずる異常を適切に判定できる開閉体制御装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の開閉体制御装置は、第一開閉体及び第二開閉体に隣接し、モータ駆動部によって開閉方向に移動される第三開閉体の移動時に処理を実行する学習値記憶処理部と、前記学習値記憶処理部が処理を実行した回の後の回における前記第三開閉体の移動時に処理を実行する異常判定処理部と、を備え、前記学習値記憶処理部は、前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を取得する開閉状態取得部と、前記第三開閉体の移動位置毎の移動速度に応じた学習値を取得する学習値取得部と、前記開閉状態取得部で取得された前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態に関連付けて前記学習値を記憶部に記憶させる記憶処理部と、を有し、前記異常判定処理部は、前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を判定する開閉状態判定部と、前記開閉状態判定部の判定結果に応じた前記学習値を前記記憶部から抽出する学習値抽出部と、前記第三開閉体の移動位置毎に、前記第三開閉体の移動速度に応じた検出値を検出し、前記学習値抽出部によって抽出された前記学習値及び予め定められた補正値に基づいて算出された閾値と、前記検出値とを比較した結果を異常判定結果として出力する異常判定結果出力部と、を有する。
【0011】
この開閉体制御装置によれば、学習値記憶処理部では、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態が取得される。また、第三開閉体の移動位置毎の移動速度に応じた学習値が取得される。そして、取得された第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態に関連付けて学習値が記憶部に記憶される。
【0012】
続いて、異常判定処理部では、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態が判定され、この判定結果に応じた学習値が記憶部から抽出される。そして、第三開閉体の移動位置毎に、第三開閉体の移動速度に応じた検出値が検出され、上述の抽出された学習値及び予め定められた補正値に基づいて算出された閾値と、検出値とを比較した結果が異常判定結果として出力される。
【0013】
したがって、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態に関連付けて記憶された学習値に基づいて異常判定が行われるので、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態によって第三開閉体に作用する摺動抵抗が変化する場合でも、第三開閉体について第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態に応じた適切な異常判定を行うことができる。
【0014】
請求項2に記載の開閉体制御装置は、第一開閉体及び第二開閉体に隣接し、モータ駆動部によって開閉方向に移動される第三開閉体の移動時に処理を実行する学習値記憶処理部と、前記学習値記憶処理部が処理を実行した回の後の回における前記第三開閉体の移動時に処理を実行する異常判定処理部と、を備え、前記学習値記憶処理部は、前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を取得する開閉状態取得部と、前記第三開閉体の移動位置毎の移動速度に応じた学習値を取得する学習値取得部と、前記学習値取得部で取得された前記学習値のうち、前記開閉状態取得部で取得された前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態が予め定められた開閉状態である場合の前記学習値を記憶部に記憶させる記憶処理部と、を有し、前記異常判定処理部は、前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を判定する開閉状態判定部と、前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態に関連付けて予め記憶された補正値を前記開閉状態判定部の判定結果に応じて選択する補正値選択部と、前記第三開閉体の移動位置毎に、前記第三開閉体の移動速度に応じた検出値を検出し、前記記憶部に記憶された前記学習値及び前記補正値に基づいて算出された閾値と、前記検出値とを比較した結果を異常判定結果として出力する異常判定結果出力部と、を有する。
【0015】
この開閉体制御装置によれば、学習値記憶処理部では、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態が取得される。また、第三開閉体の移動位置毎の移動速度に応じた学習値が取得される。そして、この取得された学習値のうち、上述の取得された第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態が予め定められた開閉状態である場合の学習値が記憶部に記憶される。
【0016】
続いて、異常判定処理部では、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態が判定され、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態に関連付けて予め記憶された補正値が上述の判定結果に応じて選択される。そして、第三開閉体の移動位置毎に、第三開閉体の移動速度に応じた検出値が検出され、記憶部に記憶された学習値及び選択された補正値に基づいて算出された閾値と、検出値とを比較した結果が異常判定結果として出力される。
【0017】
したがって、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態に関連付けて記憶された補正値によって補正された学習値に基づいて異常判定が行われるので、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態によって第三開閉体に作用する摺動抵抗が変化する場合でも、第三開閉体について第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態に応じた適切な異常判定を行うことができる。
【0018】
請求項3に記載の開閉体制御装置は、第一開閉体及び第二開閉体に隣接し、モータ駆動部によって開閉方向に移動される第三開閉体の移動時に処理を実行する学習値記憶処理部と、前記学習値記憶処理部が処理を実行した回の後の回における前記第三開閉体の移動時に処理を実行する異常判定処理部と、を備え、前記学習値記憶処理部は、前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を取得する第一開閉状態取得部と、前記第三開閉体の移動位置毎の移動速度に応じた学習値を取得する学習値取得部と、前記第一開閉状態取得部で取得された前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態と、前記学習値とを記憶部に記憶させる記憶処理部と、を有し、前記異常判定処理部は、前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を取得する第二開閉状態取得部と、前記記憶部に記憶された前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態と、前記第二開閉状態取得部で取得された前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態との組み合わせより、予め設定されたテーブルから補正値を選択する補正値選択部と、前記第三開閉体の移動位置毎に、前記第三開閉体の移動速度に応じた検出値を検出し、前記記憶部に記憶された前記学習値及び前記補正値に基づいて算出された閾値と、前記検出値とを比較した結果を異常判定結果として出力する異常判定結果出力部と、を有する。
【0019】
この開閉体制御装置によれば、学習値記憶処理時に、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態が取得される。また、第三開閉体の移動位置毎の移動速度に応じた学習値が取得される。そして、取得された第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態と学習値とが記憶部に記憶される。
【0020】
続いて、異常判定処理時に、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態が取得される。また、学習値記憶処理時に記憶部に記憶された第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態と、異常判定処理時に取得された第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態との組み合わせより、予め設定されたテーブルから補正値が選択される。そして、第三開閉体の移動位置毎に、第三開閉体の移動速度に応じた検出値が検出され、記憶部に記憶された学習値及び補正値に基づいて算出された閾値と、検出値とを比較した結果が異常判定結果として出力される。
【0021】
したがって、学習値記憶処理時に記憶部に記憶された第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態と、異常判定処理時に取得された第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態とに対応する補正値によって補正された学習値に基づいて異常判定が行われるので、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態によって第三開閉体に作用する摺動抵抗が変化する場合でも、第三開閉体について第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態に応じた適切な異常判定を行うことができる。
【0022】
請求項4に記載のプログラムは、第一開閉体及び第二開閉体に隣接し、モータ駆動部によって開閉方向に移動される第三開閉体の移動時に実行される学習値記憶処理と、前記学習値記憶処理が実行された回の後の回における前記第三開閉体の移動時に実行される異常判定処理と、をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記学習値記憶処理として、前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を取得する開閉状態取得処理と、前記第三開閉体の移動位置毎の移動速度に応じた学習値を取得する学習値取得処理と、前記開閉状態取得処理で取得された前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態に関連付けて、前記学習値を記憶部に記憶させる記憶処理と、を前記コンピュータに実行させ、前記異常判定処理として、前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を判定する開閉状態判定処理と、前記開閉状態判定処理の判定結果に応じた前記学習値を前記記憶部から抽出する学習値抽出処理と、前記第三開閉体の移動位置毎に、前記第三開閉体の移動速度に応じた検出値を検出し、前記学習値抽出処理によって抽出された前記学習値及び予め定められた補正値に基づいて算出された閾値と、前記検出値とを比較した結果を異常判定結果として出力する異常判定結果出力処理と、を前記コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0023】
このプログラムによれば、学習値記憶処理では、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態が取得される。また、第三開閉体の移動位置毎の移動速度に応じた学習値が取得される。そして、取得された第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態に関連付けて学習値が記憶部に記憶される。
【0024】
続いて、異常判定処理では、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態が判定され、この判定結果に応じた学習値が記憶部から抽出される。そして、第三開閉体の移動位置毎に、第三開閉体の移動速度に応じた検出値が検出され、上述の抽出された学習値及び予め定められた補正値に基づいて算出された閾値と、検出値とを比較した結果が異常判定結果として出力される。
【0025】
したがって、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態に関連付けて記憶された学習値に基づいて異常判定が行われるので、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態によって第三開閉体に作用する摺動抵抗が変化する場合でも、第三開閉体について第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態に応じた適切な異常判定を行うことができる。
【0026】
請求項5に記載のプログラムは、第一開閉体及び第二開閉体に隣接し、モータ駆動部によって開閉方向に移動される第三開閉体の移動時に実行される学習値記憶処理と、前記学習値記憶処理が実行された回の後の回における前記第三開閉体の移動時に実行される異常判定処理と、をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記学習値記憶処理として、前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を取得する開閉状態取得処理と、前記第三開閉体の移動位置毎の移動速度に応じた学習値を取得する学習値取得処理と、前記学習値取得処理で取得された前記学習値のうち、前記開閉状態取得処理によって取得された前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態が予め定められた開閉状態である場合の前記学習値を記憶部に記憶させる記憶処理と、を前記コンピュータに実行させ、前記異常判定処理として、前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を判定する開閉状態判定処理と、前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態に関連付けて予め記憶された補正値を前記開閉状態判定処理の判定結果に応じて選択する補正値選択処理と、前記第三開閉体の移動位置毎に、前記第三開閉体の移動速度に応じた検出値を検出し、前記記憶部に記憶された前記学習値及び前記補正値に基づいて算出された閾値と、前記検出値とを比較した結果を異常判定結果として出力する異常判定結果出力処理と、を前記コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0027】
このプログラムによれば、学習値記憶処理では、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態が取得される。また、第三開閉体の移動位置毎の移動速度に応じた学習値が取得される。そして、この取得された学習値のうち、上述の取得された第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態が予め定められた開閉状態である場合の学習値が記憶部に記憶される。
【0028】
続いて、異常判定処理では、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態が判定され、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態に関連付けて予め記憶された補正値が上述の判定結果に応じて選択される。そして、第三開閉体の移動位置毎に、第三開閉体の移動速度に応じた検出値が検出され、記憶部に記憶された学習値及び選択された補正値に基づいて算出された閾値と、検出値とを比較した結果が異常判定結果として出力される。
【0029】
したがって、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態に関連付けて記憶された補正値によって補正された学習値に基づいて異常判定が行われるので、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態によって第三開閉体に作用する摺動抵抗が変化する場合でも、第三開閉体について第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態に応じた適切な異常判定を行うことができる。
