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特開2020-205128磁気ディスク装置及びサーボライトの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-205128(P2020-205128A)
(43)【公開日】2020年12月24日
(54)【発明の名称】磁気ディスク装置及びサーボライトの制御方法
(51)【国際特許分類】
   G11B 21/10 20060101AFI20201127BHJP
【FI】
   G11B21/10 E
   G11B21/10 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2019-111239(P2019-111239)
(22)【出願日】2019年6月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】原 武生
【テーマコード(参考)】
5D096
【Fターム(参考)】
5D096AA02
5D096BB01
5D096CC01
5D096DD06
5D096DD08
5D096EE03
5D096GG01
5D096WW04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】アクセス性能を向上可能な磁気ディスク装置及びサーボライトの制御方法を提供する。
【解決手段】磁気ディスク装置1は、磁気ディスクDKと、ヘッドHDと、第1経路に対して変動して延長する第2経路に従って第1サーボセクタ、第2サーボセクタ、及び第3サーボセクタの順にライトする際に、第2経路における第1及び第2サーボセクタの間の第1サーボ間隔を第1経路における第1及び第2サーボセクタの間の第1間隔に対応するように、第1サーボセクタの次に第2サーボセクタをライトする第1タイミングを調整し、第2経路における第2及び第3サーボセクタの間の第2サーボ間隔を第1経路における第2及び第3サーボセクタの間の第2間隔に対応するように、第2サーボセクタの次に第3サーボセクタをライトする第2タイミングを調整する、システムコントローラ130とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクと、
前記ディスクに対してデータをライトし、前記ディスクからデータをリードするヘッドと、
第1経路に対して前記ディスクの半径方向に変動し、前記ディスクの円周方向に沿って延長する第2経路に従って第1サーボセクタ、第2サーボセクタ、及び第3サーボセクタの順にライトする際に、前記第2経路における前記第1サーボセクタ及び前記第2サーボセクタの間の第1サーボ間隔を前記第1経路における前記第1サーボセクタ及び前記第2サーボセクタの間の第1間隔に対応するように、前記第1サーボセクタの次に前記第2サーボセクタをライトする第1タイミングを調整し、前記第2経路における前記第2サーボセクタ及び前記第3サーボセクタの間の第2サーボ間隔を前記第1経路における前記第2サーボセクタ及び前記第3サーボセクタの間の第2間隔に対応するように、前記第2サーボセクタの次に前記第3サーボセクタをライトする第2タイミングを調整する、コントローラと、を備える磁気ディスク装置。
【請求項2】
前記コントローラは、テーブルから前記第2経路と、前記第1サーボ間隔と、前記第2サーボ間隔を取得する、請求項1に記載の磁気ディスク装置。
【請求項3】
前記テーブルは、前記第2経路と、前記第1経路に従ってアクセスする際の各サーボセクタの各サーボ間隔が均等になるように前記第2経路に従ってライトする第1サーボトラックの各サーボセクタの第3サーボ間隔と、前記第1サーボトラックの次に前記第2経路に従って各サーボセクタをライトした後に前記第1経路に従ってアクセスする際の各サーボセクタの各サーボ間隔が均等になるように前記第2経路に従って前記第1サーボトラックの次にライトする第2サーボトラックの各サーボセクタの第4サーボ間隔と、を含む、請求項2に記載の磁気ディスク装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記ヘッドのシーク中又はバックグラウンドで、前記第4サーボ間隔を更新する、請求項3に記載の磁気ディスク装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記ディスクを半径方向に区分したゾーン毎に前記第2経路に従って各サーボトラックをライトし、前記第2経路と前記各サーボトラックで測定した各サーボ間隔をテーブルとして記録する、請求項2に記載の磁気ディスク装置。
【請求項6】
前記第1経路は、前記ディスクと同心円状である、請求項1に記載の磁気ディスク装置。
【請求項7】
前記第2経路は、正弦波状である、請求項6に記載の磁気ディスク装置。
【請求項8】
前記第2経路は、三角波状である、請求項6に記載の磁気ディスク装置。
【請求項9】
前記第1間隔と前記第2間隔とは同じである、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
【請求項10】
前記第1サーボ間隔と前記第2サーボ間隔とは異なる、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
【請求項11】
円周方向に沿って延長する第1経路に対して前記円周方向に直交する半径方向に変動する第2経路に従ってライトされ、前記第1経路に沿って均等なサーボ間隔で配置された複数のサーボセクタを含む第1トラックを有するディスクと、
前記ディスクに対してデータをライトし、前記ディスクからデータをリードするヘッドと、を備える磁気ディスク装置。
【請求項12】
前記第1経路は、前記ディスクと同心円状であり、前記第2経路は、正弦波状である、請求項11に記載の磁気ディスク装置。
【請求項13】
前記第1経路は、前記ディスクと同心円状であり、前記第2経路は、三角波状である、請求項11に記載の磁気ディスク装置。
【請求項14】
ディスクと、前記ディスクに対してデータをライトし、前記ディスクからデータをリードするヘッドと、を備える磁気ディスク装置に適用されるサーボライトの制御方法であって、
第1経路に対して前記ディスクの半径方向に変動し、前記ディスクの円周方向に沿って延長する第2経路に従って第1サーボセクタ、第2サーボセクタ、及び第3サーボセクタの順にライトする際に、前記第2経路における前記第1サーボセクタ及び前記第2サーボセクタの間の第1サーボ間隔を前記第1経路における前記第1サーボセクタ及び前記第2サーボセクタの間の第1間隔に対応するように、前記第1サーボセクタの次に前記第2サーボセクタをライトする第1タイミングを調整し、
前記第2経路における前記第2サーボセクタ及び前記第3サーボセクタの間の第2サーボ間隔を前記第1経路における前記第2サーボセクタ及び前記第3サーボセクタの間の第2間隔に対応するように、前記第2サーボセクタの次に前記第3サーボセクタをライトする第2タイミングを調整する、サーボライトの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、磁気ディスク装置及びサーボライトの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスク装置において、磁気ディスク(以下、単に、ディスクと称する場合もある)には、複数のサーボトラックがライトされている。ディスクのデータトラック(以下、単に、トラックと称する場合もある)において、複数のサーボセクタのそれぞれの間隔は、均等であることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010−149674号公報
【特許文献2】米国特許第8045287号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2005−128617号公報
【特許文献4】米国特許第9460743号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、アクセス性能を向上可能な磁気ディスク装置及びサーボライトの制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態に係る磁気ディスク装置は、ディスクと、前記ディスクに対してデータをライトし、前記ディスクからデータをリードするヘッドと、第1経路に対して前記ディスクの半径方向に変動し、前記ディスクの円周方向に沿って延長する第2経路に従って第1サーボセクタ、第2サーボセクタ、及び第3サーボセクタの順にライトする際に、前記第2経路における前記第1サーボセクタ及び前記第2サーボセクタの間の第1サーボ間隔を前記第1経路における前記第1サーボセクタ及び前記第2サーボセクタの間の第1間隔に対応するように、前記第1サーボセクタの次に前記第2サーボセクタをライトする第1タイミングを調整し、前記第2経路における前記第2サーボセクタ及び前記第3サーボセクタの間の第2サーボ間隔を前記第1経路における前記第2サーボセクタ及び前記第3サーボセクタの間の第2間隔に対応するように、前記第2サーボセクタの次に前記第3サーボセクタをライトする第2タイミングを調整する、コントローラと、を備える。
【0006】
本実施形態に係る磁気ディスク装置は、円周方向に沿って延長する第1経路に対して前記円周方向に直交する半径方向に変動する第2経路に従ってライトされ、前記第1経路に沿って均等なサーボ間隔で配置された複数のサーボセクタを含む第1トラックを有するディスクと、前記ディスクに対してデータをライトし、前記ディスクからデータをリードするヘッドと、を備える。
【0007】
本実施形態に係るサーボライトの制御方法は、ディスクと、前記ディスクに対してデータをライトし、前記ディスクからデータをリードするヘッドと、を備える磁気ディスク装置に適用されるサーボライトの制御方法であって、第1経路に対して前記ディスクの半径方向に変動し、前記ディスクの円周方向に沿って延長する第2経路に従って第1サーボセクタ、第2サーボセクタ、及び第3サーボセクタの順にライトする際に、前記第2経路における前記第1サーボセクタ及び前記第2サーボセクタの間の第1サーボ間隔を前記第1経路における前記第1サーボセクタ及び前記第2サーボセクタの間の第1間隔に対応するように、前記第1サーボセクタの次に前記第2サーボセクタをライトする第1タイミングを調整し、前記第2経路における前記第2サーボセクタ及び前記第3サーボセクタの間の第2サーボ間隔を前記第1経路における前記第2サーボセクタ及び前記第3サーボセクタの間の第2間隔に対応するように、前記第2サーボセクタの次に前記第3サーボセクタをライトする第2タイミングを調整する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る磁気ディスク装置の構成の一例を示す模式図である。
