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特開2020-24630車両割当装置、車両割り当て方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-24630(P2020-24630A)
(43)【公開日】2020年2月13日
(54)【発明の名称】車両割当装置、車両割り当て方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20200121BHJP
   B65G 63/00 20060101ALI20200121BHJP
   G06Q 10/04 20120101ALI20200121BHJP
【FI】
   G06Q10/08 300
   B65G63/00 E
   G06Q10/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2018-149558(P2018-149558)
(22)【出願日】2018年8月8日
(71)【出願人】
【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100126882
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 光永
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 邦成
(72)【発明者】
【氏名】村山 要司
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】入出荷バースに車両を効率的に割り当てることができる車両割当装置、車両割り当て方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】車両割当装置は、複数の入出荷バースの各々と、所定の時間幅を複数に分割した使用可能時間のうち、一又は複数が関連付けられ、複数の車両の各々を、一又は複数の使用可能時間に割り当てることによって割り当て候補を複数導出する割当候補導出部と、車両の入出荷バースへの接車条件に基づいて、複数の割り当て候補の各々について、一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数を導出し、導出した一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数に基づいて、複数の割り当て候補の各々について、割り当て候補の評価値を導出する評価値導出部と、複数の車両の評価値に基づいて、割り当て候補から、割り当てを選択する選択部とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入出荷バースの各々と、所定の時間幅を複数に分割した使用可能時間のうち、一又は複数が関連付けられ、
複数の車両の各々を、一又は複数の前記使用可能時間に割り当てることによって割り当て候補を複数導出する割当候補導出部と、
前記車両の前記入出荷バースへの接車条件に基づいて、複数の前記割り当て候補の各々について、一又は複数の前記使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数を導出し、導出した一又は複数の前記使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数に基づいて、複数の前記割り当て候補の各々について、前記割り当て候補の評価値を導出する評価値導出部と、
前記複数の前記車両の評価値に基づいて、前記割り当て候補から、割り当てを選択する選択部と
を備える、車両割当装置。
【請求項2】
前記評価値導出部は、前記割り当て候補に含まれる少なくとも二つの車両を入れ替え、少なくとも二つの車両を入れ替えることによって得られる割り当て候補について、前記接車条件に基づいて、一又は複数の前記使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数を導出し、導出した一又は複数の前記使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数に基づいて、前記割り当て候補の評価値を導出する、請求項1に記載の車両割当装置。
【請求項3】
前記接車条件は、前記使用可能時間に一台の車両を割り当てることである、請求項1又は請求項2に記載の車両割当装置。
【請求項4】
前記車両には、第1車両と、前記第1車両よりもサイズが小さい第2車両が含まれ、
前記割当候補導出部は、前記使用可能時間に前記第2車両を複数割り当てることによって、割り当て候補を導出し、
前記評価値導出部は、前記接車条件に基づいて、複数の前記割り当て候補の各々について、一又は複数の前記使用可能時間の各々に割り当てた前記第1車両と前記第2車両とのいずれか一方又は両方の点数を導出し、導出した一又は複数の前記使用可能時間の各々に割り当てた前記第1車両と前記第2車両とのいずれか一方又は両方の点数に基づいて、複数の前記割り当て候補の各々について、前記割り当て候補の評価値を導出する、請求項1又は請求項2に記載の車両割当装置。
【請求項5】
前記評価値導出部は、導出した一又は複数の前記使用可能時間の各々に割り当てた複数の前記第2車両の点数を統計処理した点数に基づいて、複数の前記割り当て候補の各々について、前記割り当て候補の評価値を導出する、請求項4に記載の車両割当装置。
【請求項6】
複数の入出荷バースの各々と、所定の時間幅を複数に分割した使用可能時間のうち、一又は複数が関連付けられ、
複数の車両の各々を、一又は複数の前記使用可能時間に割り当てることによって割り当て候補を複数導出するステップと、
前記車両の前記入出荷バースへの接車条件に基づいて、複数の前記割り当て候補の各々について、一又は複数の前記使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数を導出するステップと、
前記車両の点数を導出するステップで導出した一又は複数の前記使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数に基づいて、複数の前記割り当て候補の各々について、前記割り当て候補の評価値を導出するステップと、
前記複数の前記車両の評価値に基づいて、前記割り当て候補から、割り当てを選択するステップと
を有する、コンピュータが実行する、入出荷バースへ車両を割り当てる車両割り当て方法。
【請求項7】
コンピュータに、
複数の入出荷バースの各々と、所定の時間幅を複数に分割した使用可能時間のうち、一又は複数の前記使用可能時間に、複数の車両の各々を割り当てることによって割り当て候補を複数導出するステップと、
前記車両の前記入出荷バースへの接車条件に基づいて、複数の前記割り当て候補の各々について、一又は複数の前記使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数を導出するステップと、
前記車両の点数を導出するステップで導出した一又は複数の前記使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数に基づいて、複数の前記割り当て候補の各々について、前記割り当て候補の評価値を導出するステップと、
前記複数の前記車両の評価値に基づいて、前記割り当て候補から、割り当てを選択するステップと
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両割当装置、車両割り当て方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ドライバーの長時間労働が問題視されている。その大きな要因として指摘されるのが荷物の積み下ろしの間に運転手が待機する「荷待ち時間」である。国土交通省は、2017年7月より、トラック運送会社に対し、荷待ち時間を乗務記録に記載するよう義務付けた。これは、荷待ち時間を明記させることによって、運送会社が荷主に追加費用を請求しやすくし、ドライバーの待遇改善につなげる狙いがある。
2018年1月に国土交通省より発表された荷主都合による荷待ち時間のサンプル調査の結果(速報値)の1)によると、1ヵ所あたりの荷待ち時間が1時間を超える割合が55%であり、そのうち、4時間を超えるものも4%あった。荷待ち時間を解消できれば労働時間の短縮が期待できる。
【0003】
荷待ち時間を短縮する技術に関して、出荷作業の作業計画を短時間で作成する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、出荷作業計画作成システムであって、製品情報、進捗状況情報、運搬計画情報、出荷計画情報、及び設備情報を記憶した記憶部と、荷待ちがなく船積み作業が行われた場合の目標船積み作業時刻を計算する目標船積み時刻計算部と、目標船積み作業時刻に間に合うように、設備情報の設定時間帯情報で予め設定された時間帯で処理する作業、及びその作業で使用する荷役設備及び搬送設備を決定する概要作業計画作成部と、概要作業計画作成部で決定した荷役設備及び搬送設備の作業についての処理時刻を決定する詳細作業計画作成部と、詳細作業計画作成部で作成された結果を出力する計画出力部とを具備する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】再公表WO2014/061252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