【0030】
請求項6に記載のプログラムは、第一開閉体及び第二開閉体に隣接し、モータ駆動部によって開閉方向に移動される第三開閉体の移動時に実行される学習値記憶処理と、前記学習値記憶処理が実行された回の後の回における前記第三開閉体の移動時に実行される異常判定処理と、をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記学習値記憶処理として、前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を取得する第一開閉状態取得処理と、前記第三開閉体の移動位置毎の移動速度に応じた学習値を取得する学習値取得処理と、前記第一開閉状態取得処理で取得された前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態と、前記学習値とを記憶部に記憶させる記憶処理と、を前記コンピュータに実行させ、前記異常判定処理として、前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態を取得する第二開閉状態取得処理と、前記記憶部に記憶された前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態と、前記第二開閉状態取得処理で取得された前記第一開閉体及び前記第二開閉体の各々の開閉状態との組み合わせより、予め設定されたテーブルから補正値を選択する補正値選択処理と、前記第三開閉体の移動位置毎に、前記第三開閉体の移動速度に応じた検出値を検出し、前記記憶部に記憶された前記学習値及び前記補正値に基づいて算出された閾値と、前記検出値とを比較した結果を異常判定結果として出力する異常判定結果出力処理と、を前記コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0031】
このプログラムによれば、学習値記憶処理時に、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態が取得される。また、第三開閉体の移動位置毎の移動速度に応じた学習値が取得される。そして、取得された第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態と学習値とが記憶部に記憶される。
【0032】
続いて、異常判定処理時に、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態が取得される。また、学習値記憶処理時に記憶部に記憶された第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態と、異常判定処理時に取得された第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態との組み合わせより、予め設定されたテーブルから補正値が選択される。そして、第三開閉体の移動位置毎に、第三開閉体の移動速度に応じた検出値が検出され、記憶部に記憶された学習値及び補正値に基づいて算出された閾値と、検出値とを比較した結果が異常判定結果として出力される。
【0033】
したがって、学習値記憶処理時に記憶部に記憶された第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態と、異常判定処理時に取得された第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態とに対応する補正値によって補正された学習値に基づいて異常判定が行われるので、第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態によって第三開閉体に作用する摺動抵抗が変化する場合でも、第三開閉体について第一開閉体及び第二開閉体の各々の開閉状態に応じた適切な異常判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】第一実施形態に係る開閉体制御装置のブロック図である。
図2図1のルーフ、フロントサイドガラス及びリアクオータガラスの側面図である。
図3図1のルーフ及びリアクオータガラスが閉状態でフロントサイドガラスが上昇するときのモータ回転速度とパルスエッジ数との関係を示すグラフである。
図4図1のルーフ及びフロントサイドガラスが閉状態でリアクオータガラスが上昇するときのモータ回転速度とパルスエッジ数との関係を示すグラフである。
図5図1のフロントサイドガラスが上昇するときにルーフ及びリアクオータガラスの各々の開閉状態に応じてモータ回転速度が変化することを説明する図である。
図6図1のフロントサイドガラスが下降するときにルーフ及びリアクオータガラスの各々の開閉状態に応じてモータ回転速度が変化することを説明する図である。
図7図1のリアクオータガラスが上昇するときにルーフ及びフロントサイドガラスの各々の開閉状態に応じてモータ回転速度が変化することを説明する図である。
図8図1のリアクオータガラスが下降するときにルーフ及びフロントサイドガラスの各々の開閉状態に応じてモータ回転速度が変化することを説明する図である。
図9図1の学習値記憶処理部が実行する挟み込み学習値記憶処理の流れを示すフローチャートである。
図10図1の異常判定処理部が実行する挟み込み判定処理の流れを示すフローチャートである。
図11図1の学習値記憶処理部が実行する巻き込み学習値記憶処理の流れを示すフローチャートである。
図12図1の異常判定処理部が実行する巻き込み判定処理の流れを示すフローチャートである。
図13】第二実施形態に係る開閉体制御装置のブロック図である。
図14図13の学習値記憶処理部が実行する挟み込み学習値記憶処理の流れを示すフローチャートである。
図15図13の異常判定処理部が実行する挟み込み判定処理の流れを示すフローチャートである。
図16図13の学習値記憶処理部が実行する巻き込み学習値記憶処理の流れを示すフローチャートである。
図17図13の異常判定処理部が実行する巻き込み判定処理の流れを示すフローチャートである。
図18】第三実施形態に係る開閉体制御装置のブロック図である。
図19図18の学習値記憶処理部が実行する挟み込み学習値記憶処理の流れを示すフローチャートである。
図20図18の異常判定処理部が実行する挟み込み判定処理の流れを示すフローチャートである。
図21図18の異常判定処理部が実行する挟み込み判定処理で使用されるテーブルを示す図である。
図22図18の学習値記憶処理部が実行する巻き込み学習値記憶処理の流れを示すフローチャートである。
図23図18の異常判定処理部が実行する巻き込み判定処理の流れを示すフローチャートである。
図24図18の異常判定処理部が実行する巻き込み判定処理で使用されるテーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[第一実施形態]
はじめに、本発明の第一実施形態について説明する。
【0036】
図1には、第一実施形態に係る開閉体制御装置10がブロック図で示されている。第一実施形態では、一例として、開閉体制御装置10がルーフ開閉式のサッシュレス車に適用された例について説明する。
【0037】
第一実施形態に係る開閉体制御装置10は、ボデーECU12(Electrical Control Unit)と、ルーフ制御ECU14と、複数のパワーウィンドウECU16と、複数のモータ駆動部18、20を備える。
【0038】
ボデーECU12には、ルーフ制御ECU14及び複数のパワーウィンドウECU16が通信可能に接続されている。複数のパワーウィンドウECU16の各々は、FR席(右前席)用、RR席(右後席)用、FL席(左前席)用及びRL席(左後席)用である。複数のパワーウィンドウECU16は、互いに通信可能に接続されている。
【0039】
ルーフ制御ECU14には、ルーフ開閉スイッチ22及びルーフ開閉検出器24が接続されている。また、FR席のパワーウィンドウECU16には、FR席のパワーウィンドウスイッチ26が接続されており、RR席のパワーウィンドウECU16には、RR席のパワーウィンドウスイッチ26が接続されている。同様に、FL席のパワーウィンドウECU16には、FL席のパワーウィンドウスイッチ26が接続されており、RL席のパワーウィンドウECU16には、RL席のパワーウィンドウスイッチ26が接続されている。
【0040】
ルーフ用のモータ駆動部18は、折り畳み格納式のルーフ30と接続されている。また、FR席のモータ駆動部20は、FR席のフロントサイドガラス32と接続されており、RR席のモータ駆動部20は、RR席のリアクオータガラス34と接続されている。同様に、FL席のモータ駆動部20は、FL席のフロントサイドガラス32と接続されており、RL席のモータ駆動部20は、RL席のリアクオータガラス34と接続されている。
【0041】
ルーフ30は、展開された状態から車両後側に向けて移動しながら折り畳まれて車体後部の格納部に格納された状態と、格納部に格納された状態から車両前側に向けて移動しながら展開された状態とに移り変わるように開閉可能である。各フロントサイドガラス32は、車両のフロントサイドドアに上下方向を開閉方向として移動可能(昇降可能)に支持されており、各リアクオータガラス34は、車体後側部に上下方向を開閉方向として移動可能(昇降可能)に支持されている。
【0042】
ルーフ用のモータ駆動部18は、ルーフ30を開閉させる構成である。FR席及びFL席のモータ駆動部20は、FR席及びFL席のフロントサイドガラス32をそれぞれ開閉方向に移動させる構成であり、RR席及びRL席のモータ駆動部20は、RR席及びRL席のリアクオータガラス34をそれぞれ開閉方向に移動させる構成である。
【0043】
各パワーウィンドウECU16は、CPU40(Central Processing Unit)と、ROM42(Read Only Memory)と、RAM44(Random Access Memory)を有する。ROM42には、プログラム46が記憶されている。CPU40は、中央演算処理ユニット(コンピュータ)であり、ROM42に記憶されているプログラム46を読み出して実行するか、又は、プログラム46をRAM44に展開して実行する。RAM44は、「記憶部」の一例である。
【0044】
この各パワーウィンドウECU16は、パワーウィンドウスイッチ26の操作に応じて出力された信号を検出した場合に機能する機能部として、学習値記憶処理部50と、異常判定処理部60を有する。
【0045】
学習値記憶処理部50は、開閉状態取得部51と、作動判定部52と、学習値取得部53と、開閉状態判定部54と、記憶処理部55を有する。異常判定処理部60は、開閉状態取得部61と、作動判定部62と、開閉状態判定部63と、学習値抽出部64と、閾値算出部65と、異常判定結果出力部66を有する。これらの機能部は、CPU40がプログラム46を実行することにより実現される。
【0046】
ルーフ開閉検出器24は、ルーフ30の開閉状態を検出し、ルーフ制御ECU14は、ルーフ30の開閉状態に応じた信号をボデーECU12に出力する。ボデーECU12は、ルーフ制御ECU14から出力された信号を各パワーウィンドウECU16に出力する。
【0047】
図2は、図1のルーフ30、フロントサイドガラス32及びリアクオータガラス34の側面図である。ルーフ30、フロントサイドガラス32及びリアクオータガラス34は、互いに隣接して設けられている。フロントガラス28におけるフロントサイドガラス32との境界部、及び、ルーフ30におけるフロントサイドガラス32及びリアクオータガラス34との境界部には、ガラスラン36がそれぞれ設けられている。また、リアクオータガラス34におけるフロントサイドガラス32との境界部、すなわち、リアクオータガラス34の前端部34Aには、ガラスウェザストリップ38が設けられている。
【0048】
フロントサイドガラス32は、リアクオータガラス34の前端部34Aと平行な方向に沿って昇降し、リアクオータガラス34は、フロントサイドガラス32の後端部32Aに対して斜めの方向に沿って昇降する。
【0049】
図3には、図1のルーフ30及びリアクオータガラス34が閉状態でフロントサイドガラス32が上昇するときのモータ回転速度とパルスエッジ数との関係が示されている。モータ回転速度は、フロントサイドガラス32を昇降させるモータ駆動部20のモータ回転速度であり、パルスエッジ数は、パルス発生器から発生されたパルスのエッジ数である。
【0050】
図2図3に示されるように、ルーフ30及びリアクオータガラス34が閉じた状態でフロントサイドガラス32が上昇するときには、フロントサイドガラス32が位置A、位置B、位置Cの順に上昇することに伴って、フロントサイドガラス32に作用するガラスラン36及びガラスウェザストリップ38との摺動抵抗が増加し、モータ回転速度が低下する。
【0051】
図4には、図1のルーフ30及びフロントサイドガラス32が閉状態でリアクオータガラス34が上昇するときのモータ回転速度とパルスエッジ数との関係が示されている。モータ回転速度は、リアクオータガラス34を昇降させるモータ駆動部20のモータ回転速度である。
【0052】
図2図4に示されるように、ルーフ30及びフロントサイドガラス32が閉じた状態でリアクオータガラス34が上昇するときには、リアクオータガラス34が位置A、位置B、位置Cの順に上昇することに伴って、リアクオータガラス34に作用するガラスラン36及びフロントサイドガラス32との摺動抵抗が増加し、モータ回転速度が低下する。
【0053】
なお、ルーフ30が閉じた状態とは、ルーフ30が全閉した状態に相当する。ルーフ30が閉じた状態では、フロントサイドガラス32及びリアクオータガラス34が昇降するときにガラスラン36との摺動抵抗がフロントサイドガラス32及びリアクオータガラス34に作用する。
【0054】
一方、ルーフ30が開いた状態とは、ルーフ30が半開又は全開した状態に相当する。ルーフ30が開いた状態では、フロントサイドガラス32及びリアクオータガラス34が昇降するときにガラスラン36との摺動抵抗がフロントサイドガラス32及びリアクオータガラス34に作用しない。
【0055】
また、フロントサイドガラス32が閉じた状態とは、フロントサイドガラス32が全閉した状態に相当する。フロントサイドガラス32が閉じた状態では、リアクオータガラス34が昇降するときにフロントサイドガラス32との摺動抵抗がリアクオータガラス34に作用する。
【0056】
一方、フロントサイドガラス32が開いた状態とは、フロントサイドガラス32が全開した状態に加えて、リアクオータガラス34が昇降するときにフロントサイドガラス32との摺動抵抗がリアクオータガラス34に作用しない程度の開度でフロントサイドガラス32が開いた状態も相当する。フロントサイドガラス32が開いた状態では、リアクオータガラス34が昇降するときにフロントサイドガラス32との摺動抵抗がリアクオータガラス34に作用しない。
【0057】
また、リアクオータガラス34が閉じた状態とは、リアクオータガラス34が全閉した状態に相当する。リアクオータガラス34が閉じた状態では、フロントサイドガラス32が昇降するときにガラスウェザストリップ38との摺動抵抗がフロントサイドガラス32に作用する。
【0058】
一方、リアクオータガラス34が開いた状態とは、リアクオータガラス34が全開した状態に加えて、フロントサイドガラス32が昇降するときにガラスウェザストリップ38との摺動抵抗がフロントサイドガラス32に作用しない程度の開度でリアクオータガラス34が開いた状態も相当する。リアクオータガラス34が開いた状態では、フロントサイドガラス32が昇降するときにガラスウェザストリップ38との摺動抵抗がフロントサイドガラス32に作用しない。
【0059】
図5は、図1のフロントサイドガラス32が上昇するときにルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態に応じてモータ回転速度が変化することを説明する図である。
【0060】
図5(A)に示されるように、ルーフ30及びリアクオータガラス34が閉じた状態でフロントサイドガラス32が上昇するときには、ガラスラン36及びガラスウェザストリップ38との摺動抵抗がフロントサイドガラス32に作用する。そして、ガラスラン36及びガラスウェザストリップ38との摺動抵抗が作用しない場合に比して、ガラスウェザストリップ38との摺動抵抗による影響(1)、及び、ガラスラン36との摺動抵抗による影響(2)により、それぞれモータ回転速度が低下する。
【0061】
また、図5(B)に示されるように、ルーフ30が閉じた状態及びリアクオータガラス34が開いた状態でフロントサイドガラス32が上昇するときには、ガラスラン36との摺動抵抗がフロントサイドガラス32に作用する。そして、ガラスラン36との摺動抵抗が作用しない場合に比して、ガラスラン36との摺動抵抗による影響(2)により、モータ回転速度が低下する。
