【解決手段】圧電デバイスは、互いに対向する第1主面1a及び第2主面を有する圧電素子1と、第1主面1aに取り付けられた振動部材と、第1主面1aと振動部材とを接合する接合部材6と、を備える。第1主面1aは、接合部材6により被覆された第1領域R1と、接合部材6から露出した第2領域R2と、を有する。第1主面1aは、多角形状を呈し、第2領域R2は、第1主面1aの角部Aに位置している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような圧電デバイスでは、圧電素子の主面が多角形状を有する場合がある。この場合、熱衝撃による応力が主面の角部に集中し易い。このため、角部近傍でクラック及び剥離が生じ、圧電デバイスを安定して駆動することができないおそれがある。
【0005】
本開示の一側面は、安定して駆動することができる圧電デバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る圧電デバイスは、互いに対向する第1主面及び第2主面を有する圧電素子と、第1主面に取り付けられた取付部材と、第1主面と取付部材とを接合する接合部材と、を備え、第1主面は、接合部材により被覆された第1領域と、接合部材から露出した第2領域と、を有し、第1主面は、多角形状を呈し、第2領域は、第1主面の角部に位置している。
【0007】
この圧電デバイスでは、第2領域が第1主面の角部に位置している。つまり、角部は接合部材から露出しており、取付部材に接合されていない。したがって、角部に応力が集中することが抑制される。これにより、角部近傍でクラック及び剥離が生じることが抑制される。よって、圧電デバイスを安定して駆動することができる。
【0008】
第2領域は、第1主面の全ての角部に位置していてもよい。この場合、第1主面の全ての角部に応力が集中することが避けられる。これにより、全ての角部近傍でクラック及び剥離が生じることが抑制される。よって、圧電デバイスを更に安定して駆動することができる。
【0009】
圧電素子には、スリットが設けられており、第1主面は、スリットにより分割されている。この場合、第1主面は、スリットによって変形し易く、その結果、圧電デバイスの湾曲変形量が更に大きくなり易い。よって、第2領域が角部に位置し、角部への応力集中を避ける構成が更に有効である。
【0010】
第1領域と第2領域との境界は、角部に沿って湾曲していてもよい。この場合、第1領域と第2領域との境界を丸められた形状とすることができるので、この境界に応力が集中することが抑制される。よって、圧電デバイスを一層安定して駆動することができる。
【0011】
圧電素子は、圧電体と、圧電体上に設けられた電極と、を有し、電極は、第1主面を有していてもよい。この場合、仮に、第1主面の角部に応力が集中すると、電極が圧電体から剥離するおそれがある。よって、第2領域が角部に位置し、角部への応力集中を避ける構成が更に有効である。
【発明の効果】
【0012】
本開示の一側面によれば、安定して駆動することができる圧電デバイスを提供することがきる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0015】
図1は、一実施形態に係る圧電デバイスを示す断面図である。
図1に示されるように、圧電デバイス100は、圧電素子1と、振動部材20と、接合部材6とを備えている。圧電デバイス100は、例えば、超音波を送受信して車間距離を検知する車載用センサ、又は複写機のトナーの量を検知する粉体レベルセンサ等のセンサとして使用される。圧電デバイス100は、アクチュエータとしても使用される。
【0016】
圧電素子1は、その外表面として、互いに対向する第1主面1a及び第2主面1bを有している。第1主面1aは、多角形状を呈し、複数の角部Aを有している。角部Aの角度は、180度未満である。本実施形態では、第1主面1aは、矩形状を呈し、4つの角部Aを有している。4つの角部Aの角度は、例えば、それぞれ90度である。第2主面1bは、例えば、第1主面1aと同形状を呈している。
【0017】