荷待ち時間の発生は、(1)指定時間よりも早く到着して、待機している時間と、(2)指定時間内に到着して、待機している時間と、(3)指定時間後に到着して、待機している時間との3つのケースが考えられる。このうち、(2)については、物流センター側に原因があり、納品トラックの台数と納品数量とを処理できないために発生する。
本発明は、入出荷バースに車両を効率的に割り当てることができる車両割当装置、車両割り当て方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、複数の入出荷バースの各々と、所定の時間幅を複数に分割した使用可能時間のうち、一又は複数が関連付けられ、複数の車両の各々を、一又は複数の前記使用可能時間に割り当てることによって割り当て候補を複数導出する割当候補導出部と、前記車両の前記入出荷バースへの接車条件に基づいて、複数の前記割り当て候補の各々について、一又は複数の前記使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数を導出し、導出した一又は複数の前記使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数に基づいて、複数の前記割り当て候補の各々について、前記割り当て候補の評価値を導出する評価値導出部と、前記複数の前記車両の評価値に基づいて、前記割り当て候補から、割り当てを選択する選択部とを備える、車両割当装置である。
【0007】
また、本発明の一態様の車両割当装置において、前記評価値導出部は、前記割り当て候補に含まれる少なくとも二つの車両を入れ替え、少なくとも二つの車両を入れ替えることによって得られる割り当て候補について、前記接車条件に基づいて、一又は複数の前記使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数を導出し、導出した一又は複数の前記使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数に基づいて、前記割り当て候補の評価値を導出する。
【0008】
また、本発明の一態様の車両割当装置において、前記接車条件は、前記使用可能時間に一台の車両を割り当てることである。
【0009】
また、本発明の一態様の車両割当装置において、前記車両には、第1車両と、前記第1車両よりもサイズが小さい第2車両が含まれ、前記割当候補導出部は、前記使用可能時間に前記第2車両を複数割り当てることによって、割り当て候補を導出し、前記評価値導出部は、前記接車条件に基づいて、複数の前記割り当て候補の各々について、一又は複数の前記使用可能時間の各々に割り当てた前記第1車両と前記第2車両とのいずれか一方又は両方の点数を導出し、導出した一又は複数の前記使用可能時間の各々に割り当てた前記第1車両と前記第2車両とのいずれか一方又は両方の点数に基づいて、複数の前記割り当て候補の各々について、前記割り当て候補の評価値を導出する。
【0010】
また、本発明の一態様の車両割当装置において、前記評価値導出部は、導出した一又は複数の前記使用可能時間の各々に割り当てた複数の前記第2車両の点数を統計処理した点数に基づいて、複数の前記割り当て候補の各々について、前記割り当て候補の評価値を導出する。
【0011】
本発明の一態様は、複数の入出荷バースの各々と、所定の時間幅を複数に分割した使用可能時間のうち、一又は複数が関連付けられ、複数の車両の各々を、一又は複数の前記使用可能時間に割り当てることによって割り当て候補を複数導出するステップと、前記車両の前記入出荷バースへの接車条件に基づいて、複数の前記割り当て候補の各々について、一又は複数の前記使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数を導出するステップと、前記車両の点数を導出するステップで導出した一又は複数の前記使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数に基づいて、複数の前記割り当て候補の各々について、前記割り当て候補の評価値を導出するステップと、前記複数の前記車両の評価値に基づいて、前記割り当て候補から、割り当てを選択するステップとを有する、コンピュータが実行する、入出荷バースへ車両を割り当てる車両割り当て方法である。
【0012】
本発明の一態様は、コンピュータに、複数の入出荷バースの各々と、所定の時間幅を複数に分割した使用可能時間のうち、一又は複数の前記使用可能時間に、複数の車両の各々を割り当てることによって割り当て候補を複数導出するステップと、前記車両の前記入出荷バースへの接車条件に基づいて、複数の前記割り当て候補の各々について、一又は複数の前記使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数を導出するステップと、前記車両の点数を導出するステップで導出した一又は複数の前記使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数に基づいて、複数の前記割り当て候補の各々について、前記割り当て候補の評価値を導出するステップと、前記複数の前記車両の評価値に基づいて、前記割り当て候補から、割り当てを選択するステップとを実行させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、入出荷バースに車両を効率的に割り当てることができる車両割当装置、車両割り当て方法、およびプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】受付先着順の一例を示す図である。
図2】入荷バースの一例を示す図である。
図3】第1の実施形態の車両割当システムの車両割当装置と、端末装置との構成の一例を示すブロック図である。
図4】入荷バース情報の一例を示す図である。
図5】第1の実施形態の車両割当システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図6】第2の実施形態の車両割当システムの車両割当装置と、端末装置との構成の一例を示すブロック図である。
図7】第2の実施形態の車両割当システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図8】バース情報の一例を示す図である。
図9】受け付けた予約の一例を示す図である。
図10】第2の実施形態の車両割当装置の車両割当の一例を示す図である。
図11】第2の実施形態の車両割当装置の評価値の導出結果の一例を示す図である。
図12】第2の実施形態の車両割当装置による効果を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態の車両割当装置、車両割り当て方法、およびプログラムを、図面を参照して説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
【0016】
(第1の実施形態)
物流センターは、多種大量の商品を供給者から荷受けし、積換え、保管、仕分け、流通加工、情報加工などを行い、多数の需要家の注文に応じて品揃えし、配送する重要な物流拠点である。物流センターは、流通センター、配送センター、デポなどとも言われる。
物流センターは、物流に関して、主に、保管と、輸送と、荷役と、包装と、流通加工との5つの機能を有する。
保管とは、商品を出荷するまで保管・管理する機能である。輸送とは、保管している商品を、消費者や小売店のもとに配送する機能である。荷役とは、商品の入庫や出庫に関する機能である。包装とは、商品を保護するための機能である。流通加工とは、生産段階を終えた商品に流通段階で加工を施す機能である。
物流センターの5つの機能のうち、荷役に関して、商品の入庫又は出庫が行われる場合には、物流センターで、その受付が行われる。物流センターでの受付のルールには、「受付先着順」と、「事前予約制」とが含まれる。
受付先着順では、受付時間が早い順からバース接車許可が出される。このため、荷物の納品を行うトラック(以下「納品トラック」という)は、可能な限り早く到着して受付をする。
図1は、受付先着順の一例を示す図である。図1に示される例では、バースは、入荷バースA−入荷バースDの4個の入荷バースで構成されている。
入荷バースA−入荷バースDに対して、受付時間が早い順に、納品トラックt1−納品トラックt12が、到着している。入荷バースAに納品トラックt1が接車し、入荷バースBに納品トラックt2が接車し、入荷バースCに納品トラックt3が接車している。入荷バースDには納品トラックt4が接車していたが、納品トラックt4から荷物の積卸しが終了したため、納品トラックt4が移動している。この状態で、納品トラックt5にバース接車許可が出され、納品トラックt5は、入荷バースDに接車する。
受付先着順では、物流センターは、受付時間が早い順からバース接車許可を出すため、受付ルールの運用は極めて容易である。しかし、先着受付順は、納品トラックの数の増加に伴って、接車するまでの待機時間が長くなる傾向がある。このため、荷物の納品を行う事業者(以下「納品事業者」という)にとっては、メリットはない。
