特開2020-338(P2020-338A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-338(P2020-338A)
(43)【公開日】2020年1月9日
(54)【発明の名称】バッグ
(51)【国際特許分類】
   A45C 3/00 20060101AFI20191206BHJP
【FI】
   A45C3/00 K
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-120754(P2018-120754)
(22)【出願日】2018年6月26日
(71)【出願人】
【識別番号】517416651
【氏名又は名称】竹野 孝司
(74)【代理人】
【識別番号】100187791
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 晃志郎
(72)【発明者】
【氏名】竹野 孝司
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA52
3B045CE07
3B045EA02
3B045EA04
3B045EB12
3B045FA01
3B045FC04
3B045GA01
3B045GB01
3B045GC01
3B045GD01
3B045JA02
3B045JB01
3B045JC06
(57)【要約】
【課題】材料となる一つの袋状部材を折り込んで複数の収納部を形成するバッグを提供する。
【解決手段】バッグ1は、第一底部4と、第一底部4に対して上下方向の上側に延びる側部5とからなる袋状部材50によって形成された第一収納部2と第二収納部3とを備える。第一収納部2は、第一底部4と、側部5の一部である第一側部5aによって袋状に形成され、第一側部5の一部が平面方向の外側に向かって折り曲げられた第一稜線6aによって第一開口部6が形成される。第二収納部3は、平面方向において、第一収納部2を形成する第一側部5の一部と、第一稜線6aにて第一側部5が折り曲げられて形成された第二側部8とに挟まれて、第一収納部2の外側に環状に形成される。第二収納部3は、第二稜線9aと、第一側部5とに囲われて平面方向に第二開口部9が形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一底部と、前記第一底部に対して上下方向の上側に延びる側部とからなる袋状部材によって形成された第一収納部と第二収納部とを備え、
前記上下方向と直交する方向を平面方向としたとき、
前記第一収納部は、前記第一底部と、前記側部の一部である第一側部によって袋状に形成され、前記側部の一部が前記平面方向の外側に向かって折り曲げられた第一稜線によって第一開口部が形成され、
前記第二収納部は、前記平面方向において、前記第一収納部を形成する前記第一側部と、前記第一稜線にて前記側部が折り曲げられて形成された第二側部とに挟まれて、前記第一収納部の外側に環状に形成され、
前記第二収納部は、前記上下方向において前記第二側部のうちの前記第一側部に連続する側とは反対側の端部である第二稜線と、前記第一側部とに囲われて、前記平面方向に第二開口部が形成されたことを特徴とするバッグ。
【請求項2】
前記第二開口部は前記第二収納部の前記上下方向の下側に形成され、前記第一開口部とは前記上下方向において逆の方向に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のバッグ。
【請求項3】
前記第二側部における前記上下方向の下側の端部と、前記第一側部における前記上下方向の下側の端部とは、互いに接合する第一接合部材を備え、
前記第一接合部材が互いに接合することにより、前記第二開口部が閉じられて第二底部が形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のバッグ。
【請求項4】
前記第一稜線は、前記第一側部と前記第二側部とが接合される接合部を備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載のバッグ。
【請求項5】
前記接合部は固定されたことを特徴とする請求項4に記載のバッグ。
【請求項6】
前記第一稜線における前記接合部は第二接合部材を備え、前記第二接合部材は分離可能であり、