【0062】
また、図5(C)に示されるように、ルーフ30が開いた状態及びリアクオータガラス34が閉じた状態でフロントサイドガラス32が上昇するときには、ガラスウェザストリップ38との摺動抵抗がフロントサイドガラス32に作用する。そして、ガラスウェザストリップ38との摺動抵抗が作用しない場合に比して、ガラスウェザストリップ38との摺動抵抗による影響(1)により、モータ回転速度が低下する。
【0063】
また、図5(D)に示されるように、ルーフ30及びリアクオータガラス34が開いた状態でフロントサイドガラス32が上昇するときには、ガラスラン36及びガラスウェザストリップ38との摺動抵抗がフロントサイドガラス32に作用しない。したがって、ガラスラン36及びガラスウェザストリップ38との摺動抵抗による影響がないので、モータ回転速度の低下が抑制される。
【0064】
図6は、図1のフロントサイドガラス32が下降するときにルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態に応じてモータ回転速度が変化することを説明する図である。
【0065】
図6(A)に示されるように、ルーフ30及びリアクオータガラス34が閉じた状態でフロントサイドガラス32が下降するときには、ガラスラン36及びガラスウェザストリップ38との摺動抵抗がフロントサイドガラス32に作用する。そして、ガラスラン36及びガラスウェザストリップ38との摺動抵抗が作用しない場合に比して、ガラスラン36との摺動抵抗による影響(1)、及び、ガラスウェザストリップ38との摺動抵抗による影響(2)により、それぞれモータ回転速度が低下する。
【0066】
また、図6(B)に示されるように、ルーフ30が閉じた状態及びリアクオータガラス34が開いた状態でフロントサイドガラス32が下降するときには、ガラスラン36との摺動抵抗がフロントサイドガラス32に作用する。そして、ガラスラン36との摺動抵抗が作用しない場合に比して、ガラスラン36との摺動抵抗による影響(1)により、モータ回転速度が低下する。
【0067】
また、図6(C)に示されるように、ルーフ30が開いた状態及びリアクオータガラス34が閉じた状態でフロントサイドガラス32が下降するときには、ガラスウェザストリップ38との摺動抵抗がフロントサイドガラス32に作用する。そして、ガラスウェザストリップ38との摺動抵抗が作用しない場合に比して、ガラスウェザストリップ38との摺動抵抗による影響(2)により、モータ回転速度が低下する。
【0068】
また、図6(D)に示されるように、ルーフ30及びリアクオータガラス34が開いた状態でフロントサイドガラス32が下降するときには、ガラスラン36及びガラスウェザストリップ38との摺動抵抗がフロントサイドガラス32に作用しない。したがって、ガラスラン36及びガラスウェザストリップ38との摺動抵抗による影響がないので、モータ回転速度の低下が抑制される。
【0069】
図7は、図1のリアクオータガラス34が上昇するときにルーフ30及びフロントサイドガラス32の各々の開閉状態に応じてモータ回転速度が変化することを説明する図である。
【0070】
図7(A)に示されるように、ルーフ30及びフロントサイドガラス32が閉じた状態でリアクオータガラス34が上昇するときには、ガラスラン36及びフロントサイドガラス32との摺動抵抗がリアクオータガラス34に作用する。そして、ガラスラン36及びフロントサイドガラス32との摺動抵抗が作用しない場合に比して、ガラスラン36との摺動抵抗による影響(1)、及び、フロントサイドガラス32との摺動抵抗による影響(2)により、それぞれモータ回転速度が低下する。
【0071】
また、図7(B)に示されるように、ルーフ30が閉じた状態及びフロントサイドガラス32が開いた状態でリアクオータガラス34が上昇するときには、ガラスラン36との摺動抵抗がリアクオータガラス34に作用する。そして、ガラスラン36との摺動抵抗が作用しない場合に比して、ガラスラン36との摺動抵抗による影響(1)により、モータ回転速度が低下する。
【0072】
また、図7(C)に示されるように、ルーフ30が開いた状態及びフロントサイドガラス32が閉じた状態でリアクオータガラス34が上昇するときには、フロントサイドガラス32との摺動抵抗がリアクオータガラス34に作用する。そして、フロントサイドガラス32との摺動抵抗が作用しない場合に比して、フロントサイドガラス32との摺動抵抗による影響(2)により、モータ回転速度が低下する。
【0073】
また、図7(D)に示されるように、ルーフ30及びフロントサイドガラス32が開いた状態でリアクオータガラス34が上昇するときには、ガラスラン36及びフロントサイドガラス32との摺動抵抗がリアクオータガラス34に作用しない。したがって、ガラスラン36及びフロントサイドガラス32との摺動抵抗による影響がないので、モータ回転速度の低下が抑制される。
【0074】
図8は、図1のリアクオータガラス34が下降するときにルーフ30及びフロントサイドガラス32の各々の開閉状態に応じてモータ回転速度が変化することを説明する図である。
【0075】
図8(A)に示されるように、ルーフ30及びフロントサイドガラス32が閉じた状態でリアクオータガラス34が下降するときには、ガラスラン36及びフロントサイドガラス32との摺動抵抗がリアクオータガラス34に作用する。そして、ガラスラン36及びフロントサイドガラス32との摺動抵抗が作用しない場合に比して、フロントサイドガラス32との摺動抵抗による影響(1)、及び、ガラスラン36との摺動抵抗による影響(2)により、それぞれモータ回転速度が低下する。
【0076】
また、図8(B)に示されるように、ルーフ30が閉じた状態及びフロントサイドガラス32が開いた状態でリアクオータガラス34が下降するときには、ガラスラン36との摺動抵抗がリアクオータガラス34に作用する。そして、ガラスラン36との摺動抵抗が作用しない場合に比して、ガラスラン36との摺動抵抗による影響(2)により、モータ回転速度が低下する。
【0077】
また、図8(C)に示されるように、ルーフ30が開いた状態及びフロントサイドガラス32が閉じた状態でリアクオータガラス34が下降するときには、フロントサイドガラス32との摺動抵抗がリアクオータガラス34に作用する。そして、フロントサイドガラス32との摺動抵抗が作用しない場合に比して、フロントサイドガラス32との摺動抵抗による影響(1)により、モータ回転速度が低下する。
【0078】
また、図8(D)に示されるように、ルーフ30及びフロントサイドガラス32が開いた状態でリアクオータガラス34が下降するときには、ガラスラン36及びフロントサイドガラス32との摺動抵抗がリアクオータガラス34に作用しない。したがって、ガラスラン36及びフロントサイドガラス32との摺動抵抗による影響がないので、モータ回転速度の低下が抑制される。
【0079】
次に、第一実施形態に係る開閉体制御装置10における挟み込み検出処理の一例について説明する。
【0080】
挟み込み検出処理では、挟み込み学習値記憶処理と、挟み込み判定処理が実行される。挟み込み学習値記憶処理は、学習値記憶処理部50によって実行され、挟み込み判定処理は、異常判定処理部60によって実行される。挟み込み学習値記憶処理は、「学習値記憶処理」の一例であり、挟み込み判定処理は、「異常判定処理」の一例である。図9には、挟み込み学習値記憶処理の流れが示されており、図10には、挟み込み判定処理の流れが示されている。
【0081】
本例では、一例として、FR席のフロントサイドガラス32が上昇するときの挟み込みを検出する例について説明する。図9図10において、「対象となるガラス」は、FR席のフロントサイドガラス32であり、「前後に隣接するガラス」は、RR席のリアクオータガラス34である。また、本例において、ルーフ30は、「第一開閉体」に相当し、RR席のリアクオータガラス34は、「第二開閉体」に相当し、FR席のフロントサイドガラス32は、「第三開閉体」に相当する。
【0082】
(挟み込み学習値記憶処理のステップS1−1:開閉状態取得処理)
FR席のパワーウィンドウECU16は、FR席のパワーウィンドウスイッチ26から閉操作に応じて出力された信号を検出すると、図9に示される挟み込み学習値記憶処理を開始する。ステップS1−1では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(開閉状態取得部51)が、ルーフ制御ECU14から出力された信号に基づいてルーフ30の開閉状態を取得する。
【0083】
(挟み込み学習値記憶処理のステップS1−2:開閉状態取得処理)
ステップS1−2では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(開閉状態取得部51)が、RR席のパワーウィンドウECU16から出力された信号に基づいてリアクオータガラス34の開閉状態を取得する。
【0084】
(挟み込み学習値記憶処理のステップS2:作動判定処理)
ステップS2では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(作動判定部52)が、FR席のモータ駆動部20の作動状態を判定する。ここで、CPU40(作動判定部52)は、FR席のモータ駆動部20が閉作動状態ではなく異常停止状態であると判定した場合には、一連の処理を終了する。一方、CPU40(作動判定部52)は、FR席のモータ駆動部20が閉作動状態であると判定した場合には、ステップS3に移行する。
【0085】
(挟み込み学習値記憶処理のステップS3:学習値取得処理)
ステップS3では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(学習値取得部53)が、FR席のモータ駆動部20から出力された信号に基づいてフロントサイドガラス32における移動位置毎のモータ回転速度を学習値として取得する。この学習値としてのモータ回転速度は、フロントサイドガラス32における移動位置毎の移動速度に対応しており、「第三開閉体の移動位置毎の移動速度に応じた学習値」に相当する。
【0086】
(挟み込み学習値記憶処理のステップS4:開閉状態判定処理)
ステップS4では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(開閉状態判定部54)が、上述のステップS1−1及びステップS1−2で取得されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態を判定する。
【0087】
(挟み込み学習値記憶処理のステップS5:記憶処理)
ステップS5では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(記憶処理部55)が、上述のステップS4の判定結果に基づき、ステップS1−1及びステップS1−2で取得されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態に関連付けて学習値をRAM44に記憶させる。
【0088】
つまり、ルーフ30が閉状態でリアクオータガラス34が閉状態である場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(記憶処理部55)は、ステップS5−1を実行する。そして、CPU40(記憶処理部55)は、フロントサイドガラス32の移動位置毎の学習値であるモータ回転速度を、ルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の閉状態と関連付けて、RAM44の第一記憶領域に記憶させる。
【0089】
また、ルーフ30が閉状態でリアクオータガラス34が開状態である場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(記憶処理部55)は、ステップS5−2を実行する。そして、CPU40(記憶処理部55)は、フロントサイドガラス32の移動位置毎の学習値であるモータ回転速度を、ルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の開状態と関連付けて、RAM44の第二記憶領域に記憶させる。
【0090】
また、ルーフ30が開状態でリアクオータガラス34が閉状態である場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(記憶処理部55)は、ステップS5−3を実行する。そして、CPU40(記憶処理部55)は、フロントサイドガラス32の移動位置毎の学習値であるモータ回転速度を、ルーフ30の開状態及びリアクオータガラス34の閉状態と関連付けて、RAM44の第三記憶領域に記憶させる。
【0091】
また、ルーフ30が開状態でリアクオータガラス34が開状態である場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(記憶処理部55)は、ステップS5−4を実行する。そして、CPU40(記憶処理部55)は、フロントサイドガラス32の移動位置毎の学習値であるモータ回転速度を、ルーフ30の開状態及びリアクオータガラス34の開状態と関連付けて、RAM44の第四記憶領域に記憶させる。
【0092】
ルーフ30が閉状態でリアクオータガラス34が閉状態である場合、ルーフ30が閉状態でリアクオータガラス34が開状態である場合、ルーフ30が開状態でリアクオータガラス34が閉状態である場合、ルーフ30が開状態でリアクオータガラス34が開状態である場合のそれぞれの場合に、フロントサイドガラス32が上昇されると、RAM44の第一乃至第四記憶領域に、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態に関連付けて学習値が記憶される。RAM44には、上述の挟み込み学習値記憶処理が実行される毎に新しい学習値が記憶される。
【0093】
続いて、挟み込み判定処理について説明する。挟み込み判定処理は、上述の挟み込み学習値記憶処理が実行された回の後の回(好ましくは、次の回)におけるフロントサイドガラス32の上昇時に実行される。なお、挟み込み判定処理が実行されると同時に、この挟み込み判定処理が実行される回の次の回の挟み込み学習値記憶処理が実行される。
【0094】
(挟み込み判定処理のステップS11−1:開閉状態取得処理)
FR席のパワーウィンドウECU16は、FR席のパワーウィンドウスイッチ26から閉操作に応じて出力された信号を検出すると、図10に示される挟み込み判定処理を開始する。ステップS11−1では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(開閉状態取得部61)が、ルーフ制御ECU14から出力された信号に基づいてルーフ30の開閉状態を取得する。
【0095】
(挟み込み判定処理のステップS11−2:開閉状態取得処理)
ステップS11−2では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(開閉状態取得部61)が、RR席のパワーウィンドウECU16から出力された信号に基づいてリアクオータガラス34の開閉状態を取得する。
【0096】
(挟み込み判定処理のステップS12:作動判定処理)
ステップS12では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(作動判定部62)が、FR席のモータ駆動部20の作動状態を判定する。ここで、CPU40(作動判定部62)は、FR席のモータ駆動部20が閉作動状態ではなく異常停止状態であると判定した場合には、一連の処理を終了する。一方、CPU40(作動判定部62)は、FR席のモータ駆動部20が閉作動状態であると判定した場合には、ステップS13に移行する。
【0097】
(挟み込み判定処理のステップS13:開閉状態判定処理)
ステップS13では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(開閉状態判定部63)が、上述のステップS11−1及びステップS11−2で取得されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態を判定する。
【0098】
(挟み込み判定処理のステップS14:学習値抽出処理)
ステップS14では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(学習値抽出部64)が、上述のステップS13の判定結果に応じた学習値をRAM44から抽出する。
【0099】
つまり、ルーフ30が閉状態でリアクオータガラス34が閉状態であると判定された場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(学習値抽出部64)は、ステップS14−1を実行する。そして、CPU40(学習値抽出部64)は、ルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の閉状態に関連付けてRAM44の第一記憶領域に記憶された学習値であるフロントサイドガラス32における移動位置毎のモータ回転速度を抽出する。