【0017】
事前予約制では、納品事業者は、遠隔手法(Web、Fax、電話等)により、物流センターに、納品トラックの接車を希望する時間枠(以下「接車希望時間枠」という)を通知することによって予約する。
物流センターは、納品事業者が通知した接車希望時間枠に基づいて、スケジューリングを行うことによって、納品トラックに、入荷バースを割り当てる。物流センターは、納品事業者へ、納品トラックに割り当てた入荷バースの時間枠を提示する。
事前予約制は、受付先着順と比較して、物流センターから納品事業者へ、納品トラックに割り当てた入荷バースの時間枠を提示するため、納品トラックの待機時間が発生し難い。
さらに、事前予約制は、受付先着順と比較して、物流センターは、納品事業者から通知された接車希望時間枠に基づいて、スケジューリングを行うため、納品事業者にとっては、接車希望時間枠を受け入れてもらえる可能性がある。しかし、物流センターには、受付ルールの運用能力が要求される。
第1の実施形態の車両割当システムでは、車両割当装置は、納品事業者から接車希望時間枠が通知される。車両割当装置は、納品事業者から通知された接車希望時間枠と、物流センターの倉庫内の作業の効率性とに基づいて、組み合わせ最適化問題として定式化し、スケジューリングを行う。
数理計画で取り扱うスケジューリング問題は、生産工程のスケジューリングや要員配置のためのスタッフスケジューリングなどがある。第1の実施形態の車両割当装置は、スタッフスケジューリングに基づいて、スタッフを納品トラックなどの車両に置き換え、日々の勤務シフトの代わりに、時間枠、入荷バースを割り当てる。
【0018】
(入荷バース)
第1の実施形態の車両割当装置が、納品トラックなどの車両に割り当てる入荷バースについて説明する。
図2は、入荷バースの一例を示す図である。
入荷バースは、入荷バースAと、入荷バースBと、入荷バースCと、入荷バースDとの4個の入荷バースを含んで構成される。4個の入荷バースの各々は、6時から12時などの所定の時間幅を複数に分割した使用可能時間毎に、異なる車両の使用が可能である。図2に示される例では、6時から12時までの6時間を、6個に分割した1時間毎に使用可能である。入荷バースAと、入荷バースBと、入荷バースCと、入荷バースDとの各々には、大型トラックであれば一台、中型トラックであれば一台、小型トラックであれば二台が割り当てられる。
【0019】
(車両割当システムの構成)
図3は、第1の実施形態の車両割当システムの車両割当装置と、端末装置との構成の一例を示すブロック図である。実施形態の車両割当システムは、車両割当装置100と、端末装置200とを備える。図3には、一台の端末装置200が示されているが、端末装置200の数は複数であってもよい。具体的には、端末装置200の数は、入荷バースの数よりも多くてもよい。車両割当装置100と、端末装置200との間は、インターネットなどのネットワーク50を介して接続される。以下、車両割当装置100と、端末装置200とについて順次説明する。
(車両割当装置)
車両割当装置100は、通信部110と、記憶部120と、情報処理部130と、前記各構成要素を図3に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバスなどのバスライン150とを備える。
通信部110は、通信モジュールによって実現される。通信部110は、ネットワーク50を経由して、端末装置200などの他の装置と通信を行う。通信部110は、端末装置200が送信した入荷バースを予約するための情報である予約情報を受信し、受信した予約情報を、情報処理部130へ出力する。
また、通信部110は、端末装置200へ、情報処理部130が出力した接車指示情報を送信する。接車指示情報は、車両に接車する出荷バースを示す情報と、接車時間とを指示する情報である。
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置などにより実現される。記憶部120には、情報処理部130により実行されるプログラム122と、アプリ124と、バース情報126と、接車条件128とが記憶される。
【0020】
アプリ124は、車両割当装置100に、端末装置200が送信した予約情報を受信させる。
アプリ124は、車両割当装置100に、受信させた予約情報の数に基づいて、複数の車両の各々を、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てさせることによって割り当て候補を複数導出させる。ここでは、車両の数が、予約情報の数と同じである場合について説明を続ける。また、予約情報によって、複数の車両について、入荷バースの予約が行われてもよい。
アプリ124は、車両割当装置100に、車両の入出荷バースへの接車条件に基づいて、複数の割り当て候補の各々について、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数を導出させる。
アプリ124は、車両割当装置100に、導出させた一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数に基づいて、複数の割り当て候補の各々について、割り当て候補の評価値を導出させる。
アプリ124は、車両割当装置100に、複数の車両の評価値に基づいて、複数の割り当て候補から、割り当て候補を選択させる。
アプリ124は、車両割当装置100に、選択させた割り当て候補に基づいて、端末装置200に、接車日時を示す情報を含む接車指示信号を作成させる。アプリ124は、作成させた接車指示信号を、端末装置200へ送信させる。
【0021】
(入荷バース情報)
図4は、入荷バース情報の一例を示す図である。
バース情報126は、車両割当装置100が車両を割り当てる入荷バースの構成を示す情報である。具体的には、バース情報126には、入荷バースを示す情報と、各入荷バースの使用可能時間を示す情報とが含まれる。図4に示される例では、入荷バースを示す情報には、入荷バースAと、入荷バースBと、入荷バースCと、入荷バースCとが含まれる。
各入荷バースの使用可能時間を示す情報には、入荷バースAについて、「1 06:00−07:00」と、「2 07:00−08:00」と、「3 08:00−09:00」と、「4 09:00−10:00」と、「5 10:00−11:00」と、「6 11:00−12:00」とが含まれる。各入荷バースの使用可能時間を示す情報には、入荷バースBについて、「1 06:00−07:00」と、「2 07:00−08:00」と、「3 08:00−09:00」と、「4 09:00−10:00」と、「5 10:00−11:00」と、「6 11:00−12:00」とが含まれる。
各入荷バースの使用可能時間を示す情報には、入荷バースCについて、「1 06:00−07:00」と、「2 07:00−08:00」と、「3 08:00−09:00」と、「4 09:00−10:00」と、「5 10:00−11:00」と、「6 11:00−12:00」とが含まれる。各入荷バースの使用可能時間を示す情報には、入荷バースDについて、「1 06:00−07:00」と、「2 07:00−08:00」と、「3 08:00−09:00」と、「4 09:00−10:00」と、「5 10:00−11:00」と、「6 11:00−12:00」とが含まれる。以下、入荷バースAから入荷バースDの各々について、使用可能時間1から使用可能時間6が関連付けられている場合について説明を続ける。
【0022】
(接車条件)
接車条件とは、車両を入荷バースに割り当てる条件である。本実施形態では、一例として、以下の(a)−(d)を、接車条件とした場合について説明を続ける。
(a)車両は、車格に応じてグループ分けされている。小型車、中型車、大型車などのグループ毎に、各使用可能時間に、各入荷バースに割り当てる車両の最小台数と、車両の最大台数とを守る。具体的には、小型車の場合には各使用可能時間に割り当てられる車両の最小台数は一台であり、最大台数は二台である。中型車と大型車の場合には各使用可能時間に割り当てられる車両の最小台数は一台であり、最大台数は一台である。
(b)割り当て禁止パターンが設定されている場合には、その割り当て禁止パターンに違反しない。ここで、割り当て禁止パターンは、予め設定されている。
(c)複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に、一台の車両を割り当てる。
(d)各車両が接車を希望する時間である接車希望時間を考慮する。接車希望時間は、端末装置200が送信する予約情報に含まれる。
(a)−(d)の接車条件のうち、(a)は、車両を、車両の車格などの大きさによって、大型車と、中型車と、小型車などの複数のグループに分け、各グループによって、使用可能時間毎に各入荷バースで受け付ける車両の台数の下限値と上限値とを設定する。このように構成することによって、物流センターの接車効率を高めることができる。
(b)は、大型車両を同じ入荷バースで連続して接車するなどの荷卸し作業の効率が悪くなるパターンを禁止パターンとする。このように構成することによって、物流センサーのサービスレベルを高めることができる。
