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特開2020-27401コンピュータプログラム及び教育支援装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-27401(P2020-27401A)
(43)【公開日】2020年2月20日
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム及び教育支援装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20200124BHJP
   G09B 5/04 20060101ALI20200124BHJP
【FI】
   G06Q50/20
   G09B5/04
   G06Q50/20 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-151413(P2018-151413)
(22)【出願日】2018年8月10日
(71)【出願人】
【識別番号】593001901
【氏名又は名称】ミカサ商事株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】中里 丈雄
(72)【発明者】
【氏名】浜口 祐史
(72)【発明者】
【氏名】畑中 寿
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
【Fターム(参考)】
2C028BB04
2C028BB06
2C028BD02
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】教育支援に特化して利便性を高めたグループウェアシステムを実現するためのコンピュータプログラム、及び教育支援装置を提供する。
【解決手段】教育支援に関するコンピュータプログラムは、ユーザに対して複数のアプリケーションをWeb上で提供する装置と通信接続可能なコンピュータに、前記複数のアプリケーションを用いるユーザのユーザ情報に対し、該ユーザの教育現場における属性、及び前記アプリケーションで処理する情報の種別毎に、処理の項目別の可否の権限の選択を受け付け、前記ユーザのユーザ情報に対応付けて選択された権限を記憶しておき、一のユーザからのアクセスを受け付けた場合、前記一のユーザのユーザ情報に対応付けて記憶してある権限に応じて、許可されている処理を受け付ける画面の画面情報を前記ユーザ宛てに送信する処理を実行させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに対して複数のアプリケーションをWeb上で提供する装置と通信接続可能なコンピュータに、
前記複数のアプリケーションを用いるユーザのユーザ情報に対し、該ユーザの教育現場における属性、及び前記アプリケーションで処理する情報の種別毎に、処理の項目別の可否の権限の選択を受け付け、
前記ユーザのユーザ情報に対応付けて選択された権限を記憶しておき、
一のユーザからのアクセスを受け付けた場合、前記一のユーザのユーザ情報に対応付けて記憶してある権限に応じて、許可されている処理を受け付ける画面の画面情報を前記ユーザ宛てに送信する
処理を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、
特定のユーザからのアクセスを受け付けた場合、他の複数のユーザのユーザ情報の登録、前記複数のユーザの前記属性に関する情報の登録を一括して受け付ける
処理を実行させる請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータに、
一のユーザからのアクセスを受け付けた場合、該一のユーザの権限に応じて他のユーザの前記複数のアプリケーションの使用状況の閲覧を前記一のユーザに対して許可する
処理を実行させる請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
1つのユーザ情報に対して複数のアプリケーションをWeb上で提供する装置と通信接続可能な通信部と、
前記複数のアプリケーションを用いるユーザのユーザ情報に対し、該ユーザの教育現場における属性、及び前記アプリケーションで処理する情報の種別毎に、処理の項目別の可否の権限の選択を受け付ける受付部と、
前記ユーザのユーザ情報に対応付けて選択された権限を記憶する記憶部と、
一のユーザからのアクセスを受け付けた場合、前記一のユーザのユーザ情報に対応付けて記憶してある権限に応じて、許可されている処理を受け付ける画面の画面情報を前記ユーザ宛てに送信する送信部と
を備える教育支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、教育支援に適用されるコンピュータプログラム及び教育支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
