特開2020-36692(P2020-36692A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 浅川 広和の特許一覧

<>
  • 特開2020036692-ピンセット装置 図000003
  • 特開2020036692-ピンセット装置 図000004
  • 特開2020036692-ピンセット装置 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-36692(P2020-36692A)
(43)【公開日】2020年3月12日
(54)【発明の名称】ピンセット装置
(51)【国際特許分類】
   A45D 44/02 20060101AFI20200214BHJP
   A41G 5/02 20060101ALI20200214BHJP
   B25B 9/02 20060101ALI20200214BHJP
【FI】
   A45D44/02 Z
   A41G5/02
   B25B9/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-164445(P2018-164445)
(22)【出願日】2018年9月3日
(71)【出願人】
【識別番号】518093927
【氏名又は名称】浅川 広和
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】浅川 広和
【テーマコード(参考)】
3C020
【Fターム(参考)】
3C020UU05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】まつ毛エクステンション用の人工まつ毛をまつ毛に固定させるために用いられる収縮チューブを、効率良く収縮させる手法を提供する。
【解決手段】まつ毛の長さを延長させるまつ毛エクステンションに用いられる人工まつ毛に所定のエネルギーを加えて収縮させるピンセット装置1において、挟持部14は、人工まつ毛を1本毎に挟持可能とする。制御部23は、挟持部14のうち、少なくとも人工まつ毛に接触する部位に所定のエネルギーを加える制御を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
まつ毛の長さを延長させるまつ毛エクステンションに用いられる人工まつ毛に所定のエネルギーを加えて収縮させるピンセット装置であって、
前記人工まつ毛を1本毎に挟持可能とする挟持手段と、
前記挟持手段のうち、少なくとも前記人工まつ毛に接触する部位に前記所定のエネルギーを加える制御を実行する制御手段と、
を備えるピンセット装置。
【請求項2】
前記所定のエネルギーは、熱エネルギーであり、
前記制御手段は、少なくとも前記人工まつ毛に接触する部分を加熱する制御を実行する、
請求項1に記載のピンセット装置。
【請求項3】
前記制御手段は、さらに、少なくとも前記人工まつ毛に接触する部分を冷却する制御を実行する、
請求項2に記載のピンセット装置。
【請求項4】
前記挟持手段の温度変化により生じるエネルギーの伝導を遮断する遮断手段をさらに備える、
請求項2又は3のうちいずれか1項に記載のピンセット装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピンセット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
まつ毛エクステンションに関する技術は従来から提案されている。まつ毛エクステンションとは、まつ毛を長くあるいは濃く見せるようにするための技術であり、基本的には、人のまつ毛1本1本に対し、化学繊維等を用いて製造された人工のまつ毛を、接着剤等を用いて接着するというものである。
ただし、人のまつ毛は、太さが0.1mm(ミリメートル)〜0.15mm(ミリメートル)程度であり非常に細いため、人工のまつ毛を接着するための接着面積を確保することが難しい。
【0003】
この問題を解決するために、人のまつ毛に対する接着面積を広げることが考えられる。しかしながら、人工まつ毛の装着に接着剤を使用すると、人工まつ毛を装着する者(以下「装着者」と呼ぶ)の皮膚にトラブルが生じることがあるだけではなく、接着剤特有の臭いが、装着者や施術者に不快感を与えることもある。さらに、人のまつ毛の接着面が汚れていたり油分が付着していたりすると、接着させた人工まつ毛がすぐに外れてしまうこともある。
【0004】
