【解決手段】誘電体層を含み、互いに対向する第1面及び第2面、上記第1面と第2面を連結する第3面及び第4面を有するセラミック本体と、上記セラミック本体の内部に配置され、上記第1及び第2面に露出し、且つ上記第3面または第4面に一端が露出する複数の内部電極と、上記第1面及び第2面に露出した上記内部電極の端部上に配置された第1サイドマージン部及び第2サイドマージン部と、を含む積層セラミックキャパシタであって、上記セラミック本体の第1面及び第2面と上記第1サイドマージン部及び第2サイドマージン部との間には、それぞれ接着層が配置されており、上記第1及び第2サイドマージン部の平均厚さが2μm以上10μm以下である、積層セラミックキャパシタを提供する。
前記複数の内部電極のうち、中央部に配置される内部電極の末端と接する前記第1または第2サイドマージン部領域の厚さに対して、最外側に配置される内部電極の末端と接する前記第1または第2サイドマージン部領域の厚さの比率が1.0以下である、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
前記複数の内部電極のうち、中央部に配置される内部電極の末端と接する前記第1または第2サイドマージン部領域の厚さに対して、前記セラミック本体の角と接する前記第1または第2サイドマージン部領域の厚さの比率が1.0以下である、請求項1または2に記載の積層セラミックキャパシタ。
複数個の第1内部電極パターンが所定の間隔を置いて形成された第1セラミックグリーンシート、及び複数個の第2内部電極パターンが所定の間隔を置いて形成された第2セラミックグリーンシートを製造する段階と、
前記第1内部電極パターンと前記第2内部電極パターンが交差されるように前記第1セラミックグリーンシートと前記第2セラミックグリーンシートを積層することで、セラミックグリーンシート積層本体を形成する段階と、
前記第1内部電極パターンと第2内部電極パターンの末端が幅方向に露出した側面を有するように、前記セラミックグリーンシート積層本体を切断する段階と、
前記第1内部電極パターンと第2内部電極パターンの末端が露出した側面に、接着剤が塗布された側面用セラミックシートを付着することで、第1サイドマージン部及び第2サイドマージン部を形成する段階と、を含む積層セラミックキャパシタの製造方法であって、
前記第1及び第2セラミックグリーンシートの厚さが0.6μm以下、前記第1及び第2内部電極パターンの厚さが0.5μm以下の、積層セラミックキャパシタの製造方法。
前記複数個の第1及び第2内部電極パターンのうち、中央部に配置される内部電極パターンの末端と接する前記第1または第2サイドマージン部領域の厚さに対して、最外側に配置される内部電極パターンの末端と接する前記第1または第2サイドマージン部領域の厚さの比率が1.0以下である、請求項5から7のいずれか一項に記載の積層セラミックキャパシタの製造方法。
前記複数個の第1及び第2内部電極パターンのうち、中央部に配置される内部電極の末端と接する前記第1または第2サイドマージン部領域の厚さに対して、前記セラミックグリーンシート積層本体の角と接する前記第1または第2サイドマージン部領域の厚さの比率が1.0以下である、請求項5から8のいずれか一項に記載の積層セラミックキャパシタの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0018】
図1は本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略的な斜視図である。
【0019】
図2は
図1のセラミック本体の外観を示す斜視図である。
【0020】
図3は
図2のセラミック本体の焼成前のセラミックグリーンシート積層本体を示す斜視図である。
【0021】
図4は
図2のA方向から見た側面図である。
【0022】
図1から
図4を参照すると、本実施形態による積層セラミックキャパシタ100は、セラミック本体110と、上記セラミック本体110の内部に形成される複数の内部電極121、122と、上記セラミック本体110の外表面に形成される外部電極131、132と、を含む。
【0023】
上記セラミック本体110は、互いに対向する第1面1及び第2面2と、上記第1面と第2面を連結する第3面3及び第4面4と、上面と下面である第5面5及び第6面6と、を有することができる。
