【実施例1】
【0016】
以下、
図1〜
図3を参照しながら、本発明の実施例1ついて説明する。
図1は、本発明の実施例1における固形製剤外観検査における教示装置の構成を説明する図である。
図2は、本発明の実施例1における固形製剤Tを説明する図である。
図3は、本発明の実施例1における固形製剤Tにおける不良個所を説明する図であり、(a)は、異物付着の不良カテゴリー、(b)は、欠けの不良カテゴリーを説明する図である。
【0017】
(固形製剤外観検査における教示装置) 本発明の実施例1における固形製剤外観検査における教示装置(以下、「教示装置」という。)について
図1を参照して説明する。教示装置20は、撮像部1、不良品画像記憶部2、良品画像記憶部3、不良個所演算部4、不良候補演算部5、不良判断閾値設定部6、操作部7、表示部8等から構成されている。そして、教示装置20は、固形製剤(本願発明においては、固形製剤を錠剤やカプセル錠等の固形の薬剤と定義する。)における外観検査のための教示パラメータを簡易に作成することができる。
【0018】
撮像部1は、白黒カメラで構成され、不良品及び良品の固形製剤Tを撮像する。実施例1においては、1台であるが、必要に応じて複数台の撮像部を備えるようにしてもよい。例えば、複数の撮像部で固形製剤Tの正面、背面、側面などを撮像するようにしてもよい。また、外観検査機に設置した撮像部を用いて固形製剤Tを撮像するようにしてもよい。撮像部1には、対象物である固形製剤Tを背景と明確に分離して撮像するために図示しない照明部を設けている。実施例1において、固形製剤Tの表面は白く撮像され、不良個所は黒く撮像されるように撮像部1、図示しない照明部を設定している。
【0019】
なお、実施例1においては、撮像部1が教示装置20に組み込まれた構成としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、別置の撮像部1から撮像データを取り込んで処理しても良い。また撮像部1をカラーカメラとし、取り込んだ撮像データをグレースケール等に変換しても良い。
【0020】
不良品画像記憶部2、及び良品画像記憶部3には、それぞれ複数の画像を記憶することができ、これらはパソコンの記憶部により構成している。不良個所演算部4は不良画像中で不良個所が存在するとして指定された範囲に存在する不良の大きさを演算する。また、不良候補演算部5は良品画像に存在する不良候補、つまり、大きさが小さく不良にはならないものの背景とは異なる色合いで(実施例1においては黒く)撮像されている部分の大きさを演算する。不良判断閾値設定部6は、不良画像における不良個所の大きさと、良品画像における不良候補の大きさとから良否判断に用いる不良判断閾値を設定する。不良個所演算部4、不良候補演算部5、及び不良判断閾値設定部6は、パソコンで実行されるソフトウエアで構成される。
【0021】
なお、実施例1においては、不良個所演算部4、不良候補演算部5、及び不良判断閾値設定部6は、パソコンで実行されるソフトウエアで構成しているが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、電子回路で構成してもよい。
【0022】
操作部7は、タッチパネルからなり、ソフトウエアにより、キーを表示してデータの入力を行うことができる。表示部8は、撮像部1が撮像した画像や、不良品画像記憶部2、及び良品画像記憶部3に記憶されている画像を表示して確認することができる。
【0023】
なお、実施例1においては、操作部7をタッチパネルで構成したが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、マウス等の機器を用いて入力操作するように構成してもよい。
【0024】
(固形製剤外観検査における教示方法) まず、画像記憶工程を実施し、固形製剤Tの代表的な不良品を撮像部1で撮像して不良品画像記憶部2に不良カテゴリー毎に記憶させるとともに、固形製剤Tの良品を撮像部1で撮像して良品画像記憶部3に記憶させる。実施例1における不良カテゴリーは、固形製剤Tに対する異物付着A(
図3(a)参照)と欠けB(
図3(b)参照)である。代表的な不良品は複数撮像して記憶させることが望ましく、複数の異物付着Aを有する不良品と、複数の欠けBを有する不良品の画像を撮像して記憶する。代表的な良品の撮像も複数撮像することが望ましい。撮像された代表的な複数の良品画像は良品画像記憶部3に記憶される。
【0025】
異物付着Aの不良カテゴリーに属する不良品画像の例を
図3(a)に示す。固形製剤Tの表面は白く撮像されるように撮像部1や図示しない照明部が設定されているが、異物付着Aがあるとその部分は暗い画像となる。また、