前記第二接合部材を分離して前記第二側部を前記上下方向の上側の方向に伸ばしたとき、前記第一収納部のみを有することを特徴とする請求項4に記載のバッグ。
【請求項7】
前記第二側部は透明であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のバッグ。
【請求項8】
前記第一収納部の内側より前記上下方向の上側に向かって提手を備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のバッグ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の収納部を有するバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の収納部を有するバッグが知られている。例えば、特許文献1に記載の濡れ物用バッグは、底部に透水手段を設けたバッグ本体と、該バッグ本体を収容自在とするカバー体とからなるものである。この構成によれば、バッグ本体と、バッグ本体及びカバー体との間の複数の箇所に物を収納することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−275487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来例ではバッグ本体(内袋という)と、バッグ本体及びカバー体との間(外袋という)の複数箇所に収納部を有する。そのために、バッグ本体とカバー体とのいわゆる二つのバックを必要とする。そのために、部品点数が多くなり制作費用が高くなるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、従来の課題を解決すべくなされたものであり、材料となる一つの袋状部材を折り込んで複数の収納部を形成するバッグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に係るバッグは、第一底部と、前記第一底部に対して上下方向の上側に延びる側部とからなる袋状部材によって形成された第一収納部と第二収納部とを備え、前記上下方向と直交する方向を平面方向としたとき、前記第一収納部は、前記第一底部と、前記側部の一部である第一側部によって袋状に形成され、前記側部の一部が前記平面方向の外側に向かって折り曲げられた第一稜線によって第一開口部が形成され、前記第二収納部は、前記平面方向において、前記第一収納部を形成する前記第一側部と、前記第一稜線にて前記側部が折り曲げられて形成された第二側部とに挟まれて、前記第一収納部の外側に環状に形成され、前記第二収納部は、前記上下方向において前記第二側部のうちの前記第一側部に連続する側とは反対側の端部である第二稜線と、前記第一側部とに囲われて、前記平面方向に第二開口部が形成されたことを特徴とする。
【0007】
これによれば、袋状部材によって第一収納部と第二収納部とが形成される。第一収納部は、第一底部と、側部の一部である第一側部によって袋状に形成される。第二収納部は、第一収納部を形成する第一側部と、第一稜線にて第一側部が折り曲げられて形成された第二側部とに挟まれて環状に形成され、第二稜線と、第一側部とに囲われて平面方向に第二開口部が形成される。よって、バッグは部品点数が少なくなり制作費用を安価にすることができる。
【0008】
また、前記バッグは、第二開口部が前記第二収納部の前記上下方向の下側に形成され、前記第一開口部とは前記上下方向において逆の方向に形成されてもよい。この場合、第一開口部を上側にしてバッグを使用したとき、第二収納部には雨或いは埃等が入りにくい。また、第一開口部と第二開口部とは上下方向において互いに反対側にあるので、第一収納部及び第二収納部のそれぞれに物を収納するとき物を挿入しやすい。
【0009】
また、前記バッグは、前記第二側部における前記上下方向の下側の端部と、前記第一側部における前記上下方向の下側の端部とは、互いに接合する第一接合部材を備え、前記第一接合部材が互いに接合することにより、前記第二開口部が閉じられて第二底部が形成されてもよい。
【0010】
この場合、第二収納部は第二開口部が閉じられることにより第二底部が形成されるので、第一開口部を上側にしてバッグを持たれたときに、第二開口部から収納された物が落ちることを防止できる。
【0011】
