(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-204377(P2020-204377A)
(43)【公開日】2020年12月24日
(54)【発明の名称】油圧機構
(51)【国際特許分類】
F16H 57/04 20100101AFI20201127BHJP
F16H 47/02 20060101ALI20201127BHJP
【FI】
F16H57/04 N
F16H47/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-113031(P2019-113031)
(22)【出願日】2019年6月18日
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】宮地 利幸
【テーマコード(参考)】
3J063
【Fターム(参考)】
3J063AB02
3J063AB44
3J063AC01
3J063AC03
3J063BA11
3J063XD03
3J063XD16
3J063XD23
3J063XD62
3J063XF01
(57)【要約】
【課題】ケーシング内部における歯付ホイールの回転に起因する潤滑油の気泡の発生を抑制できる油圧機構の提供。
【解決手段】内部に潤滑油を貯留可能な貯留空間S1が形成されるとともに、原動機からの回転動力を伝達可能な複数の歯付ホイール1C,1Dを貯留空間S1に有する動力伝達機構1と、潤滑油の油圧を駆動源とする油圧機器2と、潤滑油を油圧機器2に圧送可能な油圧ポンプPと、が備えられ、複数の歯付ホイール1C,1Dのうちの少なくとも一つに、歯付ホイール1Cのうちの上下中央領域よりも上側の周部を径外方から覆う覆い部10が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に潤滑油を貯留可能な貯留空間が形成されるとともに、原動機からの回転動力を伝達可能な複数の歯付ホイールを前記貯留空間に有する動力伝達機構と、
前記潤滑油の油圧を駆動源とする油圧機器と、
前記潤滑油を前記油圧機器に圧送可能な油圧ポンプと、が備えられ、
前記複数の歯付ホイールのうちの少なくとも一つに、前記歯付ホイールのうちの上下中央領域よりも上側の周部を径外方から覆う覆い部が設けられている油圧機構。
【請求項2】
前記覆い部は、前記複数の歯付ホイールのうち、前記潤滑油の油面よりも上側に露出する前記歯付ホイールに対して設けられる請求項1に記載の油圧機構。
【請求項3】
前記動力伝達機構に、前記原動機からの前記回転動力を無段階に変速可能な静油圧式無段変速機構が一体連結され、
前記潤滑油は、前記静油圧式無段変速機構の作動油としても兼用される請求項1または2に記載の油圧機構。
【請求項4】
前記静油圧式無段変速機構は、前記回転動力を受け取る入力軸と、前記入力軸が受け取った前記回転動力を減速して前記複数の歯付ホイールに伝達可能な出力軸と、を有し、
前記油圧ポンプは、前記入力軸の回転と連動して作動するように構成されている請求項3に記載の油圧機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧機構に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に、動力伝達機構としてミッションケースが開示され、ミッションケースのケーシング内部に潤滑油が封入され、潤滑油は各機構を必要に応じて潤滑する。潤滑油の油面は、ケーシング内部の上下中央に位置する軸の軸芯と同じ高さに設定され、潤滑油の使用量が節約されつつ各軸の歯付ホイール(文献では「ギヤ」)が潤滑されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−184171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで特許文献1に示されたようなミッションケースでは、潤滑油は、ケーシング内部における歯付ホイールの潤滑と、例えば油圧機器の作動油と、に兼用されがちである。一方、ケーシング内部における歯付ホイールの回転に伴って、潤滑油がケーシング内部で歯付ホイールによって掻き揚げられて飛散してしまうと、潤滑油の油中に気泡が発生する。この状態で上述の油圧機器に潤滑油が作動油として供給されると、油圧機器における潤滑不良や作動効率の低下やキャビテーション等が引き起こされる虞がある。
【0005】