(c)と(d)とは、物流センターの受付時間、入荷バースの数によって、事前に、予約数が調整されている場合には、一日で処理できる予約件数を超えない範囲で、接車希望時間に基づいて、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に、一台の車両を割り当てる。このように構成することによって、納品事業者側の希望を考慮できる。
ただし、(a)−(d)のうち、(d)は、納品事業者側の接車希望時間の全てを受け入れることができない場合には、少なくとも一部の接車希望時間から、変更可能とする。仮に、接車希望時間から変更した場合には、接車希望条件から変更したことが、後述する点数と評価値とを求める場合に反映させる。図3に戻り説明を続ける。
【0023】
情報処理部130の全部または一部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが記憶部120に格納されたプログラム122やアプリ124を実行することにより実現される機能部(以下、ソフトウェア機能部と称する)である。
なお、情報処理部130の全部または一部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0024】
情報処理部130は、例えば、取得部132と、割当候補導出部134と、評価値導出部136と、選択部138と、作成部140とを備える。
取得部132は、通信部110が出力した予約情報を取得し、取得した予約情報を、割当候補導出部134へ出力する。ここで、予約情報には、端末装置200のIDと、接車する車両の車格などの大きさと、接車希望時間を示す情報とが含まれる。
割当候補導出部134は、取得部132が出力した一又は複数の予約情報を取得し、取得した一又は複数の予約情報の各々に含まれる端末装置200のIDと、接車する車両の車格などの大きさとに基づいて、一又は複数の端末装置200のIDを、4個の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てることによって割り当て候補を複数導出する。
ここで、車両を複数の使用可能時間の各々に割り当てるとは、車両を、ある使用可能時間に連続して割り当ててもよいことを示している。具体的には、割当候補導出部134は、取得した予約情報に含まれる端末装置200のIDに基づいて乱数を生成し、生成した乱数に基づいて、端末装置200のIDを、4個の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間に割り当ててもよい。
割当候補導出部134は、端末装置200のIDを、4個の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた結果を示す情報である割当結果情報を、評価値導出部136へ出力する。
【0025】
評価値導出部136は、割当候補導出部134が出力した割当結果情報を取得し、取得した割当結果情報に含まれる複数の割り当て候補の各々について、記憶部120に記憶されている接車条件128に基づいて、4個の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数を導出する。
具体的には、評価値導出部136は、4個の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てられた車両について、以下の(1)から(12)に基づいて、点数を導出する。
(1)接車条件(c)に関連して、各車両が、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てられていない場合(割り当てられていなければ、「無し」に割り当てる)に、ペナルティとして、例えば100を課す。
(2)接車条件(a)に関連して、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両が、その出荷バースで処理できる最小台数c1(大型なら一台、小型なら一台というように、グループ毎に設定)を満たさない場合に、ペナルティとして、例えば100を課す。
(3)接車条件(a)に関連して、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両が、その出荷バースで処理できる最大台数c2(大型なら一台、小型なら二台というように、グループ毎に設定)を満たさない場合に、ペナルティとして、例えば100を課す。
(4)接車条件(b)に関連して、同じ出荷バースで、大型車が連続で割り当てられることを禁止する禁止パターンを満たさない場合に、ペナルティとして、例えば100を課す。
(5)接車条件(b)に関連して、異なるグループに含まれる車両を、入荷バースに同時に割り当てることを禁止する禁止パターン(1つの枠(使用可能時間)に、中型車一台と小型車一台というように混在しない)を満たさない場合に、ペナルティとして、例えば100を課す。
(6)接車条件(b)に関連して、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てることが可能な車両が属するグループ(yが1ならそのグループのトラックが1台以上割り当てられている)を満たさない場合に、ペナルティとして、例えば100を課す。
【0026】
(7)接車条件(b)に関連して、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てることが可能なグループ(割り当てられているグループならyを1にする)を満たさない場合に、ペナルティとして、例えば100を課す。
(8)接車条件(b)に関連して、処理が使用可能時間の一単位である1時間以上かかる車両の割り当て(次の時間枠を空きにする)を満たさない場合に、ペナルティとして、例えば100を課す。
(9)接車条件(b)に関連して、処理が使用可能時間の一単位である1時間以上かかる車両の割り当て(最終時間帯に割り当てない)を満たさない場合に、ペナルティとして、例えば100を課す。
(10)接車条件(b)に関連して、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に、車両を割り当てることを満たさない場合に、ペナルティとして、例えば100を課す。
(11)接車条件(c)に関連して、希望時間にマッチしない場合は、違反(ペナルティ)を許す。
(12)接車条件(d)に関連して、絶対厳守の希望時間、センターの都合上その時間でないとダメなものについては、ペナルティを許さない。
【0027】
複数の割り当て候補の各々について、記憶部120に記憶されている接車条件128に基づいて、4個の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数を導出する処理について、具体的に説明する。
本実施形態では、一例として、混合整数線形計画問題(Mixed Integer Linear Programming: MILP)として定式化し、厳密解を求める場合について説明する。MILPは記述性が高いため、細かい拘束条件についての数式を用いたモデル化に対応できる。
式(1)は目的関数であり、式(1)は希望時間と、車両に割り当てる使用可能時間との差異を最小化することを示している。
【0028】
【数1】
【0029】
変数zhnは、接車条件(d)に違反するペナルティであり、各車両nの希望時間hとマッチしていない場合には1、マッチしている場合には0となる2値整数変数である。zhnは、式(2)で、定義される。
【0030】
【数2】
【0031】
式(1)は、このzhnを最小化する。
【0032】
【数3】
【0033】
式(3)は、各車両nについて、各使用可能時間hで「無し」を含む出荷バースsに必ず割り当てられることを表す。ここで、Sはバースの集合Bに「無し」を加えた集合である。変数xhnsは、各使用可能時間hに、各車両nについて割り当てられた出荷バースがbの場合には1、出荷バースがbでない場合には0となる2値整数変数で、式(4)で定義される。
【0034】
【数4】
【0035】
【数5】
【0036】
【数6】
【0037】
式(5)と、式(6)とは、接車条件(a)について、使用可能時間hにおけるグループgの出荷バースbに対する最小台数c1hgb関する制約と、最大台数c2hgbに関する制約とを表している。車両は、車格などによって各グループに所属する。一台のトラックは複数のグループに所属可能である。
【0038】
【数7】
【0039】
式(7)は、接車条件(b)について表している。ここでは、各出荷バースsにおいて、集合Gpで指定されたグループの車両が2つの使用可能時間で連続して割り当てられることを禁止している。
【0040】
【数8】
【0041】
式(8)は、接車条件(b)について示している。使用可能時間hの入荷バースbにおいて割り当てられる車格(小型車、中型車、大型車)は、一台以下とする。また、使用可能時間hの入荷バースbにおいて異なる車格の車両を同時に指定することを禁止している。
【0042】
【数9】
【0043】
変数yhgbは、1又は0の2値整数変数であり、yhgbは式(9)で定義されている。集合Gkは、グループの集合Gのうち、車格を表しているグループを抜き出したものである。
【0044】
【数10】
【0045】
【数11】
【0046】
