【解決手段】接続口22Aを有する水栓本体と、接続口22Aに組み付けられて、内部に供給流路32を有するクランク形状の取付脚部材30と、を備えている。接続口22Aの外周にはネジ山22Cが形成されている。取付脚部材30は、ネジ山22Cに螺合する袋ナット38と、接続口22Aに嵌合して、接続口22Aに対する位置決めをする凸部33と、を有する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明における好ましい実施の形態を説明する。
【0010】
本発明の水栓装置は、前記接続口の内周面に、径方向に凹む複数の凹部が形成され得る。前記位置決め部は、複数の前記凹部のうちいずれかに嵌合する凸部によって構成され得る。
この場合、この水栓装置は、水栓本体における複数の凹部のいずれかに取付脚部材の凸部を嵌合させることで、その凹部に対応した取付脚部材の接続口に対する位置決めを行うことができる。そのため、複数の凹部のうち所定の凹部を選択することで、取付脚部材の接続口に対する所望の位置決めを行うことができる。
【0011】
本発明の水栓装置は、前記接続口の外周に前記ネジ山が形成され得る。前記取付脚部材は、前記袋ナットを有し得る。前記凸部の先端が、前記袋ナットの先端側部分よりも突出し得る。
この場合、この水栓装置は、水栓本体の接続口に取付脚部材の袋ナットが接触する前に、凸部の先端が接続口の凹部に接触することになるため、接続口のネジ山に袋ナットが螺合する前に、凸部を凹部に嵌合することができる。そのため、水栓本体に対して取付脚部材を位置決めした状態で、袋ナットのネジ山への螺合を開始することができる。したがって、凸部を凹部に嵌合する前に袋ナットがネジ山に螺合し、水栓本体に対する取付脚部材の位置決めがなされていない状態で、袋ナットがネジ山へ螺合することを防ぐことができる。
【0012】
本発明の水栓装置は、前記接続口の外周に前記ネジ山が形成され得る。前記取付脚部材は、前記袋ナットを有し得る。前記袋ナットが、前記凸部に対して前記供給流路に沿って移動し得る。前記凸部の先端は、前記袋ナットが前記供給流路の先端側に進出した進出位置にあるときに、前記袋ナットの先端側部分よりも突出し得る。
この場合、この水栓装置は、水栓本体に取付脚部材を組み付ける際に、袋ナットを供給流路の先端側に進出させた進出位置に位置させた場合には、凸部の先端が袋ナットの先端側部分よりも突出することになる。そのため、水栓本体に対して取付脚部材を位置決めした状態で、袋ナットのネジ山への螺合を開始することができ、水栓本体に対する取付脚部材の取り付け施工が行い易くなる。
【0013】
本発明の水栓装置は、前記接続口の外周に前記ネジ山が形成され得る。前記取付脚部材は、前記袋ナットを有し得る。前記袋ナットが、前記凸部に対して前記供給流路に沿って移動し得る。前記凸部の先端は、前記袋ナットが前記供給流路の先端側とは反対側に退避した退避位置にあるときに、前記袋ナットの先端側部分よりも突出し得る。
【0014】
この場合、この水栓装置は、水栓本体に取付脚部材を組み付ける際に、袋ナットを供給流路の先端側とは反対側に退避させた退避位置に位置させた場合であっても、凸部の先端が袋ナットの先端側部分よりも突出することになる。そのため、袋ナットをどのような位置に位置させた状態(例えば退避位置に位置させた状態)であっても、水栓本体に対して取付脚部材を位置決めした状態で、袋ナットのネジ山への螺合を開始することができ、施工性を向上させることができる。
【0015】
次に、本発明の水栓装置を具体化した実施例1について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、上下、左右の方向については、
図1及び
図2に表れる向きをそのまま上下、左右方向と定義する。前後方向は、上下、左右方向と直交する方向であり、
図1に示す吐水部11が延びる方向が前方側、それとは反対側を後方側と定義する。
【0016】
<実施例1>
図1に示す実施例1の水栓装置10は、例えば浴室に設けられたデッキの上面に設置されるデッキ型の混合水栓である。水栓装置10は、
図1に示すように、吐水部11と、カバー12と、温調ハンドル13と、切替ハンドル14と、水栓本体20(
図2参照)と、一対の取付脚部材30と、を備えている。水栓装置10は、取付脚部材30に形成された後述する供給流路32から供給される湯や水を、所望の温度となるように混合して吐水部11の吐水口11Aから吐出させる。