【0024】
上記第1面1及び第2面2はセラミック本体110の幅方向において対面する面、上記第3面3及び第4面4は長さ方向において対面する面、上記第5面5及び第6面6は厚さ方向において対面する面と定義することができる。
【0025】
上記セラミック本体110の形状は特に制限されないが、図面に示すように、直方体形状であることができる。
【0026】
上記セラミック本体110の内部に形成された複数の内部電極121、122は、セラミック本体の第3面3または第4面4に一端が露出する。
【0027】
上記内部電極121、122は、互いに異なる極性を有する第1内部電極121及び第2内部電極122を一対とすることができる。
【0028】
第1内部電極121の一端は第3面3に露出し、第2内部電極122の一端は第4面4に露出することができる。
【0029】
上記第1内部電極121及び第2内部電極122の他端は、第3面3または第4面4から所定の間隔を置いて形成される。
【0030】
上記セラミック本体の第3面3及び第4面4には第1及び第2外部電極131、132が形成され、上記内部電極とそれぞれ電気的に接続されることができる。
【0031】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ100は、上記セラミック本体110の内部に配置され、上記第1面及び第2面1、2に露出し、且つ上記第3面3または第4面4に一端が露出する複数の内部電極121、122と、上記第1面1及び第2面2に露出した上記内部電極121、122の端部上に配置された第1サイドマージン部112及び第2サイドマージン部113と、を含む。
【0032】
上記セラミック本体110の内部には複数の内部電極121、122が形成される。上記複数の内部電極121、122の各末端は、上記セラミック本体110の幅方向の面である第1面1及び第2面2に露出し、露出した端部上に第1サイドマージン部112及び第2サイドマージン部113が配置される。
【0033】
第1サイドマージン部112及び第2サイドマージン部113の平均厚さは、2μm以上10μm以下であることができる。
【0034】
本発明の一実施形態によると、上記セラミック本体110は、複数の誘電体層111が積層された積層体と、上記積層体の両側面に配置される第1サイドマージン部112及び第2サイドマージン部113とで構成されることができる。
【0035】
上記複数の誘電体層111は焼結された状態であって、隣接する誘電体層同士の境界は、確認が不可能な程度に一体化されることができる。
【0036】
上記セラミック本体110の長さは、セラミック本体の第3面3から第4面4までの距離に相当する。
【0037】
上記誘電体層111の長さは、セラミック本体の第3面3と第4面4との間の距離を形成する。
【0038】
これに制限されるものではないが、本発明の一実施形態によると、セラミック本体の長さは400〜1400μmであることができる。より具体的には、セラミック本体の長さは400〜800μm、または、600〜1400μmであることができる。
【0039】
上記誘電体層111上に内部電極121、122が形成されることができ、内部電極121、122は、焼結により、一誘電体層を間に挟んで上記セラミック本体の内部に形成されることができる。
【0040】
図3を参照すると、誘電体層111に第1内部電極121が形成される。上記第1内部電極121は、誘電体層の長さ方向においては全体的に形成されない。すなわち、第1内部電極121の一端は、セラミック本体の第4面4から所定の間隔を置いて形成されることができ、第1内部電極121の他端は、第3面3まで形成されて第3面3に露出することができる。
【0041】
セラミック本体の第3面3に露出した第1内部電極の端部は第1外部電極131と接続される。
【0042】
第1内部電極とは反対に、第2内部電極122の一端は、第3面3から所定の間隔を置いて形成され、第2内部電極122の他端は、第4面4に露出して第2外部電極132と接続される。
【0043】
上記誘電体層111は第1内部電極121の幅と同一の幅を有することができる。すなわち、上記第1内部電極121は、誘電体層111の幅方向においては全体的に形成されることができる。
【0044】
