【解決手段】振れ補正機能付き光学ユニット1は、レンズ2を備える可動体5と、可動体5をレンズ2の光軸Lを中心に回転可能に支持する回転支持機構6と、可動体5を光軸L回りに回転させるローリング補正用磁気駆動機構と、を有する。可動体5は、可動体本体部17と、可動体本体部17からレンズ2と同軸に突出する可動体突出部18と、を備え、回転支持機構6は、可動体5に固定されたプレートロール41と、プレートロール41を回転可能に支持するプレートホルダと、を備える。プレートロール41は、可動体突出部18が内周側に嵌るプレートロール環状部を備える。これにより、プレートロール41は、可動体5の光軸Lを中心に位置決めされる。
前記プレートロール円筒部分は、前記第1方向の端に向かって外周側に傾斜するテーパーの内周面を備えることを特徴とする請求項2に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
前記プレートロール円筒部分の中心孔は、前記第1方向の端から前記第2方向に向かって、内径が前記円筒部分の外形よりも大きい大径孔部分と、前記大径孔部分よりも内径が小さい小径孔部分と、をこの順に備え、
前記円筒部分は、前記小径孔部分に嵌っていることを特徴とする請求項2に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
前記回転支持機構を前記光軸と交差する第1軸回りに回転可能に支持するとともに、前記光軸および前記第1軸と交差する第2軸回りに回転可能に支持するジンバル機構と、
前記ジンバル機構および前記回転支持機構を介して前記可動体を支持する固定体と、
前記可動体を前記第1軸回りおよび前記第2軸回りに回転させる振れ補正用磁気駆動機構と、を有し、
前記ジンバル機構は、ジンバルフレームと、前記プレートホルダと前記ジンバルフレームとを回転可能に接続する第1接続機構と、を備え、
前記第1接続機構は、前記ジンバルフレームから前記第1軸上を前記プレートホルダの側に突出する第1支持部材と、前記プレートホルダに設けられて前記第1支持部材の先端が回転可能に接触する第1凹曲面を備えることを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
前記ジンバルフレームは、前記プレートホルダの前記第2方向に位置するジンバルフレーム本体部と、前記ジンバルフレーム本体部から前記第1軸方向の両側に向かって突出して前記第1方向に延びる一対の第1ジンバルフレーム延設部と、を備え、
一対の前記第1ジンバルフレーム延設部は、前記プレートホルダの外周側に位置し、
前記第1支持部材は、一対の前記第1ジンバルフレーム延設部のそれぞれから前記プレートホルダの側に突出し、
前記ジンバルフレーム本体部は、前記光軸方向に貫通する開口部を備え、
前記開口部には、前記可動体突出部が挿入されており、
前記プレートロールは、前記光軸方向における前記可動体本体部と前記ジンバルフレーム本体部との間で前記可動体突出部を囲むプレートロール環状部を備え、
前記プレートホルダは、前記光軸方向における前記可動体本体部と前記ジンバルフレーム本体部との間で前記可動体突出部を囲むプレートホルダ環状部と、前記プレートホルダ環状部から前記第1軸方向の両側に向かって突出して前記第1方向に延びる一対のプレートホルダ延設部と、を備え、
一対の前記プレートホルダ延設部のそれぞれには、前記第1凹曲面が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した振れ補正機能付き光学ユニットの実施形態を説明する。
【0018】
(全体構成)
図1は振れ補正機能付き光学ユニットの斜視図である。
図2は、フレキシブルプリント基板を取り外した振れ補正機能付き光学ユニットを
図1とは異なる方向から見た場合の斜視図である。
図3は、カバーを取り除いた振れ補正機能付き光学ユニットを光軸方向から見た場合の平面図である。
図4は、
図3のA−A線断面図である。
図5は、
図3のB−B線断面図である。
図6は、振れ補正機能付き光学ユニットの分解斜視図である。
図7は、可動体、回転支持機構、およびジンバル機構の説明図である。
図8は、可動体、回転支持機構、およびジンバルフレームの断面図である。
図9は、可動体、回転支持機構、ジンバルフレーム、および第1接続機構の分解斜視図である。
【0019】
振れ補正機能付き光学ユニット1は、レンズ2および撮像素子3を備えた撮像モジュール4を有する。振れ補正機能付き光学ユニット1は、例えば、カメラ付き携帯電話機、ドライブレコーダー等の光学機器や、ヘルメット、自転車、ラジコンヘリコプター等の移動体に搭載されるアクションカメラやウエアラブルカメラ等の光学機器に用いられる。このような光学機器では、撮影時に光学機器の振れが発生すると、撮像画像に乱れが発生する。振れ補正機能付き光学ユニット1は、撮影画像が傾くことを回避するため、ジャイロスコープ等の検出手段によって検出された加速度や角速度、振れ量等に基づき、可動体の傾きを補正する。
【0020】
本例の振れ補正機能付き光学ユニット1は、光軸L回り、光軸Lと直交する第1軸R1回り、並びに、光軸Lおよび第1軸R1と直交する第2軸R2回りに撮像モジュール4を回転させて振れ補正を行う。従って、振れ補正機能付き光学ユニット1は、ローリング補正、ピッチング補正、および、ヨーイング補正を行う。
【0021】
以下の説明では、互いに直交する3軸をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向とする。また、X軸方向の一方側を−X方向、他方側を+X方向とする。Y軸方向の一方側を−Y方向、他方側を+Y方向とする。Z軸方向の一方側を−Z方向第(第1方向)、他方側を+Z方向(第2方向)とする。Z軸方向は、撮像モジュール4が備えるレンズ2の光軸Lに沿った光軸方向である。−Z方向は、撮像モジュール4の像側であり、+Z方向は、撮像モジュール4の被写体側である。また、第1軸R1に沿った方向を第1軸R1方向、第2軸R2に沿った方向を第2軸R2方向とする。第1軸R1および第2軸R2は、Z軸回りで、X軸およびY軸に対して45度傾斜する。
【0022】
