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特開2020-29252車両用トランクカバー及びその開放方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-29252(P2020-29252A)
(43)【公開日】2020年2月27日
(54)【発明の名称】車両用トランクカバー及びその開放方法
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/10 20060101AFI20200131BHJP
【FI】
   B60J5/10 L
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-142937(P2019-142937)
(22)【出願日】2019年8月2日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0096971
(32)【優先日】2018年8月20日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 友子
(72)【発明者】
【氏名】イ・サンフン
(72)【発明者】
【氏名】エルヴィン・ケスラー
(57)【要約】
【課題】積載空間部を開放する際の障害物との干渉による制約を緩和できる車両用トランクカバー及びその開放方法を提供する。
【解決手段】本発明は、車両のトランクカバーに関し、車両に形成された積載空間部の一部を覆う上部パネルと、この上部パネルと連続して配置され、積載空間部の他の一部を覆う下部パネルと、上部パネルを車両の本体に連結する本体連結部と、上部パネル及び下部パネルを連結し、積載空間部を開けているときに上部パネル及び下部パネルによって形成される長さが変わり得るパネル連結部とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用トランクカバーにおいて、
車両内に形成された積載空間部の一部を覆う上部パネルと、
上部パネルと連続して配置され、積載空間部の他の部分を覆う下部パネルと、
車両の本体に上部パネルを連結する本体連結部と、
積載空間部を開放するときに、上部パネルと下部パネルとによって形成される長さが変わり得るように上部パネルと下部パネルとを連結するパネル連結部と、
を備えることを特徴とする、車両用トランクカバー。
【請求項2】
パネル連結部は、下部パネルと上部パネルとを回転可能に連結するヒンジ装置を含むことを特徴とする、請求項1に記載の車両用トランクカバー。
【請求項3】
障害物を検出するセンサ部と、
積載空間部を開放するとき、センサ部の検出信号に従って上部パネルと下部パネルの少なくとも一つの回転角を制御する制御部と
をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の車両用トランクカバー。
【請求項4】
センサ部が、車両後方の障害物を検出する後方センサを備えることを特徴とする、請求項3に記載の車両用トランクカバー。
【請求項5】
センサ部は、車両上方の障害物を検出する上方センサを備えることを特徴とする、請求項3又は4に記載の車両用トランクカバー。
【請求項6】
制御部が、
センサ信号入力部に検出された信号の入力を受信するセンサ信号入力部と、
センサ信号入力部を介して入力される、障害物の位置情報に従って上部パネルと下部パネルとの回転角及び順番を決定する操作決定部と、
操作決定部の決定結果に従って本体連結部又はパネル連結部の操作を制御する操作制御部と
を備えることを特徴とする、請求項3に記載の車両用トランクカバー。
【請求項7】
車両用トランクカバーの開放方法において、
車両に形成された積載空間部を覆う上部パネルと下部パネルとを搭載する開放待機工程と、
上部パネルを開いている間、下部パネルを操作する方法を決定するモード決定工程と、
上部パネル及び下部パネルの少なくとも一側部を移動させて積載空間部を開放するパネル開放工程と
を備えることを特徴とする、車両用トランクカバー開放方法。
【請求項8】
モード決定工程において、上部パネルを動かすときに、下部パネルが自重でぶら下がっている状態が維持される第1モードと、下部パネルが設定速度で動かされて上部パネルに向かって折りたたまれる第2モードと、上部パネルと下部パネルとの間の相対角度が一定に維持される第3モードとのいずれかのモードが決定される