また、前記バッグは、前記第一稜線が前記第一側部と前記第二側部とが接合される接合部を備えてもよい。この場合、第一稜線が接合部によって接合されることにより、第一開口部の剛性が高まるとともに、第一開口部の上下方向における位置が変動することを防止できる。
【0012】
また、前記バッグは、前記接合部が固定されてもよい。この場合、第一稜線における接合部が固定されることにより、第一稜線の剛性が高まるとともに、第一開口部の上下方向における位置が変動することを防止できる。
【0013】
また、前記バッグは、前記第一稜線における前記接合部が第二接合部材を備え、前記第二接合部材は分離可能であり、前記第二接合部材を分離して前記第二側部を前記上下方向の上側の方向に伸ばしたとき、前記第一収納部のみを有してもよい。
【0014】
この場合、バッグは使用者が第一収納部と第二収納部を有する状態と、より収納可能な量が多くなった第一収納部のみを有する状態とを選択して使用することができるので、使用用途に応じて形態を変えることができる。
【0015】
また、前記バッグは、前記第二側部が透明であってもよい。この場合、第二収納部に収納した物を外部から目視することができる。
【0016】
また、前記バッグは、前記第一収納部の内側より前記上下方向の上側に向かって提手を備えてもよい。この場合、提手は第二側部に取り付けられないので外観上の見栄えが良い。さらに、第二側部が透明の場合、第二収納部に収納された物をより広い範囲で外部から目視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第一の実施形態のバッグ1aを示した正面図(断面図)であり、第二収納部3に物100が収納された状態を示す。
図2】第一の実施形態のバッグ1aを示した斜視図であり、第二収納部3に物100が収納された状態を示す。
図3】第一の実施形態のバッグ1aを示した図であり、(a)は上側から見た平面図であり、(b)は(a)に対して第一収納部が閉じられた状態を示す。
図4】第一の実施形態のバッグ1aを示した図であり図3(a)におけるC視図である。
図5】第一の実施形態のバッグ1aの制作過程を示した図であって、図3(a)における断面B−Bであり、(a)はバッグ1aにおける袋状部材50aの状態を示し、(b)は(a)に対して第二収納部を形成する過程を示す。
図6】第一の実施形態のバッグ1aの制作過程を示した図であって、図3(a)における断面B−Bであり、(a)は図5(b)からさらに制作を進めた状態を示し、(b)は(a)に対して第一開口部6の上側を接合し、バッグ1aの商品形態を示す。
図7】第一の実施形態のバッグ1aを示した図であって、図3(a)における断面B−Bであり、図6(b)のバッグ1aの第二開口部9から物100が挿入された状態を示す。
図8】第二の実施形態のバッグ1bを示した図であり、(a)は第二接合部材12が面ファスナー41の場合を示し、(b)は第二接合部材12がボタン42の場合を示す。
図9】第二の実施形態のバッグ1bを示した図であり、第二接合部材12を分離させて第一収納部2のみを有する状態を示す。
図10】第三の実施形態のバッグ1cを示した斜視図であり、第一の実施形態のバッグ1aに対して提手18bが第二側部の平面方向の外側に取り付けられたものを示す。
図11】第三の実施形態のバッグ1cを示した図であり、(a)はバッグ1cを上側から見た平面図であり、(b)は(a)におけるD視図である。
図12】第四の実施形態のバッグ1dの制作過程を示した図であって、(a)はバッグ1dを形成する袋状部材50bの状態を示し、(b)は(a)に対して第二収納部3を形成する過程を示す。
図13】第四の実施形態のバッグ1dを示した図であって、(a)はバッグ1dの商品形態を示し、(b)は(a)に対して物100が収納されて第二開口部9が閉じられた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照し、本発明を具現化したバッグ1を説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。図面に記載されている装置の構成は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0019】
<バッグ1共通の構成>
