特開2020-27183(P2020-27183A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2020027183-眼鏡及び眼鏡の調整方法 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-27183(P2020-27183A)
(43)【公開日】2020年2月20日
(54)【発明の名称】眼鏡及び眼鏡の調整方法
(51)【国際特許分類】
   G02C 5/22 20060101AFI20200124BHJP
【FI】
   G02C5/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-152151(P2018-152151)
(22)【出願日】2018年8月11日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 販売日 2018年2月9日 販売場所 メガネの赤松 四ツ井店 展示会名 WOF(ワールドオプチカルフェア)2018 展示日 2018年4月10日〜11日 ブログ掲載日 2018年4月14日 掲載アドレス https://ameblo.jp/meganenoban/
(71)【出願人】
【識別番号】518288796
【氏名又は名称】株式会社メガネのバン
(74)【代理人】
【識別番号】100111855
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 好昭
(72)【発明者】
【氏名】西川 忠志
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006AC02
2H006AC03
(57)【要約】
【課題】本発明は、安定した調整状態を容易に実現することができる眼鏡及び眼鏡の調整方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】眼鏡1は、一対のレンズを保持するフロント部材10と、フロント部材10の両側に取り付けられた一対の調整部材12を介して連結された一対のテンプル部材11とを備えており、調整部材12は、フロント部材10に連結された調整部12aと、調整部12aに接続固定されるとともにテンプル部材11に連結された支持部12bとを備えており、支持部12bは、調整部12aよりも高強度の材料を用いて形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のレンズを保持するフロント部材と、前記フロント部材の両側に取り付けられた一対の調整部材を介して連結された一対のテンプル部材とを備えている眼鏡であって、前記調整部材は、前記フロント部材に連結された調整部と、前記調整部に接続固定されるとともに前記テンプル部材に連結された支持部とを備えており、前記支持部は、前記調整部よりも高強度の材料を用いて形成されている眼鏡。
【請求項2】
前記調整部は、前記フロント部材にヒンジを介して連結されており、前記支持部は、前記テンプル部材にヒンジを介して連結されている請求項1に記載の眼鏡。
【請求項3】
前記調整部は、U字状に形成されて所定の間隔を空けて上下に配置された一対の保持部材からなるとともに一方の端部に前記フロント部材に連結するフロント側連結部が一体形成されて他方の端部に固定部が一体形成されており、前記支持部は、棒状に形成されて前記保持部材の間に横切るように挿入されるとともに一方の端部が前記固定部に接続固定されて他方の端部に前記テンプル部材に連結するテンプル側連結部が形成されている請求項2に記載の眼鏡。
【請求項4】
一対のレンズを保持するフロント部材と、前記フロント部材の両側に取り付けられた一対の調整部材を介して連結された一対のテンプル部材とを備えている眼鏡の調整方法であって、前記フロント部材に連結された調整部及び当該調整部に接続固定されて前記テンプル部材に連結されるとともに当該調整部よりも高強度の材料を用いて形成された支持部を備える前記調整部材に対して当該調整部を変形させて前記テンプル部材の左右方向の開き角度及び前記フロント部材に対する前傾角度を調整する眼鏡の調整方法。
【請求項5】
前記調整部材は、前記フロント部材に直接連結された前記テンプル部材を外して取り付ける請求項4に記載の眼鏡の調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用者に合わせて眼鏡部材の調整を容易に行うことができる眼鏡及び眼鏡の調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