教育分野におけるICT(Information and Communication Technology)活用を促進する取り組みがなされている。教材の電子化、生徒夫々の定着度に応じた個別適切な教材の提供も可能になる。教材のみならず、紙媒体で管理されてきた生徒の所属の管理、課題及びその評価についても電子化されることで、教員及び事務担当者を含むスタッフの負荷を軽減することが期待される。
【0003】
非特許文献1には、Webブラウザ上で多様なアプリケーションを利用できるグループウェアシステムを用い、アカウント情報を付与された生徒に、ブラウザ上で課題を実施させ、生徒別に結果を集計し、評価を行なう等の取り組み等が紹介されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ミカサ商事株式会社、[online]、“G Suite for Educationとは”、[平成30年8月3日検索]、インターネット<URL:http://g-apps.jp/about.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1に開示されているグループウェアシステムを利用することで、生徒夫々のアカウント情報に基づいて定着度を明確化し、個別の教材を提供するなど学習効果を向上させることが実現できる。生徒夫々のアカウント情報に紐付けて諸々のデータを集計できるため、教育現場の教員及び事務担当者等の業務負担を軽減することも期待される。Webブラウザ上で利用できるため、通信環境を用意することで特定のOS(Operating System)の特定のハードウェアを用いずとも導入が可能である。
【0006】
ただし教育関連の情報はクラス、学年、学校、教育委員会、連合会等と構造が多層に亘る。また生徒及び教員の流動性も高い。このような情報を、セキュリティを守りつつグループ化して管理するには、高い知識と技術力が必要である。教育分野でこのようなグループウェアシステムを広く普及させるには、操作が容易なインタフェースが望まれる。
【0007】
本発明は斯かる事情を鑑みてなされたものであり、教育支援に特化して利便性を高めたグループウェアシステムを実現するためのコンピュータプログラム、及び教育支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、ユーザに対して複数のアプリケーションをWeb上で提供する装置と通信接続可能なコンピュータに、前記複数のアプリケーションを用いるユーザのユーザ情報に対し、該ユーザの教育現場における属性、及び前記アプリケーションで処理する情報の種別毎に、処理の項目別の可否の権限の選択を受け付け、前記ユーザのユーザ情報に対応付けて選択された権限を記憶しておき、一のユーザからのアクセスを受け付けた場合、前記一のユーザのユーザ情報に対応付けて記憶してある権限に応じて、許可されている処理を受け付ける画面の画面情報を前記ユーザ宛てに送信する処理を実行させる。
【0009】
本開示の一態様に係る教育支援装置は、1つのユーザ情報に対して複数のアプリケーションをWeb上で提供する装置と通信接続可能な通信部と、前記複数のアプリケーションを用いるユーザのユーザ情報に対し、該ユーザの教育現場における属性、及び前記アプリケーションで処理する情報の種別毎に、処理の項目別の可否の権限の選択を受け付ける受付部と、前記ユーザのユーザ情報に対応付けて選択された権限を記憶する記憶部と、一のユーザからのアクセスを受け付けた場合、前記一のユーザのユーザ情報に対応付けて記憶してある権限に応じて、許可されている処理を受け付ける画面の画面情報を前記ユーザ宛てに送信する送信部とを備える。
【0010】
本開示の一態様では、特定のユーザからのアクセスを受け付けた場合、他の複数のユーザのユーザ情報の登録、前記複数のユーザの前記属性に関する情報の登録を一括して受け付ける処理を実行させてもよい。
【0011】
本開示の一態様では、一のユーザからのアクセスを受け付けた場合、該一のユーザの権限に応じて他のユーザの前記複数のアプリケーションの使用状況の閲覧を前記一のユーザに対して許可する処理を実行させてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本開示のコンピュータプログラム、及び教育支援装置によれば、教育支援に使用されるグループウェアの利便性を高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施の形態におけるグループウェアシステムの概要を示す図である。
図2】グループウェアシステムの各装置の構成を示すブロック図である。
図3】グループウェアシステムの各装置の構成を示すブロック図である。