ことを特徴とする、請求項7に記載の車両用トランクカバー開放方法。
【請求項9】
パネル開放工程は、積載空間部を開放するため上部パネルを動かす第1開放工程を備えることを特徴とする、請求項7に記載の車両用トランクカバーの開放方法。
【請求項10】
第1開放工程において、上部パネルを移動しているときに、上部パネル又は下部パネルと障害物との間の距離が設定距離以内である場合は、上部パネルの移動は停止されることを特徴とする、請求項9に記載の車両用トランクカバーの開放方法。
【請求項11】
パネル開放工程が、積載空間部をさらに開放するために第1開放工程の後に下部パネルを移動させる第2開放工程をさらに備えることを特徴とする、請求項9又は10に記載の車両用トランクカバーの開放方法。
【請求項12】
第2開放工程において、下部パネルを回転させているときに、上部パネル又は下部パネルと障害物との間の距離が設定距離以内である場合は、下部パネルの回転は停止されることを特徴とする、請求項11に記載の車両用トランクカバーの開放方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のトランクカバー及びそのトランクカバーを開ける方法に関し、特に、車両の積載空間部を覆う車両のトランクカバー及びそのトランクカバーを開ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両には荷物を積載可能な積載空間部が設けられていて、この積載空間部を覆うトランクカバーが回動可能に設置されている。そのようなトランクカバーは1つのパネル部材からなる。トランクカバーの長さに対応する半径範囲内に障害物があると、その障害物はトランクカバーと必然的に干渉する。
【0003】
車両の駐車時や停止時に壁から後方や他の車両までの距離が十分に確保されていないと、障害物によりトランクカバーの回動範囲が著しく狭くなり、荷物の積み込み又は積み下ろしが困難になることがある。そして、トランクカバーや荷物は、障害物との干渉によって損傷を受けるかもしれない。したがって、トランクカバーの開く動線と、荷物の大きさとを考慮して、車両を駐車し停止する必要があることは、不便である。そして、不便や事故が、他の車両の走行線に干渉することによって生じるおそれがある。
【0004】
本発明の背景技術は、特許文献1(1998年6月24日に公開、発明の名称は自動車用トランクカバーである。)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第2010−0069245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、積載空間部を開放する際の障害物との干渉による制約を緩和できる車両用トランクカバー及びその開放方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
車両用トランクカバーは、車両内に形成された積載空間部の一部を覆う上部パネルと、
上部パネルと連続して配置され、積載空間部の他の部分を覆う下部パネルと、
車両の本体に上部パネルを連結する本体連結部と、
積載空間部を開放するときに、上部パネルと下部パネルとによって形成される長さが変えられるように上部パネルと下部パネルとを連結するパネル連結部と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
パネル連結部は、下部パネルと上部パネルとを回転可能に連結するヒンジ装置を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、障害物を検出するセンサ部と、
積載空間部を開放するとき、センサ部の検出信号に従って上部パネルと下部パネルの少なくとも一つの回転角を制御する制御部と
をさらに備えることを特徴とする。
【0010】
センサ部は、車両後方の障害物を検出する後方センサを備えることを特徴とする。
【0011】
センサ部は、車両上方の障害物を検出する上方センサを備えることを特徴とする。
【0012】
制御部が、
センサ信号入力部に検出された信号の入力を受信するセンサ信号入力部と、
センサ信号入力部を介して入力される、障害物の位置情報に従って回転角及び順番を決定する操作決定部と、
