特開2020-27227(P2020-27227A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-27227(P2020-27227A)
(43)【公開日】2020年2月20日
(54)【発明の名称】治具
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/56 20060101AFI20200124BHJP
   F16M 13/00 20060101ALI20200124BHJP
   G03B 15/02 20060101ALI20200124BHJP
   H04N 5/222 20060101ALI20200124BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20200124BHJP
   F16M 11/04 20060101ALI20200124BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20200124BHJP
【FI】
   G03B17/56 B
   F16M13/00 S
   G03B15/02 T
   H04N5/222 100
   H04N5/225 600
   H04N5/225 100
   F16M11/04 M
   F21V19/00 213
   F21V19/00 214
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-153550(P2018-153550)
(22)【出願日】2018年8月17日
(71)【出願人】
【識別番号】518295255
【氏名又は名称】岡田 孝雄
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】特許業務法人 インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120237
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 良規
(74)【代理人】
【識別番号】100152098
【弁理士】
【氏名又は名称】林 剛史
(72)【発明者】
【氏名】岡田 孝雄
【テーマコード(参考)】
2H105
3K013
5C122
【Fターム(参考)】
2H105EE00
3K013AA01
3K013EA03
3K013EA09
5C122EA01
5C122EA42
5C122GD01
5C122GD04
5C122GD16
5C122GE03
5C122GG01
(57)【要約】
【課題】照射体を安定して固定でき、雲台に照射体を取り付けた際の重量バランスが良好な治具を提供すること。
【解決手段】治具30は、台座11を備えた雲台10に被写体を照射するための照射体20を取り付ける治具30であって、照射体20を載置可能な領域を有する本体31と、本体31の下端面に設けられ、着脱可能に前記台座に固定する雲台固定手段35と、前記本体31上に照射体20を固定する照射体固定手段50と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座を備えた雲台に被写体を照射するための照射体を取り付ける治具であって、
前記照射体を載置可能な領域を有する本体と、
前記本体の下端面に設けられ、着脱可能に前記台座に固定する雲台固定手段と、
前記本体上に照射体を固定する照射体固定手段と、
を備える治具。
【請求項2】
前記雲台固定手段は、
前記台座の一部に係合可能な係合部を備え、
前記係合部は、本体の長さ方向に複数設けられている請求項1に記載の治具。
【請求項3】
前記照射体固定手段は、前記照射体を挟持する一対の側壁部を備え、
前記側壁部は、前記照射体に対して近接又は離反する方向に弾性力を有する請求項1又は2に記載の治具。
【請求項4】
前記側壁部には、前記照射体に予め形成された凸部又は凹部と係合可能な係合部が形成されている請求項3に記載の治具。
【請求項5】
前記側壁部は、前記照射体に対して近接又は離反する方向に移動可能である請求項3又は4に記載の治具。
【請求項6】
前記照射体固定手段は、前記本体との間で前記照射体を挟持するアームを備え、前記アームは長さ調整可能である請求項1又は2に記載の治具。
【請求項7】
前記本体は、下端面両側が面取りされている請求項6に記載の治具。
【請求項8】
前記本体は、両側に鉛直方向に貫通する貫通孔を有し、前記貫通孔に前記アームが取り付けられている請求項6又は7に記載の治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストロボ等の照明器具を雲台に固定するための治具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信システムの発達により、従来、カメラ等の撮影装置に直接取り付けられていたストロボ等の照射体(照射装置と称される場合もある)を、撮影装置から切り離してワイヤレスで使用することができるようになっている。
