【解決手段】広告オプション割当装置は、特定の不動産業者の不動産業者IDに対応付けられた複数の物件情報を物件情報データベースから特定し、物件情報データベースに登録されている複数の物件情報及び照会実績データベースに登録されている複数の照会実績と、当該特定された複数の物件情報とに基づいて、当該特定された複数の物件情報のそれぞれに対する照会確率を予測し、予測されたそれぞれの照会確率に基づいて、割り当て対象となる広告オプションを所定数の物件情報に対して割り当てる。
前記照会確率予測手段は、前記物件情報特定手段により特定された複数の物件情報毎に、前記広告オプションが当該物件情報の一部として選択された場合の第1の前記照会確率と、前記広告オプションが選択されない場合の第2の前記照会確率とをそれぞれ予測し、
前記広告オプション割当手段は、前記第1の前記照会確率と前記第2の前記照会確率との差分を算出し、算出した差分が大きい上位所定数の物件情報に対して前記広告オプションを割り当てることを特徴とする請求項1または2に記載の広告オプション割当装置。
前記広告オプション割当手段は、前記広告オプションを予め設定された上限数以下の物件情報に対して割り当てることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の広告オプション割当装置。
前記広告オプションは、前記閲覧者端末において前記物件の外観または内部の画像を表示するものであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の広告オプション割当装置。
前記広告オプションは、前記閲覧者端末において前記物件に対するスタッフコメントを表示するものであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の広告オプション割当装置。
前記広告オプションは、前記閲覧者端末において前記物件情報の表示順序を上位にするものであることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の広告オプション割当装置。
前記広告オプションは、前記閲覧者端末において前記物件の広告を所定の出現頻度で表示するものであることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の広告オプション割当装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、不動産業者は、物件情報サイトに登録された物件情報に対する顧客からの照会(例えば、問合せ)確率を高めるため、当該不動産業者により選択可能な広告オプション(例えば、物件情報を充実させるパノラマ画像等)を付加する場合がある。しかしながら、不動産業者が多数の物件を取り扱っている一方で、物件情報に付加可能な広告オプションの数に限りがある場合、より効果が高い(つまり、より照会が発生する)と予想される物件情報に対して広告オプションを付加することが望ましい。
【0006】
そこで、本発明は、上記点等に鑑みてなされたものであり、登録されている複数の物件情報のうち、より効果が高いと予想される物件情報に対して広告オプションを割り当てることが可能な広告オプション割当装置、広告オプション割当プログラム、広告オプション割当方法、及び情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、物件に関する物件情報と、当該物件情報を提供した提供者の識別情報とを対応付けてデータベースに登録する物件情報登録手段と、前記物件情報が提供された閲覧者端末からの当該物件情報に対する照会実績をデータベースに登録する照会実績登録手段と、特定の前記提供者の識別情報に対応付けられた複数の物件情報を前記データベースから特定する物件情報特定手段と、前記データベースに登録されている複数の物件情報及び前記データベースに登録されている複数の照会実績と、前記物件情報特定手段により特定された複数の物件情報とに基づいて、当該特定された複数の物件情報のそれぞれに対する照会確率を予測する照会確率予測手段と、前記照会確率予測手段により予測されたそれぞれの照会確率に基づいて、前記提供者より物件情報の一部として選択可能な広告オプションを、前記物件情報特定手段により特定された複数の物件情報のうち所定数の物件情報に対して割り当てる広告オプション割当手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、登録されている複数の物件情報のうち、より効果が高いと予想される物件情報に対して広告オプションを割り当てることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の広告オプション割当装置において、前記照会確率予測手段は、前記データベースに登録されている物件情報を説明変数x
n(n=1,・・・,p)とし、前記データベースに登録されている照会実績に基づいて特定される照会確率を目的変数y
nとして、前記説明変数x
nとパラメータwとに基づき構築された予測モデルf(w,x
n)であって、損失関数l(y
n,f(w,x
n))の総和が最小になるように前記パラメータwが調整された予測モデルf(w,x