これに制限されるものではないが、本発明の一実施形態によると、誘電体層の幅及び内部電極の幅は100〜900μmであることができる。より具体的には、誘電体層の幅及び内部電極の幅は100〜500μm、または、100〜900μmであることができる。
【0045】
セラミック本体が小型化するにつれ、サイドマージン部の厚さが積層セラミックキャパシタの電気的特性に影響し得る。本発明の一実施形態によると、サイドマージン部の厚さが10μm以下に形成され、小型化した積層セラミックキャパシタの特性を向上させることができる。
【0046】
本発明の一実施形態において、内部電極と誘電体層は同時に切断されて形成されるものであって、内部電極の幅と誘電体層の幅が同一に形成されることができる。これについてのより具体的な事項は後述する。
【0047】
本実施形態において、誘電体層の幅は内部電極の幅と同一に形成される。これにより、セラミック本体110の幅方向の第1面及び第2面に内部電極121、122の末端が露出することができる。
【0048】
上記内部電極121、122の末端が露出したセラミック本体110の幅方向の両側面には、第1サイドマージン部112及び第2サイドマージン部113が形成されることができる。
【0049】
上記第1サイドマージン部112及び第2サイドマージン部113の厚さは10μm以下であることができる。上記第1サイドマージン部112及び第2サイドマージン部113の厚さが小さいほど、セラミック本体内に形成される内部電極の重なり面積が相対的に広くなることができる。
【0050】
上記第1サイドマージン部112及び第2サイドマージン部113の厚さは、セラミック本体110の側面に露出する内部電極のショートを防止することができる厚さであれば特に制限されないが、例えば、2μm以上であることができる。
【0051】
上記第1及び第2サイドマージン部の厚さが2μm未満である場合には、外部衝撃に対する機械的強度が低下する恐れがあり、上記第1及び第2サイドマージン部の厚さが10μmを超える場合には、内部電極の重なり面積が相対的に減少し、積層セラミックキャパシタの高容量の確保が困難であり得る。
【0052】
積層セラミックキャパシタの容量を最大化するために、誘電体層を薄膜化する方法、薄膜化した誘電体層を高積層化する方法、内部電極のカバレッジを向上させる方法などが考えられている。
【0053】
また、容量を形成する内部電極の重なり面積を増加させる方法が考えられている。
【0054】
内部電極の重なり面積を増加させるためには、内部電極が形成されないマージン部の領域を最小化させる必要がある。
【0055】
特に、積層セラミックキャパシタが小型化するほど、内部電極の重なり領域を増加させるためには、マージン部の領域を最小化させる必要がある。
【0056】
本実施形態によると、誘電体層の幅方向の全体に内部電極が形成され、サイドマージン部の厚さが10μm以下に設定されるため、内部電極の重なり面積が広いという特徴を有する。
【0057】
通常、誘電体層が高積層化するほど、誘電体層及び内部電極の厚さは薄くなる。したがって、内部電極のショート現象が頻繁に発生し得る。また、誘電体層の一部にのみ内部電極が形成される場合、内部電極による段差が生じて、絶縁抵抗の加速寿命や信頼性が低下し得る。
【0058】
しかし、本実施形態によると、薄膜の内部電極及び誘電体層を形成しても、内部電極が誘電体層の幅方向において全体的に形成されるため、内部電極の重なり面積が大きくなり、積層セラミックキャパシタの容量を大きくすることができる。
【0059】
また、内部電極による段差を減少させることで、絶縁抵抗の加速寿命を向上させるため、優れた容量特性及び信頼性を有する積層セラミックキャパシタを提供することができる。
【0060】
本発明の一実施形態によると、上記セラミック本体110の第1面1及び第2面2と、上記第1サイドマージン部112及び第2サイドマージン部113との間には、それぞれ接着層140が配置される。
【0061】
従来、第1サイドマージン部及び第2サイドマージン部を形成する方法としては、第1内部電極パターンと第2内部電極パターンの末端が露出したセラミック本体の側面に側面用セラミックシートを付着し、熱と圧力を加えて第1サイドマージン部及び第2サイドマージン部を形成していた。
【0062】
この場合、上記サイドマージン部とセラミック本体の接着力が低下すると、側面用セラミックシートの浮き上がり問題が発生し、外観不良、絶縁抵抗の減少、及び耐湿信頼性の低下の問題が発生し得る。