式(10)と、式(11)とは、その車格が使用可能時間hの出荷バースbに割り当てられているかどうかを表している。式(10)で、指定可能時間h、グループg、出荷バースbにおいて、yhgbが1である場合には、グループgに含まれる車両が1台以上割り当てられることを制約し、逆に式(11)で、グループgに含まれる車両が1台以上割り当てられている場合には、yhgbを1としている。定数Kgは、各グループの車両の数である。
【0047】
【数12】
【0048】
式(12)は、処理時間が1時間以上かかる場合(次の時間枠にかかる場合)の制約である。集合Nは、処理が1時間以上かかるトラックの集合である。この集合で指定されたトラックNを割り当てられた出荷バースは、次の時間帯、空き(割り当て不可)となる。
【0049】
【数13】
【0050】
式(13)は、処理時間が1時間以上かかる車両の場合、最終の時間帯には割り当てることを禁じている。
【0051】
【数14】
【0052】
式(14)は、接車条件(c)を表す制約であり、各車両nが出荷バースbに割り当てられる総数が1回であることを表している。
【0053】
【数15】
【0054】
式(15)は、拘束条件(d)を表す制約である。各車両の希望時間Lhnを使って、各トラックnの指定時間hを制約する。希望時間にマッチしない場合(違反)をペナルティzhnで認めることによって緩和している。
【0055】
【数16】
【0056】
式(16)は、拘束条件(d)のうち、緊急性、或いはセンターの処理上、ペナルティが許されないものを表す。Mhnは、各車両のペナルティが許されない希望時間である。
さらに、評価値導出部136は、導出した4個の出荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数に基づいて、複数の割り当て候補の各々について、割り当て候補の評価値を導出する。
評価値導出部136は、複数の割り当て候補の各々について導出した割り当て候補の評価値に基づいて、割り当て候補を選択する。具体的には、評価値導出部136は、複数の割り当て候補の各々について、4個の出荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間に割り当てた車両の点数を合計するなどの統計処理を行うことによって、評価値を導出する。評価値導出部136は、複数の割り当て候補の各々について導出した評価値を、選択部138へ出力する。
選択部138は、評価値導出部136が出力した複数の割り当て候補の各々の評価値に基づいて、複数の割り当て候補のいずれかを選択する。選択部138は、選択した割り当て候補を示す情報を、作成部140へ出力する。
【0057】
作成部140は、選択部138が出力した割り当て候補を示す情報を取得し、取得した割り当て候補を示す情報に基づいて、出荷バースを示す情報と、接車時間とを含み、端末装置200を宛先とする接車指示情報を作成する。作成部140は、作成した接車指示情報を、通信部110へ出力する。
【0058】
(端末装置)
端末装置200は、通信部210と、記憶部220と、情報処理部230と、操作部240と、表示部245と、前記各構成要素を図3に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバスなどのバスライン250とを備える。
通信部210は、通信モジュールによって実現される。通信部210は、ネットワーク50を経由して、車両割当装置100などの他の装置と通信を行う。通信部210は、情報処理部230が出力した予約情報を取得し、取得した予約情報を、車両割当装置100へ送信する。また、通信部210は、車両割当装置100が送信した接車指示情報を受信し、受信した接車指示情報を、情報処理部230へ出力する。
【0059】
記憶部220は、例えば、RAM、ROM、HDD、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置などにより実現される。記憶部220には、情報処理部230により実行されるプログラム222と、アプリ224とが記憶される。
アプリ224は、端末装置200に、操作部240によって入力される接車する車両の大きさ(大型車、中型車、小型車)を示す情報と、接車の希望日時を示す情報とを取得させる。
アプリ224は、端末装置200に、取得させた接車する車両の大きさを示す情報と、接車の希望日時を示す情報と含み、車両割当装置100を宛先とする予約情報を作成させる。
アプリ224は、端末装置200に、作成させた予約情報を、車両割当装置100へ送信させる。
アプリ224は、端末装置200に、車両割当装置100が送信した接車指示情報を受信させる。
アプリ224は、端末装置200に、受信させた接車指示情報に基づいて、出荷バースを示す情報と、接車時間とを、端末装置200のユーザへ通知させる。
【0060】
情報処理部230の全部または一部は、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部220に格納されたプログラム222やアプリ224を実行することにより実現されるソフトウェア機能部である。
なお、情報処理部230の全部または一部は、LSI、ASIC、またはFPGAなどのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
情報処理部230は、例えば、取得部232と、処理部233とを備える。
取得部232は、ユーザが操作部240を操作することによって入力された接車する車両の大きさ(大型、中型、小型)を示す情報と、接車の希望日時を示す情報とを取得し、取得した接車する車両の大きさを示す情報と、接車の希望日時を示す情報とを、処理部233へ出力する。また、取得部232は、通信部210が出力した接車指示情報を取得し、取得した接車指示情報を、処理部233へ出力する。
【0061】
処理部233は、取得部232が出力した接車する車両の大きさを示す情報と、接車の希望日時を示す情報とを取得し、取得した接車する車両の大きさを示す情報と、接車の希望日時を示す情報とを含み、車両割当装置100を宛先とする予約情報を作成し、作成した予約情報を通信部210へ出力する。
また、処理部233は取得部232が出力した接車指示情報を取得し、取得した接車指示情報に含まれる出荷バースを示す情報と、接車日時を示す情報とを表示部245へ表示する。
操作部240は、例えば、タッチパネルなどによって構成され、表示部245に表示される画面に対するタッチ操作を検出し、タッチ操作の検出結果を、情報処理部230へ出力する。タッチ操作には、接車する車両の大きさ(大型車、中型車、小型車)を示す情報と、接車の希望日時を示す情報とを入力する操作などが含まれる。
表示部245は、例えば、タッチパネルによって構成され、接車する車両の大きさ(大型車、中型車、小型車)を示す情報と、接車の希望日時を示す情報とを入力する画面を表示する。また、表示部245は、処理部235が出力した出荷バースを示す情報と、接車日時を示す情報とを表示する。
【0062】
(車両割当システムの動作)
図5は、第1の実施形態の車両割当システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
(ステップS1)
端末装置200の処理部233は、ユーザが操作部240を操作することによって入力された接車する車両の大きさ(大型車、中型車、小型車)を示す情報と、接車の希望日時を示す情報とを含み、車両割当装置100を宛先とする予約情報を作成し、作成した予約情報を通信部210へ出力する。
(ステップS2)
端末装置200の通信部210は、処理部233が出力した予約情報を取得し、取得した予約情報を、車両割当装置100へ送信する。
(ステップS3)
車両割当装置100の通信部110は、端末装置200が送信した予約情報を受信し、受信した予約情報を、情報処理部130へ出力する。情報処理部130の取得部132は、通信部110が出力した予約情報を取得し、取得した予約情報を割当候補導出部134へ出力する。
割当候補導出部134は、取得部232が出力した予約情報を取得し、取得した一又は複数の予約情報の各々に含まれる接車の希望日時を示す情報に基づいて、接車の希望日が同じである予約情報を抽出する。割当候補導出部134は、抽出した予約情報に含まれる端末装置200のIDを取得する。割当候補導出部134は、取得した一又は複数の端末装置200のIDと、接車する車両の大きさとに基づいて、一又は複数の端末装置200のIDを、4個の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てることによって割り当て候補を複数導出する。割当候補導出部134は、割当結果情報を、評価値導出部136へ出力する。
(ステップS4)
評価値導出部136は、割当候補導出部134が出力した割当結果情報を取得し、取得した割当結果情報に含まれる複数の割り当て候補の各々について、記憶部120に記憶されている接車条件128に基づいて、4個の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間に割り当てた車両の点数を導出する。ここで、評価値導出部136は、入荷バースに複数の車両が割り当てられている場合には、各車両について導出した点数を平均化するなどの統計処理を行い、統計処理した結果を、入荷バースに割り当てられた車両の点数としてもよい。
