【解決手段】バッグ1は、第一収納部2と第二収納部3とを備える。第一収納部2は、第一底部4と、第一底部4につながって上下方向に延びる第一側部5とによって袋状に形成される。第二収納部3は、第一収納部2に結合された第二底部7と、第二底部7につながって上下方向に延びる第二側部8と、第一側部5とによって形成される。第一側部5の上下方向の上側の端部である第一稜線6aの周長L1と、第二側部8の上下方向の上側の端部である第二稜線9aの周長L2との差と、第一底部4を形成する周長L3と第二底部7を形成する周長L4との差とは異なる長さである。
前記第一稜線の周長と前記第二稜線の周長との差は、前記第一底部を形成する周長と前記第二底部を形成する周長との差よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のバッグ。
前記第一開口部は、前記第一側部の一部を互いに折り重ねて接合する重ね接合部材を備え、前記第一稜線の周長は、前記重ね接合部材が接合したときに、前記重ね接合部材が接合していないときに比べて小さくなることを特徴とする請求項3に記載のバッグ。
前記第一側部は伸縮性を有する素材によって形成され、前記第一開口部は前記平面方向において伸縮可能であり、自然状態では前記第一稜線の周長は、前記第一底部を形成する周長よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載のバッグ。
前記第一稜線の周長と前記第二稜線の周長との差は、前記第一底部を形成する周長と前記第二底部を形成する周長との差よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のバッグ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来例ではバッグ本体(内袋という)と、バッグ本体及びカバー体との間(外袋という)の複数箇所に収納部を有するが、外袋に物を収納することが考慮されていない。例えば、外袋に比較的厚みが薄く長手方向に長い物を収納することが考えられる。或いは、環状の物をその形状を保ったまま収納することが考えられる。外袋を構成するバッグ本体とカバー体との間の隙間が考慮されておらず、外袋に物を収納する際に入れにくいという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、従来の課題を解決すべくなされたものであり、複数の収納部を有し、外袋にあたる収納部に物を挿入しやすいバッグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に係るバッグは、第一底部と、前記第一底部につながって上下方向における上側に延びる第一側部とによって袋状に形成された第一収納部と、前記第一収納部に結合された第二底部と、前記第二底部につながって前記上下方向における上側に延びる第二側部と、前記第一側部とによって形成された第二収納部とを備え、前記上下方向と直交する方向を平面方向としたとき、前記第一収納部は、前記第一側部の前記上下方向の上側の端部である第一稜線によって第一開口部が形成され、前記第二側部は、前記第一側部における前記平面方向の外側に沿って全周に形成され、前記第二収納部は、前記第二側部の前記上下方向の上側の端部である第二稜線と、前記第一稜線とによって囲まれた第二開口部が環状に形成され、前記第一稜線の周長と前記第二稜線の周長との差と、前記第一底部を形成する周長と前記第二底部を形成する周長との差とは異なる長さであることを特徴とする。
【0007】
これによれば、第一稜線の周長と第二稜線の周長との差と、第一底部を形成する周長と第二底部を形成する周長との差とは異なる長さなので、第二収納部は平面方向において第二開口部と第二底部とで隙間が異なる。よって、物を挿入するときにスムーズに挿入することができる。
【0008】
また、前記バッグは、前記第一稜線の周長と前記第二稜線の周長との差が、前記第一底部を形成する周長と前記第二底部を形成する周長との差よりも大きくてもよい。この場合、第二収納部は、第二底部に比べて第二開口部における平面方向の隙間の方が大きい。よって、第二収納部に物を収納するときにスムーズに挿入することができる。
【0009】
また、前記バッグは、前記第一開口部が、前記平面方向における外側に向かって拡張可能であってもよい。この場合、第一開口部は平面方向に拡張して第二開口部との隙間を小さくすることができるので、第二開口部の上側の端部を閉じやすくなる。