操作決定部の決定結果に従って本体連結部又はパネル連結部の操作を制御する操作制御部と
を備えることを特徴とする。
【0013】
車両用トランクカバーの開放方法は、
車両に形成された積載空間部を覆う上部パネルと下部パネルとを搭載する開放待機工程と、
上部パネルを開いている間、下部パネルを操作する方法を決定するモード決定工程と、
上部パネル及び下部パネルの少なくとも一側部を移動させて積載空間部を開放するパネル開放工程と
を備えることを特徴とする。
【0014】
モード決定工程において、上部パネルを動かすときに、下部パネルが自重でぶら下がっている状態が維持される第1モードと、下部パネルが設定速度で動かされて上部パネルに向かって折りたたまれる第2モードと、上部パネルと下部パネルとの間の相対角度が一定に維持される第3モードとのいずれかのモードが決定されることを特徴とする。
【0015】
パネル開放工程は、積載空間部を開放するため上部パネルを動かす第1開放工程を備えることを特徴とする。
【0016】
第1開放工程において、上部パネルを移動しているときに、上部パネル又は下部パネルと障害物との間の距離が設定距離以内である場合は、上部パネルの移動は停止されることを特徴とする。
【0017】
パネル開放工程が、積載空間部をさらに開放するために第1開放工程の後に下部パネルを移動させる第2開放工程をさらに備えることを特徴とする。
【0018】
第2開放工程は、下部パネルを回転させているときに、上部パネル又は下部パネルと障害物との間の距離が設定距離以内である場合は、下部パネルの回転は停止されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の車両用トランクカバー及び当該トランクカバーを開ける方法によれば、上部パネルと下部パネルとによって形成される長さは常に一定ではなく、車両用トランクカバーを開けられるように、障害物との位置と距離とを考慮して広く変化する。このため、積載空間部を開ける際の、障害物との干渉による制約はさらに緩和されよう。
【0020】
よって、本発明の車両用トランクカバー及びそのトランクカバーを開ける方法によれば、限られた空間において後方の障害物への距離がより長く延びるので、トランクカバーの移動線と考慮して車両を障害物から十分なスペースを空けて駐車又は停車させなければならなかった従来の煩雑さ、そして、他の車両の移動線との干渉により生じる不便又は事故を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係る車両のトランクカバーを示す模式図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態に係る車両用トランクカバーを後方の障害物と干渉することなく開ける例を説明するための使用状態図である。
図3a図3aは、本発明の第1の実施形態に係る車両のトランクカバーを上方又は後方の障害物に干渉することなく開ける例を示す使用説明図である。
図3b図3bは、本発明の第1の実施形態に係る車両のトランクカバーを上方又は後方の障害物に干渉することなく開ける例を示す使用説明図である。
図4図4は、本発明の第1の実施形態に係る車両のトランクカバーを上方又は後方の障害物に干渉することなく開ける例を示す使用説明図である。
図5図5は、同じ説明をするために、本発明の第2の実施形態に係る車両のトランクカバーのセンサユニットを使用して障害物を検出する動作を説明するための概念図である。
図6図6は、本発明の第2実施形態に係る車両用トランクカバーの制御部を説明するための概念図である。
図7a図7aは、本発明の第2実施形態に係る車両のトランクカバーを上方又は後方の障害物に干渉することなく開ける例を説明する説明図である。
図7b図7bは、本発明の第2実施形態に係る車両のトランクカバーを上方又は後方の障害物に干渉することなく開ける例を説明する説明図である。
図8図8は、本発明の第1実施形態に係る車両用トランクカバーを開ける方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照しながら、本発明による車両用トランクカバー及びその開放方法の実施の形態を説明する。この説明過程において、図面に示される線の太さ又は構成要素のサイズは、説明の明瞭さ及び理解の容易さのために誇張されることがある。さらに、本発明の機能を考慮する中で定義される以下の用語は、ユーザ又は操作者の意図又は実施に応じて変わり得る。したがって、これらの用語の定義は、この明細書全体を通しての内容に基づいているべきである。