図2図2は、ディスク、ヘッド、及びアクチュエータの配置の一例を模式的に示す平面図である。
図3図3は、サーボセクタの構成の一例を示す模式図である。
図4図4は、偏心目標経路の一例を示す図である。
図5A図5Aは、SPM、VCM、及びヘッドの配置の一例を示す模式図である。
図5B図5Bは、SPM、VCM、及びヘッドの配置の一例を示す模式図である。
図5C図5Cは、SPM、VCM、及びヘッドの配置の一例を示す模式図である。
図6図6は、偏心目標経路の一例を示す図である。
図7図7は、図6に示した偏心目標経路に対応する経路の中心とヘッドとの距離の変化の一例を示す図である。
図8図8は、図6に示した偏心経路に従ってサーボトラックをライトする場合のライトサーボ間隔の変化の一例を示す図である。
図9図9は、図8に示したライトサーボ間隔の変化に基づくサーボライトタイミングでライトした所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔の変化の一例を示す図である。
図10図10は、サーボライト時のサーボ制御系の一例を示すブロック図である。
図11図11は、トラッキング時のサーボ制御系の一例を示すブロック図である。
図12図12は、本実施形態に係るサーボライトの制御方法の一例を示すフローチャートである。
図13図13は、変形例1に係るテーブルの一例を示す模式図である。
図14図14は、変形例1に係るテーブルの一例を示す模式図である。
図15図15は、変形例1に係るサーボライトの制御方法の一例を示すフローチャートである。
図16図16は、変形例2に係るテーブルの一例を示す模式図である。
図17図17は、変形例2に係るサーボライトの制御方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図面は、一例であって、発明の範囲を限定するものではない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る磁気ディスク装置1の構成の一例を示す模式図である。
磁気ディスク装置1は、筐体HSと、ヘッドディスクアセンブリ(HDA)10と、ドライバIC20と、ヘッドアンプ集積回路(以下、ヘッドアンプIC、又はプリアンプ)30と、揮発性メモリ70と、バッファメモリ(バッファ)80と、不揮発性メモリ90と、1チップの集積回路であるシステムコントローラ130とを備える。また、磁気ディスク装置1は、ホストシステム(以下、単に、ホストと称する)100と接続される。図1には、HDA10の断面を示している。
【0010】
HDA10は、磁気ディスク(以下、ディスクと称する)DKと、スピンドル12を中心としてディスクDKを回転させるスピンドルモータ(以下、SPMと称する)13と、ヘッドHDを搭載しているアームAMと、ボイスコイルモータ(以下、VCMと称する)14とを有する。SPM13及びVCM14は、筐体HSに固定されている。ディスクDKは、スピンドル12に取り付けられ、SPM13の駆動により回転する。ヘッドHDは、ディスクDKに対向している。アームAM及びVCM14は、アクチュエータACを構成している。アクチュエータACは、筐体HSの底壁に立設された軸受BRに回動自在(又は、回転自在)に取り付けられている。アクチュエータACは、軸受BRの回転軸周りでVCM14が回転することにより、アームAMの先端に取り付けられたヘッドHDをディスクDKの所定の位置に位置決めする。ディスクDK及びヘッドHDは、それぞれ、少なくとも2つ以上設けられていてもよい。以下、ディスクDKの円周に沿った方向を円周方向と称し、円周方向に直交する方向を半径方向と称する。半径方向は、ディスクDKにおいて内周側及び外周側へ向かう方向に相当する。
【0011】
図2は、ディスクDK、ヘッドHD、及びアクチュエータACの配置の一例を模式的に示す平面図である。図2に示すように、半径方向においてディスクDKの外周に向かう方向を外方向(外側)と称し、外方向と反対方向を内方向(内側)と称する。また、図2に示すように、円周方向において、ディスクDKの回転する方向を回転方向と称する。なお、図2に示した例では、回転方向は、時計回りで示しているが、逆向き(反時計回り)であってもよい。図2には、SPMの回転中心(以下、SPM回転中心と称する場合もある)12Cと、VCM14の回転中心(以下、VCM回転中心と称する場合もある)BRCとを示している。SPM回転中心12Cは、例えば、ディスクDKの中心に対応している。
【0012】
ディスクDKは、そのデータをライト可能な領域に、ユーザから利用可能なユーザデータ領域UAと、システム管理に必要な情報(以下、システム情報と称する場合もある)をライトするシステムエリアSAとが割り当てられている。以下、ディスクDKの半径方向の所定の位置を半径位置と称し、ディスクDKの円周方向の所定の位置を円周位置と称する場合もある。半径位置及び円周位置をまとめて単に位置と称する場合もある。
【0013】
ディスクDKは、複数のサーボトラックSVTを有している。図2に示した例では、所定のサーボトラックSVTは、円周方向において間隔(以下、サーボ間隔と称する)を置いて配置された複数のサーボセクタSSで構成されている。所定のサーボトラックSVTは、ディスクDKと同心円状にディスクDKにライトされていてもよいし、半径方向に変動する波状円状にディスクDKにライトされていてもよい。例えば、複数のサーボセクタSSは、サーボトラックSVTの1周において均等(又は、均一)なサーボ間隔でライトされている。“均等”又は“均一”とは、完全に同じであることはもちろんのこと、実質的に同じと見なせる程度にずれていることも含む。例えば、ユーザデータ領域UAにおいて、サーボセクタSSがライトされた領域以外の領域には、ユーザデータがライトされ得る。
【0014】
ヘッドHDは、スライダを本体として、ディスクDKに対向するように当該スライダに実装されているライトヘッドWHとリードヘッドRHとを備える。ライトヘッドWHは、ディスクDKにデータをライトする。リードヘッドRHは、ディスクDKのトラックに記録されているデータをリードする。図2に示すように、ヘッドHDは、例えば、シーク時において、VCM回転中心12C周りでアクチュエータACが回転することによりディスクDKの水平面内でスライドする。なお、“トラック”は、ディスクDKの円周方向に沿ってライトされたデータ、ディスクDKの円周方向に延出する経路、ディスクDKの円周方向に延出する領域や、その他の種々の意味で用いる。ユーザデータをライトしたトラックやユーザデータをライトした際のヘッドHD(例えば、の経路等をデータトラック又は単にトラックと称する場合もある。また、サーボトラックを単にトラックと称する場合もあるし、データトラック及びサーボトラックをまとめてトラックと称する場合もある。トラックは、複数のセクタを含む。トラックの半径方向の長さをトラック幅と称する。トラックのトラック幅の中心をトラックセンタと称する。“トラックセンタ”を単に“トラック”と称する場合もある。また、“セクタ”は、トラックの所定の領域にライトされたデータ、トラックの所定の位置、トラックの所定の領域や、その他の種々の意味で用いる。
【0015】
図3は、サーボセクタSSの構成の一例を示す模式図である。図3には、所定のトラックTRnにライトされた所定のサーボセクタSSを示している。以下、円周方向において、ヘッドHDの進む方向を進行方向と称する。図3に示した例では、進行方向は、例えば、図2に示した回転方向と反対方向に相当する。
【0016】
サーボセクタSSは、サーボデータ、例えば、プリアンブル(Preamble)、サーボマーク(Servo Mark)、グレイコード(Gray Code)、PAD、バーストデータ、及びポストコード(Post Code)等を含んでいる。なお、サーボセクタSSは、ポストコードを含んでいなくともよい。プリアンブル、サーボマーク、グレイコード、PAD、バーストデータ、及びポストコードは、サーボセクタSSにおいて、進行方向に記載した順番で連続して配置されている。プリアンブルは、サーボマーク及びグレイコードなどで構成されるサーボパターンの再生信号に同期するためのプリアンブル情報を含む。サーボマークは、サーボパターンの開始を示すサーボマーク情報を含む。グレイコードは、所定のトラックのアドレス(シリンダアドレス)と、所定のトラックのサーボセクタのアドレスとから構成される。PADは、ギャップ及びサーボAGCなどの同期信号のPAD情報を含む。バーストデータは、所定のトラックのトラックセンタに対するヘッド15の半径方向及び/又は円周方向の位置ずれ(位置誤差)を検出するために使用されるデータ(相対位置データ)であり、所定の周期の繰り返しパターンから構成される。バーストデータは、例えば、Nバースト(N Burst)及びQバースト(Q Burst)を含む。ポストコードは、サーボデータをディスクにライトをしたときのディスクDKの回転に同期したブレ(繰り返しランナウト:RRO)によって生じるトラックの歪みに起因する誤差を補正するためのデータ(以下、RRO補正データと称する)等を含む。以下、説明の便宜上、RROによって生じるトラックの歪みに起因する誤差を単にRROと称する場合もある。
【0017】
ドライバIC20は、システムコントローラ130(詳細には、後述するMPU50)の制御に従って、SPM13およびVCM14の駆動を制御する。ドライバIC20は、SPM制御部21と、VCM制御部22とを備えている。SPM制御部21は、SPM13の回転を制御する。VCM制御部22は、供給する電流を制御することでVCM14の駆動を制御する。なお、ドライバIC20の構成の一部(例えば、SPM制御部21及びVCM制御部22)は、システムコントローラ130に備えられていてもよい。
【0018】
ヘッドアンプIC(プリアンプ)30は、ディスクDKからリードされたリード信号を増幅して、システムコントローラ130(詳細には、後述するリード/ライト(R/W)チャネル40)に出力する。また、ヘッドアンプIC30は、R/Wチャネル40から出力される信号に応じたライト電流をヘッドHDに出力する。ヘッドアンプIC30は、ライト信号制御部31と、リード信号検出部32とを備えている。ライト信号制御部31は、システムコントローラ130(詳細には、後述するMPU50)の制御に従って、ヘッドHDに出力するライト電流を制御する。リード信号検出部32は、ライトヘッドでライトされる信号やリードヘッドでリードされた信号を検出する。なお、ヘッドアンプIC30の構成の一部(例えば、ライト信号制御部31及びリード信号検出部32)は、システムコントローラ130に備えられていてもよい。