このような実情に鑑みて、本発明の目的は、ケーシング内部における歯付ホイールの回転に起因する潤滑油の気泡の発生を抑制できる油圧機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による油圧機構は、内部に潤滑油を貯留可能な貯留空間が形成されるとともに、原動機からの回転動力を伝達可能な複数の歯付ホイールを前記貯留空間に有する動力伝達機構と、前記潤滑油の油圧を駆動源とする油圧機器と、前記潤滑油を前記油圧機器に圧送可能な油圧ポンプと、が備えられ、前記複数の歯付ホイールのうちの少なくとも一つに、前記歯付ホイールのうちの上下中央領域よりも上側の周部を径外方から覆う覆い部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明によると、歯付ホイールの上側の周部を覆い部が上方から覆い被さるため、潤滑油が歯付ホイールによって掻き揚げられても、潤滑油は覆い部に受け止められ、潤滑油の飛散が防止される。このとき、歯付ホイールによって掻き揚げられた潤滑油は、歯付ホイールの回転とともに歯付ホイールの周部に沿って移動し、潤滑油の油中に戻される。これにより、潤滑油の油中における気泡の発生が軽減され、油圧機器における潤滑不良や作動効率の低下、キャビテーションの発生などが抑制される。また、本構成であれば、潤滑油の油面が出来るだけ静止状態に保持されるため、動力伝達機構における空気抜きのブリーザ設計が容易になる。この結果、ケーシング内部における歯付ホイールの回転に起因する潤滑油の気泡の発生を抑制できる油圧機構が実現される。なお、本発明における『前記歯付ホイールのうちの上下中央領域よりも上側の周部』という意味は、歯付ホイールのうちの上下中央領域の周部も含まれる。つまり、本発明は、歯付ホイールのうちの上下中央領域の周部を覆い部が径外方から覆う構成を排除しない。
【0008】
本発明において、前記覆い部は、前記複数の歯付ホイールのうち、前記潤滑油の油面よりも上側に露出する前記歯付ホイールに対して設けられると好適である。
【0009】
歯付ホイールが回転する際に、歯付ホイールの周部の歯部が油面よりも上側のエアを油中に巻き込むことによって、潤滑油の油中に気泡が発生する場合も考えられる。本構成であれば、歯付ホイールうち、潤滑油の油面よりも上側に露出する周部が覆い部に覆われるため、歯付ホイールの周部におけるエアの入り込みが抑制され、歯付ホイールの回転に伴うエアの巻き込みが抑制される。これにより、潤滑油の油中における気泡の発生が一層軽減される。
【0010】
本発明において、前記動力伝達機構に、前記原動機からの前記回転動力を無段階に変速可能な静油圧式無段変速機構が一体連結され、前記潤滑油は、前記静油圧式無段変速機構の作動油としても兼用されると好適である。
【0011】
本構成であれば、動力伝達機構と静油圧式無段変速機構とが一体連結されるため、動力伝達機構と静油圧式無段変速機構とが各別に構成される場合と比較して、潤滑油が静油圧式無段変速機構の作動油として供給される場合の管路損失が低減される。これにより、静油圧式無段変速機構における変速効率の向上が容易に可能となる。
【0012】
本発明において、前記静油圧式無段変速機構は、前記回転動力を受け取る入力軸と、前記入力軸が受け取った前記回転動力を減速して前記複数の歯付ホイールに伝達可能な出力軸と、を有し、前記油圧ポンプは、前記入力軸の回転と連動して作動するように構成されていると好適である。
【0013】
本構成であれば、入力軸が油圧ポンプの駆動軸としても兼用されるため、簡素な構成によって油圧ポンプの駆動が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】覆い部で覆われた状態の第一ギヤを示す図である。
【
図3】覆い部で覆われた状態の第一ギヤを示す断面図である。
【
図4】覆い部で覆われていない状態の第一ギヤを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔油圧機構〕
本発明による油圧機構について、その実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示されているように、本実施形態に例示される油圧機構に、動力伝達機構としてのトランスミッションケース1と、油圧機器2と、HST3(静油圧式無段変速機構:Hydraulic Static Transmission)と、が備えられている。HST3とトランスミッションケース1とが一体的に連結されている。本実施形態では、トランスミッションケース1の内部に、潤滑油を貯留可能な貯留空間として内部空間S1が形成されている。トランスミッションケース1と油圧機器2との間は供給油路4によって接続され、油圧機器2とHST3との間は還元油路5によって接続されている。供給油路4の途中に、油圧ポンプPが設けられており、油圧ポンプPは、潤滑油をトランスミッションケース1から油圧機器2へ圧送可能に構成されている。油圧機器2は潤滑油の油圧を駆動源とする。油圧ポンプPは、例えば歯車ポンプである。油圧機器2の動作に用いられた潤滑油は、還元油路5を経由してHST3の循環油路に供給される。そして潤滑油は、HST3の循環油路を経由してトランスミッションケース1に戻される。
