【解決手段】車両乗り場1に供給される車両2の相乗りを支援する相乗り支援システムであって、車両ごとの最初の乗客の目的地である第一の目的地を含む新規乗車要求を受け付ける新規乗車要求受付手段と、第一の目的地に基づく行き先を通知する行き先通知手段と、新規乗車要求受付手段によって新規乗車要求が受け付けられた車両2のうちの一の車両を特定した別の乗客の相乗り乗車要求を受け付ける相乗り乗車要求受付手段と、を備える。
前記第一の目的地を、該第一の目的地に対応づけられ、かつ該第一の目的地付近のランドマーク、または該第一の目的地を含むエリアに変換し、前記行き先とする行き先導出手段を備えた、請求項1に記載の相乗り支援システム。
前記車両乗り場付近にいる乗客を、乗客が有する携帯端末の通信、または該車両乗り場付近に設置された据え置き端末に対する乗客の操作によって識別する乗客識別手段を備え、
前記新規乗車要求受付手段は、前記乗客識別手段によって識別された乗客である前記最初の乗客の前記新規乗車要求を受け付け、
前記相乗り乗車要求受付手段は、前記乗客識別手段によって識別された乗客である前記別の乗客の相乗り乗車要求を受け付ける、請求項1又は2に記載の相乗り支援システム。
前記第一のルート、前記第一の相乗り乗車要求に対応する前記第二のルート、前記第二の相乗り乗車要求に対応する前記第二のルート、および前記第三のルートのそれぞれに対応する前記最初の乗客の乗車時間を推定する乗車時間推定手段を備え、
前記判断材料提示手段は、前記第一のルートに要する前記最初の乗客の乗車時間と前記第一の相乗り乗車要求に対応する前記第二のルートに要する前記最初の乗客の乗車時間との差、前記第一のルートに要する前記最初の乗客の乗車時間と前記第二の相乗り乗車要求に対応する前記第二のルートに要する前記最初の乗客の乗車時間との差、および前記第一のルートに要する前記最初の乗客の乗車時間と前記第三のルートに要する前記最初の乗客の乗車時間との差を特定可能な情報を提示する、請求項5に記載の相乗り支援システム。
前記相乗り乗車要求受付手段によって受け付けられた前記相乗り乗車要求を前記最初の乗客が承認するか否かを受け付ける承認受付手段を備えた、請求項4乃至7のいずれか一項に記載の相乗り支援システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0010】
<本実施形態に係る相乗り支援システムの概要について>
まず、
図1を用いて、本実施形態に係る相乗り支援システムの概要を説明する。
図1は、本実施形態の相乗り支援システムの概略を示す図である。
本実施形態に係る相乗りシステムは、鉄道の駅にあるタクシー乗り場等の公共の車両乗り場において、複数の乗客が1台の車両に相乗りすることを支援するものである。
具体的には、本実施形態に係る相乗りシステムは、
図1に示すように、車両乗り場1に供給される車両2、車両2に設けられた車両端末10、車両乗り場1に集まった乗客3、乗客3が個々に有する携帯端末20、サーバ30で構成される。そして、車両端末10、携帯端末20、およびサーバ30は、通信ネットワーク40を介して相互に通信可能となっている。そのため、乗客3は、携帯端末20を操作してサーバ30に対して乗車要求を送信することができる。
【0011】
乗車要求には、新規の車両の手配を要求するため新規乗車要求と、新規乗車要求が受け付けられた車両に対して相乗りを要求するための相乗り乗車要求があり、乗客3は、いずれの乗車要求を送信するかを選択することができる。乗客3が新規乗車要求を出す際には、携帯端末20により目的地の入力が要求される。これにより、新規乗車要求には、当該新規乗車要求を送信する乗客3の目的地が含まれる。新規乗車要求がサーバ30によって受け付けられると、車両乗り場1に供給され、かつ未だ目的地が設定されていない空きの車両2に対して当該新規乗車要求を出した乗客3(以下、「最初の乗客」と称する場合がある)が割り当てられ、当該新規乗車要求に含まれる目的地が当該車両の新規の目的地として設定される。そして、新規の目的地が設定された車両2がある場合には、新規の目的地が設定された車両2に対して新規の目的地に基づく行き先が対応づけられた情報を少なくとも含む車両情報が、携帯端末20を介して、乗車要求を送信しようとする乗客3に通知される。ここで、行き先とは、新規の目的地自体であってもよいが、本実施形態では、当該目的地付近のランドマークを指す。
【0012】
相乗り乗車要求を送信しようとする乗客3(以下、「相乗り希望客」と称する場合がある)は、携帯端末20を介して通知された車両情報を選択することで相乗り乗車要求を送信することができる。そして、送信した相乗り乗車要求がサーバ30によって受け付けられ、その後、当該相乗り乗車要求の対象となる車両に割り当てられた最初の乗客によって当該相乗り乗車要求が承認されると、相乗りが成立し、当該相乗り乗車要求を送信した相乗り希望客が有する携帯端末20に対してその旨が送信される。
なお、相乗り乗車要求を送信する際にも、新規乗車要求と同様に、相乗り乗車要求を送信する相乗り希望客による目的地の入力が要求される。しかし、本実施形態に係る相乗り支援システムでは、提示された行き先を選択した後に目的地の入力が要求される点が、従来の相乗りマッチング方法とは異なる。これにより、相乗り希望客は、自身の本来の目的地に縛られずに目的地を設定することができ、相乗りの機会を増大させることができる。
以下、本実施形態に係る相乗り支援システムの詳細を説明する。
【0013】
<本実施形態に係る相乗り支援システムの全体構成について>
まず、
図2を用いて、本実施形態に係る相乗り支援システムの全体構成を説明する。
図2は、本実施形態に係る相乗り支援システムの全体構成を示す図である。
本実施形態の相乗り支援システムは、車両端末10と、携帯端末20と、サーバ30とで構成され、これらは、通信ネットワーク40を介して互いに通信可能に接続されている。通信ネットワーク40は、例えば、インターネットや無線LAN(Local Area network)である。
車両端末10は、車両2に設置されるコンピュータであり、本実施形態では、例えば、タクシーメーターやカーナビゲーション装置などを想定している。携帯端末20は、乗客が個々に有するコンピュータであり、本実施形態では、例えば、携帯電話や、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートパソコンなどの携帯型のコンピュータを想定している。サーバ30には、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーションなどを採用することができる。
