特開2020-204920(P2020-204920A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-204920(P2020-204920A)
(43)【公開日】2020年12月24日
(54)【発明の名称】工程管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20201127BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20201127BHJP
【FI】
   G06Q10/06 302
   G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-112424(P2019-112424)
(22)【出願日】2019年6月18日
(71)【出願人】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(72)【発明者】
【氏名】石川 陽介
(72)【発明者】
【氏名】倉澤 敦
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049CC07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数の建設機械を利用した作業を同時に工程管理する場合に、作業を細分化し、作業計画に対する進捗を可視化し、複数の現場担当者と遠隔にいる管理者との間で情報を共有し、管理者側で作業全体を把握及び調整、判断及び指令する工程管理システムを提供する。
【解決手段】複数の建設機械を利用した作業の施工管理に用いられる工程管理システムであって、工程管理システムは、建設機械ごとに割り当てられた端末と、モニタとからなる。端末は、入力手段52と表示手段51とを有する。入力手段52は、作業項目512毎の実施開始時刻及び実施終了時刻を入力することができ、表示手段51には、作業項目512と、作業項目512ごとの計画開始時刻及び計画終了時刻からなる計画時間514と、実施開始時刻及び実施終了時刻からなる実施時間515が表示される。モニタは、全ての端末の表示手段51に表示される情報を表示する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の建設機械を利用した作業の施工管理に用いられる工程管理システムであって、
前記工程管理システムは前記建設機械ごとに割り当てられた端末と、
モニタとからなり、
前記端末は入力手段と表示手段とを有し、
前記入力手段は作業項目ごとの実施開始時刻及び実施終了時刻を入力することができ、
前記表示手段には前記作業項目と、該作業項目ごとの計画開始時刻及び計画終了時刻からなる計画時間と、前記実施開始時刻及び前記実施終了時刻からなる実施時間が表示され、
前記モニタは全ての前記端末の前記表示手段に表示される情報を表示できることを特徴とする工程管理システム。
【請求項2】
前記モニタは前記複数の建設機械による作業を再現し、かつ作業進捗に応じて連動するアニメーションも表示されることを特徴とする請求項1に記載の工程管理システム。
【請求項3】
前記モニタは作業過程を撮像したカメラからの情報も表示できることを特徴とする請求項1又は2に記載の工程管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の建設機械を利用した作業を同時に工程管理するための工程管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、供用中の鉄道や道路の切り替え工事では、鉄道の線閉時間や道路の交通量が少ない夜間の限られた時間帯に、仮桟橋や仮覆工といった仮設資機材を一度に撤去搬出する作業が求められる。
特に、建物や公共構造物の密接する都市部や道路幅員の狭い住居密集地では、用地の制約により狭隘な環境下での作業を余儀なくされるため、クレーン等の建設機械同士の干渉に配慮した施工計画、施工管理が求められる。
【0003】
広範囲にわたる仮設資機材の設置、撤去等、輻輳する複数の作業を限られた時間内に確実に実施するためには、緻密な施工計画、施工管理のもと、複数の建設機械を最大限に活用する必要がある。建設機械を近接して配置する場合、機械同士の干渉を回避するために、機械操作者の相互間で適切な情報伝達が求められるが、従来は様々な通信手段(掛け声、手合図、笛、無線、電話等)からその施工環境に応じ、適宜選択して対応してきた。
しかし、作業工程に遅延が生じたり、建設機械に異常や故障が発生した場合、これら従来の手段によると、同時期に情報共有できる範囲が限定されてしまうため、現地から関係者への周知、原因の特定、現地への指示に至るまでに生じる時間的ロスによって迅速な対応が図れず、作業工程全体への影響が懸念されていた。
一方、近年のセンサーや通信ネットワークを活用するIOT技術の進展により、従来は監視・観測をしていなかったモノや情報を可視化・データ化することが可能になり、また、一般に扱い易い形態で普及しつつあるため、これらIOT技術を工程管理に活用する検討が積極的に進められている。
【0004】