【0100】
また、ルーフ30が閉状態でリアクオータガラス34が開状態であると判定された場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(学習値抽出部64)は、ステップS14−2を実行する。そして、CPU40(学習値抽出部64)は、ルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の開状態に関連付けてRAM44の第二記憶領域に記憶された学習値であるフロントサイドガラス32における移動位置毎のモータ回転速度を抽出する。
【0101】
また、ルーフ30が開状態でリアクオータガラス34が閉状態であると判定された場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(学習値抽出部64)は、ステップS14−3を実行する。そして、CPU40(学習値抽出部64)は、ルーフ30の開状態及びリアクオータガラス34の閉状態に関連付けてRAM44の第三記憶領域に記憶された学習値であるフロントサイドガラス32における移動位置毎のモータ回転速度を抽出する。
【0102】
また、ルーフ30が開状態でリアクオータガラス34が開状態であると判定された場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(学習値抽出部64)は、ステップS14−4を実行する。そして、CPU40(学習値抽出部64)は、ルーフ30の開状態及びリアクオータガラス34の開状態に関連付けてRAM44の第四記憶領域に記憶された学習値であるフロントサイドガラス32における移動位置毎のモータ回転速度を抽出する。
【0103】
(挟み込み判定処理のステップS15:閾値算出処理)
ステップS15では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(閾値算出部65)が、上述のステップS14で抽出された学習値及び予め定められた補正値に基づいて、フロントサイドガラス32の移動位置毎の閾値を算出する。すなわち、CPU40(閾値算出部65)は、フロントサイドガラス32における移動位置毎の学習値であるモータ回転速度から、予め定められた補正値であるモータ回転速度を減算して閾値を算出する。予め定められた補正値は、挟み込みを検出するために定められる任意の値である。
【0104】
(挟み込み判定処理のステップS16:異常判定結果出力処理)
ステップS16では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(異常判定結果出力部66)が、フロントサイドガラス32における移動位置毎に、FR席のモータ駆動部20から出力された信号に基づいてモータ回転速度を検出値として検出する。このモータ回転速度は、フロントサイドガラス32の移動速度に対応しており、「第三開閉体の移動速度に応じた検出値」に相当する。
【0105】
そして、CPU40(異常判定結果出力部66)は、上述のステップS15で算出された閾値と検出値とを比較し、この比較した結果を挟み込み判定結果(異常判定結果)として出力する。このとき、検出値が閾値以上である場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(異常判定結果出力部66)は、挟み込み無しとする挟み込み判定結果を出力する。一方、検出値が閾値未満である場合、CPU40(異常判定結果出力部66)は、挟み込み有りとする挟み込み判定結果を出力する。
【0106】
CPU40(異常判定結果出力部66)によって挟み込み有りとする挟み込み判定結果が出力された場合、FR席のパワーウィンドウECU16は、FR席のモータ駆動部20を反転動作させる。これにより、フロントサイドガラス32が下降し、挟み込みが防止される。
【0107】
(作用効果)
以上詳述した通り、第一実施形態に係る開閉体制御装置10によれば、学習値記憶処理では、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態が取得される。また、フロントサイドガラス32の移動位置毎の学習値としてフロントサイドガラス32を上昇させるモータ駆動部20のモータ回転速度が取得される。そして、取得されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態に関連付けて学習値がRAM44に記憶される。
【0108】
続いて、異常判定処理では、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態が判定され、この判定結果に応じた学習値がRAM44から抽出される。そして、フロントサイドガラス32の移動位置毎に、フロントサイドガラス32を上昇させるモータ駆動部20のモータ回転速度が検出値として検出され、上述の抽出された学習値及び予め定められた補正値に基づいて算出された閾値と、検出値とを比較した結果が挟み込み判定結果として出力される。
【0109】
したがって、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態に関連付けて記憶された学習値に基づいて挟み込み判定が行われるので、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態によってフロントサイドガラス32に作用する摺動抵抗が変化する場合でも、フロントサイドガラス32についてルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態に応じた適切な挟み込み判定を行うことができる。
【0110】
(本例における他の動作)
本例では、一例として、FR席のフロントサイドガラス32が上昇するときの挟み込みを検出するが、FL席のフロントサイドガラス32が上昇するときの挟み込みを検出する場合も、上記と同様である。この場合、ルーフ30は、「第一開閉体」に相当し、RL席のリアクオータガラス34は、「第二開閉体」に相当し、FL席のフロントサイドガラス32は、「第三開閉体」に相当する。
【0111】
また、RR席又はRL席のリアクオータガラス34が上昇するときの挟み込みを検出する場合も、上記と同様である。この場合、ルーフ30は、「第一開閉体」に相当し、FR席又はFL席のフロントサイドガラス32は、「第二開閉体」に相当し、RR席又はRL席のリアクオータガラス34は、「第三開閉体」に相当する。また、この場合、図9図10において、「対象となるガラス」は、RR席又はRL席のリアクオータガラス34であり、「前後に隣接するガラス」は、FR席又はFL席のフロントサイドガラス32である。
【0112】
次に、第一実施形態に係る開閉体制御装置10における巻き込み検出処理の一例について説明する。
【0113】
巻き込み検出処理では、巻き込み学習値記憶処理と、巻き込み判定処理が実行される。巻き込み学習値記憶処理は、学習値記憶処理部50によって実行され、巻き込み判定処理は、異常判定処理部60によって実行される。巻き込み学習値記憶処理は、「学習値記憶処理」の一例であり、巻き込み判定処理は、「異常判定処理」の一例である。図11には、巻き込み学習値記憶処理の流れが示されており、図12には、巻き込み判定処理の流れが示されている。
【0114】
本例では、一例として、FR席のフロントサイドガラス32が下降する場合の巻き込みを検出する例について説明する。図11図12において、「対象となるガラス」は、FR席のフロントサイドガラス32であり、「前後に隣接するガラス」は、RR席のリアクオータガラス34である。また、本例において、ルーフ30は、「第一開閉体」に相当し、RR席のリアクオータガラス34は、「第二開閉体」に相当し、FR席のフロントサイドガラス32は、「第三開閉体」に相当する。
【0115】
(巻き込み学習値記憶処理のステップS21−1:開閉状態取得処理)
FR席のパワーウィンドウECU16は、FR席のパワーウィンドウスイッチ26から開操作に応じて出力された信号を検出すると、図11に示される巻き込み学習値記憶処理を開始する。ステップS21−1では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(開閉状態取得部51)が、ルーフ制御ECU14から出力された信号に基づいてルーフ30の開閉状態を取得する。
【0116】
(巻き込み学習値記憶処理のステップS21−2:開閉状態取得処理)
ステップS21−2では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(開閉状態取得部51)が、RR席のパワーウィンドウECU16から出力された信号に基づいてリアクオータガラス34の開閉状態を取得する。
【0117】
(巻き込み学習値記憶処理のステップS22:作動判定処理)
ステップS22では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(作動判定部52)が、FR席のモータ駆動部20の作動状態を判定する。ここで、CPU40(作動判定部52)は、FR席のモータ駆動部20が開作動状態ではなく異常停止状態であると判定した場合には、一連の処理を終了する。一方、CPU40(作動判定部52)は、FR席のモータ駆動部20が開作動状態であると判定した場合には、ステップS23に移行する。
【0118】
(巻き込み学習値記憶処理のステップS23:学習値取得処理)
ステップS23では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(学習値取得部53)が、FR席のモータ駆動部20から出力された信号に基づいてフロントサイドガラス32における移動位置毎のモータ回転速度を学習値として取得する。この学習値としてのモータ回転速度は、フロントサイドガラス32における移動位置毎の移動速度に対応しており、「第三開閉体の移動位置毎の移動速度に応じた学習値」に相当する。
【0119】
(巻き込み学習値記憶処理のステップS24:開閉状態判定処理)
ステップS24では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(開閉状態判定部54)が、上述のステップS21−1及びステップS21−2で取得されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態を判定する。
【0120】
(巻き込み学習値記憶処理のステップS25:記憶処理)
ステップS25では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(記憶処理部55)が、上述のステップS24の判定結果に基づき、ステップS21−1及びステップS21−2で取得されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態に関連付けて学習値をRAM44に記憶させる。
【0121】
つまり、ルーフ30が閉状態でリアクオータガラス34が閉状態である場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(記憶処理部55)は、ステップS25−1を実行する。そして、CPU40(記憶処理部55)は、フロントサイドガラス32の移動位置毎の学習値であるモータ回転速度を、ルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の閉状態と関連付けて、RAM44の第一記憶領域に記憶させる。
【0122】
また、ルーフ30が閉状態でリアクオータガラス34が開状態である場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(記憶処理部55)は、ステップS25−2を実行する。そして、CPU40(記憶処理部55)は、フロントサイドガラス32の移動位置毎の学習値であるモータ回転速度を、ルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の開状態と関連付けて、RAM44の第二記憶領域に記憶させる。
【0123】
また、ルーフ30が開状態でリアクオータガラス34が閉状態である場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(記憶処理部55)は、ステップS25−3を実行する。そして、CPU40(記憶処理部55)は、フロントサイドガラス32の移動位置毎の学習値であるモータ回転速度を、ルーフ30の開状態及びリアクオータガラス34の閉状態と関連付けて、RAM44の第三記憶領域に記憶させる。
【0124】
また、ルーフ30が開状態でリアクオータガラス34が開状態である場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(記憶処理部55)は、ステップS25−4を実行する。そして、CPU40(記憶処理部55)は、フロントサイドガラス32の移動位置毎の学習値であるモータ回転速度を、ルーフ30の開状態及びリアクオータガラス34の開状態と関連付けて、RAM44の第四記憶領域に記憶させる。
【0125】
ルーフ30が閉状態でリアクオータガラス34が閉状態である場合、ルーフ30が閉状態でリアクオータガラス34が開状態である場合、ルーフ30が開状態でリアクオータガラス34が閉状態である場合、ルーフ30が開状態でリアクオータガラス34が開状態である場合のそれぞれの場合に、フロントサイドガラス32が下降されると、RAM44の第一乃至第四記憶領域に、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態に関連付けて学習値が記憶される。RAM44には、上述の巻き込み学習値記憶処理が実行される毎に新しい学習値が記憶される。
【0126】
続いて、巻き込み判定処理について説明する。巻き込み判定処理は、上述の巻き込み学習値記憶処理が実行された回の後の回(好ましくは、次の回)におけるフロントサイドガラス32の下降時に実行される。なお、巻き込み判定処理が実行されると同時に、この巻き込み判定処理が実行される回の次の回の巻き込み学習値記憶処理が実行される。
【0127】
(巻き込み判定処理のステップS31−1:開閉状態取得処理)
FR席のパワーウィンドウECU16は、FR席のパワーウィンドウスイッチ26から開操作に応じて出力された信号を検出すると、図12に示される巻き込み判定処理を開始する。ステップS31−1では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(開閉状態取得部61)が、ルーフ制御ECU14から出力された信号に基づいてルーフ30の開閉状態を取得する。
【0128】
(巻き込み判定処理のステップS31−2:開閉状態取得処理)
ステップS31−2では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(開閉状態取得部61)が、RR席のパワーウィンドウECU16から出力された信号に基づいてリアクオータガラス34の開閉状態を取得する。
【0129】
(巻き込み判定処理のステップS32:作動判定処理)
ステップS32では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(作動判定部62)が、FR席のモータ駆動部20の作動状態を判定する。ここで、CPU40(作動判定部62)は、FR席のモータ駆動部20が開作動状態ではなく異常停止状態であると判定した場合には、一連の処理を終了する。一方、CPU40(作動判定部62)は、FR席のモータ駆動部20が開作動状態であると判定した場合には、ステップS33に移行する。
【0130】
(巻き込み判定処理のステップS33:開閉状態判定処理)
ステップS33では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(開閉状態判定部63)が、上述のステップS31−1及びステップS31−2で取得されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態を判定する。
【0131】
(巻き込み判定処理のステップS34:学習値抽出処理)
ステップS34では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(学習値抽出部64)が、上述のステップS33の判定結果に応じた学習値をRAM44から抽出する。
【0132】