【0010】
また、前記バッグは、前記第一側部の一部を互いに折り重ねて接合する重ね接合部材を備え、前記第一稜線の周長は、前記重ね接合部材が接合したときに、前記重ね接合部材が接合していないときに比べて小さくなってもよい。
【0011】
この場合、第一収納部は重ね接合部材を接合させることにより、第一底部に比べて第一稜線の周長を短くすることができる。よって、第一底部と第二底部との平面方向の隙間に比べて第一開口部と第二開口部との平面方向の隙間を大きくすることができるので、第二収納部にスムーズに物を収納することができる。さらに、重ね接合部材を分離することにより、第一開口部を平面方向の外側に拡張することができる。
【0012】
また、前記バッグは、前記第一側部が伸縮性を有する素材によって形成され、前記第一開口部は前記平面方向において伸縮可能であり、自然状態では前記第一稜線の周長は、前記第一底部を形成する周長よりも小さくてもよい。
【0013】
この場合、第二収納部に物を収入するときに、第二開口部の平面方向における隙間が大きいので挿入しやすい。また、第二収納部に物を収納した後には第一開口部を平面方向に広げることができるので、第二開口部の上側の端部を閉じやすくなる。
【0014】
また、前記バッグは、前記第一稜線の周長と前記第二稜線の周長との差が、前記第一底部を形成する周長と前記第二底部を形成する周長との差よりも小さくてもよい。この場合、第二収納部は第二開口部から第二底部へ進むに従って平面方向の隙間が広がっていく。よって、バッグは、第二収納部に物を挿入するとき、第二開口部に挿入した後は物をスムーズに第二底部へ進めることができる。
【0015】
また、前記バッグは、前記第一側部と接合して前記第二開口部を覆う蓋部を備えてもよい。この場合、第二開口部が蓋部で覆われるので、バッグは第二収納部への雨や埃等の侵入を防ぐことができる。
【0016】
また、前記バッグは、前記第一側部が前記上側の端部に第一接合部材を備え、前記第二側部は、前記上側の端部に第二接合部材を備え、前記第二側部は前記第一側部よりも前記上側に長く形成され、前記第二側部の前記上側の一部が前記第一側部の前記平面方向の内側に折り込まれ、前記第一接合部材と前記第二接合部材とが接合することで前記第二開口部が覆われてもよい。
【0017】
この場合、第二側部が蓋の機能を備え、第二開口部を覆うことができる。よって、別部品として蓋を用意する必要が無く、第二収納部への雨や埃等の侵入を防ぐことができる。
【0018】
また、前記バッグは、前記蓋部が、前記第一側部と前記第二側部とに接合可能な蓋部材を備え、前記蓋部材が前記第二開口部に装着される方向において、前記蓋部材は、前記第二開口部の平面形状に沿って形成された環状の部材であって、天板部と前記天板部より下側に向かって形成された蓋第一側部と蓋第二側部とを備え、前記蓋第一側部は前記天板部に対して前記平面方向の内側に環状に形成され、前記蓋第二側部は前記天板部に対して前記平面方向の外側に環状に形成され、前記蓋第一側部と前記蓋第二側部とによって下側に向かって開口する環状の蓋開口部が形成され、前記蓋第一側部における前記平面方向の外側に第一蓋接合部と、前記蓋第二側部における前記平面方向の内側に第二蓋接合部が備えられ、前記第一側部は、前記平面方向の内側に第三接合部を備え、前記第二側部は、前記平面方向の外側に第四接合部を備え、前記蓋部材が前記第二開口部に取り付けられたとき、前記第一蓋接合部と前記第三接合部、及び前記第二蓋接合部と前記第四接合部とが接合してもよい。
【0019】
この場合、蓋部材は蓋第一側部と蓋第二側部とによって下側に向かって開口する環状の蓋開口部が形成されるので、平面方向において所定の幅を有する。よって、第二開口部が平面方向において所定の幅を有する場合であっても、蓋部材は第二開口部を覆うことができる。
【0020】
また、前記バッグは、前記第二側部が透明であってもよい。この場合、第二側部から第二収納部に収納された物を目視することができる。
【0021】
また、前記バッグは、前記第一収納部の内側より前記上側に向かって提手を備えてもよい。この場合、第二収納部の外周に提手が無いので、第二収納部に物を収納しやすい。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照し、本発明を具現化したバッグ1を説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。図面に記載されている装置の構成は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0024】
