【課題を解決するための手段】
【0031】
上記の課題を解決するために、反応性の高いニッケル前駆体と還元剤を事前に乾燥粉にして、反応溶媒においてそれらを分散させてコロイド原料液とし、マイクロ波により均一かつ急速に加熱することで効率よくニッケルナノ粒子を合成する方法が有効であることを見いだした。ニッケル原料塩と還元剤をコロイド化した後に乾燥粉とすることで、高濃度において均一に混合することが可能になり、反応管内壁への反応産物の付着も抑制できた。また、水分の持込みを極力低減でき安定な副生物である酸化ニッケル、水酸化ニッケルの生成を抑制できるようになった。ニッケル粒子の粒子径についても添加する塩基や原料コロイドの粒子径、反応温度の調整により制御できることが明らかとなった。なお、ここでいう乾燥粉とは、通常の粉体の意味の微粒子固相を指すのに加え、ニッケル粒子合成に影響を与える水分をなるべく除去した、微粒子固相と少量の有機溶媒の混合物も指すことにする。
【0032】
本発明は粒子径の制御されたニッケルナノ粒子を安価な原料塩から合成する方法である。本方法は、安価なニッケル原料を配位子により処理することで活性化およびコロイド化された複合体を形成させる第一段階と、ニッケル前駆体を還元するための還元剤をコロイド化させる第二段階と、第一段階および第二段階で作製されたコロイドを混合したコロイド分散液をマイクロ波加熱処理する第三段階からなることを特徴とする。
【0033】
以下、具体的に本発明に例を説明する。
【0034】
課題を解決するためになされた本発明の第1の発明(以下、発明1という)は、反応管に、少なくとも金属ナノ粒子の原料塩を含む第1の液と、前記原料塩の還元剤を含む第2の液とを混合させた反応液を流通させて、金属ナノ粒子を合成する工程を有する金属ナノ粒子の製造方法において、前記製造方法は、金属ナノ粒子の合成工程の一部に反応状況判断手段と分級手段の少なくとも一方を用意する工程を有しており、少なくとも1つの還元工程において、前記反応液に気体と液体の混相流を用いる金属ナノ粒子の製造方法である。
【0035】
課題を解決するためになされた本発明の第2の発明(以下、発明2という)は、少なくとも一部がマイクロ波照射場に配置された反応管に、少なくとも金属微粒子の原料塩を含む第1の液と少なくとも前記原料塩の還元剤を含む第2の液と気体とを混合させた混相流としての反応液を流通させる工程と、
前記反応液にマイクロ波を照射して、前記反応液を加熱する工程と、
前記反応管の少なくとも一部に、第1の液、第2の液および前記反応液の少なくとも1つを流通させて、金属微粒子の還元作用を制御し、金属微粒子を合成する工程と、
必要箇所に、微粒子の反応状況判断手段、粒径観測手段、粒径分布観測手段、成分観測手段、限外ろ過などの粒径選択や分別手段、分級手段、分流手段、加温や冷却等を含む温度調節手段などの少なくとも1つを設ける工程を有する金属微粒子の製造方法である。
【0036】
発明1,2を展開してなされた本発明の第3の発明(以下、発明3という)は、発明1または2に記載の金属微粒子の製造方法において、気体が不活性ガスである金属微粒子の製造方法である。
【0037】
発明1,2を展開してなされた本発明の第4の発明(以下、発明4という)は、発明1または2に記載の金属微粒子の製造方法において、気体が水素ガスと反応性ガスのうちの少なくとも一方である金属微粒子の製造方法である。
【0038】
発明2〜4を展開してなされた本発明の第5の発明(以下、発明5という)は、発明2〜4のいずれか1項に記載の金属微粒子の製造方法において、マイクロ波照射場が1箇所以上である金属微粒子の製造方法である。
【0039】
発明2〜5を展開してなされた本発明の第6の発明(以下、発明6という)は、発明2〜5のいずれか1項に記載の金属微粒子の製造方法において、反応液が受けるマイクロ波照射が2回以上である金属微粒子の製造方法である。
【0040】
発明2〜6を展開してなされた本発明の第7の発明(以下、発明7という)は、発明2〜6のいずれか1項に記載の金属微粒子の製造方法において、反応液が受けるマイクロ波照射のマイクロ波周波数が2種類以上である金属微粒子の製造方法である。