【0016】
HST3に、HST入力軸3AとHST出力軸3Bとが備えられる。HST入力軸3Aの一端部に油圧ポンプPが連結され、油圧ポンプPはHST入力軸3Aの回転軸芯回りにHST入力軸3Aと一体回転可能に構成されている。詳述はしないが、HST入力軸3Aの他端部(油圧ポンプPの位置する側と反対側の端部)に、例えばエンジン(不図示)等の原動機の出力軸が連結され、HST入力軸3Aは原動機の回転動力を受け取る。そして、HST3における斜板(不図示)の角度が変更され、原動機の動力が無段階に変速され、変速後の動力がHST出力軸3Bから出力される。油圧機器2に、公知の油圧モータ等の油圧ユニットが含まれ、油圧ユニットがサーボ制御されることによって、HST3の斜板角度が変更可能に構成されている。このように、HST3は、原動機からの回転動力を無段階に変速可能に構成されている。HST3はトランスミッションケース1に一体連結され、内部空間S1に貯留された潤滑油はHST3の作動油としても兼用される。
【0017】
内部空間S1に、トランスミッション入力軸1Aとトランスミッション出力軸1Bとが備えられている。トランスミッション入力軸1Aの長手方向両端部は、トランスミッションケース1の側壁に支持される。HST出力軸3Bとトランスミッション入力軸1Aとは一体連結されている。このことから、HST出力軸3Bの回転に伴って、HST出力軸3Bとトランスミッション入力軸1Aとは同一の回転軸芯X回りに一体回転する。トランスミッション入力軸1Aに、歯付ホイールとしての第一ギヤ1Cが備えられている。トランスミッション入力軸1Aの回転に伴って、第一ギヤ1Cは回転軸芯X回りにトランスミッション入力軸1Aと一体回転する。つまり、HST出力軸3Bは、HST入力軸3Aが受け取った回転動力を減速して複数の歯付ホイールとしての第一ギヤ1Cや第二ギヤ1Dに伝達可能に構成されている。トランスミッション出力軸1Bはトランスミッション入力軸1Aよりも下側に位置し、トランスミッション出力軸1Bは回転軸芯X2回りに回転可能である。トランスミッション出力軸1Bに、歯付ホイールとしての第二ギヤ1Dが備えられている。このように、動力伝達機構としてのトランスミッションケース1は、原動機からの回転動力を伝達可能な複数の歯付ホイールを、貯留空間としての内部空間S1に有する。
【0018】
図1乃至
図3に示されるように、第一ギヤ1Cと第二ギヤ1Dとの夫々の全周に亘って等間隔に歯部1e,1fが形成されている。第一ギヤ1Cにおける歯部1eと、第二ギヤ1Dにおける歯部1fと、は互いに歯合し、第一ギヤ1Cの回転に伴って、トランスミッション出力軸1Bと第二ギヤ1Dとが回転軸芯X2回りに一体回転する。この構成によって、原動機の動力が、HST3の変速と、第一ギヤ1Cと第二ギヤ1Dとの伝達と、を介してトランスミッション出力軸1Bに伝達される。そして、トランスミッション出力軸1Bに伝達された動力は、例えば車輪やクローラ等の駆動系に伝達される。
【0019】
図1乃至
図4に示されるように、本実施形態では、内部空間S1のうち、回転軸芯Xの位置する上下高さまで潤滑油が充填されている。このため、トランスミッション入力軸1Aと第一ギヤ1Cとの夫々において、少なくとも下側の半分の領域が潤滑油で満たされる。このため、トランスミッション入力軸1Aとトランスミッション出力軸1Bとの夫々における軸受に潤滑油が供給され、トランスミッション入力軸1Aとトランスミッション出力軸1Bとの夫々は円滑に回転できる。また、第一ギヤ1Cと第二ギヤ1Dとの夫々にも潤滑油が供給されて、第一ギヤ1Cの歯部1eと、第二ギヤ1Dの歯部1fと、は円滑に歯合する。
【0020】
本実施形態では
図1乃至
図3に示されるような覆い部10が設けられているが、まず、覆い部10が設けられていない場合の不都合を
図4に基づいて説明する。第一ギヤ1Cにおける上側半分の領域は、潤滑油の油面よりも上側に位置する。このため、第一ギヤ1Cの回転に伴って、第一ギヤ1Cの歯部1eが油面の下方から油面の上方へ回転する第一領域A1で、潤滑油が上方へ掻き揚げられて飛散する。また、第一ギヤ1Cの回転に伴って、第一ギヤ1Cの歯部1eが油面の上方から油面の下方へ回転する第二領域A2で、油面よりも上側のエアが油面よりも下側に掻き込まれる。このことから、第一ギヤ1Cの回転に伴って潤滑油の油中に気泡が発生し易くなる。この状態で、油中に含まれた気泡が油圧ポンプPで圧縮されて液化すると、油圧ポンプPでキャビテーションが発生する虞がある。また、液化した気泡がHST3に取り込まれて気化することにより、HST3の変速効率が低下したり、油圧機器2やHST3における潤滑不良が発生したりする虞がある。このような不都合を回避するため、本実施形態では