つまり、ルーフ30が閉状態でリアクオータガラス34が閉状態であると判定された場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(学習値抽出部64)は、ステップS34−1を実行する。そして、CPU40(学習値抽出部64)は、ルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の閉状態に関連付けてRAM44の第一記憶領域に記憶された学習値であるフロントサイドガラス32における移動位置毎のモータ回転速度を抽出する。
【0133】
また、ルーフ30が閉状態でリアクオータガラス34が開状態であると判定された場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(学習値抽出部64)は、ステップS34−2を実行する。そして、CPU40(学習値抽出部64)は、ルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の開状態に関連付けてRAM44の第二記憶領域に記憶された学習値であるフロントサイドガラス32における移動位置毎のモータ回転速度を抽出する。
【0134】
また、ルーフ30が開状態でリアクオータガラス34が閉状態であると判定された場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(学習値抽出部64)は、ステップS34−3を実行する。そして、CPU40(学習値抽出部64)は、ルーフ30の開状態及びリアクオータガラス34の閉状態に関連付けてRAM44の第三記憶領域に記憶された学習値であるフロントサイドガラス32における移動位置毎のモータ回転速度を抽出する。
【0135】
また、ルーフ30が開状態でリアクオータガラス34が開状態であると判定された場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(学習値抽出部64)は、ステップS34−4を実行する。そして、CPU40(学習値抽出部64)は、ルーフ30の開状態及びリアクオータガラス34の開状態に関連付けてRAM44の第四記憶領域に記憶された学習値であるフロントサイドガラス32における移動位置毎のモータ回転速度を抽出する。
【0136】
(巻き込み判定処理のステップS35:閾値算出処理)
ステップS35では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(閾値算出部65)が、上述のステップS34で抽出された学習値及び予め定められた補正値に基づいて、フロントサイドガラス32の移動位置毎の閾値を算出する。すなわち、CPU40(閾値算出部65)は、フロントサイドガラス32における移動位置毎の学習値であるモータ回転速度から、予め定められた補正値であるモータ回転速度を減算して閾値を算出する。予め定められた補正値は、巻き込みを検出するために定められる任意の値である。
【0137】
(巻き込み判定処理のステップS36:異常判定結果出力処理)
ステップS36では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(異常判定結果出力部66)が、フロントサイドガラス32における移動位置毎に、FR席のモータ駆動部20から出力された信号に基づいてモータ回転速度を検出値として検出する。このモータ回転速度は、フロントサイドガラス32の移動速度に対応しており、「第三開閉体の移動速度に応じた検出値」に相当する。
【0138】
そして、CPU40(異常判定結果出力部66)は、上述のステップS35で算出された閾値と検出値とを比較し、この比較した結果を巻き込み判定結果(異常判定結果)として出力する。このとき、検出値が閾値以上である場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(異常判定結果出力部66)は、巻き込み無しとする巻き込み判定結果を出力する。一方、検出値が閾値未満である場合、CPU40(異常判定結果出力部66)は、巻き込み有りとする巻き込み判定結果を出力する。
【0139】
CPU40(異常判定結果出力部66)によって巻き込み有りとする巻き込み判定結果が出力された場合、FR席のパワーウィンドウECU16は、FR席のモータ駆動部20を停止させる。これにより、フロントサイドガラス32が停止し、巻き込みが防止される。
【0140】
(作用効果)
以上詳述した通り、第一実施形態に係る開閉体制御装置10によれば、学習値記憶処理では、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態が取得される。また、フロントサイドガラス32の移動位置毎の学習値としてフロントサイドガラス32を下降させるモータ駆動部20のモータ回転速度が取得される。そして、取得されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態に関連付けて学習値がRAM44に記憶される。
【0141】
続いて、異常判定処理では、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態が判定され、この判定結果に応じた学習値がRAM44から抽出される。そして、フロントサイドガラス32の移動位置毎に、フロントサイドガラス32を下降させるモータ駆動部20のモータ回転速度が検出値として検出され、上述の抽出された学習値及び予め定められた補正値に基づいて算出された閾値と、検出値とを比較した結果が巻き込み判定結果として出力される。
【0142】
したがって、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態に関連付けて記憶された学習値に基づいて巻き込み判定が行われるので、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態によってフロントサイドガラス32に作用する摺動抵抗が変化する場合でも、フロントサイドガラス32についてルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態に応じた適切な巻き込み判定を行うことができる。
【0143】
(本例における他の動作)
本例では、一例として、FR席のフロントサイドガラス32が下降するときの巻き込みを検出するが、FL席のフロントサイドガラス32が下降するときの巻き込みを検出する場合も、上記と同様である。この場合、ルーフ30は、「第一開閉体」に相当し、RL席のリアクオータガラス34は、「第二開閉体」に相当し、FL席のフロントサイドガラス32は、「第三開閉体」に相当する。
【0144】
また、RR席又はRL席のリアクオータガラス34が下降するときの巻き込みを検出する場合も、上記と同様である。この場合、ルーフ30は、「第一開閉体」に相当し、FR席又はFL席のフロントサイドガラス32は、「第二開閉体」に相当し、RR席又はRL席のリアクオータガラス34は、「第三開閉体」に相当する。また、この場合、図11図12において、「対象となるガラス」は、RR席又はRL席のリアクオータガラス34であり、「前後に隣接するガラス」は、FR席又はFL席のフロントサイドガラス32である。
【0145】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
【0146】
図13には、第二実施形態に係る開閉体制御装置110がブロック図で示されている。第二実施形態では、第一実施形態におけるプログラム46(図1参照)の代わりに、プログラム146が用いられている。また、プログラム146が用いられることに伴い、各パワーウィンドウECU16の機能部の構成が第一実施形態と異なっている。
【0147】
すなわち、各パワーウィンドウECU16の学習値記憶処理部50は、記憶処理部55(図1参照)の代わりに記憶処理部155を有する。また、各パワーウィンドウECU16の異常判定処理部60は、学習値抽出部64、閾値算出部65及び異常判定結果出力部66(図1参照)の代わりに、補正値選択部164、閾値算出部165及び異常判定結果出力部166を有する。
【0148】
次に、第二実施形態に係る開閉体制御装置110における挟み込み検出処理の一例について説明する。
【0149】
挟み込み検出処理では、挟み込み学習値記憶処理と、挟み込み判定処理が実行される。挟み込み学習値記憶処理は、学習値記憶処理部50によって実行され、挟み込み判定処理は、異常判定処理部60によって実行される。挟み込み学習値記憶処理は、「学習値記憶処理」の一例であり、挟み込み判定処理は、「異常判定処理」の一例である。図14には、挟み込み学習値記憶処理の流れが示されており、図15には、挟み込み判定処理の流れが示されている。
【0150】
本例では、一例として、FR席のフロントサイドガラス32が上昇するときの挟み込みを検出する例について説明する。図14図15において、「対象となるガラス」は、FR席のフロントサイドガラス32であり、「前後に隣接するガラス」は、RR席のリアクオータガラス34である。また、本例において、ルーフ30は、「第一開閉体」に相当し、RR席のリアクオータガラス34は、「第二開閉体」に相当し、FR席のフロントサイドガラス32は、「第三開閉体」に相当する。
【0151】
(挟み込み学習値記憶処理のステップS41−1〜ステップS44)
FR席のパワーウィンドウECU16は、FR席のパワーウィンドウスイッチ26から閉操作に応じて出力された信号を検出すると、図14に示される挟み込み学習値記憶処理を開始する。ステップS41−1〜ステップS44は、上述の第一実施形態におけるステップS1−1〜ステップS4と同様である。
【0152】
すなわち、ステップS41−1(開閉状態取得処理)では、ルーフ30の開閉状態が取得され、ステップS41−2(開閉状態取得処理)では、リアクオータガラス34の開閉状態が取得される。また、ステップS42(作動判定処理)では、FR席のパワーウィンドウECU16の作動状態が判定され、ステップS43(学習値取得処理)では、フロントサイドガラス32における移動位置毎のモータ回転速度が学習値として取得される。そして、ステップS44(開閉状態判定処理)では、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態が判定される。
【0153】
(挟み込み学習値記憶処理のステップS45:記憶処理)
ステップS45は、上述の第一実施形態におけるステップS5と異なる。このステップS45では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(記憶処理部155)が、上述のステップS44の判定結果に基づき、ステップS41−1及びステップS41−2で取得されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態が予め定められた開閉状態である場合の学習値をRAM44に記憶させる。
【0154】
本例では、一例として、ルーフ30及びリアクオータガラス34がいずれも閉状態である場合が上述の予め定められた開閉状態に設定されている。そして、CPU40(記憶処理部155)は、ステップS43で取得された学習値のうち、ルーフ30及びリアクオータガラス34がいずれも閉状態である場合の学習値をRAM44に記憶させる。
【0155】
なお、CPU40(記憶処理部155)は、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態がいずれも閉状態以外である場合については、学習値をRAM44に記憶させずに、一連の処理を終了する。
【0156】
続いて、挟み込み判定処理について説明する。挟み込み判定処理は、上述の挟み込み学習値記憶処理が実行された回の後の回(好ましくは、次の回)におけるフロントサイドガラス32の上昇時に実行される。なお、挟み込み判定処理が実行されると同時に、この挟み込み判定処理が実行される回の次の回の挟み込み学習値記憶処理が実行される。
【0157】
(挟み込み判定処理のステップS51−1〜ステップS53)
FR席のパワーウィンドウECU16は、FR席のパワーウィンドウスイッチ26から閉操作に応じて出力された信号を検出すると、図15に示される挟み込み判定処理を開始する。ステップS51−1〜ステップS53は、上述の第一実施形態におけるステップS11−1〜ステップS13と同様である。
【0158】
すなわち、ステップS51−1(開閉状態取得処理)では、ルーフ30の開閉状態が取得され、ステップS51−2(開閉状態取得処理)では、リアクオータガラス34の開閉状態が取得される。また、ステップS52(作動判定処理)では、FR席のパワーウィンドウECU16の作動状態が判定され、ステップS53(開閉状態判定処理)では、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態が判定される。
【0159】
(挟み込み判定処理のステップS54:補正値選択処理)
ステップS54は、上述の第一実施形態におけるステップS14と異なる。このステップS54では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(補正値選択部164)が、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態に関連付けてROM42に予め記憶された補正値を、上述のステップS53の判定結果に応じて選択する。
【0160】
つまり、ルーフ30が閉状態でリアクオータガラス34が閉状態であると判定された場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(補正値選択部164)は、ステップS54−1を実行する。そして、CPU40(補正値選択部164)は、ルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の閉状態に関連付けてROM42に予め記憶された第一の補正値を選択する。
【0161】
また、ルーフ30が閉状態でリアクオータガラス34が開状態であると判定された場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(補正値選択部164)は、ステップS54−2を実行する。そして、CPU40(補正値選択部164)は、ルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の開状態に関連付けてROM42に予め記憶された第二の補正値を選択する。
【0162】
また、ルーフ30が開状態でリアクオータガラス34が閉状態であると判定された場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(補正値選択部164)は、ステップS54−3を実行する。そして、CPU40(補正値選択部164)は、ルーフ30の開状態及びリアクオータガラス34の閉状態に関連付けてROM42に予め記憶された第三の補正値を選択する。
【0163】
また、ルーフ30が開状態でリアクオータガラス34が開状態であると判定された場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(補正値選択部164)は、ステップS54−4を実行する。そして、CPU40(補正値選択部164)は、ルーフ30の開状態及びリアクオータガラス34の開状態に関連付けてROM42に予め記憶された第四の補正値を選択する。上述の第一乃至第四の補正値は、挟み込みを検出するために定められる任意の値である。
【0164】
(挟み込み判定処理のステップS55:閾値算出処理)
ステップS55は、上述の第一実施形態におけるステップS15と異なる。このステップS55では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(閾値算出部165)が、上述のステップS45で記憶された学習値及び上述のステップS54で選択された補正値に基づいて、フロントサイドガラス32の移動位置毎の閾値を算出する。すなわち、CPU40(閾値算出部165)は、ルーフ30及びリアクオータガラス34がいずれも閉状態である場合における学習値としてのモータ回転速度から、上述のステップS54で選択された補正値であるモータ回転速度を減算して閾値を算出する。
【0165】
(挟み込み判定処理のステップS56:異常判定結果出力処理)
ステップS56は、上述の第一実施形態におけるステップS16と同様である。このステップS56では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(異常判定結果出力部166)が、フロントサイドガラス32における移動位置毎に、FR席のモータ駆動部20から出力された信号に基づいてモータ回転速度を検出値として検出する。このモータ回転速度は、フロントサイドガラス32の移動速度に対応しており、「第三開閉体の移動速度に応じた検出値」に相当する。
【0166】