図3(b)に欠けBの不良カテゴリーに属する不良品画像の例を示す。欠けBも画像中に暗く撮像される。一方、良品の固形製剤Tの良品画像の例を
図2に示す。理想的な良品画像は全面が白く撮像されるが、中には
図2に不良候補Xで示すように、暗い点が撮像されることがある。これは、固形製剤Tの表面の凹凸等によるものか、細かい欠けで大きさから不良とはしないものであり、不良ではない。外観検査においては、この良品画像における不良候補Xと不良画像における異物付着Aや欠けBとを区別することにより良否判定を行う。
【0026】
良品画像における不良候補Xと不良品画像における異物付着Aや欠けBとを区別するために、外観検査機では固形製剤Tの画像における暗い部分の大きさに基づいて、良品の不良候補Xと不良品である異物付着Aや欠けBとを区別している。具体的には、画像における不良個所が黒くなるように画像濃度を動的閾値法により2値化し、黒い部分の大きさを計測して予め決められた閾値以上か否かを判断し、閾値以上の大きさであれば不良品と判断している。逆に黒く撮像された部分の大きさが閾値未満の大きさであれば、良品と判断している。
【0027】
このため、実施例1における教示装置20においては、不良品画像記憶部2に記憶された不良品画像を不良カテゴリー毎に、不良個所演算部4において動的閾値法により2値化して、黒い部分(不良個所)の大きさを計測する。具体的には、不良個所範囲指定工程を実施し、オペレータが表示部8に表示された画像を見ながら操作部7を用いて不良個所を囲む四角形を設定する。不良個所が指定されれば、次に、演算工程を実施し、不良個所演算部4が不良カテゴリー毎に不良個所の大きさを演算するともに、不良候補演算部5が良品画像から不良候補Xの大きさを演算する。不良個所及び不良候補Xの大きさは面積値で表しているが、周囲長等の他のパラエータを用いて表してもよい。不良カテゴリー毎に複数の不良個所の大きさが計測できれば、不良個所演算部4がそれら複数の不良個所の大きさのうち最小の面積値を算出する。また、不良候補演算部5が不良候補Xの大きさのうち、最も大きな面積値を有する不良候補Xを抽出する。
【0028】
なお、実施例1においては、不良個所範囲指定工程を実施し、オペレータが表示部8に表示された画像を見ながら操作部7を用いて不良個所を囲む四角形を設定するように構成したが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、不良個所範囲指定工程を実施せずに、教示装置20が上述の演算工程を実施して、自動的に不良個所を特定するように構成してもよい。
【0029】
不良個所演算部4及び不良候補演算部5で行う2値化のレベルは、動的閾値法で決められる。動的閾値法とは、画像を平均化して平均画像を算出し、元の画像と平均画像との差分をとり近傍の輝度と比べて突出している領域のみを黒色又は白色にして抽出する2値化方法であって、輝度ムラのある画像でも不良個所を検出することができる。
【0030】
そして、不良判断閾値設定工程を実施し、それぞれ演算された不良カテゴリー毎の不良個所の大きさの最小値と不良候補Xの大きさの最大値とを不良判断閾値設定部6が比較して中間に良否判断の閾値となる不良判断閾値(教示パラメータ)を設定する。
【0031】
ここで、実施例1においては、不良個所の大きさの最小値と不良候補Xの大きさの最大値とを比較し、その中間に良否判断の閾値となる不良判断閾値を設定する構成としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、不良個所の大きさの最小値に余裕度αを考慮した(最小値−α)と不良候補Xの大きさの最大値に余裕度βを考慮した(最大値+β)とを比較し、その中間に良否判断の閾値となる不良判断閾値を設定する構成としてもよい。
【0032】
実施例1においては、不良品画像記憶部3に複数の不良品画像を不良カテゴリー毎に記憶し、良品画像記憶部4に複数の良品画像を記憶し、不良個所を指定すれば、その後の不良カテゴリー毎の不良個所の大きさ計測と最小値演算、不良候補の大きさ計測と最大値演算、そして不良判断閾値の設定までを教示装置20が自動で行うことができる。このため、たいへん容易に教示パラメータ作成を行うことができる。
【0033】
なお、実施例1においては、不良個所の大きさ及び不良候補の大きさを面積値で表すように構成したが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、不良個所の大きさ及び不良候補の大きさを周囲長で表すように構成してもよい。
