特開2020-27300(P2020-27300A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-27300(P2020-27300A)
(43)【公開日】2020年2月20日
(54)【発明の名称】曲げ加工装置及び曲げ加工方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20200124BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20200124BHJP
【FI】
   G09F9/00 338
   G02F1/13 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-138549(P2019-138549)
(22)【出願日】2019年7月29日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0095043
(32)【優先日】2018年8月14日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】519260120
【氏名又は名称】エーピーエス ホールディングス コーポレイション
(71)【出願人】
【識別番号】510223380
【氏名又は名称】エーピー システムズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム サンオ
(72)【発明者】
【氏名】チョン イルキュ
(72)【発明者】
【氏名】イム サンヒョク
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒョク
【テーマコード(参考)】
2H088
5G435
【Fターム(参考)】
2H088FA19
2H088HA01
2H088HA05
2H088HA06
5G435AA06
5G435EE47
5G435KK05
5G435KK10
(57)【要約】
【課題】板状対象体を曲げ加工する曲げ加工装置及び曲げ加工方法を提供する。
【解決手段】板状の曲げ加工対象体10の一方の側を支持して固定するステージ部110と、曲げ加工対象体10の他方の側を支持・固定し、可動に配設される曲げ加工部120と、曲げ加工部120に連結されて回転軸RAを中心として曲げ加工部120を回転させる回転駆動部130とを備える。曲げ加工対象体10は、曲げ加工部120と回転駆動部130とにより回転半径が回転角度に応じて変化する軌跡で曲げ加工される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲げ加工装置であって、
板状の曲げ加工対象体の一方の側を支持して固定するステージ部と、
前記曲げ加工対象体の他方の側を支持・固定し、可動に配設される曲げ加工部と、
前記曲げ加工部に連結されて回転軸を中心として前記曲げ加工部を回転させる回転駆動部と、
を備え、
前記曲げ加工対象体は、前記曲げ加工部と前記回転駆動部とにより回転半径が回転角度に応じて変化する軌跡で曲げ加工される曲げ加工装置。
【請求項2】
請求項1に記載の曲げ加工装置において、
前記曲げ加工部は、予め選択された曲げ半径により決定される曲げ加工軸を中心として曲げ弧が形成されるように前記曲げ加工対象体を曲げ加工させ、
前記回転軸の位置は、前記曲げ加工軸の位置とは異なる曲げ加工装置。
【請求項3】
請求項2に記載の曲げ加工装置において、
前記回転軸と前記曲げ加工軸との離間距離は、前記曲げ弧の長さに応じて決定される曲げ加工装置。
【請求項4】
請求項3に記載の曲げ加工装置において、
前記回転軸は、前記曲げ弧の長さの40〜60%の長さに見合う分だけ前記曲げ加工軸から前記曲げ加工対象体の延在方向に離間する曲げ加工装置。
【請求項5】
請求項1に記載の曲げ加工装置において、
前記回転駆動部は、前記回転軸を移動させて前記曲げ加工軸から離間させる回転軸移動部材を備える曲げ加工装置。
【請求項6】
請求項1に記載の曲げ加工装置において、
予め選択された曲げ半径に応じて、前記曲げ加工対象体の曲げ加工のための目標軌跡を決定する目標軌跡決定部をさらに備える曲げ加工装置。
【請求項7】
請求項1に記載の曲げ加工装置において、
前記曲げ加工部に連結され、前記曲げ加工部を回転半径方向に移動させて前記曲げ加工対象体の他方の側の回転軌跡を調整する線形駆動部をさらに備える曲げ加工装置。
【請求項8】
請求項7に記載の曲げ加工装置において、
前記線形駆動部は、曲げ加工角度別の前記回転軸を中心とした真円軌跡と目標軌跡との差間隔を反映して、前記曲げ加工角度別に前記差間隔を打ち消す方向に前記曲げ加工部を移動させる曲げ加工装置。
【請求項9】
請求項1に記載の曲げ加工装置において、
前記曲げ加工対象体は、ディスプレイパネル、前記ディスプレイパネルを駆動する駆動回路が実装されたフィルム部材、及び、前記ディスプレイパネルと連結される軟性プリント回路基板のうちの少なくともどちらか一つを備える曲げ加工装置。
【請求項10】
曲げ加工方法であって、
ステージ部に板状の曲げ加工対象体の一方の側を支持して固定する過程と、
可動に配設された曲げ加工部に前記曲げ加工対象体の他方の側を支持・固定する過程と、
前記曲げ加工部に連結される回転駆動部を介して回転軸を中心として前記曲げ加工部を回転させる過程と、
を含み、
前記曲げ加工対象体は、回転半径が回転角度に応じて変化する軌跡で曲げ加工される曲げ加工方法。
【請求項11】
請求項10に記載の曲げ加工方法において、
前記曲げ加工部を回転させる過程においては、前記曲げ加工対象体が曲げ加工されて予め選択された曲げ半径により決定される曲げ加工軸を中心として曲げ弧を形成するように前記曲げ加工部を回転させ、
前記回転軸の位置は、前記曲げ加工軸の位置とは異なる曲げ加工方法。
【請求項12】
請求項11に記載の曲げ加工方法において、
前記回転軸と前記曲げ加工軸との離間距離は、前記曲げ弧の長さに応じて決定される曲げ加工方法。
【請求項13】
請求項12に記載の曲げ加工方法において、
前記回転軸は、前記曲げ弧の長さの40〜60%の長さに見合う分だけ前記曲げ加工軸から前記曲げ加工対象体の延在方向に離間する曲げ加工方法。
【請求項14】
請求項10に記載の曲げ加工方法において、
前記回転軸を移動させて前記曲げ加工軸から離間させる過程をさらに含む曲げ加工方法。
【請求項15】
請求項10に記載の曲げ加工方法において、
予め選択された曲げ半径に応じて、前記曲げ加工対象体の曲げ加工のための目標軌跡を決定する過程をさらに含む曲げ加工方法。
【請求項16】
請求項10に記載の曲げ加工方法において、
前記曲げ加工部に連結される線形駆動部を介して前記曲げ加工部を回転半径方向に移動させて、前記曲げ加工対象体の他方の側の回転軌跡を調整する過程をさらに含む曲げ加工方法。
【請求項17】