【0014】
<車両端末、携帯端末、およびサーバのハードウェア構成について>
次に、
図3〜
図5を用いて、車両端末10、携帯端末20、およびサーバ30のハードウェア構成を説明する。
図3は、車両端末10のハードウェア構成を、
図4は、携帯端末20のハードウェア構成を、
図5は、サーバ30のハードウェア構成を示す図である。
図3に示す通り、車両端末10は、CPU101、RAM102、記憶装置103、通信インタフェース104、GPS電波受信機105、入力装置106、および表示装置107を備えている。記憶装置103は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えば、フラッシュメモリやハードディスクドライブなどである。CPU101は、記憶装置103に記憶されているプログラムをRAM102に読み出して実行することにより、各種の機能を実現する。通信インタフェース104は、例えば、無線通信器などの通信ネットワーク40に接続するためのインタフェースである。GPS電波受信機105は、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信する。入力装置106は、運転手からの情報の入力を受け付ける、例えば、プッシュボタンやキーボード、タッチパネル、マイクロフォンなどである。表示装置107は、運転手に対してルート等の情報を表示する、例えば、ディスプレイなどである。
【0015】
図4に示す通り、携帯端末20は、CPU201、RAM202、記憶装置203、通信インタフェース204、GPS電波受信機205、入力装置206および表示装置207を備えている。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えば、フラッシュメモリやハードディスクドライブなどである。CPU201は、記憶装置203に記憶されているプログラムをRAM202に読み出して実行することにより、各種の機能を実現する。通信インタフェース204は、例えば、無線通信器などの通信ネットワーク40に接続するためのインタフェースである。GPS電波受信機205は、GPS衛星からの信号を受信する。入力装置206は、乗客からの情報の入力を受け付ける、例えば、プッシュボタンやキーボード、タッチパネル、マイクロフォンなどである。表示装置207は、乗客に対して情報を表示する、例えば、ディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。
【0016】
図5に示す通り、サーバ30は、CPU301、RAM302、記憶装置303、通信インタフェース304を備える。記憶装置303は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュメモリなどである。CPU301は、記憶装置303に記憶されているプログラムをRAM302に読み出して実行することにより各種の機能を実現する。通信インタフェース304は、例えば、無線通信器などの通信ネットワーク40に接続するためのインタフェースである。
【0017】
<車両端末、携帯端末、およびサーバのソフトウェア構成について>
続いて、
図6〜
図8を用いて、車両端末10、携帯端末20、およびサーバ30のソフトウェア構成を説明する。なお、
図6は、車両端末10のソフトウェア構成を、
図7は、携帯端末20のソフトウェア構成を、
図8は、サーバ30のソフトウェア構成を示す図である。
図6に示す通り、車両端末10は、位置情報取得部111、現在位置情報提供部112、乗客情報取得部113、ルート情報取得部114、情報表示部115、および降車情報提供部116を備える。なお、上記各機能部111〜116は、車両端末10が備えるCPU101が記憶装置103に記憶されているプログラムをRAM102に読み出して実行することにより実現される。
【0018】
位置情報取得部111は、GPS電波受信機105が受信した電波から、車両端末10の現在位置、すなわち、車両端末10が設置された車両の現在位置を算出する。なお、本実施形態では、現在位置は、緯度および経度により特定される。
【0019】
現在位置情報提供部112は、位置情報取得部111によって算出された車両の現在位置を、通信ネットワーク40を介してサーバ30に送信する。
【0020】
乗客情報取得部113は、通信ネットワーク40を介してサーバ30から乗客に関する乗客情報を取得する。当該情報は、新規乗車要求に係る乗客情報と、相乗り乗車要求に係る乗客情報に大別される。新規乗車要求に係る乗客情報は、新規乗車要求に基づいてサーバ30によって空き車両が割り当てられた最初の乗客の代表者名、乗車人数、および当該乗客の目的地に加え、相乗り乗車要求の受付を締め切るまでの締め切り時間で構成される。一方、相乗り乗車要求に係る乗客情報には、相乗り乗車要求を送信した相乗り希望客のうち、最初の乗客によって承認された乗客の有無、当該乗客が存在する場合には、当該乗客の代表者名および乗車人数が含まれる。なお、当該乗客が複数存在する場合には、相乗り乗車要求に係る情報には、それぞれの代表者名および人数が含まれる。
【0021】
ルート情報取得部114は、後述するルート情報提供部318によって決定されたルートを含むルート情報を、通信ネットワーク40を介してサーバ30から取得する。なお、ルート情報の詳細は後述するが、当該情報は、最初の乗客によって承認されたルート、当該ルートにおける最初の乗客の乗車料金で構成され、最初の乗客によって承認された相乗り希望客がいる場合には、さらに、当該相乗り希望客の乗車料金を含んで構成される。
【0022】
情報表示部115は、ルート情報取得部114によってルート情報が取得されるまでは、乗客情報取得部113によって取得された乗客情報を表示装置107に表示さる。一方、当該ルート情報が取得された後は、当該ルート情報を表示させる。
【0023】
降車情報提供部116は、乗客が降車する度に、当該降車が発生したことを示す情報を、通信ネットワーク40を介してサーバ30に向けて送信する。なお、当該情報は、運転手が入力装置106を操作することで送信される。これにより、サーバ30は、各乗客が各目的地に到達したことに加え、空き車両となったことを認識することができる。
【0024】