n)に、前記物件情報特定手段により特定された複数の物件情報のそれぞれを別々に入力することで当該複数の物件情報のそれぞれに対する照会確率を得ることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、物件情報に対する照会確率の予測精度を高めることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の広告オプション割当装置において、前記照会確率予測手段は、前記物件情報特定手段により特定された複数の物件情報毎に、前記広告オプションが当該物件情報の一部として選択された場合の第1の前記照会確率と、前記広告オプションが選択されない場合の第2の前記照会確率とをそれぞれ予測し、前記広告オプション割当手段は、前記第1の前記照会確率と前記第2の前記照会確率との差分を算出し、算出した差分が大きい上位所定数の物件情報に対して前記広告オプションを割り当てることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、より一層、効果が高いと予想される物件情報に対して広告オプションを割り当てることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の広告オプション割当装置において、前記提供者の識別情報には、前記提供者の所有ポイントの残高が対応付けられており、前記広告オプション割当手段は、前記所定数の物件情報に割り当てる広告オプションに対して設定された消費ポイントの総和が前記所有ポイントの残高以下になるように、前記広告オプションを前記所定数の物件情報に対して割り当てることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、消費ポイントの総和が所有ポイントの残高に収まるかどうかを不動産業者がチェックする手間を省くことができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の広告オプション割当装置において、前記広告オプション割当手段は、前記広告オプションを予め設定された上限数以下の物件情報に対して割り当てることを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか一項に記載の広告オプション割当装置において、前記広告オプションは、前記閲覧者端末において前記物件の外観または内部の画像を表示するものであることを特徴とする。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れか一項に記載の広告オプション割当装置において、前記広告オプションは、前記閲覧者端末において前記物件に対するスタッフコメントを表示するものであることを特徴とする。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の何れか一項に記載の広告オプション割当装置において、前記広告オプションは、前記閲覧者端末において前記物件情報の表示順序を上位にするものであることを特徴とする。
【0019】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8の何れか一項に記載の広告オプション割当装置において、前記広告オプションは、前記閲覧者端末において前記物件の広告を所定の出現頻度で表示するものであることを特徴とする。
【0020】
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9の何れか一項に記載の広告オプション割当装置において、前記物件情報には、前記物件の地域情報、間取り情報、及び価格情報が含まれることを特徴とする。
【0021】
請求項11に記載の発明は、コンピュータに、物件に関する物件情報と、当該物件情報を提供した提供者の識別情報とを対応付けてデータベースに登録するステップと、前記物件情報が提供された閲覧者端末からの当該物件情報に対する照会実績をデータベースに登録するステップと、特定の前記提供者の識別情報に対応付けられた複数の物件情報を前記データベースから特定するステップと、前記データベースに登録されている複数の物件情報及び前記データベースに登録されている複数の照会実績と、前記特定された複数の物件情報とに基づいて、当該特定された複数の物件情報のそれぞれに対する照会確率を予測するステップと、前記予測されたそれぞれの照会確率に基づいて、前記提供者より物件情報の一部として選択可能な広告オプションを、前記特定された複数の物件情報のうち所定数の物件情報に対して割り当てるステップと、を実行させることを特徴とする。
【0022】
請求項12に記載の発明は、コンピュータにより実行される広告オプション割当方法であって、物件に関する物件情報と、当該物件情報を提供した提供者の識別情報とを対応付けてデータベースに登録するステップと、前記物件情報が提供された閲覧者端末からの当該物件情報に対する照会実績をデータベースに登録するステップと、特定の前記提供者の識別情報に対応付けられた複数の物件情報を前記データベースから特定するステップと、前記データベースに登録されている複数の物件情報及び前記データベースに登録されている複数の照会実績と、前記特定された複数の物件情報とに基づいて、当該特定された複数の物件情報のそれぞれに対する照会確率を予測するステップと、前記予測されたそれぞれの照会確率に基づいて、前記提供者より物件情報の一部として選択可能な広告オプションを、前記特定された複数の物件情報のうち所定数の物件情報に対して割り当てるステップと、を含むことを特徴とする。
【0023】
請求項13に記載の発明は、物件に関する物件情報と、当該物件情報を提供した提供者の識別情報とを対応付けてデータベースに登録する物件情報登録手段と、前記物件情報が提供された閲覧者端末からの当該物件情報に対する照会実績をデータベースに登録する照会実績登録手段と、特定の前記提供者の識別情報に対応付けられた複数の物件情報を前記データベースから特定する物件情報特定手段と、前記データベースに登録されている複数の物件情報及び前記データベースに登録されている複数の照会実績と、前記物件情報特定手段により特定された複数の物件情報とに基づいて、当該特定された複数の物件情報のそれぞれに対する照会確率を予測する照会確率予測手段と、前記照会確率予測手段により予測されたそれぞれの照会確率に基づいて、前記提供者より物件情報の一部として選択可能な広告オプションを、前記物件情報特定手段により特定された複数の物件情報のうち所定数の物件情報に対して割り当てる広告オプション割当手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、登録されている複数の物件情報のうち、より効果が高いと予想される物件情報に対して広告オプションを割り当てることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、物件情報提供システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0027】