図4】第2サーバ装置のユーザ情報DBで記憶される情報の一例を示す図である。
図5】第2サーバ装置により提供される画面の一例を示す図である。
図6】管理者権限設定画面の内容例を示す図である。
図7】管理者割当画面の内容例を示す図である。
図8】ユーザ管理画面の内容例を示す図である。
図9】ユーザ管理画面における一括操作の受付手順の一例を示すフローチャートである。
図10】学校組織管理画面の内容例を示す図である。
図11】クラス視聴設定画面の内容例を示す図である。
図12】クラス視聴画面の内容例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示のコンピュータプログラム、及び教育支援装置についてその実施形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態におけるグループウェアシステム100の概要を示す図である。システム100は、第1サーバ装置1、第2サーバ装置(教育支援装置)2及び複数のクライアント装置3を含む。第1サーバ装置1、第2サーバ装置2及びクライアント装置3は、ネットワークNを介して通信接続、あるいは相互に情報の送受信が可能である。
【0016】
第1サーバ装置1は、Webブラウザ上で多様なアプリケーションプログラム(以下、アプリと呼ぶ)を提供するグループウェアサーバである。ユーザを識別するユーザ情報と対応付けて、各アプリによるアプリデータも第1サーバ装置1側で記憶する。第1サーバ装置1は、各アプリのWeb上で呼び出し可能なAPI(Application Programming Interface )を公開提供している。第2サーバ装置2は、第1サーバ装置1によって提供される複数のアプリのAPIを利用して教育支援に特化したアドインサービスを実現する。第2サーバ装置2もデータベース(DB:Data Base )として用いる記憶装置210と接続されている。
【0017】
クライアント装置3は、ユーザが使用するPC(Personal Computer)である。クライアント装置3は、通信機能を有してWebブラウザプログラムを実行することが可能な装置であれば、デスクトップ型PC、ラップトップ型PC、タブレット端末又はスマートフォン等の種々の情報通信端末を用いてよい。図1では、デスクトップ型PC及びタブレット端末を図示している。
【0018】
ネットワークNは、公衆網N1、及びキャリアネットワークN2を含む。公衆網N1は所謂インターネットである。キャリアネットワークN2は、次世代又は次々世代高速携帯通信規格等の規格に基づく無線通信を実現する通信キャリアが提供するネットワークである。公衆網N1はアクセスポイントAPを含む。キャリアネットワークN2は基地局BSを含む。クライアント装置3は、アクセスポイントAP又は基地局BSにより、公衆網N1を介して第1サーバ装置1又は第2サーバ装置2との間で通信接続、又は情報の送受信が可能である。
【0019】
第1サーバ装置1により、教育現場にて「生徒」であるユーザ、「先生」であるユーザ、更には事務員等のスタッフ、教育委員会の委員等であるユーザに夫々アカウント情報が付与されており、ユーザは各々自身のアカウント情報を用いてクライアント装置3を使用する。「生徒」であるユーザはクライアント装置3を使用して第1サーバ装置1から提供されるWebページに通信接続し、WebAPIで各アプリ101−104を使用することができる。グループウェアシステム100では、「先生」であるユーザはクライアント装置3を使用して第1サーバ装置1から提供される各アプリ101−104を使用すると共に、第2サーバ装置2が提供するWebベースのインタフェースにアクセスする。第2サーバ装置2が提供するインタフェースでは、第1サーバ装置1から提供される各アプリを適切に組み合わせて教育支援処理を実行し、処理結果をクライアント装置3へ提供することができる。具体的には第2サーバ装置2は、ユーザが使用するクライアント装置3からWebページへのアクセスを受けると、操作に応じて第1サーバ装置1により提供されているWebAPIを呼び出して適宜処理を実行しクライアント装置3へ応答を返すミドルウェア的な機能を発揮する。
【0020】
図2及び図3は、グループウェアシステム100の各装置の構成を示すブロック図である。図2は、第1サーバ装置1と第2サーバ装置2とを示す。第1サーバ装置1は、グループウェアを提供する提供者が管理するサーバコンピュータを含む。第1サーバ装置1は、説明を容易にするために1台のサーバコンピュータとして説明するが、複数のサーバコンピュータで処理を分散させた構成としてよい。第1サーバ装置1は1又は複数の記憶装置と接続されており、ユーザ情報、具体的にはメールアドレス等であるユーザ情報と、ユーザ情報に対応付けて提供する各アプリ101,102,103,104に対応するデータを記憶し、読み出すことが可能である。