このため、接着剤を使用することなく、熱収縮性の環状部材を用いて、人のまつ毛と人工まつ毛とを連結する技術も提案されている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、人のまつ毛と人工まつ毛との連結部分が2重構造になってしまうだけではなく、その部分を環状部材が外側から束ねるように配置されるため、結果的に連結部分が3重構造になってしまう。通常、人の上まぶたには、まつ毛が100本〜150本程度密生しているため、人のまつ毛と人工まつ毛との連結部分が3重構造になると、連結部分にのみボリュームを有する不自然な見栄えになってしまう。
【0005】
そこで、本出願人は、皮膚のトラブルを生じさせたり、臭いによる不快感を与えたりする接着剤を使用することなく、かつ、装着時に見栄えの良いまつ毛エクステンション用人工まつ毛についての発明を既に出願している(特許文献2)。特許文献2に記載された人工まつ毛は、中空部を有し、その中空部に1本のまつ毛の一部又は全部を挿入させた状態で、径の方向に収縮し固定させる収縮部を備える。この収縮部は、熱エネルギー等の所定のエネルギーを加えることにより収縮する部材で構成させることができる。このような構成により、接着剤を使用することなく、中空部にまつ毛の一部又は全部を挿入して加熱するだけで装着時に見栄えの良いまつ毛エクステンション用人工まつ毛を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許4981983号公報
【特許文献2】特願2018−050695号明細書及び図面
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2には、収縮部の一例である熱収縮チューブを収縮させる具体的手法として、先端部分が加熱可能な専用のピンセットを用いて熱収縮チューブを収縮させることが記載されている。先端部分を加熱することができる専用のピンセットを用いれば、径が細い人工まつ毛であっても、その1本1本を効率良く加熱して収縮させることができる。
しかしながら、特許文献2において、先端部分を加熱することができる専用のピンセットの具体的な内容については、先端部分の温度を90℃〜120℃程度に加熱することができること以外は特に明記されていない。
このため、熱エネルギー等、所定のエネルギーが加えられると収縮してまつ毛に固定される種々の人工まつ毛に対し、効率良く所定のエネルギーを加えて収縮させることができる新たな手法の開発が望まれていた。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、まつ毛エクステンション用の人工まつ毛をまつ毛に固定させるために用いられる収縮チューブを、効率良く収縮させる手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係るピンセット装置は、
まつ毛の長さを延長させるまつ毛エクステンションに用いられる人工まつ毛に所定のエネルギーを加えて収縮させるピンセット装置であって、
前記人工まつ毛を1本毎に挟持可能とする挟持手段と、
前記挟持手段のうち、少なくとも前記人工まつ毛に接触する部位に前記所定のエネルギーを加える制御を実行する制御手段と、
を備える。
【0010】
この発明によれば、まつ毛エクステンション用の人工まつ毛をまつ毛に固定させるために用いられる収縮チューブを効率良く収縮させることができる。
【0011】
また、前記所定のエネルギーは、熱エネルギーであり、
前記制御手段は、少なくとも前記人工まつ毛に接触する部分を加熱する制御を実行することができる。
この発明によれば、まつ毛エクステンション用の人工まつ毛をまつ毛に固定させるために用いられる熱収縮チューブを効率良く加熱して収縮させることができる。
【0012】
前記制御手段は、さらに、少なくとも前記人工まつ毛に接触する部分を冷却する制御を実行することができる。
この発明によれば、加熱されて収縮した状態にある人工まつ毛を直ちに冷却して固化させることができるので、効率良く人工まつ毛をまつ毛に固定させることができる。
【0013】
また、前記挟持手段の温度変化により生じるエネルギーの伝導を遮断する遮断手段をさらに備えることができる。
この発明によれば、制御手段による加熱や冷却の制御が実行される際に、ピンセットを操作する者は、熱さや冷たさを感じることなく快適に操作することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、まつ毛エクステンション用の人工まつ毛をまつ毛に固定させるために用いられている収縮チューブを効率良く収縮させることができるピンセットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るピンセット装置の構成を示す図である。