【0034】
また、実施例1においては、不良個所や不良候補が暗くなるように撮像部1や図示しない照明部を設定したが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、不良個所や不良候補が白くなるように撮像部1や図示しない照明部を設定してもよい。
【0035】
このように、実施
例1においては、固形製剤外観検査における教示装置であって、 良品画像を記憶する良品画像記憶部と、 不良品画像を記憶する不良品画像記憶部と、 前記不良個所の大きさを演算する不良個所演算部と、 前記良品画像記憶部に記憶された前記良品画像から、不良候補の大きさを演算する不良候補演算部と、 前記不良個所の大きさと、前記不良候補の大きさとから、不良判断閾値を設定する不良判断閾値設定部と、を備えたことを特徴とする固形製剤外観検査における教示装置により、固形製剤外観検査における教示パラメータ作成を容易に行うことができる。
【0036】
また、固形製剤外観検査における教示方法であって、 良品画像を記憶するとともに、不良品画像を不良カテゴリー毎に記憶する画像記憶工程と、 不良カテゴリー毎に前記不良個所の大きさを演算するともに、前記良品画像から不良候補の大きさを演算する演算工程と、 前記不良カテゴリー毎の前記不良個所の大きさと、前記不良候補の大きさとから前記不良カテゴリー毎の不良判断閾値を設定する不良判断閾値設定工程と、を備えたことを特徴とする固形製剤外観検査における教示方法により、固形製剤外観検査における教示パラメータ作成を容易に行うことができる。
【実施例2】
【0037】
本発明の実施例2は、固形製剤に印刷された文字等の印刷検査のための教示パラメータを設定する点で実施例1と異なっている。
図4は、本発明の実施例2における良品の固形製剤Tを説明する図である。
図5は、本発明の実施例2における固形製剤Tにおける不良個所を説明する図であり、(a)は、文字にじみの不良カテゴリー、(b)は、文字飛びの不良カテゴリーを説明する図である。
図6は、本発明の実施例2における文字にじみの不良例を説明する図である。
【0038】
実施例2においても教示装置20を用いて教示パラメータの設定を行う。実施例2における固形製剤Tは、その表面に文字等が印刷されたものである。まず、画像記憶工程を実施し、固形製剤Tの代表的な不良品を撮像部1で撮像して不良品画像記憶部2に不良カテゴリー毎に記憶させるとともに、固形製剤Tの良品を撮像部1で撮像して良品画像記憶部3に記憶させる。実施例2における不良カテゴリーは、固形製剤Tに対する文字にじみC(
図5(a)参照)と文字飛びD(
図5(b)参照)である。不良品は複数撮像して記憶させることが望ましく、複数の文字にじみCを有する不良品と、複数の文字飛びDを有する不良品の画像を撮像して記憶する。文字等が正しく印刷された良品(
図4参照)の撮像も複数撮像することが望ましい。撮像された複数の良品画像は良品画像記憶部3に記憶される。
【0039】
文字にじみCの不良カテゴリーに属する不良品画像の例を
図5(a)に示す。固形製剤Tの表面は白く撮像され、印刷された文字等は黒くなるように撮像部1や図示しない照明部が設定されているが、文字にじみCがあるとその部分は文字色と同様に暗い画像となる。また、
図5(b)に文字飛びDの不良カテゴリーに属する不良品画像の例を示す。文字飛びDも画像中に暗く撮像される。一方、良品の固形製剤Tの良品画像の例を
図4に示す。理想的な良品画像は表面が白く撮像され、その表面に文字等が印刷されている(文字等は黒く撮像される。)が、中には
図4に不良候補Xで示すように、暗い点が撮像されることがある。これは、固形製剤Tの表面の凹凸等によるものであり、不良ではない。外観検査においては、この良品画像における不良候補Xと不良画像における文字にじみCや文字飛びDとを区別することにより良否判定を行う。
【0040】
良品画像における不良候補Xと不良品画像における文字にじみCや文字飛びDとを区別するために、外観検査機では固形製剤Tの画像における暗い部分の大きさに基づいて、良品の不良候補Xと不良品である文字にじみCや文字飛びDとを区別している。すなわち、画像における印刷文字等が黒くなるように画像濃度を2値化し、印刷文字等以外の黒い部分の大きさを計測して予め決められた閾値以上か否かを判断し、閾値以上の大きさであれば不良品と判断している。逆に黒く撮像された部分の大きさが閾値未満の大きさであれば、良品と判断している。
【0041】
文字にじみCの検査は、正しい文字等に繋がっているので、不良部分の分離をする必要がある。そのため正しい文字等の画像をテンプレートとして予め記憶しておき、検査対象の固形製剤Tの印刷文字等の画像位置に重ね合わせたときに、重ならずテンプレートからはみ出る部分の大きさが所定以上であれば、文字にじみCとして検出する。