【0021】
本実施の形態において教育支援処理に使用されるアプリは例えば、メーラ101、ストレージサービス102、スケジューラ103を含む。本実施の形態において第1サーバ装置1から提供されるアプリには、教育支援アプリ104が含まれる。教育支援アプリ104は、「先生」であるユーザと「学生」である他のユーザとで共有されるWebページの作成機能を基本とするアプリである。作成されたWebページには、「学生」への課題の投稿、「学生」からの課題の提出を受け付けるインタフェースを含めることができ、更に共有されるWebページには、課題、例えばWebブラウザ上で動作する入力フォーム、エディタ、ブロックプログラミング等のインタフェースを含めることが容易である。第1サーバ装置1は、ユーザのユーザ情報及び/又はWebブラウザのクッキー情報に対応付けてそれらのインタフェースを使用して得られるアプリデータを第1サーバ装置1の記憶装置で記憶することができる。
【0022】
第2サーバ装置2は、アドインサービスを提供するサービス提供者が管理するサーバコンピュータを含む。第2サーバ装置2についても、説明を容易にするために1台のサーバコンピュータとして説明するが、複数のサーバコンピュータで処理又は機能を分散させた構成とすることが好ましい。第2サーバ装置2も、Webブラウザ上で各機能の利用を可能とするインタフェースを提供し、ユーザのアカウント情報に対応付けてユーザの操作に基づいて処理された情報を第2サーバ装置2内部の記憶部21又は外部の記憶装置210に記憶する。これにより、クライアント装置3に特定のソフトウェアプログラムのインストールを実行させずとも、教育支援に特化されて利便性が向上したグループウェアの利用サービスを提供できる。
【0023】
第2サーバ装置2は、制御部20、記憶部21、及び通信部22を備える。制御部20はCPU(Central Processing Unit )又はGPU(Graphical Processing Unit )を用いたプロセッサであり、内蔵する揮発性メモリ、クロック等を含む。制御部20は、記憶部21に記憶されているサーバプログラム20Pに基づいた各処理を実行し、汎用サーバコンピュータを後述するインタフェースを提供する教育支援装置として機能させる。
【0024】
通信部22は、ネットワークカードを含む。制御部20は通信部22により、ネットワークNを介した第1サーバ装置1及びクライアント装置3との間の情報の送受信が可能である。
【0025】
記憶部21は、ハードディスクを用いてサーバプログラム20Pのほか、制御部20が参照する情報を記憶する。記憶部21に記憶してあるサーバプログラム20Pは、通信部22により外部の任意のプログラム配信サーバから取得して記憶したものであってよい。制御部20は、1又は複数の記憶装置210と接続されて読み書きが可能である。記憶装置210は他のサーバコンピュータとの間で共有してもよい。
【0026】
記憶部21又は記憶装置210には、第1サーバ装置1におけるユーザのアカウント情報及び属性を記憶するユーザ情報DB211、作成されるクラス(グループ)の情報を記憶するクラス情報DB212が作成されている。記憶部21又は記憶装置210には、作成される課題の情報を記憶する課題情報DB213、「学生」ユーザの評点、各課題についての評価内容を含む成績情報DB214が作成されている。また記憶部21又は記憶装置210には、ユーザの操作履歴を全てログとして記憶するログ情報DB215が作成される。ログ情報DB215は、各アプリ101−104の使用状況、処理内容、第2サーバ装置2から提供されるWebページ上での操作等を、操作を行なったユーザの識別情報と対応付けて再現可能に記憶される。
【0027】
記憶部21に記憶されているサーバプログラム20Pには、記憶部21又は記憶装置210の各DBに記憶されている情報を用いてアドインサービスの全体を制御するシステム制御プログラム21Pが含まれる。サーバプログラム20Pには同様にして、ユーザ情報管理プログラム22P、階層的にユーザ情報を処理する組織制御プログラム23P、グループ毎のユーザ情報を処理するグループ制御プログラム24Pを含む。サーバプログラム20Pには同様にして、教育支援アプリ104と連携してクラス毎の情報をする教育支援アプリ制御プログラム25P、ユーザ情報に対応付けて何ができるかの権限を管理する権限管理制御プログラム26P、成績を管理する成績管理プログラム27Pを含む。
【0028】
