特開2020-25012(P2020-25012A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ タイコエレクトロニクスジャパン合同会社の特許一覧

特開2020-25012端子付き回路基板および回路基板組立体
<>
  • 特開2020025012-端子付き回路基板および回路基板組立体 図000003
  • 特開2020025012-端子付き回路基板および回路基板組立体 図000004
  • 特開2020025012-端子付き回路基板および回路基板組立体 図000005
  • 特開2020025012-端子付き回路基板および回路基板組立体 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-25012(P2020-25012A)
(43)【公開日】2020年2月13日
(54)【発明の名称】端子付き回路基板および回路基板組立体
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/14 20060101AFI20200121BHJP
   H05K 1/11 20060101ALI20200121BHJP
   H05K 1/16 20060101ALI20200121BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20200121BHJP
   H01Q 1/50 20060101ALI20200121BHJP
【FI】
   H05K1/14 H
   H05K1/11 C
   H05K1/16 A
   H01Q1/38
   H01Q1/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-148540(P2018-148540)
(22)【出願日】2018年8月7日
(71)【出願人】
【識別番号】000227995
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクスジャパン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094330
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 正紀
(74)【代理人】
【識別番号】100109689
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 結
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 洋平
(72)【発明者】
【氏名】土橋 大亮
【テーマコード(参考)】
4E351
5E317
5E344
5J046
【Fターム(参考)】
4E351BB33
4E351BB50
4E351GG07
4E351GG20
5E317AA04
5E317CC32
5E317CD32
5E317GG11
5E317GG16
5E344AA08
5E344AA26
5E344BB06
5E344CC05
5E344CC11
5E344CC23
5E344CC25
5E344CD14
5E344DD02
5E344EE08
5E344EE21
5J046AA03
5J046AA09
5J046AB06
5J046PA06
5J046TA03
(57)【要約】
【課題】回路基板の端部を端子として使い、かつ、幅の狭い端子としても使うことが可能な端子付き回路基板および回路基板組立体を提供する。
【解決手段】第1子基板20は、その側端面23や下端面25から、第1子基板20の表裏面と面一に第1子基板20の厚みを持って突き出た端子部24,26を有する。そして、それらの端子部24,26は、第1子基板20の表裏面と面一な第1面および第2面に、さらに第1面および第2面に交わる両側面を加えた4面が、一周に亘って導電性材料の膜で覆われている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板の端面から該回路基板の表裏面と面一に該回路基板の厚みを持って突き出た端子部を有し、
前記端子部の、前記回路基板の表裏面と面一な第1面および第2面に、さらに該第1面および該第2面に交わる両側面を加えた4面が、導電性材料で覆われていることを特徴とする端子付き回路基板。
【請求項2】
前記表裏面の少なくとも一方にアンテナパターンを有することを特徴とする請求項1に記載の端子付き回路基板。
【請求項3】
前記端子部の前記4面に加え、さらに該端子部の突き出た先端の第5面が、導電性材料で覆われていることを特徴とする請求項1または2に記載の端子付き回路基板。
【請求項4】
請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の端子付き回路基板である第1の回路基板と、
内壁面全周面が導電性材料で覆われたスルーホールを有する第2の回路基板とを備え、
前記スルーホールに前記端子部が挿し込まれて前記内壁面と前記4面が半田接続されていることを特徴とする回路基板組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子付きの回路基板、および複数枚の回路基板が組み立てられた回路基板組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
回路部品を回路基板に搭載するにあたり、内壁面に導電性材料がめっきされたスルーホールに回路部品のピン形状の端子を挿し込んで、スルーホール内で半田付けする搭載方法が広く採用されている。
【0003】
回路基板を別の回路基板に搭載するにあたっても、上記の搭載方法を適用することが考えられる。すなわち、一方の回路基板にピン形状の端子を半田付け等により固定し、もう一方の回路基板にスルーホールを形成し、端子をスルーホールに挿し込んで半田接続することが考えられる。しかしながら、この接続構造の場合、回路基板とは別途の端子を必要とし、コスト高となるおそれがある。