眼鏡は、複数の眼鏡部材を組み合せて構成されており、着用者の頭部の形状や眼の位置等に合わせて眼鏡部材の調整を行うことで、着用感の向上が図られている。例えば、鼻パッドの取付位置の調整やフロント部分及びテンプル部分の調整といった眼鏡部材の調整を行うことで、着用者に合った眼鏡を構成している。
【0003】
こうした眼鏡部材の調整を容易にするために、調整用の部材を取り付けることが提案されている。例えば、特許文献1では、ヨロイを前ヨロイ及び後ヨロイで構成し、前ヨロイと後ヨロイを連結して連結する角度を変化させることでツルの開き角度を調整する点が記載されている。また、高弾性テンプルを煽りブラケットの自由端側に部分的に接続し、接続部から高弾性テンプルのストレッチ部を設けてストレッチ部において煽りブラケットの自由端側を押し開きする方向へ復元弾力が働くように撓曲させた状態に設定した点が記載されている。また、特許文献3では、樹脂製ヨロイ部品の中間部に水平方向の開閉角度を調整できる手段及びその調整された角度を固定する手段とを設けた点が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−108946号公報
【特許文献2】特開2001−147405号公報
【特許文献3】特開2002−189197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、前ヨロイ及び後ヨロイをネジ止めにより連結するようにしているため、調整した状態でネジ止めした場合にネジが緩んでくると調整した状態が変化する可能性がある。特許文献2では、高弾性テンプルの変形状態が一定しないため安定した調整状態を実現することが難しい。特許文献3では、調整した状態をネジ止めにより固定するようにしているが、ネジが緩んでくることは避けられず、安定した調整状態を実現することが難しい、といった課題がある。
【0006】
そこで、本発明は、安定した調整状態を容易に実現することができる眼鏡及び眼鏡の調整方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る眼鏡は、一対のレンズを保持するフロント部材と、前記フロント部材の両側に取り付けられた一対の調整部材を介して連結された一対のフロント部材とを備えている眼鏡であって、前記調整部材は、前記フロント部材に連結された調整部と、前記調整部に接続固定されるとともに前記テンプル部材に連結された支持部とを備えており、前記支持部は、前記調整部よりも高強度の材料を用いて形成されている。さらに、前記調整部は、前記フロント部材にヒンジを介して連結されており、前記支持部は、前記テンプル部材にヒンジを介して連結されている。さらに、前記調整部は、U字状に形成されて所定の間隔を空けて上下に配置された一対の保持部材からなるとともに一方の端部に前記フロント部材に連結するフロント側連結部が一体形成されて他方の端部に固定部が一体形成されており、前記支持部は、棒状に形成されて前記保持部材の間に横切るように挿入されるとともに一方の端部が前記固定部に接続固定されて他方の端部に前記テンプル部材に連結するテンプル側連結部が形成されている。
【0008】
本発明に係る眼鏡の調整方法は、一対のレンズを保持するフロント部材と、前記フロント部材の両側に取り付けられた一対の調整部材を介して連結された一対のフロント部材とを備えている眼鏡の調整方法であって、前記フロント部材に連結された調整部及び当該調整部に接続固定されて前記テンプル部材に連結されるとともに当該調整部よりも高強度の材料を用いて形成された支持部を備える前記調整部材に対して当該調整部を変形させて前記テンプル部材の左右方向の開き角度及び前記フロント部材に対する前傾角度を調整する。さらに、前記調整部材は、前記フロント部材に直接連結された前記テンプル部材を外して取り付ける。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、上記のような構成を有することで、安定した調整状態を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る実施形態である眼鏡に関する概略構成図である。
図2】調整部材に関する斜視図である。
図3】調整部材の調整動作に関する説明図である。
図4】調整部材の調整動作に関する説明図である。
図5】調整部材の調整動作に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0012】
図1は、本発明に係る実施形態である眼鏡に関する概略構成図であり、図1(a)は眼鏡1に関する平面図、図1(b)は眼鏡1に関する正面図、図1(c)は眼鏡1に関する側面図をそれぞれ示している。
【0013】
眼鏡1は、一対のレンズを保持するフロント部材10及びフロント部材10の両側に取り付けられた一対の調整部材12を介して一対のテンプル部材11が連結されている。調整部材12は、フロント部材10及びテンプル部材11にそれぞれヒンジを介して連結されている。