【0063】
上記の問題を防止すべく、従来は、上記サイドマージン部とセラミック本体の接着力を強化するために、高い熱と圧力を加えてサイドマージン部を形成していた。
【0064】
しかし、このように高い熱と圧力を加える場合、厚さの薄い内部電極及び誘電体層にダメージが加えられ、ショートが発生するなど、電気的特性が低下する問題が発生し得る。
【0065】
すなわち、超小型及び高容量の積層セラミックキャパシタにおいては、誘電体層及び内部電極の厚さが薄く適用されなければならないため、上記のように高い熱と圧力を加えてサイドマージン部を形成する方法は問題を引き起こす恐れがある。
【0066】
本発明の一実施形態によると、第1内部電極パターンと第2内部電極パターンの末端が露出したセラミック本体の側面に、接着剤が塗布された側面用セラミックシートを付着して第1サイドマージン部及び第2サイドマージン部を形成するため、低い熱と圧力を加えてもサイドマージン部とセラミック本体の接着力を強化することができる。
【0067】
これにより、厚さの薄い誘電体層及び内部電極が適用された超小型及び高容量の積層セラミックキャパシタにおいても、誘電体層及び内部電極に加えられるダメージが最小化され、信頼性が向上することができる。
【0068】
すなわち、本発明の一実施形態によると、上記誘電体層111の厚さが0.4μm以下、上記内部電極121、122の厚さが0.4μm以下の、超小型の積層セラミックキャパシタであることを特徴とする。
【0069】
本発明の一実施形態のように、上記誘電体層111の厚さが0.4μm以下、上記内部電極121、122の厚さが0.4μm以下の、薄膜の誘電体層と内部電極が適用される場合には、従来のように高い熱と圧力を加えてサイドマージン部を形成すると、誘電体層と内部電極にダメージが加えられて電気的特性が低下し得る。
【0070】
しかし、本発明の一実施形態のように、上記セラミック本体110の第1面1及び第2面2と、上記第1サイドマージン部112及び第2サイドマージン部113との間にそれぞれ接着層140が配置された構造を有する場合には、上記誘電体層111の厚さが0.4μm以下、上記内部電極121、122の厚さが0.4μm以下の、薄膜の誘電体層と内部電極に加えられるダメージが最小化され、信頼性が向上することができる。
【0071】
上記接着層140は、セラミック粉末とバインダーなどを含むセラミックスラリーを含むことができ、上記セラミック粉末はチタン酸バリウム系粉末であることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0072】
上記接着層140がセラミック粉末とバインダーなどを含むセラミックスラリーを含む場合、第1サイドマージン部112及び第2サイドマージン部113とは、含有する組成が異なる。そのため、接着層140とサイドマージン部との境界が確認可能である。
【0073】
すなわち、上記接着層140がセラミック粉末を含む場合であっても、第1サイドマージン部112及び第2サイドマージン部113とはその組成が異なる。これにより、上記接着層140と上記第1サイドマージン部112及び第2サイドマージン部113とは、その緻密度が互いに異なる。
【0074】
具体的には、上記第1サイドマージン部112及び第2サイドマージン部113は、上記接着層140に比べて緻密度がより高いことができる。
【0075】
図4を参照すると、上記複数の内部電極121、122のうち、中央部に配置される内部電極の末端と接する上記第1または第2サイドマージン部領域の厚さtc1に対して、最外側に配置される内部電極の末端と接する上記第1または第2サイドマージン部領域の厚さtc2の比率は1.0以下であることができる。
【0076】
中央部に配置される内部電極の末端と接する上記第1または第2サイドマージン部領域の厚さtc1に対して、最外側に配置される内部電極の末端と接する上記第1または第2サイドマージン部領域の厚さtc2の比率の下限値は特に制限されないが、0.9以上であることが好ましい。
【0077】
本発明の一実施形態によると、従来と異なって、セラミックグリーンシートをセラミック本体の側面に付着して上記第1または第2サイドマージン部を形成するため、第1または第2サイドマージン部の位置毎の厚さが一定である。