図2】まつ毛エクステンション用の人工まつ毛を装着者のまつ毛に装着させた状態を示す図である。
図3】ピンセット装置を用いて人工まつ毛の収縮部を加熱する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係るピンセット装置について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態であるピンセット装置1の構成を示す図である。(A)はピンセット装置1の側面図である。(B)は加熱機能のみを有するピンセット装置1の平面図である。(C)は加熱機能と冷却機能とを有するピンセット装置1の平面図である。
図2は、まつ毛エクステンション用の人工まつ毛100を装着者300のまつ毛200に装着させた状態を示す図である。なお、右側の破線で示された丸の中には、装着部分の拡大図が示されている。
【0018】
本発明の一実施形態であるピンセット装置1は、装着者300のまつ毛200に、まつ毛エクステンション用の人工まつ毛100を固定させる際に使用される装置である。
ここで、本発明に係るピンセット装置1を用いたまつ毛エクステンションで使用される人工まつ毛100は、接着剤を用いることなくまつ毛200に装着可能とする人工まつ毛である。具体的には、人工まつ毛100は、中空部を有し、この中空部に1本のまつ毛200の一部又は全部を挿入させた状態で収縮部111を径の方向に収縮する。これにより、人工まつ毛100は、自身をまつ毛200に固定させることができる。収縮部111には、熱収縮チューブが用いられているため、収縮部111が収縮することにより、まつ毛200に人工まつ毛100を固定することができる。
【0019】
ピンセット装置1は、図1に示すように、本体部11と、操作部12と、遮断部13と、挟持部14とで構成される。ピンセット装置1は、装着者300のまつ毛200に人工まつ毛100を装着した後、人工まつ毛100の収縮部111を挟持して加熱する際に用いられる。加熱よって人工まつ毛100の収縮部111が収縮するので、まつ毛200に人工まつ毛100を容易に固定することができる。なお、ピンセット装置1を用いて人工まつ毛100の収縮部111を加熱する具体的態様については、図3を参照して後述する。
【0020】
以下、ピンセット装置1の各構成要素を詳しく説明する。
【0021】
(本体部)
本体部11は、図1に示すように、スイッチ21と、電力供給部22と、制御部23とを備える。
【0022】
スイッチ21は、後述する挟持部14のうち少なくとも人工まつ毛100に接触する部位を加熱又は冷却する場合に、ピンセット装置1を操作する者(主に装着者300)によってスライド操作されるスイッチである。
【0023】
図1(B)に例示するスイッチ21は、「On」と「Off」とを切り替えるためのスイッチであり、加熱機能のみを有するピンセット装置1の本体部11に設けられる。図1(B)に示すように、スイッチ21が「On」の状態になるようにスライド操作すると、挟持部14のうち少なくとも人工まつ毛100に接触する部位が加熱される。これに対して、スイッチ21が「Off」の状態になるようにスライド操作すると、挟持部14のうち少なくとも人工まつ毛100に接触する部位への加熱が停止される。
【0024】
図1(C)に例示するスイッチ21は、「Hot」と「Off」と「Cold」とを切り替えるためのスイッチであり、加熱機能と冷却機能とを有するピンセット装置1の本体部11に設けられる。図1(C)に示すように、スイッチ21が「Hot」の状態になるようにスライド操作すると、挟持部14のうち少なくとも人工まつ毛100に接触する部位が加熱される。そして、スイッチ21が「Hot」の状態から「Off」の状態になるようにスライド操作すると、挟持部14のうち少なくとも人工まつ毛100に接触する部位への加熱が停止される。また、スイッチ21が「Off」の状態から「Cold」の状態になるようにスライド操作すると、挟持部14のうち少なくとも人工まつ毛100に接触する部位が冷却される。そして、スイッチ21が「Cold」の状態から「Off」の状態になるようにスライド操作すると、挟持部14のうち少なくとも人工まつ毛100に接触する部位への冷却が停止される。
【0025】
電力供給部22は、蓄電式のバッテリー等で構成され、後述する制御部23に電力を供給する。これにより、制御部23は、後述する挟持部14のうち少なくとも人工まつ毛100に接触する部位を加熱し又は冷却する際に必要となる電気エネルギーを得ることができる。
【0026】
制御部23は、後述する挟持部14のうち、少なくとも人工まつ毛100に接触する部位を加熱し又は冷却する制御を実行する。これにより、人工まつ毛100をまつ毛に固定させるために用いられている熱収縮チューブを効率良く加熱して収縮させることができるとともに、冷却して直ちに固化させることができる。