図1図4を参照して、バッグ1の概要を説明する。第一の実施形態のバッグ1aから第四の実施形態のバッグ1dはそれぞれ後述するが、まず、共通の構成を説明する。バッグ1は、第一底部4と、第一底部4に対して上下方向の上側に延びる側部5とからなる袋状部材50によって形成された第一収納部2と第二収納部3とを備える。上下方向と直交する方向を平面方向とする。なお、バッグ1は、上下方向において第一底部4が下側端部にあるとして説明する。
【0020】
第一収納部2は、第一底部4と、側部5の一部である第一側部5aによって袋状に形成され、側部5の一部が平面方向の外側に向かって折り曲げられた第一稜線6aによって第一開口部6が形成される。第二収納部3は、平面方向において、第一収納部2を形成する第一側部5aと、第一稜線6aにて側部5が折り曲げられて形成された第二側部8とに挟まれて、第一収納部2の外側に環状に形成される。第二収納部3は、上下方向において第二側部8のうちの第一側部5aに連続する側とは反対側の端部である第二稜線9aと、第一側部5aとに囲われて、平面方向に第二開口部9が形成される。後述するが、第一の実施形態のバッグ1aから第三の実施形態のバッグ1cにおいて、第二稜線9a及び第二開口部9は、上下方向の下側に形成される。また、第四の実施形態のバッグ1dは、第二稜線9a及び第二開口部9が上下方向の上側に形成される。第一側部5aと第二側部8は、いずれも側部5によって形成される。
【0021】
平面方向における外側と内側についてさらに詳細に説明する。第一開口部6、第一収納部2、第二開口部9、及び第二収納部3は環状に形成されており、平面方向におけるそれぞれの中心に対して、中心から遠ざかる方向が外側であり、中心に向かう方向が内側である。例えば、図2に示すように、第一開口部6の第一稜線6aにおいて、第一開口部6の中心から遠ざかる方向が第一稜線6aの外側であり、中心に向かう方向が第一稜線6aの内側である。また、第一稜線6aと第二稜線9aが形成される方向を周方向とする。第二収納部3は、第一収納部2の周りを平面方向の外側であって、周方向に環状に形成される。
【0022】
バッグ1は、種々の材料を選択することができる。柔軟性のある材料が好ましいが、例えば、ポリエチレン、ナイロン、ビニール等の樹脂材料、或いはポリエステル繊維、ポリウレタン繊維等を選択することができる。本発明の趣旨を逸脱しない範囲でその他の材料を選択することも可能である。
【0023】
第二側部8は透明である。図2図4に示すように、第二収納部3に物100が収納されたとき、外部から物100を視認可能である。また、第二側部8のみに限らず、第一側部5aを含めた他の要素の全てが透明であってもよい。或いは、第二側部8のみが透明であってもよい。
【0024】
図1から図4に示すように、バッグ1は、第一収納部2の内側より上側に向かって提手18aを備える。提手18aの周辺には、第一側部5aの平面方向内側に補強部材30が取り付けられている。図1において、補強部材30は提手18aの周辺の一部のみに取り付けられているが、周方向の全周に渡って取り付けられても良い。第二側部8が透明の場合、第二収納部3に収納された物100は、提手18a又は補強部材30に遮られることなく外部から目視可能である。
【0025】
図2及び図3に示すように、第一側部5aの平面方向内側には、第三接合部材31が複数箇所に取り付けられている。図3(a)は、第三接合部材31が分離して第一開口部6が開かれた状態を示し、図3(b)は、対向する第三接合部材31が互いに接合して、第一開口部6が閉じられた状態を示す。
【0026】
<実施形態1のバッグ1aの構成>
次に、本発明に係る第一の実施形態のバッグ1aを説明する。図1図6図7に示すように、第二開口部9は第二収納部3の下側に形成され、第一開口部6とは上下方向において逆の方向に形成されている。すなわち、第一収納部2と第二収納部3とは、物100を挿入する方向が互いに逆になる。
【0027】
また、図1図5図7に示すように、バッグ1aは、第二側部8における下側の端部と、第一側部5aにおける下側の端部とは、互いに接合する第一接合部材10を備える。第一接合部材10が接合することにより第二開口部9が閉じられて第二底部7が形成される。第二収納部3は、上下方向の下側に第二開口部9が形成されるため、通常はバッグ1aを上下方向に反転させて物100を挿入し、その後第一接合部材10を接合させて閉じる。
【0028】