図1に示すように、振れ補正機能付き光学ユニット1は、撮像モジュール4を備える可動体5と、可動体5を、光軸Lを中心に回転可能に支持する回転支持機構6を備える。また、振れ補正機能付き光学ユニット1は、回転支持機構6を、第1軸R1回りに回転可能に支持するとともに、第2軸R2回りに回転可能に支持するジンバル機構7と、ジンバル機構7および回転支持機構6を介して可動体5を支持する固定体8と、を有する。従って、可動体5は、ジンバル機構7を介して、第1軸R1回りに揺動可能に支持されるとともに、第2軸R2回りに揺動可能に支持される。ここで、可動体5は、第1軸R1回りの回転および第2軸R2回りの回転を合成することにより、X軸回りおよびY軸回りに揺動可能である。
【0023】
また、振れ補正機能付き光学ユニット1は、
図2に示すように、可動体5を第1軸R1回りおよび第2軸R2回りに回転させる振れ補正用磁気駆動機構10を有する。振れ補正
用磁気駆動機構10は、可動体5に対してX軸回りの駆動力を発生させる第1振れ補正用磁気駆動機構11と、可動体5に対してY軸回りの駆動力を発生させる第2振れ補正用磁気駆動機構12と、を備える。第1振れ補正用磁気駆動機構11は、可動体5の−Y方向に配置される。第2振れ補正用磁気駆動機構12は、可動体5の−X方向に配置される。さらに、振れ補正機能付き光学ユニット1は、
図1、
図3に示すように、可動体5を光軸L回りに回転させるローリング補正用磁気駆動機構13、を有する。第1振れ補正用磁気駆動機構11、第2振れ補正用磁気駆動機構12、およびローリング補正用磁気駆動機構13は、光軸L回りの周方向に配列されている。光軸Lと直交する方向から見た場合に、ローリング補正用磁気駆動機構13は、振れ補正用磁気駆動機構10と重なる。本例では、ローリング補正用磁気駆動機構13と第1振れ補正用磁気駆動機構11とは、光軸Lを間に挟んで対向する位置に配置されている。また、
図1に示すように、振れ補正機能付き光学ユニット1は、固定体8に取り付けられたフレキシブルプリント基板15を備える。さらに、振れ補正機能付き光学ユニット1は、可動体5の第1方向の端部分から外部に引き出された不図示のフレキシブルプリント基板を備える。
【0024】
また、振れ補正機能付き光学ユニット1は、固定体8の+Z方向の端面に固定された枠状のカバー9を備える。Z軸方向から見た場合に、カバー9は、可動体5の外周側に位置する。
【0025】
(可動体)
図4、
図5、
図8に示すように、可動体5は、撮像モジュール4と、撮像モジュール4を外周側から囲む撮像モジュールホルダ16を備える。また、可動体5は、可動体本体部17と、可動体本体部17から+Z方向に突出する可動体突出部18と、を備える。可動体突出部18は、撮像モジュール4の鏡筒である。可動体突出部18にはレンズ2が収容されている。可動体本体部17は、撮像モジュールホルダ16と、撮像モジュール4において撮像モジュールホルダ16の内周側に位置する部分と、からなる。可動体本体部17には、撮像素子3が収容されている。撮像素子3は、レンズ2の光軸L上においてレンズ2の−Z方向に配置されている。
【0026】
図3に示すように、可動体本体部17を上方から見た場合の形状は、略8角形である。すなわち、可動体本体部17は、
図9に示すように、Y方向に平行に延びる第1側壁21、および第2側壁22と、X方向に平行に延びる第3側壁23および第4側壁24を備える。第1側壁21は、第2側壁22の−X方向に位置する。第3側壁23は、第4側壁24の−Y方向に位置する。また、可動体本体部17は、第1軸R1方向の対角に位置する第5側壁25および第6側壁26と、第2軸R2方向の対角に位置する第7側壁27および第8側壁28を備える。第5側壁25は、第6側壁26の−X方向に位置する。第7側壁27は、第8側壁28の−Y方向に位置する。
【0027】
可動体突出部18は、可動体本体部17の中央部分から突出する。
図4に示すように、可動体突出部18は、一定の外径寸法で光軸方向に延びる円筒部分30と、円筒部分30の+Z方向で、円筒部分30よりも外径寸法が小さい小径筒部分31と、を備える。円筒部分30と小径筒部分31とは、+Z方向を向く環状面によって接続されている。
【0028】
図9に示すように、可動体5の第1側壁21には、第1マグネット35が固定されている。第1マグネット35は、Z軸方向に2分割されている。可動体5の第3側壁23には、第2マグネット36が固定されている。第2マグネット36は、Z軸方向に2分割されている。可動体5の第4側壁24には、第3マグネット37が固定されている。第3マグネット37は、周方向で2分割されている。
【0029】
(回転支持機構)
図10は、回転支持機構6の分解斜視図である。
図10に示すように、回転支持機構6は、可動体5に固定されたプレートロール41と、Z軸方向でプレートロール41に対向する対向部55を備えるプレートホルダ42と、プレートロール41および対向部に接触した状態で転動する複数の球体43を備える回転機構44と、プレートロール41およびプレートホルダ42を互いに接近する方向に付勢する与圧機構45と、を備える。
【0030】
プレートロール41は、金属製である。プレートロール41は、光軸Lを囲むプレートロール環状部47と、プレートロール環状部47から第2軸R2方向の両側に突出して第1方向に延びる一対のプレートロール延設部48と、を備える。プレートロール環状部47は、プレートロール環状板50と、プレートロール41の内周側の端縁から第1方向に屈曲する円筒形状の屈曲部分(プレートロール円筒部分)51を備える。
図8に示すように、プレートロール環状板50の−Z方向の端面には、径方向の中央に、プレートロール環状溝52が設けられている。屈曲部分51は、−Z方向の端に向かって外周側に傾斜するテーパーの内周面51aを備える。可動体突出部18の円筒部分30は、−Z方向の側から屈曲部分51に挿入されて、屈曲部分51に嵌っている。
【0031】
図10に示すように、一対のプレートロール延設部48のそれぞれには、−Z方向の端部分に、可動体5に固定される固定部53が設けられている。固定部53は、周方向の両端縁に、+Z方向に向かって周方向の幅が広がる楔形状の突起53aを複数備える。また、固定部53は、第2軸R2方向の外側面に、矩形の突起53bを備える。矩形の突起53bは、+Z方向に向かって第2軸R2方向の突出量が増加する。