そして、CPU40(異常判定結果出力部166)は、上述のステップS55で算出された閾値と検出値とを比較し、この比較した結果を挟み込み判定結果(異常判定結果)として出力する。このとき、検出値が閾値以上である場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(異常判定結果出力部166)は、挟み込み無しとする挟み込み判定結果を出力する。一方、検出値が閾値未満である場合、CPU40(異常判定結果出力部166)は、挟み込み有りとする挟み込み判定結果を出力する。
【0167】
CPU40(異常判定結果出力部166)によって挟み込み有りとする挟み込み判定結果が出力された場合、FR席のパワーウィンドウECU16は、FR席のモータ駆動部20を反転動作させる。これにより、フロントサイドガラス32が下降し、挟み込みが防止される。
【0168】
(作用効果)
以上詳述した通り、第二実施形態に係る開閉体制御装置110によれば、学習値記憶処理では、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態が取得される。また、フロントサイドガラス32の移動位置毎の学習値としてフロントサイドガラス32を上昇させるモータ駆動部20のモータ回転速度が取得される。そして、この取得された学習値のうち、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態が予め定められた開閉状態である場合の学習値がRAM44に記憶される。
【0169】
続いて、異常判定処理では、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態が判定され、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態に関連付けてROM42に予め記憶された補正値が上述の判定結果に応じて選択される。そして、フロントサイドガラス32の移動位置毎に、フロントサイドガラス32を上昇させるモータ駆動部20のモータ回転速度が検出値として検出され、上述のRAM44に記憶された学習値及び選択された補正値に基づいて算出された閾値と、検出値とを比較した結果が挟み込み判定結果として出力される。
【0170】
したがって、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態に関連付けて記憶された補正値によって補正された学習値に基づいて挟み込み判定が行われるので、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態によってフロントサイドガラス32に作用する摺動抵抗が変化する場合でも、フロントサイドガラス32についてルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態に応じた適切な挟み込み判定を行うことができる。
【0171】
(本例における他の動作)
本例では、一例として、FR席のフロントサイドガラス32が上昇するときの挟み込みを検出するが、FL席のフロントサイドガラス32が上昇するときの挟み込みを検出する場合も、上記と同様である。この場合、ルーフ30は、「第一開閉体」に相当し、RL席のリアクオータガラス34は、「第二開閉体」に相当し、FL席のフロントサイドガラス32は、「第三開閉体」に相当する。
【0172】
また、RR席又はRL席のリアクオータガラス34が上昇するときの挟み込みを検出する場合も、上記と同様である。この場合、ルーフ30は、「第一開閉体」に相当し、FR席又はFL席のフロントサイドガラス32は、「第二開閉体」に相当し、RR席又はRL席のリアクオータガラス34は、「第三開閉体」に相当する。また、この場合、図14図15において、「対象となるガラス」は、RR席又はRL席のリアクオータガラス34であり、「前後に隣接するガラス」は、FR席又はFL席のフロントサイドガラス32である。
【0173】
次に、第二実施形態に係る開閉体制御装置110における巻き込み検出処理の一例について説明する。
【0174】
巻き込み検出処理では、巻き込み学習値記憶処理と、巻き込み判定処理が実行される。巻き込み学習値記憶処理は、学習値記憶処理部50によって実行され、巻き込み判定処理は、異常判定処理部60によって実行される。巻き込み学習値記憶処理は、「学習値記憶処理」の一例であり、巻き込み判定処理は、「異常判定処理」の一例である。図16には、巻き込み学習値記憶処理の流れが示されており、図17には、巻き込み判定処理の流れが示されている。
【0175】
本例では、一例として、FR席のフロントサイドガラス32が下降する場合の巻き込みを検出する例について説明する。図16図17において、「対象となるガラス」は、FR席のフロントサイドガラス32であり、「前後に隣接するガラス」は、RR席のリアクオータガラス34である。また、本例において、ルーフ30は、「第一開閉体」に相当し、RR席のリアクオータガラス34は、「第二開閉体」に相当し、FR席のフロントサイドガラス32は、「第三開閉体」に相当する。
【0176】
(巻き込み学習値記憶処理のステップS61−1〜ステップS64)
FR席のパワーウィンドウECU16は、FR席のパワーウィンドウスイッチ26から開操作に応じて出力された信号を検出すると、図16に示される巻き込み学習値記憶処理を開始する。ステップS61−1〜ステップS64は、上述の第一実施形態におけるステップS21−1〜ステップS24と同様である。
【0177】
すなわち、ステップS61−1(開閉状態取得処理)では、ルーフ30の開閉状態が取得され、ステップS61−2(開閉状態取得処理)では、リアクオータガラス34の開閉状態が取得される。また、ステップS62(作動判定処理)では、FR席のパワーウィンドウECU16の作動状態が判定され、ステップS63(学習値取得処理)では、フロントサイドガラス32における移動位置毎のモータ回転速度が学習値として取得される。そして、ステップS64(開閉状態判定処理)では、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態が判定される。
【0178】
(巻き込み学習値記憶処理のステップS65:記憶処理)
ステップS65は、上述の第一実施形態におけるステップS25と異なる。このステップS65では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(記憶処理部155)が、上述のステップS64の判定結果に基づき、ステップS61−1及びステップS61−2で取得されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態が予め定められた開閉状態である場合の学習値をRAM44に記憶させる。
【0179】
本例では、一例として、ルーフ30及びリアクオータガラス34がいずれも閉状態である場合が上述の予め定められた開閉状態に設定されている。そして、CPU40(記憶処理部155)は、ステップS63で取得された学習値のうち、ルーフ30及びリアクオータガラス34がいずれも閉状態である場合の学習値をRAM44に記憶させる。
【0180】
なお、CPU40(記憶処理部155)は、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態がいずれも閉状態以外である場合については、学習値をRAM44に記憶させずに、一連の処理を終了する。
【0181】
続いて、巻き込み判定処理について説明する。巻き込み判定処理は、上述の巻き込み学習値記憶処理が実行された回の後の回(好ましくは、次の回)におけるフロントサイドガラス32の下降時に実行される。なお、巻き込み判定処理が実行されると同時に、この巻き込み判定処理が実行される回の次の回の巻き込み学習値記憶処理が実行される。
【0182】
(巻き込み判定処理のステップS71−1〜ステップS73)
FR席のパワーウィンドウECU16は、FR席のパワーウィンドウスイッチ26から開操作に応じて出力された信号を検出すると、図17に示される巻き込み判定処理を開始する。ステップS71−1〜ステップS73は、上述の第一実施形態におけるステップS31−1〜ステップS33と同様である。
【0183】
すなわち、ステップS71−1(開閉状態取得処理)では、ルーフ30の開閉状態が取得され、ステップS71−2(開閉状態取得処理)では、リアクオータガラス34の開閉状態が取得される。また、ステップS72(作動判定処理)では、FR席のパワーウィンドウECU16の作動状態が判定され、ステップS73(開閉状態判定処理)では、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態が判定される。
【0184】
(巻き込み判定処理のステップS74:補正値選択処理)
ステップS74は、上述の第一実施形態におけるステップS34と異なる。このステップS74では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(補正値選択部164)が、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態に関連付けてROM42に予め記憶された補正値を、上述のステップS73の判定結果に応じて選択する。
【0185】
つまり、ルーフ30が閉状態でリアクオータガラス34が閉状態であると判定された場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(補正値選択部164)は、ステップS74−1を実行する。そして、CPU40(補正値選択部164)は、ルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の閉状態に関連付けてROM42に予め記憶された第一の補正値を選択する。
【0186】
また、ルーフ30が閉状態でリアクオータガラス34が開状態であると判定された場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(補正値選択部164)は、ステップS74−2を実行する。そして、CPU40(補正値選択部164)は、ルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の開状態に関連付けてROM42に予め記憶された第二の補正値を選択する。
【0187】
また、ルーフ30が開状態でリアクオータガラス34が閉状態であると判定された場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(補正値選択部164)は、ステップS74−3を実行する。そして、CPU40(補正値選択部164)は、ルーフ30の開状態及びリアクオータガラス34の閉状態に関連付けてROM42に予め記憶された第三の補正値を選択する。
【0188】
また、ルーフ30が開状態でリアクオータガラス34が開状態であると判定された場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(補正値選択部164)は、ステップS74−4を実行する。そして、CPU40(補正値選択部164)は、ルーフ30の開状態及びリアクオータガラス34の開状態に関連付けてROM42に予め記憶された第四の補正値を選択する。上述の第一乃至第四の補正値は、巻き込みを検出するために定められる任意の値である。
【0189】
(巻き込み判定処理のステップS75:閾値算出処理)
ステップS75は、上述の第一実施形態におけるステップS35と異なる。このステップS75では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(閾値算出部165)が、上述のステップS65で記憶された学習値及び上述のステップS74で選択された補正値に基づいて、フロントサイドガラス32の移動位置毎の閾値を算出する。すなわち、CPU40(閾値算出部165)は、ルーフ30及びリアクオータガラス34がいずれも閉状態である場合における学習値としてのモータ回転速度から、上述のステップS74で選択された補正値であるモータ回転速度を減算して閾値を算出する。
【0190】
(巻き込み判定処理のステップS76:異常判定結果出力処理)
ステップS76は、上述の第一実施形態におけるステップS36と同様である。このステップS76では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(異常判定結果出力部166)が、フロントサイドガラス32における移動位置毎に、FR席のモータ駆動部20から出力された信号に基づいてモータ回転速度を検出値として検出する。このモータ回転速度は、フロントサイドガラス32の移動速度に対応しており、「第三開閉体の移動速度に応じた検出値」に相当する。
【0191】
そして、CPU40(異常判定結果出力部166)は、上述のステップS75で算出された閾値と検出値とを比較し、この比較した結果を巻き込み判定結果(異常判定結果)として出力する。このとき、検出値が閾値以上である場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(異常判定結果出力部166)は、巻き込み無しとする巻き込み判定結果を出力する。一方、検出値が閾値未満である場合、CPU40(異常判定結果出力部166)は、巻き込み有りとする巻き込み判定結果を出力する。
【0192】
CPU40(異常判定結果出力部166)によって巻き込み有りとする巻き込み判定結果が出力された場合、FR席のパワーウィンドウECU16は、FR席のモータ駆動部20を停止させる。これにより、フロントサイドガラス32が停止し、巻き込みが防止される。
【0193】
(作用効果)
以上詳述した通り、第二実施形態に係る開閉体制御装置110によれば、学習値記憶処理では、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態が取得される。また、フロントサイドガラス32の移動位置毎の学習値としてフロントサイドガラス32を下降させるモータ駆動部20のモータ回転速度が取得される。そして、この取得された学習値のうち、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態が予め定められた開閉状態である場合の学習値がRAM44に記憶される。
【0194】
続いて、異常判定処理では、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態が判定され、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態に関連付けてROM42に予め記憶された補正値が上述の判定結果に応じて選択される。そして、フロントサイドガラス32の移動位置毎に、フロントサイドガラス32を下降させるモータ駆動部20のモータ回転速度が検出値として検出され、上述のRAM44に記憶された学習値及び選択された補正値に基づいて算出された閾値と、検出値とを比較した結果が巻き込み判定結果として出力される。
【0195】
したがって、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態に関連付けて記憶された補正値によって補正された学習値に基づいて巻き込み判定が行われるので、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態によってフロントサイドガラス32に作用する摺動抵抗が変化する場合でも、フロントサイドガラス32についてルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態に応じた適切な巻き込み判定を行うことができる。
【0196】
(本例における他の動作)
本例では、一例として、FR席のフロントサイドガラス32が下降するときの巻き込みを検出するが、FL席のフロントサイドガラス32が下降するときの巻き込みを検出する場合も、上記と同様である。この場合、ルーフ30は、「第一開閉体」に相当し、RL席のリアクオータガラス34は、「第二開閉体」に相当し、FL席のフロントサイドガラス32は、「第三開閉体」に相当する。
【0197】
また、RR席又はRL席のリアクオータガラス34が下降するときの巻き込みを検出する場合も、上記と同様である。この場合、ルーフ30は、「第一開閉体」に相当し、FR席又はFL席のフロントサイドガラス32は、「第二開閉体」に相当し、RR席又はRL席のリアクオータガラス34は、「第三開閉体」に相当する。また、この場合、図16図17において、「対象となるガラス」は、RR席又はRL席のリアクオータガラス34であり、「前後に隣接するガラス」は、FR席又はFL席のフロントサイドガラス32である。
【0198】
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について説明する。
【0199】
図18には、第二実施形態に係る開閉体制御装置210がブロック図で示されている。第三実施形態では、第一実施形態におけるプログラム46(図1参照)の代わりに、プログラム246が用いられている。また、プログラム246が用いられることに伴い、各パワーウィンドウECU16の機能部の構成が第一実施形態と異なっている。