【0023】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る車両のトランクカバーを概略的に示す模式図である。
【0024】
図1を参照すると、本発明の第1実施形態による車両用トランクカバー1は、上部パネル10、下部パネル20、本体連結部30、パネル連結部40と、角度維持部50とを備える。
【0025】
上部パネル10は、車両2に形成された積載スペース部3の一部を被覆可能なパネル形状を有している。下部パネル20は、上部パネル10の下方に配置され、積載空間部3の他の部分を覆う。本体連結部30は、上部パネル10と車両2の本体とを連結する。パネル連結部40は、上部パネル10と下部パネル10を連結し、これにより、積載空間部3を開放する際に、上パネル10と下パネル20とがなす長さは、変わり得る。角度維持部50は、上部パネル10と下部パネル20とを連結し、上部パネル10に対する下部パネル20のなす相対角度は、一定に維持される。
【0026】
本発明の記載において、上部パネル10と下部パネル20とは、それぞれ、車両2の本体への連結部である本体連結部について、上側に配置された上側部分と、相対的に下側に配置された下側部分とに分けて名付けているが、上部パネル10は下部パネル20の上側に高く位置していることを意味するのではない。よって、本発明に係る車両用トランクカバー1を平らに設置するとき、上部パネル10が車両本体2に連結され、下部パネル20が上部パネル10に連結される。
【0027】
ここで、上パネル10と下パネル20とによって形成される長さは、上パネル10の端部から下パネル20の端部までの直線距離を意味する。すなわち、図1において、長さは、上パネル10又は本体連結部30の上端部から下パネル20の下端部までの直線距離を意味する。積載空間部3を覆う状態において、上部パネル10と下部パネル20とは、r1に相当する長さを有している。
【0028】
下部パネル20が上部パネル10に向かって設定角度で回転すると、上部パネル10と下部パネル20とによって形成される長さはさらにr2(<r1)に減少する。ここで、下部パネル20が上部パネル10に向かって設定角度以上回転すると、上部パネル10と下部パネル20とで形成される長さは、さらにr3(<r2<r1)となる。
【0029】
積載空間部3が上部パネル10と下部パネル20とで覆われている状態において、パネル連結部40が停止及び固定状態に維持されていて、本体連結部30のみが操作される、すなわち、上部パネル10及び下部パネル20の相対角度を一定に保ちながら上部パネル10を上方に回転させると、上部パネル10及び下部パネル20が、r1に相当する回転半径で上部パネル及び下部パネルが回転される開操作を実施する。
【0030】
積載空間部3が上部パネル10と下部パネル20とで覆われている状態において、下部パネル20が、駆動力又は外力なしにパネル連結部40に吊り下げられた状態で維持されていて、本体連結部30のみが操作される、すなわち、下部パネル20が自重でぶらさがった状態を維持しながら上部パネル10を上方に回転させると、下部パネル20は上方パネル10と共に、r2に相当する回転半径で、地面に対してある角度を維持しながら上方に回転される。その後、上パネル10をさらに上方に回転させると、回転半径が徐々に減少しながら、下パネル20が上パネル10側にさらにたたみこまれる。
【0031】
積載空間部3が上部パネル10と下部パネル20とで覆われている状態において、本体連結部30及びパネル連結部40がいっしょに操作される、すなわち、下部パネル20が上部パネル10に向かって設定角度α°でたたみこまれているときに、上部パネル10が回転されると、回転角度はr1からr3に低減される。
【0032】
本発明による上部パネル10及び下部パネル20が、積載空間部3を被覆可能なパネル形状を有するならば、上部パネル10及び下部パネル20は、特定の構成及び形状に限定されない。また、本発明による本体連結部30が、回転可能に上部パネル10の上端部を車両2の本体に連結するならば、そして本体連結部30が、手動操作構造、又はアクチュエータを含む自動的に作動する構造を備え、本体連結部30が、異なる部品を連結する周知技術を含み、特定の構造及び形状に限定されないので、本体連結部30の構造及び操作の詳細な説明は省略される。