図1乃至
図3に示されるような覆い部10が設けられている。覆い部10は、複数の歯付ホイールのうち、潤滑油の油面よりも上側に露出する歯付ホイールに対して、即ち第一ギヤ1Cに対して設けられている。また、覆い部10はトランスミッションケース1の内壁に支持される。
【0021】
図1乃至
図3に示されるように、覆い部10は、歯付ホイールとしての第一ギヤ1Cのうちの上下中央領域よりも上側の周部を径外方から覆うように構成されている。換言すると、覆い部10は、第一ギヤ1Cにおける上半分の領域を上方及び側方から覆うように構成されている。覆い部10は、左右一対の径側面10a,10aと、周側面10bと、を有する。径側面10a,10aは、第一ギヤ1Cの径方向に沿って平面状に形成され、第一ギヤ1Cの厚み方向における左右両側方に位置する。周側面10bの長手方向は、第一ギヤ1Cの歯部1eよりも外側において覆い部10の周方向に沿って湾曲する。径側面10a,10aの夫々に亘って周側面10bが横架する。換言すると、周側面10bの短手方向両端に径側面10a,10aが位置する。
【0022】
第一ギヤ1Cの回転に伴って、第一ギヤ1Cの歯部1eが油面の下方から油面の上方へ回転する第一領域A1で、潤滑油は飛散せずに覆い部10に受け止められる。即ち、油面よりも上側に掻き揚げられた潤滑油は、歯部1eにおけるギヤ間と、径側面10a,10aと、周側面10bと、の間に囲まれた隙間S2に保持され、歯部1eの回転とともに周方向に沿って案内される。そして、第一ギヤ1Cの歯部1eが油面の上方から油面の下方へ回転する第二領域A2で、隙間S2に保持された潤滑油がそのまま油面よりも下側の油中に戻される。つまり、本実施形態であれば、歯部1eにおけるギヤ間に潤滑油が存在するため、覆い部10が設けられない構成と比較して、歯部1eにおいてギヤ間に含まれるエアの量が少なくなる。これにより、第一ギヤ1Cの回転に伴う潤滑油の飛散が防止されるとともに、油中に対するエアの掻き込みが抑制される。
【0023】
〔別実施形態〕
本発明は、上述の実施形態に例示された構成に限定されるものではなく、以下、本発明の代表的な別実施形態を例示する。
【0024】
(1)上述した実施形態において、複数の歯付ホイールとして第一ギヤ1Cと第二ギヤ1Dとが示されたが、この実施形態に限定されない。例えば、複数の歯付ホイールとして、第一ギヤ1Cと第二ギヤ1Dとに代わって一対のスプロケットが備えられ、一対のスプロケットに亘って無端チェーンが巻き掛けられる構成であっても良い。
【0025】
(2)上述した実施形態において、トランスミッションケース1にトランスミッション入力軸1Aとトランスミッション出力軸1Bとの二つの軸が設けられているが、この実施形態に限定されない。例えば、トランスミッション入力軸1Aとトランスミッション出力軸1Bとの間に一つ以上の中間軸が設けられ、トランスミッション入力軸1Aからトランスミッション出力軸1Bへ中間軸を介して動力が伝達される構成であっても良い。もちろん、中間軸が複数の変速ギヤを有する構成であっても良い。また、トランスミッション入力軸1Aとトランスミッション出力軸1Bとの上下位置が同じ状態で横並びする場合には、第一ギヤ1Cと第二ギヤ1Dとの両方に覆い部10が設けられる構成であっても良い。要するに、複数の歯付ホイールのうちの少なくとも一つに覆い部10が設けられていれば良い。
【0026】
(3)上述した実施形態において、トランスミッションケース1とHST3とが一体連結されているが、トランスミッションケース1とHST3とは各別に設けられる構成であっても良い。また、HST3が備えられない構成であっても良く、この場合、還元油路5は油圧機器2とトランスミッションケース1とに亘って設けられる構成であっても良い。また、HST3が備えられない構成である場合、油圧ポンプPはトランスミッション入力軸1Aの回転軸芯X回りにトランスミッション入力軸1Aと一体回転するように構成されても良い。
【0027】
なお、上述の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、内部に潤滑油を貯留可能な貯留空間が形成されるとともに、原動機からの回転動力を伝達可能な複数の歯付ホイールを貯留空間に有する動力伝達機構が備えられた油圧機構に適用可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 :トランスミッションケース(動力伝達機構)
1C :第一ギヤ(複数の歯付ホイール)
1D :第二ギヤ(複数の歯付ホイール)
2 :油圧機器
3 :HST(静油圧式無段変速機構)
3A :HST入力軸(入力軸)
3B :HST出力軸(出力軸)
10 :覆い部
P :油圧ポンプ
S1 :内部空間(貯留空間)