【0017】
水栓本体20は、
図2に示すように、ハウジング21、混合弁(図示略)、各種流通路(図示略)を備えている。ハウジング21は、例えば金属によって形成されている。ハウジング21は、給湯部22と、給水部23と、上部流出部24と、後部流出部25(
図8(A)参照)と、を備えている。給湯部22は、
図3、
図4に示すように、後述する一方の取付脚部材30に接続される接続口22Aを備えている。接続口22Aは、円筒状であり、凹部22Bと、ネジ山22Cと、が形成されている。4つの凹部22Bは、
図4に示すように、接続口22Aの内周面において、内周に沿って等間隔に形成されている。凹部22Bは、
図4に示すように、断面視略半円形状で径方向に凹み、接続口22Aの開口側から奥側に向けて延びている。ネジ山22Cは、接続口22Aの外周に形成されている。ネジ山22Cは、接続口22Aの開口側から奥側に向けて凹部22Bと略同じ範囲に形成されている。
【0018】
給水部23は、
図2に示すように、後述する他方の取付脚部材30に接続される接続口23A(
図9参照)を備えている。接続口23Aは、給湯部22の接続口22Aと同じ構成であり、詳細な説明は省略する。上部流出部24は、後述する吐水部11に接続される上部流出口24Aが形成されている。後部流出部25は、シャワーエルボ25Aが取り付けられている。
【0019】
混合弁は、給湯部22から供給された湯と、給水部23から供給された水を混合した混合湯又は水を流出する。混合弁は、後述する切替ハンドル14により操作される。水栓本体20は、図示を省略するが、例えば混合用湯流通路、水流通路、湯水流通路を備えている。混合用湯流通路は、給湯部22からの湯が導入され、混合弁に湯を供給する流通路である。水流通路は、給水部23からの水が導入され、混合弁に水を供給する流通路である。湯水流通路は、混合弁により混合された混合湯又は水が流通し、上部流出部24および後部流出部25につながる流通路である。
【0020】
吐水部11は、
図1に示すように、水栓本体20に回動自在に接続されている。吐水部11は、全体として略L字状に形成されて、例えば水栓本体20の上部流出口24Aを中心として水平面内で約360°の範囲で回動自在とされている。吐水部11は、上部流出口24Aに接続される吐水部側湯水流通路(図示略)が形成されており、吐水部側湯水流通路の先端部には湯水を吐出する吐水口11Aが形成されている。
【0021】
カバー12は、
図1に示すように、例えば樹脂製であり、水栓本体20の外面を覆っている。カバー12は、前カバー12Aと、後カバー12Bと、によって構成されている。前カバー12Aは、水栓本体20の正面側(前面側)を覆う。後カバー12Bは、水栓本体20の背面側(後面側)を覆う。前カバー12Aおよび後カバー12Bは、互いに取り外し可能になっている。
【0022】
温調ハンドル13は、水栓本体20の混合弁による混合湯の混合割合を調節する操作ハンドルである。温調ハンドル13は、水平方向に延びる軸周りに回動自在に、水栓本体20に設けられている。切替ハンドル14は、図示しない切替弁等によって上部流出口24A又はシャワーエルボ25Aへの吐出と止水とを切り替えるとともに、混合湯又は水の吐出量を調節する操作ハンドルである。切替ハンドル14は、水平方向に延びる軸周りに回動自在に水栓本体20に設けられている。
【0023】
一対の取付脚部材30は、それぞれ接続口22Aおよび接続口23Aに組付けられ、それぞれ水栓本体20に湯および水を供給する通路として機能する。取付脚部材30は、
図2、
図3に示すように、本体部31と、袋ナット38と、を備えている。本体部31は、
図2に示すように、クランク形状の筒部材であり、
図3に示すように、供給流路32と、一対の凸部(位置決め部)33と、第1フランジ部34と、第2フランジ部35と、第3フランジ部36(
図2参照)と、配管接続部37(
図2参照)と、が形成されている。凸部33は、
図3、
図5に示すように、本体部31の先端部において、供給流路32の流れ方向に沿って突出している。一対の凸部33は、
図5に示すように、本体部31の先端部の中心に対して対称的な位置に形成されている。凸部33は、略半円柱形状であり、内側の側面が供給流路32の内面と連続するように湾曲状に凹んでいる。