【0033】
パネル連結部40は、下部パネル20と上部パネル10とを回転可能に連結するヒンジ装置を備えてもよく、ヒンジ装置は、軸部材とブラケット部材とを備えてもよい。例えば、本発明の第1の実施形態に係るパネル連結部40のヒンジ装置は、上部連結部、下部連結部、及びヒンジ部を備えてもよい。
【0034】
上部連結部及び下部連結部はそれぞれ上部パネル10及び下部パネル20に連結され、ヒンジ部は、上部連結部及び下部連結部をヒンジ連結する。ヒンジ軸部は軸部材を有し得て、上部連結部及び下部連結部は、軸部材に回転可能に連結されたブラケット部材を有し得る。本発明によるパネル連結部40が、下部パネル20を上部パネル10に回転自在に連結可能であると、パネル連結部40は、手動作動構造、又はアクチュエータを含む自動的に作動する構造を備えて、特定の構造及び形状に限定されないので、パネル連結部40の構造及び操作についての詳細な説明は省略される。
【0035】
角度維持部50は、上部パネル10に対して、下部パネル20の相対角度が一定に維持されるように、上部パネル10と下部パネル20を連結する。ガス圧、油圧などにより内部力を有し、長さにおいて伸長及び変形可能な構造を有するガススプリング、シリンダなどは、角度維持部として適用し得る。
【0036】
角度維持部50は、その両端部がそれぞれ上部パネル10と下部パネル20とに結合された状態で一定の長さを維持するので、上部パネル10について調節された角度を維持可能に、下部パネル20が支持され得る。上部パネル10に対して調節された角度を維持できるようにする。また、必要であれば、角度維持部50の長さを手動で調節するように、ユーザが下部パネル20を引いたり押したりする外力を加えてもよい。
【0037】
図1では、角度維持部50は棒状であり、角度維持部30の両端部が上部パネル10及び下部パネル20に結合されている構造を有するものの、本発明による角度維持部50は、それらに限定されるものではなく、パネル連結部40に結合又は組み込まれてあってもよい。例えば、角度維持部50は、上部連結部及び下部連結部を、ガス圧、油圧などの手段により設定角度で支持又は維持するために、ヒンジ軸部に連結されてもよい。
【0038】
図2は、本発明の第1実施形態に係る車両用トランクカバーを後方の障害物と干渉することなく開ける例を説明する、使用中の発明の図である。そして図3は、使用中の本発明の図同じ説明する本発明の第1の実施形態に係る上方又は後方の障害物と干渉することなく車両のトランクカバーを開ける例を説明する、使用中の発明の図である。
【0039】
図2を参照し、積載空間部3を覆った状態において、上部パネル10と下部パネル20とは、長さr1を形成しているとする。よって、上部パネル10と下部パネル20との相対角度を一定に維持しながら、上部パネル10を本体連結部30に対して回動させるとき、上部パネル10は、後方4の障害物に干渉するr1に相当する半径の円形の動線を有する。ここで、後方の障害物4は、壁、物、他の車両、又はユーザを含む人のような構造物であり得る。
【0040】
パネル連結部40に対して下部パネル20が上部パネル10側にたたみこまれるとき、あるいは下部パネル20がただ重力で、すなわち図2に示されるように、他の駆動力又は外力なしに自重でぶらさっている状態で、上部パネル10が上方に回転されるとき、図3に示すように、他の駆動力や外力がない状態で、上部パネル10及び下部パネル20の動線は、図2に示すように、上部パネル10及び下部パネル20の移動線は、上部パネル10の長さr4に相当する半径まで著しく減少する。よって、積載空間部3をスムーズに開けるために、上部パネル10及び下部パネル20を、後方の障害物4に干渉することなく、上方へ移動させることができよう。
【0041】
図3(a)を参照し、車両2の上方に追加の障害物4があるとき、下部パネル20は、上部パネル10に向かってたたみこまれてもよく、あるいは上部パネル10をまず、積載空間部3の下部を開けるため、重力による吊り下げ状態で上部パネルが障害物に干渉しない高さまで回転させる。小さな荷物又は換気のための開放の場合、上述したように、すなわち上部パネル10からたたみこまれずに下部パネル20の回転プロセスを省略する間、積載空間部3の一部のみを開放する間に、素早く及び効果的に目的を達成可能である。