また、バッグ1aは、第一稜線6aが第一側部5aと第二側部8とが接合される接合部11を備える。図7に示すように、バッグ1aの接合部11は固定されている。第二収納部3は、第一側部5aから連続した袋状部材50aが第一稜線6aにおいて折り曲げられて形成されるが、折り曲げられた箇所で接合部11が形成される。バッグ1aは、接合部11によって第一収納部2と第二収納部3との境界が形成される。
【0029】
<実施形態2のバッグ1bの構成>
次に、本発明に係る第二の実施形態のバッグ1bを説明する。第一の実施形態のバッグ1aと同様の構成は同様の符号を付すか或いは省略し、説明を省略する場合がある。後述する第三の実施形態のバッグ1cと第四の実施形態のバッグ1dも同様である。
【0030】
図8及び図9に示すように、バッグ1bは、第一稜線6aにおける接合部11は第二接合部材12を備え、第二接合部材12は分離可能である。図8は、バッグ1bの接合部11が、第二接合部材12によって接合された状態を示す。図8(a)は、第二接合部材12が面ファスナー41の場合を示し、図8(b)は、第二接合部材12がボタン42の場合を示す。いずれも、第二接合部材12を分離可能である。
【0031】
また、バッグ1bは、図9に示すように、第二接合部材12を分離して第二側部8を上側の方向に伸ばしたとき、第一収納部2のみを有する。この場合、第一収納部2の上下方向の長さは、図8における第一収納部2と第二収納部3との上下方向の長さを加えた長さとほぼ同等となる。
【0032】
また、図示しないが、提手18aは、面ファスナー或いはボタン等によって取り外し可能である。提手18aが取り付けられる場所は1箇所に限定されず、複数箇所に取り付け可能である。バッグ1bは、図8(a)に示すように第一収納部2と第二収納部3とを備えた状態と、図9に示すように第一収納部2のみを備えた状態との選択が可能である。この場合、提手18aが取り付けられる最適な位置及び向きは異なるので、バッグ1bの形態によって提手18aの取付位置が変更可能である。
【0033】
<実施形態3のバッグ1cの構成>
次に、本発明に係る第三の実施形態のバッグ1cを説明する。バッグ1cは、第一の実施形態のバッグ1aと第二の実施形態のバッグ1bとは、提手18の位置が異なる。他の構成は、バッグ1aまたはバッグ1bと同様であるので、説明は省略する。図10図11に示すように、バッグ1cの提手18bは、第二側部8の平面方向の外側に備えられる。
【0034】
<実施形態4のバッグ1dの構成>
次に、本発明に係る第四の実施形態のバッグ1dを説明する。バッグ1dは、第一の実施形態のバッグ1aから第三の実施形態のバッグ1cまでとは異なり、第一開口部6と第二開口部9とが上下方向の同じ方向に開口する。図12及び図13に示すように、第二収納部3は、袋状部材50bの側部5を2回折り曲げて形成される。製造方法の詳細は後述する。
【0035】
<バッグ1a、1bの製造方法>
次に、図5図7を参照してバッグ1aの製造方法を説明する。上下方向は、バッグ1aが完成した状態を想定して説明する。図5図7は、図3(a)における断面B−Bに相当する図である。図5(a)は、袋状部材50a(50)に予め提手18aが取り付けられた状態を示す。二点鎖線51aは、第一開口部6が形成される位置を示す折り曲げ線であり仮想線である。袋状部材50a(50)の平面方向の内側には、第二底部7を形成する第一接合部材10(例として面ファスナー、又はボタン)が複数箇所に取り付けられている。提手18aは、側部5の平面方向の外側に取り付けられている。
【0036】
図5(b)に示すように、袋状部材50aの上下方向の上側の部分を下側へ向かって折り込むことにより、第一収納部2となる凹部を形成していく。図5(b)は袋状部材50aが折り込まれる過程を示す。
【0037】
図6(a)は、袋状部材50aが所定の位置まで折り込まれた状態を示す。この状態で、第二開口部9が下側に向かって開口して形成される。図6(b)は、図6(a)に対して、接合部11が固定された状態を示す。接合部11は、加熱溶着、或いは接着その他の方法で接合して固定される。これに対して、第二の実施形態のバッグ1bは面ファスナー41又はボタン42によって分離可能に接合される。
【0038】
図6(b)の状態は、バッグ1aが販売等される形態を示している。図7は、図6(b)に示したバッグ1aの第二収納部3に物100を挿入した状態を示す。第二開口部9より物100を挿入する。第二収納部3の上下方向の上側の端部は、接合部11にて接合されているので、物100が第二収納部3から逸脱することは無い。図7からさらに第一接合部材10によって第二開口部9を閉じて第二底部7を形成した状態が図1に示される。
