特開2020-24159(P2020-24159A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士電機株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2020024159-物品検知装置及び物品検知方法 図000003
  • 特開2020024159-物品検知装置及び物品検知方法 図000004
  • 特開2020024159-物品検知装置及び物品検知方法 図000005
  • 特開2020024159-物品検知装置及び物品検知方法 図000006
  • 特開2020024159-物品検知装置及び物品検知方法 図000007
  • 特開2020024159-物品検知装置及び物品検知方法 図000008
  • 特開2020024159-物品検知装置及び物品検知方法 図000009
  • 特開2020024159-物品検知装置及び物品検知方法 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-24159(P2020-24159A)
(43)【公開日】2020年2月13日
(54)【発明の名称】物品検知装置及び物品検知方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 17/00 20060101AFI20200121BHJP
【FI】
   G01B17/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-149337(P2018-149337)
(22)【出願日】2018年8月8日
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本間 さくら
(72)【発明者】
【氏名】市原 史基
【テーマコード(参考)】
2F068
【Fターム(参考)】
2F068AA03
2F068DD02
2F068FF02
2F068FF28
2F068QQ21
2F068QQ41
(57)【要約】
【課題】物品が載置される棚板の形状の自由度があり、かつ、簡易に棚板に載置された物品を検知することができる物品検知装置及び物品検知方法を提供すること。
【解決手段】棚板10の一端から音響波のスイープ信号を送信する圧電振動スピーカ12と、棚板10の他端からスイープ信号を受信する圧電マイク13,14と、棚板10上に物品30が載置されていない初期状態において圧電マイク13,14が受信したスイープ信号の周波数スペクトル特性である基準周波数スペクトル特性と圧電マイク13,14が受信したスイープ信号の受信周波数スペクトル特性とを比較して物品30の載置状態を検知する物品検知部26と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品が載置される棚板に音響波を伝達し該音響波の変化をもとに前記棚板上の前記物品の載置状態を検知する物品検知装置であって、
前記棚板の一端から音響波のスイープ信号を送信する送信部と、
前記棚板の他端から前記スイープ信号を受信する受信部と、
前記棚板上に前記物品が載置されていない初期状態において前記受信部が受信したスイープ信号の周波数スペクトル特性である基準周波数スペクトル特性と前記受信部が受信したスイープ信号の受信周波数スペクトル特性とを比較して前記物品の載置状態を検知する物品検知部と、
を備えたことを特徴とする物品検知装置。
【請求項2】
前記物品検知部は、前記受信部が受信したスイープ信号の受信周波数スペクトル特性を基準周波数スペクトル特性とし、該基準周波数スペクトル特性と、前記受信部が次に受信したスイープ信号の受信周波数スペクトル特性とを比較して前記物品の載置状態を検知することを特徴とする請求項1に記載の物品検知装置。
【請求項3】
前記物品検知部は、前記棚板の固有振動数のエネルギー強度値が増減した場合、前記物品の有無を検知することを特徴とする請求項1または2に記載の物品検知装置。
【請求項4】
前記物品検知部は、前記棚板の固有振動数の周波数ずれ量をもとに前記物品の位置を検知することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の物品検知装置。
【請求項5】
1つの前記送信部に対して複数の前記受信部が配置され、
各受信部が検出した前記物品の各位置をもとに前記物品の前記棚板上の2次元位置を推定することを特徴とする請求項4に記載の物品検知装置。
