(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-26950(P2020-26950A)
(43)【公開日】2020年2月20日
(54)【発明の名称】消音箱構造
(51)【国際特許分類】
F24F 13/02 20060101AFI20200124BHJP
【FI】
F24F13/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-147517(P2019-147517)
(22)【出願日】2019年8月9日
(31)【優先権主張番号】107128222
(32)【優先日】2018年8月13日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】519293704
【氏名又は名称】黄渤為
【氏名又は名称原語表記】Po−Wei Huang
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】黄渤為
【テーマコード(参考)】
3L080
【Fターム(参考)】
3L080AE02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】消音箱構造を提供する。
【解決手段】空気設備に所要の気流を誘導するダクトに接続され、消音箱構造は両端が開通する形態であり、延伸方向に沿って延伸し収容室を包囲する外ケーシングと、収容室中に設けられる消音モジュールとを備え、消音モジュールは間隔をあけて設置される2つの第1消音板と、少なくとも1つの第2消音板とを含み、2つの第1消音板は上記の延伸方向に沿って延伸しかつ2つの第1消音板の両端がそれぞれ固定板を介して連結されることで2つの第1消音板の間を第1キャビティとして形成させ、第1キャビティ中に設けられる第2消音板は第1消音板及び延伸方向に対していずれも垂直となるように設置され、各第1消音板上に多数の貫通する微細穿孔が設けられ、各微細穿孔が上記の延伸方向と垂直であり、かつ各微細穿孔の直径が第1消音板の板厚よりも小さく、消音箱を組み立てる時に、ダクトに対して偏向回転角度の取付けを施す。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端開通の外ケーシングと、消音モジュールとを備える消音箱構造であって、
収容室を包囲する前記外ケーシングは、延伸方向に沿って延伸し、誘導気流及び騒音音波を前記延伸方向に沿って流動するように供され、
前記収容室中に設けられる消音モジュールは、2つの第1消音板と、少なくとも1つの第2消音板とを含み、
前記2つの第1消音板は間隔をあけて設置され、これらの2つの第1消音板は、前記延伸方向に沿って延伸し、かつ2つの当該第1消音板の両端がそれぞれ固定板を介して連結されることで、2つの第1消音板の間を第1キャビティとして形成させ、各当該第1消音板上に多数の貫通する微細穿孔が設けられ、各微細穿孔が前記延伸方向と垂直であり、かつ各当該微細穿孔の直径が当該第1消音板の板厚よりも小さく、
前記第1キャビティ中に設けられる当該第2消音板は、当該第1消音板及び前記延伸方向に対していずれも垂直となるように設置されることで、当該第1消音板と当該第2消音板との間を数個の第1消音空間にして形成させる
ことを特徴とする、消音箱構造。
【請求項2】
前記収容室の両側にさらにそれぞれ側部消音モジュールが設けられ、各側部消音モジュールは、当該第1消音板と同一構造の側部消音板を含み、前記側部消音板と前記外ケーシングは、第2キャビティによって互いに隔てられ、かつ前記側部消音板の両端がそれぞれ側部固定板を介して前記外ケーシング上に固定される
ことを特徴とする、請求項1に記載の消音箱構造。
【請求項3】
当該第2消音板が当該第1消音板と同一構造であり、しかも当該第2消音板の微細穿孔の軸方向が前記延伸方向と同方向である
ことを特徴とする、請求項2に記載の消音箱構造。
【請求項4】
前記第2キャビティ中にさらに少なくとも1つの第4消音板が設けられ、当該第4消音板は、前記側部消音板及び前記延伸方向に対していずれも垂直となるように設置されることで、前記側部消音板と当該第4消音板との間を数個の第2消音空間にして形成させる
ことを特徴とする、請求項2に記載の消音箱構造。
【請求項5】
当該第4消音板が当該第1消音板と同一構造であり、しかも当該第4消音板の微細穿孔の軸方向が前記延伸方向と同方向である
ことを特徴とする、請求項4に記載の消音箱構造。
【請求項6】