【0039】
提手18a及び補強部材30は、予め袋状部材50aの平面方向の外側に取り付けられた例を示したがこれに限らない。例えば、図6(b)に示す状態で、後から提手18a及び補強部材30を取り付けても良い。提手18aは固定的に取り付けられていなくても良い。なお、第三の実施形態のバッグ1cは、バッグ1a又はバッグ1bと提手18の位置が異なるのみなので製造方法の説明は省略する。
【0040】
<バッグ1dの製造方法>
次に、図12図13を参照して、第四の実施形態のバッグ1dの製造方法を説明する。図12(a)に示すように、バッグ1dにおける袋状部材50bの上下方向のサイズは、バッグ1a〜バッグ1cの袋状部材50aに比べて長い。2箇所の二点鎖線51bは、第一開口部6が形成される位置を示す折り曲げ線であり仮想線である。バッグ1a〜バッグ1cとは異なり、袋状部材50bを折り曲げる回数が2回である。袋状部材50bは2回折曲げが必要なので、比較的柔軟で伸縮可能な材質が適する。或いは、袋状部材50bは厚みが薄い物が選択される。
【0041】
図12(b)に示すように、図12(a)の状態から上側の二点鎖線51bの位置で袋状部材50bの上下方向の下側部分を上側へ折り曲げてひっくり返す。さらに、図13(a)に示すように、下側の二点鎖線51bの位置で下側へ折り曲げて再度ひっくり返す。第一側部5aは上下方向に2重に重なり、側部接合部52において固定される。第一開口部6と第二開口部9は上下方向において同じ方向に開口する。図13(b)に示すように、第二開口部9から物100が挿入され、第一接合部材10によって第二開口部9が閉じられる。
【0042】
<共通の作用・効果>
以上説明したように、バッグ1は種々の効果を奏する。まず、第一の実施形態のバッグ1aから第四の実施形態のバッグ1dに共通する作用と効果を説明する。図1図4に示すように、バッグ1は、袋状部材50によって第一収納部2と第二収納部3とが形成される。第一収納部2は、第一底部4と、側部5の一部である第一側部5aによって袋状に形成され、側部5の一部が平面方向の外側に向かって折り曲げられた第一稜線6aによって第一開口部6が形成される。第二収納部3は、平面方向において、第一収納部2を形成する第一側部5aと、第一稜線6aにて側部5が折り曲げられて形成された第二側部8とに挟まれて、第一収納部2の外側に環状に形成される。第二収納部3は、上下方向において第二側部8のうちの第一側部5aに連続する側とは反対側の端部である第二稜線9aと、第一側部5aとに囲われて、平面方向に第二開口部9が形成される。すなわち、バッグ1は一つの袋状部材50によって2つの収納部が形成されるので、部品点数が少なくなり制作費用を安価にすることができる。
【0043】
また、第二収納部3は、周方向に環状に形成されるので、例えば帯を環状にした帯加工品をそのまま収納することができる。或いは、第二収納部3は、第一収納部2に比べて平面方向の収納幅が小さいので、例えば賞状や連長紙のように丸めるか或いは折り曲げて運ぶようなものであっても環状にしてそのまま収納することができる。
【0044】
また、バッグ1の外周を形成する第二側部8は透明である。図2図4に示すように、第二収納部3に物100が収納されたとき、外部から物100を視認可能である。よって、例えば物100が、和風でしかも華やかな模様である環状に形成された帯加工品である場合、第二収納部3に模様面が平面方向の外側になるように収納することにより、外観上とても華やかである。或いは、物100が広告宣伝用のチラシである場合、第二収納部3に物100を収納すると外側から広告内容を目視できるので、バッグ1が広告塔の役割を果たす。
【0045】
また、図2及び図3に示すように、第一側部5aの平面方向内側には、第三接合部材31が複数箇所に取り付けられている。よって、第三接合部材31を接合させることにより、第一開口部6を閉じることができる。或いは、第三接合部材31を分離することにより、第一開口部6を開口することができる。
【0046】
<第一の実施形態のバッグ1aの作用・効果>