【0078】
すなわち、従来は、セラミックスラリーを塗布若しくは印刷する方式によりサイドマージン部を形成していたため、サイドマージン部の位置毎の厚さのばらつきが激しかった。
【0079】
具体的には、従来は、セラミック本体の中央部に配置される内部電極の末端と接する第1または第2サイドマージン部領域の厚さが、他の領域の厚さに比べて厚く形成されていた。
【0080】
例えば、従来は、中央部に配置される内部電極の末端と接する第1または第2サイドマージン部領域の厚さに対して、最外側に配置される内部電極の末端と接する第1または第2サイドマージン部領域の厚さの比率が0.9未満程度と、そのばらつきが大きい。
【0081】
このようにサイドマージン部の位置毎の厚さのばらつきが大きい従来の場合、同じサイズの積層セラミックキャパシタにおいてサイドマージン部が占める部分が大きいため、容量形成部のサイズを大きく確保することができず、高容量を確保することが困難であった。
【0082】
これに対し、本発明の一実施形態は、第1及び第2サイドマージン部112、113の平均厚さが2μm以上10μm以下であり、上記複数の内部電極121、122のうち、中央部に配置される内部電極の末端と接する上記第1または第2サイドマージン部領域の厚さtc1に対して、最外側に配置される内部電極の末端と接する上記第1または第2サイドマージン部領域の厚さtc2の比率が0.9以上1.0以下であるため、サイドマージン部の厚さが薄く、厚さのばらつきが少ないため、容量形成部のサイズを大きく確保することができる。
【0083】
これにより、高容量の積層セラミックキャパシタの実現が可能である。
【0084】
一方、
図4を参照すると、上記複数の内部電極121、122のうち、中央部に配置される内部電極の末端と接する上記第1または第2サイドマージン部領域の厚さtc1に対して、上記セラミック本体110の角と接する上記第1または第2サイドマージン部領域の厚さtc3の比率は1.0以下であることができる。
【0085】
中央部に配置される内部電極の末端と接する上記第1または第2サイドマージン部領域の厚さtc1に対して、上記セラミック本体110の角と接する上記第1または第2サイドマージン部領域の厚さtc3の比率の下限値は0.9以上であることが好ましい。
【0086】
上記の特徴により、サイドマージン部の領域毎の厚さのばらつきが少ないため、容量形成部のサイズを大きく確保することができ、これにより、高容量の積層セラミックキャパシタの実現が可能である。
【0087】
図5aから
図5fは、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法を概略的に示す断面図及び斜視図である。
【0088】
本発明の他の実施形態によると、複数個の第1内部電極パターンが所定の間隔を置いて形成された第1セラミックグリーンシート、及び複数個の第2内部電極パターンが所定の間隔を置いて形成された第2セラミックグリーンシートを製造する段階と、上記第1内部電極パターンと上記第2内部電極パターンが交差されるように上記第1セラミックグリーンシートと上記第2セラミックグリーンシートを積層することで、セラミックグリーンシート積層本体を形成する段階と、上記第1内部電極パターンと第2内部電極パターンの末端が幅方向に露出した側面を有するように、上記セラミックグリーンシート積層本体を切断する段階と、上記第1内部電極パターンと第2内部電極パターンの末端が露出した側面に、接着剤が塗布された側面用セラミックシートを付着することで、第1サイドマージン部及び第2サイドマージン部を形成する段階と、を含み、上記第1及び第2セラミックグリーンシートの厚さが0.6μm以下、第1及び第2内部電極パターンの厚さが0.5μm以下の、積層セラミックキャパシタの製造方法を提供する。
【0089】
以下、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法を説明する。
【0090】
図5aに示すように、セラミックグリーンシート211上に、所定の間隔を置いて複数個のストライプ状の第1内部電極パターン221を形成する。上記複数個のストライプ状の第1内部電極パターン221は、互いに平行に形成することができる。
【0091】