【0200】
すなわち、各パワーウィンドウECU16の学習値記憶処理部50は、記憶処理部55(図1参照)の代わりに記憶処理部255を有する。また、各パワーウィンドウECU16の異常判定処理部60は、学習値抽出部64、閾値算出部65及び異常判定結果出力部66(図1参照)の代わりに、補正値選択部264、閾値算出部265及び異常判定結果出力部266を有する。なお、第三実施形態において、学習値記憶処理部50の開閉状態取得部51は、「第一開閉状態取得部」の一例であり、異常判定処理部60の開閉状態取得部61は、「第二開閉状態取得部」の一例である。
【0201】
次に、第三実施形態に係る開閉体制御装置210における挟み込み検出処理の一例について説明する。
【0202】
挟み込み検出処理では、挟み込み学習値記憶処理と、挟み込み判定処理が実行される。挟み込み学習値記憶処理は、学習値記憶処理部50によって実行され、挟み込み判定処理は、異常判定処理部60によって実行される。挟み込み学習値記憶処理は、「学習値記憶処理」の一例であり、挟み込み判定処理は、「異常判定処理」の一例である。図19には、挟み込み学習値記憶処理の流れが示されており、図20には、挟み込み判定処理の流れが示されている。
【0203】
本例では、一例として、FR席のフロントサイドガラス32が上昇するときの挟み込みを検出する例について説明する。図19図20において、「対象となるガラス」は、FR席のフロントサイドガラス32であり、「前後に隣接するガラス」は、RR席のリアクオータガラス34である。また、本例において、ルーフ30は、「第一開閉体」に相当し、RR席のリアクオータガラス34は、「第二開閉体」に相当し、FR席のフロントサイドガラス32は、「第三開閉体」に相当する。
【0204】
(挟み込み学習値記憶処理のステップS81−1〜ステップS83)
FR席のパワーウィンドウECU16は、FR席のパワーウィンドウスイッチ26から閉操作に応じて出力された信号を検出すると、図19に示される挟み込み学習値記憶処理を開始する。ステップS81−1〜ステップS83は、上述の第一実施形態におけるステップS1−1〜ステップS3と同様である。
【0205】
すなわち、ステップS81−1(第一開閉状態取得処理)では、ルーフ30の開閉状態が取得され、ステップS81−2(第一開閉状態取得処理)では、リアクオータガラス34の開閉状態が取得される。また、ステップS82(作動判定処理)では、FR席のパワーウィンドウECU16の作動状態が判定され、ステップS83(学習値取得処理)では、フロントサイドガラス32における移動位置毎のモータ回転速度が学習値として取得される。
【0206】
(挟み込み学習値記憶処理のステップS84:記憶処理)
ステップS84は、上述の第一実施形態におけるステップS5と異なる。このステップS84では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(記憶処理部255)が、上述のステップS83で取得された学習値をRAM44に記憶させる。また、このとき、CPU40(記憶処理部255)は、学習値と併せて、上述のステップS81−1及びステップ81−2で取得されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態をRAM44に記憶させる。
【0207】
続いて、挟み込み判定処理について説明する。挟み込み判定処理は、上述の挟み込み学習値記憶処理が実行された回の後の回(好ましくは、次の回)におけるフロントサイドガラス32の上昇時に実行される。なお、挟み込み判定処理が実行されると同時に、この挟み込み判定処理が実行される回の次の回の挟み込み学習値記憶処理が実行される。
【0208】
(挟み込み判定処理のステップS91−1〜ステップS92)
FR席のパワーウィンドウECU16は、FR席のパワーウィンドウスイッチ26から閉操作に応じて出力された信号を検出すると、図20に示される挟み込み判定処理を開始する。ステップS91−1〜ステップS92は、上述の第一実施形態におけるステップS11−1〜ステップS12と同様である。
【0209】
すなわち、ステップS91−1(第二開閉状態取得処理)では、ルーフ30の開閉状態が取得され、ステップS91−2(第二開閉状態取得処理)では、リアクオータガラス34の開閉状態が取得される。また、ステップS92(作動判定処理)では、FR席のパワーウィンドウECU16の作動状態が判定される。
【0210】
(挟み込み判定処理のステップS93:補正値選択処理)
ステップS93は、上述の第一実施形態におけるステップS14と異なる。このステップS93では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(補正値選択部264)が、上述の挟み込み学習値記憶処理時のステップS84でRAM44に記憶されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態と、上述の挟み込み判定処理時のステップS91−1、S91−2で取得されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態との組み合わせより、予め設定されたテーブルから補正値を選択する。ここで、図21には、テーブルが示されている。
【0211】
つまり、テーブルのNO.1に示されるように、挟み込み学習値記憶処理時にルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の閉状態が記憶され、挟み込み判定処理時にルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の閉状態が取得された場合には、テーブルから補正値(1)が選択される。このテーブルのNO.1では、挟み込み学習値記憶処理時と挟み込み判定処理時とでルーフ30及びリアクオータガラス34がいずれも閉状態であり、開閉状態に変化がないため、補正を行う必要がない。したがって、補正値(1)は一例として補正値0である。
【0212】
また、テーブルのNO.2に示されるように、挟み込み学習値記憶処理時にルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の閉状態が記憶され、挟み込み判定処理時にルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の開状態が取得された場合には、テーブルから補正値(2)が選択される。このテーブルのNO.2では、挟み込み学習値記憶処理時と挟み込み判定処理時とでリアクオータガラス34の開閉状態が変化しているため、この変化による学習値と理想とする閾値との違いを吸収するように補正を行う必要がある。したがって、補正値(2)はそのような違いを吸収する補正値である。
【0213】
また、テーブルのNO.3に示されるように、挟み込み学習値記憶処理時にルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の閉状態が記憶され、挟み込み判定処理時にルーフ30の開状態及びリアクオータガラス34の閉状態が取得された場合には、テーブルから補正値(3)が選択される。このテーブルのNO.3では、挟み込み学習値記憶処理時と挟み込み判定処理時とでルーフ30の開閉状態が変化しているため、この変化による学習値と理想とする閾値との違いを吸収するように補正を行う必要がある。したがって、補正値(3)はそのような違いを吸収する補正値である。
【0214】
また、テーブルのNO.4に示されるように、挟み込み学習値記憶処理時にルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の閉状態が記憶され、挟み込み判定処理時にルーフ30の開状態及びリアクオータガラス34の開状態が取得された場合には、テーブルから補正値(4)が選択される。このテーブルのNO.4では、挟み込み学習値記憶処理時と挟み込み判定処理時とでルーフ30及びリアクオータガラス34の開閉状態が変化しているため、この変化による学習値と理想とする閾値との違いを吸収するように補正を行う必要がある。したがって、補正値(4)はそのような違いを吸収する補正値である。
【0215】
なお、テーブルのNO.5〜NO.16の内容については、説明を省略するが、テーブルのNO.5〜NO.16においても、挟み込み学習値記憶処理時におけるルーフ30及びリアクオータガラス34の開閉状態と、挟み込み判定処理時におけるルーフ30及びリアクオータガラス34の開閉状態とに応じて設定された補正値が選択される。
【0216】
(挟み込み判定処理のステップS94:閾値算出処理)
ステップS94は、上述の第一実施形態におけるステップS15と異なる。このステップS94では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(閾値算出部265)が、上述のステップS84で記憶された学習値及び上述のステップS93で選択された補正値に基づいて、フロントサイドガラス32の移動位置毎の閾値を算出する。すなわち、CPU40(閾値算出部265)は、フロントサイドガラス32における移動位置毎の学習値であるモータ回転速度から、選択された補正値であるモータ回転速度を加算又は減算して閾値を算出する。
【0217】
(挟み込み判定処理のステップS95:異常判定結果出力処理)
ステップS95は、上述の第一実施形態におけるステップS16と同様である。このステップS95では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(異常判定結果出力部266)が、フロントサイドガラス32における移動位置毎に、FR席のモータ駆動部20から出力された信号に基づいてモータ回転速度を検出値として検出する。このモータ回転速度は、フロントサイドガラス32の移動速度に対応しており、「第三開閉体の移動速度に応じた検出値」に相当する。
【0218】
そして、CPU40(異常判定結果出力部266)は、上述のステップS94で算出された閾値と検出値とを比較し、この比較した結果を挟み込み判定結果(異常判定結果)として出力する。このとき、検出値が閾値以上である場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(異常判定結果出力部266)は、挟み込み無しとする挟み込み判定結果を出力する。一方、検出値が閾値未満である場合、CPU40(異常判定結果出力部266)は、挟み込み有りとする挟み込み判定結果を出力する。
【0219】
CPU40(異常判定結果出力部266)によって挟み込み有りとする挟み込み判定結果が出力された場合、FR席のパワーウィンドウECU16は、FR席のモータ駆動部20を反転動作させる。これにより、フロントサイドガラス32が下降し、挟み込みが防止される。
【0220】
(作用効果)
以上詳述した通り、第三実施形態に係る開閉体制御装置210によれば、挟み込み学習値記憶時に、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態が取得される。また、フロントサイドガラス32の移動位置毎の学習値としてフロントサイドガラス32を上昇させるモータ駆動部20のモータ回転速度が取得される。そして、この取得されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態と、学習値とがRAM44に記憶される。
【0221】
続いて、挟み込み判定処理時に、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態が取得される。また、挟み込み学習値記憶処理時にRAM44に記憶されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態と、挟み込み判定処理時に取得されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態との組み合わせより、予め設定されたテーブルから補正値が選択される。そして、フロントサイドガラス32の移動位置毎に、フロントサイドガラス32を上昇させるモータ駆動部20のモータ回転速度が検出値として検出され、上述のRAM44に記憶された学習値及び選択された補正値に基づいて算出された閾値と、検出値とを比較した結果が挟み込み判定結果として出力される。
【0222】
したがって、挟み込み学習値記憶処理時にRAM44に記憶されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態と、挟み込み判定処理時に取得されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態とに対応する補正値によって補正された学習値に基づいて挟み込み判定が行われるので、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態によってフロントサイドガラス32に作用する摺動抵抗が変化する場合でも、フロントサイドガラス32についてルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態に応じた適切な挟み込み判定を行うことができる。
【0223】
(本例における他の動作)
本例では、一例として、FR席のフロントサイドガラス32が上昇するときの挟み込みを検出するが、FL席のフロントサイドガラス32が上昇するときの挟み込みを検出する場合も、上記と同様である。この場合、ルーフ30は、「第一開閉体」に相当し、RL席のリアクオータガラス34は、「第二開閉体」に相当し、FL席のフロントサイドガラス32は、「第三開閉体」に相当する。
【0224】
また、RR席又はRL席のリアクオータガラス34が上昇するときの挟み込みを検出する場合も、上記と同様である。この場合、ルーフ30は、「第一開閉体」に相当し、FR席又はFL席のフロントサイドガラス32は、「第二開閉体」に相当し、RR席又はRL席のリアクオータガラス34は、「第三開閉体」に相当する。また、この場合、図14図15において、「対象となるガラス」は、RR席又はRL席のリアクオータガラス34であり、「前後に隣接するガラス」は、FR席又はFL席のフロントサイドガラス32である。
【0225】
次に、第三実施形態に係る開閉体制御装置210における巻き込み検出処理の一例について説明する。
【0226】
巻き込み検出処理では、巻き込み学習値記憶処理と、巻き込み判定処理が実行される。巻き込み学習値記憶処理は、学習値記憶処理部50によって実行され、巻き込み判定処理は、異常判定処理部60によって実行される。巻き込み学習値記憶処理は、「学習値記憶処理」の一例であり、巻き込み判定処理は、「異常判定処理」の一例である。図22には、巻き込み学習値記憶処理の流れが示されており、図23には、巻き込み判定処理の流れが示されている。
【0227】
本例では、一例として、FR席のフロントサイドガラス32が下降する場合の巻き込みを検出する例について説明する。図22図23において、「対象となるガラス」は、FR席のフロントサイドガラス32であり、「前後に隣接するガラス」は、RR席のリアクオータガラス34である。また、本例において、ルーフ30は、「第一開閉体」に相当し、RR席のリアクオータガラス34は、「第二開閉体」に相当し、FR席のフロントサイドガラス32は、「第三開閉体」に相当する。
【0228】
(巻き込み学習値記憶処理のステップS101−1〜ステップS103)
FR席のパワーウィンドウECU16は、FR席のパワーウィンドウスイッチ26から開操作に応じて出力された信号を検出すると、図22に示される巻き込み学習値記憶処理を開始する。ステップS101−1〜ステップS103は、上述の第一実施形態におけるステップS21−1〜ステップS23と同様である。
【0229】
すなわち、ステップS101−1(第一開閉状態取得処理)では、ルーフ30の開閉状態が取得され、ステップS101−2(第一開閉状態取得処理)では、リアクオータガラス34の開閉状態が取得される。また、ステップS102(作動判定処理)では、FR席のパワーウィンドウECU16の作動状態が判定され、ステップS103(学習値取得処理)では、フロントサイドガラス32における移動位置毎のモータ回転速度が学習値として取得される。
【0230】
(巻き込み学習値記憶処理のステップS104:記憶処理)
ステップS104は、上述の第一実施形態におけるステップS25と異なる。このステップS104では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(記憶処理部255)が、上述のステップS103で取得された学習値をRAM44に記憶させる。また、このとき、CPU40(記憶処理部255)は、学習値と併せて、上述のステップS101−1及びステップ101−2で取得されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態をRAM44に記憶させる。