<バッグ1共通の構成>
図1〜
図3を参照して、バッグ1の概要を説明する。第一の実施形態から第五の実施形態のバッグ1はそれぞれ後述するが、まず、共通の構成を説明する。バッグ1は、第一収納部2と第二収納部3とを備える。
図3に示すように、第一収納部2は、第一底部4と、第一底部4につながって上下方向における上側に延びる第一側部5とによって袋状に形成される。第二収納部3は、第一収納部2に結合された第二底部7と、第二底部7につながって上下方向における上側に延びる第二側部8と、第一側部5とによって形成される。なお、バッグ1は、上下方向において第一底部4が下側端部にあるとして説明する。
【0025】
図3に示すように、上下方向と直交する方向を平面方向としたとき、第一収納部2は、第一側部5の上下方向の上側の端部である第一稜線6aによって第一開口部6が形成される。第二側部8は、第一側部5における平面方向の外側に沿って全周に形成される。第二収納部3は、第二側部8の上下方向の上側の端部である第二稜線9aと、第一稜線6aとによって囲まれて第二開口部9が環状に形成される。
【0026】
ここで、平面方向における外側と内側についてさらに詳細に説明する。第一開口部6、第一収納部2、第二開口部9、及び第二収納部3は環状に形成されており、平面方向におけるそれぞれの中心に対して、中心から遠ざかる方向が外側であり、中心に向かう方向が内側である。例えば、
図3に示すように、第一開口部6の第一稜線6aにおいて、第一開口部6の中心から遠ざかる方向が第一稜線6aの外側であり、中心に向かう方向が第一稜線6aの内側である。第一稜線6aの周長L1と第二稜線9aの周長L2との差と、第一底部4を形成する周長L3と第二底部7を形成する周長L4との差とは異なる長さである。すなわち、第二収納部3において、第二開口部9における平面方向の隙間と、第二底部7における平面方向の隙間とが異なる。第二開口部9の隙間と第二底部7の隙間との大小関係は後述する。
【0027】
次に、バッグ1における共通の構成を詳細に説明する。
図3に示すように、バッグ1における第一収納部2は、第一底部4と、第一底部4の外周に沿って上側に略円筒状に延びる第一側部5とからなる袋状部材によって形成されている(
図3では、第一側部5は円錐形状で表されている)。バッグ1において、第一底部4を上下方向の下端としたとき、第一側部5は第一底部4から上下方向の上側に延びている。第一側部5は、第一底部4のまわりに連続的につながって環状に形成されている。
図3及び
図4(b)に示すように、第二収納部3は、第一収納部2の平面方向の外側に形成されている。
【0028】
図3に示すように、第二収納部3は、第二底部7と、第二底部7の外周に沿って略円筒状に上側に延びる第二側部8と、第二側部8の平面方向の内側にある第一側部5とに挟まれて形成されている。第二収納部3は、第一収納部2の平面方向の外側を取り巻くように連続して形成され、環状の物品をそのまま収納可能である。第二収納部3は、形成される空間が比較的狭いため、第一収納部2に比べて比較的薄い物品を挿入するのに適している。
図4(b)に示す例では、バッグ1は、二つの異なる袋状部材を用意し、第一の袋状部材の中に第二の袋状部材を挿入して重ね合わせる構成である。このうち、第二の袋状部材が第一収納部2を形成し、第一の袋状部材と第二の袋状部材との間に生じる平面方向の隙間が第二収納部3を形成する。後述するように、バッグ1は、二つの袋状部材を使用するのではなく、一つの袋状部材によって形成される第一収納部2に、第二側部8の上下方向における下側の端部を結合させて第二収納部3を形成しても良い。
【0029】
バッグ1は、種々の材料を選択することができる。柔軟性のある材料が好ましいが、例えば、ポリエチレン、ナイロン、ビニール等の樹脂材料、或いはポリエステル繊維、ポリウレタン繊維等を選択することができる。本発明の趣旨を逸脱しない範囲でその他の材料を選択することも可能である。
【0030】
バッグ1(1a)は、提手18(18a、18b)が取り付けられている。
図1に示す提手18aは、第二側部8の平面方向の外側に取り付けられている。提手18aの周辺は補強のための補強部材37aが取り付けられている。