【0004】
ここで、特許文献1には、第1の回路基板の端部を第2の回路基板の貫通孔に挿入した接続構造が開示されている。特許文献1の接続構造の場合、半田付け可能な面は第1の回路基板のおもて面とうら面との2面であり、半田付けが不十分となるおそれがある。
【0005】
そこで、上記の特許文献1に開示された接続構造に、端子をスルーホールに挿し込んで半田付けする上記の搭載方法を適用することを考える。すなわち、第2の回路基板の貫通孔の内壁面に導電性材料をめっきし、第1の回路基板の端部を端子とみなしてその端部を貫通孔に挿し込み、貫通孔内で半田付けする。この方式を採用すると、回路基板とは別途の端子は不要であり、コストの低減化につなげることができる。
【0006】
ここで、スルーホールに挿し込むタイプの端子の規格に、スルーホール内壁面の75%以上に亘って半田付けすることが要求されているものがある。このため、回路基板のおもて面とうら面との2面の導電性材料でこの規格を満足しようとすると、その端子の左右の端面の面積をその端子全周の面積の25%未満とし、あるいは、安全を見てそれよりもさらに面積割合を減らす必要がある。これは、すなわち、回路基板の表裏面に沿って長く延びた端子とする必要があることを意味している。この場合、複数の端子を細かいピッチで配列することは不可能であり、そのような用途に適用することはできない。また、端子を含めてインピーダンスを整合させる必要のある回路、例えばアンテナパターン等を回路基板上に形成あるいは搭載した場合、長く延びた端子ではインピーダンスを整合させることができない場合が生じるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2017−17089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、回路基板の端部を端子として使い、かつ、幅の狭い端子としても使うことが可能な端子付き回路基板および回路基板組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明の端子付き回路基板は、
回路基板の端面から回路基板の表裏面と面一に回路基板の厚みを持って突き出た端子部を有し、
上記端子部の、回路基板の表裏面と面一な第1面および第2面に、さらに第1面および第2面に交わる両側面を加えた4面が、導電性材料で覆われていることを特徴とする。
【0010】
本発明の端子付き回路基板は、端子部の表裏2面のみでなく、両側面も導電性材料で覆われている。このため、相手基板のスルーホール内壁面の全周に亘って半田付けされる。したがって、上記の規格を満足しつつ、幅の狭い端子とすることができる。
【0011】
ここで、本発明の端子付き回路基板は、回路基板の表裏面の少なくとも一方にアンテナパターンを有していてもよい。
【0012】
アンテナパターンを有する回路基板の場合であっても、そのアンテナパターンとインピーダンスを整合させた端子とすることができる。
【0013】
また、本発明の端子付き回路基板において、端子部の上記4面に加え、さらに端子部の突き出た先端の第5面が、導電性材料で覆われていることが好ましい。
【0014】
また上記目的を達成する本発明の回路基板組立体は、
本発明のいずれかの態様の端子付き回路基板である第1の回路基板と、
内壁面全周面が導電性材料で覆われたスルーホールを有する第2の回路基板とを備え、
上記スルーホールに上記端子部が挿し込まれてスルーホールの内壁面と端子部の全周に亘る4面が半田接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
以上の本発明によれば、回路基板の端部を、スルーホールに挿し込んで半田付けする幅の狭い端子として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態としての回路基板組立体の斜視図である。
図2】組み立てる前の第1子基板と第2子基板を示した分解斜視図である。
図3】組み立てられた状態の第1子基板と第2子基板を示した斜視図である。
図4】親基板と、組み立てられた状態の第1子基板および第2子基板を示した分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態としての回路基板組立体の斜視図である。
【0019】
この回路基板組立体100は、主基板10と、第1子基板20と、第2子基板30との3枚の回路基板を備えている。
【0020】
第1子基板20のおもて面21には、主に第2子基板30のおもて面31に形成されているアンテナパターン32の一部を成す回路パターン22が形成されている。この回路パターン22は、2つの端子部24のうちの一方を介して第2子基板30上のアンテナパターン32に繋がっている。
【0021】
図2は、組み立てる前の第1子基板と第2子基板を示した分解斜視図である。
【0022】
また、図3は、組み立てられた状態の第1子基板と第2子基板を示した斜視図である。
【0023】
第1子基板20には、その第1子基板20の、第2子基板30側には、2つの端子部24が設けられている。これらの端子部24は、第1子基板20の側端面23から、第1子基板20の表裏面と面一に、第1子基板20の厚みを持って突き出た形状を有する。
【0024】
これらの端子部24の、第1子基板20のおもて面21と面一な第1面241と、第1子基板20のうら面と面一な不図示の第2面には、導電性材料の膜が形成されている。また、端子部24の、第1面241および第2面に交わる両側面も導電性材料の膜で覆われている。この両側面の膜は、スルーホールの内壁面への無電解めっきと同じ無電解めっきの手法により形成されたものである。さらに、端子部24の、第1子基板20から突き出た先端の端面242も、導電性材料の膜で覆われていてもよい。この先端の端面242を導電性材料の膜で覆ったときのその端面242は、本発明にいう第5面の一例に相当する。