当該第1消音空間中にさらに少なくとも1つの第3消音板が設けられ、当該第3消音板は、当該第1消音板と同一構造であり、かつ当該第1消音板及び第2消音板に対していずれも垂直となるように設置され、かつ前記延伸方向に対して平行となるように設置され、しかも当該第3消音板上の微細穿孔は、前記延伸方向に対して垂直となるように設置される
ことを特徴とする、請求項1に記載の消音箱構造。
【請求項7】
当該第1消音板、第2消音板及び第3消音板は、平板状である
ことを特徴とする、請求項6に記載の消音箱構造。
【請求項8】
前記外ケーシングの延伸方向は、直線方向である
ことを特徴とする、請求項2に記載の消音箱構造。
【請求項9】
当該第1消音板及び前記側部消音板は、湾弧方向を持つ湾曲板である
ことを特徴とする、請求項2に記載の消音箱構造。
【請求項10】
前記外ケーシングの表面は、密実状を呈している
ことを特徴とする、請求項2に記載の消音箱構造。
【請求項11】
前記消音箱とダクトの取付時の相対偏向回転角度が90度の角度である
ことを特徴とする、請求項2に記載の消音箱構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、騒音の消音装置に係り、特に空気設備のダクトと互いに接続されて入風または排風時に発生する騒音を低減する消音装置に関する。
【背景技術】
【0002】
風圧設備関連機器(例えば、送風機や空気圧縮機など)が取り付けられて、気流を誘導して入風、排風動作を行うことが必要な空間環境においていずれも気流を通過するためのダクトが設けられ、しかし、風圧設備の機械騒音及び風切り騒音をダクトに沿って各風排出口に伝達することになる。このため、ダクト中に音波の伝播を阻害するマフラーが装着され、騒音を低減すると同時に、気流の通過を許容することで、環境の安寧及び作業員の健康を維持することができる。
【0003】
図1に示されるものは、従来の消音箱5であり、両端開通の外ケーシング51と、内部に設けられる少なくとも1つの消音モジュール52とを備え、当該消音モジュール52は、間隔をあけて設置される2枚の穿孔板53を含み、穿孔板53の板体に多数の穿孔54が均一に分布し、かつ2枚の穿孔板53の間にキャビティ55を有し、その内、前記キャビティ55には多孔性質を持つ材料56(例えば、グラスウール)が充填される。この構造により、前記風圧設備の気流及び機械騒音や風切り騒音をダクトに沿って各風排出口に伝達することになる。なお、気流及び音波がダクト中に前記消音箱5を通過する時に、前記穿孔板53の穿孔54を通過することができると共に、穿孔54を通過する時に孔壁に衝撃させて摩擦作用を発生させ、次いで前記キャビティ55に進入された後、多孔性質材料56(例えば、グラスウール)に衝撃を与えて再度に摩擦発熱の作用を形成することから、運動エネルギーを熱エネルギーに転化させ、騒音を低減する目的を実現する。
【0004】
ただ、従来の消音箱5の構造において、前記穿孔板53上に各穿孔54の孔直径が前記穿孔板53の板厚よりもはるかに大きく、例を挙げて説明すれば、消音箱5の外ケーシング51の板厚が1mmである場合、穿孔54では1.5mmあるいはそれ以上の直径を有し、音波の音声エネルギーとグラスウール56(またはロックウール)との接触を経由して摩擦発熱することから、運動エネルギーを熱エネルギーに転化して消耗させることで、消音効果を達成するものの、それでも前記穿孔板53上に各穿孔54の孔直径が前記穿孔板53の板厚よりもはるかに大きいため、前記穿孔板53付近の音波を通常速度で前記穿孔板53を通り抜けさせるので、騒音を除去する効果を高めることができない。さらに、2つの穿孔板53の間に充填されるグラスウール56とは、石灰石、葉ろう石、石英砂、ホウ酸マグネシウム石、蛍石などの岩石を粉末になるように粉砕し、均一に攪拌すると共に、硫酸ナトリウム、芒硝などの物質を配合した後、溶融吹付を経て作成された1種の人造無機繊維であるため、石綿の代替物として用いられるにしても石綿のような高い危害性を有しないものの、しかし、長期間接触してきた作業員にとって、肺、皮膚及び目などの臓器に危害を及ぼすことも既に証明され、使用は避けたほうが好ましいと推奨されている。
【0005】
このほか、特許文献1には、換気機ユニットの抵抗複合式サイレンサが開示され、筐体内に多個の消音片が設置され、これらの消音片が流線型を呈して設置され、風抵抗を減少することができるが、それらの消音片の内部には吸音綿などの材料を充填して吸音するので、長期間接触してきた作業員にとっては、依然として肺、皮膚及び目などの臓器に危害を及ぼすおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】中国実用新案登録第CN206556223U号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これに鑑み、如何にして上記問題を改善するかが、本発明が解決しようとする最も主要な課題である。