【請求項6】
物品が載置される棚板に音響波を伝達し該音響波の変化をもとに前記棚板上の前記物品の載置状態を検知する物品検知方法であって、
前記棚板の一端から音響波のスイープ信号を送信する送信ステップと、
前記棚板の他端から前記スイープ信号を受信する受信ステップと、
前記棚板上に前記物品が載置されていない初期状態において前記受信ステップが受信したスイープ信号の周波数スペクトル特性である基準周波数スペクトル特性と前記受信ステップが受信したスイープ信号の受信周波数スペクトル特性とを比較して前記物品の載置状態を検知する物品検知ステップと、
を含むことを特徴とする物品検知方法。
【請求項7】
前記物品検知ステップは、前記受信ステップが受信したスイープ信号の受信周波数スペクトル特性を基準周波数スペクトル特性とし、該基準周波数スペクトル特性と、前記受信ステップが次に受信したスイープ信号の受信周波数スペクトル特性とを比較して前記物品の載置状態を検知することを特徴とする請求項6に記載の物品検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品が載置される棚板の形状の自由度があり、かつ、簡易に棚板に載置された物品を検知することができる物品検知装置及び物品検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの店舗内のショーケースの棚上の物品検知は、物品に電子タグを取り付け、RFIDリーダーによって読み取る方式が採用されている。しかし、各物品に電子タグを取り付けることは、手間がかかるとともにコストがかかるという問題があった。
【0003】
このため、棚全体に電極を張りめぐらし、棚上に載置された物品を静電容量の変化によって検知する静電容量式の物品検知装置が提案されている。これによれば、棚に載置される物品に電子タグを取り付ける必要がないため、簡易に物品検知を行うことができる。
【0004】
なお、特許文献1には、物体の接触対象である面に沿って音響波を伝搬させ、音響波が物体によって遮断されたときの信号を検出することによって物体の面上の接触位置を検出する音響波型位置検出装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−167943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、静電容量式の物品検知装置では、棚に電子容量検知のための電極を万遍なく形成する必要があるとともに、物品が載置される棚の形状の自由度がない。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、物品が載置される棚板の形状の自由度があり、かつ、簡易に棚板に載置された物品を検知することができる物品検知装置及び物品検知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる物品検知装置は、物品が載置される棚板に音響波を伝達し該音響波の変化をもとに前記棚板上の前記物品の載置状態を検知する物品検知装置であって、前記棚板の一端から音響波のスイープ信号を送信する送信部と、前記棚板の他端から前記スイープ信号を受信する受信部と、前記棚板上に前記物品が載置されていない初期状態において前記受信部が受信したスイープ信号の周波数スペクトル特性である基準周波数スペクトル特性と前記受信部が受信したスイープ信号の受信周波数スペクトル特性とを比較して前記物品の載置状態を検知する物品検知部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる物品検知装置は、上記の発明において、前記物品検知部は、前記受信部が受信したスイープ信号の受信周波数スペクトル特性を基準周波数スペクトル特性とし、該基準周波数スペクトル特性と、前記受信部が次に受信したスイープ信号の受信周波数スペクトル特性とを比較して前記物品の載置状態を検知することを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる物品検知装置は、上記の発明において、前記物品検知部は、前記棚板の固有振動数のエネルギー強度値が増減した場合、前記物品の有無を検知することを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる物品検知装置は、上記の発明において、前記物品検知部は、前記棚板の固有振動数の周波数ずれ量をもとに前記物品の位置を検知することを