【0025】
一方、第2子基板30には、第1子基板20の2つの端子部24の各々が挿し込まれる、縦長の2つのスルーホール34が設けられている。これらのスルーホール34の内壁面は、無電解めっきにより、その全周面に亘って導電性材料の膜で覆われている。
【0026】
第1子基板20と第2子基板30との組立にあたっては、第1子基板20の2つの端子部24を第2子基板30の2つのスルーホール34にそれぞれ挿し込む。その状態で、端子部24とスルーホール34の内壁面との間を半田接続する。端子部24は、その全周の4面に亘って導電性材料の膜で覆われているため、その全周に亘って半田付けされる。
【0027】
この第1子基板20と第2子基板30との関係では、第1子基板20が本発明の端子付き回路基板(第1の回路基板)の一例に相当する。また、第2子基板30が本発明にいう第2の回路基板の一例に相当する。そして、これら第1子基板20と第2子基板30との組み合わせが、本発明の回路基板組立体の一例に相当する。
【0028】
また、第1子基板20は、その第1子基板20の下端面25から下に突き出た、もう1つの端子部26を備えている。この端子部26も、第1子基板20の表裏面と面一に、第1子基板20の厚みを持って突き出た形状を有する。そして、この端子部26は、第1子基板20のおもて面21と面一な第1面261と、そのうら面である第2面(不図示)は、導電性材料の膜で覆われている。また、この端子部26は、その第1面261および第2面に交わる両側面も、導電性材料の膜で覆われている。すなわち、この端子部26も、端子部24と同様、一周に亘って、すなわち第1面261と第2面に、さらに両側面を加えた4面が、導電性材料の膜で覆われている。なお、端子部26も、端子部24と同様に、第1子基板20から突き出た先端の端面262も、導電性材料の膜で覆われていてもよい。この場合、さらに良好な形状の半田フィレットを形成することができる。この先端の端面262を導電性材料の膜で覆ったときのその端面262は、本発明にいう第5面の一例に相当する。
【0029】
さらに、第2子基板30は、その第2子基板30の下端面35から下に突き出た4つの端子部36(図3参照)が形成されていて、そのうちの3つが、順次近接して並んでいる。これらの端子部36も、第2子基板30の表裏面と面一に、第2子基板30の厚みを持って突き出た形状を有する。そして、この端子部36の、第2子基板30のおもて面31およびうら面39とそれぞれ面一な第1面361および第2面362は、導電性材料の膜で覆われている。さらに、この端子部36は、その第1面361および第2面362に交わる両側面も、導電性材料の膜で覆われている。すなわち、この端子部36も、第1子基板20に形成された端子部24,26と同様、一周に亘って、すなわち第1面361と第2面362に、さらに両側面を加えた4面が、導電性材料の膜で覆われている。なお、端子部36も、端子部24,26と同様に、第2子基板30から突き出た先端の端面363が導電性材料の膜で覆われていてもよい。導電性材料の膜で覆われた状態の端面363は、本発明にいう第5面の一例に相当する。
【0030】
これら第1子基板20および第2子基板30の、下に突き出ている端子部26,36は、図3に示すようにL字形状に組み立てられた第1子基板20および第2子基板30を親基板10に半田接続するための端子部である。
【0031】
第2子基板30の、下に突き出た4つの端子部36のうちの、並んで形成された3つの端子部36は、アンテナパターン32に繋がっている。そして、それら3つの端子部36の各々は、アンテナパターン32とインピーダンスが整合する寸法の端子部となっている。
【0032】
図4は、親基板と、組み立てられた状態の第1子基板および第2子基板を示した分解斜視図である。
【0033】
親基板10には、第1子基板20の、下向きに突き出た端子部26が挿し込まれるスルーホール11が形成されている。また、親基板10には、第2子基板30の、下向きに突き出た4つの端子部36が挿し込まれる4つのスルーホール12が形成されている。それらのスルーホール11、12の各々の内壁面は、その全周が無電解めっきにより形成された導電性材料の膜で覆われている。そして、各端子部26,36が各スルーホール11,12に挿し込まれて半田付けされる。図1は、第1子基板20および第2子基板30がこのようにして親基板10に搭載された状態を示している。
【0034】
ここで、親基板10と、組み立てられた状態の第1子基板20および第2子基板30との関係では、組み立てられた状態の第1子基板20および第2子基板30が、本発明の端子付き回路基板の一例、すなわち本発明にいう第1の回路基板の一例に相当する。また、この場合、親基板10が、本発明にいう第2の回路基板の一例に相当する。そして、組み立てられた状態の第1子基板20および第2子基板30と親基板10との組み合わせが、本発明の回路基板組立体の一例に相当する。
【0035】
なお、ここでは、アンテナパターンが形成された回路基板を例に挙げて説明したが、本発明は、アンテナパターンを有していない回路基板にも適用することができる。
【0036】
また、ここでは、L字形状の子基板と親基板との組合せを例に挙げて説明したが、本発明は、この組合せに限られるものではなく、回路基板どうしを組み立てるにあたり、広く採用することができる。
【符号の説明】
【0037】
10 親基板
11,12 スルーホール
20 第1子基板
21 おもて面
22 回路パターン
23 側端面
24 端子部
241 第1面
242 端面
25 下端面
26 端子部
261 第1面
262 端面
30 第2子基板
31 おもて面
32 アンテナパターン
34 スルーホール
35 下端面
36 端子部
361 第1面
362 第2面
363 端面
39 うら面
100 回路基板組立体
図1
図2
図3
図4