【0008】
本発明の主な目的は、微細穿孔板から構成される消音モジュールをダクト中に接続することにより、風圧設備により生じる音波騒音をダクト中に流動させる時に阻害を受けて運動エネルギーを熱エネルギーに変換して消耗させることで、騒音を低減する効果を達成できる消音箱構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、本発明が提供する消音箱構造は、両端開通の外ケーシングと、消音モジュールとを備え、その内、表面が密実状を呈しており、かつ収容室を包囲する前記外ケーシングは、延伸方向に沿って延伸し、誘導気流及び音波を前記延伸方向に沿って流動するように供され、前記収容室中に設けられる消音モジュールは、間隔をあけて設置される2つの第1消音板と、少なくとも1つの第2消音板とを含み、これらの2つの第1消音板は、前記延伸方向に沿って延伸し、かつ2つの第1消音板の両端がそれぞれ固定板を介して連結されることで、2つの第1消音板の間を第1キャビティとして形成させ、各第1消音板上に多数の貫通する微細穿孔が設けられ、各微細穿孔が前記延伸方向と垂直であり、かつ各微細穿孔の直径が当該第1消音板の板厚よりも小さく、なお、前記第1キャビティ中に設けられる当該第2消音板は、当該第1消音板及び前記延伸方向に対していずれも垂直となるように設置されることで、当該第1消音板と当該第2消音板との間を数個の第1消音空間にして形成させ、このように音波の熱エネルギー消耗を増大させることができる。
【0010】
本発明は、前述した目的を達成するために、さらに少なくとも1つの第3消音板を提供し、当該第3消音板は、当該第1消音板と同一構造であり、かつ当該第3消音板は、第1消音空間中に設けられると同時に、当該第1消音板及び第2消音板に対していずれも垂直となるように設置され、かつ前記延伸方向に対して平行となるように設置され、しかも当該第3消音板上の微細穿孔は、前記延伸方向に対して垂直となるように設置される。
【発明の効果】
【0011】
前述の構成において、前記収容室の両側にさらにそれぞれ側部消音モジュールが設けられ、各側部消音モジュールは、当該第1消音板と同一構造の側部消音板を含み、前記側部消音板と前記外ケーシングは、第2キャビティによって互いに隔てられ、かつ前記側部消音板の両端がそれぞれ側部固定板を介して固定され、前記側部消音板上に多数の貫通する微細穿孔が設けられ、各微細穿孔が前記延伸方向と垂直である。
【0012】
前述の構成において、前記第2キャビティ中にさらに少なくとも1つの第4消音板が設けられ、その内、当該第4消音板は、前記側部消音板及び前記延伸方向に対していずれも垂直となるように設置されることで、前記側部消音板と当該第4消音板との間を数個の第2消音空間にして形成させる。
【0013】
前述の構成では、当該第2消音板、第3消音板及び第4消音板の表面は、密実状を呈している。
【0014】
前述の構成では、当該第2消音板及び第4消音板が当該第1消音板と同一構造であり、即ち、当該第2消音板と当該第4消音板上に多数の貫通する微細穿孔が設けられ、当該第2消音板及び第4消音板中の各微細穿孔の軸方向が前記延伸方向と同方向である。
【0015】
前述の構成において、当該第1消音板、第2消音板、第3消音板、第4消音板及び側部消音板は、平板状である。
【0016】
前述の構成において、前記外ケーシングの延伸方向は、直線方向である。
【0017】
前述の構成において、当該第1消音板及び前記側部消音板は、湾弧方向を持つ湾曲板である。
【0018】
前述の構成において、前記消音箱を組み立てる時に、ダクトに対して偏向回転角度の取付けを施すことに制限はなく、例えば、前記消音箱を前記ダクトに相対して90度の角度回転を施すこともよい。
【0019】
なお、本発明の上記目的と利点は、下記に選定される実施例の詳細な説明と添付図面中から深い理解が得られることは難しくない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図3】本発明の第1実施例の分解斜視模式図である。
【
図5】本発明の第1実施例の使用状態模式図である。
【
図6】本発明の第2実施例の分解斜視模式図である。
【
図7】本発明の第2実施例の使用状態模式図である。
【