図1の例では、補強部材37aは第二側部8の外周に沿った全周に取り付けられているが、提手18aの周辺のみに取り付けられても良い。後述するが、
図13に示すように提手18a(18b)は第一側部5の平面方向内側に取り付けられても良い。また、詳細は後述するが第二開口部9の上側は、蓋部15によって覆うことができる。
【0031】
図1に示すように、第一開口部6の内側には、蓋部15によって第二開口部9を覆った状態で、面ファスナー33が複数箇所に取り付けられている。
図3は蓋部15が閉じられていない状態を示し、第二側部8の平面方向外側の上側の端部に面ファスナー33が示してある(提手18aの近傍)。
図2(a)に示すように、面ファスナー33同士を接合することにより、第一開口部6を閉じることができる。例として、面ファスナー33によって第一開口部6を閉じる構成を説明したが、例えばボタン34を使用しても良い。
【0032】
第二側部8は透明の素材により形成されている。
図1及び
図2(b)に示すように、第二収納部3に収納された物100は、第二側部8の外側から目視することができる。例えば、第二収納部3に収納された物100が装飾性を有するものであると、バッグ1の見栄えが良くなる。
【0033】
<第一の実施形態の構成>
次に、本発明に係る第一の実施形態のバッグ1aを説明する。
図3、
図4に示すように、第一開口部6の周長L1と第二開口部9の周長L2との差は、第一底部4を形成する周長L3と第二底部7を形成する周長L4との差よりも大きい。
図4に示すように、周長L1と周長L2との差によって、第二開口部9において物100を挿入するときの挿入幅、すなわち隙間30aが形成される。また、周長L3と周長L4との差によって、第二収納部3の底である第二底部7の隙間31aが形成される。例えば、
図3、
図4に示す例では、第二底部7は第一側部5と第二側部8とが接触して形成されているため隙間31aがほぼ無い状態であるが、周長L4が周長L3よりもさらに大きくなって隙間31aが形成されてもよい。
【0034】
ここで、周長L1と周長L2との差と、周長L3と周長L4との差との比は、隙間30aと隙間31aとの比に置き換えられる(周長は、直径に円周率を掛けたものなので)。例として、隙間30aは、隙間31aに対して1.5倍程度とすることができる。例えば、隙間31aが平均的に10mmの場合、隙間30aは平均的に15mm以上とすることができる。なお、隙間30aと隙間31aとの比は、バッグ1aの使用用途、及び第二収納部3に収納する物100によって変更が可能である。これは、第二の実施形態のバッグ1bにおいても同様である。さらに、
図3〜
図6に示すように、第一開口部6は、平面方向における外側に向かって拡張可能である。これは、第二の実施形態のバッグ1bにおいても同様である。
【0035】
図3〜
図6に示すように、バッグ1aは、第一開口部6が、第一側部5の一部を互いに折り重ねて接合する重ね接合部材14を備える。第一開口部6の周長L1は、重ね接合部材14が接合したときに、重ね接合部材14が接合していないときに比べて小さくなる。重ね接合部材14は、第一開口部6の周長L1に応じて1個以上の任意の数を設けることができる。重ね接合部材14が接合した状態で、第一開口部6の周長L1と第二開口部9の周長L2との差が、第一底部4を形成する周長L3と第二底部7を形成する周長L4との差よりも大きい関係が成り立つ。
【0036】
図3と
図4は、重ね接合部材14が接合した状態を示す。重ね接合部材14は、一例として面ファスナー14aが使用される。
図5(a)と
図6は、重ね接合部材14が分離して第一側部5が展開された状態を示す。第一側部5には、重ね接合部材14が接合される際に折り曲げられる折り曲げ線40bが1箇所につき2本形成されている。
図5(a)及び
図6(a)に示すように、中央の折り曲げ中心線40aに対して対象となるように第一底部4から放射状に2本の折り曲げ線40bが形成されている。折り曲げ線40bを挟んで対象の位置に面ファスナー14aが対になって取り付けてある。一方の対の面ファスナー14aは第一側部5の平面方向の内側に取り付けられ、他方の対の面ファスナー14aは第一側部5の平面方向の外側に取り付けられている。
【0037】
図5において、向かって右側の折り曲げ線40bは谷折りされ、向かって左側の折り曲げ線40bは山折りされる。