【0003】
照射体を撮影装置と切り離して使用する場合、照射体は三脚や所定のスタンドに雲台を介して取り付けられる。なお、照射体は、所定の治具を介して雲台に取り付けられるが、治具との接続には、予め下端部に設けられている撮影装置との接続用の接続部が用いられる。
【0004】
ところで、雲台には、照射体とともに照射体から出力される光を反射させるための反射傘等が取り付けられて使用される場合がある。通常、反射傘は、雲台の台座に近い位置に反射傘の中心軸が固定されるものの、中折れ式の照射体等の中型以上の大きさを有する照射体を用いるような場合、発光面が雲台の台座から離れた場所に位置するため、反射傘の中心と発光面の位置が合わず本来の効果を発揮できない。このような課題を解決するために、照射体と反射傘を取り付け可能であって、照射体の発光面が反射傘の中心軸に隣接配置可能な治具が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−54133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように照射体を雲台に取り付けるための従来の治具は、照射体に予め設けられている接続部が用いられるが、接続部は照射体の下端部に設けられており、特に中型以上の大きさを有する照射体を用いる場合、照射体は重量バランスが非常に悪い状態で雲台に取り付けられるために転倒するおそれがある。また、雲台と照射体の接続部との接続部分には過度な負担がかかるため、経年使用により接続部分に取付ガタを生じ易く、照射体の脱落や光軸の変化などの使用上の不具合が生じる原因となっている。また、この種の治具は、照射体が脱落せずに安定して照射体を固定できるものが求められる。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、照射体を安定して固定可能であって、雲台に照射体を取り付けた際の重量バランスが良好な治具を提供することを主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る治具(30)は、台座(11)を備えた雲台(10)に被写体を照射するための照射体(20)を取り付ける治具であって、前記照射体を載置可能な領域を有する本体(31)と、前記本体の下端面に設けられ、着脱可能に前記台座に固定する雲台固定手段(35)と、前記本体上に照射体を固定する照射体固定手段(50)と、を備えている。
【0009】
また、上記の治具において、前記雲台固定手段は、前記台座から突出する突出部(11b)に係合可能な係合部(36)を備え、前記係合部は、本体の長さ方向に複数設けられていてもよい。
【0010】
また、上記の治具において、前記照射体固定手段は、前記照射体を挟持する一対の側壁部(82)を備え、前記側壁部は、前記照射体に対して近接又は離反する方向に弾性力を有していてもよい。
【0011】
また、上記の治具において、前記側壁部には、前記照射体に予め形成された凸部又は凹部と係合可能な係合部(83)が形成されていてもよい。
【0012】
また、上記の治具において、前記側壁部は、前記照射体に対して近接又は離反する方向に移動可能であってもよい。
【0013】
また、上記の治具において、前記照射体固定手段は、前記本体との間で前記照射体を挟持するアーム(50)を備え、前記アームは長さ調整可能であってもよい。
【0014】
また、上記の治具において、前記本体は、下端面両側が面取りされていてもよい。
【0015】
また、上記の治具において、前記本体は、前記面取りされた領域に鉛直方向に貫通する貫通孔を有し、前記貫通孔に前記アームが取り付けられていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本開示の実施の形態に係る治具によれば、重量バランスを良好に保ちつつ、簡単且つ確実に雲台に安定して照射体を固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示の第1の実施の形態に係る治具の装着例を示す模式図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は右側面図である。
図2】本開示の第1の実施の形態に係る治具の外観例を示す模式図である。
図3】本開示の第1の実施の形態に係る治具の底面図である。
図4】本開示の第2の実施の形態に係る治具の装着例を示す模式図であり、治具に照射体を装着する前の状態を示す模式図である。