請求項16に記載の曲げ加工方法において、
前記回転軌跡を調整する過程は、曲げ加工角度別の前記回転軸を中心とした真円軌跡と目標軌跡との差間隔を反映して、前記曲げ加工角度別に前記差間隔を打ち消す方向に前記曲げ加工部を移動させて行われる曲げ加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曲げ加工(ベンディング)装置及び曲げ加工方法に係り、さらに詳しくは、板状の曲げ加工対象体を曲げ加工する曲げ加工装置及び曲げ加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ装置は、マルチメディアの発達と伴い、その重要性が増しつつある。これに応えて、液晶表示装置(Liquid Crystal Display;LCD)、有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display;OLED)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel;PDP)、電気泳動表示装置(Electro Phoretic Display;EPD)などの多種多様なディスプレイ装置が用いられている。
【0003】
近年は、ポータブルな移動型(mobile)電子機器が幅広く用いられている。そのような移動型電子機器としては、例えば、スマートフォン(smartphone)などの小型電子機器がある。その他、タブレット(tablet)PCなども広く用いられている。
【0004】
この種の移動型電子機器は、様々な機能に対応したり、イメージまたは映像などの視覚情報をユーザーに提供したりするために、ディスプレイ装置を備える。近年では、そのディスプレイ装置の駆動部は小型化している。それに伴い、ディスプレイ装置は、電子機器において占める比重が大きくなる傾向にあり、平らな状態で所定の角度を有するように折り曲げ可能な構造も開発されている。
【0005】
また、携帯電話、テレビなどのディスプレイ装置の空間活用度を高め、ベゼル(bezel)を減らすために、ディスプレイパネルに貼り付けられた回路フィルムを曲げ加工している。このとき、所望の曲げ半径(または、曲率半径)を有するように回路フィルムを曲げ加工することに伴い、大きく曲げられることで回路フィルムに無理な力が加わり、回路フィルムに、物理的及び/又は電気的なダメージが与えられてしまうという問題があった。特に、保護フィルム、金属箔、接着層若しくは粘着層などから構成された、脆弱な回路フィルムの場合、さらに深刻な問題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許公報第10−2013−0011263号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、曲げ加工に際して曲げ加工対象体の歪みを最小化させて無理な曲げ応力を減らすことのできる曲げ加工装置及び曲げ加工方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る曲げ加工装置は、板状の曲げ加工対象体の一方の側を支持して固定するステージ部と、前記曲げ加工対象体の他方の側を支持・固定し、可動に配設される曲げ加工部と、前記曲げ加工部に連結されて回転軸を中心として前記曲げ加工部を回転させる回転駆動部と、を備え、前記曲げ加工対象体は、前記曲げ加工部と前記回転駆動部とにより回転半径が回転角度に応じて変化する軌跡で曲げ加工されてもよい。
【0009】
また、前記曲げ加工部は、予め選択された曲げ加工半径により決定される曲げ加工軸を中心として曲げ弧が形成されるように前記曲げ加工対象体を曲げ加工させ、前記回転軸の位置は、前記曲げ加工軸の位置とは異なってもよい。
【0010】
さらに、前記回転軸と前記曲げ加工軸との離間距離は、前記曲げ弧の長さに応じて決定されてもよい。
【0011】
さらにまた、前記回転軸は、前記曲げ弧の長さの40〜60%の長さに見合う分だけ前記曲げ加工軸から前記曲げ加工対象体の延在方向に離間してもよい。
【0012】
さらにまた、前記回転駆動部は、前記回転軸を移動させて前記曲げ加工軸から離間させる回転軸移動部材を備えていてもよい。
【0013】
さらにまた、前記曲げ加工装置は、予め選択された曲げ加工半径に応じて、前記曲げ加工対象体の曲げ加工のための目標軌跡を決定する目標軌跡決定部をさらに備えていてもよい。
【0014】
さらにまた、前記曲げ加工装置は、前記曲げ加工部に連結され、前記曲げ加工部を回転半径方向に移動させて、前記曲げ加工対象体の他方の側の回転軌跡を調整する線形駆動部をさらに備えていてもよい。
【0015】
さらにまた、前記線形駆動部は、曲げ加工角度別の前記回転軸を中心とした真円軌跡と目標軌跡との差間隔を反映して、前記曲げ加工角度別に前記差間隔を打ち消す方向に前記曲げ加工部を移動させてもよい。
【0016】
さらにまた、前記曲げ加工対象体は、ディスプレイパネル、前記ディスプレイパネルを駆動する駆動回路が実装されたフィルム部材及び前記ディスプレイパネルと連結される軟性プリント回路基板のうちの少なくともどちらか一つを備えていてもよい。
【0017】
また、本発明の他の実施形態に係る曲げ加工方法は、ステージ部に板状の曲げ加工対象体の一方の側を支持して固定する過程と、可動に配設された曲げ加工部に前記曲げ加工対象体の他方の側を支持・固定する過程と、前記曲げ加工部に連結される回転駆動部を介して回転軸を中心として前記曲げ加工部を回転させる過程と、を含み、前記曲げ加工対象体は、回転半径が回転角度に応じて変化する軌跡で曲げ加工されてもよい。
【0018】
また、前記曲げ加工部を回転させる過程においては、前記曲げ加工対象体が曲げ加工されて予め選択された曲げ加工半径により決定される曲げ加工軸を中心として曲げ弧を形成するように前記曲げ加工部を回転させ、前記回転軸の位置は、前記曲げ加工軸の位置とは異なってもよい。
【0019】
さらに、前記回転軸と前記曲げ加工軸との離間距離は、前記曲げ弧の長さに応じて決定されてもよい。
【0020】
さらにまた、前記回転軸は、前記曲げ弧の長さの40〜60%の長さに見合う分だけ前記曲げ加工軸から前記曲げ加工対象体の延在方向に離間してもよい。
【0021】
さらにまた、前記曲げ加工方法は、前記回転軸を移動させて前記曲げ加工軸から離間させる過程をさらに含んでいてもよい。
【0022】
さらにまた、前記曲げ加工方法は、予め選択された曲げ加工半径に応じて、前記曲げ加工対象体の曲げ加工のための目標軌跡を決定する過程をさらに含んでいてもよい。
【0023】
さらにまた、前記曲げ加工方法は、前記曲げ加工部に連結される線形駆動部を介して前記曲げ加工部を回転半径方向に移動させて、前記曲げ加工対象体の他方の側の回転軌跡を調整する過程をさらに含んでいてもよい。
【0024】