[1.物件情報提供システムSの構成及び機能]
先ず、
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る物件情報提供システムSの構成及び機能について説明する。
図1は、物件情報提供システムSの概要構成の一例を示す図である。
図1に示すように、物件情報提供システムSは、不動産業者端末1、閲覧者端末2、及び物件情報提供サーバ3(広告オプション割当装置の一例)等を備えて構成されている。不動産業者端末1、及び閲覧者端末2は、それぞれ、ネットワークNWを介して物件情報提供サーバ3と通信可能になっている。ネットワークNWは、例えば、電話用回線交換ネットワーク、及びインターネットに接続するためのデータ通信用パケット交換ネットワークを含む。なお、
図1の例では、1つの不動産業者端末1と、1つ閲覧者端末2とを示しているが、実際には、複数の不動産業者端末、及び複数の閲覧者端末が存在する。
【0028】
不動産業者端末1は、物件(例えば、建物及び土地などの不動産)に関する物件情報を提供する不動産業者(提供者の一例)により使用されるクライアントであり、閲覧者端末2は、不動産業者により提供された物件情報を閲覧する閲覧者(顧客)により使用されるクライアントであり、それぞれ、ブラウザ機能を有する。不動産業者端末1、及び閲覧者端末2は、それぞれ、ブラウザによる要求(リクエスト)に応じて物件情報サイトから提供されたページ(例えば、ウェブページやランディングページ)をディスプレイ上に表れた画面(例えば、ブラウザのウインドウ)に表示する。このようなページは、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)文書やXHTML文書等の構造化文書及び画像データ等により構成される。不動産業者端末1に提供されるページの例として、物件情報の登録を要求するためのページ(以下、「物件情報登録要求ページ」という)、及び広告オプションの割り当てを要求するためのページ(以下、「広告オプション割当要求ページ」という)、などが挙げられる。一方、閲覧者端末2に提供されるページの例として、物件情報を掲載するためのページ(以下、「物件情報掲載ページ」という)、及び物件情報の詳細を掲載するためのページ(以下、「詳細ページ」という)などが挙げられる。なお、不動産業者端末1、及び閲覧者端末2の例として、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、スマートフォン、タブレット、及び携帯ゲーム機等が挙げられる。
【0029】
物件情報提供サーバ3は、物件情報サイトを構成するサーバである。物件情報提供サーバ3は、通信部31、記憶部32、及びシステム制御部33等を備え、これらの構成部分はバス34を介して電気的に接続されている。なお、物件情報提供サーバ3は、1台のサーバコンピュータにより構成されてもよいし、複数台のサーバコンピュータにより構成されてもよい。
【0030】
通信部31は、システム制御部33の制御の下、ネットワークNWを介して不動産業者端末1、または閲覧者端末2との間で通信を行う。記憶部32は、例えば、ハードディスクドライブ等から構成され、OS,及びアプリケーション等を格納する。また、記憶部32には、物件情報データベース(DB)321、照会実績データベース(DB)322、及び不動産業者情報データベース(DB)323等が構築されている。
図2(A)は、物件情報データベース321に登録されている情報の一例を示す図であり、
図2(B)は、照会実績データベース322に登録されている情報の一例を示す図であり、
図2(C)は、不動産業者情報データベース323に登録されている情報の一例を示す図である。なお、物件情報データベース321、照会実績データベース322、及び不動産業者情報データベース323は、それぞれ、物件情報提供サーバ3とは異なる他のサーバに備えられてもよい。また、物件情報データベース321と照会実績データベース322とは、一つのデータベースから構成されてもよい。
【0031】
物件情報データベース321は、物件に関する物件情報と、当該物件情報を提供した不動産業者の不動産業者IDと、当該物件の物件IDとを対応付けて登録(記憶)する。物件情報データベース321によって、多くの物件情報を不動産業者毎に区別して管理することができる。ここで、不動産業者IDは、不動産業者毎に一意に付与された識別情報である。物件IDは、不動産業者毎、かつ物件毎に一意に付与された識別情報である。つまり、同一の物件は、複数の異なる不動産業者により取り扱われることもあり、同一の物件であっても、取扱い不動産業者が異なれば物件IDは異なる。物件情報は、例えば、物件基本情報と、広告オプションとから構成される。物件基本情報には、例えば、物件種別、物件名、所在地、交通、築年数、階数、専有面積、外観画像、間取り情報、及び取引情報等が含まれる。物件種別は、個人住宅(戸建て)、集合住宅(マンション、またはアパート)、土地の別である。物件種別が集合住宅である場合の間取り情報には、各戸(各部屋)毎の所在階、部屋番号、間取り、及び部屋や設備等の画像等が含まれる。取引情報には、例えば、取引種別、及び取引条件が含まれる。取引種別は、賃貸物件、新築物件、中古物件の別である。賃貸物件の取引条件は、賃料、敷金、礼金、及び契約期間等である。新築物件、及び中古物件の取引条件は、売買価格、管理費、及び修繕積立金等である。不動産業者による物件基本情報の指定は原則として必須である。