【0032】
プレートホルダ42は、
図10に示すように、可動体突出部18を囲むプレートホルダ環状部56と、プレートホルダ環状部56から第1軸R1方向の両側に向かって突出して−Z方向に延びる一対のプレートホルダ延設部57と、を備える。プレートホルダ環状部56は、プレートロール環状部47とZ軸方向で対向する対向部55である。プレートホルダ環状部56は、プレートホルダ環状板58と、プレートホルダ環状板58の外周側の端縁から+Z方向に延びるプレートホルダ環状壁59と、を備える。プレートホルダ環状板58の+Z方向の端面には、周方向で離間する複数のプレートホルダ円弧溝60が設けられている。複数のプレートホルダ円弧溝60は、周方向に延びており、それぞれがプレートロール環状溝52に対向する。複数のプレートホルダ円弧溝60は、等角度間隔で設けられている。本例では、プレートホルダ環状板58は、6つのプレートホルダ円弧溝60を備える。
【0033】
一対のプレートホルダ延設部57は、プレートホルダ環状壁59の上端部分から第1軸R1方向をプレートホルダ環状部56から離間する方向に延びるプレートホルダ第1延設部分57aと、プレートホルダ第1延設部分57aの外周側の端から、プレートホルダ環状部56から離間する方向に向かって−Z方向に傾斜するプレートホルダ第2延設部分57bと、プレートホルダ第2延設部分57bの−Z方向の端から可動体5の外周側を−Z方向に延びるプレートホルダ第3延設部分57cと、を備える。
図8に示すように、一方のプレートホルダ延設部57のプレートホルダ第3延設部分57cは、可動体5の第5側壁25と第1軸R1方向で僅かな隙間を開けて対向する。他方のプレートホルダ延設部57のプレートホルダ第3延設部分57cは、可動体5の第6側壁26と第1軸R1方向で僅かな隙間を開けて対向する。また、各プレートホルダ第3延設部分57cは、第1軸R1線上を可動体5の側に窪む第1凹曲面61を備える。第1凹曲面61は、後述する第1支持部材81とともに、ジンバル機構7の第1接続機構76を構成する。
【0034】
図10に示すように、回転機構44は、複数の球体43と、リテーナ65と、を備える。リテーナ65は、複数の球体43のそれぞれを転動可能に保持する複数の球体保持穴65aを備える。本例では、回転機構44は、6個の球体43を備える。従って、リテーナ
65は6つの球体43を保持可能な数の球体保持穴65aを備える。各球体43の−Z方向の端部分は、各プレートホルダ円弧溝60に、部分的に挿入されている。リテーナ65は、球体保持穴65aがZ軸方向に貫通する環状のリテーナ本体部66と、リテーナ本体部66の周方向の複数箇所から径方向の両側に突出する4つのリテーナ突出部67と、を備える。球体43は、球体保持穴65aに保持されて、リテーナ65から−Z方向および+Z方向に突出する。球体保持穴65aは、+Z方向に向かって内径寸法が小さくなる円弧の曲面形状を備える。従って、リテーナ65は、+Z方向から各球体43に被せられている。
【0035】
各リテーナ突出部67は、径方向外側に突出する外側突出部67a、および径方向内側に突出する内側突出部67bを備える。4つのリテーナ突出部67は、90°間隔で設けられている。リテーナ65がプレートホルダ環状部56とプレートロール環状部47との間に配置された状態では、外側突出部67aに、プレートホルダ環状部56のプレートホルダ環状壁59が径方向外側から当接する。すなわち、プレートホルダ環状壁59は、リテーナ突出部67に径方向から当接する当接部である。また、内側突出部67bに、プレートロール環状部47の屈曲部分51が径方向内側から当接する。すなわち、プレートロール環状部47の屈曲部分51は、リテーナ突出部67に径方向から当接する当接部である。リテーナ65は、リテーナ突出部67がプレートホルダ環状部56およびプレートロール環状部47と当接することにより、径方向で位置決めされる。
【0036】
与圧機構45は、プレートロール環状部47に固定された板バネ70を備える。板バネ70は円環状である。板バネ70は、内周側に向かって+Z方向に傾斜するテーパー形状を備える。
図8に示すように、板バネ70は、内周縁がプレートロール環状部47の屈曲部分51の−Z方向の端面に固定されている。板バネ70の外周側部分は、−Z方向に撓んだ状態でプレートホルダ環状部56に−Z方向の側から当接する。より詳細には、プレートホルダ環状部56は、内周側の端縁部分に、+Z方向に窪む薄肉部分56aを備える。板バネ70の外周側部分は、プレートロール環状部47から離間する方向に弾性変形した状態で、薄肉部分56aに−Z方向から当接する。従って、板バネ70は、自己の弾性復帰力により、プレートホルダ42(プレートホルダ環状部56)をプレートロール41(プレートロール環状部47)の側に向かって付勢する。
【0037】
ここで、
図9に示すように、可動体5は、可動体本体部17の第2軸R2方向の両端部分のそれぞれに、一対のプレートロール延設部48の固定部53を受け入れるプレートロール固定孔72を備える。プレートロール固定孔72は、撮像モジュールホルダ16に設けられている。プレートロール固定孔72は、第7側壁27および第8側壁28と平行で、−Z方向に延びる。
【0038】
回転支持機構6は、プレートロール41の各プレートロール延設部48の固定部53が、各プレートロール固定孔72に圧入されることにより可動体5に固定される。固定部53をプレートロール固定孔72に挿入する際には、プレートロール環状板50の中心穴に可動体突出部18を挿入する。そして、可動体突出部18を屈曲部分51に嵌合させる。これにより、プレートロール41は、可動体突出部18と同軸に位置決めされる。すなわち、プレートロール41は、光軸Lを基準に位置決めされる。また、各プレートロール延設部48の固定部53を、各プレートロール固定孔72に圧入すると、固定部53の突起53aおよび突起53bが塑性変形して潰れた状態となる。これにより、プレートロール41と可動体5とは固定される。プレートロール41と可動体5とが固定されると、可動体5は、プレートロール41と一体に、光軸L回りに回転可能となる。