【0041】
発明2〜7を展開してなされた本発明の第8の発明(以下、発明8という)は、発明2〜7のいずれか1項に記載の金属微粒子の製造方法において、反応液が受けるマイクロ波照射の時間が2種類以上である金属微粒子の製造方法である。
【0042】
発明2〜8を展開してなされた本発明の第9の発明(以下、発明9という)は、発明2〜8のいずれか1項に記載の金属微粒子の製造方法において、反応液が受けるマイクロ波照射場における反応液の送液速度が2通り以上である金属微粒子の製造方法である。
【0043】
発明2〜9を展開してなされた本発明の第10の発明(以下、発明10という)は、発明2〜9のいずれか1項に記載の金属微粒子の製造方法において、反応液が受けるマイクロ波照射場における反応管の内径が2通り以上である金属微粒子の製造方法である。
【0044】
発明2〜10を展開してなされた本発明の第11の発明(以下、発明11という)は、発明2〜10のいずれか1項に記載の金属微粒子の製造方法において、反応液が受けるマイクロ波照射場における少なくとも1つの反応管の流路が2通り以上である金属微粒子の製造方法である。
【0045】
発明2〜11を展開してなされた本発明の第12の発明(以下、発明12という)は、発明2〜11のいずれか1項に記載の金属微粒子の製造方法において、マイクロ波照射場内の温度の低下幅は15°C以下である金属微粒子の製造方法である。
【0046】
発明12を展開してなされた本発明の第13の発明(以下、発明13という)は、発明12に記載の金属微粒子の製造方法において、マイクロ波照射場内の前記温度の低下幅は10°C以下である金属微粒子の製造方法である。
【0047】
発明2〜13を展開してなされた本発明の第14の発明(以下、発明14という)は、発明2〜13のいずれか1項に記載の金属微粒子の製造方法において、気体の反応液への挿入量が、マイクロ波照射場における反応管の平均内径を2r(mm)とした場合、0.4×r
2(リットル)/分以上3×r
2(リットル)/分以下である金属微粒子の製造方法である。
【0048】
発明2〜14を展開してなされた本発明の第15の発明(以下、発明15という)は、発明2〜14のいずれか1項に記載の金属微粒子の製造方法において、反応液に挿入した気体の反応管内における線速度が2m/秒以上である金属微粒子の製造方法である。
【0049】
発明15を展開してなされた本発明の第16の発明(以下、発明16という)は、発明15に記載の金属微粒子の製造方法において、反応液に挿入した不活性ガスの反応管内における線速度が5m/秒以上である金属微粒子の製造方法である。
【0050】
発明2〜16を展開してなされた本発明の第17の発明(以下、発明17という)は、発明1〜16のいずれか1項に記載の金属微粒子の製造方法であって、製造装置内の、第1の液、第2の液、気体、及び反応液の各流路又はその近傍の必要箇所の少なくとも一部に配置され、温度、流量、液に関する反応進行情報、及び粒径に関する情報の少なくとも1つを検出するセンサーからの出力を所定の制御系にフィードバックする工程と、センサーからの情報を利用して制御を行う工程を有する金属微粒子の製造方法である。
【0051】
発明2〜17を展開してなされた本発明の第18の発明(以下、発明18という)は、発明1〜17のいずれか1項に記載の金属微粒子の製造方法であって、
製造装置内の反応液の流路もしくは分路における金属微粒子の粒径を測定する工程をさらに有する金属微粒子の製造方法である。
【0052】
発明2〜18を展開してなされた本発明の第19の発明(以下、発明19という)は、発明2〜18のいずれか1項に記載の金属微粒子の製造方法において、マイクロ波のシングルモードを用いる金属微粒子の製造方法である。
【0053】
発明2〜18を展開してなされた本発明の第20の発明(以下、発明20という)は、発明2〜18のいずれか1項に記載の金属微粒子の製造方法において、マイクロ波のマルチモードを用いる金属微粒子の製造方法である。
【0054】