【0024】
第1フランジ部34は、
図3に示すように、本体部31の先端部において鍔状に形成されている。第1フランジ部34の上面と、水栓本体20との間には、パッキン38Dが設けられる。第2フランジ部35は、第1フランジ部34に対して本体部31の先端部とは反対側に僅かに離れた位置において、鍔状に形成されている。第3フランジ部36は、
図2に示すように、本体部31の折れ曲がり部分に鍔状に形成されている。配管接続部37は、
図2に示すように、本体部31の下端側に形成され、外周面にネジ山が形成されている。
【0025】
袋ナット38は、
図3に示すように、略円筒状であり、ネジ山38Aと、溝部38Bと、が形成されている。ネジ山38Aは、袋ナット38の内周面の一端側(
図3では上端側)に形成されている。溝部38Bは、袋ナット38の内周面の他端側(
図3では下端側)において、内周に沿って断面視半円状に凹むように形成されている。溝部38Bには、リング部材38Cが入り込んでおり、本体部31に対する袋ナット38の抜け止めとして機能する。すなわち、袋ナット38は、溝部38Bに入り込んだリング部材38Cが、第1フランジ部34と第2フランジ部35の間に配置されるように、本体部31に組み付けられている。リング部材38Cの幅(円形断面の直径)よりも第1フランジ部34と第2フランジ部35の間の幅の方が大きくなっている。そのため、袋ナット38は、本体部31に対して、
図6に示すように供給流路32の先端側に進出した進出位置と、
図7に示すように供給流路32の先端側とは反対側(配管接続部37側)に退避した退避位置と、の間で移動する。
【0026】
取付脚部材30において、凸部33の先端は、
図7に示すように、袋ナット38が供給流路32の先端側とは反対側(配管接続部37側)に退避した退避位置にあるときに、袋ナット38の先端側部分よりも突出している。さらに、凸部33の先端は、
図6に示すように、袋ナット38が供給流路32の先端側に進出した進出位置にあるときにも、袋ナット38の先端側部分よりも突出している。
【0027】
取付脚部材30の一対の凸部33は、
図3に示すように、接続口22Aの4つの凹部22Bのうちの2つの凹部22Bに嵌合している。また、袋ナット38のネジ山38Aは、接続口22Aのネジ山22Cに螺合している。また、第1フランジ部34の上面と、接続口22Aの下面がパッキン38Dを介して対向している。このパッキン38Dによって、接続口22Aと取付脚部材30との間がシールされている。
【0028】
接続口22Aにおける複数の凹部22Bのいずれかに取付脚部材30の凸部33を嵌合させることで、その凹部22Bに対応した接続口22Aに対する位置決めを行うことができる。すなわち、取付脚部材30は、クランク形状であるため、凸部33がいずれの凹部22Bに入り込むかによって、配管接続部37の水栓本体20に対する位置が異なる。したがって、水栓装置10は、水栓本体20への取付脚部材30の取付状態によって、
図8に示すように、取付脚部材30の6つの取付パターンが存在する。すなわち、
図8(A)は、一対の配管接続部37の間の距離が最も大きくなる取付パターンであり、
図8(G)は、一対の配管接続部37の間の距離が最も小さくなる取付パターンであり、
図8(B)〜
図8(F)は、一対の配管接続部37の間の距離がこれら2つの取付パターンの間の大きさになる取付パターンである。また、
図8(B)〜
図8(F)は、一対の配管接続部37がそれぞれ前側寄り、左側寄り、後側寄り、右側寄りに位置する取付パターンである。
【0029】
次に、デッキ40に水栓装置10を取り付ける工程について説明する。
まず、
図9に示すように、温調ハンドル13および切替ハンドル14が組み付けられた水栓本体20と、一対の取付脚部材30を用意する。続いて、水栓本体20に一対の取付脚部材30を組み付ける。すなわち、給湯部22の接続口22Aと、給水部23の接続口23Aに、一対の取付脚部材30をそれぞれ接続する。ここで、例えば、一対の取付脚部材30を、
図8(A)に示す一対の配管接続部37の間の距離が最も大きくなる取付パターンで、各接続口22Aに接続する場合を考える。この場合、配管接続部37が左右方向外側に位置し、一対の凸部33がそれぞれ左右方向で対向する凹部22Bに嵌合するように、取付脚部材30の取り付けを行う(