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる物品検知装置は、上記の発明において、1つの前記送信部に対して複数の前記受信部が配置され、各受信部が検出した前記物品の各位置をもとに前記物品の前記棚板上の2次元位置を推定することを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる物品検知方法は、物品が載置される棚板に音響波を伝達し該音響波の変化をもとに前記棚板上の前記物品の載置状態を検知する物品検知方法であって、前記棚板の一端から音響波のスイープ信号を送信する送信ステップと、前記棚板の他端から前記スイープ信号を受信する受信ステップと、前記棚板上に前記物品が載置されていない初期状態において前記受信ステップが受信したスイープ信号の周波数スペクトル特性である基準周波数スペクトル特性と前記受信ステップが受信したスイープ信号の受信周波数スペクトル特性とを比較して前記物品の載置状態を検知する物品検知ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる物品検知方法は、上記の発明において、前記物品検知ステップは、前記受信ステップが受信したスイープ信号の受信周波数スペクトル特性を基準周波数スペクトル特性とし、該基準周波数スペクトル特性と、前記受信ステップが次に受信したスイープ信号の受信周波数スペクトル特性とを比較して前記物品の載置状態を検知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、物品が載置される棚板の形状の自由度があり、かつ、簡易に棚板に載置された物品を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の実施の形態である物品検知装置の全体構成を示す模式図である。
図2図2は、図1に示した棚板上のX方向及びY方向に対する固有振動モードを説明する説明図である。
図3図3は、物品が載置された場合における基準周波数スペクトル特性のモード1の固有振動数が減少する現象を示す図である。
図4図4は、物品が載置された場合における基準周波数スペクトル特性のモード1の固有振動数がシフトする現象を示す図である。
図5図5は、物品の位置による棚板の振動状態の変化を示す図である。
図6図6は、物品のX方向の1次元位置及びY方向の1次元位置を用いて物品の棚板上の2次元位置を推定する処理を説明する説明図である。
図7図7は、制御部による物品検知処理手順を示すフローチャートである。
図8図8は、本変形例による制御部による物品検知処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。
【0018】
<全体構成>
図1は、本発明の実施の形態である物品検知装置1の全体構成を示す模式図である。図1に示すように、物品検知装置1は、ショーケースの棚として配置される棚板10と制御ユニット20とを有する。
【0019】
棚板10は、矩形の板状部材であり、例えば強化ガラスや金属によって形成される剛性を有する部材である。棚板10には、物品30が載置可能である。棚板10の一端、例えば、角部には、スイープ信号を棚板に印加する圧電振動スピーカ12が配置される。また、棚板10の他端であって、圧電振動スピーカ12が配置される角部に隣接する角部には、スイープ信号を検出する圧電マイク13,14が配置される。
【0020】
制御ユニット20は、スイープ信号生成部21、入出力部22、記憶部23、及び制御部24を有する。スイープ信号生成部21は、音響波、例えば数kHzから数十kHzのスイープ信号を生成し、生成したスイープ信号を圧電振動スピーカ12に出力する。したがって、スイープ信号には、数kHzから数十kHzの連続した周波数成分が含まれる。なお、圧電マイク13,14で検出されたスイープ信号は、制御部24に入力される。なお、スイープ信号生成部21及び圧電振動スピーカ12は、送信部として機能し、圧電マイク13,14は、受信部として機能する。
【0021】
入出力部22は、例えばタッチパネルなどの入出力インターフェースであり、物品検出設定や物品検出結果などの各種情報の入出力を行うことができる。
【0022】
記憶部23は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、基準周波数スペクトル特性D1及び受信周波数スペクトル特性D13、D14を記憶する。
【0023】