図6(a)に示すように、第二収納部3に物100を挿入し、重ね接合部材14を分離して第一開口部6を広げると、第二開口部9における隙間が縮小される。
【0038】
図5(b)、
図5(c)は、第二底部7が第一収納部2における第一底部4の下側に結合された状態を示す。
図5(b)は、面ファスナー35aが第一底部4の下側に、面ファスナー35bが第二底部7の上側に取り付けられ、面ファスナー35aと面ファスナー35bとが接合している。
図5(c)は、ボタン36aが第一底部4の下側に、ボタン36bが第二底部7の上側に取り付けられ、ボタン36aとボタン36bとが接合している。いずれの場合も、分離可能なので、第一収納部2と第二収納部3とを別体とすることが可能である。なお、分離可能な構成ではなく、第二底部7が第一収納部2における第一底部4の下側に溶着或いは接着により分離不能にしてもよい。
【0039】
図5(d)は、
図5(b)及び
図5(c)とは異なる別の例を示す。
図5(b)、
図5(c)の場合、第二収納部3は第二底部7と第二側部8により囲まれた袋状の形態であり、第二収納部3の内部に第一収納部2を挿入してバッグ1が形成されている。これに対して、
図5(d)の例では、第二底部7は第二側部8の下側の端部が第一側部5の下側の端部に結合して形成される。この場合、第二側部8は環状に形成されたシート状の部材である。
【0040】
図1〜
図7に示すように、バッグ1aは第一側部5と接合して第二開口部9を覆う蓋部15を備える。蓋部15の構成を説明する。
図3に示すように、第一側部5は上側の端部における平面方向の内側に第一接合部材16を備え、第二側部8は、上側の端部における平面方向の内側に第二接合部材17を備える。第二側部8は第一側部5よりも上側に長く形成され、第二側部8の上側の一部が第一側部5の平面方向の内側に折り込まれ、第一接合部材16と第二接合部材17とが接合することで第二開口部9が覆われる(
図6(b)、
図7参照)。
【0041】
蓋部15は単独の部品ではなく、第二側部8の一部によって形成される。
図6(a)に示したように、第二開口部9における隙間が縮小されたのちに第二側部8の上側の一部を第一収納部2の平面方向の内側に折り込むことにより、蓋部15を形成する第二側部8に発生するしわを少なくすることができる。
図6(b)は、蓋部15によって第二開口部9が覆われた状態を示し、第一接合部材16と第二接合部材17は面ファスナー16aと面ファスナー17aを使用した例を示す。
図7は、
図6(b)に対して第一接合部材16と第二接合部材17がボタン16bとボタン17bを使用した例を示す。
【0042】
図1に示すバッグ1aの第二側部8は透明である。第二側部8はバッグ1aの側面に当たる部分なので、第二側部8が透明の場合は第二収納部3に収納された物100を外部から目視することができる。
【0043】
<第二の実施形態の構成>
次に、本発明に係る第二の実施形態のバッグ1bを説明する。第一の実施形態のバッグ1aと共通する構成については同様の符号を付すか或いは省略し、説明を省略する場合がある。後述する第三の実施形態のバッグ1cから第五の実施形態のバッグ1eについても同様である。
【0044】
図8に示すように、バッグ1bはバッグ1aに対して第一側部5と第一開口部6の構成が異なる。バッグ1bは、第一側部5が伸縮性を有する素材によって形成され、第一開口部6は平面方向において伸縮可能であり、自然状態では第一開口部6の周長L1は、第一底部4を形成する周長L3よりも小さい。
【0045】
第一側部5に使用される伸縮性を有する素材は種々選択可能である。一例として、ポリエステル系複合繊維が考えられるが、その他の素材を使用しても良い。また、第一側部5に使用する素材を網状に形成し、伸縮性を持たせても良い。第一開口部6は、外力を加えると平面方向の外側に広げることができる。
図8(b)に示すように、自然状態では第二開口部9の隙間30aが広がった状態であり、物100を挿入しやすくなる。
【0046】
なお、蓋部15は第一の実施形態のバッグ1aと同様なので説明を省略する。また、図示しないが、提手18は第一の実施形態のバッグ1aと同様に備えられている。その他、特に説明しない構成は第一の実施形態のバッグ1aと同様である。
【0047】
<第三の実施形態の構成>
次に、本発明に係る第三の実施形態のバッグ1cを説明する。バッグ1cは、