振動部材20は、第1主面1aに取り付けられた取付部材である。振動部材20は、導電性を有している。振動部材20は、例えば、SUS(ステンレス鋼)等の金属板である。振動部材20は、互いに対向する一対の主面20a及び主面20bを有している。主面20aは圧電素子1と対向している。振動部材20は、例えば、圧電素子1を覆うケースの一部分であってもよい。接合部材6は、第1主面1aと振動部材20とを接合している。接合部材6は、例えば、エポキシ等の樹脂である。接合部材6は、例えば、互いに離間する複数の樹脂部分61を有している。
【0018】
図2は、
図1の圧電素子を示す斜視図である。
図1及び
図2に示されるように、圧電素子1は、例えば、振動部材20の主面20aに設けられている。圧電素子1は、圧電体2と、電極3と、電極4と、を備えている。
【0019】
圧電体2は、例えば、直方体形状を呈している。直方体形状には、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状が含まれる。圧電体2は、その外表面として、互いに対向する主面2a及び主面2bと、互いに対向する一対の側面2cと、互いに対向する一対の側面2dと、を有している。主面2a、主面2b、一対の側面2c及び一対の側面2dは、矩形状を呈している。主面2aは、第1主面1aと同形状を呈している。主面2bは、第2主面1bと同形状を呈している。
【0020】
主面2a及び主面2bが互いに対向する方向D1と、一対の側面2cが互いに対向する方向D2と、一対の側面2dが互いに対向する方向D3とは、互いに交差(例えば、直交)している。方向D1は、圧電素子1の第1主面1a及び第2主面1bの対向方向でもある。圧電体2の方向D1の長さは、例えば、3mmであり、圧電体2の方向D2の長さは、例えば、8mmであり、圧電体2の方向D3の長さは、例えば8mmである。
【0021】
主面2a及び主面2bは、一対の側面2cの間を連結するように方向D2に延びている。主面2a及び主面2bは、一対の側面2dの間を連結するように方向D3にも延びている。一対の側面2cは、主面2a及び主面2bの間を連結するように方向D1に延びている。一対の側面2cは、一対の側面2dの間を連結するように方向D3にも延びている。一対の側面2dは、主面2a及び主面2bの間を連結するように方向D1に延びている。一対の側面2dは、一対の側面2cの間を連結するように方向D2にも延びている。
【0022】
主面2aは、電極3及び接合部材6を介して振動部材20と対向する面である。圧電体2は、圧電材料からなる。本実施形態では、圧電体2は、圧電セラミック材料からなる。圧電セラミック材料としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とし、Nb、Zn、Ni又はSr等の元素が添加されたものが挙げられる。
【0023】
主面2aは、後述の複数のスリット5により分割された複数(ここでは4つ)の主面部分2a1を有している。方向D3で隣り合う一対の主面部分2a1は、スリット5を介して互いに離間している。複数の主面部分2a1は、方向D3において等間隔で並んでいる。複数の主面部分2a1は、互いに同形状を呈している。
【0024】
電極3は、主面2aに設けられている。電極3は、後述のスリット5の部分を除く主面2aの全体に設けられている。電極3は、方向D1において互いに対向する主面3a及び主面3bを有している。主面3aは、圧電素子1の第1主面1aを構成している。よって、電極3は、第1主面1aを有している。主面3aは、第1主面1a及び第2主面1bと同形状を呈している。主面3bは、方向D1において圧電体2の主面2aと対向している。電極3の厚さ(方向D1の長さ)は、例えば5μmである。
【0025】
電極3は、後述の複数のスリット5により分割された複数(ここでは4つ)の電極部分31を有している。方向D3で隣り合う一対の電極部分31は、スリット5を介して互いに離間している。複数の電極部分31は、複数の主面部分2a1にそれぞれ設けられている。複数の電極部分31は、複数の主面部分2a1の全体にそれぞれ設けられている。各電極部分31には、接合部材6の樹脂部分61が1つずつ設けられている。