また、評価値導出部136は、入荷バースに複数の車両が割り当てられている場合には、各車両について導出した点数のうち、大きい値を、入荷バースに割り当てられた車両の点数としてもよいし、小さい値を、入荷バースに割り当てられた車両の点数としてもよい。
【0063】
(ステップS5)
評価値導出部136は、導出した4個の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数に基づいて、複数の割り当て候補の各々について、割り当て候補の評価値を導出する。
(ステップS6)
評価値導出部136は、複数の割り当て候補の全てについて、評価値を導出したか否かを判定する。評価値を導出していない割り当て候補がある場合、ステップS3へ移行する。評価値導出部136は、複数の割り当て候補の全てについて、評価値を導出した場合、複数の割り当て候補の各々について導出した割り当て候補の評価値を、選択部138へ出力する。
(ステップS7)
選択部138は、評価値導出部136が出力した複数の割り当て候補の各々について導出した割り当て候補の評価値を取得し、取得した複数の割り当て候補の各々の評価値に基づいて、割り当て候補を選択する。選択部138は、選択した割り当て候補を示す情報を、作成部140へ出力する。
(ステップS8)
作成部140は、選択部138が出力した割り当て候補を示す情報を取得し、取得した割り当て候補を示す情報に基づいて、入荷バースを示す情報と、接車日時を示す情報とを含み、端末装置200を宛先とする接車指示情報を作成する。作成部140は、作成した接車指示情報を、通信部110へ出力する。
(ステップS9)
通信部110は、作成部140が出力した接車指示情報を取得し、取得した接車指示情報を、端末装置200へ送信する。
(ステップS10)
端末装置200の通信部210は、車両割当装置100が送信した接車指示情報を受信し、受信した接車指示情報を情報処理部230へ出力する。情報処理部230の取得部232は、通信部210が出力した接車指示情報を取得し、取得した接車指示情報を、処理部233へ出力する。処理部233は、取得部232が出力した接車指示情報を取得し、取得した接車指示情報に含まれる出荷バースを示す情報と、接車日時を示す情報とを表示部245へ表示する。
【0064】
前述した第1の実施形態では、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間に、車両を割り当てる場合について説明したが、この限りでない。例えば、入荷バースに限らず、出荷バースについても適用できる。つまり、第1の実施形態は、入出荷バースに適用できる。
前述した第1の実施形態では、端末装置200にアプリ224が、予めインストールされている場合について説明したがこの限りでない。例えば、アプリ224を、クラウドなどでリンク可能とし、スマートフォンなどの端末装置に実装可能としてもよい。
このように構成することによって、アプリ224をインストールしていない端末装置を保持しているユーザに、物流センターの入出荷バースを利用させることができる。アプリ224は、クラウドから、端末装置にインストールできるため、入出荷バースへ、車両を割り当てるスケジューリングを、短時間に達成できる。
【0065】
第1の実施形態の車両割当システムによれば、車両割当装置100は、複数の入出荷バースの各々と、所定の時間幅を複数に分割した使用可能時間のうち、一又は複数が関連付けられたバース情報を記憶する。車両割当装置100は、複数の車両の各々を、一又は複数の使用可能時間に割り当てることによって割り当て候補を複数導出する割当候補導出部134と、車両の入出荷バースへの接車条件に基づいて、複数の割り当て候補の各々について、一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数を導出し、導出した一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数に基づいて、複数の割り当て候補の各々について、割り当て候補の評価値を導出する評価値導出部136と、複数の車両の評価値に基づいて、割り当て候補から、割り当てを選択する選択部138とを備える。
このように構成することによって、入荷バースで検品を行う人員の体制に応じて、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間に割り当てる車両の数をスケジューリングできるため、平準化できる。
また、スケジューリングすることによって、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間に、車両を割り当てる場合に、拘束条件を設定し最適解を導出できる。これによって、物流センター側の処理能力に基づいて、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てる車両の数量をコントロールできる。また、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に、車両が割り当てられることによって、より細かな時間管理が可能になるため、入出荷バースに車両を効率的に割り当てることができる。
また、車両には、大型車、中型車などの第1車両と、第1車両よりもサイズが小さい小型車などの第2車両が含まれ、割当候補導出部134は、使用可能時間に第2車両を複数割り当てることによって、割り当て候補を導出する。評価値導出部136は、接車条件に基づいて、複数の割り当て候補の各々について、一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた第1車両と第2車両とのいずれか一方又は両方の点数を導出し、導出した一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた第1車両と第2車両とのいずれか一方又は両方の点数に基づいて、複数の割り当て候補の各々について、割り当て候補の評価値を導出する。このように構成することによって、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に、第2車両を複数割り当てることができるため、車両を効率的に割り当てることができる。
【0066】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の車両割当装置100aは、第1の実施形態の車両割当装置100と、複数の割り当て候補の各々について、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両を変更し、群知能アルゴリズムを使用して点数を再導出する点で異なる。
(車両割当システムの構成)
図6は、第2の実施形態の車両割当システムの車両割当装置と、端末装置との構成の一例を示すブロック図である。実施形態の車両割当システムは、車両割当装置100aと、端末装置200とを備える。
図6には、一台の端末装置200が示されているが、端末装置200の数は複数であってもよい。具体的には、端末装置200の数は、入荷バースの数よりも多くてもよい。車両割当装置100aと、端末装置200との間は、インターネットなどのネットワーク50を介して接続される。以下、車両割当装置100aと、端末装置200とのうち、第1の実施形態とは異なる車両割当装置100aについて説明する。
(車両割当装置)
車両割当装置100aは、通信部110と、記憶部120aと、情報処理部130aと、前記各構成要素を図6に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバスなどのバスライン150とを備える。
記憶部120aは、例えば、RAM、ROM、HDD、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置などにより実現される。記憶部120aには、情報処理部130aにより実行されるプログラム122と、アプリ124aと、バース情報126と、接車条件128とが記憶される。
【0067】
アプリ124aは、車両割当装置100aに、端末装置200が送信した予約情報を受信させる。
アプリ124aは、車両割当装置100aに、受信させた予約情報の数に基づいて、複数の車両の各々を、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てさせることによって割り当て候補を複数導出させる。ここでは、車両の数が、予約情報の数と同じである場合について説明を続ける。また、予約情報によって、複数の車両について、入荷バースの予約が行われてもよい。
アプリ124aは、車両割当装置100aに、車両の入出荷バースへの接車条件に基づいて、複数の割り当て候補の各々について、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間に割り当てた車両の点数を導出させる。
アプリ124aは、車両割当装置100aに、導出させた一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数に基づいて、複数の割り当て候補の各々について、割り当て候補の評価値を導出させる。
アプリ124aは、車両割当装置100aに、複数の割り当て候補の各々について、割り当て候補に含まれる少なくとも二つの車両を入れ替えさせる。