さらにまた、前記回転軌跡を調整する過程は、曲げ加工角度別の前記回転軸を中心とした真円軌跡と目標軌跡との差間隔を反映して、前記曲げ加工角度別に前記差間隔を打ち消す方向に前記曲げ加工部を移動させて行われてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の実施形態に係る曲げ加工装置は、可動の曲げ加工部により回転半径が回転角度に応じて変化する軌跡で曲げ加工対象体を曲げ加工することができる。これにより、曲げ加工対象体が曲げ加工される過程において、曲げ加工対象体の歪みを最小化させて曲げ加工対象体が受ける無理な曲げ応力を減らすことができる。
【0026】
また、曲げ加工部を回転させる回転軸の位置と、曲げ加工対象体の曲げ加工軸の位置とを異ならせて、曲げ加工対象体が曲げ加工されながら曲げ加工対象体の一方の側と接する曲げ弧の終端に曲げ応力が集中することを防ぐことができ、曲げ応力を曲げ弧に全体的に分散させることができる。これにより、部分的に受けてしまう曲げ応力の最大値を下げることができ、各部分における周辺領域との歪み及び/又は曲げ応力の差をも減らすことができ、曲げ加工対象体の歪みと、曲げ加工対象体に加えられる曲げ応力を全体的に減らすことができる。
【0027】
そして、線形駆動部を介して曲げ加工部を回転半径方向に移動させて、曲げ加工対象体の他方の側の回転軌跡を調整することにより、曲げ加工対象体の他方の側が真円軌跡ではなく、目標軌跡で回転するようにできる。また、曲げ加工対象体が曲げ加工されながら曲げ加工対象体に無理な曲げ応力が加えられることを防ぐことができ、曲げ加工対象体の曲げ加工過程における曲げ加工対象体の歪みと、曲げ加工対象体に加えられる曲げ応力を最小化させることができる。
【0028】
一方、回転軸を曲げ弧の長さの40〜60%(約50%)の長さに見合う分だけ曲げ加工軸から曲げ加工対象体の延在方向に離間させる場合は、曲げ加工部の移動を極力抑えることができる。これにより、曲げ加工対象体の歪みを最小化させて、曲げ加工対象体に加えられる無理な曲げ応力を最小化させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】実施形態に係る曲げ加工装置を示す概略断面図である。
図2】実施形態に係る曲げ加工装置を用いた曲げ加工対象体の曲げ加工を順次に示す手順図である。
図3】実施形態に係る回転軸を中心とした真円軌跡と目標軌跡との差を説明するための図である。
図4】他の実施形態に係る曲げ加工方法を示す手順図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態をより詳しく説明する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態に具体化され、単にこれらの実施形態は本発明の開示を完全たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。本発明を説明するに当たって、同じ構成要素に対しては同じ参照符号を付し、図面は、本発明の実施形態を正確に説明するために大きさが部分的に誇張されてもよく、図中、同じ符号は、同じ構成要素を指し示す。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態に係る曲げ加工装置を示す概略断面図である。
【0032】
そして、図2は、本発明の一実施形態に係る曲げ加工装置を用いた曲げ加工対象体の曲げ加工を順次に示す手順図であり、図2の(a)は、曲げ加工前を示し、図2の(b)は、曲げ加工角度が0〜90°である位置を示し、図2の(c)は、曲げ加工目標位置(例えば、曲げ加工角度が180°である位置)を示す。
【0033】
また、図3は、本発明の一実施形態に係る回転軸を中心とした真円軌跡と目標軌跡との差を説明するための図である。図3の(a)は、回転軸を中心とした真円軌跡と目標軌跡を示す図であり、図3の(b)は、曲げ加工角度別の回転軸を中心とした真円軌跡と目標軌跡との差間隔を示すグラフである。
【0034】
図1から図3を参照すると、本発明の一実施形態に係る曲げ加工装置100は、板状の曲げ加工対象体10の一方の側を支持して固定するステージ部110と、曲げ加工対象体10の他方の側を支持・固定し、可動に配設される曲げ加工部120と、曲げ加工部120に連結されて回転軸RAを中心として曲げ加工部120を回転させる回転駆動部130と、を備えていてもよい。
【0035】
ステージ部110は、板状の曲げ加工対象体10の一方の側を支持して固定してもよく、曲げ加工対象体10が載置される空間を提供してもよく、曲げ加工対象体10を曲げ加工する間に曲げ加工対象体10の一方の側を固定してもよい。
【0036】
ここで、曲げ加工対象体10は、板状であってもよく、薄い板状を有する部材であってもよく、可撓性(flexibility)を有して曲げられたり、折り曲げられたりしてもよい。曲げ加工対象体10は、曲げ加工ができればよく、その種類に特に制限はない。
【0037】
例えば、曲げ加工対象体10は、ディスプレイパネル11、ディスプレイパネル11を駆動する駆動回路が実装されたフィルム部材(Film Integrated circuit;FI)、及びディスプレイパネル11と連結される軟性プリント回路基板(Flexible Printed Circuit Board;FPCB)12のうち、少なくともいずれか一つを備えていてもよい。曲げ加工対象体10は、ディスプレイパネル11、フィルム部材FI、軟性プリント回路基板12の全てから構成されていてもよく、ディスプレイパネル11、フィルム部材FI、軟性プリント回路基板12のそれぞれから構成されてもよい。このとき、曲げ加工領域は、ディスプレイパネル11、フィルム部材FI、軟性プリント回路基板12のうちのいずれか一つに存在してもよく、二つ以上の部材を跨いで位置してもよい。
【0038】
ディスプレイパネル11は、表示パネル、タッチスクリーンパネル(Touch Screen Panel;TSP)またはタッチユニットであってもよく、フレキシブルな性質を有してもよく、曲げられる(bendable)、折り曲げられる(foldable)、または巻き上げられる(rollable)材質または構造からなって、曲げられたり、折り曲げられたり、巻き上げられたりしてもよい。
【0039】
フィルム部材FIは、ディスプレイパネル11の駆動回路(または、電子素子)が実装されてもよく、可撓性を有してもよく、曲げられたり、折り曲げられたりできる。例えば、駆動回路は、信号線、パッド及び電極などを備えていてもよいが、その種類がこれに制限されることはない。
【0040】
軟性プリント回路基板12は、ディスプレイパネル11と接続されてもよく、可撓性を有する回路基板であってもよい。ディスプレイパネル11の片面に取り付けられてディスプレイパネル11に必要な信号を出力してもよい。
【0041】