【0042】
ユーザが手動で上部パネル10を回転させるときは、上部パネル10に回転力を与えるために、下部パネル20に設けられたハンドルを握りながら、押し力又は上昇力が与えられるようにしてもよい。そして、本体連結部30及びパネル連結部40のアクチュエータが、設定角度で上部パネル10を回転するためにボタンを押すような操作によって選択的に作動されるようにしてもよい。必要ならば、図3(b)に示されるように、上部パネル10の位置を維持しつつ、人力又は別の駆動力を用いて下部パネル20が二次的に回転されてもよい。そして、積載空間部3が最大に開かれてもよい。
【0043】
図4は、本発明の第2実施形態に係る車両用トランクカバーを模式的に示す概略図である。図5は、本発明の第2の実施形態に係る車両のトランクカバーのセンサユニットを使用して障害物を検出する動作を説明するための概念図である。図6は、本発明の第2実施形態に係る車両用トランクカバーの制御ユニットを説明するための概念図である。
【0044】
次に、本発明の第2実施形態に係る車両用トランクカバー1について、図4から図7を参照しながら説明する。本発明の第2の実施形態によるトランクカバー1の説明においては、図1から図3に図示されている部分と重複する部分についての詳細な説明を省略する。
【0045】
図4を参照し、第1実施形態による車両用トランクカバー1と比較して、本発明の第2実施形態による車両用トランクカバー1は、障害物4を検出するセンサユニット60と、積載空間部3を開けるときにセンサユニット60の検出信号に従って上部パネル10及び下部パネル20の少なくとも一側部の回転角を制御する制御ユニット70とをさらに備えてもよい。
【0046】
センサユニット60は、後方センサ61と上方センサ62とを備えてもよい。センサユニット60として、センサ装置、カメラ等を適用してもよい。後方センサ61は、本発明に係る車両では、車両本体2又はトランクカバー1の後部に搭載され、後方センサ61の検出方向は後方に向けられる。本発明に係る車両では、上方センサ62は、車両本体2の上部又はトランクカバー1の上部に搭載され、上方センサ62の検出方向は上方に向けられる。
【0047】
図5に示すように、車両2の後方の障害物4が、後方センサ61を用いて自動的に感知されるようにしてもよく、車両2の上方の障害物4が、上方センサを用いて自動的に感知されるようにしてもよい。センサユニット60は、本発明の車両のためのトランクカバー1の操作専用のセンサであってもよく、駐車の便宜のため及び安全な距離を保証するために車両2に以前取り付けられてあったセンサであってもよい。
【0048】
図6を参照し、本発明の第2の実施形態による制御ユニット70は、方法設定部71、センサ信号入力部72、操作決定部73、及び操作制御部74を備えている。
【0049】
方法設定部71は、自動又は手動の開放方法の選択、センサユニット60の検出方法、車両2の使用環境に応じて下部パネル20の回転を有効にするか否かに使用されてもよい。センサ信号入力部72は、センサユニット60に検出された信号入力を受け取る。操作決定部73は、センサ信号入力部72を介して入力される障害物4の位置情報に基づいて、上部パネル10と下部パネル20の回転角度と順番を決定する。操作制御部74は、操作決定部73の決定結果に従って本体連結部30又はパネル連結部40の動作を制御する。
【0050】
方法設定部71で自動又は手動の開放方法が選択されたとき、空圧、電気等で駆動されるアクチュエータ、すなわち、本体連結部30及びパネル連結部40に搭載されているアクチュエータを用いて、上部パネル10及び下部パネル20を移動させる自動開放方法が、設定されてもよい。また、ユーザの利便性及びセンサユニット60の検出エラーを理由に、車両カバー1を単に手動で開けたいとき、ユーザが上部パネル10及び下部パネル20を直接動かす手動開放方法が設定されるようにしてもよい。
【0051】
方法設定部71によりセンサユニット60の検出方法が設定されると、上部パネル10及び下部パネル20の移動線内にある障害物4を検出するためのセンサを備える。検知手段としては、リアセンサ61と上部センサ62とを選択し、通常動作、特定状況での動作等を選択可能である。
【0052】