制御部24は、制御ユニット20の全体制御を行う制御部であり、受信周波数スペクトル特性生成部25及び物品検知部26を有する。実際には、受信周波数スペクトル特性生成部25及び物品検知部26に対応するプログラムを不揮発性メモリや磁気ディスク装置などの記憶装置に記憶しておき、これらのプログラムをメモリにロードして、CPU(Central Processing Unit)で実行することで、対応するプロセスを実行させることになる。
【0024】
受信周波数スペクトル特性生成部25は、圧電マイク13,14がピックアップしたスイープ信号をもとに受信周波数スペクトル特性D13,D14を生成し、記憶部23に記憶する。
【0025】
物品検知部26は、棚板10上に物品30が載置されていない状態において圧電マイク13,14が受信したスイープ信号の周波数スペクトル特性である基準周波数スペクトル特性D1と圧電マイク13,14が受信したスイープ信号の受信周波数スペクトル特性D13,D14とを比較して物品30の載置状態を検知する。物品検知部26は、棚板10の固有振動数のエネルギー強度値が減少した場合、物品30が棚板10に載置されていると判定する。また、物品検知部26は、棚板10の固有振動数の周波数ずれ量をもとに物品30の位置を検知する。
【0026】
<棚板10の固有振動モード>
棚板10は、強化ガラスなどの剛性をもった板状部材である。したがって、図2に示すように、棚板10のX方向及びY方向に対してそれぞれ固有振動モードを有する。固有振動モードは、振動振幅の節と腹との位置の分布が複数現れる共振モードである。モード1は基準となる1次振動モード、モード2は2次振動モードであり、モードnはn次振動モードである。
【0027】
<物品有無検知>
つぎに、物品検知処理のうちの物品有無検知について説明する。ここでは、説明を簡単にするため、棚板10に替えてX方向に延びる棚板11を考える。図3は、棚板11上に物品30が載置されていない場合の基準周波数スペクトル特性D1と物品30が載置されている場合の受信周波数スペクトル特性D13とを示す図である。
【0028】
図3に示すように、基準周波数スペクトル特性D1は、周波数f1がモード1の1次固有振動数(周波数)であり、この周波数f1でエネルギー強度値は大きなピーク値が現れる。また、周波数f2がモード2の2次固有振動数であり、この周波数f2でもエネルギー強度値は大きなピーク値が現れる。すなわち、基準周波数スペクトル特性D1は、棚板11のn次固有振動数に対応した周波数でピーク値が現れる。
【0029】
ここで、棚板11の中央の位置P2に物品30を載置すると、位置P2はモード1の腹の部分であるため、1次固有振動の振幅が抑えられ、受信周波数スペクトル特性D13では、モード1のピーク値が大きく減少する。具体的には、ピーク値のエネルギー強度値は、約1/3以下に減衰する。
【0030】
物品検知部26は、このモード1のピーク値の減衰を検出することによって、物品30が棚板11上に載置されたものと判定することができる。
【0031】
<物品位置検知>
つぎに、物品検知処理のうちの物品位置検知について説明する。ここでも、説明を簡単にするため、棚板10に替えてX方向に延びる棚板11を考える。図4は、棚板11上に物品30が載置されていない場合の基準周波数スペクトル特性D1と物品30が載置された位置に対応する複数の受信周波数スペクトル特性D13a〜D13cとを示す図である。
【0032】
物品30を棚板11の中央の位置P1に載置した場合の受信周波数スペクトル特性D13bは、図3に示した受信周波数スペクトル特性D13と同じであり、モード1のピーク値が大きく減衰しているとともに、その減衰したピーク値は周波数f1から低い周波数fP2にシフトしている。この場合のシフト量(周波数ずれ量)Δfは、Δf2=f1−fP2である。
【0033】
また、物品30を、棚板11上の圧電マイク13側の位置P1に載置した場合の受信周波数スペクトル特性D13aは、モード1のピーク値が大きく減衰しているとともに、その減衰したピーク値は周波数f1から低い周波数fP1にシフトしている。この場合の周波数ずれ量Δfは、Δf1=f1−fP1である。さらに、物品30を、棚板11上の圧電振動スピーカ12側の位置P3に載置した場合の受信周波数スペクトル特性D13cは、モード1のピーク値が大きく減衰しているとともに、その減衰したピーク値は周波数f1から低い周波数fP3にシフトしている。この場合の周波数ずれ量Δfは、Δf3=f1−fP3である。
【0034】