【0026】
電極4は、主面2bに設けられている。電極4は、方向D1において互いに対向する主面4a及び主面4bを有している。主面4aは、方向D1において圧電体2の主面2bと対向している。主面4bは、圧電素子1の第2主面1bを構成している。よって、電極4は、第2主面1bを有している。主面4bは、第2主面1b及び主面2bと同形状を呈している。電極4の厚さ(方向D1の長さ)は、例えば電極3の厚さと同等である。電極4の厚さは、例えば5μmである。
【0027】
圧電素子1には、複数(ここでは3つ)のスリット5が設けられている。複数のスリット5は、具体的には、圧電素子1の第1主面1a寄りの部分に設けられている。複数のスリット5は、方向D3において等間隔で並んでいる。スリット5は、方向D2に延び、圧電素子1の方向D2の一端から他端に至っている。スリット5は、電極3を方向D1に貫通し、圧電体2の方向D1の途中まで設けられている。スリット5は、主面2bに至ってない。スリット5は、例えば、圧電素子1がセンサに使用される場合に、センシングのための共振周波数及びインピーダンス波形等を調整するために設けられている。
【0028】
第1主面1aは、スリット5により分割されている。第1主面1aは、複数のスリット5により分割された複数(ここでは4つ)の主面部分1a1を有している。方向D3で隣り合う一対の主面部分1a1は、スリット5を介して互いに離間している。複数の主面部分1a1は、方向D3において等間隔で並んでいる。複数の主面部分1a1は、互いに同形状を呈している。
【0029】
スリット5の底面は、方向D1において第2主面1bと対向している。スリット5の底面は、例えば、第1主面1a及び第2主面1bと平行に設けられている。複数のスリット5の底面と第2主面1bとの間隔は、互いに同等である。すなわち、複数のスリット5の方向D1の長さは、互いに同等である。
【0030】
スリット5の方向D1の長さ(スリット5の深さ)は、例えば2.6mmである。スリット5の方向D2の長さは、圧電体2の方向D2の長さと一致しており、例えば8mmである。スリット5の方向D3の長さ(スリット5の幅)は、例えば0.3mmである。方向D1におけるスリット5と第2主面1bとの離間距離は、例えば0.4mmである。
【0031】
圧電素子1は、複数のスリット5により分割された複数(ここでは4つ)の分割部分11と、複数の分割部分11を互いに接続する複数(ここでは3つ)の接続部分12と、を有している。
【0032】
複数の分割部分11は、例えば互いに同形状を呈している。方向D3で隣り合う一対の分割部分11は、スリット5を介して互いに離間している。方向D1から見て、分割部分11は、スリット5と重なっていない。分割部分11は、第1主面1aの一部(主面部分1a1)及び第2主面1bの一部を含んでいる。分割部分11は、第1主面1aから第2主面1bに至っている。分割部分11は、圧電体2の一部、電極3の一部(電極部分31)及び電極4の一部をそれぞれ含んでいる。
【0033】
複数の接続部分12は、例えば互いに同形状を呈している。方向D1から見て、接続部分12は、スリット5と重なっている。接続部分12は、スリット5の底面と第2主面1bの一部とを含んでいる。接続部分12は、スリット5の底面から第2主面1bに至っている。接続部分12は、スリット5の底部を構成している。接続部分12は、方向D3で隣り合う一対の分割部分11の間に配置されており、方向D3で隣り合う一対の分割部分11を互いに接続している。接続部分12は、圧電体2の一部及び電極4の一部をそれぞれ含んでいる。
【0034】
図3は、
図1の圧電素子を示す上面図である。
図3では、接合部材6が破線で示されている。
図3に示されるように、第1主面1aは、接合部材6により被覆された第1領域R1と、接合部材6から露出した複数の第2領域R2と、を有している。第1領域R1には、接合部材6が配置されている。第1領域R1は、接合部材6に当接し、接合部材6により振動部材20に接合されている。第2領域R2には、接合部材6が配置されていない。第2領域R2は、接合部材6に当接しておらず、振動部材20に接合されていない。