【0019】
揮発性メモリ70は、電力供給が断たれると保存しているデータが失われる半導体メモリである。揮発性メモリ70は、磁気ディスク装置1の各部での処理に必要なデータ等を格納する。揮発性メモリ70は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、又はSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)である。
バッファメモリ80は、磁気ディスク装置1とホスト100との間で送受信されるデータ等を一時的に記録する半導体メモリである。なお、バッファメモリ80は、揮発性メモリ70と一体に構成されていてもよい。バッファメモリ80は、例えば、DRAM、SRAM(Static Random Access Memory)、SDRAM、FeRAM(Ferroelectric Random Access memory)、又はMRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)等である。
不揮発性メモリ90は、電力供給が断たれても保存しているデータを記録する半導体メモリである。不揮発性メモリ90は、例えば、NOR型またはNAND型のフラッシュROM(Flash Read Only Memory :FROM)である。
【0020】
システムコントローラ(コントローラ)130は、例えば、複数の素子が単一チップに集積されたSystem-on-a-Chip(SoC)と称される大規模集積回路(LSI)を用いて実現される。システムコントローラ130は、リード/ライト(R/W)チャネル40と、マイクロプロセッサ(MPU)50と、ハードディスクコントローラ(HDC)60とを含む。システムコントローラ130は、ドライバIC20、ヘッドアンプIC30、揮発性メモリ70、バッファメモリ80、不揮発性メモリ90、及びホストシステム100に電気的に接続されている。なお、システムコントローラ130は、SPM制御部21、VCM制御部22、ライト信号制御部31、及びリード信号検出部32を有していてもよい。また、システムコントローラ130は、ドライバIC20及びヘッドアンプIC30を含んでいてもよい。
【0021】
R/Wチャネル40は、後述するMPU50からの指示に応じて、ディスクDKからホスト100に転送されるリードデータ及びホスト100から転送されるライトデータの信号処理を実行する。R/Wチャネル40は、リードデータの信号品質を測定する回路、又は機能を有している。R/Wチャネル40は、例えば、ヘッドアンプIC30、MPU50、及びHDC60等に電気的に接続されている。
【0022】
MPU50は、ホスト100等からの指示に応じて、磁気ディスク装置1の各部を制御するメインコントローラである。MPU50は、ドライバIC20を介してアクチュエータACを制御し、ヘッドHDの位置決めを行なうサーボ制御を実行する。MPU50は、ディスクDKへのデータのライト動作を制御すると共に、ライトデータの保存先を選択する。また、MPU50は、ディスクDKからのデータのリード動作を制御すると共に、リードデータの処理を制御する。MPU50は、磁気ディスク装置1の各部に接続されている。MPU50は、例えば、ドライバIC20、R/Wチャネル40、及びHDC60等に電気的に接続されている。以下、ライトデータをディスクDKにライトする処理をライト処理と称し、ディスクDKからリードデータをリードする処理をリード処理と称する。
【0023】
HDC60は、MPU50からの指示に応じて、リード/ライト処理を制御し、ホスト100とR/Wチャネル40との間のデータ転送を制御する。HDC60は、例えば、R/Wチャネル40、MPU50、揮発性メモリ70、バッファメモリ80、及び不揮発性メモリ90等に電気的に接続されている。
【0024】
HDC60は、データ制御部61と、トラッキング制御部62と、ゲート制御部63とを備えている。HDC60は、これら各部、例えば、データ制御部61、トラッキング制御部62、及びゲート制御部63等の処理をファームウェア上で実行する。なお、HDC60は、これら各部を回路として備えていてもよい。また、HDC60の構成の一部は、MPU50に備えられていてもよい。例えば、データ制御部61、トラッキング制御部62、及びゲート制御部63は、MPU50に設けられていてもよい。
データ制御部61は、ディスクDKにライトするデータ及びディスクDKからリードしたデータを制御する。データ制御部61は、例えば、ディスクDKにデータをライトし、ディスクDKからデータをリードする。
【0025】
トラッキング制御部62は、ディスクDKの所定のトラックへのヘッドHDのトラッキングを制御する。“ディスクDKの所定のトラックにヘッドHDをトラッキングする”ことを単に“トラッキング”と称する場合もある。“トラッキング”は、“ディスクDKにデータをライトする際に所定の経路又は所定のトラックを追従すること”や、“所定のサーボトラックの各サーボセクタをライトする際に所定の経路を追従すること”や、 “ディスクDKからデータをリードする際に所定の経路、例えば、所定のトラックを追従すること”を含む。トラッキング制御部62は、経路制御部621を備えている。
経路制御部621は、ディスクDKの所定の経路を追従するようにヘッドHDを制御する。経路制御部621は、ライト処理又はリード処理を実行する場合に所定の経路、例えば、所定のトラックを追従するようにヘッドHDを制御する。経路制御部621は、ディスクDKに所定のトラックに対応するサーボトラック(サーボセクタ、又はサーボデータ)をライトする場合、目標とする経路(以下、目標経路と称する)、例えば、目標とするトラック(以下、目標トラックと称する)の各円周位置において目標とする半径位置(以下、目標半径位置と称する)を半径方向に所定のずれ量(以下、偏心量と称する)でずらした経路(以下、偏心目標経路と称する)を追従するようにヘッドHDを制御する。以下で、“ディスクDKにサーボトラック(サーボデータ)をライトする”ことを“サーボライト”と称する。以下、“サーボデータをライトする”ことを“サーボセクタをライトする”と称する場合もある。また、偏心量をδで示す場合もある。経路制御部621は、例えば、所定のトラックにおいてサーボセクタ毎に目標半径位置に偏心量を加算した位置(以下、偏心目標位置と称する)を算出し、所定のサーボトラックの各サーボセクタで算出した各偏心目標位置に基づいて偏心目標経路を算出する。目標経路は、例えば、ディスクDKと同心円状の経路に相当する。経路制御部621は、例えば、SPM13(スピンドル12)、軸受BR、及びヘッドHD(例えば、リードヘッドRH又はライトヘッドWH)の配置に基づいて導出した式により偏心目標経路を算出する。経路制御部621は、例えば、サーボデータ(サーボトラック)に基づいてヘッドHDの位置を制御することによりユーザデータを読み出したり、書き込んだりするための所定のユーザデータトラックをトラッキングする場合又はアクセスする場合、目標経路を追従するようにヘッドHDを制御する。ここで、“アクセス”は、“ディスクDKにデータをライトする”ことや、“所定のサーボトラックの各サーボセクタをライトする”こと、“ディスクDKからデータをリードする”ことや、“各サーボセクタをリードする”こと等を含む。以下、“サーボデータ(サーボトラック)”に基づいてヘッドHDの位置を制御する”ことを“サーボ制御”と称する。なお、経路制御部621は、所定の保存領域、例えば、バッファメモリ80、不揮発性メモリ90、又はシステムエリアSAに記録したテーブルからトラック又はゾーン毎に算出した偏心目標経路を取得してもよい。経路制御部621は、サーボライト時に目標経路を追従するようにヘッドHDを制御してもよい。また、経路制御部621は、サーボ制御より所定のトラックをトラッキングする場合又はサーボ制御により所定のトラックにアクセスする場合、偏心目標経路を追従するようにヘッドHDを制御してもよい。
【0026】
図4は、偏心目標経路ET1m、ET2mの一例を示す図である。図4において、横軸は、円周方向及びSPM14の回転角度(以下、SPM回転角度と称する)を示し、縦軸は、半径方向を示している。以下、SPM回転角度をφ(ファイ)で示す場合もある。図4には、半径方向に間隔(トラックピッチ)を置いて並ぶ複数のサーボトラック(のトラックセンタ)を破線で示している。各トラックは、図4では直線で規定しているが、実際には、ディスクDKを1周する円状で規定され得る。また、各トラックは、図4では円周方向に沿って直線状に延出しているが、円周方向に沿って半径方向に変動する波状に延出していてもよい。図4には、半径方向に間隔を置いて並ぶ複数のサーボトラックの内の1つのサーボトラックTRmを示している。図4には、半径方向に並ぶ複数のサーボトラックのトラックピッチの変化STLを示している。図4に示した例では、トラックピッチの変化STLで示すように、半径方向においてトラックピッチが変化している。図4の横軸には、円周位置SP1及びEP1を示している。図4に示した例では、円周位置SP1は、サーボトラックTRmに対応するサーボライト又はサーボトラックTRmのトラッキングを開始する円周位置(以下、開始位置と称する)に相当する。円周位置EP1は、サーボトラックTRmに対応するサーボライト又はサーボトラックTRmのトラッキングを終了する円周位置(以下、終了位置と称する)に相当する。図4に示した例では、サーボトラックTRmは、開始位置SP1から終了位置EP1まで延出しているが、実際にはディスクDKを1周している。つまり、開始位置SP1及び終了位置EP1は、一致している。図4の横軸には、SPM回転角度φ=0°、90°、180°、270°、及び360°を示している。図4に示した例では、SPM回転角度φ=0°は、開始位置SP1に対応し、SPM回転角度φ=360°は、終了位置EP1に対応している。図4には、サーボトラックTRmに対応する目標経路TROmと、サーボトラックTRmに対応する偏心目標経路ET1mと、サーボトラックTRmに対応する偏心目標経路ET2mとを示している。偏心目標経路ET1mは、目標経路TROmにずれ量として正弦波を加えた経路に相当する。偏心目標経路ET1mは、幾つかのトラックに跨って開始位置SP1から終了位置EP1まで延長する1次の正弦波で規定されている。偏心目標経路ET1mのように、ディスクDKを1周して開始位置と終了位置とが一致する閉じられた経路(軌道)を仮想円軌道と称する場合もある。偏心目標経路ET2mは、目標経路TROmにずれ量として三角波を加えた経路に相当する。偏心目標経路ET2mは、いくつかのトラックに跨って開始位置SP1から終了位置EP1まで延長する三角波で規定されている。なお、図4に示した例では、偏心目標経路は、ディスクDK1周で1周期に相当する正弦波、又は三角波に対応する経路であるが、ディスクDK1周で2周期以上に相当する正弦波、又は三角波に対応する経路であってもよい。