【0014】
調整部材12を取り付ける場合、フロント部材10及びテンプル部材11を直接ヒンジで連結している通常の眼鏡に対して、ヒンジを外してフロント部材10及びテンプル部材11の間に調整部材12を挿入し、調整部材12の両側をヒンジで連結することで調整部材12を簡単に取り付けることができる。そのため、調整部材12の長さ分だけテンプル部材11を延長することが可能となり、眼鏡1の両側部分の前後方向の長さを調整することができる。
【0015】
図2は、調整部材12に関する斜視図である。調整部材12は、細幅でU字状に形成された一対の保持部材からなる調整部12a及び棒状に形成された支持部12bを備えている。調整部12aの一対の保持部材は、所定の間隔を空けて上下に配置されて一方の端部にはヒンジを構成するコマ部となるフロント側連結部12cが一体形成されており、他方の端部には固定部12eが一体形成されている。支持部12bは、調整部12aの一対の保持部材の間に横切るように挿入されて一方の端部が固定部12eにろう付け等により接続固定されており、他方の端部にはヒンジを構成するコマ部となるテンプル側連結部12dが形成されている。
【0016】
調整部12a及び支持部12bは金属材料により成形されており、支持部12bは、調整部12aよりも高強度の材料を用いて形成されており、調整部12aに比べて変形しにくくなっている。この例では、支持部12bはベータチタン等の高強度の金属材料を用いて形成されており、調整部12aよりも断面積が大きくなっている。また、調整部12aはチタン等の金属材料を用いて成形されており、支持部12bよりも断面積が小さくなっているため、曲げやねじりといった力に対して支持部12bよりも変形しやすくなっている。
【0017】
そのため、フロント部材10側に連結される調整部12aは、テンプル部材11に連結される支持部12bに比べて変形しやすいため、調整部12aに曲げやねじりを加えて変形することで、テンプル部材11の左右方向の開き角度やフロント部材10に対する前傾角度等を容易に調整することができる。このように、調整部12aに比べて支持部12bが高剛性となるように使用する金属材料や形状を適宜設定することで、テンプル部材11を支持部12bで安定した状態で支持しながら、調整部12aにおいてテンプル部材11のフロント部材10に対する取付状態をきめ細かく調整することが可能となる。
【0018】
また、棒状の支持部12bを挟むようにその両側に一対の保持部材からなる調整部12aが配設されているので、テンプル部材11に連結した支持部12bを両側から保持した状態で変形するようになり、変形した調整状態で支持部12bを安定して保持するようになる。
【0019】
図3から図5は、調整部材12の調整動作に関する説明図である。まず、調整部材12の調整部12aに対して一対の保持部材を左右両側から挟むように力を加えて(矢印参照)曲げ変形させて固定部12eの位置をフロント部材10の端部に近接した位置となるように調整する(図3)。このように固定部12eの位置調整を行うことで、固定部12eが外方に突出して何かに不用意に引っ掛かるといったトラブルを回避することができる。
【0020】
次に、支持部12bの端部が接続固定された固定部12eを把持した状態でテンプル部材11を左右方向に移動させるように調整部12aの保持部材を変形させることでテンプル部材11の左右方向の開き角度を調整する(図4)。その際に、支持部12bの軸方向を中心に固定部12eを回転させる方向にねじるように調整部12aを変形させることでテンプル部材11の上下方向の開き角度を調整することもできる。
【0021】
次に、テンプル部材11を上下方向に移動させてフロント部材10に対する前傾角度を調整する(図5)。この場合、テンプル部材11に連結された支持部12bは調整部12aよりも高剛性に設定されているため、テンプル部材11の上下方向の移動により調整部12aが変形するようになる。
【0022】
以上説明したように、調整部材12を変形することでフロント部材10に対するテンプル部材11の取付状態を容易に調整することができ、調整部材12の変形により調整しているので安定した調整状態を実現することができる。なお、上述した例では、調整部材12の調整部12aは、細幅でU字状の保持部材を用いているが、保持部材の形状は特に限定されることはなく、これ以外の形状であってもよい。
【符号の説明】
【0023】
1・・・眼鏡、10・・・フロント部材、11・・・テンプル部材、12・・・調整部材、12a・・・調整部、12b・・・支持部、12c・・・連結部、12d・・・連結部、12e・・・固定部
図1
図2
図3
図4
図5