(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-40196(P2020-40196A)
(43)【公開日】2020年3月19日
(54)【発明の名称】ツール長調節システム
(51)【国際特許分類】
B23B 31/02 20060101AFI20200225BHJP
B23G 1/46 20060101ALI20200225BHJP
B23Q 3/12 20060101ALI20200225BHJP
【FI】
B23B31/02 D
B23G1/46 A
B23B31/02 601D
B23B31/02 601E
B23Q3/12 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-221861(P2018-221861)
(22)【出願日】2018年11月28日
(31)【優先権主張番号】16/123,901
(32)【優先日】2018年9月6日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】501062811
【氏名又は名称】ザ・タップマチック・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーク エフ. ジョンソン
【テーマコード(参考)】
3C016
3C032
【Fターム(参考)】
3C016FA27
3C032FF03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ツールホルダからツール(タップまたはドリル)を取り外す必要なくツール長を変更するためのツールホルダ調節システムを提供する。
【解決手段】ツール(工具)をツールホルダから取り外すことなくツール長の調節を可能ならしめるツール長調節システムにおいて、ツール長は、ツールがツールホルダ内にあるときに回転され得る外周縁調節リング28を組み合わせることを通じて、調節可能であり、つまり、ツールホルダ内に構築されている調節キー手段19を、最終的に調節キー手段の回転を引き起こす駆動ボール35の使用を介して駆動することで調節可能である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ツールホルダの調節システムであって、
機械スピンドルに着脱するように構成された上方端、及びツールを確実に受領するように構成された下方端を具備したツールホルダと、
前記ツールホルダの一部の周縁に回転可能に取り付けられている調節リングと、
前記ツールホルダ内に回転可能に取り付けられている調節サンと、
前記調節リングと前記調節サンとの間で当接して回転可能に取り付けられている少なくとも1つの調節部材であって、前記調節リングの回転に応答して当該少なくとも1つの調節部材が回転すると共に、当該調節部材の回転に応答して前記調節サンが回転するように配設されている、少なくとも1つの調節部材と、
上方端にて前記調節サンに回転可能に取り付けられ、且つ下方端にて調節ネジ手段に回転可能に取り付けられている調節キー手段と、
前記調節キー手段に回転可能に取り付けられている調節ネジ手段であって、当該調節ネジ手段がツールに対して回転するとき当該ツールが垂直方向に移動するように、当該調節ネジ手段に直接的又は間接的に取り付けられたツールと相互作用すべく構成された調節ネジ手段と、
を備えてなることを特徴とするツールホルダ調節システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの調節部材は2つである、請求項1記載のツールホルダ調節システム。
【請求項3】
前記ツールホルダの周囲には、3つの前記少なくとも1つの調節部材が存在する、請求項1記載のツールホルダ調節システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの調節部材は2つである、請求項3記載のツールホルダ調節システム。
【請求項5】
前記ツールホルダは、タップを確実に受領するように構成されている、請求項1記載のツールホルダ調節システム。
【請求項6】
前記ツールホルダは、ドリルを確実に受領するように構成されている、請求項1記載のツールホルダ調節システム。
【請求項7】
前記回転部材は球状である、請求項1記載のツールホルダ調節システム。
【請求項8】
前記回転部材はホイール状である、請求項1記載のツールホルダ調節システム。
【請求項9】