図3は、クライアント装置3の構成を示すブロック図である。クライアント装置3は、制御部30、記憶部31、表示部32、操作部33、音声入出力部34、及び通信部35を備える。制御部30は、CPU、又はGPU等のプロセッサと、メモリ等を含む。制御部30は、プロセッサ、メモリ、記憶部31、及び通信部35を集積した1つのハードウェア(SoC:System On a Chip)として構成されていてもよい。制御部30は、記憶部31に記憶されているWebブラウザプログラムに基づき、アドインサービスを提供する第2サーバ装置2が提供するWebページにログインすることにより、そのログイン時のアカウント情報の権限に応じた機能を各々発揮するクライアント装置3として使用される。
【0029】
記憶部31は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む。記憶部31には、汎用のWebブラウザプログラムが記憶されている。記憶部31は、制御部30が参照するデータを記憶する。表示部32は、液晶パネル又は有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置を含む。操作部33は、ユーザの操作を受け付けるインタフェースであり、物理ボタン、ディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイスを含む。操作部33は、物理ボタンまたはタッチパネルにて表示部32で表示している画面上における操作を受け付けることが可能である。音声入出力部34は、スピーカ及びマイクロフォン等を含む。音声入出力部34は、音声認識部を備えて、マイクロフォンにて入力音声から操作内容を認識して操作を受け付けることが可能である。
【0030】
通信部35は、ネットワークNを介して第1サーバ装置1又は第2サーバ装置2との間の情報の送受信を実現する無線通信モジュールである。通信部35は、ネットワークカードを用いて有線によりネットワークNを介した通信を行なってもよい。
【0031】
このように構成されるグループウェアシステム100にて、第2サーバ装置2によって第1サーバ装置1から提供されるアプリ群が教育支援に特化されてクライアント装置3へ提供される処理について具体例を挙げて説明する。
【0032】
図4は、第2サーバ装置2のユーザ情報DB211で記憶される情報の一例を示す図である。第1サーバ装置1で提供される教育支援アプリ104では、1ユーザについて、そのユーザが所属している組織(ドメイン)について、「管理者」、「先生」、「生徒」、及び「保護者」の「役割」を持たせることができる。「管理者」の「役割」を持つユーザは、所属しているドメイン下のユーザの各種アプリデータについて作成、更新、編集、削除等の全ての処理の実行権限が与えられている。しかしながら教育現場に携わるユーザの属性には、同じ「先生」でも管理権限を有する「先生」、「先生」について責任を有する「学年主任」、校長等の「学校代表者」、複数の学校を管轄する「教育委員会」又は「連合会」等の階層があり、「先生」以上のユーザが全て教育支援アプリ104における「管理者」権限を与えられた場合、情報に対する責任が曖昧となり適切とは言えない。かといって、上位階層、例えば「教育委員会」に所属するユーザのみに「管理者」権限を当てた場合には、当該ユーザの承認が受けられない限り、適宜流動する生徒の情報、誤った操作のやり直し等の「管理者」の承認が必要な処理が不可能になる。そこで第2サーバ装置2では図4に示すように、ユーザ情報を教育現場における実情、具体的には階層に合わせて属性を図4に示すように再割り当てしている。図4の例では、「先生」、「生徒」に加えて、「総合管理者」、「学校管理者」、「先生(上位責任者)」等の属性が割り当てられている。これにより、ユーザに対し、そのユーザ情報に割り当てられた属性に応じて、第2サーバ装置2にて提供されるWebページに表示される内容、該Webページで使用できる機能を異ならしめることができる。なお「総合管理者」であってもログ情報215におけるログ情報の削除は不可と設定されるとよい。
【0033】
また第2サーバ装置2にて提供されるWebベースのインタフェースにより、同一の組織(クラス、学校等)に所属するユーザに対して一括してメーラ101を用いて通知を送る機能を実現できる。例えばメーラ101を用いて「第1学年」などのグループ通知先を作成し、「第1学年」に属する「先生」への一斉通知を可能にすることも可能である。また同インタフェースにより、同一の組織に所属するユーザでストレージサービス102におけるストレージを共有する機能を実現することも可能である。同様にして同インタフェースにより、組織毎のスケジュールを、スケジューラ103を用いてユーザ間で共有し、スケジューラ103と教育支援アプリ104とを連携させる機能も実現できる。この際、後述するように権限に応じて登録できるスケジュール、共有設定を異ならしめることも可能である。例えば「総合管理者」から対応ドメインの「学校管理者」への一斉通知が可能であるが、「先生」から「学校管理者」への一斉通知はできない等の設計が容易である。
【0034】