図7に示す通り、携帯端末20は、位置情報取得部211、乗客識別部212、車両情報通知部213、乗車要求提供部214、付帯情報要求部215、判断材料提示部216、承認結果提供部217、および承認結果通知部218を備える。なお、上記各機能部211〜218は、携帯端末20が備えるCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをRAM202に読み出して実行することにより実現される。
【0025】
位置情報取得部211は、GPS電波受信機205が受信した電波から、携帯端末20の現在位置、すなわち、当該端末を有する乗客の現在位置を算出する。なお、本実施形態では、現在位置は、緯度および経度により特定される。
【0026】
乗客識別部212は、位置情報取得部211によって取得された現在位置と、あらかじめ登録された車両乗り場1の位置情報とを用いて、携帯端末20、すなわち当該端末を有する乗客が、車両乗り場1付近にいるか否かを判定する。当該判定によって車両乗り場1付近にいる乗客を識別することができる。そして、乗客は、車両乗り場1付近にいると識別された携帯端末20を用いることで乗車要求を送信することが可能となる。これにより、スムーズな相乗りを実現することができる。
なお、車両乗り場1付近にいる乗客を識別する手段としては、GPS電波受信機205を用いた方法に限らず、車両乗り場1に設置された据え置き端末50(
図14参照)と携帯端末20との通信を用いた方法を採用してもよい。当該通信には、無線PAN(Personal Area Network)、RFID(Radio Frequency IDentification)、NFC(Near Field Communication)等を採用できる。すなわち、車両乗り場1付近にいる乗客は、乗客が有する携帯端末20の通信によって識別することができる。
また、本実施形態では、携帯端末20が乗客識別部212を備えているが、位置情報取得部211によって取得された現在位置を、通信ネットワーク40を介してサーバ30に送信するようにし、サーバ30が乗客識別部212を備えるようにしてもよい。
【0027】
車両情報通知部213は、通信ネットワーク40を介してサーバ30から車両情報を取得する。車両情報には、最初の乗客の目的地に基づいて決定される行き先、最初の乗客の分を除いた最大乗車可能人数、および相乗り乗車要求の受付を締め切るまでの締め切り時間が含まれ、車両情報は、最初の乗客が割り当てられた車両ごとに設定される。さらに、車両情報通知部213は、取得した車両情報を、車両ごとに分けて表示装置207に表示させる。また、乗車要求提供部214によって新規乗車要求が送信された場合には、後述する乗車要求受付部311(
図8参照)によって設定される締め切り時間と同等の初期値5分が設定され、車両情報通知部213は、当該締め切り時間が経過するまで当該時間を表示する。一方、車両情報通知部213は、乗車要求提供部214によって相乗り乗車要求が送信された場合には、車両情報通知部213は、車両情報に含まれていた当該相乗り乗車要求に対応する締め切り時間が経過するまで当該時間を表示する。
なお、車両情報通知部213による車両情報の通知は、表示に限らず、音声等の乗客が認識可能な通知方法であれば、いずれの通知方法を採用してもよい。
【0028】
乗車要求提供部214は、車両情報通知部213によって表示装置207によって表示させた車両情報と、入力装置206の操作とによって、新規乗車要求および相乗り乗車要求のいずれかを乗客に選択させ、選択された乗車要求を、通信ネットワーク40を介してサーバ30に送信する。なお、当該乗車要求が相乗り乗車要求である場合には、最初の乗客が割り当てられている車両のうちの選択された車両に対応付けて相乗り乗車要求が送信される。また、各乗車要求を選択する際には、付帯情報要求部215によって当該乗車要求を送信する乗客の代表者名、目的地、および乗車人数の入力が要求される。これにより、各乗車要求には、当該乗車要求を送信した乗客の代表者名、目的地、および乗客の人数が含まれることとなる。
【0029】
付帯情報要求部215は、各乗車要求を選択した乗客に対し、当該乗車要求を送信する乗客の代表者名、目的地、および乗車人数の入力を要求する。なお、本実施形態における目的地の入力方法は、テキスト入力を採用しているが(
図11(a)参照)、目的地の入力方法はこの方法に限らない。例えば、音声による入力や、地図による指定等、目的地が入力される方法であれば、いずれの方法を採用してもよい。
【0030】
判断材料提示部216は、最初の乗客に対して判断材料を提示するために、通信ネットワーク40を介してサーバ30から判断材料を取得し、取得した判断材料を表示装置207に表示させる。なお、判断材料の詳細は後述するが、判断材料には、当該最初の乗客に対応する車両に対して受け付けられた相乗り乗車要求を採用した場合の乗車料金および乗車時間等、最初の乗客が、自身になされた相乗り乗車要求を承認するか否かを決定するための情報が含まれる。これにより、相乗りの機会を増大させることができる。
【0031】
承認結果提供部217は、判断材料提示部216によって表示装置207に表示させた判断材料と、入力装置206の操作とによって、いずれの相乗り乗車要求を承認するか、またはいずれの相乗り乗車要求も承認しないかを、最初の乗客に選択させ、選択された承認結果を、通信ネットワーク40を介してサーバ30に送信する。なお、承認結果を送信する際、サーバ30から、ナンバー、車種、車色等、当該最初の乗客が割り当てられた車両を識別可能とする情報が含まれていてもよい。
なお、本実施形態に係る相乗り支援システムでは、最初の乗客のみに相乗り乗車要求を承認する権利、および相乗り乗車要求を拒否する権利が付与されている。これに限らず、最初の乗客を相乗り希望者に置き換えた判断材料を相乗り希望者に送信し、相乗り希望者が有する携帯端末20に当該判断材料を表示させ、相乗り希望者にも相乗り乗車要求を承認する権利を付与してもよいが、本実施形態のように、最初の乗客のみに相乗り乗車要求を承認する権利が付与されていることが好ましい。
【0032】
承認結果通知部218は、自身の相乗り乗車要求に対する承認結果を、通信ネットワーク40を介してサーバ30から取得し、取得した承認結果を表示装置207に表示させる。なお、承認結果には、ナンバー、車種、車色等、当該相乗り乗車要求に対応する車両を識別可能とする情報が含まれていてもよい。
【0033】