【0035】
第1領域R1は、第1主面1aにおいて、スリット5が形成された部分と、角部Aとを除く領域である。第2領域R2は、第1主面1aの角部Aに位置している。本実施形態では、第1主面1aは4つの第2領域R2を有している。第2領域R2は、第1主面1aの全ての角部Aに位置している。第1領域R1と第2領域R2との境界は、角部Aに沿って湾曲している。第1領域R1と第2領域R2との境界は、角部A側に凸の曲線であり、R形状を呈している。第1領域R1と第2領域R2との境界におけるR形状の曲率半径は、例えば、スリット5の幅よりも大きく、0.5mm以上1.5mm以下である。
【0036】
本実施形態では、方向D3に並ぶ複数の主面部分1a1のうち、方向D3の両端に配置された主面部分1a1は、第1領域R1及び第2領域R2を有している。方向D3の両端以外に配置された主面部分1a1は、第1領域R1のみを有している。つまり、方向D3の両端以外に配置された主面部分1a1は、樹脂部分61によって全体的に覆われている。
【0037】
圧電デバイス100の製造方法の一例について説明する。まず、圧電セラミック材料の粉末に、ポリビニール系バインダ及び水等を加え、圧電セラミックスのペーストを形成する。次に、圧電セラミックスのペーストを所定の大きさの金型に充填し、例えば、40MPaの圧力でプレス成形する。これにより、セラミックグリーンが得られる。続いて、セラミックグリーンに脱バインダ処理を施す。脱バインダ処理は、例えば、400℃で12時間かけて行われる。続いて、セラミックグリーンを焼成する。焼成は、例えば、1250℃で4時間かけて行われる。これにより、圧電体が得られる。
【0038】
次に、圧電体をラップ研磨し、例えば、厚さ3.2mmの板状に成形する。続いて、導電性ペーストを圧電体の両主面に付与する。導電性ペーストは、例えば、Ag等の導電性材料の粉末にバインダ、可塑剤及び有機溶剤等を加えることにより形成される。導電性ペーストは、例えばスクリーン印刷により10μmの厚さで付与される。続いて、圧電体の外周研削、及び、スリット加工を施す。その後、導電性ペーストの焼き付け処理を行う。焼き付け処理は、例えば、800℃で20分間かけて行われる。
【0039】
次に、圧電素子に分極処理を施す。分極処理は、例えば、150℃で、電界強度3.5kV/mmの電圧を圧電素子の電極に5分間印加することにより行われる。これにより、圧電素子が得られる。続いて、圧電素子の第1主面の第1領域に接合部材となる樹脂を塗布する。樹脂は、例えば、80Pa・sの粘度でスクリーン印刷法により約50μmの厚さで塗布される。次に、圧電素子に振動部材を取り付けた状態で樹脂を硬化させる。これにより、圧電デバイスが得られる。
【0040】
続いて、圧電デバイス100に対する熱衝撃について説明する。
図4(a)は、圧電デバイスの熱収縮時の変形を示す斜視図である。
図4(b)は、圧電デバイスの熱膨張時の変形を示す斜視図である。主にセラミック材料から構成される圧電素子1の熱収縮率及び熱膨張率は、金属から構成される振動部材20の熱収縮率及び熱膨張率よりもそれぞれ小さい。圧電デバイス100では、このように熱収縮率及び熱膨張率の異なる圧電素子1及び振動部材20が、接合部材6(不図示)により接合されている。このため、圧電素子1と振動部材20との間で応力が生じる。
【0041】
熱収縮時において、圧電デバイス100は、
図4(a)に示されるように、圧電素子1の第2主面1bが湾曲外側、振動部材20の主面20b(
図1参照)が湾曲内側となるように湾曲変形する。圧電素子1では、振動部材20と接合された第1主面1a(
図1参照)の収縮量は、振動部材20と接合されていない第2主面1bの収縮量よりも大きくなる。この結果、第1主面1aが湾曲内側、第2主面1bが湾曲外側となるように、圧電素子1が全体的に湾曲する。振動部材20では、圧電素子1と接合された主面20aの収縮量は、圧電素子1と接合されていない主面20bの収縮量よりも小さくなる。この結果、主面20aが湾曲外側、主面20bが湾曲内側となるように、振動部材20が全体的に湾曲する。