【0027】
図4に示した例では、経路制御部621は、サーボライト時に偏心目標経路ET1m又はET2mを追従するようにヘッドHDを制御する。以下で、経路制御部621はサーボライト時に偏心目標経路ET1mを追従するようにヘッドHDを制御するものとして説明する。偏心目標経路ET1m又はET2mを追従するようにヘッドHDを制御することにより、ユーザデータトラックアクセス時にヘッドHDが複数のサーボトラックを跨ぐために、半径方向に並ぶ複数のサーボトラックのトラックピッチが変化することで生じる影響、例えば、サーボ制御における発振や、半径方向で隣接するトラックの干渉が軽減される。
【0028】
図5A図5B、及び図5Cは、SPM13、VCM14、及びヘッドHDの配置の一例を示す模式図である。図5A乃至図5Cは、例えば、それぞれ、仮想円軌道である所定の偏心目標経路TRkを追従するヘッドHD、SPM13、及びVCM14の配置の一例を示している。図5A乃至図5Cには、偏心目標経路TRkに対応する経路TRk0を示している。図5A乃至図5Cにおいて、経路TRk0は、例えば、偏心目標経路TRkに対応する目標経路に相当する。図5A乃至図5Cには、経路TRk0の中心STC0を示している。図5A乃至図5Cには、SPM回転中心12C、リードヘッドRH(又は、ライトヘッドWH)、及びVCM回転中心BRCを示している。図5A乃至図5Cには、SPM回転中心12CとリードヘッドRH(又は、ライトヘッドWH)とを通る一点鎖線LNを示している。図5A乃至図5Cには、経路TRk0上で円周方向に隣接する2つのサーボセクタSSk及びSSk+1を示している。図5A乃至図5Cには、サーボセクタSSkからサーボセクタSSk+1までの距離(サーボ間隔)に対応する経路TRk0の中心STC0周りの角度(以下、サーボ角度と称する)θを示している。
【0029】
図5Aは、経路TRk0に対して偏心していない場合のヘッドHD、SPM13、及びVCM14の配置の一例を示している。図5Aにおいて、経路TRk0の中心STC0は、SPM回転中心12Cに相当する。図5Aにおいて、リードヘッドRH(ライトヘッドWH)は、経路TRk0に位置している。図5Aにおいて、サーボセクタSSkからサーボセクタSSk+1までのサーボ間隔Tsv0に対応するSPM回転中心12C周りのSPM回転角度φ0は、サーボ角度θと等しい。図5Aにおいて、リードヘッドRH(又は、ライトヘッドWH)は、経路TRk0に位置している。
【0030】
図5Bは、経路TRk0に対して偏心している場合のヘッドHD、SPM13、及びVCM14の配置の一例を示している。図5Bには、偏心目標経路TRkに対応する経路TRk1を示している。経路TRk1は、経路TRk0が所定の偏心量で半径方向にずれた経路に相当する。経路TRk1の径は、経路TRk0の径と同等である。図5Bには、経路TRk1の中心STC1を示している。図5Bにおいて、経路TRk1の中心STC1は、SPM回転中心12Cに相当する。図5Bにおいて、経路TRk1の中心STC1及び経路TRk0の中心STC0は、距離Lss1で離間している。図5Bにおいて、距離Lss1は、偏心量に相当する。図5Bにおいて、リードヘッドRH(又は、ライトヘッドWH)は、経路TRk1に位置している。経路TRk1の中心STC1とリードヘッドRH(又は、ライトヘッドWH)とは、距離Lsr1で離間している。図5Bにおいて、経路TRk0の中心STC0とリードヘッドRH(又は、ライトヘッドWH)との距離(以下、ヘッド離間距離と称する場合もある)Ltrは、距離Ltr1に相当する。距離Ltr1は、例えば、偏心目標経路TRkにおけるヘッド離間距離Ltrの最大値に相当する。図5Bには、経路TRk1上で円周方向に隣接する2つのサーボセクタSSj及びSSj+1を示している。サーボセクタSSjは、サーボセクタSSkから外方向に位置し、SPM回転中心12C及びサーボセクタSSkを通る直線上に位置している。サーボセクタSSj+1は、サーボセクタSSk+1から外方向に位置し、SPM回転中心12C及びサーボセクタSSk+1を通る直線上に位置している。図5Bには、サーボセクタSSjからサーボセクタSSj+1までのサーボ間隔Tsv1に対応する中心STC1周りのSPM回転角度φ1を示している。
【0031】
図5Cは、目標経路TRk0に対して偏心している場合のヘッドHD、SPM13、及びVCM14の配置の一例を示している。図5Cには、トラックTRkに対応する経路TRk2を示している。経路TRk2は、経路TRk0が所定の偏心量で半径方向において経路TRk1と反対方向にずれた経路に相当する。経路TRk2の径は、経路TRk0の径と同等である。図5Cには、経路TRk2の中心STC2を示している。図5Cにおいて、経路TRk2の中心STC2は、SPM回転中心12Cに相当する。図5Cにおいて、経路TRk2の中心STC2及び経路TRk0の中心STC0は、距離Lss2で離間している。図5Cにおいて、距離Lss2は、偏心量に相当する。例えば、距離Lss2の絶対値は、距離Lss1の絶対値と同等である。図5Cにおいて、リードヘッドRH(又は、ライトヘッドWH)は、経路TRk2に位置している。経路TRk2の中心STC2とリードヘッドRH(又は、ライトヘッドWH)とは、距離Lsr2で離間している。図5Cにおいて、ヘッド離間距離Ltrは、距離Ltr2である。距離Ltr2は、例えば、偏心目標経路TRkにおけるヘッド離間距離Ltrの最小値に相当する。図5Cには、経路TRk1上で円周方向に隣接する2つのサーボセクタSSh及びSSh+1を示している。サーボセクタSShは、サーボセクタSSkから内方向に位置し、SPM回転中心12C及びサーボセクタSSkを通る直線上に位置している。サーボセクタSSh+1は、サーボセクタSSk+1から内方向に位置し、SPM回転中心12C及びサーボセクタSSk+1を通る直線上に位置している。図5Cには、サーボセクタSShからサーボセクタSSh+1までのサーボ間隔Tsv2に対応する中心STC2周りのSPM回転角度φ2を示している。
【0032】
以下、SPM回転中心12CからリードヘッドRH(又は、ライトヘッドWH)までの距離をr(≒Lsr1≒Lsr2)とし、偏心量をδ(=|Lss1|=|Lss2|)とする。以下、距離rをヘッド半径距離rと称する場合もある。
図5Bに示した例から以下の円弧の等式が導出される。
【数1】

図5Cに示した例から以下の円弧の等式が導出される。
【数2】

図5B及び図5Cに示した例から以下のサーボ間隔とSPM回転角度との関係式が導出される。
【数3】

前述した式(1)〜式(3)から偏心量δは、以下の式で表される。
【数4】

【数5】

ここで、Taveは、所定のトラックをライト、所定のサーボトラックの各サーボセクタをライト、所定のトラックをトラッキング、又は所定のサーボトラックをトラッキングした際にヘッドHDが跨る複数のサーボトラックのサーボ間隔の平均値を示している。例えば、Tave=60/回転数(Revolution per minute or Rotations per minute : RPM)/Nsvである。Nsvは、所定のトラックの1周に含まれるサーボセクタの数である。ΔTоpは、所定のトラックをライト、所定のサーボトラックの各サーボセクタをライト所定のトラックをトラッキング、又は所定のサーボトラックをトラッキングした際にヘッドHDが跨る複数のサーボトラックのサーボ間隔の変化における振幅のPeak to Peakの半分に相当する。
【0033】
所定のトラックの目標経路に1次の正弦波をずれ量として加えた偏心目標位置Ur2は、以下の式で表される。
【数6】

経路制御部621は、式(6)に基づいて偏心目標経路を算出する。
【0034】
図6は、偏心目標経路ERLの一例を示す図である。図6には、偏心目標経路ERLを示している。図6において、横軸は、円周方向及びSPM回転角度を示し、縦軸は、偏心目標位置Ur2を示している。図6の横軸には、円周位置SP及びEPを示している。図6に示した例では、円周位置SPは、偏心目標経路ERLの開始位置に相当し、円周位置EPは、偏心目標経路ERLの終了位置に相当する。図6の横軸には、SPM回転角度φ=0°、90°、180°、270°、及び360°を示している。図6に示した例では、SPM回転角度φ=0°は、開始位置SPに対応し、SPM回転角度φ=360°は、終了位置EPに対応している。図6の縦軸には、偏心目標位置Ur2=δ及び−δを示している。δは、偏心量に相当する。δの絶対値と−δの絶対値とは、同じである。
【0035】
図6に示した例では、経路制御部621は、サーボライト時に、式(6)に基づいて各円周位置における偏心目標位置Ur2を算出し、各円周位置における偏心目標位置Ur2に基づいて偏心目標経路ERLを算出し、算出した偏心目標経路ERLに基づいてヘッドHDを制御する。
【0036】
図7は、図6に示した偏心目標経路ERLに対応する経路TRk0の中心STC0とヘッドHDとのヘッド離間距離Ltrの変化DLの一例を示す図である。図7には、図6に示した偏心目標経路ERLに対応する経路TRk0の中心STC0とヘッドHD(リードヘッドRH又は、ライトヘッドWH)とのヘッド離間距離Ltrの円周方向の変化DL(以下、単に、ヘッド離間距離Ltrの変化DLと称する場合もある)を示している。図7において、横軸は、円周方向及びSPM回転角度を示し、縦軸は、経路TRk0の中心STC0とリードヘッドRH(又は、ライトヘッドWH)とのヘッド離間距離Ltrを示している。図7の横軸には、図6に示した偏心目標経路ERLに対応する開始位置SPと図6に示した偏心目標経路ERLに対応する終了位置EPとを示している。図7の横軸には、SPM回転角度φ=0°、90°、180°、270°、及び360°を示している。SPM回転角度φ=0°は、開始位置SPに対応し、SPM回転角度φ=360°は、終了位置EPに対応している。図7の縦軸には、ヘッド半径距離rに偏心量δを加算したヘッド離間距離Ltr=r+δとヘッド半径距離rから偏心量δを減算したヘッド離間距離Ltr=r−δとを示している。
経路制御部621がサーボライト時に図6に示した偏心目標経路ERLに基づいてヘッドHDを制御した場合、ヘッド離間距離Ltrは、ディスクDKの1周において図7に示したヘッド離間距離Ltrの変化DLのように変化する。
【0037】