図8に示す通り、サーバ30は、乗車要求受付部311、行き先導出部312、車両情報提供部313、ルート検索部314、判断材料導出部315、判断材料提供部316、承認結果伝達部317、ルート情報提供部318、乗客情報提供部319、および車両管理部320を備える。なお、上記各機能部311〜320は、サーバ30が備えるCPU301が記憶装置303に記憶されているプログラムをRAM302に読み出して実行することにより実現される。
【0034】
乗車要求受付部311は、携帯端末20から通信ネットワーク40を介して送信される乗車要求を取得し、当該乗車要求が新規乗車要求である場合には、空き車両に対し、当該新規乗車要求を送信した乗客と、当該新規乗車要求に含まれる目的地とを割り当てることで、新規乗車要求を受け付ける。一方、当該乗車要求が相乗り乗車要求である場合には、乗車要求受付部311は、最初の乗客が割り当てられている車両のうちの当該相乗り乗車要求に対応する車両に対し、当該相乗り乗車要求を送信した乗客と、当該相乗り乗車要求に含まれる目的地とを割り当てることで、相乗り乗車要求を受け付ける。なお、最初の乗客が割り当てられている車両ごとに相乗り乗車要求の受付を締め切る締め切り時間(初期値5分)が設定され、当該時間が経過すると、乗車要求受付部311は、当該車両に対する相乗り乗車要求の受付を終了する。
【0035】
行き先導出部312は、乗車要求受付部311によって受け付けられた乗車要求が新規乗車要求であった場合に、当該新規乗車要求に含まれる目的地を、当該目的地に対応づけられ、かつ当該目的地付近のランドマークに変換し、行き先として設定する。ここで、ランドマークとは、例えば、学校、市役所、体育館等の公共の建物や、スーパーやコンビニ等の小売店など、一般的に知られているあらかじめ定められた場所であれば、いずれの場所を採用してもよい。また、行き先導出部312は、「○○方面」や「○○町△丁目」等、新規乗車要求に含まれる目的地を含むエリアに変換し、行き先として設定するようにしてもよい。これにより、最初の乗客のプライバシーを保護しつつ、相乗り希望客に相乗り乗車要求を出させ易くすることができる。
【0036】
車両情報提供部313は、乗車要求受付部311によって新規乗車要求が受け付けられた場合に、当該新規乗車要求に対応する車両の定員から最初の乗客の分を除いた最大乗車可能人数を導出する。そして、車両情報提供部313は、最初の乗客が割り当てられた車両ごとに、設定された締め切り時間、設定された行き先、および最大乗車可能人数で構成される車両情報を設定し、これらの車両情報を、通信ネットワーク40を介して携帯端末20に送信する。
【0037】
ルート検索部314は、最初の乗客が割り当てられた車両のルートを検索する。具体的には、当該車両に相乗り乗車要求が割り当てられていない場合には、ルート検索部314は、車両乗り場1と最初の乗客の目的地を結ぶ道のりが最短となるルート(以下、単に「最短のルート」と称する)を検索する。一方、当該車両に相乗り乗車要求が割り当てられている場合には、車両乗り場1と最初の乗客の目的地を結ぶ最短のルートに加え、車両乗り場1と、最初の乗客の目的地と、相乗り希望客の目的地とを結ぶ最短のルートを検索する。
当該車両に相乗り乗車要求が複数ある場合には、車両乗り場1と最初の乗客の目的地を結ぶ道のりが最短のルートに加え、車両乗り場1と、最初の乗客の目的地と、相乗り希望客のうちの一人の目的地とを結ぶ最短のルートを、相乗り希望客の人数分だけ検索する。さらに、定員を超えない範囲で相乗り希望客を複数組合せられる場合には、これらの組合せに対し、車両乗り場1と、最初の乗客の目的地と、当該組合せに含まれるすべての相乗り希望客の目的地とを結んだ最短のルートを検索する。
なお、本実施形態において、ルート検索部314は、ルート検索の対象となる目的地が3箇所以上ある場合、これらの目的地を結ぶルートのうちの道のりが最短となるルートを検索するが、ルート検索を行うにあたって優先する優先事項はこれに限らない。例えば、優先事項を乗車時間とし、道路の混雑状況や有料道路の使用を駆使してこれらの目的地を結ぶルートのうちの乗車時間が最短となるルートを検索するようにしてもよい。すなわち、ルート検索部314は、ルート検索の対象となる目的地を結ぶルートのうちの或る優先事項に従った最適なルートを検索するものであればよい。さらに、当該優先事項を、最初の乗客の嗜好に合わせて決定されるようにしてもよい。この場合、ルート検索部314によって検索されるルートは、最初の乗客の嗜好にあった最適なルートとなる。
また、上述の通り、ルート検索部314は、優先事項に従った最適なルートを検索するものであるが、これに限らない。例えば、ルート検索の対象となる目的地が3箇所以上ある場合、これらの目的地を結ぶルートのすべてが検索されるようにしてもよいし、上記優先事項なしに、これらの目的地を結ぶルートのうちの少なくとも一つのルートが検索されてもよい。ただし、ルート検索の対象となる目的地が3箇所以上ある場合には、本実施形態のように、優先事項に従った最適な一のルートが検索されることが好ましい。
【0038】
したがって、本実施形態に係る相乗り支援システムは、車両乗り場(車両乗り場1)と、第一の目的地(最初の乗客の目的地)とを結ぶ第一のルートに加え、車両乗り場と、第一の目的地と、第二の目的地(相乗り希望客の目的地)とを結ぶ第二のルートを検索するルート検索手段(ルート検索部314)を備えていると言える。さらに、本実施形態に係る相乗り支援システムにおいて、上記ルート検索手段は、第一の相乗り乗車要求に対応する上記第二のルート、および第二の相乗り乗車要求に対応する上記第二のルートに加え、上記車両乗り場と、上記第一の目的地と、第一の相乗り乗車要求に対応する第二の目的地と、第二の相乗り乗車要求に対応する第二の目的地とを結ぶ第三のルート(優先事項に従った最適な一のルート)を検索するものであると言える。そして、この場合には、相乗り機会をさらに増大させることができる。なお、括弧内の構成は、直前の構成に対応する本実施形態の構成を例示したものである。
【0039】