曲げ加工部120は、曲げ加工対象体10の他方の側を支持・固定してもよく、可動に配設されてもよい。例えば、曲げ加工部120は、真空吸着方式または接着方式を用いて曲げ加工対象体10の他方の側を固定してもよく、曲げ加工対象体10の片面に接触されて固定してもよいが、曲げ加工部120の固定方式は、これらに何ら制限されない。ここで、曲げ加工部120は、曲げ加工対象体10を曲げ加工する間に曲げ加工対象体10の他方の側を固定してもよい。
【0042】
曲げ加工対象体10の一方の側はステージ部110に固定され、曲げ加工対象体10の他方の側は曲げ加工部120に固定されて、曲げ加工部120の移動により曲げ加工対象体10が曲げられて曲げ加工されてもよい。これについての詳細な説明は、以下において行う。
【0043】
回転駆動部130(図2参照)は、曲げ加工部120に連結されて回転軸RAを中心として曲げ加工部120を回転させてもよく、曲げ加工部120の回転により曲げ加工対象体10が曲げ加工されてもよい。このとき、回転駆動部130は、曲げ加工対象体10の他方の側を真円軌跡で回転させ、曲げ加工対象体10が折り曲げられることなく曲げ弧(Arc)Aを形成するために、曲げ加工部120を曲げ加工角度に応じて回転半径方向に移動させてもよい。
【0044】
すなわち、曲げ弧Aを形成すれば、曲げ弧Aにより曲げ加工角度別に曲げ加工対象体10のうち、回転する部分の長さが短くなって、真円軌跡と、曲げ加工対象体10の他方の側が回転(または、移動)すべき目標軌跡OTとの間に差が出てしまう。これにより、目標軌跡OTに合わせて曲げ加工対象体10の他方の側の位置を調整しない場合は、曲げ加工対象体10に無理な曲げ応力が加えられる。そのため、曲げ加工部120を曲げ加工角度に応じて回転半径方向に移動させ、曲げ加工角度別に曲げ加工対象体10の他方の側の位置を調整してもよい。
【0045】
そして、曲げ加工対象体10は、曲げ加工部120と回転駆動部130とにより回転半径が回転角度(または、位置)に応じて変化する軌跡で曲げ加工されてもよい。曲げ加工対象体10は、回転駆動部130による曲げ加工部120の回転及び/又は曲げ加工部120の移動により回転半径が回転角度(または、曲げ加工角度)に応じて変化する軌跡で曲げ加工されてもよい。
【0046】
例えば、インボリュート弧(Involute Arc)IAの軌跡で曲げ加工対象体10の他方の側が回転して曲げ加工されてもよい。これにより、曲げ加工対象体10が折り曲げられることなく曲げ弧Aを形成して、曲げ加工対象体10が折り曲げられる部分において大きな曲げ応力が生じることを防ぐことができる。なお、曲げ弧Aを形成する場合でも、曲げ加工対象体10に無理な曲げ応力が加えられることがなく、曲げ加工対象体10が曲げ加工される過程において曲げ加工対象体10の歪みを最小化させて曲げ加工対象体10が受ける無理な曲げ応力を減らすことができる。
【0047】
曲げ加工部120は、予め選択(または、設定)された曲げ半径により決定される曲げ加工軸BAを中心として曲げ弧Aが形成されるように曲げ加工対象体10を曲げ加工してもよく、回転軸RAの位置は、曲げ加工軸BAの位置とは異なってもよい。
【0048】
すなわち、曲げ加工対象体10は、曲げ加工されて予め選択された曲げ半径により決定される曲げ加工軸BAを中心として曲げ弧Aを形成してもよい。曲げ加工対象体10を回転半径が回転角度に応じて変化する軌跡で曲げ加工すると、曲げ加工対象体10が曲げ加工軸BAを中心として曲げ弧Aを形成することができる。
【0049】
これにより、曲げ加工対象体10が折り曲げられることがなく、曲げ加工対象体10が折り曲げられる部分において大きな曲げ応力が生じることを防ぐことができる。ここで、曲げ半径は、予め選択されてもよく、所望の(または、必要とする)曲げ半径として選択してもよく、曲げ加工対象体10が用いられる製品の要求条件及び/又は曲げ加工対象体10の特性などを考慮して決定してもよい。
【0050】
ここで、曲げ加工軸BAは、ステージ部110に固定される曲げ加工対象体10の一方の側と曲げ加工対象体10の自由(部分)との境界(部分)において予め選択された曲げ半径に見合う分だけ上部に(または、上に)離間して位置してもよい。例えば、ステージ部110の端部(または、終端)から、予め選択された曲げ半径に見合う分だけ上部に離間して位置してもよい。このとき、曲げ加工対象体10の自由部分は、ステージ部110に固定される曲げ加工対象体10の一方の側と、曲げ加工部120に固定される曲げ加工対象体10の他方の側との間の、固定されずに自由に曲げ加工され得る(または、歪まれ得る)部分であってもよい。
【0051】
そして、回転駆動部130は、曲げ加工軸BAとは異なる位置に位置する回転軸RAを中心として曲げ加工部120を回転させてもよい。従来法では、曲げ加工軸BAと同じ回転軸を中心として曲げ加工対象体10を曲げ加工する。そのため、曲げ加工対象体10の一方の側と接する曲げ弧Aの終端に曲げ応力が集中してしまうという問題があった。
【0052】
これにより、曲げ加工対象体10において曲げ弧Aの終端が途切れたり(または、破断したり)断線されたりするなど、曲げ加工対象体10に、物理的及び/又は電気的なダメージが生じるという問題があった。なお、曲げ加工軸BAを中心とした真円軌跡BCは、目標軌跡OTと差が大きく出て、曲げ加工軸BAと同じ回転軸を中心として曲げ加工対象体10を曲げ加工する場合は、ステージ部110及び/又は曲げ加工部120を、多く移動させなければならないという問題もある。
【0053】
しかしながら、本発明では、曲げ加工軸BAとは異なる位置の回転軸RAを中心として曲げ加工部120を回転させる。そうすることにより、曲げ加工対象体10が曲げ加工されながら、曲げ加工対象体10の一方の側と接する曲げ弧Aの終端に曲げ応力が集中してしまうことを防ぐことができるので、曲げ応力を曲げ弧Aに全体的に分散させることができる。
【0054】
これにより、部分的に受けてしまう曲げ応力(または、歪み)の最大値を下げることができる。各部分における周辺領域との歪み及び/又は曲げ応力の差をも減らすことができる。更には、曲げ加工対象体10の歪みと、曲げ加工対象体10に加えられる曲げ応力を全体的に減らすことができる。
【0055】
なお、回転軸RAを中心とした真円軌跡RCは、目標軌跡OTとの差が曲げ加工軸BAを中心とした真円軌跡BCよりも減ってもよい。しかしながら、回転軸RAが曲げ加工軸BAから離間し過ぎると、回転軸RAを中心とした真円軌跡RCの回転半径が減って目標軌跡OTとの差が大きくなることもある。
【0056】
回転駆動部130は、回転軸RAを移動させて曲げ加工軸BAから離間させる回転軸移動部材(図示せず)を備えていてもよい。回転軸移動部材(図示せず)は、回転軸RAを移動させてもよく、回転軸RAの移動を通じて回転軸RAを曲げ加工軸BAから離間させてもよい。回転軸移動部材(図示せず)を介して予め選択された曲げ半径(または、前記曲げ弧の長さ)に応じて回転軸RAを移動させてもよい。