前記調節リングの内側面に作動的に当接しており、且つ前記調節リングの回転に応答して回転するように構成された第1の回転部材と、
前記第1の回転部材と前記調節サンの両者間で作動的に当接している第2の回転部材であって、前記第1の回転部材の回転に応答して当該第2の回転部材が回転し、更に当該第2の回転部材の回転に応答して前記調節サンが回転するように構成された第2の回転部材と、
をさらに含んでいる、請求項1記載のツールホルダ調節システム。
【請求項10】
前記第1の回転部材および前記第2の回転部材は球状である、請求項9記載のツールホルダ調節システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、(米国での)他出願からの優先権を主張するものではない。
【0002】
[技術分野]
本発明はツール長(工具長)調節システムに関し、特には、タップホルダおよびドリルホルダのためのツール(またはツールホルダ)結合体のためのツール長調節システムに関する。
【背景技術】
【0003】
[発明の背景]
タップ、ドリル、その他のツール(工具)を利用するとき、ツールやホルダの長さの調節が望まれることがあり、あるいは必要になることがある。この要望や必要性は、ドリルやタップが磨耗あるいは研磨されており、ツールの全長が変化している場合等を含んだ幾つかの異なる要因の1つによって引き起こされることがある。多くの作業過程において、それぞれの作業中には加工対象物のタッピング加工程度またはドリル加工深度の維持が望まれる。
【0004】
加工作業に望まれる加工深度(程度)の精度を維持するため、従来は、(通常において、ホルダ内に保持あるいは固定されているツール(例えば、タップまたはドリル)と組み合わされた、タップホルダ若しくはドリルホルダのようなツールホルダの結合長であるところの)ツール長を変更または調節することが必要であり、それは時に面倒な作業である。
【0005】
ツールホルダのタップまたはドリルの頂部ポジションを調節する一般的な方法は、ツールホルダ内にネジ手段を有することであり、そのネジ手段を、タップまたはドリルの戻りの停止部として活用することである。これら従来技術のツール長調節システムにおいては、ネジは概して一方向に回され、コレット(包囲環)内でタップを前方に押し込むか、反対の引き戻し方向に回されてタップまたはドリルをツールホルダ内にさらに深く送り込む。先行技術文献において説明されているように、このネジを調節するため、一般的にユーザは、取り付けられている機械からドリルまたはタップを取り出し、ネジを調節し、ドリルまたはタップをホルダ内に戻し、続いて長さを再測定しなければならない。所望の深度を達成するためには、時にこのプロセスでは、長さの再チェック時に何度も調節が繰り返されなければならない。
【0006】
ツール長を調節するためにドリルまたはタップを取り外し、再挿入することを要する従来技術に固有な問題点は、大幅に増加する就労時間が必要となり、機械の製造効率が低下することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】(特になし)
【発明の概要】
【0008】
本発明の幾つかの実施態様の適用の目的は、ツールをツールホルダから外す必要がないツール長調節システムを提供することにある。
【0009】
本発明の実施態様は、ツールホルダからツール(タップまたはドリル)を取り外す必要なくツール長を変更するための調節システムを提供することで、所望のツール長取得のための調節を迅速および容易に実行することができる利点を提供する。本発明のこの特定の利点を達成するため、本発明の幾つかの実施態様は、ツールホルダ内に組み入れられているキー手段(鍵手段)を回すために駆動機構として作用し、ギヤ手段のごとく機能する調節ボール(球体)を活用する。
【0010】
本発明の他の目的、特徴および利点は、本願の明細書、特許請求の範囲、および本願の一部を形成する添付の図面から明らかになるであろう。本発明の目的を実施に移す際に活用される本発明の重要な特徴は、それらのデザインおよび構造的構成の変更が可能であり、ここには1つの実用的で好適な実施形態のみが添付図面に図示されていることは理解されるべきである。
【0011】
本発明の好適実施形態を添付図面に言及しながら以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例によるツール長調節システムの一例の分解図である。
【
図2】
図2は、