【0032】
広告オプションは、物件情報掲載ページ等で紹介された物件に対して、その閲覧者からの照会をより多く発生させるための選択肢(選択手段)であり、不動産業者(不動産業者端末1のオペレータ)により物件情報の一部として選択可能になっている。また、広告オプションは、物件情報データベース321に登録されている物件情報の一部として当該物件情報に対して自動的に割り当てることが可能になっている。ここで、照会には、問合せや、詳細閲覧要求などが該当する。問合せは、例えば、物件情報掲載ページからリンク(ハイパーリンク)される詳細ページに設けられた問合せボタンや資料請求ボタンなどが閲覧者によりクリックまたはタップされることで行われる。詳細閲覧要求は、例えば物件情報掲載ページに設けられた詳細ページへのリンク文字やボタンなどが閲覧者によりクリックまたはタップされることで行われる。
【0033】
広告オプションの例としては、閲覧者端末2において物件の外観または内部の画像(例えば、物件基本情報に含まれる画像以外のパノラマ画像や動画像等)を表示するものや、閲覧者端末2において物件に対するスタッフコメント(担当スタッフにより物件のアピール等)を表示するものがある。このような広告オプションにより、特定の物件についての掲載内容を充実(例えば、見た目上、豪華にするなど)させることができるので、その物件情報に対する照会確率(つまり、照会の発生確率)を高めることができ、その結果、当該物件の成約に繋げることが可能となる。また、広告オプションの別の例としては、閲覧者端末2において特定の物件の物件情報の表示順序を上位にするものや、閲覧者端末2において特定の物件の広告(例えば、詳細ページへのリンクが設定されたバナー広告)を所定の出現頻度で表示するものがある。このような広告オプションにより、特定の物件に関する物件情報が閲覧者の目に留まりやすくなるので、その物件情報に対する照会確率を高めることができ、その結果、当該物件の成約に繋げることが可能となる。
【0034】
それぞれの広告オプションには、消費ポイントが設定されている。消費ポイントは、広告オプションを物件情報の一部として選択(言い換えれば、広告オプションを購入)または割り当てるための料金に対応(例えば、1ポイントがxxx円に対応)する。消費ポイントは、広告オプションの種類や内容によって異なる。例えば、消費ポイントは、物件の外観または内部の画像を表示する広告オプションと、スタッフコメントを表示する広告オプションとで異なる。また、同じ広告オプションであっても内容により異なる場合もある。例えば、物件の外観または内部の画像を表示する広告オプションの場合、当該画像がパノラマ画像であれば、消費ポイントは1000ポイントとなり、当該画像が動画像であれば、消費ポイントは2000ポイントとなる。また、物件の広告を所定の出現頻度で表示する広告オプションの場合、出現頻度を示す値が増加すればするほど、消費ポイントは増加する。
【0035】
照会実績データベース322は、物件に関する物件情報が提供された閲覧者端末2からの当該物件情報に対する照会実績と、当該物件情報を提供した不動産業者の不動産業者IDと、当該物件の物件IDとを対応付けて登録(記憶)する。照会実績データベース322によって、多くの照会実績を不動産業者毎かつ物件毎に区別して管理することができる。ここで、照会実績には、例えば、物件情報の提供回数、及び当該物件情報に対する照会回数等が含まれる。提供回数とは、例えば、ネットワークNWを介して閲覧者端末2等へ物件情報を含む物件情報掲載ページが配信された回数、または物件情報掲載ページ上の物件情報が画面に表示された回数である。照会回数とは、当該物件情報に対して照会があった(例えば、問合せボタンや詳細ページへのリンク文字が閲覧者により指定された)回数である。物件情報の提供回数と当該物件情報に対する照会回数とから物件ID毎に照会確率(=照会回数/提供回数)が特定(算出)される。なお、照会実績として、照会確率が照会実績データベース322に格納されてもよい。また、照会実績には、物件情報が提供された日時、及び物件情報の照会があった日時が含まれてもよい。
【0036】
不動産業者情報データベース323は、物件情報サイトの利用会員になった不動産業者の不動産業者情報を登録(記憶)する。不動産業者情報データベース323により、多くの不動産業者情報を管理することができる。ここで、不動産業者情報には、例えば、不動産業者ID、不動産業者名(例えば、会社名)、所在地(例えば、住所や経度経度)、電話番号、メールアドレス、及び所有ポイントの残高等が含まれる。所有ポイントは、不動産業者が所有しているポイントである。このようなポイントは、それぞれの不動産業者により物件情報サイトの運営者等から購入されるか、或いは物件情報サイトの運営者等からそれぞれの不動産業者に特典等として与えられる。不動産業者が広告オプションを物件情報の一部として選択(言い換えれば、広告オプションを購入)するか、または物件情報に対して自動的に割り当てられると、当該広告オプションに対して設定された消費ポイントが所有ポイントの残高から差し引かれることになる。なお、不動産業者情報には、不動産業者IDと共に、物件情報サイトへのログインのために用いられるパスワードも含まれる。
【0037】
システム制御部33は、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),及びRAM(Random Access Memory)等から構成され、CPU(コンピュータ)がオペレーティングシステム上で動作するアプリケーションにしたがって各種処理を実行する。