アプリ124aは、車両割当装置100aに、少なくとも二つの車両を入れ替えることによって得られる割り当て候補について、車両の入出荷バースへの接車条件に基づいて、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数を導出させる。
アプリ124aは、車両割当装置100aに、導出させた複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数に基づいて、割り当て候補の評価値を導出させる。
アプリ124aは、車両割当装置100aに、複数の車両の評価値に基づいて、複数の割り当て候補から、割り当て候補を選択させる。
アプリ124は、車両割当装置100に、選択させた割り当て候補に基づいて、端末装置200に、接車日時を示す情報を含む接車指示信号を作成させる。アプリ124は、作成させた接車指示信号を、端末装置200へ送信させる。
【0068】
情報処理部130aの全部または一部は、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部120aに格納されたプログラム122やアプリ124aを実行することにより実現されるソフトウェア機能部である。なお、情報処理部130aの全部または一部は、LSI、ASIC、またはFPGAなどのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
情報処理部130aは、例えば、取得部132と、割当候補導出部134と、評価値導出部136aと、選択部138と、作成部140とを備える。
【0069】
評価値導出部136aは、割当候補導出部134が出力した割当結果情報を取得し、取得した割当結果情報に含まれる複数の割り当て候補の各々について、記憶部120aに記憶されている接車条件128に基づいて、4個の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間に割り当てた車両の点数を導出する。具体的には、評価値導出部136aは、4個の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間に割り当てられた車両について、前述した(1)から(12)に基づいて、点数を導出する。
評価値導出部136aは、導出した4個の出荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数に基づいて、複数の割り当て候補の各々について、割り当て候補の評価値を導出する。評価値導出部136aは、複数の割り当て候補の各々について導出した割り当て候補の評価値に基づいて、割り当て候補を選択する。具体的には、評価値導出部136aは、複数の割り当て候補の各々について、4個の出荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間に割り当てた車両の点数を合計することによって、評価値を導出する。
評価値導出部136aは、複数の割り当て候補の各々について、群知能アルゴリズムを使用して、割り当て候補に含まれる少なくとも二つの車両を入れ替える。評価値導出部136aは、少なくとも二つの車両を入れ替えることによって得られる割り当て候補について、車両の入出荷バースへの接車条件に基づいて、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数を導出し、導出した複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数に基づいて、割り当て候補の評価値を導出する。
評価値導出部136は、予め設定される世代数程度、少なくとも二つの車両を入れ替えることを繰り返す。評価値導出部136は、少なくとも二つの車両を入れ替えることによって得られる割り当て候補について、車両の入出荷バースへの接車条件に基づいて、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数を導出し、導出した複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数に基づいて、割り当て候補の評価値を導出する。評価値導出部136aは、複数の割り当て候補の各々について導出した評価値を、選択部138へ出力する。
【0070】
(車両割当システムの動作)
図7は、第2の実施形態の車両割当システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
ステップS21−S26は、図6を参照して説明したステップS1−S6を適用できる。
(ステップS27)
車両割当装置100aの評価値導出部136aは、複数の割り当て候補から、割当候補を選択し、選択した割り当て候補について、群知能アルゴリズムを使用して、割り当て候補に含まれる少なくとも二つの車両を入れ替える。
(ステップS28)
評価値導出部136aは、少なくとも二つの車両を入れ替えることによって得られる割り当て候補について、車両の入出荷バースへの接車条件に基づいて、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数を導出する。
(ステップS29)
評価値導出部136aは、導出した4個の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数に基づいて、複数の割り当て候補の各々について、割り当て候補の評価値を導出する。
(ステップS30)
評価値導出部136aは、複数の割り当て候補の全てについて、評価値を導出したかを判定する。評価値を導出していない割り当て候補がある場合、ステップS27へ移行する。
(ステップS31)
評価値導出部136aは、複数の割り当て候補の全てについて、予め設定される世代数まで導出したかを判定する。予め設定される世代数まで導出していない場合には、ステップS27へ移行する。
(ステップS32)
評価値導出部136aは、複数の割り当て候補の全てについて、予め設定される世代数まで導出した場合、複数の割り当て候補の各々について導出した割り当て候補の評価値を、選択部138へ出力する。選択部138は、評価値導出部136aが出力した複数の割り当て候補の各々について導出した割り当て候補の評価値を取得し、取得した複数の割り当て候補の各々の評価値に基づいて、割り当て候補を選択する。選択部138は、選択した割り当て候補を示す情報を、作成部140へ出力する。
ステップS33−S35は、図6を参照して説明したステップS8−S10を適用できる。
【0071】
(車両割当例)
本実施形態では、スケジューリング問題で、GAを用い、その効果を検証した。スケジューリング問題は、整数変数を含んだ最適化問題として解くことができる。スケジューリング問題のほとんどは、NP困難であり、どの程度の規模の問題で計算量の増大が発生するかの予測は難しく、同じ問題でも、実際に数値を入れた問題の構造によって解ける規模が全く異なる。そのため、遺伝的アルゴリズム(GA)やタブーサーチ(TS)、焼きなまし法(SA)といったヒューリスティクスによる近似解法が用いられることが多い。
近似解法では、近年、複雑かつ多変数の最適化問題に対して有効であるとして、動物や昆虫の特徴的な行動から考えられた群知能アルゴリズムが着目されている。代表例として、人工蜂コロニー(Artificial Bee Colony)(以下「ABC」という)と、ホタルアルゴリズム(以下「FA」という)が挙げられる。
(バース情報)
図8は、バース情報の一例を示す図である。図8に示されるように、6時から12時までを6個に分割することによって、使用可能時間が設定される。入荷バースの数は4個である。各入荷バースに割り当てることができる車両は、図8に示されるように、大型車であれば一台、中型車であれば一台、小型車であれば二台である。
図9は、受け付けた予約の一例を示す図である。図9に示されるように、予約を受け付けた車両の台数は大型車8台と、中型車10台と、小型車12台との総数30台とした。具体的には、6時から7時では、大型車2台と中型車2台と小型車3台で、合計7台である。7時から8時では、大型車3台と中型車3台と小型車4台で、合計10台である。8時から9時では、大型車2台と中型車3台と小型車4台で、合計9台である。9時から10時では、大型車1台と中型車1台と小型車1台で、合計3台である。10時から11時では、大型車0台と中型車1台と小型車0台で、合計1台である。11時から12時では、大型車0台と中型車0台と小型車0台で、合計0台である。
図10は、第2の実施形態の車両割当装置の車両割当の一例を示す図である。図10に示される例では、車両のIDとして、車両番号1から30が示されている。車両番号1から30のうち、大型車は1から8であり、中型車は9から18であり、小型車は19から30である。車両1から30のうち、車両21は、6時から7時の間を希望していたため、6時から7時に割り当てられている。
図11は、第2の実施形態の車両割当装置の評価値の導出結果の一例を示す図である。図11には、評価値の導出を予め設定される世代数程度繰り返した結果を示す。ここでは、予め設定される世代数を2000回とした。
理論値(厳密解)例の場合には、ペナルティの総数は9回であり、接車希望時間の通りに割り当てられた車両の割合は70%であり、前述した(11)に9台が違反している。