判断材料導出部315は、最初の乗客が相乗り乗車要求を承認するか否かを判断する判断材料として、ルート検索部314によって検索されたルートのそれぞれにおける最初の乗客の乗車料金を算出するとともに、当該ルートのそれぞれにおける乗車時間を推定する。本実施形態に係る相乗り支援システムでは、相乗りしない場合の最初の乗客の乗車料金は、都道府県別の運賃算出ルール(例えば、東京23区であれば、1052メートルまで410円、以降237メートルごとに80円)に従ってルート検索部314によって検索されたルートの距離から算出する。そして、相乗りをする場合の最初の乗客の乗車料金は、相乗りする場合の最初の乗客の乗車時間が、相乗りしない場合の最初の乗客の乗車時間よりも長くなる場合には、相乗りしない場合の乗車料金から、乗車時間の増加1分あたり30円を値引きした料金とする。一方、相乗りする場合の最初の乗客の乗車時間が、相乗りしない場合の最初の乗客の乗車時間と同じになる場合には、一律に乗車料金の10%を割り引いた料金を、相乗りをする場合の最初の乗客の乗車料金とする。なお、最初の乗客の乗車料金の導出方法は、上述の方法に限らず、相乗りをする場合の最初の乗客の乗車料金が、相乗りをしない場合の最初の乗客の乗車料金よりも安くなる方法であれば、いずれの方法を採用してもよい。
【0040】
判断材料提供部316は、ルート検索部314によって検索されたルートのそれぞれにおける乗車料金および乗車時間を、通信ネットワーク40を介して携帯端末20に送信する。
【0041】
なお、本実施形態では、ルート検索部314によって検索されたルートのそれぞれに対応する乗車料金および乗車時間を判断材料としているが、これに限らない。例えば、車両乗り場1と最初の乗客の目的地を結ぶ最短のルートに対応する乗車料金および乗車時間、当該乗車料金とルート検索部314によって検索された他のルートに対応する乗車料金の差分、および当該乗車時間と当該他のルートに対応する乗車時間の差分を判断材料としてもよい。すなわち、判断材料は、車両乗り場1と最初の乗客の目的地を結ぶ最短のルートに対応する乗車料金と当該他のルートに対応する乗車料金との差を特定可能な情報、および車両乗り場1と最初の乗客の目的地を結ぶ最短のルートに対応する乗車時間と、当該他のルートに対応する乗車時間との差を特定可能な情報で構成されればよい。
さらに、判断材料には、必ずしも乗車時間に係る情報を要しない。すなわち、判断材料には、少なくとも乗車料金に係る情報があればよいが、判断材料に乗車時間に係る情報を含めることで、相乗り機会を増大させることができる。
【0042】
承認結果伝達部317は、最初の乗客が有する携帯端末20の承認結果提供部217から送信された承認結果を取得する。そして、承認結果伝達部317は、取得した当該承認結果にしたがって、当該最初の乗客が割り当てられた車両に対して相乗り乗車要求を送信した相乗り希望客が有する携帯端末20に対し、当該相乗り乗車要求の承認可否の結果を送信する。
【0043】
ルート情報提供部318は、最初の乗客によって承認された相乗り希望客の乗車料金を算出する。そして、ルート情報提供部318は、最初の乗客によって承認されたルート、当該ルートにおける最初の乗客の乗車料金、および最初の乗客によって承認された相乗り希望客がいる場合には、当該相乗り希望客の乗車料金を含むルート情報を、通信ネットワーク40を介して車両端末10に送信する。
【0044】
乗客情報提供部319は、乗車要求受付部311によって新規乗車要求が受け付けられた場合に、通信ネットワーク40を介して車両端末10に新規乗車要求に係る乗客情報を送信する。また、乗客情報提供部319は、承認結果伝達部317によって承認結果が取得された場合に、通信ネットワーク40を介して車両端末10に相乗り乗車要求に係る乗客情報を送信する。
【0045】
車両管理部320は、車両端末10から個別に送信される現在位置および降車情報にしたがって、サーバ30によって管理されている車両のうちの車両乗り場1に供給される空き車両を把握する。
【0046】
<携帯端末およびサーバの処理の流れについて>
次に、
図9用いて、本実施形態に係る相乗り支援システムにおける携帯端末20およびサーバ30の処理の流れを説明する。
図9は、本実施形態に係る相乗り支援システムにおける携帯端末20およびサーバ30の処理の流れを示すフローである。なお、各処理の説明において、上述のソフトウェア構成の説明で説明済みのものは、適宜説明を省略し、
図9では、これらの処理の一部についての図示も省略する。
また、必要に応じて、
図10〜
図13に示す携帯端末20の表示装置207に表示される画面の例も用いて説明する。ここで、
図10(a)〜
図10(c)は、乗車要求が選択されるまでの画面の例を示す図であり、
図11(a)は、新規乗車要求または相乗り乗車要求が選択されてから当該選択に対応した乗車要求が送信されるまでに携帯端末20に表示される画像の例を、
図11(b)は、新規乗車要求が選択されてから新規乗車要求が送信されるまでに携帯端末20に表示される画面の例を、
図11(c)は、相乗り乗車要求が選択されてから相乗り乗車要求が送信されるまでに携帯端末20に表示される画面の例を示す図であり、
図12は、判断材料が表示される際に携帯端末20表示される画面の例を示す図である。
図13(a)は、最初の乗客が有する携帯端末20によって承認結果が送信された際に当該携帯端末20表示される画面の例を、
図13(b)は、相乗り乗車要求が承認された相乗り希望客が有する携帯端末20に表示される画面の例を、
図13(c)は、相乗り乗車要求が拒否された相乗り希望客が有する携帯端末20に表示される画面の例を示す図である。
【0047】
まず、以降の説明では、説明の便宜上、携帯端末20を、最初の乗客が有する携帯端末20と、相乗り希望者が有する携帯端末20に分けて説明する。したがって、
図9に示す処理は、最初の乗客が有する携帯端末20によって実行される処理、サーバ30によって実行される処理、相乗り希望客が有する携帯端末20によって実行される処理に大別されるが、最初の乗客が有する携帯端末20によって実行される処理、および相乗り希望客が有する携帯端末20によって実行される処理は、いずれも携帯端末20によって実行される処理である。
【0048】
最初のステップS11〜ステップS21は、最初の乗客が有する携帯端末20によって実行される処理である。
ステップS11では、位置情報取得部211により、携帯端末20の現在位置、すなわち、当該端末を有する乗客の現在位置が算出される。
ステップS13では、乗客識別部212により、ステップS11で算出された現在位置が、車両乗り場1付近であるか否かが判定され、当該条件が充足された場合にはステップS15に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS11に戻る。なお、ステップS13における条件が充足された場合には、
図10(a)で示される画面400が表示装置207に表示され、画面400に表示された画像401が操作されることで、ステップS15に進む。また、ステップS13における条件が充足されなかった場合には、