図5A及び図5Bは、第2サーバ装置2により提供される画面の一例を示す図である。図5A及び図5Bに示す画面はメイン画面(総合メニュー)であり、クライアント装置3を使用するユーザがWebブラウザを用いて自身のアカウント情報でログインした場合に、サーバ装置2の制御部20がシステム制御プログラム21Pに基づいて作成する画面情報に基づいて表示部32に表示される。図5Aは、一例として「統合管理者」の属性を割り当てられたユーザがログインした場合に、第2サーバ装置2からクライアント装置3へ送信される画面情報に基づき表示されるメイン画面300を示している。図5Aにおけるメイン画面300には、ドメインの管理メニュー301、管理者権限の設定メニュー302、管理者の割り当てメニュー303、ユーザ管理メニュー304、学校組織管理メニュー305、グループ管理メニュー306、クラス管理メニュー307、成績管理メニュー308、及びクラス視聴メニュー309が含まれる。「統合管理者」の属性が割り当てられたユーザがログインした場合、これらのメニュー全てが選択可能に表示される。またメイン画面300には、「総合管理者」が管理権限を有しているドメイン(組織)の名称の一覧が選択可能に示されている。図5Bは、「学校管理者」の属性を割り当てられたユーザがログインした場合に表示されるメイン画面300を示している。図5Bにおけるメイン画面300では例えば、ドメインの管理メニュー301、管理者権限の設定メニュー302、管理者の割り当てメニュー303が非表示とされている。このように、ユーザの属性に応じてユーザへ提供する機能を異ならしめ、安全を保ちつつ教育支援アプリ104利用の効率性を向上させることができる。
【0035】
図5Aに示したメイン画面300にてドメインの管理メニュー301がクライアント装置3の操作部33にて選択操作された場合、第2サーバ装置2の制御部20はこれを検知し、ユーザ情報管理プログラム22Pに基づき、ドメインの作成、登録等を実行する。具体的に制御部20は、ログイン中の「総合管理者」であるユーザが管理権限を有している学校、教育委員会が所有しているドメインの登録、削除又は更新を、クライアント装置3の操作部33による操作によって受け付ける。例えばA小学校が、[学校名].comのドメインを所有しており、教員及び生徒に対して「[名前(英数字)]@[学校名].com」のメールアドレス(アカウント)を配布している場合、A小学校を担当する「総合管理者」のユーザは、A小学校のドメインを自身に対応するドメインとして登録し、このドメインに所属するユーザの情報に対し、教育支援アプリ104における「管理者」としての操作全般の権限を有することができる。
【0036】
図6は、管理者権限設定画面320の内容例を示す図である。第2サーバ装置2は、管理者権限の設定メニュー302が選択された場合、管理者権限設定画面320の画面情報をクライアント装置3へ送信する。制御部20は、権限管理制御プログラム26Pに基づき、ユーザ情報DB211、クラス情報DB212、課題情報DB213、成績情報DB214等の各種情報について、項目毎に許可される処理(一覧表示、検索、登録、更新及び削除)の可否を受け付ける。管理者権限設定画面320には、夫々の処理の可否を受け付けるチェックボックス321及び作成される権限を作成するための権限追加ボタン322を含む。権限が項目毎に詳細に設定できるので、例えば、あるグループ(学校、及び学年)に属するクラスの生徒のアカウント情報に対応付けられている成績の一覧を閲覧できるが登録はできない権限等の細かな設定が可能である。教育支援アプリ104における「管理者」権限の内の全ての権限は渡せないが、一部制限付きで権限を持たせることができる。「学校管理者」、「先生(上位責任者)」の属性が割り当てられたユーザによって可能な処理を選択的に移譲することができる。同一組織について、更新、削除等が可能な「管理者」が複数存在する場合、情報の齟齬等が発生して混乱をきたすところ、ユーザ毎の可否を「総合管理者」の責任によって設定できるから、「総合管理者」が適切に設定することで複数のユーザが閲覧する情報内容が同期された状態を保つことが可能である。
【0037】
図7は、管理者割当画面330の内容例を示す図である。第2サーバ装置2は、管理者の割り当てメニュー303が選択された場合、管理者割当画面330の画面情報をクライアント装置3へ送信する。制御部20は、権限管理制御プログラム26Pに基づき、管理者権限の設定メニュー302で作成できた権限、及び、属性(管理者であるか否か)に応じて設定されている権限を、いずれのユーザのアカウント情報に対応付けるかの編集を受け付ける。いずれかのグループのユーザのアカウント情報のリストを検索して表示し、チェックボックス331を共に表示し、チェックされたユーザに対して権限を選択して割り当てることが可能である。管理者割当画面330は、「総合管理者」のユーザが使用するクライアント装置3のみで表示される。