特許文献1には、土木施工を複数の作業班によって行なう場合であって、施工量管理システム1は、各々の作業班に備えられ、各作業班における機械情報、人員情報、作業時間及び施工出来高を入力する携帯情報端末(入力手段)と、該携帯情報端末によって入力された各作業班における機械情報、人員情報、作業時間及び施工出来高に基づいて、各々の作業班における生産性を算出する中央コントローラとを具備して成る施工量管理システムについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−108975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、複数の建設機械を利用した作業を同時に工程管理する場合に、各建設機械で行う作業を細分化し、細分化した作業計画に対する進捗が可視化された情報として、複数の現場担当者と遠隔にいる管理者との間でタイムリーかつスムーズに共有でき、管理者側で作業全体を把握及び調整、的確な判断及び指令ができる工程管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成すべく、本発明による工程管理システムの一態様は、複数の建設機械を利用した作業の施工管理に用いられる工程管理システムであって、前記工程管理システムは前記建設機械ごとに割り当てられた端末と、モニタとからなり、前記端末は入力手段と表示手段とを有し、前記入力手段は作業項目ごとの実施開始時刻及び実施終了時刻を入力することができ、前記表示手段には前記作業項目と、該作業項目ごとの計画開始時刻及び計画終了時刻からなる計画時間と、前記実施開始時刻及び前記実施終了時刻からなる実施時間が表示され、前記モニタは全ての前記端末の前記表示手段に表示される情報を表示できることを特徴とする。
【0008】
また、本発明による前記モニタは前記複数の建設機械による作業を再現し、かつ作業進捗に応じて連動するアニメーションも表示されることを特徴とする。
【0009】
さらに、前記モニタは作業過程を撮像したカメラからの情報も表示できることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の工程管理システムによれば、各建設機械で行う作業を細分化し、細分化した作業計画に対する進捗が可視化された情報として、複数の現場担当者と遠隔にいる管理者との間でタイムリーかつスムーズに共有でき、管理者側で作業全体を把握及び調整、的確な判断及び指令ができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施例の鉄道暫定線切替工事におけるクレーン等建設機械の配置平面図である。
図2】本実施例の鉄道暫定線切替工事における地下構造物の断面図である(図1のA−A矢視)。
図3】本実施形態における工程管理システムのうち端末画面である。
図4】本実施形態における工程管理システムのうちモニタの配置である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る工程管理システムについて、添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0013】
本実施例は、地上レベルに架設した暫定線の軌道を夜間の線閉時間帯で地下に予め設置した本線軌道に切り替える工事である。
図1に、本実施例の鉄道暫定線切替工事におけるクレーン等建設機械の配置平面図、図2に、図1のA−A矢視である鉄道暫定線切替工事における地下構造物の断面図をそれぞれ示す。
【0014】
先ず、図1の暫定軌道2を備えた暫定設備1の施工過程について図2を用いて説明する。地盤G内に、対向する土留め壁11,11と、その略中間付近に中間杭12が土留め壁11,11に平行に所定の間隔で支持層まで設置され、土留め壁11,11内を不図示の掘削と切梁支保工の架設を繰り返しながら、床付け面まで掘削した後、該床付け面上に基礎コンクリート18を打設し、その上に中間杭12を巻き込みながら鉄筋コンクリート製のボックスカルバート19を構築する。ボックスカルバート19の構築に際し、支障となる不図示の切梁支保工は、不図示の盛替え梁を併用しながら順じ撤去する。最上段の切梁支保工である支保工16は、暫定軌道2,2及びその上を走行する鉄道Tから受ける荷重支持も兼ねた構造となっている。具体的には、土留め壁11,11の掘削内面側側面に固定されたブラケット13,13上に載置させた腹起し14,14と、中間杭12の両側面に固定された水平継材15,15の上面に接するように支保工16が設置されている。支保工16と腹起し14,14との荷重伝達は支保工16に一体に固定された荷重伝達部材17,17を介して行われる。
また、縦桁21,21、横桁22,22及びレール23,23等からなる暫定軌道2,2は支保工16上に、枕木31及びレール32,32とからなる本線軌道3,3はボックスカルバート19の底版上にそれぞれ固定されている。
【0015】
本実施例では、鉄道Tの運行が停止した夜間の線閉時間内に暫定軌道2,2から本線軌道3,3に路線を切り替える工事であり、図1のように配置した建設機械4のうち、複数のクレーン41,41・・・を用いて、暫定軌道2,2や支保工16,16・・・、その他付属部材の撤去、撤去した資機材の仮置きやトレーラー42への積み込み、撤去後の開口部復旧等の作業を行う。
本実施例のように、施工範囲に対して敷地境界Bが比較的近傍にあり、建設機械4の配置範囲が限られている場合、作業範囲の制約等から建設機械4が互いに近接した状態での作業が強いられる。その上で、クレーン41,41同士のブームの干渉や上下作業を回避するための旋回範囲の制限、撤去した部材の仮置き場所やその積み重ね順序、トレーラーへの積載位置やその積載順序等、様々な制約や手順を勘案して工程を立案、細分化し、細分化した作業項目を時間軸に割り当て、周到かつ緻密に計画した管理工程のもと、シミュレーションと修正を繰り返して実施工のための準備を整える。
【0016】
図3に、本実施形態における工程管理システムのうち端末画面端末の表示手段を示す。