図3は、システム制御部33の機能ブロックの一例を示す図である。
図3に示すように、システム制御部33は、ページ提供部331、物件情報登録部332、照会実績登録部333、物件情報特定部334、照会確率予測部335、及び広告オプション割当部336等として機能する。ここで、物件情報登録部332は、本発明における物件情報登録手段の一例である。照会実績登録部333は、本発明における照会実績登録手段の一例である。物件情報特定部334は、本発明における物件情報特定手段の一例である。照会確率予測部335は、本発明における照会確率予測手段の一例である。広告オプション割当部336は、本発明における広告オプション割当手段の一例である。
【0038】
ページ提供部331は、物件情報サイトにアクセスした不動産業者端末1からの要求に応じて、物件情報登録要求ページを、ネットワークNWを介して不動産業者端末1へ提供(送信)する。物件情報登録部332は、不動産業者端末1に提供された物件情報登録要求ページ上で不動産業者により指定された物件情報(物件基本情報のみ、または物件情報及び広告オプション)をネットワークNWを介して取得し、当該取得された物件情報と、当該物件情報を提供した不動産業者の不動産業者IDとを対応付けて物件情報データベース321に登録する。こうして登録された物件情報の一部は、物件情報サイトにアクセスした閲覧者端末2からの要求に応じて、ページ提供部331により閲覧者端末2へ提供されることになる。
【0039】
図4は、物件情報が掲載された物件情報掲載ページの一例を示す図である。
図4の例では、閲覧者により指定された検索条件により検索された賃貸物件の一覧が表示された例を示している。
図4に示すように、物件情報掲載ページには、検索条件指定領域R1、物件一覧表示領域R2、及び広告表示領域R3等が設けられている。検索条件指定領域R1は、物件の検索条件を指定するための領域である。物件一覧表示領域R2は、指定された検索条件により検索された物件の一覧を表示する領域である。物件一覧表示領域R2には、検索された物件毎に区切られた物件表示領域R2a,R2b,R2c・・・が所定の表示順序で設けられている。閲覧者端末2が物件情報掲載ページを受信した時点では、
図4に示すように、表示順序が上位に設定された物件表示領域R2a,R2b,及びR2cが画面に表示される。そして、閲覧者のスクロール操作により物件情報掲載ページがスクロールすることで、表示順序が物件表示領域R2cより下位に設定された物件表示領域R2d以降が画面に表示されることになる。それぞれの物件表示領域には、物件情報中の物件基本情報の一部(例えば、物件名、物件種別、賃料、所在地、交通、専有面積、間取りなど)、及び詳細ページへのリンク文字やボタンなどが表示される(問合せボタンが表示される場合もある)。例えば、物件表示領域R2aに表示された物件名101及び“詳細を見る”102は、詳細ページへのリンク文字であり、このリンクがクリックまたはタップされると、ページ提供部331により詳細ページが提供されることになる。詳細ページには、図示しないが、物件情報中の物件基本情報のほぼ全部、不動産業者情報、及び問合せボタンが表示される(資料請求ボタンが表示される場合もある)。さらに、詳細ページには、図示しないが、広告オプションの選択に応じてパノラマ画像やスタッフコメントなどが表示される。広告表示領域R3は、広告オプションの選択に応じて物件の広告(例えば、詳細ページへのリンクが設定されたバナー広告)を所定の出現頻度で表示するための領域である。このような広告表示領域R3は、物件情報掲載ページ以外にも、特定のサイト(物件情報サイトには限定されない)から提供されるページ(例えば、ブログページなど)にも設けられる場合もある。
【0040】
照会実績登録部333は、物件情報登録部332により登録された物件情報が提供された閲覧者端末2からの当該物件情報に対する照会実績を照会実績データベース322に登録する。例えば、照会実績登録部333は、物件情報掲載ページが閲覧者端末2に提供されたことを検知した場合に、当該物件情報掲載ページに掲載される物件情報を識別する物件IDに対応付けられた提供回数(つまり、照会実績データベース322に登録されている照会実績に含まれる提供回数)に1を加算する。そして、照会実績登録部333は、例えば、閲覧者端末2に提供された物件情報掲載ページまたは詳細ページに設けられた問合せボタン(或いは、資料請求ボタンや、詳細ページへのリンク文字やボタンなどでもよい)が閲覧者によりクリックまたはタップされることで特定の物件情報に対する照会を検知した場合に、当該物件情報を識別する物件IDに対応付けられた照会回数(つまり、照会実績データベース322に登録されている照会実績に含まれる照会回数)に1を加算する。なお、物件情報に対する照会は、例えば問合せボタンがクリックまたはタップされることで閲覧者端末2から送信された要求(問合せボタンに対応する物件IDを含む)が通信部31により受信されたときに検知されるか、或いは、当該要求に応じて閲覧者端末2に提供された問合せページに入力された問合せ内容を受信したときに検知される。
【0041】
物件情報特定部334は、特定の不動産業者の不動産業者IDに対応付けられた複数の物件情報を物件情報データベース321から特定する。ここで、特定の不動産業者としては、例えば、広告オプション割当要求ページを通じて広告オプションの割り当てを要求した不動産業者が該当する。照会確率予測部335は、物件情報データベース321に登録されている複数の物件情報及び照会実績データベース322に登録されている複数の照会実績と(つまり、物件情報と照会実績との複数ペアと)、物件情報特定部334により特定された複数の物件情報とに基づいて、当該特定された複数の物件情報のそれぞれに対する照会確率(つまり、予測対象となる複数の物件に対する照会確率)を予測する。また、照会確率予測部335は、物件情報特定部334により特定された複数の物件情報毎に、割り当て対象となる広告オプションが物件情報の一部として選択された場合の第1の照会確率と、当該広告オプションが選択されない場合の第2の照会確率とをそれぞれ予測(つまり、2種類の照会確率を予測)することができる。さらに、照会確率予測部335は、複数種類の広告オプション毎に、上記第1の照会確率と上記第2の照会確率とをそれぞれ予測することもできる。