【0057】
そして、予め選択された曲げ半径に見合う回転軸RAの位置において曲げ加工部120を回転させてもよく、曲げ加工対象体10の歪みと曲げ加工対象体10に加えられる曲げ応力を最小化させて曲げ加工対象体10を曲げ加工してもよい。なお、回転軸RAの移動を通じて予め選択された曲げ半径を実現してもよい。
【0058】
曲げ加工装置100は、予め選択された曲げ半径に応じて、曲げ加工対象体10の曲げ加工のための目標軌跡を決定する目標軌跡決定部(図示せず)をさらに備えていてもよい。
【0059】
目標軌跡決定部(図示せず)は、曲げ加工対象体10の歪み及び/又は曲げ加工対象体10に加えられる曲げ応力を最小化させながら、曲げ加工対象体10を曲げ加工可能な目標軌跡OTを決定してもよく、予め選択された曲げ半径に応じて、目標軌跡OTを決定してもよい。ここで、目標軌跡OTは、曲げ加工対象体10の曲げ加工のためのものであってもよく、曲げ加工対象体10の他方の側が回転すべき回転軌跡であってもよい。
【0060】
例えば、目標軌跡OTは、曲げ弧Aにより曲げ加工角度別に曲げ加工対象体10のうちの回転する部分の長さが比例的に短くなることを反映したインボリュート弧IAの軌跡として決定されてもよい。曲げ弧Aを形成するための曲げ加工対象体10の他方の側の回転軌跡は、曲げ加工角度別に曲げ加工軸BAを中心とした真円軌跡BCの半径よりも比例的に回転半径が減ることになる。これにより、曲げ加工軸BAを中心とした真円軌跡BCの半径とインボリュート弧IAの半径との比例式を用いて目標軌跡OTを決定(または、生成)してもよく、シミュレーティング(simulating)を通じて目標軌跡OTを決定してもよい。
【0061】
曲げ加工装置100は、曲げ加工部120に連結され、曲げ加工部120を回転半径方向に移動させて、曲げ加工対象体10の他方の側の回転軌跡を調整する線形駆動部140をさらに備えていてもよい。
【0062】
線形駆動部140は、曲げ加工部120に連結されてもよく、曲げ加工部120を回転半径方向に(すなわち、線形に)移動させて曲げ加工対象体10の他方の側の回転軌跡を調整してもよい。線形駆動部140を用いる場合は、回転駆動部130で曲げ加工部120を回転させながら曲げ加工部120を一軸方向(または、回転半径に対して水平方向)に移動させるだけでも、曲げ加工部120を回転半径方向に移動させることができ、簡単に曲げ加工対象体10の他方の側の回転軌跡を調整することができる。
【0063】
すなわち、曲げ加工部120の回転角度θと、曲げ加工部120の回転半径方向の移動距離Rだけを変更して、簡単に曲げ加工対象体10の他方の側の回転軌跡を調整することができる。線形駆動部140は、一軸方向にのみ曲げ加工部120を移動させて曲げ加工対象体10の他方の側の回転軌跡を精度よく制御することができ、構成が簡単でありながらも、急激な曲げ加工部120の移動がないので、線形駆動部140の駆動に無理が生じない。これにより、線形駆動部140の耐久性が向上する。
【0064】
仮に、曲げ加工対象体10の他方の側の回転軌跡を調整(または、補正)するために曲げ加工対象体10の一方の側を支持して固定するステージ部110を移動させると、ステージ部110は、回転する構成ではないため、水平方向の二つの軸(すなわち、x軸とy軸)だけではなく、垂直方向(すなわち、z軸)にもステージ部110を移動させなければならず、水平方向と垂直方向の三つの軸を同時に制御することにより、精度よい制御を行うことが困難になる。
【0065】
なお、水平方向と垂直方向の三つの軸へのステージ部110の頻繁且つ微細な位置移動により、ステージ部110を移動させるボールスクリューやモータなどへのダメージを引き起こし、ステージ部110の耐久性が低下することが懸念される。
【0066】
ここで、線形駆動部140は、微細な駆動アクチュエータを備えていてもよく、線形駆動部140の構成は、これに特に限定されることなく、曲げ加工部120を回転半径方向に微細に駆動できればよい。
【0067】
そして、線形駆動部140は、曲げ加工角度別の回転軸RAを中心とした真円軌跡RCと目標軌跡OTとの差間隔を反映して、前記曲げ加工角度別に前記差間隔を打ち消す方向に曲げ加工部120を移動させてもよい。
【0068】
回転駆動部130は、曲げ加工対象体10の他方の側を真円軌跡で回転させるため、回転軸RAの移動後であっても、回転軸RAを中心とした真円軌跡RCと目標軌跡OTとの間に差が出ることがある。これにより、線形駆動部140を介して回転軸RAを中心とした真円軌跡RCと目標軌跡OTとの差間隔を打ち消す方向に曲げ加工部120を移動させて、曲げ加工対象体10の他方の側の回転軌跡が目標軌跡OTと略同様に(例えば、全く同一に、若しくは、軌跡がなす面積の±10%の誤差が生じるように)してもよい。
【0069】
ここで、回転軸RAを中心とした真円軌跡RCと目標軌跡OTとを求め(または、決定し)、曲げ加工角度別の差間隔を得てもよい。これを反映して、各前記曲げ加工角度において曲げ加工対象体10の他方の側を目標軌跡OTで移動させることにより、曲げ加工対象体10の他方の側の回転軌跡が目標軌跡OTと略同様になるようにできる。
【0070】
回転軸RAと曲げ加工軸BAとの離間距離は、曲げ弧Aの長さに応じて決定されてもよい。曲げ弧Aの長さに応じて、曲げ加工目標位置(例えば、曲げ加工角度が180°である位置)における曲げ加工軸BAを中心とした真円軌跡BCの位置と、曲げ加工対象体10の他方の側の位置との距離差が生じる。これを通じて、回転軸RAと曲げ加工軸BAとの離間距離を決定することができる。
【0071】
例えば、回転軸RAと曲げ加工軸BAとの離間距離は、曲げ弧Aの長さに比例してもよい。曲げ弧Aの長さが長いほど、回転軸RAと曲げ加工軸BAとの離間距離を長くでき、曲げ弧Aに加えられる曲げ応力を曲げ弧Aの長さを沿って全体的に分散させることができるだけではなく、曲げ加工部120の移動量を減らすこともできる。
【0072】
このとき、回転軸RAを中心とした真円軌跡RCを目標軌跡OTと略同様にできる位置に回転軸RAを移動させてもよい。
【0073】
回転軸RAは、曲げ弧Aの長さの40〜60%の長さに見合う分だけ曲げ加工軸BAから曲げ加工対象体10の延在方向に離間してもよい。回転軸RAを曲げ弧Aの長さの40〜60%(約50%)の長さに見合う分だけ曲げ加工軸BAから曲げ加工対象体10の延在方向に離間させる場合は、回転軸RAを中心とした真円軌跡RCを目標軌跡OTと最も同様にできる。
【0074】
これにより、曲げ加工対象体10の他方の側の曲げ加工角度別の位置(または、回転軌跡)を調整するための曲げ加工部120の回転半径方向への移動(量)を極力抑えることができる。また、曲げ加工部120の移動が極力抑えられることにより、曲げ加工部120の移動が曲げ加工対象体10に及ぼす影響を最小化させることができる。