図5】本開示の第2の実施の形態に係る治具の装着例を示す模式図であり、治具に照射体を装着した状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示の各実施の形態に係る治具について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施の形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、各実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0019】
(第1の実施の形態)
本開示の第1の実施の形態に係る治具30は、図1(a)、(b)に示すように、雲台10に固定されて使用され、治具30には、例えば、ストロボ等の照射体20が固定される。また、雲台10は、例えば、三脚や自立可能なスタンド等に取り付けられて使用される。
【0020】
図1図2に示すように、本開示の第1の実施の形態に係る治具30は、雲台10に着脱可能に取り付けられる本体31と、本体31上に載置される照射体20の周縁を覆うアーム50とを備える。照射体20はアーム50によって本体31に固定される。なお、アーム50は、照射体固定手段を構成する。
【0021】
また、本体31の中央部には、前後方向に延びる弾性体70が設けられており、照射体20は弾性体70とアーム50との間で挟持されて本体31に固定される。
【0022】
図1に示すように、一例としての雲台10は、下方鉛直方向に延びる短軸11aを備えた水平な平面部を有する板状の台座11と、この台座11を回転軸を中心に傾動可能な球状の傾動部材12と、この傾動部材12を嵌入する凹部13aを備えた台座受け部13と、台座受け部13の下方鉛直方向に延び、三脚に装着される軸体14と、傾動部材12を所定の傾き角で固定する固定ねじ15と、を備えている。
【0023】
台座受け部13の上端には、前後方向に延びるスロット13bが設けられており、台座11は、短軸11aがこのスロット13bにより案内されて傾倒可能である。
【0024】
固定ねじ15は、手動操作可能な操作体と、操作体から台座受け部13内に延びる軸(図示しない)を備え、この軸は、台座受け部13内で傾動部材12に係合してこの傾動部材12の回転をロック又はアンロックする図示しない係合体と連絡する。そして、傾動部材12は、固定ねじ15の回転により係合体と係合することで回転不能に制御され、係合体との係合を解除することで回転可能に制御される。
【0025】
一例としての照射体20は、写真撮影等において被写体を照射するためのストロボと称される照明器具であり、図示しないカメラ等の撮影装置と無線又は有線にて接続され、撮影装置によって発光制御される。
【0026】
照射体20は、例えば、発光制御等の操作のための液晶等を背面に有する本体部21と発光面22aを備える照射部22が枢軸23を介して屈曲可能に分離して配置され、本体部21と照射部22とが段階的に屈曲可能となっており、発光面22aから発光される光の照射角度を変更可能となっている。
【0027】
そして本実施形態では、図1に示すように、照射体固定手段としてのアーム50によって照射体20の照射部22が治具30に固定可能となっている。本開示の第1の実施の形態に係る治具30によれば、照射体20に予め設けられている接続部を使用せずに、治具30の表面上に照射体20の照射部22を面接触させて雲台10の台座11上に固定できる。これにより、接続部を使用した従来の取付手法よりも重心が下がり重量バランスを良好に保つことができ、結果、三脚等に照射体20を安定して保持できる。また、本開示の第1の実施の形態に係る治具30によれば、照射体20の発光面22aを雲台10の台座11近傍に配置可能であるため、反射傘とともに使用する場合に、傘の中心近傍に発光面22aが配置しやすく、発光位置等の位置調整を行うことを要しない。
【0028】
図2に示すように、本開示の第1の実施の形態に係る治具30は、照射体20の照射部22を載置可能な平面部31aを有する本体31を備えている。図示する形態の本体31は、雲台10の台座11よりも広い領域を有しているが、雲台10の台座11よりも狭い領域を有するものであってもよい。
【0029】
本体31の材料について特に限定はなく、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、鉄、鉄ニッケル合金、チタン、チタン合金等を例示できる。本体31の形状について特に限定はなく、少なくとも照射体20の一部領域を接触させて載置可能な大きさを有する形状であればよい。図2に示す形態では、平面視において、前方部が照射体20の幅程度の大きさを有し、後方部が内側に絞り込まれる板状を呈している。
【0030】
また、本体31の平面部31a上の少なくとも一部に、弾性体70を設けてもよい。弾性体70を設けることで照射体20に対するアーム50の固定力を安定して維持できる。図示する形態では、平面部31a上の中央部に、前後方向に延びる板状の弾性体70が設けられており、照射体20は弾性体70とアーム50との間で挟持されて本体31に固定されている。また、平面部31a上に、別箇独立する複数の弾性体70を設けてもよい。弾性体70の材料としては、シリコーンゴム、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、フッ素ゴム、天然ゴム、ポチエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂等を例示できる。また、上記弾性体70の材料にかえて、クッション性を有する材料を用いてもよい。クッション部材の材料としては、発泡ポリウレタン、スポンジ材等を例示できる。
