特開2020-40142(P2020-40142A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2020040142-横滑り防止突起付マイナスドライバー 図000003
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  • 特開2020040142-横滑り防止突起付マイナスドライバー 図000010
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-40142(P2020-40142A)
(43)【公開日】2020年3月19日
(54)【発明の名称】横滑り防止突起付マイナスドライバー
(51)【国際特許分類】
   B25B 15/00 20060101AFI20200225BHJP
【FI】
   B25B15/00 610B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2018-168011(P2018-168011)
(22)【出願日】2018年9月7日
(71)【出願人】
【識別番号】715011023
【氏名又は名称】工藤 大司
(72)【発明者】
【氏名】工藤大司
(57)【要約】      (修正有)
【課題】横滑りの起こらないドライバー及び螺子を提供する。
【解決手段】平らであったマイナスドライバーの刃先の中央に針状の突起を設けた形状とした。マイナス螺鋲の頭部溝のスリワリの底部には、細かな凹凸がある。マイナスドライバー刃先の針状突起は、このマイナス螺子頭部溝底部の細かな凹凸を捉え滑り止めのスパイクの役割をする。滑り止めのスパイクの機能を備えた、刃先先端に針状の突起をもったマイナスドライバーは、螺子頭部溝のスリワリに対する横ずれ減少を起こすことなく、ネジの締めつける作業、あるいは緩める作業を行うことが出来る。したがって、マイナスドライバーの回転軸は、マイナス螺子の回転軸と同一を保つことが可能となり、マイナスドライバーの長所を保ったまま、プラスドライバーと同等の作業性を実現する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刃先先端に針状の突起を有し、作業時にマイナス螺子と間に横ずれ起こさないマイナスドライバー
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマイナスドライバー刃先の新型先端形状に関する。
【背景技術】
【0002】
マイナス螺子には、マイナスドライバーによる締めつけ、あるいは緩め作業時に、ドライバーの刃先が横滑りを起こし、螺子回転軸とドライバー回転軸のずれが生じたり、螺子頭部溝のスリワリからドライバ刃先が外れてしまい作業効率が低下するという欠点が有る。
一方、マイナスドライバー刃先による螺子頭部溝の破損頻度は、マイナスドライバーの方がプラスドライバーより低い。
これは、ドライバーの刃からの回転力が伝わる部分である螺子頭部溝の壁面の形の違いに起因する。マイナス螺子は底面に対し直角であり、対面する壁部同士は並行であるが、プラス螺子は底部に従って狭くなるテーパー状である。(図2
また、マイナス螺子頭部溝のスリワリは、直線で尚且つ端部は切欠きになっていて、プラス螺子頭部溝の十字穴と比べ埃や錆が詰まりにく、清掃が容易である。(図3
本発明では、マイナス螺子の長所を残しつつマイナスドライバーの作業性を改善する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明では、マイナス螺子の長所を生かしたまま、欠点であるドライバー使用時におけるドライバー刃先の横滑りを克服するものである。
マイナス螺子の最大の欠点は、螺子頭部溝が一文字のスリワリであるため、マイナスドライバーによる螺子の締めつけ、緩め作業時にドライバー刃先が、横滑りを起こしやすく作業性が悪いという点である。
一方、プラス螺子は頭部溝が十字穴である為、、ドライバーが横滑りを起こさず、回転軸を確実にとらえることができる。
しかし、プラス螺鋲頭部溝は深部に向かって狭くなるテーパー形状であり、ドライバー先端刃先の差し込が不十分であると、ドライバの刃先が螺鋲頭部溝の壁面の一部を削り取り破損する(一般に「ナメる」と呼ぶ)リスクがある。
これは、プラス螺子頭部溝(十字穴)がテーパ-である為、ドライバー刃先が螺子頭部溝壁面へ接触する部分がマイナスドライバーに比べて小さくなるからで、特に刃先が挿入不足の場合は、その範囲が更に縮小する(図5
マイナス螺鋲の頭部溝(スリワリ)の横幅(図4:L1)は螺鋲頭部直径と同じであるのに対し、プラス螺子頭部溝(十字穴)の縦横の長さは(図4:L2)が螺鋲頭部直径の60パーセントから70パーセント程度の幅である。
したがって、同サイズの頭部をもつ螺子であれば、ドライバーが螺子に回転力伝える作用点が、回転軸からより遠いマイナス型の方が、プラス型より大きなトルクを得ることができる。
また、マイナス螺子頭部溝の構造は単純な直線であり、溝の両端は切欠きとなっている。この形状は埃等がたまりにくく、清掃も容易である。この清浄性は、プラス螺鋲をはじめ他のタイプの螺子にはない長所といえる。
マイナス螺子とプラス螺子には、上記の通り、それぞれに長所と短所がある。
本発明ではマイナスドライバーの先端形状を新たに考案し、マイナス螺子の欠点を解消しつつ、プラス螺子と同等の操作性を有するものとすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
マイナスドライバーと螺鋲の回転軸ずれ、およびドライバー外れ防止するために、マイナスドライバーの先端刃先中央に針状突起を備える構造とする。本発明ではこの部分を針状突起突起と呼ぶ(図6
針状突起は、マイナス螺子頭部溝底部の表面のわずかな凹凸を捉えることが出来る。(図7
針状突起に垂直に力が加えながら、通常のマイナスドライバー扱うように、ドライバーに垂直に力を加えながら回転させれば、ドライバー刃先の針状突起が螺子頭部溝底部の凹凸を捉えるので、ドライバーは横滑りすることなく螺子を回転させることが出来る。
【発明の効果】
【0005】
従来のマイナスドライバーの長所を保ったまま、さらにデザインをおおきく変更することなく、マイナスドライバーの欠点である、横滑りによる回転軸ずれ、ドライバー外れを解消する。
本発明の従来品との相違点は刃先の形状のみの為、作業者の特別な訓練は不要であり、シャフト部、グリップの形状、材質を選ばず、また、ラチェットドライバー等との組み合わせが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の概念図、従来品との比較図
図2】螺子頭部溝の形状の比較
図3】螺子の頭部溝長さの比較
図4】マイナス螺子頭部溝の形状
図5】マイナス螺子とプラス螺子のドライバー当たり面の比較
図6】針状突起の説明
図7】刃先の針状突起が頭部溝底部の凹凸を捉えるイメージ
図8】刃先針状突起の追加工の例
【発明を実施するための形態】
【0007】
マイナスドライバーの刃先の先端中央に針状の鋭利な突起を備えた形状とする。(図1
【実施例】
【0008】
通常のマイナスドライバーの製作方法同様、丸棒をプレスし成形した後、追加工にて刃先先端に針状突起を設ける。
具体的な製造方法の例として、刃先から針状突起削り出す方法と、別途製作した針状突起を、刃先に溶接、またはカシメ、その他の手段で取り付ける方法を挙げる(図8
針状突起を別製作する方法では、針状突起の材質を用途や作業者の好みに応じ選択することが可能となり、金属のみならず、ゴム、合成樹脂等、幅広い選択肢を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0009】
建設現場、組立工場等での、マイナス螺子の締付け及び緩め作業においての作業時間の短縮。
締付不足の防止、主にプラス螺子で発生する頭部溝の破損、変形防止。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8