制御部23によって挟持部14が加熱された場合、挟持部14の温度は、人工まつ毛100の収縮部111を収縮させることができる温度に上昇する。収縮部111が収縮する温度は、人工まつ毛100の仕様によって異なるものであるため特に限定されない。例えば、収縮部111が60℃〜120℃程度の温度で収縮する人工まつ毛100をまつ毛200に固定する場合には、挟持部14が60℃〜120℃程度に加熱できるようにすればよい。
【0027】
ここで、制御部23が挟持部14を加熱し又は冷却する具体的手法は特に限定されない。例えばペルチェ素子を用いた加熱又は冷却によって挟持部14の温度を制御してもよい。挟持部14の温度制御手法としてペルチェ素子を用いた場合、電気抵抗の低減化と、熱伝導率の低減化とを両立させることが可能になるので、消費電力を抑えながら挟持部14の温度を素早く制御することが可能になる。また、ペルチェ素子を用いた場合、1mm×1mm単位の微小な面積の温度制御が可能になる。このため、1mmに満たない細い人工まつ毛100の1本1本を挟持して加熱又は冷却する挟持部14の温度制御にペルチェ素子を利用することは好適である。
【0028】
図1に示す本体部11の形状は例示であり特に限定されないが、まつ毛エクステンションはまつ毛1本1本に対する細かい作業であるため、例えば図1に示すように、装着者300が片手で容易に把持できる形状とすることが好ましい。
【0029】
(操作部)
操作部12は、図1(b)及び(c)に示すように、2枚の操作体12aと操作体12bとで構成されている。操作体12a及び操作体12bの長手方向の一方の端部は、いずれも本体部11に接続されており、その反対側の端部は、後述する遮断部13を介して挟持部14に接続されている。
【0030】
操作体12a及び操作体12bは、通常の状態では、互いに接触することなく、互いに対向する位置に配置されている。ここで、操作体12aと操作体12bとが対向する面と反対側の面に対し外側からの圧力が加えられると(つまり、一般的なピンセットの操作と同様の操作が行われると)、操作体12aと操作体12bとが互いに接近し合うとともに、後述する挟持部14の挟持体14aと挟持体14bとが接近する。これにより、挟持体14aと挟持体14bとで人工まつ毛100を挟持することが可能になる。
【0031】
装着者300は、例えば中指と薬指と小指とで本体部11を把持した状態で、人差し指と親指とを使い、操作体12aと操作体12bとの対向面の反対側の面に対し外側からの圧力を同時に加える。これにより、上述したように操作体12aと操作体12bが接近させことで挟持体14aと挟持体14bとを接近させて人工まつ毛100を挟持する。つまり、操作部12及び挟持部14が、人工まつ毛100を挟持するピンセットの機能を果たす。
【0032】
なお、図1に示す操作部12の形状は例示であり特に限定されないが、まつ毛エクステンションはまつ毛1本1本に対する細かい作業であるため、操作部12を操作する回数は、少なくとも人工まつ毛100の本数以上となる。このため、操作部12の形状は、例えば図1に示す操作部12のように、装着者300が片手で何度操作したとしても疲労を感じ難い形状とすることが好ましい。
【0033】
(遮断部)
遮断部13は、図1(b)及び(c)に示すように、遮断体13aと断熱体13bとで構成されている。遮断体13a及び断熱体13bの長手方向の一方の端部は、いずれも操作部12に接続されており、その反対側の端部は、後述する挟持部14に接続されている。遮断部13は、挟持部14の温度変化により生じる熱エネルギーが操作部12に伝達されることを遮断する。これにより、制御部23による加熱や冷却の制御が実行される際に、装着者300等のピンセット装置1を操作する者は、熱さや冷たさを感じることなく快適に操作部12に対する操作を行うことができる。
遮断部13の材質は、挟持部14の温度変化により生じる熱エネルギー等が操作部12に伝達されることを遮断することができるものであれば特に限定されない。
【0034】
(挟持部)
挟持部14は、図1(b)及び(c)に示すように、挟持体14aと挟持体14bとで構成されている。挟持部14は、制御部23の制御によって加熱され又は冷却される。挟持部14は、遮断部13を介して操作部12に接続されており、操作体12a及び操作体12bの動作に合わせて動作する。すなわち、操作部12への操作に合わせて挟持体14aと挟持体14bとが互いに接近することで人工まつ毛100を挟持する。挟持された人工まつ毛100は、加熱された挟持部14によって加熱され、また、冷却された挟持部14によって冷却される。