【0039】
(ジンバル機構)
図11は、ジンバルフレーム、補強部材、および第1支持部材の分解斜視図である。図
4に示すように、ジンバル機構7は、ジンバルフレーム75と、ジンバルフレーム75とプレートホルダ42とを第1軸R1回りに回転可能に接続する第1接続機構76とを備える。また、
図5に示すように、ジンバル機構7は、ジンバルフレーム75と固定体8とを第2軸R2回りに回転可能に接続する第2接続機構77、を備える。第1接続機構76は、ジンバルフレーム75から第1軸R1上をプレートホルダ42の側に突出する第1支持部材81と、プレートホルダ42に設けられて第1支持部材81の先端が回転可能に接触する第1凹曲面61を備える。第2接続機構77は、固定体8から第2軸R2上をジンバルフレーム75の側に突出する第2支持部材82と、ジンバルフレーム75に設けられて第2支持部材82の先端が接触する第2凹曲面83と、を備える。
図11に示すように、ジンバルフレーム75には、第1軸R1が通過する部分を補強するための補強部材100が固定されている。
【0040】
(ジンバルフレーム)
ジンバルフレーム75は、金属製の板バネからなる。
図9に示すように、ジンバルフレーム75は、プレートホルダ42の+Z方向に位置するジンバルフレーム本体部85と、ジンバルフレーム本体部85から第1軸R1方向の両側に向かって突出して−Z方向に延びる一対の第1ジンバルフレーム延設部86と、ジンバルフレーム本体部85から第2軸R2方向の両側に向かって突出して−Z方向に延びる一対の第2ジンバルフレーム延設部87と、を備える。ジンバルフレーム本体部85は、第1軸R1方向に延びる略長方形形状の中央板部分85aと、中央板部分85aの第2軸R2方向の一方側(−Y方向の側)から+Z方向に傾斜する第1傾斜板部分85bと、中央板部分85aの第2軸R2方向の他方側(+Y方向の側)から+Z方向に傾斜する第2傾斜板部分85cと、を備える。また、ジンバルフレーム本体部85は、中央に、Z軸方向に貫通する開口部90を備る。開口部90には、可動体突出部18が挿入されている。
【0041】
一対の第1ジンバルフレーム延設部86は、プレートホルダ42の外周側に位置する。
図11に示すように、一対の第1ジンバルフレーム延設部86のそれぞれは、第1軸R1方向をジンバルフレーム本体部85から離間する方向に延びる第1ジンバルフレーム延設部第1延設部分86aと、第1ジンバルフレーム延設部第1延設部分86aの先端から第1軸R1方向をジンバルフレーム本体部85から離間する方向に向かって−Z方向に傾斜する第1ジンバルフレーム延設部第2延設部分86bと、第1ジンバルフレーム延設部第2延設部分86bの−Z方向の端からプレートホルダ42の外周側を−Z方向に延びる第1ジンバルフレーム延設部第3延設部分86cと、を備える。
【0042】
第1ジンバルフレーム延設部第1延設部分86aは、中央板部分85aから第1軸R1方向に延びている。第1ジンバルフレーム延設部第3延設部分86cは、第1軸R1方向に貫通するジンバルフレーム延設部貫通孔92を備える。また、第1ジンバルフレーム延設部第3延設部分86cは、ジンバルフレーム延設部貫通孔92の開口縁から第1軸R1方向を可動体5とは反対側(補強部材の側)に突出する支持部材固定用筒部93を備える。さらに、第1ジンバルフレーム延設部86は、第1ジンバルフレーム延設部第3延設部分86cにおいて周方向でジンバルフレーム延設部貫通孔92を挟んだ両側から周方向に突出する一対の第1ジンバルフレーム延設部突部94を備える。
【0043】
ここで、第1支持部材81は、円柱形状であり、第1軸R1上を第1軸R1方向に延びる。第1支持部材81の可動体5の側の端部は、半球面を備える。第1支持部材81は、支持部材固定用筒部93に挿入されて保持される。第1支持部材81の可動体5の側の端部は、第1ジンバルフレーム延設部第3延設部分86cから可動体5の側に突出する。
【0044】
一対の第2ジンバルフレーム延設部87は、可動体5の外周側に位置する。一対の第2ジンバルフレーム延設部87のそれぞれは、第2軸R2方向をジンバルフレーム本体部8
5から離間する方向に延びる第2ジンバルフレーム延設部第1延設部分87aと、第2ジンバルフレーム延設部第1延設部分87aの先端から第1軸R1方向をジンバルフレーム本体部85から離間する方向に向かって−Z方向に傾斜する第2ジンバルフレーム延設部第2延設部分87bと、第2ジンバルフレーム延設部第2延設部分87bの−Z方向の端から可動体5の外周側を−Z方向に延びる第2ジンバルフレーム延設部第3延設部分87cと、を備える。−Y方向に位置する一方の第2ジンバルフレーム延設部87の第2ジンバルフレーム延設部第1延設部分87aは、第1傾斜板部分85bの外周側の端縁から第2軸R2方向に延びる。+Y方向に位置する一方の第2ジンバルフレーム延設部87の第2ジンバルフレーム延設部第1延設部分87aは、第2傾斜板部分85cの外周側の端縁から第2軸R2方向に延びる。各第2ジンバルフレーム延設部第3延設部分87cは、第2軸R2方向に窪む第2凹曲面83を備える。また、第2ジンバルフレーム延設部87は、第2ジンバルフレーム延設部第3延設部分87cにおいて周方向で第2凹曲面83を挟んだ両側から周方向に突出する一対の第2ジンバルフレーム延設部突部95を備える。ここで、第2凹曲面83は、後述する固定体8の第2支持部材82とともに、第2接続機構77を構成する。
【0045】
(補強部材)
図11に示すように、補強部材100は、第1ジンバルフレーム延設部第1延設部分86aの+Z方向に位置する第1補強部分100aと、第1補強部分100aの外周側の端から第1ジンバルフレーム延設部第2延設部分86bに沿って延びる第2補強部分100bと、第2延設部の−Z方向の端から第1ジンバルフレーム延設部第3延設部分86cに沿って延びる第3補強部分100cと、を備える。第3補強部分100cは、第1ジンバルフレーム延設部第3延設部分86cの径方向外側に位置する。第1ジンバルフレーム延設部86と補強部材100とが重ねられた積層方向における補強部材100の厚みは、第1ジンバルフレーム延設部86よりも厚い。補強部材100の剛性は、第1ジンバルフレーム延設部86の剛性よりも高い。補強部材100は、樹脂製である。