【0075】
そして、目標軌跡OTと回転軸RAを中心とした真円軌跡RCとの差が小さなため、目標軌跡OTに合わせて容易に曲げ加工部120を回転半径方向に移動させることができる。すなわち、曲げ加工部120の移動を極力抑えることができ、これにより、曲げ加工対象体10の歪みを最小化させて曲げ加工対象体10に加えられる無理な曲げ応力を最小化させることができる。
【0076】
そして、回転軸RAを曲げ弧Aの長さの40〜60%の長さに見合う分だけ曲げ加工軸BAから曲げ加工対象体10の延在方向に離間させる場合は、曲げ加工部120を曲げ加工軸BAに近づく方向(または、曲げ加工軸BAに向く方向)と、曲げ加工軸BAから遠ざかる方向(または、外郭方向)の両方向に移動させることができる。曲げ弧Aの長さの40〜60%の範囲から外れる場合は、曲げ加工部120が曲げ加工軸BAに近づく方向または曲げ加工軸BAから遠ざかる方向のうちのどちらか一方の方向にしか移動しないことになる。
【0077】
そして、曲げ加工対象体10の一方の側と接する曲げ弧Aの終端(または、一方の端)から曲げ加工対象体10の他方の側と接する曲げ弧Aの終端(または、他方の端)まで曲げ弧Aの各部分に加えられる曲げ応力(または、歪み)が次第に増減して曲げ弧Aの両端の曲げ応力(または、歪み)の差が大きくなることがあり、曲げ弧Aの両端のうちのどちらか一方の終端に曲げ応力が集中する虞がある。これにより、曲げ弧Aの終端が途切れたり断線されたりするなど曲げ加工対象体10に物理的及び/又は電気的なダメージが生じることが懸念される。
【0078】
すなわち、曲げ加工対象体10または曲げ弧Aの終端に片側方向(または、曲げ加工軸BAに近づくか、あるいは、曲げ加工軸BAから遠ざかる方向)にのみ力が作用して疲労破壊が起こる虞があり、曲げ弧Aがきれいに形成されず、片側方向に押し潰されて形成される虞もある。
【0079】
しかしながら、回転軸RAを曲げ弧Aの長さの40〜60%の長さに見合う分だけ曲げ加工軸BAから曲げ加工対象体10の延在方向に離間させると、曲げ加工部120を曲げ加工軸BAに近づく方向と、曲げ加工軸BAから遠ざかる方向の両方向に微細に移動させて曲げ弧Aの両端のうちのどちらか一方の終端に曲げ応力が集中したり、曲げ弧Aの両端の曲げ応力(または、歪み)の差が大きくなったりすることを防ぐことができ、曲げ弧Aの各部分に加えられる曲げ応力(または、歪み)の差がほとんど出ないようにできる。
【0080】
一方、線形駆動部140は、回転軸RAを曲げ弧Aの長さの40〜60%の長さに見合う分だけ曲げ加工軸BAから曲げ加工対象体10の延在方向に離間させる場合、0〜90°の曲げ加工角度において回転軸RAを中心とした真円軌跡RCよりも内側において曲げ加工部120を移動させてもよく、90〜180°の曲げ加工角度において回転軸RAを中心とした真円軌跡RCよりも外側において曲げ加工部120を移動させてもよい。
【0081】
ここで、回転軸RAを中心とした真円軌跡RCとは、曲げ加工対象体10の他方の側を初期(または、最初)の長さで同様に回転軸RAを中心として回転させる軌跡のことをいう。曲げ加工対象体10を曲げ加工する曲げ加工角度を0〜90°の曲げ加工角度と90〜180°の曲げ加工角度とに二分化させてもよい。
【0082】
0〜90°の曲げ加工角度においては、回転軸RAを中心とした真円軌跡RCよりも内側(または、回転軸RAを中心とした真円軌跡と回転軸RAとの間)において曲げ加工部120を移動させてもよく、90〜180°の曲げ加工角度においては、回転軸RAを中心とした真円軌跡RCよりも外側(回転軸RAを中心とした真円軌跡の外郭)において曲げ加工部120を移動させてもよい。
【0083】
このとき、回転軸RAを曲げ加工軸BAから離間させて、曲げ加工対象体10を曲げ加工する曲げ加工角度を、回転軸RAを中心とした真円軌跡RCよりも内側において曲げ加工部120を移動させる曲げ加工角度と、回転軸RAを中心とした真円軌跡RCよりも外側において曲げ加工部120を移動させる曲げ加工角度とに二分化させてもよい。曲げ弧Aの長さの40〜60%の長さに見合う分だけ回転軸RAを曲げ加工軸BAから離間させる場合、曲げ加工対象体10を曲げ加工する曲げ加工角度を0〜90°の曲げ加工角度と90〜180°の曲げ加工角度とに二分化させてもよい。
【0084】
この場合、曲げ加工部120を曲げ加工軸BAに近づく方向と、曲げ加工軸BAから遠ざかる方向の両方向に微細に移動させて、曲げ弧Aの両端のうちのどちらか一方の終端に曲げ応力が集中したり、曲げ弧Aの両端の曲げ応力(または、歪み)の差が大きくなったりすることを防ぐことができ、曲げ弧Aの各部分に加えられる曲げ応力(または、歪み)の差もほとんど出ないようにできる。
【0085】
また、曲げ加工対象体10の他方の側の曲げ加工角度別の位置を調整するための曲げ加工部120の回転半径方向への移動(量)を極力抑えることができる。曲げ加工部120の移動が極力抑えられることにより、曲げ加工部120の移動が曲げ加工対象体10に及ぼす影響を最小化させることができ、曲げ弧Aを形成する曲げ加工対象体10の他方の側の回転軌跡に合わせて容易に曲げ加工部120を移動させることができる。
【0086】
一方、回転軸RAを中心とした真円軌跡RCと目標軌跡OTとが略同様であることは、曲げ加工対象体10を曲げ加工する曲げ加工角度が回転軸RAを中心とした真円軌跡RCよりも内側において曲げ加工部120を移動させる曲げ加工角度と、回転軸RAを中心とした真円軌跡RCよりも外側において曲げ加工部120を移動させる曲げ加工角度とに二分化された場合であってもよい。
【0087】
図4は、本発明の他の実施形態に係る曲げ加工方法を示す手順図である。
【0088】
図4に基づいて、本発明の他の実施形態に係る曲げ加工方法を詳述するが、本発明の一実施形態に係る曲げ加工装置に関連して上述した部分と重複する事項は省略する。
【0089】
本発明の他の実施形態に係る曲げ加工方法は、ステージ部に板状の曲げ加工対象体の一方の側を支持して固定する過程(S100)と、可動に配設された曲げ加工部に曲げ加工対象体の他方の側を支持・固定する過程(S200)と、曲げ加工部に連結される回転駆動部を介して回転軸を中心として曲げ加工部を回転させる過程(S300)と、を含んでいてもよい。
【0090】
まず、ステージ部に板状の曲げ加工対象体の一方の側を支持して固定する(S100)。ステージ部は、板状の曲げ加工対象体の一方の側を支持して固定してもよく、曲げ加工対象体が載置される空間を提供してもよく、曲げ加工対象体を曲げ加工する間に曲げ加工対象体の一方の側を固定してもよい。
【0091】
次いで、可動に配設された曲げ加工部に、曲げ加工対象体の他方の側を支持・固定する(S200)。曲げ加工部は、可動に配設されてもよく、曲げ加工対象体の他方の側を支持・固定してもよい。例えば、曲げ加工部は、真空吸着方式または接着方式を用いて、曲げ加工対象体の他方の側を固定してもよく、曲げ加工対象体の片面に接触されて固定してもよく、曲げ加工対象体を曲げ加工する間に曲げ加工対象体の他方の側を固定してもよい。