【0042】
ここで、物件情報は、物件基本情報と、広告オプションとから構成されるが、予測に用いられる物件基本情報としては、上述した全ての情報が含まれなくともよく、例えば、物件種別、所在地、交通、築年数、階数、専有面積、間取り、取引種別、及び取引条件といった各項目の全部または一部の項目情報が含まれればよい。また、予測に用いられる所在地としては、番地までを含む住所でなくてもよく、例えば都道府県単位、区市町村単位などの地域情報あってもよい。また、予測に用いられる取引条件としては、賃料または売買価格などの価格情報だけでもよい。また、予測に用いられる物件基本情報としては、上述した以外にも物件情報の掲載日数を含めてもよい。なお、予測に用いられる物件基本情報は、当該物件基本情報を表す数値(つまり、物件基本情報に含まれる各項目情報を表す数値)である。また、予測に用いられる広告オプションは、当該広告オプション(例えば、パノラマ画像有、スタッフコメント有、表示順序高、出現頻度高)を表す数値である。
【0043】
照会確率を予測する方法として、教師有りの機械学習のアルゴリズムを用いることが望ましい。この場合、照会確率予測部335は、物件情報データベース321に登録されている物件情報を説明変数(入力データ)x
n(n=1,・・・,p)とし、照会実績データベース322に登録されている照会実績に基づいて特定される照会確率を目的変数(正解データ)y
n(n=1,・・・,p)として、説明変数x
nとパラメータwとに基づき(言い換えれば、説明変数x
nに対してパラメータwを用いて)構築された予測モデル(学習モデル)f(w,x
n)であって、損失(誤差)関数l(y
n,f(w,x
n))の総和(つまり、x
nとy
nとの組毎に計算されたl(y
n,f(w,x
n))の総和)が最小になるようにパラメータwが調整された予測モデルf(w,x
n)に、物件情報特定部334により特定された複数の物件情報x?のそれぞれを別々に入力することで当該複数の物件情報x?のそれぞれに対する照会確率y?(=f(w,x
?):予測値)を得る。これにより、物件情報に対する照会確率の予測精度を高めることができる。
【0044】
ここで、pは、予測モデルf(w,x
n)の構築にあたり用いられるデータの数、つまり、登録されている物件情報の数(言い換えれば、物件IDの数)であり、それぞれの物件情報に対応する照会確率の数である。f(w,x
n)は、wとx
nを変数に持つ関数である。例えば、説明変数x
1となる物件情報に対する照会確率は目的変数y
1となる。損失関数l(y
n,f(w,x
n))には、二乗誤差、Huber誤差などが用いられる。2種類の照会確率が予測される場合、広告オプションを含む物件情報x1?に対する第1の照会確率y1?と、広告オプションを含まない物件情報x2?に対する第2の照会確率y2?とが得られる。なお、予測モデルf(w,x
n)は、例えば、物件情報登録部332により新たに物件情報が登録されたとき、または、照会実績登録部333により照会実績が新たに登録されたときに更新される。
【0045】
本実施形態では、非常に多くの物件情報が用いられ、しかも、物件情報に含まれる項目情報の数も多いので、教師有りの機械学習のアルゴリズムとして、XGBoostを用いれば高精度の予測を行うことができる。XGBoostは、勾配ブースティング(Gradient Boosting)と、ランダムフォレスト(Random Forests)を組み合わせたアンサンブル学習である。XGBoostでは、予測モデルf(w,x
n)として複数の決定木を構築し、1つ前までの決定木の情報を用いて新たな決定木を構築していくブースティングを行うようになっている。具体的には、1つ前の決定木では予測できなかった誤差(損失関数の勾配)を目的変数として新たな決定木が構築される。各決定木において、説明変数x
nは根から枝に行く途中で条件により分類され、末端の葉に辿り着くと、当該末端の葉に与えられた値が予測値として返されるようになっている。なお、XGBoostは、ランダムフォレストを採用しているため、全ての説明変数x
nが使用されるのではなく、ランダムに決定された割合で説明変数x
nの数が選定されて決定木が構築される。
【0046】
XGBoostにおいてブースティングがt回行われたときの予測モデルf(w,x
n)は、下記(1)式で表される。
【数1】
【0047】
したがって、XGBoostにおける損失関数l(y
n,f(w,x
n))は、下記(2)式で表される。
【数2】
【0048】
ここで、上記(2)式で表される損失関数l(y
n,f(w,x
n))の総和を最小にする決定木f
tを構築すれば、予測モデルf(w,x
n)が最適化することができる。なお、XGBoostでは、いわゆるオーバーフィッティング(過学習)を防止するため、損失関数l(y
n,f(w,x
n))に正則化項Ω(f
t)を加えた目的関数L
(t)の総和を最小にする決定木f
tを構築することになる。目的関数L
(t)は、下記(3)式で表される。
【数3】
【0049】
ここで、Tは木構造の深さであり、γ及びλは任意に設定される値であり、w
jは決定木が返す値である。
【0050】