上記セラミックグリーンシート211は、セラミック粉末、有機溶剤、及び有機バインダーを含むセラミックペーストで形成されることができる。
【0092】
上記セラミック粉末は高い誘電率を有する物質であって、これに制限されるものではないが、チタン酸バリウム(BaTiO
3)系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料、またはチタン酸ストロンチウム(SrTiO
3)系材料などを用いることができ、チタン酸バリウム(BaTiO
3)粉末を用いることが好ましい。上記セラミックグリーンシート211が焼成されると、セラミック本体110を構成する誘電体層111になる。
【0093】
ストライプ状の第1内部電極パターン221は、導電性金属を含む内部電極ペーストによって形成されることができる。上記導電性金属は、これに制限されるものではないが、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、またはこれらの合金であることができる。
【0094】
上記セラミックグリーンシート211上にストライプ状の第1内部電極パターン221を形成する方法は特に制限されないが、例えば、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などの印刷法により形成することができる。
【0095】
また、図示していないが、さらに他のセラミックグリーンシート211上に、所定の間隔を置いて複数個のストライプ状の第2内部電極パターン222を形成することができる。
【0096】
以下、第1内部電極パターン221が形成されたセラミックグリーンシートを第1セラミックグリーンシートと称し、第2内部電極パターン222が形成されたセラミックグリーンシートを第2セラミックグリーンシートと称する。
【0097】
次に、
図5bに示すように、ストライプ状の第1内部電極パターン221とストライプ状の第2内部電極パターン222とが交差積層されるように、第1及び第2セラミックグリーンシートを交互に積層することができる。
【0098】
その後、上記ストライプ状の第1内部電極パターン221により第1内部電極121を形成することができ、ストライプ状の第2内部電極パターン222により第2内部電極122を形成することができる。
【0099】
本発明の他の実施形態によると、上記第1及び第2セラミックグリーンシートの厚さtdは0.6μm以下、第1及び第2内部電極パターンの厚さteは0.5μm以下である。
【0100】
本発明は、誘電体層の厚さが0.4μm以下、内部電極の厚さが0.4μm以下の薄膜を有する超小型及び高容量の積層セラミックキャパシタであることを特徴とする。したがって、上記第1及び第2セラミックグリーンシートの厚さtdは0.6μm以下、第1及び第2内部電極パターンの厚さteは0.5μm以下であることを特徴とする。
【0101】
このように厚さの薄いセラミックグリーンシートと内部電極パターンが適用される場合に、従来の方法によりサイドマージン部を形成すると、高い熱と圧力が加えられるため、誘電体層と内部電極にダメージが加えられ得る。これにより、電気的特性が低下するという問題が発生し得る。
【0102】
しかし、本発明の他の実施形態では、後述のように、セラミックグリーンシート積層本体ではなく、側面用セラミックグリーンシート上に接着剤が塗布されてセラミックグリーンシート積層本体の側面に転写されるため、低い熱と圧力だけでセラミック本体とサイドマージン部との接着力が向上することができる。
【0103】
これにより、サイドマージン部の剥離による外観不良が発生することがなく、絶縁抵抗が高く、耐湿信頼性が向上することができる。
【0104】
すなわち、第1及び第2セラミックグリーンシートの厚さtdが0.6μm以下、第1及び第2内部電極パターンの厚さteが0.5μm以下の薄膜の場合にも、電気的特性に優れ、信頼性が向上することができる。
【0105】
図5cは、本発明の一実施形態によって第1及び第2セラミックグリーンシートが積層されたセラミックグリーンシート積層本体220を示す断面図であり、
図5dは、第1及び第2セラミックグリーンシートが積層されたセラミックグリーンシート積層本体220を示す斜視図である。
【0106】
図5c及び