ゲート制御部63は、ゲート信号を制御する。ゲート制御部63は、タイミング制御部631を備えている。
タイミング制御部631は、データをライトするゲート信号のタイミングや、データをリードするゲート信号のタイミングを制御する。例えば、タイミング制御部631は、サーボデータ(サーボセクタ)をライトするゲート信号(以下、サーボライトゲートと称する)のタイミング(以下、サーボライトタイミングと称する場合もある)や、所定の経路、例えば、目標経路を追従するようにヘッドHDを制御してデータにアクセスするゲート信号のタイミング(以下、アクセスタイミングと称する場合もある)等を制御する。タイミング制御部631は、偏心目標経路に従って所定のトラック、例えば、所定のサーボトラックをライトする際のこのサーボトラックに対応する各サーボセクタの各サーボ間隔を目標経路に従ってこのサーボトラックにアクセス又はトラッキングする際のこの各サーボセクタの各サーボ間隔に対応するように、このサーボトラックに対応する偏心目標経路に従ってこの各サーボセクタをライトする各サーボライトタイミングを制御する。例えば、タイミング制御部631は、所定のサーボトラックに対応する偏心目標経路に基づいて所定のサーボトラックに対応する各サーボセクタをライトした後に、目標経路に従ってこの各サーボセクタにアクセス又はトラッキングする時にこの各サーボセクタの各サーボ間隔及びアクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように、この偏心目標経路に従ってこの各サーボセクタをライトする各サーボライトタイミングを制御する。言い換えると、タイミング制御部631は、所定のサーボトラックに対応する偏心目標経路に基づいてこのサーボトラックに対応する各サーボセクタをライトした後に、目標経路に従ってこの各サーボセクタにアクセス又はトラッキングする時のこの各サーボセクタの各サーボ間隔及びアクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように、この偏心目標経路に従ってこの各サーボセクタをライトする際にこの各サーボセクタの円周位置を調整する。以下、“偏心目標経路に基づいてライトされるサーボセクタ”を“偏心サーボセクタ”又は“偏心サーボデータ”と称する。“現在ライトしている偏心サーボセクタとこの現在ライトしている偏心サーボセクタの次にライトする偏心サーボセクタとの間の間隔”を“ライトサーボ間隔”と称する。また、“各偏心サーボセクタをライトした後に目標経路に従ってこの各偏心サーボセクタにアクセスする時の各偏心サーボセクタの各サーボ間隔”を“アクセスサーボ間隔”と称する場合もある。タイミング制御部631は、所定のサーボトラックにおける各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔に対応するようにこの各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔を算出し、算出したこの各ライトサーボ間隔に基づいてこのサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトする各サーボライトタイミングを制御する。例えば、タイミング制御部631は、所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及び各アクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように、ライトする際の各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔を算出し、算出したこの各ライトサーボ間隔に基づいてこのサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトする各サーボライトタイミングを制御する。言い換えると、タイミング制御部631は、所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及び各アクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるようにライトする際のこの各偏心サーボセクタの円周位置を調整し、調整したライトする際のこの各偏心サーボセクタの円周位置に基づいてこのサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトする各サーボライトタイミングを制御する。つまり、タイミング制御部631は、所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及びアクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように、この各偏心サーボの各ライトサーボ間隔を調整する。なお、タイミング制御部631は、所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及び各アクセスタイミングの少なくとも一方が目標経路の1周内で均等になるように、ライトする際の各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔を算出し、算出したこの各ライトサーボ間隔に基づいてこのサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトする各サーボライトタイミングを制御してもよい。タイミング制御部631は、例えば、SPM13、VCM14、及びヘッドHDの配置や式(6)に基づいて導出される以下の式に基づいて各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔Tsvwを算出する。
【数7】

タイミング制御部631は、例えば、式(7)により算出した各偏心サーボセクタのライトサーボ間隔Tsvwに基づいてこの各偏心サーボセクタをライトする各サーボライトタイミングを制御する。例えば、式(7)により算出した所定の偏心サーボセクタ(以下、第1偏心サーボセクタと称する)と第1偏心サーボセクタの次にライトする偏心サーボセクタ(以下、第2偏心サーボセクタと称する)との間のライトサーボ間隔(以下、第1ライトサーボ間隔と称する)と、第1偏心サーボセクタと第2偏心サーボセクタの次にライトする偏心サーボセクタ(以下、第3偏心サーボセクタと称する)との間のライトサーボ間隔(以下、第2ライトサーボ間隔と称する)とは、異なる。
【0038】
図8は、図6に示した偏心目標経路ERLに従ってサーボライトする場合のライトサーボ間隔Tsvwの変化WSLの一例を示す図である。図8には、図6に示した偏心目標経路ERLをヘッドHDで追従して所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトする場合の各ライトサーボ間隔Tsvwの円周方向の変化WSL(以下、単に、ライトサーボ間隔Tsvwの変化WSLと称する場合もある)を示している。図8において、横軸は、円周方向及びSPM回転角度を示し、縦軸は、ライトサーボ間隔Tsvwを示している。図8の横軸には、図6に示した偏心目標経路ERLに対応する開始位置SPと図6に示した偏心目標経路ERLに対応する終了位置EPとを示している。図8の横軸には、SPM回転角度φ=0°、90°、180°、270°、及び360°を示している。SPM回転角度φ=0°は、開始位置SPに対応し、SPM回転角度φ=360°は、終了位置EPに対応している。図8の縦軸には、ライトサーボ間隔Tsvw=(1−δ/r)×Tave、Tave、及び(1+δ/r)×Taveを示している。
【0039】
タイミング制御部631は、式(7)に基づいて所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔Tsvwを算出し、算出した各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔Tsvwからライトサーボ間隔Tsvwの変化WSLを取得し、この各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及び各アクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように、取得したライトサーボ間隔Tsvwの変化WSLに基づいてこのサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトする各サーボライトタイミングを制御する。例えば、所定のサーボトラックの各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及び各アクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるようにライトサーボ間隔Tsvwの変化WSLに基づいてこのサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトする各サーボライトタイミングを調整した場合、各サーボライトタイミングは、この各偏心サーボセクタにおいて変化する。一例では、所定のサーボトラックの各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及び各アクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるようにライトサーボ間隔Tsvwの変化WSLに基づいてこのサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトする各サーボライトタイミングを調整した場合、第1偏心サーボセクタの次に第2偏心サーボセクタをライトするサーボライトタイミング(以下、第1サーボライトタイミングと称する)と第2偏心サーボセクタの次に第3偏心サーボセクタをライトするサーボライトタイミング(以下、第2サーボライトタイミングと称する)とは、異なる。
【0040】
図9は、図8に示したライトサーボ間隔Tsvwの変化WSLに基づくサーボライトタイミングでライトした所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔Tsvの変化ASLの一例を示す図である。図9には、図8に示したライトサーボ間隔Tsvwの変化WSLに基づく各サーボライトタイミングでライトした所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔Tsvの円周方向の変化ASL(以下、単に、サーボ間隔Tsvの変化ASLと称する場合もある)を示している。図9において、横軸は、円周方向及びSPM回転角度を示し、縦軸は、アクセスサーボ間隔Tsvを示している。図9の横軸には、図6に示した偏心目標経路ERLに対応する開始位置SPと図6に示した偏心目標経路ERLに対応する終了位置EPとを示している。図9の横軸には、SPM回転角度φ=0°、90°、180°、270°、及び360°を示している。SPM回転角度φ=0°は、開始位置SPに対応し、SPM回転角度φ=360°は、終了位置EPに対応している。図9の縦軸には、ライトサーボ間隔Tsvw=(1−δ/r)×Tave、Tave、及び(1+δ/r)×Taveを示している。