なお、照会確率予測部335は、教師有りの機械学習のアルゴリズム以外の分析手法を用いて、上記特定された物件情報に対する照会確率を予測するように構成してもよい。例えば、照会確率予測部335は、物件情報データベース321に登録されている複数の物件情報x
nを、クラスタリング(例えば、k-means法)、或いは主成分分析等のアルゴリズムにしたがって複数のグループ(つまり、類似する物件情報x
nが属するクラスタ)に分類する。次に、照会確率予測部335は、分類されたグループ毎に、複数の物件情報x
nのそれぞれに対応する照会実績に基づいて特定される照会確率y
nの平均値(または、標準偏差値)を算出する。次に、照会確率予測部335は、物件情報特定部334により特定された物件情報x
nが属するグループを特定する。例えば、照会確率予測部335は、各グループに属する物件情報x
nに基づいて、各グループの中心を計算し、物件情報特定部334により特定された物件情報x?との間の距離(例えば、ユークリッド距離、シティブロック距離など)が最も近い中心を有するグループを特定する。そして、照会確率予測部335は、特定されたグループにおける照会確率y
nの平均値(または、標準偏差値)を、当該特定された物件情報x?に対する照会確率y?として予測する。
【0051】
広告オプション割当部336は、照会確率予測部335により予測されたそれぞれの照会確率に基づいて、割り当て対象となる広告オプションを、物件情報特定部334により特定された複数の物件情報のうち、この数より少ない所定数の物件情報に対して割り当てる。これにより、登録されている複数の物件情報のうち、より効果が高いと予想される物件情報に対して広告オプションを割り当てることができる。例えば、特定された100件の物件情報のうち、予測された照会確率が低い下位30件の物件情報に対して広告オプションを割り当てれば、割り当て前には照会確率が相対的に低かった物件情報に対する照会確率を高めることができる。一方、特定された100件の物件情報のうち、予測された照会確率が高い上位30件の物件情報に対して広告オプションを割り当てれば、割り当て前には照会確率が相対的に高かった物件情報に対する照会確率を、より一層、高めることができる。なお、割り当て対象となる広告オプションは、例えば、不動産業者により指定、または物件情報サイトの運営者により指定される。また、割り当て対象となる広告オプションが有料である場合、広告オプション割当部336は、当該広告オプションに対して設定された消費ポイントの総和が、上記特定の不動産業者の不動産業者IDに対応付けられた所有ポイントの残高以下になるように、当該広告オプションを所定数の物件情報に対して割り当てることになる。これにより、消費ポイントの総和が所有ポイントの残高に収まるかどうかを不動産業者がチェックする手間を省くことができる。また、予め割り当て可能な上限数(例えば、不動産業者により指定された上限数)が設定されている場合、広告オプション割当部336は、当該広告オプションを当該上限数以下の物件情報に対して割り当てることになる。
【0052】
より好適な実施例として、広告オプション割当部336は、照会確率予測部335により予測された第1の照会確率と第2の照会確率との差分を算出し、算出した差分が大きい上位所定数の物件情報に対して広告オプションを割り当てるとよい。これにより、より一層、効果が高いと予想される物件情報に対して広告オプションを割り当てることができる。
図5は、第1の照会確率と第2の照会確率との差分が大きい上位所定数の物件情報に対して広告オプションが割り当てられる例を示す概念図である。
図5の例では、物件情報特定部334により特定された100件の物件情報のうち第1の照会確率と第2の照会確率との差分が大きい上位30件の物件情報に対して広告オプションが割り当てられている。上述したように、照会確率が低い下位所定数、または照会確率が高い上位所定数の物件情報に対して広告オプションを割り当てたとしても、割り当て前後の照会確率が変わらなければ、割り当ての効果を十分に発揮できないことが想定されるが、
図5に示すように、第1の照会確率と第2の照会確率との差分を考慮して広告オプションを割り当てれば、割り当ての効果を十分に発揮することが可能となる。
【0053】
[2.物件情報提供システムSの動作]
次に、
図6を参照して、物件情報提供システムSの動作について説明する。
図6は、物件情報提供システムSの動作例を示すシーケンス図である。なお、以下の動作例では、第1の照会確率と第2の照会確率との差分を考慮して広告オプションを割り当てる場合を例にとるものとする。
【0054】
先ず、不動産業者端末1(ブラウザ)は、不動産業者のオペレータの操作に応じて物件情報サイトにアクセスしてログインが完了した後、広告オプション割当要求ページの要求を、ネットワークNWを介して物件情報提供サーバ3へ送信する(ステップS1)。なお、ログインにより不動産業者IDが特定される。次いで、物件情報提供サーバ3(ページ提供部331)は、不動産業者端末1からの広告オプション割当要求ページの要求を受信すると、当該広告オプション割当要求ページを、ネットワークNWを介して不動産業者端末1へ送信する(ステップS2)。次いで、不動産業者端末1(ブラウザ)は、物件情報提供サーバ3からの広告オプション割当要求ページを受信すると、広告オプション割当要求ページを画面に表示する(ステップS3)。
【0055】
次いで、不動産業者端末1(ブラウザ)は、画面に表示された広告オプション割当要求ページ上で不動産業者のオペレータからの割り当て対象となる広告オプションの指定(例えば、表示された広告オプション候補から1つまたは複数選択)を受け付け、当該指定の完了を検知すると、当該広告オプションのオプションIDを含む割当要求を、ネットワークNWを介して物件情報提供サーバ3へ送信する(ステップS4)。ここでオプションIDは、広告オプション毎に一意に付与された識別情報である。割り当て対象となる広告オプションは、当該不動産業者により選択されていない広告オプション(つまり、物件情報の一部として登録されていない広告オプション)であるか、或いは当該不動産業者により提供され登録された複数の物件情報のうち所定割合(例えば、10%)以下の物件情報の一部として選択された広告オプションである。広告オプションの指定の完了は、例えば、オペレータにより送信ボタンがクリックまたはタップされたことにより検知される。