【0042】
これに対し、熱膨張時において圧電デバイス100は、
図4(b)に示されるように、圧電素子1の第2主面1bが湾曲内側、振動部材20の主面20b(
図1参照)が湾曲外側となるように変形する。圧電素子1では、振動部材20と接合された第1主面1a(
図1参照)の膨張量は、振動部材20と接合されていない第2主面1bの膨張量よりも大きくなる。この結果、第1主面1aが湾曲外側、第2主面1bが湾曲内側となるように、圧電素子1が全体的に湾曲する。振動部材20では、圧電素子1と接合された主面20aの膨張量は、圧電素子1と接合されていない主面20bの膨張量よりも小さくなる。この結果、主面20aが湾曲内側、主面20bが湾曲外側となるように、振動部材20が全体的に湾曲する。
【0043】
圧電素子1の第1主面1a寄りの部分には、スリット5が設けられている。このため、第1主面1aは、圧電素子1にスリット5が設けられていない場合に比べて、変形し易い。スリット5は、特に、圧電素子1の方向D2の一端から他端に至り、第1主面1aを方向D3において完全に分割している。よって、第1主面1aは、特に、方向D3に変形し易い。このようにスリット5により第1主面1aが変形し易いので、第1主面1aの収縮量及び膨張量は、第2主面1bの収縮量及び膨張量よりもそれぞれ更に大きくなる。この結果、圧電デバイス100の湾曲変形量が更に大きくなる。
【0044】
以上説明したように、圧電デバイス100では、第2領域R2が角部Aに位置している。つまり、角部Aは接合部材6から露出しており、振動部材20に接合されていない。したがって、上述のような熱衝撃により、角部Aに応力が集中することが抑制される。これにより、角部Aの近傍でクラック及び剥離が生じることが抑制される。よって、圧電デバイス100を安定して駆動することができる。
【0045】
第1主面1aにおける第2領域R2の面積割合は、角部Aに応力が集中することを抑制するために、例えば、1%以上が好ましく、2%以上がより好ましく、4%以上が更に好ましい。第1主面1aにおける第2領域R2の面積割合は、圧電素子1の変位を振動部材20に伝達するために、例えば、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、4%以下が更に好ましい。
【0046】
圧電素子1の第1主面1a寄りの部分には、スリット5が設けられている。このため、上述のように、第1主面1aは、スリット5により変形し易く、その結果、圧電デバイス100の湾曲変形量が更に大きくなり易い。よって、第2領域R2が角部Aに位置し、角部Aへの応力集中を避ける本実施形態の構成が更に有効である。
【0047】
第1領域R1と第2領域R2との境界は、角部Aに沿って湾曲している。このため、第1領域R1と第2領域R2との境界を丸められた形状とすることができるので、この境界に応力が集中することが抑制される。よって、圧電デバイス100を一層安定して駆動することができる。
【0048】
圧電素子1は、圧電体2と、圧電体2上に設けられた電極3と、を有し、電極3は、第1主面1aを有している。このため、第1主面1aの角部Aに応力が集中すると、電極3が圧電体2から剥離するおそれがある。よって、第2領域R2が角部Aに位置し、角部Aへの応力集中を避ける本実施形態の構成が更に有効である。
【0049】
圧電デバイス100は、例えば、500kHzの超音波で共振駆動される。このため、例えば、数十Hzで駆動される通常の圧電デバイスに比べて、振動回数が増え易い。振動回数が増えると、クラック等が生じ易い。よって、第2領域R2が角部Aに位置し、角部Aへの応力集中を避ける本実施形態の構成が更に有効である。
【0050】
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0051】
圧電素子1には、スリット5が設けられていなくてもよい。接合部材6は、第1主面1aのスリット5の部分にも設けられていてもよい。つまり、接合部材6は連続した一部材からなり、スリット5上に架け渡されるように設けられてもよい。