【0041】
タイミング制御部631は、図8に示したライトサーボ間隔Tsvwの変化WSLに基づく各サーボライトタイミングでサーボライトした所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタを目標経路に従ってアクセスした際のアクセスサーボ間隔Tsvの変化ASLに基づいてこの各偏心サーボセクタの各アクセスタイミングを制御する。図9に示した例では、タイミング制御部631は、円周方向で均等(又は、均一)なアクセスサーボ間隔Tsvの変化ASLに基づいて、均等なアクセスサーボ間隔、且つ均等なタイミングで所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタにアクセスするようにアクセスタイミングを制御する。
【0042】
図10は、サーボライト時のサーボ制御系SY1の一例を示すブロック図である。
磁気ディスク装置1は、サーボライト時のサーボ制御系SY1を有している。サーボ制御系SY1は、制御器S1と、アクチュエータS2と、演算器C1と、演算器C2とを有している。制御器S1は、例えば、システムコントローラ130に含まれている。アクチュエータS2は、例えば、アクチュエータACに含まれている。
【0043】
制御器S1は、アクチュエータS2を制御する。制御器S1は、例えば、位置決め誤差eに基づいて、アクチュエータS2の駆動量Ufを生成する。なお、制御器S1は、位置決め誤差e以外の値に基づいて駆動量Ufを生成してもよい。
アクチュエータS2は、制御器S1の出力に応じて駆動する。アクチュエータS2は、例えば、駆動量Ufに基づいて駆動し、ヘッドHDをアクセスする実際の位置(以下、実位置と称する)yに移動させる。
【0044】
目標半径位置Ur1及び偏心目標位置Ur2が、演算器C1に入力される。演算器C1は、目標半径位置Ur1に偏心目標位置Ur2を加算した対象位置Urを演算器C2に出力する。演算器C2は、実位置y及び対象位置Urが入力される。演算器C2は、対象位置Urから実位置yを減算した位置決め誤差eを制御器S1に出力する。制御器S1は、位置決め誤差eが入力される。制御器S1は、駆動量UfをアクチュエータS2に出力する。アクチュエータS2は、駆動量Ufが入力される。アクチュエータS2は、駆動量Ufに応じて駆動し、駆動量Ufに対応する実位置yにヘッドHDを移動させる。アクチュエータS2は、実位置yを演算器C2に出力する。
【0045】
図11は、トラッキング時のサーボ制御系SY2の一例を示すブロック図である。
磁気ディスク装置1は、トラッキング時のサーボ制御系SY2を有している。サーボ制御系SY2は、制御器S1と、アクチュエータS2と、演算器C1と、演算器C2と、演算器C3とを有している。
【0046】
目標半径位置Ur1及びRROが演算器C3に入力される。演算器C3は、目標半径位置Ur1にRROを加算した値を目標半径位置として演算器C1に出力する。目標半径位置Ur1にRROを加算した目標半径位置と偏心目標位置Ur2とが、演算器C2に入力される。演算器C1は、目標半径位置Ur1にRROを加算した目標半径位置に偏心目標位置Ur2を加算した対象位置Urを演算器C2に出力する。演算器C2は、実位置y及び対象位置Urが入力される。演算器C2は、対象位置Urから実位置yを減算した位置決め誤差eを制御器S1に出力する。制御器S1は、位置決め誤差eが入力される。制御器S1は、駆動量UfをアクチュエータS2に出力する。アクチュエータS2は、駆動量Ufが入力される。アクチュエータS2は、駆動量Ufに応じて駆動し、駆動量Ufに対応する実位置yにヘッドHDを移動させる。アクチュエータS2は、実位置yを演算器C2に出力する。
【0047】
図12は、本実施形態に係るサーボライトの制御方法の一例を示すフローチャートである。
システムコントローラ130は、所定のサーボトラックに対応する偏心目標経路を算出する(B1201)。例えば、システムコントローラ130は、サーボライト時に、所定のサーボトラックに対応する目標経路に偏心量δを加えた偏心目標経路を算出する。システムコントローラ130は、このサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及び各アクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように、この各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔Tsvwを算出する(B1202)。システムコントローラ130は、所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及びアクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように算出したこの各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔Tsvwに基づいてこのサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトする各サーボライトタイミングを制御する(B1203)。言い換えると、システムコントローラ130は、所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及び各アクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように算出したこの各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔Tsvwに基づいてこのサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをサーボライトする。
【0048】
本実施形態によれば、磁気ディスク装置1は、所定のサーボトラックに対応する目標経路とこの目標経路及び所定の偏心量δに基づいてこのサーボトラックに対応する偏心目標経路とを算出する。磁気ディスク装置1は、このサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔と各偏心サーボセクタにアクセスするアクセスタイミングとが目標経路の1周内で均等になるように、この各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔Tsvwを算出する。磁気ディスク装置1は、所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔と各偏心サーボセクタにアクセスするアクセスタイミングとが均等になるように算出したこの各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔Tsvwに基づいて、このサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをする各サーボライトタイミングを制御する。言い換えると、磁気ディスク装置1は、所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔と各偏心サーボセクタにアクセスするアクセスタイミングとが均等になるように算出したこの各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔Tsvwに基づいて、このサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトする。所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタが均等な各アクセスサーボ間隔及びアクセスタイミングでライトされていることで、磁気ディスク装置1は、サーボ制御を効率化することができる。また、磁気ディスク装置1は、所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタのアクセスサーボ間隔と各偏心サーボセクタにアクセスするアクセスタイミングとが均等になるように、この各偏心サーボセクタをライトすることで、この各偏心サーボセクタに基づいてユーザデータを均等な記録密度(Bit Per Inch : BPI)でライトできる。各偏心サーボセクタに基づいてユーザデータを均等な記録密度でライトすることにより、磁気ディスク装置1は、エラーレートを均等化することができる。そのため、磁気ディスク装置1は、アクセス性能を向上できる。
【0049】
次に、変形例及び他の実施形態に係る磁気ディスク装置について説明する。変形例及び他の実施形態において、前述の実施形態と同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
(変形例1)
変形例1の磁気ディスク装置1は、サーボライトの制御方法が前述した第1実施形態と異なる。
システムコントローラ130は、所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタに対応する偏心目標位置(偏心目標経路)とこの各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及びこの各偏心サーボセクタにアクセスする際のアクセスタイミングとが目標経路の1周内で均等になるように設定された各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔とをテーブルから取得し、テーブルから取得した各偏心サーボセクタに対応する各偏心目標位置(偏心目標経路)と各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔とに基づいて、このサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトする各サーボライトタイミングを制御する。言い換えると、システムコントローラ130は、所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各偏心目標位置(偏心目標経路)と、この各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及び各アクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように設定された各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔とをテーブルから取得し、取得した各偏心サーボセクタに対応する各偏心目標位置(偏心目標経路)と各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔とに基づいて、この各偏心サーボセクタをライトする。