発明2〜20を展開してなされた本発明の第21の発明(以下、発明21という)は、発明2〜20のいずれか1項に記載の金属微粒子の製造方法において、マイクロ波照射場に設置した2本以上の反応管に、気体と液体の混相流を連続的に流通させて、金属ナノ粒子を合成する工程を有する金属微粒子の製造方法である。
【0055】
発明2〜21を展開してなされた本発明の第22の発明(以下、発明22という)は、発明2〜21のいずれか1項に記載の金属微粒子の製造方法において、第一工程である金属塩の形成及び/又は脱水の工程から、金属塩の還元反応の第二工程を連続的に行う金属微粒子の製造方法である。
【0056】
発明2〜22を展開してなされた本発明の第23の発明(以下、発明23という)は、
発明2〜22のいずれか1項に記載の金属微粒子の製造方法において、マイクロ波照射場に設置した複数の反応管の間に保温槽を設けて、金属塩の形成及び/又は脱水を進行させる金属微粒子の製造方法である。
【0057】
発明2〜23を展開してなされた本発明の第24の発明(以下、発明24という)は、発明1〜23のいずれか1項に記載の金属微粒子の製造方法を用いて金属微粒子を製造する金属微粒子の製造装置である。
【0058】
発明2〜23を展開してなされた本発明の第25の発明(以下、発明25という)は、発明1〜23のいずれか1項に記載の金属微粒子の製造方法を用いて製造された金属微粒子である。
【0059】
課題を解決するためになされた本発明の第26の発明(以下、発明26という)は、ニッケル原料に配位子を添加して形成させたニッケル錯体の乾燥粉の分散液を反応液とするニッケルナノ粒子合成方法である。
【0060】
課題を解決するためになされた本発明の第27の発明(以下、発明27という)は、ナノ粒子合成に用いる還元剤の乾燥粉の分散液を反応液とするナノ粒子合成方法である。
【0061】
発明26,27を展開してなされた本発明の第28の発明(以下、発明28という)は、発明26,27に記載のニッケルナノ粒子合成法において、ニッケル錯体の乾燥粉の分散液と、還元剤の乾燥粉の分散液を混合して反応液とするニッケルナノ粒子合成方法である。
【0062】
発明28を展開してなされた本発明の第29の発明(以下、発明29という)は、発明28におけるニッケルナノ粒子合成法において、ニッケル錯体を形成する配位子がヒドラジンであることを特徴とするニッケルナノ粒子合成方法である。
【0063】
発明28を展開してなされた本発明の第30の発明(以下、発明30という)は、発明28におけるニッケルナノ粒子合成法において、還元剤の乾燥粉にヒドラジン類とアルデヒド類の脱水縮合物を含有することを特徴とするニッケルナノ粒子合成方法である。
【0064】
発明28を展開してなされた本発明の第31の発明(以下、発明31という)は、発明28におけるニッケルナノ粒子合成法において、還元剤の乾燥粉にヒドラジド類とアルデヒド類の脱水縮合物を含有することを特徴とするニッケルナノ粒子合成方法である。
【0065】
発明28を展開してなされた本発明の第32の発明(以下、発明32という)は、発明28におけるニッケルナノ粒子合成方法において、塩基性物質を添加することにより生成するニッケルナノ粒子の粒子径を制御することを特徴とするニッケルナノ粒子合成方法である。
【0066】
発明28を展開してなされた本発明の第33の発明(以下、発明33という)は、発明28におけるニッケルナノ粒子合成方法において、反応液中に分散する微粒子化されたニッケル錯体および還元剤の粒子径分布を調整することにより反応性を調整し、生成するニッケルナノ粒子の粒子径を制御することを特徴とするニッケルナノ粒子合成方法である。
【0067】
発明28を展開してなされた本発明の第34の発明(以下、発明34という)は、発明28におけるニッケルナノ粒子合成方法において、原料金属塩と還元剤を微粒子コロイドの形で反応場に供給することにより反応容器内面および反応管内面への付着を抑制することができる金属ナノ粒子の合成方法である。
【0068】
発明28〜34を展開してなされた本発明の第35の発明(発明35という)は、発明28〜34におけるニッケルナノ粒子合成方法において、加熱手段が発明2〜25のいずれか1項に記載のマイクロ波連続法であることを特徴とするニッケルナノ粒子合成方法である。