現在、スマートフォンやポータブル端末等、マルチタッチ操作によるユーザーインターフェースのデザインを有する多くの機種が存在する。これらは、インターネットなどのネットワーク経由でユーザーにサービスを提供するクラウドの形態でリアルタイムに更新される情報を複数の端末で共有することを可能にするものである。
本実施形態は、前記の鉄道暫定線切替工事を建設機械4ごとに行う作業項目に細分化し、本実施例用に作成したアプリケーションを介してクラウド上で作成した工程管理計画に対し、作業の進捗に応じて入力した作業経過を関係者間でリアルタイムに共有する工程管理システムである。
【0017】
以下、図3を用いて、具体的な機能について説明する。
スマートフォンの端末画面5は表示手段51と入力手段52とによって構成されている。表示手段51は、建設機械種別511、作業項目512、時刻513、計画時間514及び実施時間515とからなる。
実施前の事前準備として、建設機械種別511として建設機械4ごとに工事全体で統一した名称を予め定めておき、建設機械種別511ごとに割り当てられた作業項目512とその作業項目512に要する施工開始予定時刻と施工終了予定時刻を前記不図示の前記アプリケーションの入力画面に入力しておく。計画時間514は該施工開始予定開始時刻と施工終了予定時刻との間の時間を示す。
各建設機械4の担当者は、前記不図示のアプリケーションの選択画面で、担当する建設機械種別511の名称を選択すれば、図3に示す表示手段51内の建設機械種別511の欄に対応する建設機械4の名称と、その建設機械4が担う作業項目512、それに対応する計画時間514がそれぞれ自動的に表示される。
実施時間515の入力担当者は、作業項目512のうち、例えば、Step-1作業の開始と同時に入力手段52内の「進む」ボタンを押下げる。押下げた時刻からStep-1作業に対応する実施時間515の表示が開始される。同様に、Step-1作業の終了と同時に、入力手段52内の「進む」ボタンを押下げる。押下げた時刻でStep-1作業に対応する実施時間515の表示が固定される。
各作業が開始されると、作業項目512内の作業状況を表す「未施工」が「作業中」に、作業が完了すると「作業中」が「完了」に表示が変更される。表示の変化に伴い、表示色も変更される。
また、本実施例では誤って操作した場合等を考慮して、「戻る」ボタンを用意している。「戻る」ボタンを1回押下げると、「進む」ボタンを押下げた1回分の行為がキャンセルされる仕組みになっている。
なお、端末を介して、関係者は全ての建設機械4の作業進捗状況を閲覧することができる。
【0018】
図4に、本実施形態における工程管理システムのうちモニタの配置を示す。
本実施例では、施工現場から離れた場所に工事全体の指揮を司る関係者が集まる集中管理室が設けられており、施工現場から得られた情報を関係者間でリアルタイムに共有するために、図4に示すような大型のディスプレイを組み合わせた、表示手段51,51・・・、アニメーション画像61,61、カメラ画像62,62・・・からなるモニタ6を集中管理室の壁一面に固定している。本実施例では、前述した各建設機械4の作業状況を表示する表示手段51と同様な画像情報を全建設機械4,4・・・の台数分の24型ディスプレイが配置されている。また、60型のディスプレイを2台併設することで、各建設機械4の行った作業の進捗に応じて、施工範囲全体をCAD化した画像が、アニメーションとして連動し表示することができる。さらに、カメラ画像62,62・・・によって、施工箇所に複数台設置したWebカメラからのリアルタイム画像を表示することができる。カメラ画像62,62・・・は、所定の時間間隔で複数のカメラ画像を切り替えることができる。
【0019】
以上より、本実施形態に係る工程管理システムによれば、各建設機械で行う作業を細分化し、細分化した作業計画に対する進捗が可視化された情報として、複数の現場担当者と遠隔にいる管理者との間でタイムリーかつスムーズに共有でき、管理者側で作業全体を把握及び調整、的確な判断及び指令ができる。
また、入力情報を容易に改変できないようにするために、情報を入力、変更できる者を端末ごとに制限することも可能である。
なお、何らかのトラブルが発生した場合、対策の案出に伴い、計画の修正を行うが、本実施形態の工程管理システムによれば、パーソナルコンピュータを介して、クラウド上で速やかに作業項目やその順番、計画時間等の情報の再構築が可能であり、端末の表示手段を介して即時に関係者に周知できる。
【0020】
本実施形態の入力手段52は、「進む」の1つのボタンによって各作業の開始から、終了、次の作業の開始時刻が連続的に記録され、実施時間515の表示として反映されるが、各作業間で間隔を開ける必要がある場合は、「進む」ボタンの代わりに、「開始」と「終了」ボタンとしても良く、施工計画に応じて適宜選択すれば良い。
【符号の説明】
【0021】
B. 敷地境界
G. 地盤
T. 鉄道
1. 暫定線設備
11. 土留め壁
12. 中間杭
13. ブラケット
14. 腹起し
15. 水平継材
16. 支保工
17. 荷重伝達部材
18. 基礎コンクリート
19. ボックスカルバート
2. 暫定軌道
21. 縦桁
22. 横桁
23. レール
3. 本線軌道
31. 枕木
32. レール
4. 建設機械
41. クレーン
42. トレーラー
5. 端末画面
51. 表示手段
511.建設機械種別
512.作業項目
513.時刻
514.計画時間
515.実施時間
52. 入力手段
6. モニタ
61. アニメーション画像
62. カメラ画像
図1
図2
図3
図4