次に、本発明に係る第一の実施形態のバッグ1aの作用・効果を説明する。図1図6図7に示すように、第二開口部9は第二収納部3の下側に形成され、第一開口部6とは上下方向において逆の方向に形成されている。この場合、第一開口部6を上側にしてバッグ1aを使用したとき、第二収納部3には雨或いは埃等が入りにくい。また、第一開口部6と第二開口部9とは上下方向において互いに反対側にあるので、第一収納部2及び第二収納部3のそれぞれに物100を収納するとき挿入しやすい。
【0047】
例えば、バッグ1aの概観を装飾的にするために、第二収納部3に物100として帯加工品を挿入することが考えられる。この場合、第一収納部2へ物100を挿入する頻度に比べて、第二収納部3へ帯加工品を入れ替える頻度は低い。第一収納部2は物100の入れ替え頻度が高いため、挿入は上下方向の上側から行う。第二収納部3は物100の入れ替え頻度が比較的低いので、挿入は上下方向の下側から行うのは合理的である。また、物100を挿入する際に、第一開口部6と第二開口部9とが隣接している場合に比べ、上下方向で異なる位置の方が挿入しやすい。
【0048】
また、図1に示すように、バッグ1aは第一接合部材10が接合することにより第二開口部9が閉じられて第二底部7が形成される。この場合、第一開口部6を上側にしてバッグ1aを持ったときに、第二開口部9から収納された物100が落ちることを防止できる。
【0049】
また、図1図4に示すように、バッグ1aは、第一開口部6が、第一側部5aと第二側部8とが接合される接合部11を備える。この場合、第一開口部6が接合部11によって接合されることにより、第一開口部6の上下方向における位置が変動することを防止できる。また、接合部11が固定されることにより、第一開口部6の剛性がさらに高まる。
【0050】
また、図1図4に示すように、バッグ1は第一収納部2の内側より上側に向かって提手18aを備える。よって、バッグ1の外周である第二側部8には提手18aが無いので第二収納部3に挿入された物100を遮ることがない。さらに、提手18aは、第一側部5aの平面方向の内側に取り付けられているので、第一収納部2に重量物が収納されても持ちやすい。なお、これは第三の実施形態のバッグ1cを除くバッグ1(1a、1b、1d)に共通する内容である。
【0051】
<第二の実施形態のバッグ1bの作用・効果>
次に、第二の実施形態のバッグ1bの作用・効果を説明する。図8図9に示すように、バッグ1bの第二接合部材12は分離可能である。第二接合部材12を分離して第二側部8を上側の方向に伸ばしたとき、バッグ1bは上下方向の長さが長くなった第一収納部2のみを有することができる。よって、バッグ1bは、第一収納部2と第二収納部3の2箇所の収納部を有する状態と、第一収納部2の1箇所のみの収納部を有する状態とを選択して使用できる。バッグ1bは、収納する物100の種類、サイズ、或いは量に応じて状態を選択することができる。
【0052】
<第三の実施形態のバッグ1cの作用・効果>
次に、第三の実施形態のバッグ1cの作用・効果を説明する。図10図11に示すように、バッグ1cの提手18bは、第二側部8の平面方向の外側に備えられる。よって、第一側部5aには提手18bが無いため、第一収納部2に物100を挿入するときに邪魔にならず収納しやすい。
【0053】
<第四の実施形態のバッグ1dの作用・効果>
次に、第四の実施形態のバッグ1dの作用・効果を説明する。図13に示すように、第一開口部6と第二開口部9とが上下方向の同じ方向に開口する。よって、第一収納部2及び第二収納部3に物100を挿入する場合、同じ方向から挿入することができる。また、第一側部5aは上下方向に2重に重なり、側部接合部52において固定されるので、第一収納部2の剛性が高まる。
【0054】
<変形例>
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。バッグ1は第二側部8が透明の場合について説明したが、これに限らない。例えば、第二側部8は網目状の部材を使用することにより、第二収納部3に収納された物100を外側から目視することができる。
【符号の説明】
【0055】
1、1a、1b、1c、1d バッグ
2 第一収納部
3 第二収納部
4 第一底部
5 側部
5a 第一側部
6 第一開口部
6a 第一稜線
7 第二底部
8 第二側部
9 第二開口部
9a 第二稜線
10 第一接合部材
11 接合部
12 第二接合部材
18 提手
50 袋状部材
50a 袋状部材
50b 袋状部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13