図10(b)で示される画面410が表示装置207に表示され、画面410に表示された画像411が操作されることで、ステップS11に戻る。
【0049】
ステップS15では、車両情報通知部213により、車両情報が表示される。具体的には、
図10(c)で示される画面420が表示装置207に表示される。画面420には、最初の乗客が割り当てられた車両ごとに設定された車両情報を示す、画像421、画像422、画像423が表示されている。そして、これらの画像はボタンを構成しており、これらの画像を操作すると、相乗り乗車要求が選択されることとなる。さらに、画面420には、新規乗車要求を選択するための画像424が表示されている。この画像もボタンを構成しており、当該画像を操作することで新規乗車要求が選択されることとなる。また、画面400、画面410、画面420には、順に、画像402、画像412、画像425が表示されており、これらの画像を操作することで、
図9における図示は省略するが、携帯端末20における処理を終了させることができる。なお、以降の説明では、画像424が操作されたことによって新規乗車要求が選択されたものとして説明を続ける。
【0050】
ステップS17では、画像424が操作されたため、新規乗車要求が選択される。
ステップS19では、付帯情報要求部215により、付帯情報の入力画面が表示装置207に表示され、付帯情報の入力が要求される。具体的には、
図11(a)に示される画面430が表示装置207に表示される。画面430には、代表者名を入力する領域を示す画像431、目的地を入力する領域を示す画像432、乗車人数を入力する領域を示す画像433が表示され、これらの領域に各情報を打ち込むことで付帯情報を入力することができる。付帯情報を入力した後、画面430に表示されている画像434が操作されると、ステップS21に進む。なお、
図9における図示は省略するが、画像435が操作されると、ステップS15に戻ることとなる。
ステップS21では、乗車要求提供部214により、新規乗車要求が、携帯端末20から通信ネットワーク40を介してサーバ30に送信される。なお、新規乗車要求が送信された場合には、車両情報通知部213により、乗車要求受付部311によって設定される締め切り時間と同等の初期値5分が設定され、当該締め切り時間が表示装置207に表示される。具体的には、
図11(b)に示される画面440が表示装置207に表示される。
【0051】
続いて、ステップS23〜ステップS27は、サーバ30によって実行される処理である。
ステップS23では、乗車要求受付部311により、ステップS21で携帯端末20から送信された新規乗車要求が受け付けられる。
ステップS25では、行き先導出部312により、ステップS23で受け付けられた乗車要求が新規乗車要求であるため、当該新規乗車要求に含まれる目的地が、あらかじめ定められたランドマークのうちの当該目的地付近のランドマークに変換され、行き先として設定される。
ステップS27では、車両情報提供部313により、車両情報が、サーバ30から通信ネットワーク40を介して相乗り希望者が有する携帯端末20に送信される。
【0052】
続いて、ステップS29〜ステップS35は、相乗り希望客が有する携帯端末20によって実行される処理である。
ステップS29では、車両情報通知部213により、ステップS27でサーバ30から送信された車両情報が表示される。具体例の図示は省略するが、
図10(c)で示した画面420に対して、ステップS23で受け付けられた新規乗車要求に対応する車両情報を示す画像が追加された画面が表示装置207に表示される。なお、以降の説明では、追加された当該画像、すなわち、ステップS23で受け付けられた新規乗車要求に対応する車両情報を示す画像が操作され、ステップS23で受け付けられた新規乗車要求を送信した最初の乗客が割り当てられた車両に対する相乗り乗車要求が選択されたものとして説明を続ける。なお、
図9における図示は省略するが、画像424が操作されたことによって新規乗車要求が選択された場合には、上述したステップS19と同様に、付帯情報要求部215により、付帯情報の入力画面が表示装置207に表示され、付帯情報の入力が要求される。また、ステップS29において、画像421、画像422、または画像423、すなわち、ステップS23で受け付けられた新規乗車要求に対応する車両情報を示す画像以外の相乗り乗車要求に対応する車両情報を示す画像が操作されたことによって相乗り乗車要求が選択された場合には、当該選択に対応して以降に説明する処理が実行されることとなる。
ステップS31では、ステップS23で受け付けられた新規乗車要求に対応する車両情報を示す画像が操作されたため、相乗り乗車要求が選択される。
ステップS33では、ステップS19と同様に、付帯情報要求部215により、付帯情報の入力画面が表示装置207に表示され、付帯情報の入力が要求される。具体的には、
図11(a)に示される画面430と同一の画面(当該画面および当該画面に表示される画像について図示省略)が表示装置207に表示される。当該画面には、画面430と同様に、代表者名を入力する領域を示す画像431と同一の画像、目的地を入力する領域を示す画像432と同一の画像、乗車人数を入力する領域を示す画像433と同一の画像が表示され、これらの領域に各情報を打ち込むことで付帯情報を入力することができる。付帯情報を入力した後、画面430に表示されている画像434と同一の画像が操作されると、ステップS35に進む。なお、
図9における図示は省略するが、画像435が操作されると、ステップS29に戻ることとなる。
ステップS35では、乗車要求提供部214により、相乗り乗車要求が、携帯端末20から通信ネットワーク40を介してサーバ30に送信される。なお、相乗り乗車要求が送信された場合には、選択した車両情報に含まれる締め切り時間が表示装置207に表示される。具体的には、
図11(c)に示される画面450が表示装置207に表示される。
【0053】
続いて、ステップS37〜ステップS43は、サーバ30によって実行される処理である。
ステップS37では、乗車要求受付部311により、ステップS35で携帯端末20から送信された相乗り乗車要求が受け付けられる。
ステップS39では、乗車要求受付部311により、ステップS23で受け付けられた新規乗車要求を送信した最初の乗客が割り当てられた車両に対する相乗り乗車要求の受付を締め切る締め切り時間が経過したか否かの判定が行われ、当該条件が充足された場合にはステップS41に進む。なお、当該条件が充足されるまではステップS39の判定が繰り返し実行され、この間に、別の相乗り希望客からの相乗り乗車要求があった場合には、乗車要求受付部311により、当該相乗り乗車要求が受け付けられる。