図9参照)。
【0030】
ここで、給湯部22の接続口22Aに取付脚部材30を取り付ける工程を説明する。なお、給水部23の接続口23Aに取付脚部材30を取り付ける工程も、給湯部22の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0031】
袋ナット38を、
図10に示すように、供給流路32の先端側に進出した進出位置に位置させた状態で、接続口22Aに取付脚部材30を組み付ける。これにより、凸部33の先端が袋ナット38の先端側部分よりも突出することになる。そのため、接続口22Aに対して、袋ナット38よりも先に凸部33を接触させることができる。すなわち、凸部33を凹部22Bに嵌合させて、接続口22Aに対して取付脚部材30を位置決めした状態で、袋ナット38のネジ山22Cへの螺合を開始することができる。このような構成によって、凸部33が凹部22Bに嵌合する前に、袋ナット38がネジ山22Cに螺合してしまい、取付脚部材30を所望の取付パターンで接続口22Aに取り付けられなくなることを防ぐことができる。
【0032】
また、凸部33の先端は、
図7に示すように、袋ナット38が退避位置にあるときにも、袋ナット38の先端側部分よりも突出している。そのため、袋ナット38をどのような位置に位置させた状態(例えば退避位置に位置させた状態)であっても、常に水栓本体20に対して取付脚部材30を位置決めした状態で、袋ナット38のネジ山22Cへの螺合を開始することができ、取付脚部材30を所望の取付パターンで容易に取り付けることができる。
【0033】
所望の取付パターンで取付脚部材30が接続口22Aに取り付けられると、
図3に示すように、取付脚部材30の第1フランジ部34の上面と、接続口22Aの先端面(下端面)とによってパッキン38Dが押しつぶされて、取付脚部材30と接続口22Aとの間がシールされる。
【0034】
続いて、取付脚部材30が取り付けられた水栓本体20を、デッキ40に取り付ける。具体的には、
図11に示すように、デッキ40の板面部41に形成された一対の孔41Aに、一対の配管接続部37をそれぞれ挿通する。これにより、第3フランジ部36が、板面部41の上面に接触する。そして、配管接続部37に対して、三角パッキン42、平座金43を挿通させ、締付ナット44を螺合させる。これにより、
図12に示すように、第3フランジ部36と三角パッキン42によって板面部41が挟持され、取付脚部材30がデッキ40に固定される。
【0035】
続いて、
図12の状態である水栓本体20に対して、吐水部11、カバー12等を取り付けることで水栓装置10が完成する。
【0036】
以下、本構成の効果を例示する。
実施例1の水栓装置10は、水栓本体20の接続口22Aの外周に形成されたネジ山22Cに、取付脚部材30の袋ナット38が螺合することで、水栓本体20に取付脚部材30を組み付ける構成である。このように、袋ナット38をネジ山22Cに締結することで、水栓本体20に取付脚部材30を組み付けることができるため、複数のネジ部材を用いたネジ固定等で組み付ける構成に比べて、組み付け工程を簡略化することができる。その上で、凸部33を接続口22Aに嵌合させることで、接続口22Aに対する位置決めを行う構成である。そのため、ネジ山22Cに対する袋ナット38の締結の前に、凸部33を接続口22Aに嵌合させて水栓本体20に対する取付脚部材30の位置決めを容易に行うことができる。したがって、水栓本体20に対する取付脚部材30の組み付け施工が容易な水栓本体20を実現することができる。
【0037】
また、接続口22Aの内周面には、径方向に凹む複数の凹部22Bが形成されている。凸部(位置決め部)33は、複数の凹部22Bのうちいずれかに嵌合する構成である。
これにより、水栓本体20における複数の凹部22Bのいずれかに取付脚部材30の凸部33を嵌合させることで、その凹部22Bに対応した取付脚部材30の接続口22Aに対する位置決めを行うことができる。そのため、複数の凹部22Bのうち所定の凹部22Bを選択することで、取付脚部材30の接続口22Aに対する所望の位置決めを行うことができる。
【0038】
また、袋ナット38は、凸部33に対して供給流路32に沿って移動する。凸部33の先端は、袋ナット38が供給流路32の先端側に進出した進出位置にあるときに、袋ナット38の先端側部分よりも突出している。