図5dを参照すると、複数個の平行なストライプ状の第1内部電極パターン221が印刷された第1セラミックグリーンシートと、複数個の平行なストライプ状の第2内部電極パターン222が印刷された第2セラミックグリーンシートは、互いに交互に積層される。
【0107】
より具体的には、第1セラミックグリーンシートに印刷されたストライプ状の第1内部電極パターン221の中央部と、第2セラミックグリーンシートに印刷されたストライプ状の第2内部電極パターン222の間の間隔とが重なるように積層されることができる。
【0108】
次に、
図5dに示すように、上記セラミックグリーンシート積層本体220は、複数個のストライプ状の第1内部電極パターン221及びストライプ状の第2内部電極パターン222を横切るように切断することができる。すなわち、上記セラミックグリーンシート積層本体220は、互いに直交するC1−C1及びC2−C2の切断線に沿って切断された積層本体210になることができる。
【0109】
より具体的には、ストライプ状の第1内部電極パターン221及びストライプ状の第2内部電極パターン222を長さ方向に切断することで、一定の幅を有する複数個の内部電極に分割することができる。この際、積層されたセラミックグリーンシートも内部電極パターンとともに切断する。これにより、内部電極の幅と同一の幅を有するように誘電体層が形成されることができる。
【0110】
また、C2−C2の切断線に沿って、個別のセラミック本体のサイズに合わせて切断することができる。すなわち、第1サイドマージン部及び第2サイドマージン部を形成する前に、棒状積層体をC2−C2の切断線に沿って個別のセラミック本体のサイズに切断することで、複数個の積層本体210を形成することができる。
【0111】
すなわち、棒状積層体を、重なっている第1内部電極の中心部と第2内部電極の間に形成され、所定の間隔が同一である切断線に沿って切断されるように切断することができる。これにより、第1内部電極及び第2内部電極の一端は、切断面において交互に露出することができる。
【0112】
その後、上記積層本体210の第1及び第2側面に第1サイドマージン部及び第2サイドマージン部を形成することができる。
【0113】
次に、
図5eに示すように、上記積層本体210の第1及び第2側面のそれぞれに、第1サイドマージン部212及び第2サイドマージン部(不図示)を形成することができる。
【0114】
具体的には、第1サイドマージン部212の形成方法として、上部に接着剤240が塗布された側面用セラミックグリーンシート212を製作し、接着剤240が塗布された側面用セラミックグリーンシート212をゴム製の打抜き弾性材300の上部に配置する。
【0115】
次に、上記積層本体210の第1側面が、上記接着剤240が塗布された側面用セラミックグリーンシート212と向かい合うように、上記積層本体210を90度回転した後、上記接着剤240が塗布された側面用セラミックグリーンシート212に上記積層本体210を加圧密着させる。
【0116】
本発明の他の実施形態によると、側面用セラミックグリーンシート212の上部に接着剤240が塗布されているため、従来と異なって、低い温度と低い圧力条件で側面用セラミックグリーンシート212を積層本体210の側面に転写することができる。
【0117】
これにより、積層本体210に加えられるダメージを最小化することができるため、焼成後における積層セラミックキャパシタの電気的特性の低下を防止することができて、信頼性を向上させることができる。
【0118】
上記接着剤240が塗布された側面用セラミックグリーンシート212に上記積層本体210を加圧密着させて側面用セラミックグリーンシート212を上記積層本体210に転写する場合、上記ゴム製の打抜き弾性材300により、上記側面用セラミックグリーンシート212は上記積層本体210の側面の角部まで形成され、残りの部分は切断されることができる。
【0119】
図5fでは、上部に接着剤240が塗布された側面用セラミックグリーンシート212が上記積層本体210の側面の角部まで形成されたことを示している。
【0120】
その後、上記積層本体210を回転し、積層本体210の第2側面に第2サイドマージン部を形成することができる。
【0121】
次に、上記積層本体210の両側面に第1及び第2サイドマージン部が形成された積層本体をか焼及び焼成して、セラミック本体を形成することができる。
【0122】