図9に示すように第一開口部6の周長L1と第二開口部9の周長L2との差は、第一底部4を形成する周長L3と第二底部7を形成する周長L4との差よりも小さい。周長L1と周長L2との差は、第二開口部9において物100を挿入するときの挿入幅、すなわち隙間30bを形成する。また、周長L3と周長L4との差は、第二収納部3の底である第二底部7の隙間31bを形成する。ここで、第一の実施形態と同様、周長L1と周長L2との差と、周長L3と周長L4との差との比は、隙間30bと隙間31bとの比に置き換えられる(周長は、直径に円周率を掛けたものなので)。例として、隙間31bは、隙間30bに対して1.5倍程度とすることができる。例えば、隙間30bが平均的に10mmの場合、隙間31bは平均的に15mm以上とすることができる。なお、隙間30bと隙間31bとの比は、バッグ1cの使用用途、及び第二収納部3に収納する物100によって変更が可能である。
【0048】
バッグ1cは、第一の実施形態のバッグ1aと同様に蓋部15を備え、構成も同様である。バッグ1cは、バッグ1aの隙間30aに比べて隙間30bが小さいので、第一開口部6を周方向に拡張することなく、蓋部15によって第二開口部9を覆うことができる。その他、特に説明しない構成は第一の実施形態のバッグ1aと同様である。
【0049】
<第四の実施形態の構成>
次に、本発明に係る第四の実施形態のバッグ1dを説明する。
図11に示すように、第一の実施形態のバッグ1aから第三の実施形態のバッグ1cとは異なり、蓋部15は蓋部材19を備える。さらに、第一側部5と第二側部8における上下方向の上側は略同一の高さである。また、第一開口部6は、平面方向における外側に向かって拡張可能でなくてもよい。
【0050】
図11(a)に示すように、バッグ1dの蓋部15は、第一側部5と第二側部8とに接合可能な蓋部材19を備える。蓋部材19が第二開口部9に装着される方向において、蓋部材19は、第二開口部9の平面形状に沿って形成された環状の部材であって、天板部20と天板部20より下側に向かって形成された蓋第一側部21と蓋第二側部22とを備える。
【0051】
蓋第一側部21は天板部20に対して平面方向の内側に環状に形成され、蓋第二側部22は天板部20に対して平面方向の外側に環状に形成される。蓋第一側部21と蓋第二側部22とによって下側に向かって開口する環状の蓋開口部23が形成される。蓋第一側部21における平面方向の外側に第一蓋接合部24と、蓋第二側部22における平面方向の内側に第二蓋接合部25が備えられる。
【0052】
図11(b)に示すように、第一側部5は、平面方向の内側に第三接合部26を備え、第二側部8は、平面方向の外側に第四接合部27を備える。蓋部材19が第二開口部9に取り付けられたとき、第一蓋接合部24と第三接合部26、及び第二蓋接合部25と第四接合部27とが接合する。
【0053】
図11に示すように、蓋部材19はその断面が三角状の天板部20と蓋第一側部21と蓋第二側部22とによって環状の蓋形状が形成されている。蓋部材19は、蓋第一側部21と蓋第二側部22とによって平面方向に所定の幅28が形成される。幅28は、第二開口部9の平面方向の隙間30cに対応した寸法に設定される。この場合、バッグ1dは、第二開口部9の平面方向に所定の隙間30cがあっても蓋部材19によって第二開口部9を覆うことができる。
【0054】
<第五の実施形態の構成>
次に、本発明に係る第五の実施形態のバッグ1eを説明する。
図13に示すように、第一の実施形態のバッグ1aから第四の実施形態のバッグ1dとは、提手18が取り付けられた位置が異なる。他の構成は、第一の実施形態のバッグ1aと同様である。バッグ1eは、第一収納部2の内側より上側に向かって提手18bを備える。
【0055】
図13に示すように、提手18bは第一側部5の平面方向の内側に取り付けられている。提手18bの周辺は補強のための補強部材37bが第一側部5の平面方向の内側に取り付けられている。この場合、提手18bと補強部材37bは第二側部8には無い。
【0056】
<バッグ1の作用・効果>
以上説明したように、バッグ1は種々の効果を奏する。まず、第一の実施形態〜第五の実施形態のバッグ1に共通する作用と効果を説明する。
図3、
図4、
図8、及び