ステップS41では、ルート検索部314により、ルートが検索される。
ステップS43では、判断材料導出部315により、ルート検索部314によって検索されたルートに対応する判断材料が導出され、導出された判断材料が、サーバ30から通信ネットワーク40を介して携帯端末20に送信される。
【0054】
続いて、ステップS45およびステップS47は、最初の乗客が有する携帯端末20によって実行される処理である。
ステップS45では、判断材料提示部216により、サーバ30から送信された判断材料が、表示装置207に表示される。ここでは、例えば、
図12で示される画面460が表示装置207に表示され、この例では、2つの相乗り乗車要求が受け付けられた場合が示されている。具体的には、画面460には、車両乗り場1と最初の乗客の目的地を結ぶ最短ルートに対応する乗車料金および乗車時間を示す画像461が表示されている。また、画面460には、車両乗り場1と、最初の乗客の目的地と、相乗り希望客のうちの一人の目的地とを結ぶ最短のルートに対応する最初の乗客の乗車料金および乗車時間を示す画像462、車両乗り場1と、最初の乗客の目的地と、相乗り希望客のうちの別の一人の目的地とを結ぶ最短のルートに対応する最初の乗客の乗車料金および乗車時間を示す画像463が表示されている。また、画面460には、車両乗り場1と、最初の乗客の目的地と、相乗り希望者の双方の目的地とを結ぶ最短のルートに対応する最初の乗客の乗車料金および乗車時間を示す画像464が表示されている。さらに、画像462、画像463、画像464の横には、順に、画像465、画像466、画像467が表示されており、これらの画像を操作させることで、最初の乗客に対し、承認する相乗り乗車要求を選択させることができる。なお、画面460には、画像468も表示されており、当該画像を操作させることで、いずれの乗車要求も承認しないことを選択させることができる。画像465〜画像468のいずれかが操作されると、ステップS47に進む。
ステップS47では、承認結果提供部217により、ステップS45において選択された承認結果が、携帯端末20から通信ネットワーク40を介してサーバ30に送信される。その後、
図13(a)で示される画面470が表示装置207に表示される。
【0055】
ステップS49は、サーバ30によって実行される処理であり、当該処理では、承認結果伝達部317により、ステップS47で携帯端末20から送信された承認結果が、サーバ30から通信ネットワーク40を介して送信される。
【0056】
ステップS51は、相乗り希望客が有する携帯端末20によって実行される処理であり、当該処理では、承認結果通知部218により、承認結果が、表示装置207に表示される。ここでは、例えば、
図13(b)で示される画面480や、
図13(c)で示される画面490が表示装置207に表示される。具体的には、画面480には、相乗り乗車要求が承認された旨が表示されるとともに、当該相乗り承認が受け付けられた車両を特定可能な情報が表示されている。一方、画面490には、相乗り乗車要求が拒否された旨が示されている。
【0057】
このように、携帯端末20は、車両ごとの最初の乗客の目的地に基づく行き先をサーバ30から受信し、行き先を表示装置207に表示させるステップ(ステップS29)と、表示装置207に表示された行き先のいずれかを選択させるステップ(ステップS31)と、選択された行き先に対応する車両に対し、相乗り乗車要求を送信するステップ(ステップS35)と、を実行させるための、プログラムを備えていると言える。
【0058】
<相乗り支援システムの変形例について>
以上説明した通り、本実施形態に係る相乗り支援システムは、車両端末10、携帯端末20、およびサーバ30で構成されているが、ハードウェア構成はこれに限らない。以下、
図14および
図15を用いて、本実施形態に係る相乗り支援システムのハードウェア構成の変形例を説明する。なお、
図14は、本実施形態に係る相乗り支援システムのハードウェア構成の第1変形例を示す図であり、
図15は、本実施形態に係る相乗り支援システムのハードウェア構成の第2変形例を示す図である。
【0059】
図14には、本実施形態に係る相乗り支援システムのハードウェア構成の第1変形例として、携帯端末20およびサーバ30を、車両乗り場に設けられた複数の据え置き端末50に置き換えた変形例を示している。この変形例では、車両端末10および据え置き端末は、通信ネットワーク40を介して相互に通信可能となっており、乗客3は、据え置き端末を操作することで、新規乗車要求および相乗り乗車要求を送信可能となっている。このようにしても、相乗りの機会を増大させることができる。
なお、この変形例において、据え置き端末50のハードウェア構成およびソフトウェア構成は、携帯端末20とサーバ30とを合わせたものと略一致しているため、一致している点についての説明は省略するが、GPS電波受信機205が設けられておらず、かつ位置情報取得部211を備えていない点が、本実施形態に係る相乗り支援システムとは異なる。すなわち、車両乗り場1付近にいる乗客を識別する方法が異なる。具体的には、本変形例では、据え置き装置を操作している乗客を車両乗り場1付近にいる乗客と識別している。
【0060】
また、この変形例とは異なるが、本実施形態に係る相乗り支援システムにおける携帯端末の一部または全部を、携帯端末20と同等のハードウェア構成およびソフトウェア構成を有する据え置き端末50に置き換えるようにしてもよく、このようにしても、相乗りの機会を増大させることができ、かつ携帯端末20を有しない乗客に対しても本実施形態に係る相乗り支援システムを提供することができる。なお、この場合には、サーバ30は維持される。
【0061】
上述の通り、本実施形態に係る相乗り支援システムは、最初の乗客の乗車要求を受け付け、相乗り希望客に対して当該乗車要求に含まれる行き先を通知し、最初の乗客が割り当てられた車両を選択させることで相乗り機会を増大させるものである。したがって、本実施形態に係る相乗り支援システムのハードウェア構成の変形例として、
図15に示す第2変形例も採用することができる。この変形例は、本実施形態に係る相乗り支援システムのハードウェア構成から、携帯端末20およびサーバ30を削除し、車両2に行き先を通知する行き先通知部11を設けたものである。このようにしても、相乗りの機会を増大させることができる。