【0031】
図3に示すように、本体31は、治具30を雲台10に着脱可能に固定する雲台固定部35を備えている。雲台固定部35は、雲台固定手段を構成する。一例としての雲台固定部35は、図3に示すように、本体31の下端面中央部の前後方向に形成される雲台固定用孔部36を有している。一例としての雲台固定用孔部36は、図1に示すように、雲台10の台座11から上方に突出するように設けられている雄ねじに螺合可能な雌ねじが形成されている。雄ねじは、突出部を構成し、雌ねじは、係合部を構成する。本体31は、突出部としての雄ねじと、係合部としての雌ねじの螺合によって雲台10の台座11上に着脱可能に固定される。
【0032】
図3に示す形態の治具30では、雲台10の台座11上において本体31の取付位置を調整するために、雲台固定用孔部36が、本体31の中央部前後方向(本体31の長さ方向)に複数形成されている(図示する形態では、直列に3つ形成されている)。図示する形態の治具30によれば、複数の雲台固定用孔部36の何れかを適宜選択し、選択された雲台固定用孔部36に雲台10の雄ねじ11bを取り付けることで、雲台10の台座11に対する治具30の固定位置を前後方向に調整できる。
【0033】
また、治具30は、照射体20を取り付けた際の安定化を図るため、照射体20の大きさに応じてその重心が雲台10の中心軸付近に位置するように雲台10に対する固定位置が調整される。図1(a)、(b)に示す形態では、本体部21と照射部22が屈曲された状態で、本開示の実施の形態に係る治具30により、雲台10の台座11上に、照射体20が固定されているが、本体部21と照射部22を屈曲させない状態で、本開示の実施の形態に係る治具30により、雲台10の台座11上に、照射体20を固定することもできる。
【0034】
なお、雲台固定用孔部36の数や位置は特に限定されるものではないが、複数設けることが好ましい。
【0035】
また、図3に示す形態では、本体31の下端面両側は面取りされており、図1に示すように、本体31は、雲台10の台座11との間に隙間を有して配置可能である。
【0036】
図3に示す形態の本体31では、台座11の表面が治具30と同じ又は広い領域を有する場合においても、面取りによって本体31の下端面両側と台座11の間に隙間をつくることができる。これにより、本開示の第1の実施の形態に係る治具30の本体31を、雲台10の台座11に載置する際に、本体31を把持する手が台座11に接触しにくくでき、治具30の本体31を雲台10の台座11上に位置決め又は設置しやすくできる。
【0037】
また、図3に示す形態では、本体31の面取りされた領域に、左右両側の前後にそれぞれ2つのベルト取付用孔部51、52が形成されており、ベルト取付用孔部51、52には、照射体20を固定するアーム50が取り付けられている。ベルト取付用孔部は、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
【0038】
アーム50は、前後のベルト取付用孔部51、52のそれぞれに取り付けられる左右一対の前方ベルト50a及び後方ベルト50bを備えており、ベルト取付用孔部51、52は、鉛直方向に貫通し前後方向に延びる長孔であって、この前方ベルト50a又は後方ベルト50bが挿入可能な大きさを有している。
【0039】
前方ベルト50a及び後方ベルト50bは、例えば、帯状に形成された樹脂製(例えば、樹脂繊維)や、ゴム製の材料が用いられ、柔軟性を有して屈曲自在に形成されている。
【0040】
図3に示す形態では、前方ベルト50aは、左前方ベルト56と右前方ベルト57を備え、各ベルト56、57は、一端が本体31のベルト取付用孔部51に挿通された上で折り返されて同一の各ベルト56、57に固着されてベルト取付用孔部51に取り付けられる。
【0041】
同様に、後方ベルト50bは、左後方ベルト58と右後方ベルト59を備え、各ベルト58、59は、一端が本体31のベルト取付用孔部52に挿通された上で折り返されて同一の各ベルト58、59に固着されてベルト取付用孔部52に取り付けられる。
【0042】
左前方ベルト56及び左後方ベルト58の他端側の外側表面先端部には、例えば、フックを有する第1の面ファスナ61が設けられており、左前方ベルト56及び左後方ベルト58の内側表面部には、第1の面ファスナ61のフックと結合可能なループを有する第2の面ファスナ63が設けられている。
【0043】