【0042】
ここで、文字にじみCの検査は、
図6のような場合がある。
図6(a)は、本来の文字「E」に一つの文字にじみCが存在する場合であり、
図6(b)は、本来の文字「E」に複数の文字にじみCが存在する場合である。複数の文字にじみCを合計した大きさで良否の閾値を設定すると一つ一つの文字にじみCが検出できない可能性がある。このため、実施例2においては、個々の文字にじみCを別々にその大きさを計測して良否判断の閾値を設定している。
【0043】
実施例2における教示装置20においては、不良品画像記憶部2に記憶された不良品画像を不良カテゴリー毎に、不良個所演算部4において動的閾値法により2値化して、黒い部分(不良個所)の大きさを計測する。具体的には、不良個所範囲指定工程を実施し、オペレータが表示部8に表示された画像を見ながら操作部7を用いて不良個所を囲む四角形を設定するか、文字等のテンプレートと重ならない部分を不良個所として設定する。不良個所が指定されれば、次に、演算工程を実施し、不良個所演算部4が不良カテゴリー毎に不良個所の大きさを演算するともに、不良候補演算部5が良品画像から不良候補の大きさを演算する。不良個所及び不良候補Xの大きさは面積値で表しているが、周囲長等の他のパラエータを用いて表してもよい。不良カテゴリー毎に複数の不良個所の大きさが計測できれば、不良個所演算部4がそれら複数の不良個所の大きさのうち最小の面積値を算出する。また、不良候補演算部5が不良候補Xの大きさのうち、最も大きな面積値を抽出する。
【0044】
そして、不良判断閾値設定工程を実施し、それぞれ演算された不良カテゴリー毎の不良個所の大きさの最小値と不良候補Xの大きさの最大値とを不良判断閾値設定部6が比較して中間に良否判断の閾値となる不良判断閾値(教示パラメータ)を設定する。
【0045】
ここで、実施例2においては、不良個所の大きさの最小値と不良候補Xの大きさの最大値とを比較し、その中間に良否判断の閾値となる不良判断閾値を設定する構成としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、不良個所の大きさの最小値に余裕度αを考慮した(最小値−α)と不良候補Xの大きさの最大値に余裕度βを考慮した(最大値+β)とを比較し、その中間に良否判断の閾値となる不良判断閾値を設定する構成としてもよい。
【0046】
なお、実施例2においては、文字にじみCと文字飛びDの不良カテゴリーについて説明したが、文字欠けについても検査パラメータの設定が可能である。つまり、文字等のテンプレートを固形製剤Tの表面に重ねた部分に暗くない、つまり明るい部分が閾値以上の大きさであれば、文字欠けと判断することができる。この場合は、文字欠けと判断できる不良個所の白い部分の大きさに基づいて不良判断閾値を設定すればよい。
【0047】
実施例2においても、不良品画像記憶部3に複数の不良品画像を不良カテゴリー毎に記憶し、良品画像記憶部4に複数の良品画像を記憶し、不良個所を指定すれば、その後の不良カテゴリー毎の不良個所の大きさ計測と最小値演算、不良候補の大きさ計測と最大値演算、そして不良判断閾値の設定までを教示装置20が自動で行うことができる。このため、たいへん容易に教示パラメータ作成を行うことができる。
【0048】
このように、実施例2においては、固形製剤外観検査における教示装置であって、 良品画像を記憶する良品画像記憶部と、 不良品画像を記憶する不良品画像記憶部と、 前記不良個所の大きさを演算する不良個所演算部と、 前記良品画像記憶部に記憶された前記良品画像から、不良候補の大きさを演算する不良候補演算部と、 前記不良個所の大きさと、前記不良候補の大きさとから、不良判断閾値を設定する不良判断閾値設定部と、を備えたことを特徴とする固形製剤外観検査における教示装置により、固形製剤外観検査における教示パラメータ作成を容易に行うことができる。
【0049】
また、固形製剤外観検査における教示方法であって、 良品画像を記憶するとともに、不良品画像を不良カテゴリー毎に記憶する画像記憶工程と、 不良カテゴリー毎に前記不良個所の大きさを演算するともに、前記良品画像から不良候補の大きさを演算する演算工程と、 前記不良カテゴリー毎の前記不良個所の大きさと、前記不良候補の大きさとから前記不良カテゴリー毎の不良判断閾値を設定する不良判断閾値設定工程と、を備えたことを特徴とする固形製剤外観検査における教示方法により、固形製剤外観検査における教示パラメータ作成を容易に行うことができる。