【0056】
次いで、物件情報提供サーバ3は、不動産業者端末1からの割当要求を受信すると、当該割当要求からオプションIDを取得する(ステップS5)。次いで、物件情報提供サーバ3(物件情報特定部334)は、ログインにより特定された不動産業者ID(つまり、特定の不動産業者の不動産業者ID)に対応付けられた物件情報を物件情報データベース321から複数特定する(ステップS6)。なお、不動産業者IDに対応付けられた全ての物件情報のうち、割り当て対象となる広告オプションが一部として既に選択されている物件情報はステップS6で特定対象外となる。
【0057】
次いで、物件情報提供サーバ3(照会確率予測部335)は、物件情報データベース321に登録されている複数の物件情報及び照会実績データベース322に登録されている、当該複数の物件情報のそれぞれに対する照会実績と、ステップS6で特定された複数の物件情報とに基づいて、当該特定された複数の物件情報のそれぞれに対する第1及び第2の照会確率を予測する(ステップS7)。すなわち、物件情報提供サーバ3(照会確率予測部335)は、ステップS6で特定された複数の物件情報毎に、割り当て対象となる広告オプションが物件情報の一部として選択された場合の第1の照会確率と、当該広告オプションが選択されない場合の第2の照会確率とをそれぞれ予測(例えば、予測モデルf(w,x
n)を用いて予測)する。
【0058】
次いで、物件情報提供サーバ3(広告オプション割当部336)は、ステップS7で予測された第1の照会確率と第2の照会確率との差分を、ステップS6で特定された複数の物件情報毎に算出する(ステップS8)。次いで、物件情報提供サーバ3(広告オプション割当部336)は、ステップS8で算出した差分が大きい方から順に所定数(例えば予め設定された上限数)分の物件情報に対して広告オプションを割り当てる(ステップS9)。この割り当てでは、例えば当該所定数分の物件情報(例えば、物件ID)に、割り当て対象となる広告オプションの広告オプションIDがRAM上で対応付けられる。なお、割り当て対象となる広告オプションが有料である場合、当該広告オプションに対して設定された消費ポイントの総和が、ログインにより特定された不動産業者IDに対応付けられた所有ポイントの残高以下になるように、当該広告オプションが物件情報に対して割り当てられる。
【0059】
次いで、物件情報提供サーバ3(広告オプション割当部336)は、ステップS9で物件情報に対して割り当てられた広告オプションを、当該物件情報の一部として物件情報データベース321に登録する(ステップS10)。なお、割当要求に広告オプションのオプションIDが複数含まれる場合、ステップS6〜ステップS10の処理はそれぞれの広告オプションについて実行される。次いで、物件情報提供サーバ3は、割り当て完了情報をネットワークNWを介して不動産業者端末1に送信する(ステップS11)。これにより、割り当て完了情報は、不動産業者端末1(ブラウザ)により画面に表示される。なお、割り当て完了情報には、割り当て対象の広告オプションが割り当てられた物件情報の一部(例えば、物件名等)が含まれてもよい。
【0060】
なお、
図6に示すステップS7において、広告オプションが物件情報の一部として選択された場合の物件情報に対する第1の照会確率が広告オプション毎に予測されるように構成してもよい。この場合、ステップS8は実行されずに、ステップS9において第1の照会確率が大きい方から順に所定数分の物件情報に対して広告オプションが割り当てられることになる。
【0061】
以上説明したように、上記実施形態によれば、特定の不動産業者の不動産業者IDに対応付けられた複数の物件情報を物件情報データベース321から特定し、物件情報データベース321に登録されている複数の物件情報及び照会実績データベース322に登録されている複数の照会実績と、当該特定された複数の物件情報とに基づいて、当該特定された複数の物件情報のそれぞれに対する照会確率を予測し、予測されたそれぞれの照会確率に基づいて、割り当て対象となる広告オプションを所定数の物件情報に対して割り当てるように構成したので、登録されている複数の物件情報のうち、より効果が高いと予想される物件情報に対して広告オプションを割り当てることができる。特に、第1の照会確率と第2の照会確率とを予測し、第1の照会確率と第2の照会確率との差分を算出し、算出した差分が大きい上位所定数の物件情報に対して広告オプションを割り当てる構成によれば、より一層、効果が高いと予想される物件情報に対して広告オプションを割り当てることができる。
【0062】
なお、以上のように本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態から種々構成等に変更を加えてもよく、その場合も本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、本発明の技術的範囲には不動産以外の物件に関する物件情報に対して照会確率を予測する場合も含まれる。また、上記実施形態では、物件情報提供サーバ3により本発明に係る各手段の処理が実施される場合について説明したが、本発明に係る一部の手段の処理が物件情報提供サーバ3により実施され、且つ本発明に係る他の一部の手段の処理が不動産業者端末1により実施されてもよく、この場合も本発明の技術的範囲に含まれる。