また、右前方ベルト57と右後方ベルト59の他端側先端部には、左前方ベルト56と左後方ベルト58を通して折り返すための環状に形成された略矩形のリング65が取り付けられている。リング65は、調整手段を構成する。
【0044】
そして、左前方ベルト56は、リング65を通して折り返され、図1及び図2に示すように、第1の面ファスナ61が第2の面ファスナ63に結合して、照射体20の前方部を締め付ける。同様に、左後方ベルト58は、リング65を通して折り返され、図1及び図2に示すように、第1の面ファスナ61が第2の面ファスナ63に結合して、照射体20の後方部を締め付ける。ファスナ以外の構成により、照射体20を締め付けることもできる。
【0045】
したがって、アームは長さ調整可能となっており、照射体20の種々の大きさに対応可能である。
【0046】
このように照射体20は、前方ベルト50a及び後方ベルト50bによって締め付けられて本体31に固定される。また、本体31と照射体20の間には弾性体70が配置されているため、前方及び後方ベルト50a、50bによる多少のゆるみがあっても、弾性体70の弾性力により各ベルト50a、50bが照射体20の筐体に密着して所定の挟持力を維持したまま、本体31との間で照射体20を固定保持するため、位置ずれするおそれがない。したがって、照射体20の本体31からの脱落を容易に防止できる。
【0047】
また、上記の各ベルトにおいて、ベルトと照射体20と接する部分の一部、或いは全部に、グリップ層を設けてもよい。この形態のベルトによれば、ベルトと照射体とをグリップさせることができ、照射体の本体31からの脱落をより効果的に防止できる。グリップ層の材料としては、ベルトの表面摩擦力よりも、その摩擦力が高い材料を用いればよい。
【0048】
以上に説明したように本開示の第1の実施の形態に係る治具30は、簡単且つ確実に雲台10に照射体20を安定して固定できる。また、本体31と照射体20との間に弾性体70を配置することで、経年使用によってアーム50の取付ガタや緩みが生じてもこの弾性体70の弾性力によって照射体20を固定する固定力を維持でき、照射体20を安定して保持(固定)できる。よって、簡易な構成で取付ガタや緩みの発生による本体31からの照射体20の脱落を防止できる。
【0049】
また、本開示の第1の実施の形態に係る治具30によれば、簡単な操作で雲台10への治具30の脱着や治具30への照射体20の脱着が可能であるため、簡単に照射体20を雲台10に取付又は脱着可能であるとともに、その取付や脱着に要する時間の短縮化を容易に図れ、作業効率を高めることが可能である。
【0050】
また、予め設けられている既存の部品を用いて治具30を雲台10に取付可能であるため、汎用性が高い。
【0051】
(治具の使用方法)
本開示の第1の実施の形態に係る治具30は、例えば、三脚に雲台10が装着された状態において、雲台10の台座11に取り付けて使用できる。
【0052】
一例としての使用方法では、本開示の第1の実施の形態に係る治具30の本体31上に照射体20の照射部22を載置した後、照射体20を、前後に設けられる前方ベルト50a及び後方ベルト50bで構成されるアーム50によって本体31との間で締め付けることで固定できる。
【0053】
本開示の第1の実施の形態に係る治具30では、弾性体70が照射体20と本体31の間に配置されているため、長期に亘って固定力を維持しつつ照射体20を安定して保持できる。
【0054】
一例としての使用方法では、本開示の第1の実施の形態に係る治具30の本体31が、雲台固定部35として機能する雲台固定用孔部36の雌ねじと台座11上に設けられている雄ねじの螺合によって、雲台10の台座11上に固定される。なお、複数の雲台固定用孔部36の中から固定用に用いられる雲台固定用孔部36が選択可能であるため、重量バランスを考慮して、雲台10の台座11上における治具30の固定位置を調整することができる。
【0055】
(第2の実施の形態)
本開示の第2の実施の形態に係る治具は、本体31として機能する基部81と、アーム50として機能する側壁部82が一体的に形成されている点で、上記本開示の第1の実施の形態に係る治具と異なる。また、本開示の第1の実施の形態に係る治具が、アーム50を締め付けることによって照射体20を固定するのに対して、本開示の第2の実施の形態に係る治具は、アームとして機能する側壁部82が照射体20を挟持するようにして本体の両側から起立して設けられ、この側壁部82には、照射体20に予め形成された凹凸部に係合可能な係合部が形成されている点で異なる。以下、本開示の第2の実施の形態に係る治具について、上記本開示の第1の実施の形態に係る治具との相違点を中心に説明する。なお、相違点以外については、上記本開示の第1の実施の形態に係る治具の構成を適宜選択して用いることができる。
【0056】