【0046】
また、補強部材100は、第1補強部分100aをZ軸方向に貫通する接着剤注入孔101と、第1ジンバルフレーム延設部86の側の面を、第1補強部分100a、第2補強部分100bおよび第3補強部分100cに沿って延びて接着剤注入孔101に連通する連通溝102を備える。さらに、第3補強部分100cは、第1軸R1方向に貫通してジンバルフレーム延設部貫通孔92に連通する補強部材貫通孔103を備える。補強部材貫通孔103は、第1ジンバルフレーム延設部86の支持部材固定用筒部93が挿入可能な内径寸法を備える。
【0047】
図8に示すように、補強部材100は、支持部材固定用筒部93が第3補強部分100cの補強部材貫通孔103に挿入されて、ジンバルフレーム75延設部に取り付けられる。従って、支持部材固定用筒部93に挿入された第1支持部材81は、第1ジンバルフレーム延設部86および補強部材100に支持される。この状態で、接着剤注入孔101に接着剤が注入されると、接着剤は、連通溝102を流れて、補強部材100と第1ジンバルフレーム延設部86との間に介在する。補強部材100と第1ジンバルフレーム延設部86とは、連通溝102内の接着剤により固定される。
【0048】
また、補強部材100は、
図7、
図11に示すように、第1ジンバルフレーム延設部86に取り付けられたときに、光軸L回りの周方向における第1ジンバルフレーム延設部86の両側を可動体5の側に向かって突出する一対の補強部材第1突部104を備える。一対の前記補強部材第1突部104は、第1ジンバルフレーム延設部86に設けられた一対の第1ジンバルフレーム延設部突部94の+Z方向に位置する。Z軸方向から見た場合に、一対の前記補強部材第1突部104と一対の第1ジンバルフレーム延設部突部94とは、重なる。さらに、補強部材100は、第1ジンバルフレーム延設部86の−Z方向を可
動体5の側に向かって突出する補強部材第2突部105を備える。Z軸方向から見た場合に、補強部材第2突部105と第1ジンバルフレーム延設部第3延設部分86cとは重なる。
【0049】
(第1接続機構)
ここで、一対の第1ジンバルフレーム延設部86は、可動体5の外周側に位置する。一対のプレートホルダ延設部57は、一対の第1ジンバルフレーム延設部86と可動体5との間に位置する。そして、第1支持部材81を保持する第1ジンバルフレーム延設部第3延設部分86cと、第1凹曲面61を備えるプレートホルダ第3延設部分57cとは、第1軸R1上において、対向する。第1接続機構76は、第1支持部材81において、第1ジンバルフレーム延設部86から可動体5の側に突出する先端が第1凹曲面61に接触することにより構成される。本例では、第1支持部材81と、第1凹曲面61とは、点接触する。これにより、回転支持機構6は、第1接続機構76を介して、ジンバルフレーム75に回転可能に支持される。従って、回転支持機構6に支持された可動体5は、ジンバル機構7により、第1軸R1回りに回転可能に支持される。
【0050】
可動体5および回転支持機構6がジンバル機構7に支持された状態では、ジンバルフレーム本体部85、プレートロール環状部47、およびプレートホルダ環状部56は、可動体本体部17の+Z方向で、可動体突出部18の外周側に位置する。プレートロール環状部47は、Z軸方向におけるジンバルフレーム本体部85と可動体本体部17との間に位置する。プレートホルダ環状部56は、Z軸方向におけるジンバルフレーム本体部85と可動体本体部17との間に位置する。また、プレートロール環状部47、およびプレートホルダ環状部56は、第1軸R1および第2軸R2よりも+Z方向に位置する。さらに、ジンバルフレーム本体部85、プレートロール環状部47、およびプレートホルダ環状部56は、撮像素子3よりも+Z方向に位置する。
【0051】
(固定体)
図12は、固定体8を構成するケースおよびジンバルフレーム受け部材の斜視図である。
図13は、ケースおよびジンバルフレーム受け部材の分解斜視図である。
図1に示すように、固定体8は、樹脂製のケース109を備える。ケース109は、可動体5、回転支持機構6、およびジンバルフレーム75を外周側から囲む枠部110を備える。枠部110は、矩形である。枠部110は、
図12に示すように、X方向で対向する第1枠部部分111および第2枠部部分112と、Y方向で対向する第3枠部部分113および第4枠部部分114を備える。第1枠部部分111は第2枠部部分112の−X方向に位置する。第3枠部部分113は、第4枠部部分114の−Y方向に位置する。
【0052】
第1枠部部分111には、第1コイル固定孔111aが設けられている。
図2に示すように、第1コイル固定孔111aには第1コイル115が固定されている。第3枠部部分113には、第2コイル固定孔113aが設けられている。第2コイル固定孔113aには第2コイル116が固定されている。第1コイル115および第2コイル116は、周方向に長い長円形の空芯コイルである。
図12に示すように、第4枠部部分114には、第3コイル固定孔114aが設けられている。
図1に示すように、第3コイル固定孔114aには、第3コイル117が配置されている。第3コイル117は、Z軸方向に長い空芯コイルである。ここで、第1コイル115および第2コイル116および第3コイル117は、フレキシブルプリント基板15に電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板15は、枠部110における第4枠部部分114、第1枠部部分111、および第3枠部部分113の外周面に沿って、この順番に引き回されている。
図12に示すように、第2枠部部分112には、開口部112aが設けられている。可動体5の撮像モジュール4から引き出されたフレキシブルプリント基板(不図示)は、開口部112aを介して枠部110の+X方向に引き出される。
【0053】
図4、
図12に示すように、枠部110における第1軸R1方向の対角部分のそれぞれには、径方向外側に窪んでZ軸方向に延びる溝部120が設けられている。