【0050】
テーブルは、所定の保存領域、例えば、バッファメモリ80、不揮発性メモリ90、又はシステムエリアSAに記録されている。例えば、テーブルは、例えば、所定のサーボトラックに対応する各偏心目標位置(偏心目標経路)と、現在対象とするサーボトラック(以下、現在のサーボトラックと称する)の各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及びこの各偏心サーボセクタにアクセスする際の各アクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように設定した各偏心サーボセクタのライトサーボ間隔とを含む。また、テーブルは、所定のサーボトラックに対応する各偏心目標位置と、現在のサーボトラックの各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及び各アクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように設定した各偏心サーボセクタのライトサーボ間隔と、現在のサーボトラックの次にライトするサーボトラック(以下、次のサーボトラックと称する)の各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及びこの各偏心サーボセクタにアクセスする際のアクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように設定した各偏心サーボセクタのライトサーボ間隔と、を含んでいてもよい。なお、テーブルは、所定のサーボトラックに対応する各偏心目標位置と、現在のサーボトラックの各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及びこの各偏心サーボセクタにアクセスする際のアクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように設定した各偏心サーボセクタのライトサーボ間隔と、次のサーボトラックの各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及びこの各偏心サーボセクタにアクセスする際のアクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように設定した各偏心サーボセクタのライトサーボ間隔と、次のトラック以降にライトするサーボトラックの各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及びこの各偏心サーボセクタにアクセスする際のアクセスタイミングがこの次のトラック以降にライトする目標経路の1周内で均等になるように設定した各偏心サーボセクタのライトサーボ間隔と、を含んでいてもよい。
【0051】
図13は、変形例1に係るテーブルTB1の一例を示す模式図である。図13には、テーブルTB1を示している。図13に示した例では、テーブルTB1は、サーボセクタ番号0、1、…、Nsv−1と、偏心目標位置Ur2[0]、Ur2[1]、…、Ur2[Nsv−1]と、ライトサーボ間隔Tsvw[0]、Tsvw[1]、…、Tsvw[Nsv−1]を含む。
システムコントローラ130は、テーブルTB1から取得した所定のサーボトラックの各偏心サーボセクタに対応する各偏心目標位置と、この各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及びアクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように設定した各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔とに基づいて、このサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトする各サーボライトタイミングを制御する。
【0052】
図14は、変形例1に係るテーブルTB2の一例を示す模式図である。図14には、テーブルTB2を示している。図14に示した例では、テーブルTB2は、サーボセクタ番号0、1、…、Nsv−1と、偏心目標位置Ur2[0]、Ur2[1]、…、Ur2[Nsv−1]と、ライトサーボ間隔Tsvw0[0]、Tsvw0[1]、…、Tsvw0[Nsv−1]と、ライトサーボ間隔Tsvw1[0]、Tsvw1[1]、…、Tsvw1[Nsv−1]を含む。
【0053】
システムコントローラ130は、テーブルTB2から取得した所定のサーボトラックの各偏心サーボセクタに対応する各偏心目標位置と、この各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及び各アクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように設定した各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔とに基づいて、この所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトする各サーボライトタイミングを制御する。システムコントローラ130は、コマンド処理がない時、例えば、アイドル時や、シーク時に、テーブルTB2の所定のサーボトラック の各偏心サーボセクタに対応する各偏心目標位置、現在のサーボトラックの各偏心サーボセクタに対応する各ライトサーボ間隔、及び次のトラックの各偏心サーボセクタに対応する各ライトサーボ間隔を更新してもよい。
【0054】
図15は、変形例1に係るサーボライトの制御方法の一例を示すフローチャートである。
システムコントローラ130は、所定のテーブルから所定のサーボトラックに対応する偏心目標経路を取得する(B1501)。システムコントローラ130は、このサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及び各アクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように設定したこの各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔を取得する(B1502)。システムコントローラ130は、テーブルから取得した所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの偏心目標経路と、このサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及び各アクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように設定したこの各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔とに基づいて、このサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトする各サーボライトタイミングを制御する(B1503)。
【0055】
変形例1によれば、磁気ディスク装置1は、テーブルから所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの偏心目標経路と、このサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及び各アクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように設定したこの偏心ライトトラックの各ライトサーボ間隔と、に基づいて、このサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトする際のサーボライトタイミングを制御する。そのため、磁気ディスク装置1は、アクセス性能を向上できる。
【0056】
(変形例2)
変形例2の磁気ディスク装置1は、サーボライトの制御方法が前述した第1実施形態と異なる。
システムコントローラ130は、偏心目標経路に従って所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトし、ライトした各偏心サーボセクタで各ライトサーボ間隔を測定し、偏心目標経路に対応する各偏心サーボセクタの各偏心目標位置と測定した各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔とをテーブルとして記録する。システムコントローラ130は、所定のサーボトラックに対応する各偏心目標経路と、この所定のサーボトラックに対応する各サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及び各アクセスタイミングとが目標経路の1周内で均等になるように設定した各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔と、をテーブルから取得する。システムコントローラ130は、テーブルから取得した各偏心サーボセクタに対応する各偏心目標経路とこのサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔とに基づいて、このサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトする各サーボタイミングを制御する。言い換えると、システムコントローラ130は、テーブルから取得した所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各偏心目標経路とこの各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔とに基づいて、このサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトする。
【0057】