図4に示すように、本開示の第2の実施の形態に係る治具30Aは、本開示の第1の実施の形態に係る治具30の本体31として機能する照射体20を載置可能な領域を有する基部81と、この基部81の前方両側から上方に立設し弾性変形可能な側壁部82と、を備え、樹脂成形等により基部81と側壁部82とが一体的に形成されている。側壁部82は、照射体固定手段を構成する。
【0057】
側壁部82の上端部には、前後方向にわたって内側に突出する突出部83を備え、この突出部83は内側に斜辺を有する略三角形状に形成されている。突出部83は、係合部を構成する。
【0058】
一方、照射体20の照射部22を構成する筐体22aの両側壁には、治具30Aの突出部83と係合可能であって、突出部83を案内するレール部85を予め備えている。レール部85は前後方向に延びて形成され、突出部83をレール部85に沿って案内可能である。
【0059】
そして、本開示の第2の実施の形態に係る治具30Aは、例えば、突出部83をレール部85の後端部に係合して治具30Aの後方から前方に照射体20を移動することで、図5に示すように、照射体20を固定する。また、治具30Aを樹脂等によって形成することで、側壁部82は、照射体20に対して近接又は離反する方向に弾性力を有するため、この弾性変形によって、レール部85に突出部83を簡単に係合させ、照射体20を保持することができる。また、基部81の両側に設けられる側壁部82を分離して、側壁部のみを基部81の幅方向(照射体20に近接又は離反する方向)に移動可能とすることで、照射体20の大きさに適宜対応することが可能であり便利である。
【0060】
なお、図示しないが、照射体20の脱落を防止する脱落防止機構を備えることが好ましい。脱落防止機構は、例えば、レール部の一部に設けられた凸部と、突出部の一部にレール部の凸部と嵌合可能な凹部と、を備え、レール部85に突出部83を係合して移動した際に凹部と凸部が嵌り込むことで照射体20が所定の位置で治具30Aに固定される。
【0061】
また、一例としての基部81は、その下端面に、本開示の第1の実施の形態の治具と同様に、雲台固定部35としての複数の雲台固定用孔部36が形成されており、雲台10との固定にこの雲台固定用孔部36が選択されて用いられる。
【0062】
また、照射体20に設けられているレール部85は凹部ではなく凸部でもよい。また、一方向に長さを有するものでなく、その形状は限定されるものではない。例えば、照射体20の側面の一部から突出する突出部(凸部)であっても構わない。この場合、側壁部82には、凸部に係合可能な凹部が形成される。この形態によれば、側壁部82に形成されている凹部の位置によって、第2の実施の形態に係る治具に固定される照射体20の固定位置が決定される。第2の実施の形態に係る治具に固定される照射体20の固定位置を可変できるように、側壁部82に、照射体20が有する凸部と嵌合可能な複数の凹部を形成してもよい。
【0063】
以上に説明したように本開示の第2の実施の形態に係る治具30Aは、本体80と一体的に形成された側壁部82によって照射体20を固定可能である。また、本開示の第1の実施の形態に係る治具と比較して、樹脂の射出成形により製造できるため、製造コストの低減化が図れる。
【0064】
なお、本開示の第2の実施の形態では、照射体20の筐体にレール部85を形成しているが、側壁部82に形成された突出部83を照射部22の筐体22aの両側の上部隅に係合させる形態としても構わない。この場合、側壁部82を樹脂等で構成し、その弾性力によって照射体20が保持される。このようにすれば、照射体側に凹部を形成する必要がなく製造コストの低減化を図れるとともに、簡単に照射体を治具に保持することができる。
【0065】
また、突出部83の形状は特に限定されるものではなく、照射体を基部上に載置した際に、照射体20が基部81から脱落することなく保持できればどのような形状であっても構わない。
【0066】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られることはなく、本発明の要旨を変更しない範囲において、種々の変更が可能であり、例えば、各実施の形態の構成を適宜組み合わせることが可能である。また、例えば、各実施の形態では、面ファスナを用いて一対のバンドを連結する形態としているが、コネクタの嵌合により一対のバンドを連結する形態であっても構わない。また、帯状に形成したゴムなどの弾性体の両端を左右一対の孔部に取り付けて、その弾性力(付勢力)によって照射体を本体に固定する形態であっても構わない。
【0067】
また、各実施の形態では、台座に突出部が形成されていることを前提としているため、本体に孔部を形成したが、台座に孔部を形成して本体に突出部を形成しても構わない。また、本実施形態の雲台固定手段は螺合によって固定するものであるが、嵌合によって固定する形態等の本体と台座は何らかの係合手段によって固定できればどのような構成であっても構わない。
【符号の説明】
【0068】
10 雲台
11 台座
20 照射体
30、30A 治具
31 本体
35 雲台固定部
50 アーム
図1
図2
図3
図4
図5