【0092】
次いで、曲げ加工部に連結される回転駆動部を介して回転軸を中心として曲げ加工部を回転させる(S300)。回転駆動部は、曲げ加工部に連結されて回転軸を中心として曲げ加工部を回転させてもよく、曲げ加工部の回転により曲げ加工対象体が曲げ加工されてもよい。
【0093】
曲げ加工対象体は、回転半径が回転角度に応じて変化する軌跡で曲げ加工されてもよい。回転駆動部は、曲げ加工対象体の他方の側を真円軌跡で回転させ、曲げ加工対象体が折り曲げられることなく曲げ弧を形成するために、曲げ加工部を曲げ加工角度に応じて回転半径方向に移動させてもよい。
【0094】
これにより、曲げ加工対象体は、回転駆動部による曲げ加工部の回転及び/又は曲げ加工部の移動により回転半径が回転角度に応じて変化する軌跡(例えば、インボリュート弧の軌跡)で曲げ加工され得る。これを通じて、曲げ加工対象体が折り曲げられることなく曲げ弧を形成して、曲げ加工対象体が折り曲げられる部分において大きな曲げ応力が生じることを防ぐことができ、曲げ弧を形成する場合であっても、曲げ加工対象体に無理な曲げ応力が加えられることがない。なお、曲げ加工対象体が曲げ加工される過程において、曲げ加工対象体の歪みを最小化させて、曲げ加工対象体が受ける無理な曲げ応力を減らすことができる。
【0095】
曲げ加工部を回転させる過程(S300)においては、曲げ加工対象体が曲げ加工されて予め選択された曲げ半径により決定される曲げ加工軸を中心として曲げ弧を形成するように曲げ加工部を回転させてもよく、回転軸の位置は、曲げ加工軸の位置とは異なってもよい。
【0096】
曲げ加工対象体を回転半径が回転角度に応じて変化する軌跡で曲げ加工すると、曲げ加工対象体が曲げ加工軸を中心として曲げ弧を形成することができる。これにより、曲げ加工対象体が折り曲げられることがなく、曲げ加工対象体が折り曲げられる部分において大きな曲げ応力が生じることを防ぐことができる。
【0097】
そして、回転駆動部は、曲げ加工軸とは異なる位置に位置する回転軸を中心として曲げ加工部を回転させてもよい。曲げ加工軸とは異なる位置の回転軸を中心として曲げ加工部を回転させることにより、曲げ加工対象体が曲げ加工されながら曲げ加工対象体の一方の側と接する曲げ弧の終端に曲げ応力が集中してしまうことを防ぐことができ、曲げ応力を曲げ弧に全体的に分散させることができる。
【0098】
これにより、部分的に受けてしまう曲げ応力(または、歪み)の最大値を下げることができ、各部分における周辺領域との歪み及び/又は曲げ応力の差をも減らすことができ、曲げ加工対象体の歪みと曲げ加工対象体に加えられる曲げ応力を全体的に減らすことができる。
【0099】
本発明に係る曲げ加工方法は、回転軸を移動させて曲げ加工軸から離間させる過程(S250)をさらに含んでいてもよい。
【0100】
曲げ加工部を回転させる過程(S300)の前に、回転軸を移動させて、曲げ加工軸から離間させてもよい(S250)。回転軸移動部材を介して回転軸を移動させてもよく、回転軸の移動を通じて回転軸を曲げ加工軸から離間させてもよい。このとき、予め選択された曲げ半径(または、曲げ弧の長さ)に応じて回転軸を移動させてもよい。
【0101】
そして、予め選択された曲げ半径に見合う回転軸の位置において曲げ加工部を回転させてもよく、曲げ加工対象体の歪みと曲げ加工対象体に加えられる曲げ応力を最小化させて曲げ加工対象体を曲げ加工してもよい。なお、回転軸の移動を通じて予め選択された曲げ半径を実現してもよい。
【0102】
本発明に係る曲げ加工方法は、予め選択された曲げ半径に応じて、曲げ加工対象体の曲げ加工のための目標軌跡を決定する過程(S340)をさらに含んでいてもよい。目標軌跡決定部を介して曲げ加工対象体の歪み及び/又は曲げ加工対象体に加えられる曲げ応力を最小化させながら、曲げ加工対象体を曲げ加工可能な目標軌跡を決定してもよく、予め選択された曲げ半径に応じて、目標軌跡を決定してもよい。ここで、目標軌跡は、曲げ加工対象体の曲げ加工のためのものであってもよく、曲げ加工対象体の他方の側が回転すべき回転軌跡であってもよい。
【0103】
例えば、目標軌跡は、曲げ弧により曲げ加工角度別に曲げ加工対象体のうちの回転する部分の長さが比例的に減ったことを反映したインボリュート弧の軌跡として決定されてもよい。曲げ弧を形成するための曲げ加工対象体の他方の側の回転軌跡は、曲げ加工角度別に曲げ加工軸を中心とした真円軌跡の半径よりも比例的に回転半径が減ってしまう。このため、曲げ加工軸を中心とした真円軌跡の半径とインボリュート弧の半径との比例式を通じて目標軌跡を決定(または、生成)してもよく、シミュレーティングを通じて目標軌跡を決定してもよい。
【0104】
回転軸と曲げ加工軸との離間距離は、曲げ弧の長さに応じて決定されてもよい。曲げ弧の長さに応じて、曲げ加工目標位置における真円軌跡の位置と、曲げ加工対象体の他方の側の位置との距離差が生じ、これを通じて、回転軸と曲げ加工軸との離間距離を決定することができる。例えば、回転軸と曲げ加工軸との離間距離は、曲げ弧の長さに比例してもよい。曲げ弧の長さが長いほど、回転軸と曲げ加工軸との離間距離を長くでき、曲げ弧に加えられる曲げ応力を曲げ弧の長さに沿って全体的に分散させることができるだけではなく、曲げ加工部の移動(量)を減らすこともできる。
【0105】
回転軸は、曲げ弧の長さの40〜60%の長さに見合う分だけ曲げ加工軸から曲げ加工対象体の延在方向に離間してもよい。回転軸を曲げ弧の長さの40〜60%(約50%)の長さに見合う分だけ曲げ加工軸から曲げ加工対象体の延在方向に離間させる場合は、曲げ弧を形成する曲げ加工対象体の他方の側の回転軌跡と最も同様の回転軸を中心とした真円軌跡を形成してもよい。
【0106】
これにより、曲げ加工対象体の他方の側の曲げ加工角度別の位置(または、回転軌跡)を調整するための曲げ加工部の回転半径方向への移動(量)を極力抑えることができる。また、曲げ加工部の移動が極力抑えられることにより、曲げ加工部の移動が曲げ加工対象体に及ぼす影響を最小化させることができる。曲げ弧を形成する曲げ加工対象体の他方の側の回転軌跡と回転軸を中心とした真円軌跡との差が小さいため、曲げ弧を形成する曲げ加工対象体の他方の側の回転軌跡に合わせて容易に曲げ加工部を回転半径方向に移動させることができる。すなわち、曲げ加工部の移動を極力抑えることができ、これにより、曲げ加工対象体の歪みを最小化させて曲げ加工対象体に加えられる無理な曲げ応力を最小化させることができる。
【0107】
曲げ加工部に連結される線形駆動部を介して曲げ加工部を回転半径方向に移動させて、曲げ加工対象体の他方の側の回転軌跡を調整する過程(S350)をさらに含んでいてもよい。
【0108】