一例では、システムコントローラ130は、設計工程において、ディスクDKの所定の記録領域毎、例えば、ゾーン毎、又はトラック毎に所定の目標経路に所定の偏心量、例えば、三角波をずれ量として加えた偏心目標経路に従って所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトし、所定の記録領域毎にライトした各偏心サーボセクタで各ライトサーボ間隔を測定する。システムコントローラ130は、偏心目標経路に対応する各偏心サーボセクタの各偏心目標位置と測定した所定の記録領域毎の各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔とをテーブルとして所定の保存領域、例えば、バッファメモリ80、不揮発性メモリ90、又はシステムエリアSAに記録する。なお、システムコントローラ130は、偏心目標経路に対応する各偏心サーボセクタの各偏心目標位置と測定した所定の記録領域毎の各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔とに基づいて、所定の記録領域毎に各サーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔と各サーボトラックに対応するこの各偏心サーボセクタにアクセスする際の各アクセスタイミングとが目標経路の1周内で均等になるように、各記録領域のこの各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔を算出し、算出したこの各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔と偏心目標経路に対応する各偏心サーボセクタの各偏心目標位置とをテーブルとして所定の保存領域に記録してもよい。システムコントローラ130は、例えば、所定のトラック、例えば、所定のサーボトラックの目標経路に1次の三角波をずれ量として加えた偏心目標位置Ur2を以下の式により算出する。
【数8】

ここで、kmaxは、最高次数を示している。
【0058】
システムコントローラ130は、製造工程において、所定のサーボトラックに対応する偏心目標経路と、このサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及び各アクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように設定したこの各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔とを設計工程で取得したテーブルから取得する。システムコントローラ130は、テーブルから取得した所定のサーボトラックに対応する偏心目標経路とこのサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔とに基づいて、このサーボトラックの各偏心サーボセクタをライトする各サーボタイミングを制御する。システムコントローラ130は、例えば、テーブルに記録した半径方向に並んでいる2つのトラック(サーボトラック)の間に位置するテーブルに記録されていない所定のトラック(サーボトラック)に対応する各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔をテーブルに記録したこれら2つのトラック(サーボトラック)にそれぞれ対応する2つのライトサーボ間隔に基づいて、直線補間、又はライトサーボ間隔の変動の平均値からの差分が1/rに比例する特徴を用いた補間により算出する。
【0059】
図16は、変形例2に係るテーブルTB3の一例を示す模式図である。図16には、テーブルTB3を示している。図16に示した例では、テーブルTB3は、サーボセクタ番号0、1、…、Nsv−1、偏心目標位置Ur2[0]、Ur2[1]、…、Ur2[Nsv−1]と、各ゾーンの所定のサーボトラックに対応する各ライトサーボ間隔とを含む。各ゾーンの所定のサーボトラックに対応する各ライトサーボ間隔は、例えば、Zone0の所定のサーボトラックに対応するライトサーボ間隔Tsvw0[0]、Tsvw0[1]、…、Tsvw0[Nsv−1]や、Zonexの所定のサーボトラックに対応するライトサーボ間隔Tsvwx[0]、Tsvwx[1]、…、Tsvwx[Nsv−1]を含む。
【0060】
システムコントローラ130は、設計工程において、ディスクDKのゾーン毎に所定の偏心目標経路に従って所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトし、ゾーン毎にライトした各偏心サーボセクタで各ライトサーボ間隔、例えば、Zone0の所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタのライトサーボ間隔Tsvw0[0]、Tsvw0[1]…Tsvw0[Nsv−1]や、Zonexの所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタのライトサーボ間隔Tsvwx[0]、Tsvwx[1]…Tsvwx[Nsv−1]を測定する。システムコントローラ130は、偏心目標経路に対応する各偏心目標位置Ur2[0]、Ur2[1]…Ur2[Nsv−1]と測定したゾーン毎の各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔とをテーブルTB3として所定の保存領域、例えば、バッファメモリ80、不揮発性メモリ90、又はシステムエリアSAに記録する。
【0061】
システムコントローラ130は、製造工程において、所定のサーボトラックに対応する偏心目標経路と、このサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及び各アクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように設定したこの偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔とを設計工程で取得したテーブルTB3から取得する。システムコントローラ130は、テーブルTB3から取得したこのサーボトラックに対応する偏心目標経路とこのサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔とに基づいて、このサーボトラックの各偏心サーボセクタをライトする各サーボライトタイミングを制御する。
【0062】
図17は、変形例2に係るサーボライトの制御方法の一例を示すフローチャートである。
システムコントローラ130は、ディスクDKの所定の記録領域毎に偏心目標経路に従って所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトし、所定の記録領域毎にライトした各偏心サーボセクタで各ライトサーボ間隔を測定する(B1701)。システムコントローラ130は、偏心目標経路に対応する各偏心サーボセクタの各偏心目標位置と測定した所定の記録領域毎の各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔とをテーブルとして所定の保存領域に記録する(B1702)。システムコントローラ130は、テーブルから所定のサーボトラックに対応する偏心目標経路を取得する(B1501)。システムコントローラ130は、このサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及び各アクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように設定したこの各サーボセクタの各ライトサーボ間隔を取得する(B1502)。システムコントローラ130は、取得した所定のサーボトラックに対応する偏心目標経路と、このサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及び各アクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように設定したこのサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔とに基づいて、このサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトする各サーボライトタイミングを制御する(B1503)。
【0063】
変形例2によれば、磁気ディスク装置1は、ディスクDKの所定の記録領域毎に偏心目標経路に従って所定のサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトし、所定の記録領域毎にライトした各偏心サーボセクタで各ライトサーボ間隔を測定する。磁気ディスク装置1は、偏心目標経路に対応する各偏心サーボセクタの各偏心目標位置と測定した所定の記録領域毎の各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔とをテーブルとして所定の保存領域に記録する。磁気ディスク装置1は、所定のサーボトラックに対応する偏心目標経路と、このサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各アクセスサーボ間隔及び各アクセスタイミングが目標経路の1周内で均等になるように設定したこのサーボトラックに対応する各サーボセクタの各ライトサーボ間隔とをテーブルからを取得する。磁気ディスク装置1は、テーブルから取得した所定のサーボトラックに対応する偏心目標経路とこのサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタの各ライトサーボ間隔とに基づいて、このサーボトラックに対応する各偏心サーボセクタをライトする各サーボライトタイミングを制御する。そのため、磁気ディスク装置1は、アクセス性能を向上できる。
【0064】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
1…磁気ディスク装置、HS…筐体、DK…磁気ディスク、12…スピンドル、13…スピンドルモータ(SPM)、14…ボイスコイルモータ(VCM)、HD…ヘッド、AM…アーム、20…ドライバIC、30…ヘッドアンプIC、40…リード/ライト(R/W)チャネル、50…マイクロプロセッサ(MPU)、60…ハードディスクコントローラ(HDC)、70…揮発性メモリ、80…バッファメモリ、90…不揮発性メモリ、100…ホストシステム(ホスト)、130…システムコントローラ。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17