図8a】本発明の第3実施例の一部拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施例)
以下、図面を参照して本発明を説明する。
図2、
図3に示されるものは、本発明が提供する消音箱構造の第1実施例であり、外ケーシング1と、少なくとも1つの消音モジュール2と、2つの側部消音モジュール3とを備える。
前記外ケーシング1は、両端が開通する形態であり、かつ延伸方向D1に沿って延伸する方形筐体であり、収容室11を包囲し、前記外ケーシング1の開通した両端はそれぞれダクト(図中未表示)と連結するために用いられ、これによってダクト中の気流及び音波を前記収容室11に進入させることができ、かつ誘導気流及び音波を前記延伸方向D1に沿って流動させることができる。本実施例において、前記外ケーシング1は、金属板またはプラスチック板から作成されてもよいが、これに限定されるものではなく、それが直線方向に沿って延伸する構造であってもよい。
【0022】
上記に続いて、本実施例において、前記消音モジュール2は2個を有し、前記収容室11中の前記外ケーシング1の左右両側に寄りかからない箇所に位置し、かつ間隔をあけて設置される。各前記消音モジュール2は、間隔をあけて設置される2つの第1消音板21と、2つの固定板22とを含み、その内、当該第1消音板21が平板であり、かつ前記外ケーシング1の延伸方向D1に沿って延伸し、即ち、前記外ケーシング1と同方向の直線方向であり、しかも2つの第1消音板21の両端がそれぞれ前記固定板22を介して連結され、これにより四面が包囲される中空構造を構成すると共に、2つの第1消音板21の間を第1キャビティ23と定義するように形成させ、しかも前記第1キャビティ23中に少なくとも1つの第2消音板25が設けられ、その内、当該第2消音板25は、当該第1消音板21及び前記延伸方向D1に対していずれも垂直となるように設置されることで、当該第1消音板21と当該第2消音板25との間を数個の第1消音空間27にして形成させる。
【0023】
上記の当該第1消音板21上に多数の微細穿孔24が設けられ、
図4に示すように、各微細穿孔24は、当該第1消音板21の表面に垂直に貫通設置され、かつ各微細穿孔24の直径dが当該第1消音板21の板厚tよりも小さい。例を挙げて言えば、当該第1消音板21の板厚tは1mmであるのに対し、各微細穿孔24の直径dは1mmよりも小さい。各微細穿孔24の直径dが当該第1消音板21の板厚tよりも小さい時に、気流及び音波は、各微細穿孔24付近に比較的に大きな抗力を生じさせるので、さらに多くの騒音のエネルギーを消耗させることができるため、上記の特徴に加えて騒音を除去する効果を高めることができる。前述した当該第1消音板21の設置方位及び当該微細穿孔24の当該第1消音板21における方向性に基づいて、
図5を参照して分かるように、各微細穿孔24が前記外ケーシング1の延伸方向D1と垂直である。
【0024】
また、
図2、
図3に示すように、その内、前記2つの側部消音モジュール3は、前記収容室11中の前記外ケーシング1の左右両側に位置する箇所に設けられ、側部消音板31と、2つの側部固定板32とを含み、その内、前記側部消音板31は、前述した当該第1消音板21と同一構造を有し、即ち、多数個の微細穿孔34を有し、前記外ケーシング1において間隔をあけて設置され、そして第2キャビティ33(
図5参照)が定義づけられて形成され、しかも前記側部消音板31の両端がそれぞれ前記側部固定板32を介して前記外ケーシング1上に固定され、そして前記第2キャビティ33中にさらに少なくとも1つの第4消音板35が設けられ、その内、当該第4消音板35は、前記側部消音板31及び前記延伸方向D1に対していずれも垂直となるように設置されることで、前記側部消音板31と当該第4消音板35との間を数個の第2消音空間37にして形成させる。
【0025】
上記の構造によると、本実施例の実際使用時は、
図5に示すようなものになる。前記外ケーシング1の開通した両端をそれぞれダクト4と連結することで、前記ダクト4中の騒音音波を前記収容室11に進入させ、前記外ケーシング1において誘導気流及び騒音音波を延伸方向D1に沿って流動させることとなる。この時、音波が前進することを除き、さらに前記消音モジュール2の第1消音板21の多数の微細穿孔24を経て側方向的に前記第1キャビティ23に流し込まれ、及び前記側部消音モジュール3の側部消音板31の多数の微細穿孔34を経て側方向的に前記第2キャビティ33に流し込まれ、これにより音波で各微細穿孔24,34の孔壁に衝撃させて摩擦発熱の作用を形成し、音波の運動エネルギーを熱エネルギーに転化させることから、騒音を低減する効果を達成することができる。