【0035】
次に、図3を参照して、ピンセット装置1を用いて人工まつ毛100を加熱する具体的手法について説明する。
図3は、ピンセット装置1を用いて人工まつ毛100の収縮部111を加熱する様子を示す図である。
【0036】
まつ毛エクステンションでは、まず、中空部を有する人工まつ毛100にまつ毛200を挿入することでまつ毛200に人工まつ毛100を装着させる。なお、当然ながらこの状態では人工まつ毛100がまつ毛200に固定されていないため直ぐに外れてしまう。そこで、装着者300は、ピンセット装置1を用いて、人工まつ毛100の収縮部111を加熱して収縮させる。これにより、人工まつ毛100がまつ毛200に固定される。
具体的には、装着者300は、ピンセット装置1のスイッチ21をスライド操作して、「On」又は「Hot」の状態にする。これにより、ピンセット装置1の挟持部14が加熱されるので、装着者300は、加熱されて温度が上昇した状態にある挟持部14で、図3に示すように人工まつ毛100の収縮部111を挟持する。これにより、収縮部111が収縮するので、人工まつ毛100がまつ毛200に固定される。また、図1(C)のように冷却機能を有するピンセット装置1の場合には、スイッチ21をスライド操作して、「Cold」の状態にする。これにより、加熱されて収縮した収縮部111を直ちに冷却して固化させることができるので、例えば慌ただしい朝などであっても、まつ毛エクステンションを容易に行うことができる。
【0037】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。また、本発明に係る要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更を施してもよい。
【0038】
例えば、上述の実施形態では、人工まつ毛100の収縮部111は、熱エネルギーを加えることで収縮する素材で構成されているが、これに限られない。例えば、冷熱エネルギーによって収縮する素材や、超音波による振動エネルギーによって収縮する素材等、外からの何らかのアクションによって収縮するあらゆる素材で構成させることができる。
【0039】
以上まとめると、本発明が適用されるピンセット装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
すなわち、本発明が適用されるピンセット装置(例えば図1のピンセット装置1)は、
まつ毛(例えば図2のまつ毛200)の長さを延長させるまつ毛エクステンションに用いられる人工まつ毛(例えば図2の人工まつ毛100)に所定のエネルギー(例えば熱エネルギー)を加えて収縮させるピンセット装置であって、
前記人工まつ毛を1本毎に挟持可能とする挟持手段(例えば図1の挟持部14)と、
前記挟持手段のうち、少なくとも前記人工まつ毛に接触する部位に前記所定のエネルギーを加える制御を実行する制御手段(例えば図1の制御部23)と、
を備える。
【0040】
この発明によれば、まつ毛エクステンション用の人工まつ毛100をまつ毛200に固定させるために用いられている収縮チューブ(例えば図2の収縮部111)を効率良く収縮させることができる。
【0041】
また、前記所定のエネルギーは、熱エネルギーであり、
前記制御手段は、少なくとも前記人工まつ毛に接触する部分を加熱する制御を実行することができる。
この発明によれば、まつ毛エクステンション用の人工まつ毛をまつ毛に固定させるために用いられている熱収縮チューブを効率良く加熱して収縮させることができる。
【0042】
前記制御手段は、さらに、少なくとも前記人工まつ毛に接触する部分を冷却する制御を実行することができる。
この発明によれば、加熱されて収縮した状態にある人工まつ毛を直ちに冷却して固化させることができるので、効率良く人工まつ毛をまつ毛に固定させることができる。
【0043】
また、前記挟持手段の温度変化により生じるエネルギーの伝導を遮断する遮断手段(例えば図1の遮断部13)をさらに備えることができる。
この発明によれば、制御手段による加熱や冷却の制御が実行される際に、ピンセットを操作する者は、熱さや冷たさを感じることなく快適に操作することができる。
【符号の説明】
【0044】
1・・・ ピンセット装置
11・・・ 本体部
12・・・ 操作部
12a,12b・・・ 操作体
13・・・ 遮断部
13a,13b・・・ 遮断体
14・・・ 挟持部
14a,14b・・・ 挟持体
21・・・ スイッチ
22・・・ 電力供給部
23・・・ 制御部
100・・・ 人工まつ毛
111・・・ 収縮部
200・・・ まつ毛
300・・・ 装着者
図1
図2
図3