そして、曲げ加工部に連結される線形駆動部を介して曲げ加工部を回転半径方向に移動させて、曲げ加工対象体の他方の側の回転軌跡を調整してもよい(S350)。線形駆動部は、曲げ加工部に連結されてもよく、曲げ加工部を回転半径方向に移動させて、曲げ加工対象体の他方の側の回転軌跡を調整してもよい。
【0109】
線形駆動部を用いる場合は、回転駆動部で曲げ加工部を回転させながら曲げ加工部を一軸方向に移動させるだけでも、曲げ加工部を回転半径方向に移動させることができ、簡単に曲げ加工対象体の他方の側の回転軌跡を調整することができる。線形駆動部は、一軸方向にのみ曲げ加工部を移動させて、曲げ加工対象体の他方の側の回転軌跡を精度よく制御することができ、構成が簡単でありながらも、急激な曲げ加工部の移動がないので、線形駆動部の駆動に無理が生じることがなく、これにより、線形駆動部の耐久性が向上する。
【0110】
回転軌跡を調整する過程(S350)は、曲げ加工角度別の回転軸を中心とした真円軌跡と目標軌跡との差間隔を反映して、曲げ加工角度別に差間隔を打ち消す方向に曲げ加工部を移動させて行われてもよい。
【0111】
回転駆動部は、曲げ加工対象体の他方の側を真円軌跡で回転させるため、回転軸の移動後であっても、回転軸を中心とした真円軌跡と目標軌跡とに差が出ることがある。これにより、線形駆動部を介して回転軸を中心とした真円軌跡と目標軌跡との差間隔を打ち消す方向に曲げ加工部を移動させて、曲げ加工対象体の他方の側の回転軌跡が目標軌跡と略同様に(例えば、全く同一に、若しくは、軌跡がなす面積の±10%の誤差が生じるように)してもよい。
【0112】
ここで、回転軸を中心とした真円軌跡と目標軌跡とを求め(または、決定し)、曲げ加工角度別の差間隔を得てもよい。これを反映して、各曲げ加工角度において曲げ加工対象体の他方の側を目標軌跡で移動させることにより、曲げ加工対象体の他方の側の回転軌跡が目標軌跡と略同様になるようにできる。
【0113】
回転軸を曲げ弧の長さの40〜60%の長さに見合う分だけ曲げ加工軸から曲げ加工対象体の延在方向に離間させる場合、回転軌跡を調整する過程(S350)は、0〜90°の曲げ加工角度において回転軸を中心とした真円軌跡よりも内側において曲げ加工部を移動させ、90〜180°の曲げ加工角度において回転軸を中心とした真円軌跡よりも外側において曲げ加工部を移動させて行われてもよい。
【0114】
線形駆動部は、0〜90°の曲げ加工角度において回転軸を中心とした真円軌跡よりも内側において曲げ加工部を移動させてもよく、90〜180°の曲げ加工角度において回転軸を中心とした真円軌跡よりも外側において曲げ加工部を移動させてもよい。曲げ加工対象体を曲げ加工する曲げ加工角度を、0〜90°の曲げ加工角度と90〜180°の曲げ加工角度とに二分化させてもよい。
【0115】
0〜90°の曲げ加工角度においては、回転軸を中心とした真円軌跡よりも内側において曲げ加工部を移動させてもよく、90〜180°の曲げ加工角度においては、回転軸を中心とした真円軌跡よりも外側において曲げ加工部を移動させてもよい。このとき、回転軸を曲げ加工軸から離間させて、曲げ加工対象体を曲げ加工する曲げ加工角度を二分化させてもよい。曲げ弧の長さの40〜60%の長さに見合う分だけ回転軸を曲げ加工軸から離間させる場合、曲げ加工対象体を曲げ加工する曲げ加工角度を0〜90°の曲げ加工角度と90〜180°の曲げ加工角度とに二分化させてもよい。
【0116】
この場合、曲げ加工部を曲げ加工軸に近づく方向と、曲げ加工軸から遠ざかる方向の両方向に微細に移動させて、曲げ弧の両端のうちのどちらか一方の終端に曲げ応力が集中したり、曲げ弧の両端の曲げ応力(または、歪み)の差が大きくなったりすることを防ぐことができ、曲げ弧の各部分に加えられる曲げ応力(または、歪み)の差もほとんど無くすことができる。
【0117】
また、曲げ加工対象体の他方の側の曲げ加工角度別の位置を調整するための曲げ加工部の回転半径方向への移動(量)を極力抑えることができる。そして、曲げ加工部の移動が極力抑えられることにより、曲げ加工部の移動が曲げ加工対象体に及ぼす影響を最小化させることができ、曲げ弧を形成する曲げ加工対象体の他方の側の回転軌跡に合わせて容易に曲げ加工部を移動させることができる。
【0118】
このように、本発明においては、可動の曲げ加工部により回転半径が回転角度に応じて変化する軌跡で曲げ加工対象体を曲げ加工することができる。これにより、曲げ加工対象体が曲げ加工される過程において曲げ加工対象体の歪みを最小化させて、曲げ加工対象体が受ける無理な曲げ応力を減らすことができる。
【0119】
また、曲げ加工部を回転させる回転軸の位置と、曲げ加工対象体の曲げ加工軸の位置とを異ならせて、曲げ加工対象体が曲げ加工されながら曲げ加工対象体の一方の側と接する曲げ弧の終端に曲げ応力が集中することを防ぐことができ、曲げ応力を曲げ弧に全体的に分散させることができる。これにより、部分的に受けてしまう曲げ応力の最大値を下げることができ、各部分における周辺領域との歪み及び/又は曲げ応力の差をも減らすことができ、曲げ加工対象体の歪みと曲げ加工対象体に加えられる曲げ応力を全体的に減らすことができる。
【0120】
そして、線形駆動部を介して曲げ加工部を回転半径方向に移動させて、曲げ加工対象体の他方の側の回転軌跡を調整することにより、曲げ加工対象体の他方の側が真円軌跡ではなく、目標軌跡で回転するようにできる。また、曲げ加工対象体が曲げ加工されながら、曲げ加工対象体に無理な曲げ応力が加えられることを防ぐことができ、曲げ加工対象体の曲げ加工過程において、曲げ加工対象体の歪みと曲げ加工対象体に加えられる曲げ応力を最小化させることができる。
【0121】
一方、回転軸を曲げ弧の長さの約50%の長さに見合う分だけ曲げ加工軸から曲げ加工対象体の延在方向に離間させる場合は、曲げ加工部の移動を最小化させることができる。これにより、曲げ加工対象体の歪みを最小化させて曲げ加工対象体に加えられる無理な曲げ応力を最小化させることもできる。
【0122】
以上、本発明の好適な実施形態について図示して説明したが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、請求の範囲において請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該本発明が属する分野において通常の知識を有する者であれば、これより様々な変形が行え、且つ、均等な他の実施形態が採用可能であるということが理解できる筈である。
【符号の説明】
【0123】
10:曲げ加工対象体
11:ディスプレイパネル
12:軟性プリント回路基板
100:曲げ加工装置
110:ステージ部
120:曲げ加工部
130:回転駆動部
140:線形駆動部
A:曲げ弧
BA:曲げ加工軸
BC:曲げ加工軸を中心とした真円軌跡
OT:目標軌跡
RA:回転軸
RC:回転軸を中心とした真円軌跡
図1
図2
図3
図4