方法設定部71によって、下部パネル20の回転を作動させるか否かが設定されるとき、上述したようにユーザの好みに従って下部パネル20の回転を作動するため、上部パネル10に対する下部パネル20の相対角度が、調整されるようにしてもよい。下部パネル20の回転が作動されないように設定されてもよく、これにより上部パネル20に対する下部パネル20の相対角度は常に一定である。
【0053】
操作決定部73によって上部パネル10の回転角度が決定されるときは、センサ信号入力部72から入力される位置情報に基づいて、上方又は後方の障害物4と干渉しないように、回転角度が決定される。
【0054】
図7は、本発明の第2実施形態に係る車両のトランクカバーを上方又は後方の障害物に干渉することなく開ける例を説明するために、使用中の発明の一例を示す図である。
【0055】
上部パネル10と下部パネル20が動いている一方、積載空間部3が直接及び手動でユーザによって開かれる実施例は、図2及び図3に示されているが、本発明の第2の実施形態によるトランクカバー1によって、上部パネル10及び下部パネル20の開放操作は、図7(a)及び図7(b)に示されるように、センサユニット60及び制御ユニット70を使用し、後方及び上方に位置する障害物4との干渉を考慮して、自動的に実施される。
【0056】
操作判定部73によって上部パネル10と下部パネル20との順序が決定されると、上部パネル10が移動されている間に、下部パネル20が自重でぶらさがっている状態が維持される第1モードと、下部パネル20が設定された速度で動かされ、上部パネル10に向かって折りたたまれる第2モード(図7(a)参照)と、上部パネル10及び下部パネル20の相対角度が一定に保たれる第3モードとのいずれかが決定されるようにしてもよい。また、上部パネル10の開放操作が止まっている状態において、下部パネル20がさらに手動又は自動的に動かされること(図7(b)参照)が決定されてもよい。
【0057】
図8は、本発明の第1実施形態に係る車両用トランクカバーの開放方法を示すフローチャートである。
【0058】
図8を参照し、本発明の第1実施形態の車両用トランクカバー1の開放方法によると、開放待機工程S1と、モード決定工程S2と、パネル開放工程S3とは、車両用トランクカバー1を開けるため順に実施される。
【0059】
開放待機工程S1では、車両2に形成された積載空間部3の上部及び下部それぞれを覆うように上部パネル10及び下部パネル20が搭載される。モード決定工程S2では、自動又は手動開放モードの設定と、上部パネル10が開いているときに下部パネル20が操作される方法の決定とが、実施される。パネル開放工程S3において、上部パネル10と下部パネル20の少なくとも一側部が、積載空間部3を開くために動かされる。
【0060】
モード決定工程S2において、能動開放モードが設定されているとき、図7に示すように、障害物4はセンサユニット60によって自動的に検出されてもよく、本発明による車両用トランクカバー1を自動的に開くために、本体連結部30及びパネル連結部40のアクチュエータが制御ユニット70によって制御されるようにしてもよい。また、受動開放モードがモード決定工程32において設定されているとき、上部パネル10及び下部パネル20は、図2及び図3に示されるように、手動で開放されるようにしてもよい。
【0061】
モード決定工程S2において、上パネル10を移動させるとき、下部パネル20が自重でぶら下がる状態に維持される第1モードS2−1と、下部パネル20が設定速度で動かされて上部パネル10に向かって折りたたまれる第2モードS2−2と、上部パネル10及び下部パネル20の相対角度が一定に維持される第3モードS2−3とのが追加的に設定されるようにしてもよい。
【0062】
第1モードS2−1によると、上面パネル10が回転される間、上部パネル10の角度にかかわらず下部パネル20は、自重でぶら下がっている状態に維持されてもよい。上部パネル10の長さに相当する半径範囲r4に相当する減少された安全距離が後方障害物4から後方に確保されるとき、開放動作が安定的に実施されるようにしてもよい(図2参照)。
【0063】
第2モードS2−2によると、上部パネル10が回転されている間、下部パネル20は、設定速度で上部パネル10に向かって折りたたまれる。よって、上部パネル10と下部パネル20との間の相対角度は、障害物4の位置と距離と、荷物の大きさを考慮して自由に設定されるようにしてもよい。第2のモードS2−2によると、積載空間部3をより早く開くために、上部パネル10の回転及び下部パネル20の回転を同時に実施されるようにしてもよい。