図9に示すように、バッグ1は、第一稜線6aによって第一開口部6が形成され、第二稜線9aと第一稜線6aとによって囲まれた第二開口部9が環状に形成される。第一稜線6aの周長L1と第二稜線9aの周長L2との差と、第一底部4を形成する周長L3と第二底部7を形成する周長L4との差は異なる長さである。よって、第二収納部3は平面方向において第二開口部9と第二底部7とで隙間が異なるので、物100を挿入するときにスムーズに挿入することができる。
【0057】
従来の第一収納部2と第二収納部3とに相当する部分を有するバッグは、平面方向において第二開口部9と第二底部7とに当たる部分の隙間が均等であった。或いは、第一側部5に相当する部分と第二側部8に相当する部分とがそれぞれ変形するために、隙間が不均一であった。そのため従来のバッグは、第二開口部9に相当する部分から物100を挿入しようとすると、挿入過程において物100が第一側部5又は第二側部8に相当する部分に擦れてしまい、抵抗が発生することでスムーズに挿入することができなかった。
【0058】
これに対し、バッグ1の第二収納部3は、第二開口部9と第二底部7とで隙間が異なるので、物100の挿入過程において第一側部5又は第二側部8に擦れることが少なくなり、スムーズに挿入することができる。
【0059】
また、第二収納部3は第二開口部9から第二底部7までの上下方向において環状の空間を有するので、例えば環状の物100を環状のまま収納することができる。さらに、バッグ1の第一収納部2のような一つの袋状の凹部に対し、賞状のようないわゆる巻物を収納すると折れてしまうか或いは他の収納物に紛れて損傷してしまうことが考えられる。これに対し、バッグ1は、いわゆる巻物を円筒状のまま第二収納部3に収納することができる。
【0060】
<第一の実施形態のバッグ1aの効果>
次に、第一の実施形態のバッグ1aの作用と効果を説明する。
図4(b)に示すように、バッグ1aは、第一稜線6aの周長L1と第二稜線9aの周長L2との差が、第一底部4を形成する周長L3と第二底部7を形成する周長L4との差よりも大きい。この場合、第二収納部3は、第二底部7における平面方向の隙間31aに比べて第二開口部9における平面方向の隙間30aの方が大きい。よって、第二収納部3に物100を収納するときにスムーズに挿入することができる。
【0061】
また、
図4〜
図6に示すように、バッグ1aは第一開口部6が平面方向における外側に向かって拡張可能である。この場合、第一開口部6は平面方向に拡張して第二開口部9との隙間30aを小さくすることができるので、第二開口部9の上側の端部を閉じやすくなる。
【0062】
第二開口部9は、平面方向の隙間30aが一定以上に大きい場合、蓋部15によって覆うと蓋部15にしわが発生して隙間ができるといった問題が起きる。これは、
図3に示すように蓋部15が第二側部8の一部であって、第二側部8を折り曲げて第二開口部9を覆う場合、第二開口部9における平面方向の外側の周長と、平面方向内側の周長とに差が生じてしまうからである。それに対して、隙間30aを小さくすることができるので、蓋部15は第二開口部9を覆うときにしわの発生を抑制することができる。
【0063】
また、
図3及び
図4に示すように、バッグ1aは第一開口部6が平面方向における外側に向かって拡張するための構成を備える。第一側部5の一部を互いに折り重ねて接合する重ね接合部材14を備え、第一稜線6aの周長L1は、重ね接合部材14が接合したときに、重ね接合部材14が接合していないときに比べて小さくなる。
【0064】
この場合、第一収納部2は重ね接合部材14を接合させることにより、第一底部4を形成する周長L3に比べて第一稜線6aの周長L1を短くすることができる。第一底部4と第二底部7との平面方向の隙間31aに比べて、第一開口部6と第二開口部9との平面方向の隙間30aを大きくすることができる。よって、バッグ1は、第二収納部3に物100をスムーズに収納することができる。さらに、重ね接合部材14を分離することにより、第一開口部6を平面方向の外側に拡張することができる。
【0065】
図1〜
図4、
図6〜
図8に示すように、バッグ1aは、第一側部5と接合して第二開口部9を覆う蓋部15を備える。この場合、第二開口部9が蓋部15で覆われるので、バッグ1aは第二収納部3への雨や埃等の侵入を防ぐことができる。なお、この効果は後述する第二の実施形態のバッグ1bと第三の実施形態のバッグ1c、及び第五の実施形態のバッグ1eも同様である。
【0066】
図1〜
図4、
図6〜