なお、この変形例では、最初の乗客が車両2に乗り込み、車両端末10に対して目的地(新規乗車要求に相当)が入力される(受け付けられる)ことで、行き先通知部11に、当該目的地に基づく行き先が表示される。これにより、相乗り希望客が、相乗りを希望する車両を見つけ、当該車両に対し、相乗り交渉を行うことが出来る。そして、当該交渉が成立し、最初の乗客に相乗りが承認されると、車両端末10に対し、経由地または目的地として、相乗り希望客の目的地(相乗り乗車要求に相当)が入力される(受け付けられる)。
【0062】
以上、図面を参照して本実施形態に係る相乗り支援システムを説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
また、上記の各実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、適宜に組み合わせることができる。
【0063】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1) 車両乗り場に供給される車両の相乗りを支援する相乗り支援システムであって、
車両ごとの最初の乗客の目的地である第一の目的地を含む新規乗車要求を受け付ける新規乗車要求受付手段と、
前記第一の目的地に基づく行き先を通知する行き先通知手段と、
前記新規乗車要求受付手段によって前記新規乗車要求が受け付けられた車両のうちの一の車両を特定した別の乗客の相乗り乗車要求を受け付ける相乗り乗車要求受付手段と、を備えた、相乗り支援システム。
(2) 前記第一の目的地を、該第一の目的地に対応づけられ、かつ該第一の目的地付近のランドマーク、または該第一の目的地を含むエリアに変換し、前記行き先とする行き先導出手段を備えた、上記(1)に記載の相乗り支援システム。
(3) 前記車両乗り場付近にいる乗客を、乗客が有する携帯端末の通信、または該車両乗り場付近に設置された据え置き端末に対する乗客の操作によって識別する乗客識別手段を備え、
前記新規乗車要求受付手段は、前記乗客識別手段によって識別された乗客である前記最初の乗客の前記新規乗車要求を受け付け、
前記相乗り乗車要求受付手段は、前記乗客識別手段によって識別された乗客である前記別の乗客の相乗り乗車要求を受け付ける、上記(1)又は(2)に記載の相乗り支援システム。
(4) 前記相乗り乗車要求受付手段によって前記相乗り乗車要求が受け付けられた前記別の乗客の目的地である第二の目的地を取得する目的地取得手段と、
前記車両乗り場と、前記第一の目的地とを結ぶ第一のルートに加え、前記車両乗り場と、前記第一の目的地と前記第二の目的地とを結ぶ第二のルートを検索するルート検索手段と、
前記第一のルートおよび前記第二のルートのそれぞれに要する前記最初の乗客の乗車料金を導出する乗車料金導出手段と、
前記第一のルートに要する前記最初の乗客の乗車料金と前記第二のルートに要する前記最初の乗客の乗車料金との差を特定可能な情報を、前記最初の乗客に対して提示する判断材料提示手段と、を備えた、上記(1)乃至(3)のいずれか一つに記載の相乗り支援システム。
(5) 前記相乗り乗車要求受付手段は、前記一の車両に対する前記相乗り乗車要求として、第一の相乗り乗車要求および第二の相乗り乗車要求を受け付けることが可能であり、
前記目的地取得手段は、前記相乗り乗車要求受付手段によって受け付けられた前記第一の相乗り乗車要求および前記第二の相乗り乗車要求のそれぞれに対応する前記第二の目的地を取得し、
前記ルート検索手段は、前記第一の相乗り乗車要求に対応する前記第二のルート、および前記第二の相乗り乗車要求に対応する前記第二のルートに加え、前記車両乗り場と、前記第一の目的地と、前記第一の相乗り乗車要求に対応する前記第二の目的地と、前記第二の相乗り乗車要求に対応する前記第二の目的地とを結ぶ第三のルートを検索し、
前記乗車料金導出手段は、前記第一のルート、前記第一の相乗り乗車要求に対応する前記第二のルート、前記第二の相乗り乗車要求に対応する前記第二のルート、および前記第三のルートのそれぞれに要する前記最初の乗客の乗車料金を導出し、
前記判断材料提示手段は、前記第一のルートに要する前記最初の乗客の乗車料金と前記第一の相乗り乗車要求に対応する前記第二のルートに要する前記最初の乗客の乗車料金との差、前記第一のルートに要する前記最初の乗客の乗車料金と前記第二の相乗り乗車要求に対応する前記第二のルートに要する前記最初の乗客の乗車料金との差、および前記第一のルートに要する前記最初の乗客の乗車料金と前記第三のルートに要する前記最初の乗客の乗車料金との差を特定可能な情報を提示する、上記(4)に記載の相乗り支援システム。
(6)
前記第一のルートおよび前記第二のルートのそれぞれに要する前記最初の乗客の乗車時間を推定する乗車時間推定手段を備え、
前記判断材料提示手段は、さらに、前記第一のルートに要する前記最初の乗客の乗車時間と前記第二のルートに要する前記最初の乗客の乗車時間との差を特定可能な情報を、前記最初の乗客に対して提示する、上記(4)又は(5)に記載の相乗り支援システム。
(7)
前記第一のルート、前記第一の相乗り乗車要求に対応する前記第二のルート、前記第二の相乗り乗車要求に対応する前記第二のルート、および前記第三のルートのそれぞれに対応する前記最初の乗客の乗車時間を推定する乗車時間推定手段を備え、
前記判断材料提示手段は、前記第一のルートに要する前記最初の乗客の乗車時間と前記第一の相乗り乗車要求に対応する前記第二のルートに要する前記最初の乗客の乗車時間との差、前記第一のルートに要する前記最初の乗客の乗車時間と前記第二の相乗り乗車要求に対応する前記第二のルートに要する前記最初の乗客の乗車時間との差、および前記第一のルートに要する前記最初の乗客の乗車時間と前記第三のルートに要する前記最初の乗客の乗車時間との差を特定可能な情報を提示する、上記(5)に記載の相乗り支援システム。
(8)
前記相乗り乗車要求受付手段によって受け付けられた前記相乗り乗車要求を前記最初の乗客が承認するか否かを受け付ける承認受付手段を備えた、上記(4)乃至(7)のいずれか一つに記載の相乗り支援システム。
(9) コンピュータに、
車両ごとの最初の乗客の目的地に基づく行き先をサーバから受信し、前記行き先を表示装置に表示させるステップと、
前記表示装置に表示された前記行き先のいずれかを選択させるステップと、
選択された前記行き先に対応する車両に対し、相乗り乗車要求を送信するステップと、
を実行させるための、プログラム。