【0064】
第3モードS2−3によれば、上部パネル10と下部パネル20との相対角度が一定に保たれる。これは、上部パネル10と下部パネル20とによって形成される長さが常にr1に固定されることを意味する。第3モードS2−3は、外出そして、障害物4からの距離が安定して確立され、既存のトランクカバーと同じ開線を有するような場合に適している。
【0065】
能動開放モードに設定されている場合、上部パネル10及び下部パネル20の回転及び停止操作は、センサユニット60の信号に連結することで実施される。そして、受動開放モードに設定されている場合、回転及び停止操作はユーザの決定によって行われてもよい。能動開放モードに設定されている場合は、障害物4が干渉するか否かに従って、第1モードS2−1、第2モードS2−2、第3モードS2−3の優先順に決定がなされてもよい。そして、障害物4の位置及び距離のため、第1モードS2−1、第2モードS2−2、第3モードS2−3の中で適したモードが、現状で実施されるようにしてもよい。
【0066】
パネル開放工程S3は、上部パネル10を移動させながら積載空間部3を開放する第1開放工程S3−1を含む。第1開口工程S3−1が実施されると、上面パネル10を移動させている間、ユーザ又はセンサユニット60が、下部パネル20と障害物4との距離が設定距離内であることを検知すると、上部パネル10の移動は停止される。
【0067】
また、必要に応じて、パネル開放工程S3は、第1開放工程S3−1の後に、下部パネル20を移動させて積載空間部3をさらに開放する第2開放工程S3−2をさらに備えてもよい。第2の開口工程S3−2が実施されるとき、下部パネル20が移動されている間、ユーザ又はセンサユニット60が、下部パネル20と障害物4との間の距離が設定距離内にあることを検出すると、下部パネル20の移動は停止される。
【0068】
モードをあらかじめ設定するため、モード決定工程S2において、センサユニット60を用いて障害物4の位置及び距離が従前に検出されても、開放操作中の障害物4の動きのようなさまざまな変動を考慮し、開放操作をより安定して効率よく実施するため、上述のようにパネル開放工程S3を実施している間、障害物4の位置及び距離が、センサユニット60によって継続的に検出されるようにしてもよい。
【0069】
上述の構成を有する本発明の車両用トランクカバー1及びその開放方法において、上部パネル10と下部パネル20とで形成される長さr1は、一定に固定されていなくてもよいが、車両用トランクカバーを開けるために障害物4の位置及び距離を考慮して幅広く変更されるようにしてもよい。、車両用トランクカバー1を開くための障害物4の位置及び距離を考慮して大きく変動する。よって、積載空間部3を開けるときの、障害物4との干渉に起因する制限は、さらに低減され得る。
【0070】
したがって、本発明に係る車両用トランクカバー1及びその開放方法によれば、限られた空間において障害物4への距離がより長く延長されるので、トランクカバーの動線を考慮して車両を駐車又は停止しなければならなかった従来の煩雑さと、別の車両の移動線との干渉によって生じる不便さ又は事故とを防止可能となるだろう。
【0071】
以上の本発明の説明では、上部パネル10と下部パネル20とを含む構成を開示したが、これは主に、複数のパネルを含む概念を説明するためのものであり、上部パネル10と下部パネル20に対応するたった2つのパネルに限定されない。本発明は、上部パネル10及び下部パなる20に加えて、複数のパネルの長さが一定に固定されず変更可能である範囲で、3つ又はそれ以上のパネルからなる他のパネルが設けられる実施例を包含する。そして、本発明は、特定の構成及び形状に限定されなくてよい。
【符号の説明】
【0072】
1 車両用トランクカバー
2 車両
3 積載空間部
4 障害物
10 上部パネル
20 下部パネル
30 本体連結部
40 パネル連結部
50 角度維持部
60 センサユニット
61 後方センサ
62 上部センサ
70 制御ユニット
71 方法設定部
72 センサ信号入力部
73 動作決定部
74 運転制御部
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8