図12に示すように、溝部120は、Z軸方向に延びる底面120aと、底面120aの光軸L回りの周方向の両端から内周側に延びる一対の側面120bと、によって規定されている。
【0054】
図5、
図12に示すように、枠部110における第2軸R2方向の対角部分のそれぞれには、第2軸R2上をジンバルフレーム75の側に突出する第2支持部材82が固定されている。第2支持部材82は、球体である。より具体的には、
図13に示すように、枠部110における第2軸R2方向の対角部分のそれぞれには、径方向外側に窪む凹部121が設けられている。各凹部121は、第2軸R2方向に延びる底面121aと、底面121aの外周端から+Z方向に延びる背面121bと、底面121aの光軸L回りの周方向の両端から+Z方向に延びる一対の側面121cと、によって規定されている。底面121aは、周方向の中央部分に、一定幅で第2軸R2方向に延びる第1溝121dを備える。背面121bは、周方向の中央部分に、Z軸方向に一定幅で延びる第2溝121eを備える。第1溝121dと第2溝121eとは連通する。
【0055】
図12に示すように、各凹部121には、それぞれジンバルフレーム受け部材125が固定されている。
図13に示すように、ジンバルフレーム受け部材125は、第2支持部材82と、第2支持部材82が固定されたスラスト受け部材126と、を備える。スラスト受け部材126および第2支持部材82は、金属製である。
図7、
図13に示すように、スラスト受け部材126は、Z軸方向に延びる板状の第1板部131と、第1板部131の−Z方向の端部から略直角に屈曲して径方向内側へ延びる第2板部132と、第1板部131の+Z方向の端部における周方向の両側から略直角に屈曲して径方向内側へ延びる一対の第3板部133と、を備える。一対の第3板部133の内周側の端部は、周方向を互いに離間する方向に屈曲している。第1板部131には第2支持部材固定孔131aが設けられている。第2支持部材固定孔131aは、Z軸方向において、第2板部132と一対の第3板部133との間に位置する。第2支持部材82は、外周側の一部分が第2支持部材固定孔131aに部分的に嵌り込んだ状態で、溶接によって、第1板部131に固定される。第2支持部材82は、第1板部131から内周側に突出する。
【0056】
ジンバルフレーム受け部材125がケース109の凹部121に挿入される際には、
図12に示すように、スラスト受け部材126の一対の第3板部133が凹部121の一対の側面121cに当接する。これにより、第2支持部材82は、光軸L回りの周方向で位置決めされる。また、スラスト受け部材126の第2板部132が、凹部121の底面121aに当接する。これにより、第2支持部材82は、Z軸(光軸L)方向に位置決めされる。スラスト受け部材126は、第1溝121dおよび第2溝121eに塗布された接着剤により、凹部121に固定される。スラスト受け部材126が凹部121に固定されると、第2支持部材82は、第2軸R2線上に位置し、枠部110に固定されたスラスト受け部材126材の第1板部131から内周側に突出する。
【0057】
(第2接続機構)
ジンバル機構7によって可動体5を第2軸R2線回りに支持する際には、可動体5および回転支持機構6が支持されたジンバルフレーム75を枠部110の内側に配置する。また、
図4に示すように、枠部110の対角部分に設けられた溝部120に、第1ジンバルフレーム延設部86および補強部材100を挿入する。さらに、
図5に示すように、枠部110の対角部分に配置された第2支持部材82(球体)と、第2凹曲面83を備える第2ジンバルフレーム延設部第3延設部分87cとを対向させる。そして、第2支持部材82の先端部分を第2凹曲面83に挿入して、第2凹曲面83に接触させる。また、
図7に示すように、スラスト受け部材126の一対の第3板部133と、第2板部132との間
に、一対の第2ジンバルフレーム延設部突部95を挿入する。これにより第2接続機構77が構成されるので、回転支持機構6は、ジンバル機構7により、第2軸R2回りに回転可能に支持される。すなわち、回転支持機構6は、ジンバル機構7により、第1軸R1回りに回転可能に支持するとともに、第2軸R2回りに回転可能に支持される。よって、回転支持機構6に支持された可動体5も、ジンバル機構7により、第1軸R1回りに回転可能に支持するとともに、第2軸R2回りに回転可能に支持される。
【0058】
ここで、ジンバルフレーム75は板バネなので、第2ジンバルフレーム延設部87は、第2軸R2方向に弾性変形可能である。従って、第2支持部材82と第2ジンバルフレーム延設部87の第2凹曲面83とを接触させる際、第2ジンバルフレーム延設部87を内周側へ撓ませて接触させる。これにより、第2ジンバルフレーム延設部87は、外周側へ向かう弾性復帰力により、第2支持部材82に内周側から弾性接触する。従って、第2ジンバルフレーム延設部87と枠部110との接続が解除されることを防止或いは抑制できる。
【0059】
(振れ補正用磁気駆動機構およびローリング補正用磁気駆動機構)
可動体5および回転支持機構6がジンバル機構7により支持された状態では、可動体5の第1側壁21に固定された第1マグネット35と第1コイル115とがX方向で隙間を開けて対向する。第1マグネット35および第1コイル115は、第2振れ補正用磁気駆動機構12を構成する。また、可動体5の第3側壁23に固定された第2マグネット36と第2コイル116とがY方向で隙間を開けて対向する。第2マグネット36および第2コイル116は、第1振れ補正用磁気駆動機構11を構成する。従って、第1コイル115への給電により、可動体5は、Y軸回りに回転する。また、第2コイル116への給電により、可動体5はX軸回りに回転する。振れ補正用磁気駆動機構10は、第1振れ補正用磁気駆動機構11による可動体5のY軸回りの回転と、第2振れ補正用磁気駆動機構12による可動体5のX軸回りの回転と、を剛性して、可動体5を第1軸R1回り、および第2軸R2回りに回転させる。
【0060】