【0231】
続いて、巻き込み判定処理について説明する。巻き込み判定処理は、上述の巻き込み学習値記憶処理が実行された回の後の回(好ましくは、次の回)におけるフロントサイドガラス32の下降時に実行される。なお、巻き込み判定処理が実行されると同時に、この巻き込み判定処理が実行される回の次の回の巻き込み学習値記憶処理が実行される。
【0232】
(巻き込み判定処理のステップS111−1〜ステップS112)
FR席のパワーウィンドウECU16は、FR席のパワーウィンドウスイッチ26から開操作に応じて出力された信号を検出すると、図23に示される巻き込み判定処理を開始する。ステップS111−1〜ステップS112は、上述の第一実施形態におけるステップS31−1〜ステップS32と同様である。
【0233】
すなわち、ステップS111−1(第二開閉状態取得処理)では、ルーフ30の開閉状態が取得され、ステップS111−2(第二開閉状態取得処理)では、リアクオータガラス34の開閉状態が取得される。また、ステップS112(作動判定処理)では、FR席のパワーウィンドウECU16の作動状態が判定される。
【0234】
(巻き込み判定処理のステップS113:補正値選択処理)
ステップS113は、上述の第一実施形態におけるステップS34と異なる。このステップS113では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(補正値選択部264)が、上述の巻き込み学習値記憶処理時のステップS104でRAM44に記憶されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態と、上述の巻き込み判定処理時のステップS111−1、S111−2で取得されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態との組み合わせより、予め設定されたテーブルから補正値を選択する。ここで、図24には、テーブルが示されている。
【0235】
つまり、テーブルのNO.1に示されるように、巻き込み学習値記憶処理時にルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の閉状態が記憶され、巻き込み判定処理時にルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の閉状態が取得された場合には、テーブルから補正値(1)が選択される。このテーブルのNO.1では、巻き込み学習値記憶処理時と巻き込み判定処理時とでルーフ30及びリアクオータガラス34がいずれも閉状態であり、開閉状態に変化がないため、補正を行う必要がない。したがって、補正値(1)は一例として補正値0である。
【0236】
また、テーブルのNO.2に示されるように、巻き込み学習値記憶処理時にルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の閉状態が記憶され、巻き込み判定処理時にルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の開状態が取得された場合には、テーブルから補正値(2)が選択される。このテーブルのNO.2では、巻き込み学習値記憶処理時と巻き込み判定処理時とでリアクオータガラス34の開閉状態が変化しているため、この変化による学習値と理想とする閾値との違いを吸収するように補正を行う必要がある。したがって、補正値(2)はそのような違いを吸収する補正値である。
【0237】
また、テーブルのNO.3に示されるように、巻き込み学習値記憶処理時にルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の閉状態が記憶され、巻き込み判定処理時にルーフ30の開状態及びリアクオータガラス34の閉状態が取得された場合には、テーブルから補正値(3)が選択される。このテーブルのNO.3では、巻き込み学習値記憶処理時と巻き込み判定処理時とでルーフ30の開閉状態が変化しているため、この変化による学習値と理想とする閾値との違いを吸収するように補正を行う必要がある。したがって、補正値(3)はそのような違いを吸収する補正値である。
【0238】
また、テーブルのNO.4に示されるように、巻き込み学習値記憶処理時にルーフ30の閉状態及びリアクオータガラス34の閉状態が記憶され、巻き込み判定処理時にルーフ30の開状態及びリアクオータガラス34の開状態が取得された場合には、テーブルから補正値(4)が選択される。このテーブルのNO.4では、巻き込み学習値記憶処理時と巻き込み判定処理時とでルーフ30及びリアクオータガラス34の開閉状態が変化しているため、この変化による学習値と理想とする閾値との違いを吸収するように補正を行う必要がある。したがって、補正値(4)はそのような違いを吸収する補正値である。
【0239】
なお、テーブルのNO.5〜NO.16の内容については、説明を省略するが、テーブルのNO.5〜NO.16においても、巻き込み学習値記憶処理時におけるルーフ30及びリアクオータガラス34の開閉状態と、巻き込み判定処理時におけるルーフ30及びリアクオータガラス34の開閉状態とに応じて設定された補正値が選択される。
【0240】
(巻き込み判定処理のステップS114:閾値算出処理)
ステップS114は、上述の第一実施形態におけるステップS35と異なる。このステップS114では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(閾値算出部265)が、上述のステップS104で記憶された学習値及び上述のステップS113で選択された補正値に基づいて、フロントサイドガラス32の移動位置毎の閾値を算出する。すなわち、CPU40(閾値算出部265)は、フロントサイドガラス32における移動位置毎の学習値であるモータ回転速度から、選択された補正値であるモータ回転速度を加算又は減算して閾値を算出する。
【0241】
(巻き込み判定処理のステップS115:異常判定結果出力処理)
ステップS115は、上述の第一実施形態におけるステップS36と同様である。このステップS115では、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(異常判定結果出力部266)が、フロントサイドガラス32における移動位置毎に、FR席のモータ駆動部20から出力された信号に基づいてモータ回転速度を検出値として検出する。このモータ回転速度は、フロントサイドガラス32の移動速度に対応しており、「第三開閉体の移動速度に応じた検出値」に相当する。
【0242】
そして、CPU40(異常判定結果出力部266)は、上述のステップS114で算出された閾値と検出値とを比較し、この比較した結果を巻き込み判定結果(異常判定結果)として出力する。このとき、検出値が閾値以上である場合、FR席のパワーウィンドウECU16のCPU40(異常判定結果出力部266)は、巻き込み無しとする巻き込み判定結果を出力する。一方、検出値が閾値未満である場合、CPU40(異常判定結果出力部266)は、巻き込み有りとする巻き込み判定結果を出力する。
【0243】
CPU40(異常判定結果出力部266)によって巻き込み有りとする巻き込み判定結果が出力された場合、FR席のパワーウィンドウECU16は、FR席のモータ駆動部20を停止させる。これにより、フロントサイドガラス32が停止し、巻き込みが防止される。
【0244】
(作用効果)
以上詳述した通り、第三実施形態に係る開閉体制御装置210によれば、巻き込み学習値記憶処理時に、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態が取得される。また、フロントサイドガラス32の移動位置毎の学習値としてフロントサイドガラス32を下降させるモータ駆動部20のモータ回転速度が取得される。そして、この取得されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態と、学習値とがRAM44に記憶される。
【0245】
続いて、巻き込み判定処理時に、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態が取得される。また、巻き込み学習値記憶処理時にRAM44に記憶されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態と、巻き込み判定処理時に取得されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態との組み合わせより、予め設定されたテーブルから補正値が選択される。そして、フロントサイドガラス32の移動位置毎に、フロントサイドガラス32を下降させるモータ駆動部20のモータ回転速度が検出値として検出され、上述のRAM44に記憶された学習値及び選択された補正値に基づいて算出された閾値と、検出値とを比較した結果が巻き込み判定結果として出力される。
【0246】
したがって、巻き込み学習値記憶処理時にRAM44に記憶されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態と、巻き込み判定処理時に取得されたルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態とに対応する補正値によって補正された学習値に基づいて巻き込み判定が行われるので、ルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態によってフロントサイドガラス32に作用する摺動抵抗が変化する場合でも、フロントサイドガラス32についてルーフ30及びリアクオータガラス34の各々の開閉状態に応じた適切な巻き込み判定を行うことができる。
【0247】
(本例における他の動作)
本例では、一例として、FR席のフロントサイドガラス32が下降するときの巻き込みを検出するが、FL席のフロントサイドガラス32が下降するときの巻き込みを検出する場合も、上記と同様である。この場合、ルーフ30は、「第一開閉体」に相当し、RL席のリアクオータガラス34は、「第二開閉体」に相当し、FL席のフロントサイドガラス32は、「第三開閉体」に相当する。
【0248】
また、RR席又はRL席のリアクオータガラス34が下降するときの巻き込みを検出する場合も、上記と同様である。この場合、ルーフ30は、「第一開閉体」に相当し、FR席又はFL席のフロントサイドガラス32は、「第二開閉体」に相当し、RR席又はRL席のリアクオータガラス34は、「第三開閉体」に相当する。また、この場合、図16図17において、「対象となるガラス」は、RR席又はRL席のリアクオータガラス34であり、「前後に隣接するガラス」は、FR席又はFL席のフロントサイドガラス32である。
【0249】
次に、上述の第一乃至第三実施形態に共通の変形例について説明する。
【0250】
上記第一乃至第三実施形態における挟み込み判定処理では、フロントサイドガラス32における移動位置毎のモータ回転速度が学習値として取得され、この学習値から補正値を減算して閾値が算出される。そして、フロントサイドガラス32における移動位置毎の検出値であるモータ回転速度が閾値以上である場合、挟み込み無しと判定され、検出値が閾値未満である場合、挟み込み有りと判定される。
【0251】
しかしながら、例えば、フロントサイドガラス32における移動位置毎の移動速度が学習値として取得され、この学習値から補正値を減算して閾値が算出されてもよい。そして、フロントサイドガラス32における移動位置毎の検出値である移動速度が閾値以上である場合、挟み込み無しと判定され、検出値が閾値未満である場合、挟み込み有りと判定されてもよい。
【0252】
また、例えば、フロントサイドガラス32における移動位置毎のモータ電流(又はモータ電圧)が学習値として取得され、この学習値に補正値を加算して閾値が算出されてもよい。そして、フロントサイドガラス32における移動位置毎の検出値であるモータ電流(又はモータ電圧)が閾値未満である場合、挟み込み無しと判定され、検出値が閾値以上である場合、挟み込み有りと判定されてもよい。
【0253】
また、上記第一乃至第三実施形態における巻き込み判定処理では、フロントサイドガラス32における移動位置毎のモータ回転速度が学習値として取得され、この学習値から補正値を減算して閾値が算出される。そして、フロントサイドガラス32における移動位置毎の検出値であるモータ回転速度が閾値以上である場合、巻き込み無しと判定され、検出値が閾値未満である場合、巻き込み有りと判定される。
【0254】
しかしながら、例えば、フロントサイドガラス32における移動位置毎の移動速度が学習値として取得され、この学習値から補正値を減算して閾値が算出されてもよい。そして、フロントサイドガラス32における移動位置毎の検出値である移動速度が閾値以上である場合、巻き込み無しと判定され、検出値が閾値未満である場合、巻き込み有りと判定されてもよい。
【0255】
また、例えば、フロントサイドガラス32における移動位置毎のモータ電流(又はモータ電圧)が学習値として取得され、この学習値に補正値を加算して閾値が算出されてもよい。そして、フロントサイドガラス32における移動位置毎の検出値であるモータ電流(又はモータ電圧)が閾値未満である場合、巻き込み無しと判定され、検出値が閾値以上である場合、巻き込み有りと判定されてもよい。
【0256】
また、上記実施形態において、開閉体制御装置10、110が適用対象とする複数の開閉体は、ルーフ30、フロントサイドガラス32及びリアクオータガラス34とされているが、第一開閉体及び第二開閉体と、この第一開閉体及び第二開閉体に隣接する第三開閉体を含む複数の開閉体であれば、ルーフ30、フロントサイドガラス32及びリアクオータガラス34以外の車両の開閉体でもよい。
【0257】
また、上記実施形態において、開閉体制御装置10、110は、スライド式であるフロントサイドガラス32及びリアクオータガラス34を制御対象としているが、開閉体制御装置10、110が制御対象とする開閉体は、スイング式でもよい。
【0258】
また、上記実施形態において、開閉体制御装置10は、車両に適用されているが、車両以外の乗り物等に適当されてもよい。
【0259】
また、上記実施形態において、各パワーウィンドウECU16における学習値記憶処理部50等の各機能部は、CPU40がプログラム46(又はプログラム146)を実行することにより実現される。しかしながら、学習値記憶処理部50等の各機能部は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のように、製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)によって実現されてもよく、また、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のように、特定の処理を実行させるために専用に設計された専用電気回路によって実現されてもよい。
【0260】
また、上記実施形態では、各パワーウィンドウECU16が学習値記憶処理部50及び異常判定処理部60を有するが、ボデーECU12が学習値記憶処理部50及び異常判定処理部60を有していてもよい。そして、このボデーECU12において挟み込み判定又は巻き込み判定が行われ、この判定結果がパワーウィンドウECU16に出力されてもよい。
【0261】
以上、本発明の第一乃至第三実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0262】
(第一実施形態)
10…開閉体制御装置、12…ボデーECU、14…ルーフ制御ECU、16…パワーウィンドウECU、18、20…モータ駆動部、22…ルーフ開閉スイッチ、24…ルーフ開閉検出器、26…パワーウィンドウスイッチ、30…ルーフ(第一開閉体)、32…フロントサイドガラス(第三開閉体)、34…リアクオータガラス(第二開閉体)、36…ガラスラン、38…ガラスウェザストリップ、40…CPU、42…ROM、44…RAM、46…プログラム、50…学習値記憶処理部、51…開閉状態取得部、52…作動判定部、53…学習値取得部、54…開閉状態判定部、55…記憶処理部、60…異常判定処理部、61…開閉状態取得部、62…作動判定部、63…開閉状態判定部、64…学習値抽出部、65…閾値算出部、66…異常判定結果出力部
(第二実施形態)
110…開閉体制御装置、146…プログラム、155…記憶処理部、164…補正値選択部、165…閾値算出部、166…異常判定結果出力部
(第三実施形態)
51…開閉状態取得部(第一開閉状態取得部)、61…開閉状態取得部(第二開閉状態取得部)、210…開閉体制御装置、246…プログラム、255…記憶処理部、264…補正値選択部、265…閾値算出部、266…異常判定結果出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24