【0038】
図8は、ユーザ管理画面340の内容例を示す図である。第2サーバ装置2は、「総合管理者」及び「学校管理者」、場合によって「先生(上位責任者)」等、ユーザ情報に対して登録、更新及び削除の処理が許可されたユーザがユーザ管理メニュー304を選択した場合に、ユーザ管理画面340の画面をクライアント装置3へ送信する。第2サーバ装置2は、クライアント装置3にて表示されるユーザ管理画面340にて、操作部33によりユーザの一括登録、ユーザのアカウント情報の変更を受け付ける。図8のユーザ管理画面340における変更ボタン341は、既に登録されているユーザ情報の内容、例えば進級によって担当クラスを変更する際に使用される。入力インタフェース342は例えば、新入生等の新規ユーザの一括登録をファイルのアップロードにより受け付ける。第2サーバ装置2は入力インタフェース342にてクライアント装置3の記憶部31に記憶してある「姓、名、アカウント名、所属組織(学校、学年、クラス等)、パスワード」を記述したCSV(Comma-Separated Values)ファイルを、参照ボタンを用いて受け付け、「追加」、「更新」又は「削除」のいずれかのボタンの選択によってファイルに基づく一括操作を受け付ける。「追加」が選択された場合は新規登録がされ、「更新」が選択された場合には既存のユーザ情報との差分が更新され、卒業又は卒業後数年経過したことによって削除する場合は「削除」が選択される。
【0039】
図9は、ユーザ管理画面340における一括操作の受付手順の一例を示すフローチャートである。サーバ装置2の制御部20は、指定されたファイルのクライアント装置3からの送信(アップロード)を受け付け(ステップS401)、ファイルの内容の正誤を判断する(ステップS402)。ステップS402では、第1サーバ装置1の教育支援アプリ104に対して「管理者」権限で一括操作が可能な形式であるかを判断すると共に、ファイルに含まれるテキストのアカウント名の不一致、所属組織の名称の誤り、重複データ等を検出するとよい。正であると判断された場合(S402:YES)、制御部20は、第1サーバ装置1の教育支援アプリ104に対し、対象ドメインの「管理者」権限で、CSVファイルによる一括設定のAPIを呼び出してファイルを与える(ステップS403)。
【0040】
教育支援アプリ104から、呼び出したAPIに対して応答される成否等を含む情報を受信し(ステップS404)、クライアント装置3へ応答内容を表示させる情報を送信し(ステップS405)、処理を終了する。なおCSVファイルに限らず、その他、タブ、半角スペース、半角パイプ等で区切られたテキストデータでもよい。
【0041】
ステップS402で正でなく誤であると判断された場合(S402:NO)、制御部20はエラーを通知する画面をクライアント装置3へ送信し(ステップS406)、処理を終了する。
【0042】
図10は、学校組織管理画面350の内容例を示す図である。第2サーバ装置2は、「総合管理者」及び「学校管理者」、ユーザ情報に対してグループ単位、即ち組織レベルでの情報の登録、更新及び削除の処理が許可されたユーザが学校組織管理メニュー305を選択した場合に、学校組織管理画面350の画面をクライアント装置3へ送信する。図10の学校組織管理画面350における変更ボタン351は、既に登録されているユーザ情報の内容、例えば転校、転勤によって担当クラスを変更する際に使用される。入力インタフェース352は例えば、新たに管理する組織(ドメイン)の一括登録を、例えばCSVファイルのアップロードにより受け付ける。学校組織管理画面350では、第2サーバ装置2は「学校」「学年」又は「学級(クラス)」の一括作成を受け付ける。具体的には、教育支援アプリ104における「組織」の作成を受け付ける。教育支援アプリ104では、組織を作成する場合にはユーザの英数字からなるアカウントを1つずつ選択して追加操作する必要があったが、この一括作成の受け付けにより、姓名で識別されるリストであるファイルを与えることで、一括で作成することが可能になる。
【0043】
グループ管理メニュー306、クラス管理メニュー307及び成績管理メニュー308についても、図8及び図10を参照して説明したように、権限を有するユーザに対しては処理を受け付ける画面が表示される。グループ管理メニュー306では、複数の「学年」を跨いで管理したい場合、複数の「学校」を跨いで同様の設定を行ないたい場合に、それらの組織を指定して「グループ」の作成を受け付ける。しかも図8及び図10で示したような一括作成(追加)のインタフェースを含み、CSVファイルで記述された情報に基づいて教育支援アプリ104に必要なアカウント情報及び組織やグループ名を与えることができる。しかも、それらの情報に紐づく詳細な姓名等の情報を記憶装置210におけるDB群211−214にて管理するため、第2サーバ装置2では、一括操作、グループ毎の管理を直感的に操作できるように設計した画面、操作インタフェースをクライアント装置3へ提供することができる。