また、可動体5が枠部110の内周側に配置された状態では、可動体5の第4側壁24に固定された第3マグネット37と第3コイル117とがY方向で隙間を開けて対向する。第3マグネット37および第3コイル117は、ローリング補正用磁気駆動機構13を構成する。従って、第13イルへの給電により、可動体5は、光軸L回りに回転する。
【0061】
ここで、
図4、
図5に示すように、Z軸方向における第2ジンバルフレーム延設部87とプレートロール延設部48との間の隙間D1は、Z軸方向における第1ジンバルフレーム延設部86とプレートホルダ延設部57との間の隙間よりも大きい。従って、ジンバル機構7により回転支持機構6が第1軸R1回りに回転したときに、回転支持機構6が第2ジンバルフレーム延設部87と接触することを抑制できる。
【0062】
また、ジンバルフレーム75が第2接続機構77を介して枠部110に接続された状態では、ジンバルフレーム75の一対の第1ジンバルフレーム延設部86および補強部材100は、枠部110における第1軸R1方向の対角部分に設けられた溝部120の内側に配置される。ここで、
図3に示すように、溝部120の一対の側面120bは、それぞれが光軸L回りの周方向で補強部材100と所定の第1間隔を開けて対向する。溝部120の一対の側面120bは、ジンバルフレーム75が周方向に変位したときに補強部材100に当接して当該ジンバルフレーム75の移動範囲を規定する移動範囲規定部145である。また、
図3、
図4に示すように、溝部120において、補強部材100の径方向外側に位置する底面120aは、第1軸R1方向で補強部材100と第2間隔を開けて対向する。溝部120の底面120aは、ジンバルフレーム75が第2軸R2回りに回転したときに当該補強部材100に当接して当該ジンバルフレーム75の回転範囲を規定する回転
範囲規定部146である。
【0063】
なお、
図2、
図6に示すように、第1コイル115の中心穴のZ軸方向の中心には、矩形の第1磁性板141が配置されている。第2コイル116の中心穴のZ軸方向の中心には、矩形の第2磁性板142が配置されている。第1磁性板141は、可動体5の第1マグネット35と対向しており、可動体5をY軸回りの回転方向における基準回転位置に復帰させるための磁気バネを構成している。第2磁性板142は、可動体5の第2マグネット36と対向しており、可動体5をX軸回りの回転方向における基準回転位置に復帰させるための磁気バネを構成している。また、
図1、
図6に示すように、第3コイル117の中心穴の周方向の中心には、矩形の第3磁性板143が配置されている。第2磁性板は、可動体5の第3マグネット37と対向しており、可動体5を、光軸L回りの回転方向における基準回転位置に復帰させるための磁気バネを構成している。
【0064】
(作用効果)
本例によれば、可動体5にはレンズ2と同軸の可動体突出部18が設けられている。一方、回転支持機構6は、可動体5に固定されるプレートロール41が、可動体突出部18が嵌るプレートロール環状部47を備える。従って、プレートロール41が可動体突出部18に嵌った状態では、プレートロール41は可動体5の光軸Lに対して位置決めされる。よって、可動体5の光軸Lと、回転支持機構6による回転軸とを一致させることができる。
【0065】
また、プレートロール環状部47は、内周側の端縁から−Z方向に屈曲する円筒形状の屈曲部分51を備える。可動体突出部18は、一定の外径寸法でZ軸方向に延びる円筒部分30を備える。また、円筒部分30は、屈曲部分51に嵌る。従って、プレートロール41を可動体突出部18に嵌った状態とすることが容易である。
【0066】
さらに、本例では、屈曲部分51は、−Z方向の端に向かって外周側に傾斜するテーパーの内周面51aを備える。従って、プレートロール環状部47に対して、可動体突出部18を−Z方向の側から嵌め込むことが容易である。また、プレートロール環状部47に可動体突出部18を挿入したときに、プレートロール環状部47を光軸Lに対して、精度よく位置決めできる。
【0067】
また、本例によれば、可動体5を光軸L回りに回転可能に支持する回転支持機構6が、ジンバル機構7によって光軸Lと交差する第1軸R1回りおよび第2軸R2回りに回転可能に支持される。従って、振れ補正用磁気駆動機構10を駆動することにより、回転支持機構6は、可動体5と一体に第1軸R1回りおよび第2軸R2回りに回転する。よって、可動体5が第1軸R1回り或いは第2軸R2回りに回転している場合でも、回転支持機構6による可動体5の回転軸と可動体5の光軸Lとは、一致する。従って、可動体5が第1軸R1回り或いは第2軸R2回りに回転しているときにローリング補正用磁気駆動機構13を駆動して可動体5を回転させたときに、可動体5は光軸L回りに回転する。
【0068】
さらに、本例では、ジンバルフレーム75は、プレートホルダ42の+Z方向に位置するジンバルフレーム本体部85と、ジンバルフレーム本体部85から第1軸R1方向の両側に向かって突出して−Z方向に延びる一対の第1ジンバルフレーム延設部86と、を備える。一対の第1ジンバルフレーム延設部86は、プレートホルダ42の外周側に位置する。第1支持部材81は、一対の第1ジンバルフレーム延設部86のそれぞれからプレートホルダ42の側に突出する。ジンバルフレーム本体部85は、Z軸方向に貫通する開口部90を備え、開口部90には、可動体突出部18が挿入されている。また、プレートロール41は、Z軸方向におけるジンバルフレーム本体部85とジンバルフレーム本体部85との間で可動体突出部18を囲むプレートロール環状部47を備える。プレートホルダ
42は、Z軸方向におけるジンバルフレーム本体部85とジンバルフレーム本体部85との間で可動体突出部18を囲むプレートホルダ環状部56と、プレートホルダ環状部56から第1軸R1方向の両側に向かって突出して−Z方向に延びる一対のプレートホルダ延設部57と、を備える。一対のプレートホルダ延設部57のそれぞれには、第1凹曲面61が設けられている。従って、可動体5における可動体突出部18の外周側に形成されるデッドスペースを利用して、ジンバルフレーム本体部85、プレートロール環状部47、およびプレートホルダ環状部56を配置できる。また、第1一対の第1ジンバルフレーム延設部86と一対のプレートホルダ延設部57とを利用して、第1軸R1線上の2か所に第1接続機構76を構成できる。