【0026】
(第2実施例)
図6に示されるものは、本発明の第2実施例である。本実施例は、前述した第1実施例の構造を基礎として、当該第2消音板25は、前述した当該第1消音板21と同一構造を有し、即ち、多数個の微細穿孔26を有し、しかも当該第2消音板25は、当該第1消音板21に対して垂直となるように設置される。前述した当該第2消音板25の設置方位及び当該微細穿孔26の当該第2消音板25における方向性に基づいて、
図7を参照して分かるように、当該第2消音板25の微細穿孔26の軸方向が前記外ケーシング1の延伸方向D1と同方向である。
【0027】
同様に、当該第4消音板35は、前述した当該第1消音板21と同一構造を有し、即ち、多数個の微細穿孔36を有し、しかも当該第4消音板35は、前記側部消音板31に対して垂直となるように設置される。
【0028】
前述した当該第4消音板35の設置方位及び当該微細穿孔36の当該第4消音板35における方向性に基づいて、
図7を参照して分かるように、当該第4消音板35の微細穿孔36の軸方向が前記外ケーシング1の延伸方向D1と同方向である。
【0029】
これにより、本実施例の実際使用時は、
図7に示すように、音波騒音を前記外ケーシング1の延伸方向D1に沿って流動させると、前述した第1実施例の流動状態と同じような状態を発生させる以外に、当該第1消音板21の微細穿孔24と側部消音板31の微細穿孔24,36を経てそれぞれ前記第1キャビティ23及び第2キャビティ33に進入する気流は、また再び当該第2消音板25の微細穿孔26及び第4消音板35の微細穿孔36を通過し、この気流が前述した第1実施例のものに比べ、さらに多くの衝撃が発生すると共に、摩擦を経てさらに多くの熱エネルギーが発生するので、これによってさらに多くの気流の運動エネルギーを低減できるため、騒音を低減する効果をより一層顕著に奏することができる。
【0030】
(第3実施例)
また、
図8、
図8aに示されるものは、本発明の第3実施例である。本実施例は、前述した実施例の構造を基礎として変化させる例である。本実施例において、本発明は、さらに少なくとも1つの第3消音板28を提供し、当該第3消音板28は、当該第1消音板21と同一構造であり、かつ当該第3消音板28は、第1消音空間27中に設けられると同時に、当該第1消音板21及び第2消音板25に対していずれも垂直となるように設置され、かつ前記延伸方向D1に対して平行となるように設置され、しかも当該第3消音板28上の微細穿孔は、前記延伸方向D1に対して垂直となるように設置される。
【0031】
(第4実施例)
さらに、
図9に示されるものは、本発明の第4実施例である。本実施例は、前述した実施例の構造を基礎として、当該第1消音板21及び前記側部消音板31の延伸方向を変化させる例である。本実施例において、当該第1消音板21及び前記側部消音板31は、前記湾弧方向D2に対応する曲率を持つ湾曲板であり、これによりダクトの湾曲部上に適用できる。
【0032】
前述の構成において、前記外ケーシング1の表面は、密実状を呈しており、即ち、前記外ケーシング1の表面に穿孔を有しない。
【0033】
前述の構成において、前記第1キャビティ23中に充填物を有しない。
【0034】
前述の構成において、前記第2キャビティ33中に充填物を有しない。
【0035】
前記外ケーシング1をダクト4に組み立てる時に、前記外ケーシング1をダクト4に相対してある角度を偏向回転させることができ、例えば、前記外ケーシング1を前記ダクト4に相対して90度の角度回転を施すこともよい。
【0036】
ただ、以上に開示された実施例は、単に本発明を説明するためのものにすぎず、本発明を制限するものではないため、同等効果を有する構成要素の置き換えは、本発明の範疇に属するものと解釈されるべきである。
【0037】
以上のように、本発明は前述した目的を確実に達成でき、当該技術を熟知する者に明確に理解され、特許法の規定を満たしているため、法に基づき出願する次第である。
【符号の説明】
【0038】
1 外ケーシング
11 収容室
2 消音モジュール
21 第1消音板
22 固定板
23 第1キャビティ
24 微細穿孔
25 第2消音板
26 微細穿孔
27 第1消音空間
28 第3消音板
3 側部消音モジュール
31 側部消音板
32 側部固定板
33 第2キャビティ
34,36 微細穿孔
35 第4消音板
37 第2消音空間
4 ダクト
D1 延伸方向
D2 湾弧方向
d 直径
t 板厚