計算結果(近似解)例1の場合には、ペナルティの総数は15回であり、接車希望時間の通りに割り当てられた車両の割合は50%であり、理論値に対する達成度は71.4%であり、前述した(11)に15台が違反している。
計算結果(近似解)例2の場合には、ペナルティの総数は19回であり、接車希望時間の通りに割り当てられた車両の割合は36.7%であり、理論値に対する達成度は52.4%であり、前述した(11)に19台が違反している。
計算結果(近似解)例3の場合には、ペナルティの総数は20回であり、接車希望時間の通りに割り当てられた車両の割合は33.3%であり、理論値に対する達成度は47.6%であり、前述した(11)に20台が違反している。
計算結果(近似解)例4の場合には、ペナルティの総数は111回であり、接車希望時間の通りに割り当てられた車両の割合は−270%であり、理論値に対する達成度は−385.7%であり、前述した(12)にも違反している。
仮に、理論値に対する達成度が50%以上である場合を許容範囲とした場合には、計算結果(近似解)例1と、計算結果(近似解)例2とが許容される。この場合、選択部138は、計算結果(近似解)例1と、計算結果(近似解)例2とのうち、達成率が高い計算結果(近似解)例1を選択する。
【0072】
本実施形態の車両割当装置100aによって、車両が入荷バースへ割り当てられた場合の効果について説明する。
図12は、第2の実施形態の車両割当装置による効果を説明するための図である。図12において、(1)は車両割当装置100aを使用しない場合の待ち時間を示し、(2)は車両割当装置100aを使用した場合の待ち時間を示す。図12に示される例では、30台の車両を、4個の入荷バースの各々に割り当てる場合について、待機台数と、到着台数と、接車台数とが示される。
図12の(1)によれば、物流センターへの入荷車両台数が30台/日の場合で、従来型の受付先着順を採用した場合には、使用可能時間にかかわらず、車両が待機しているのかわかる。従来型の受付先着順を採用した場合には、平均待機時間は約80分である。
これに対し、図12の(2)によれば、物流センターへの入荷車両台数が30台/日の場合で、第2の実施形態の車両割当装置100aによってスケジューリングを行った場合には、使用可能時間によっては、車両が待機していないのが分かる。車両割当装置100aによってスケジューリングを行った場合には、平均待機時間は約6分となる。
つまり、第2の実施形態の車両割当装置100aを使用することによって、待機時間は92.5%の削減できるとともに、割り当て表作成についても95%以上の作業時間の短縮が可能となる。
前述した第2の実施形態では、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間に、車両を割り当てる場合について説明したが、この限りでない。例えば、入荷バースに限らず、出荷バースについても適用できる。つまり、第2の実施形態は、入出荷バースに適用できる。
前述した第2の実施形態では、端末装置200にアプリ224がインストールされている場合について説明したがこの限りでない。例えば、アプリ224を、クラウドなどでリンク可能とし、スマートフォンなどの端末装置に実装可能としてもよい。このように構成することによって、アプリ224をインストールしていない端末装置を保持しているユーザに、物流センターの入出荷バースを利用させることができる。アプリ224は、クラウドから、端末装置にインストールできるため、入出荷バースへ、車両を割り当てるスケジューリングを、短時間に達成できる。
前述した第2の実施形態では、群知能アルゴリズムの代表例として、ABCと、FAとについて説明したが、この限りでない。例えば、群知能アルゴリズムとして、蟻コロニー最適化(ACO)、人工免疫システム、荷電系探索、カッコウ探索などを使用してもよい。
前述した第2の実施形態では、評価値導出部136aは、複数の割り当て候補の各々について、群知能アルゴリズムを使用して、割り当て候補に含まれる少なくとも二つの車両を入れ替える場合について説明したが、この限りでない。例えば、評価値導出部136aは、複数の割り当て候補の各々について、遺伝的アルゴリズム(GA)やタブーサーチ(TS)、焼きなまし法(SA)といったヒューリスティクスによる近似解法を用いて、割り当て候補に含まれる少なくとも二つの車両を入れ替えてもよい。また、評価値導出部136aは、複数の近似解法のうち、少なくとも一部を組み合わせて、複数の割り当て候補の各々について、割り当て候補に含まれる少なくとも二つの車両を入れ替えてもよい。
【0073】
第2の実施形態の車両割当システムによれば、車両割当装置100aは、複数の入出荷バースの各々と、所定の時間幅を複数に分割した使用可能時間のうち、一又は複数が関連付けられたバース情報を記憶する。車両割当装置100aは、複数の車両の各々を、一又は複数の使用可能時間に割り当てることによって割り当て候補を複数導出する割当候補導出部134と、車両の入出荷バースへの接車条件に基づいて、複数の割り当て候補の各々について、一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数を導出し、導出した一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数に基づいて、複数の割り当て候補の各々について、割り当て候補の評価値を導出する評価値導出部136aと、複数の車両の評価値に基づいて、割り当て候補から、割り当てを選択する選択部138とを備える。
評価値導出部136aは、割り当て候補に含まれる少なくとも二つの車両を入れ替え、少なくとも二つの車両を入れ替えることによって得られる割り当て候補について、接車条件に基づいて、一又は複数の前記使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数を導出し、導出した一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた車両の点数に基づいて、割り当て候補の評価値を導出する。
このように構成することによって、入荷バースで、検品を行う人員の体制に応じて、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てる車両の数をスケジューリングできるため、平準化できる。
また、スケジューリングすることによって、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に車両を割り当てる場合に、接車条件を設定し、最適解を導出することによって、物流センター側の処理能力に基づいて、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てる車両の数量をコントロールできる。また、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に、車両が割り当てられるため、より細かな時間管理が可能になる。このため、入出荷バースに車両を効率的に割り当てることができる。
また、車両には、大型車、中型車などの第1車両と、第1車両よりもサイズが小さい小型車などの第2車両が含まれ、割当候補導出部134は、使用可能時間に第2車両を複数割り当てることによって、割り当て候補を導出する。評価値導出部136aは、接車条件に基づいて、複数の割り当て候補の各々について、一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた第1車両と第2車両とのいずれか一方又は両方の点数を導出し、導出した一又は複数の使用可能時間の各々に割り当てた第1車両と第2車両とのいずれか一方又は両方の点数に基づいて、複数の割り当て候補の各々について、割り当て候補の評価値を導出する。このように構成することによって、複数の入荷バースの各々の一又は複数の使用可能時間の各々に、第2車両を複数割り当てることができるため、車両を効率的に割り当てることができる。
【0074】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
また、上述した車両割当装置100、車両割当装置100a、端末装置200の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disk)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0075】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0076】
1…車両割当システム、50…ネットワーク、100、100a…車両割当装置、110…通信部、120、120a…記憶部、122…プログラム、124、124a…アプリ、126…バース情報、128…接車条件、130、130a…情報処理部、132…取得部、134…割当候補導出部、136、136a…評価値導出部、138…選択部、140…作成部、200…端末装置、210…通信部、220…記憶部、222…プログラム、224…アプリ、230…情報処理部、232…取得部、234…処理部、240…操作部、245…表示部
図1
図2
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図12