【0069】
また、本例では、ジンバル機構7は、ジンバルフレーム75と固定体8とを第2軸R2回りに回転可能に接続する第2接続機構77、を備える。ジンバルフレーム75は、ジンバルフレーム本体部85から第2軸R2方向の両側に突出して−Z方向に延びる一対の第2ジンバルフレーム延設部87、を備える。固定体8は、可動体5、プレートホルダ42、およびジンバルフレーム75を外周側から囲む枠部110を備える。第2接続機構77は、枠部110における第2軸R2方向の対対角部分のそれぞれから第2軸R2上をジンバルフレーム75の側に突出する第2支持部材82と、一対の第2ジンバルフレーム延設部87のそれぞれに設けられて第2支持部材82の先端が接触する第2凹曲面83と、を備える。従って、ジンバル機構7により、回転支持機構6を第2軸R2回りに回転可能に支持できる。
【0070】
(変形例)
図14はプレートロール41の別の例の説明図である。
図14に示す変形例のプレートロール41Aでは、プレートロール環状部47の屈曲部分51の中心孔150が、−Z方向の端から+Z方向に向かって、内径が円筒部分30の外形よりも大きい大径孔部分151と、大径孔部分151よりも内径が小さい小径孔部分51bと、をこの順に備える。
【0071】
従って、プレートロール41を可動体5に固定する際には、可動体突出部18は、まず、大径孔部分151に挿入され、次に、小径孔部分51bに挿入される。そして、可動体突出部18の円筒部分30は、小径孔部分51bに嵌る。すなわち、可動体5の円筒部分30は、屈曲部分51における小径孔部分51bの内周壁に嵌合する。これにより、プレートロール41は、光軸Lに対して、同軸に位置決めされる。
【0072】
プレートロール41Aを用いた場合でも、プレートロール環状部47に対して、可動体突出部18を−Z方向の側から嵌め込むことが容易である。
【0073】
ここで、上記の例では、ジンバルフレーム本体部85、プレートロール環状部47、およびプレートホルダ環状部56は可動体本体部17の+Z方向に位置する。これに対して、プレートロール環状部47、およびプレートホルダ環状部56を、可動体5の+Z方向に位置させた状態で、ジンバルフレーム本体部85を可動体本体部17の−Z方向に位置させることもできる。この場合、一対のプレートホルダ延設部57は、一対の第1ジンバルフレーム延設部86の内側に位置するものとする。
【0074】
このようにしても、ジンバル機構7によって、可動体5を第1軸R1回りおよび第2軸R2回りに回転可能に支持できる。また、プレートロール41を可動体突出部18に嵌合させることにより、プレートロール41は可動体5の光軸Lに対して位置決めすることができ、可動体5の光軸Lと回転支持機構6による回転軸とを一致させることができる。
【0075】
(回転支持機構の別の例)
次に、
図15は、回転支持機構6の別の例の斜視図である。
図16は、回転支持機構の
別の例の断面図である。
図15、
図16を参照して、変形例の回転支持機構6Aを説明する。本例の回転支持機構6Aは、可動体5に固定されたプレートロール41と、Z軸方向でプレートロール41に対向する対向部を備えるプレートホルダ42と、プレートロール41および対向部に接触した状態で転動する複数の球体43およびリテーナ65を備える回転機構44と、プレートロール41およびプレートホルダ42を互いに接近する方向に付勢する与圧機構45と、を備える。なお、
図16において、回転機構44は、図示を省略している。
【0076】
プレートロール41は、金属製である。
図15に示すように、プレートロール41は、光軸Lを囲むプレートロール環状部47と、プレートロール環状部47から第2軸R2方向の両側に突出して第1方向に延びる一対のプレートロール延設部48と、を備える。プレートロール環状部47は、プレートロール環状板51と、プレートロール環状板51の内周側の端縁から+Z方向に延びるプレートロール内側円筒部161と、プレートロール環状板51の外周側の端縁から+Z方向に延びるプレートロール外側円筒部162と、を備える。
図16に示すように、プレートロール環状板50の+Z方向の端面には、径方向の中央に、プレートロール環状溝52が設けられている。一対のプレートロール延設部48は、プレートロール外側円筒部162の+Z方向の端部分から第2軸方向R2に突出して、−Z方向に延びる。プレートロール外側円筒部162には、光軸L方向から見た場合に第1軸R1と重なる周方向の2か所に切欠き部162aが設けられている。
【0077】
プレートホルダ42は、光軸Lを囲むプレートホルダ環状部56と、プレートホルダ環状部56から第1軸R1方向の両側に向かって突出して−Z方向に延びる一対のプレートホルダ延設部57と、を備える。プレートホルダ環状部56は、プレートロール環状部47とZ軸方向で対向する対向部55である。プレートホルダ環状部56は、プレートホルダ環状板58を備える。プレートホルダ環状板58は、平板状であり、プレートロール内側円筒部161とプレートロール外側円筒部162との間に配置されている。一対のプレートホルダ延設部57は、プレートロール外側円筒部162に設けられた2つの切欠き部162aのそれぞれを介して、第1軸R1方向に突出する。
【0078】
与圧機構45の板バネ70は、外周側に向かって−Z方向に傾斜するテーパー形状を備える。板バネ70は、プレートロール内側円筒部161の+Z方向の端に固定される。板バネ70は、プレートロール環状部47(プレートロール環状板51)から離間する方向に弾性変形した状態で、プレートホルダ環状部56のプレートロール環状部47とは反対側に接触する。従って、プレートロール環状部47に固定した板バネ70の弾性復帰力により、プレートホルダ環状部56は、プレートロール環状部47の側に付勢される。
【0079】
本例の回転支持機構6Aでは、プレートロール41のプレートロール内側円筒部161に可動体突出部18が挿入されて、嵌合する。これにより、プレートロール41は、可動体突出部18と同軸に位置決めされる。本例においても、回転支持機構6Aにより、可動体5を光軸L回りに回転可能に支持できる。