【0044】
「先生」の属性が割り当てられたユーザがログインした場合、メイン画面300には、図5に示したメニューの内、クラス管理メニュー307、成績管理メニュー308、及びクラス視聴メニュー309に限定されるとよい。「先生(上位責任者)」の属性が割り当てられたユーザがログインした場合には、他のメニューが選択可能に表示されるようにしてもよい。これらは割り当てられた属性によって多様に可能であり、また「総合管理者」の設計によって異なるようにカスタマイズ可能にされてもよい。
【0045】
なお「生徒」の属性を持つアカウント情報が割り振られたユーザ、即ち学生ユーザは、クライアント装置3を用いて直接的に、第1サーバ装置1にて提供されるグループウェアにログインすることで、自身が所属するクラス、学年、担当教師のWebページを閲覧し、提示された課題を閲覧することができる。「生徒」は第2サーバ装置2が提供するサービスにログインすることができないようにしてあるとよい。
【0046】
図5に示したように、メイン画面300にはクラス視聴メニュー309が含まれている。図11は、クラス視聴設定画面390の内容例を示す図である。第2サーバ装置2は、「総合管理者」及び「学校管理者」、場合によっては「先生(上位責任者)」等、クラス情報DB212に記憶されているクラス情報に対して登録、更新及び削除の処理が許可されたユーザがクラス視聴メニュー309を選択した場合に、クラス視聴設定画面390の画面をクライアント装置3へ送信する。
【0047】
クラス視聴設定画面390は、他の組織のユーザであって、クラス情報、成績情報の閲覧が許可されているユーザ、又は他の組織の先生の属性を有するユーザに開示させる組織(学校、学年、又は学級)の選択を受け付けるインタフェース391を含む。第2サーバ装置2は、選択されたクラスについて、そのクラスが教育支援アプリ104を用いて実施している活動内容(課題、課題に対する回答)を閲覧のみ可能に公開設定する。公開される課題は、科目によって制限できるようにしてもよいし、期間を指定して制限できるようにしてもよい。クラス選択は一括で受け付けることも可能とするとよい。
【0048】
また、クラス視聴設定画面390には、「レポート表示」ボタン393が含まれている。「レポート表示」ボタン393が選択された場合、第2サーバ装置2は、選択されたクラスにおける教育支援アプリ104の使用状況をまとめた図及び文章を含むレポートとして作成したものをクライアント装置3へダウンロードさせる。またレポートとして、選択されたクラスの1又は複数「先生」ユーザの操作履歴をログ情報215から抽出して出力してもよい。
【0049】
図12は、クラス視聴画面392の内容例を示す図である。「先生」の属性のユーザがクラス視聴メニュー309を選択した場合、図12に示すように、その「先生」のユーザに閲覧が許可されている組織の一覧が選択可能に表示される。ユーザがいずれか閲覧したい組織を選択し、視聴ボタン394を選択した場合、その組織の教育支援アプリ104を用いて実施している活動内容を閲覧する、言わば他のクラスの活動内容の見学をすることができる。視聴の方法は、実際の教育支援アプリ104のクラス単位のWebページの閲覧及び一部、課題のサンプルの操作が可能になる等であってよい。またクラス視聴画面392にも図12に示すように「レポート表示」ボタン395が含まれ、「レポート表示」ボタン395が選択された場合に、選択されたクラスにおける教育支援アプリ104の使用状況をまとめた図及び文章を含むレポートとして作成したものをクライアント装置3がダウンロード可能であってもよい。
【0050】
このような機能により、教育支援アプリ104の上位層のユーザに、権限を適切に分けて操作を可能とすると共に、1つの学級で取り組まれている活動内容を、他の学級、他の学年の「先生」ユーザが閲覧可能として教育支援アプリ104を他の組織にも促進させることが可能になる。更には組織を超えて他の学校の「先生」にも広く公開できるように「総合管理者」が設定し、教育支援アプリ104の先進的な使用例を多くの教員で共有することが可能である。
【0051】
上述のように開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0052】
1 第1サーバ装置
101,102,103,104 アプリケーションプログラム
2 第2サーバ装置
20 制御部
21 記憶部
22 通信部
210 記憶装置
20P サーバプログラム
211 ユーザ情報DB
3 クライアント装置
32 表示部
33 操作部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12