図8に示すように、バッグ1aは、第一側部5が上側の端部に第一接合部材16を備え、第二側部8は、上側の端部に第二接合部材17を備える。第二側部8は第一側部5よりも上側に長く形成され、第二側部8の上側の一部が第一収納部2の平面方向の内側に折り込まれ、第一接合部材16と第二接合部材17とが接合することで第二開口部9が覆われる。この場合、第二側部8が蓋の機能を備え、第二開口部9を覆うことができる。よって、別部品として蓋を用意する必要が無く、第二収納部3への雨や埃等の侵入を防ぐことができる。
【0067】
図1〜
図3、
図11〜
図13に示すように、バッグ1a(1b〜1e)は、第二側部8が透明である。この場合、第二側部8から第二収納部3に収納された物100を目視することができる。例えば、物100として和服用の帯を装飾的な目的で環状に加工した帯加工品を第二収納部3に収納した場合、外部から収納された帯加工品を目視することができる。バッグ1aは、装飾的な物100を挿入しない場合に比べて美感が向上する。
【0068】
例えば、バッグ1aは、第二収納部3に予め帯加工品を挿入したものを商品として販売する場合、商品の価値が向上する可能性がある。或いは、バッグ1aは、第二収納部3に広告等を挿入しておくことで、広告塔の役目を果たすことができる。なお、この構成と効果は第一の実施形態のバッグ1a〜第五の実施形態のバッグ1eまで共通する内容である。
【0069】
<第二の実施形態のバッグ1bの効果>
次に、第二の実施形態のバッグ1bの作用と効果を説明する。
図8に示すように、バッグ1bは、第一側部5が伸縮性を有する素材によって形成され、第一開口部6は平面方向において伸縮可能であり、自然状態では第一稜線6aの周長L1は、第一底部4を形成する周長L3よりも小さい。
【0070】
この場合、第二収納部3に物100を収入するときに、第二開口部9の平面方向における隙間30aが大きいので挿入しやすい。また、第二収納部3に物100を収納した後には第一開口部6を平面方向に広げることができるので、第一の実施形態のバッグ1aと同様に蓋部15によって第二開口部9を覆うことが容易になる。
【0071】
<第三の実施形態のバッグ1cの効果>
次に、第三の実施形態のバッグ1cの作用と効果を説明する。
図9に示すように、バッグ1cは、第一稜線6aの周長L1と第二稜線9aの周長L2との差が、第一底部4を形成する周長L3と第二底部7を形成する周長L4との差よりも小さい。この場合、第二収納部3は第二開口部9における隙間30bから第二底部7の隙間31bへと平面方向の隙間が広がっていく。よって、バッグ1cは、第二収納部3に物100を挿入するとき、第二開口部9に挿入した後は物100をスムーズに第二底部7へ進めることができる。
【0072】
<第四の実施形態のバッグ1dの効果>
次に、第四の実施形態のバッグ1dの作用と効果を説明する。
図11に示すように、バッグ1dは、蓋部15が、第一側部5と第二側部8とに接合可能な蓋部材19を備える。この場合、蓋部材19は蓋第一側部21と蓋第二側部22とによって下側に向かって開口する環状の蓋開口部23が形成されるので、平面方向において所定の幅を有する。よって、第二開口部9が平面方向において所定の幅を有する場合であっても、蓋部材19は第二開口部9を覆うことができる。また、蓋部材19は、第二側部8とは異なる色、又は材質にすることで装飾性を向上させることができる。
【0073】
<第五の実施形態のバッグ1eの効果>
図13に示すように、バッグ1eは、第一収納部2の内側より上側に向かって提手18bを備える。この場合、第二収納部3の外周には提手18bが無いので、第二収納部3に物100を収納しやすい。さらに、提手18b及び補強部材37bは第一側部5に備えられて第二側部8には備えられないので、外観上は第二側部8の全面を目視できる。よって、第二収納部3に挿入された物100を目視できる範囲が広くなるので、第二収納部3に挿入する物100の自由度が大きくなる。
【0074】
<変形例>
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。バッグ1は、第二側部8が透明の場合について説明したがこれに限らない。第二側部8は、透明でなくてもよいし、また透明の場合についても無色であってもよいし有色であっても良い。さらに、第二側部8は網目状の材料を使用することにより、不透明の材料であっても、外部から第二収納部3に収納された物100が目視できるようにしても良い。