ここで、fP3<fP2<fP1であるため、周波数ずれ量Δfは、Δf1<Δf2<Δf3となり、物品30の載置位置が圧電マイク13から圧電振動スピーカ12に近づくに従って大きくなる。すなわち、周波数ずれ量Δfと物品30の載置位置とには対応関係を有する。物品検知部26は、この対応関係を用いて、物品30が載置された場合における棚板11上の位置を推定することができる。
【0035】
図5は、物品30の位置による棚板11の振動状態の変化を示す図である。図5に示すように、物品30が圧電マイク13の近くに存在する場合、棚板11の圧電マイク13側は振動の自由端になるが、物品30の存在によって振動が抑えられ、棚板11の剛性が維持される。一方、物品30が圧電マイク13から遠ざかり、圧電振動スピーカ12の近くに存在する場合、棚板11の圧電マイク13側の振動の自由端は、大きく振動して棚板11の剛性が下がる。
【0036】
ここで、固有振動数fは、
f=(1/2π)√(k/m)
で表すことができる。なお、kは棚板11の剛性であり、mは物品30の質量である。
【0037】
図5に示した物品30の位置による振動状態及び固有振動数fの式から、物品30が圧電振動スピーカ12側に近づくに従って剛性kが下がり、固有振動数fが、周波数が小さく方向にシフトするものと考えられ、上記の対応関係が得られることになる。
【0038】
物品検知部26は、固有振動数fの周波数ずれ量Δfの大きさをもとに、棚板11上に載置された物品30のX方向の1次元位置を推定することができる。
【0039】
図6は、物品30のX方向の1次元位置及びY方向の1次元位置を用いて物品30の棚板10上の2次元位置Pを推定する処理を説明する説明図である。なお、図6では、物品30が棚板10の位置Pに載置されている。図6に示すように、物品検知部26は、圧電マイク13が受信した受信周波数スペクトル特性D13のモード1の周波数ずれ量Δfをもとに、物品30のX方向の1次元位置X1を推定する。また、物品検知部26は、圧電マイク14が受信した受信周波数スペクトル特性D14のモード1の周波数ずれ量Δfをもとに、物品30のY方向の1次元位置Y1を推定する。そして、物品検知部26は、推定した一次元位置X1,Y1をもとに、棚板10上の物品30の2次元位置P(X1,Y1)を推定する。
【0040】
<物品検知処理>
つぎに、図7に示すフローチャートを参照して、制御部24による物品検知処理手順について説明する。図7に示すように、制御部24は、まずスイープ信号生成部21が生成するスイープ信号を圧電振動スピーカ12から送出し、圧電マイク13,14を介してスイープ信号を受信する(ステップS101)。その後、受信周波数スペクトル特性生成部25は、受信したスイープ信号から受信周波数スペクトル特性D13,D14を生成する(ステップS102)。
【0041】
その後、物品検知部26は、モード1の固有振動数f1のエネルギー強度値が所定値以上、減少したか否かを判定する(ステップS103)。モード1の固有振動数f1のエネルギー強度値が所定値以上、減少した場合(ステップS103,Yes)、棚板10上に物品30が有ると判定する(ステップS105)。一方、モード1の固有振動数f1のエネルギー強度値が所定値以上、減少していない場合(ステップS103,No)、棚板10上に物品30が無いと判定し(ステップS104)、本処理を終了する。
【0042】
一方、ステップS105で物品30が有ると判定された場合、さらに固有振動数f1の周波数ずれ量Δfをもとに物品30の1次元位置X1,Y1を推定し(ステップS106)、1次元位置X1,Y1をもとに物品30の2次元位置P(X1,Y1)を推定し(ステップS107)、本処理を終了する。なお、上記の処理は所定時間ごとに繰り返される。
【0043】
<変形例>
上記の実施の形態では、物品30が棚板10上に載置されていない状態の固有振動数f1をもとに物品30の有無及び位置を推定するようにしていたが、本変形例では、物品30が棚板10上に載置されていない状態を初期状態とし、その後棚板10に物品30が載置された状態からでも物品30の追加、取出を検出し、さらに追加、取出のあった物品の位置を推定するようにしている。
【0044】
本変形例では、1次固有振動数のみならず、2次以降の固有振動数を含めて処理をし、固有振動数のエネルギー強度値が減少した場合、新たに物品30が棚板10に追加されたものと判定し、固有振動数のエネルギー強度値が増加した場合、棚板10から物品30の取出があったものと判定する。なお、物品30の追加があった場合、周波数ずれ量Δfの値は負の値となり、物品30の取出があった場合、周波数ずれ量Δfの値は正の値となる。物品30の位置は、この周波数ずれ量Δfの絶対値をもとに推定される。