【0039】
これにより、水栓本体20に取付脚部材30を組み付ける際に、袋ナット38を供給流路32の先端側に進出させた進出位置に位置させた場合には、凸部33の先端が袋ナット38の先端側部分よりも突出することになる。そのため、水栓本体20に対して取付脚部材30を位置決めした状態で、袋ナット38のネジ山22Cへの螺合を開始することができ、水栓本体20に対する取付脚部材30の取り付け施工が行い易くなる。
【0040】
また、袋ナット38は、凸部33に対して供給流路32に沿って移動する。凸部33の先端は、袋ナット38が供給流路32の先端側とは反対側に退避した退避位置にあるときに、袋ナット38の先端側部分よりも突出している。
これにより、水栓本体20に取付脚部材30を組み付ける際に、袋ナット38を供給流路32の先端側とは反対側に退避させた退避位置に位置させた場合であっても、凸部33の先端が袋ナット38の先端側部分よりも突出することになる。そのため、袋ナット38をどのような位置に位置させた状態(例えば退避位置に位置させた状態)であっても、水栓本体20に対して取付脚部材30を位置決めした状態で、袋ナット38のネジ山22Cへの螺合を開始することができ、施工性を向上させることができる。
【0041】
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施例1の水栓装置10において、
図13に示すように、本体部31の外周面と、接続口22Aの内周面との間に、Oリング33Cを設ける構成としてもよい。具体的には、接続口22Aは、内周面に径方向に凹む段差部22Dが形成されている。取付脚部材30は、凸部33と第1フランジ部34との間において、第4フランジ部33Aと、溝部33Bと、が形成されている。そして、溝部33Bに設けられたOリング33Cによって、段差部22Dの内周面と、溝部33Bの外周面との間がシールされる。このような構成によって、袋ナット38を締めこむ具合に影響されることなく、接続口22Aと取付脚部材30との間を適切にシールすることができる。なお、接続口22Aについて説明したが、接続口23Aについても同様である。
(2)実施例1では、接続口22Aに径方向に凹む凹部22Bが形成され、供給流路32の内周面に沿って凸部33が形成されていた。しかしながら、
図14に示すように、接続口22Aの先端面(下端面)の内側に凹部22Eが形成され、取付脚部材30の先端面(上端面)の内側に凸部33Dが形成される構成であってもよい。なお、接続口22Aについて説明したが、接続口23Aについても同様である。
(3)実施例1では、袋ナット38が、進出位置と退避位置との間で移動する構成を示したが、移動しない構成であってもよい。この場合、凸部33の先端は、袋ナット38の先端側部分よりも突出しているようにする。このような構成によって、常に水栓本体20に対して取付脚部材30を位置決めした状態で、袋ナット38のネジ山22Cへの螺合を開始することができ、施工性を向上させることができる。
(4)実施例1では、取付脚部材30に凸部33が2つ形成されていたが、その数は2つに限定されない。また、接続口22A,23Aに凹部22Bが4つ形成されていたが、その数も4つに限定されない。
(5)実施例1では、一対の凸部33がそれぞれ凹部22Bに嵌まり込むことで取付脚部材30の位置決めをする構成であった。しかしながら、本体部31の先端における外周の断面形状が六角形状や四角形状であって、同様の断面形状の凹部が接続口22Aに形成されていてもよい。このような構成によっても、本体部31の先端が接続口22Aの凹部に嵌まることで、接続口22Aに対して取付脚部材30の位置決めを行うことができる。
(6)実施例1では、取付脚部材30が袋ナット38を備えていたが、水栓本体20が袋ナットを備える構成であってもよい。具体的には、取付脚部材30の先端(水栓本体20との接続部分)にネジ山が形成され、水栓本体20の接続口22A(取付脚部材30との接続部分)に組付けられた袋ナットがこのネジ山に螺合する構成であってもよい。そして、ネジ山が袋ナットに接触する前に、凸部33が凹部22Bに嵌まり込む構成とし、取り付け施工を行い易くすることができる。
(7)実施例1では、水栓装置10として、デッキ型の水栓を例示したが、壁取り付け型の水栓であってもよい。