その後、上記第1内部電極が露出したセラミック本体の第3側面と、上記第2内部電極が露出したセラミック本体の第4側面に、それぞれ外部電極を形成することができる。
【0123】
本発明の他の実施形態によると、側面用セラミックグリーンシートが薄く、且つ厚さのばらつきが少ないため、容量形成部のサイズを大きく確保することができる。
【0124】
具体的には、焼成後における第1及び第2サイドマージン部112、113の平均厚さが2μm以上10μm以下であり、位置毎の厚さのばらつきが少ないため、容量形成部のサイズを大きく確保することができる。
【0125】
これにより、高容量の積層セラミックキャパシタの実現が可能である。
【0126】
その他、上述の本発明の一実施形態における特徴と同一の部分に関する説明は、重複を避けるためにここでは省略する。
【0127】
以下、実験例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、これは発明の具体的な理解のためのものにすぎず、本発明の範囲が実験例によって限定されるものではない。
(実験例)
本発明の一実施形態によって、側面用セラミックグリーンシートのみでサイドマージン部を形成した比較例と、上部に接着剤が塗布された側面用セラミックグリーンシートでサイドマージン部を形成した実施例をそれぞれ準備した。
【0128】
そして、幅方向に内部電極が露出し、マージンのないグリーンチップの電極露出部に、上記比較例と実施例の側面用セラミックグリーンシートを付着してサイドマージン部を形成することができるように、セラミックグリーンシート積層本体を形成した。
【0129】
チップの変形を最小化した条件で一定の温度と圧力を加えながら、セラミックグリーンシート積層本体の両面に側面形成用セラミックグリーンシートを付着し、0603サイズ(横×縦×高さ:0.6mm×0.3mm×0.3mm)の積層セラミックキャパシタグリーンチップを製作した。
【0130】
上記側面形成用セラミックグリーンシートを付着する工程では、従来と異なって低い温度と圧力を印加し、具体的には、90℃以下及び0.5ton以下の圧力条件で行った。
【0131】
このように製作が完了した積層セラミックキャパシタの試験片を、400℃以下、窒素雰囲気でか焼工程を経て、焼成温度1200℃以下、水素濃度0.5%H
2以下の条件で焼成した後、外観不良、絶縁抵抗、及び耐湿特性などの電気的特性を総合的に確認した。
【0132】
側面用セラミックグリーンシートのみでサイドマージン部を形成した比較例の場合、サイドマージン部の形成時に低い温度と圧力が加えられるため、サイドマージン部が本体から剥離される外観不良が発生し、これにより、絶縁抵抗低下及び耐湿特性低下の問題が発生した。
【0133】
しかし、上部に接着剤が塗布された側面用セラミックグリーンシートでサイドマージン部を形成した実施例の場合、低い温度と圧力が加えられてもセラミック本体とサイドマージン部の接着力に優れ、剥離不良がなく、絶縁抵抗特性に優れており、耐湿信頼性も向上した。
【0134】
一方、従来の積層セラミックキャパシタのように、上部に接着剤が塗布されていない側面用セラミックグリーンシートでサイドマージン部を形成する場合、上記サイドマージン部とセラミック本体との間に浮き上がり問題が発生し、外観不良、絶縁抵抗の減少、及び耐湿信頼性の低下の問題が発生し得る。
【0135】
上記のような問題を防止すべく、従来は、上記サイドマージン部とセラミック本体の接着力を強化するために、高い熱と圧力を加えてサイドマージン部を形成していた。
【0136】
具体的には、従来は、110℃及び1.0tonの高い熱と圧力を加えてサイドマージン部を形成する場合にも剥離不良の問題が発生し、本発明の実施例の条件のように90℃及び0.5tonの低い熱と圧力を加える場合には、外観不良、絶縁抵抗の減少、及び耐湿信頼性の低下の問題が頻繁に発生するという問題がある。
【0137】
本発明は、上述の実施形態及び添付図面によって限定されず、添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で、当技術分野の通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形、及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。