【0045】
図8は、本変形例による制御部24による物品検知処理手順を示すフローチャートである。図8に示すように、まず制御部24は、まずスイープ信号生成部21が生成するスイープ信号を圧電振動スピーカ12から送出し、圧電マイク13,14を介してスイープ信号を受信する(ステップS201)。その後、受信周波数スペクトル特性生成部25は、受信したスイープ信号から受信周波数スペクトル特性D13,D14を生成する(ステップS202)。
【0046】
その後、物品検知部26は、モード1の固有振動数のエネルギー強度値が減少、増加、変化なしのいずれであるかを判定する(ステップS203)。なお、最初のステップS203による判定は、棚板10上に物品30が載置されていない初期状態における基準周波数スペクトル特性D1と、今回受信した受信周波数スペクトル特性D13,D14とを比較して行う。
【0047】
固有振動数のエネルギー強度値が減少している場合(ステップS203,減少)、物品30の追加がありと判定する(ステップS204)。さらに、固有振動数の周波数ずれ量Δfをもとに追加物品の1次元位置X1,Y1を推定し(ステップS205)、さらに1次元位置X1,Y1をもとに追加物品の2次元位置P(X1,Y1)を推定する(ステップS206)。その後、現受信周波数スペクトル特性を基準周波数スペクトル特性に置換するとともに、現固有振動数を棚板10の固有振動数として置換し(ステップS207)、ステップS213に移行する。
【0048】
また、固有振動数のエネルギー強度値が増加している場合(ステップS203,増加)、物品30の取出がありと判定する(ステップS208)。さらに、固有振動数の周波数ずれ量Δfをもとに追加物品の1次元位置X1,Y1を推定し(ステップS209)、さらに1次元位置X1,Y1をもとに追加物品の2次元位置P(X1,Y1)を推定する(ステップS210)。その後、現受信周波数スペクトル特性を基準周波数スペクトル特性に置換するとともに、現固有振動数を棚板10の固有振動数として置換し(ステップS211)、ステップS213に移行する。
【0049】
また、固有振動数のエネルギー強度値が変化なしの場合(ステップS203,変化なし)、そのままステップS213に移行する。
【0050】
その後、ステップS213では、本処理を終了する指示があったか否かを判定し、本処理を終了する指示がない場合(ステップS213,No)、ステップS201に移行して、上記の処理を繰り返し行う。一方、本処理を終了する指示があった場合(ステップS213,Yes)、本処理を終了する。
【0051】
ここで、上記の実施の形態及び変形例では、いずれも音響波を用いた周波数スペクトル特性の変化を用いて棚板10の物品30の有無及び位置、さらには棚板10上の物品30の追加あるいは取出及び追加物品及び取出物品の位置を検知するようにしていた。この音響波を用いた周波数スペクトル特性の変化による物品検知は、基準周波数スペクトル特性と受信周波数スペクトル特性との比較のみならず、棚板10に各種の物品30が配置された状態の絶対的な周波数スペクトル特性を取得し、物品30の配置状態と、このときの周波数スペクトル特性とをディープラーニングなどのAI学習機能により学習させておくようにしてもよい。この学習機能を用いて、得られた周波数スペクトル特性から物品30の有無や位置などの配置状態を直ちに検出することができる。
【0052】
なお、上記の実施の形態及び変形例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置及び構成要素の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 物品検知装置
10,11 棚板
12 圧電振動スピーカ
13,14 圧電マイク
20 制御ユニット
21 スイープ信号生成部
22 入出力部
23 記憶部
24 制御部
25 受信周波数スペクトル特性生成部
26 物品検知部
30 物品
D1 基準周波数スペクトル特性
D13,D13a〜D13c,D14 受信周波数スペクトル特性
f,f1 固有振動数
P1,P2,P3 位置
X1,Y1 1次元位置
P 2次元位置
Δf 周波数ずれ量
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8