図1に図示されているツール長調節システムの実施例の組み立て例の一部を示す立面図である。
【
図4】
図4は、
図2の実施例図に示されているA−A線の断面図である。
【
図5】
図5は、
図1に示されている本発明の実施例の運用部材の一部の分解図である。
【
図6】
図6は、
図2に示すC−C線の断面図と同じであるが、2つの調節ボールに代わって1つの調節アパーチャ(開口部)につき1つの調節ホイール(輪体)が存在している別実施例を示す。
【
図7】
図7は、
図2に示すC−C線の断面図と同じであるが、調節ギヤ手段が
図3に示す調節ボールを置換する別実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[好適実施形態の詳細な説明]
本発明において利用される固定用、接続用、製造用およびその他用の手段並びに部材の多くは一般に知られており、説明する発明の分野において幅広く使用されており、当該技術または科学における専門家による本発明の理解並びに活用のためには、それらの正確な特性または型式はその理解には不要であり、よって、ここでは詳述されていない。さらに、本発明の特定の適用形態のためにここで示され、説明されている様々な部材は、本発明によって想定されているように変更あるいは交換が可能であり、如何なる要素の特定の利用形態または実施形態の実践は、当該技術または科学の専門家によって幅広く知られており、あるいは活用されており、ここでは詳述されていない。
【0014】
特許請求の範囲(請求項)で使用される要素の個数および特定に関する語(a,an,the)は、請求項の記載慣習に沿っており、限定的なものではない。よって特に明示されていない限り、そのような要素の数は1つに限定されてはおらず、「少なくとも1つ」を意味する。
【0015】
図1は、本発明の一実施例によるツール長調節システムの一例の立面分解図である。
図1は、フロート(浮動)ノズル10、ツールホルダシャンク34、調節アパーチャ44(併せて
図3参照)内の調節部材である調節ボール35(駆動ボールあるいは一種のギヤ手段として作用すると考えることも可能)、調節サン(太陽ギヤ部)27、ツールシャンク34の下方部34aの周囲で周縁的に示されている調節リング28(複数の調節線状部28aを伴う)、調節保持クリップ22、調節シャンクのためのスリーブ26、Oリング25、Oリング9、撓性保持ネジ手段6、ハウジング(収容体)1、スチール(鋼)ボール16、駆動ピン18、下方駆動ネジ手段7、Oリング8、Oリング15、調節用駆動スピンドル17、Oリング20と21、調節キー手段19、調節ネジ手段23、ドライバ(打込み体)30(オプションであり、正方形インターコネクションが本発明の特定の実施形態で使用されるなら使用が可能)、Oリング14、識別スリーブ3、スリーブ保持リング4、コレット31、シール33、シールディスクナット29、ツール32(タップまたはドリルビット)および螺旋状にカットされている撓性体5を図示する。
【0016】
調節キー手段19は、その上方端で調節サン27に回転式に取り付けられ、その下方端で調節ネジ手段23に回転式に取り付けられている。回転式に取り付けられることで、調節キー手段19は、その上方端において調節サン27と共に回転し、その下方端において調節ネジ手段23と共に回転するように取り付けられる。この取付け手段は幾種類かのタイプの取付け手段のうちの任意のもので構わず、例えば、固定式取付け手段でも永久取付け手段でも可能であり、あるいは、図示されているもののごとき取り外しが可能なものであっても構わず、本発明の実施に対しては特に限定されない、
【0017】
図3と組み合わされて
図1は、調節ボール35(この実施例ではツールホルダシャンク34の下方部34a内の3つの調節ボールアパーチャ44のそれぞれに配置されている2つの調節ボール35が存在している)が、シャンク34の下方部34a内にどのように配置されているかを図示する。
【0018】
図面では、3つの調節ボールアパーチャ44のそれぞれに対して2つの調節ボール35を示すが、本発明は、2つの調節ボールまたは3つの調節ボールアパーチャ44を利用する適用形態には限定されないことは重要な点である。その代わりに、本発明の実施においては、1つの調節ボールアパーチャ44に対して幾つかの(限定はされないが、1つ、3つ、4つの)調節ボール35のうちの任意の1つが使用でき、本発明の実施には特にどれと限定はされない。さらに、1つ、2つ、3つ、4つ、または5つの調節ボールアパーチャ44が本発明の実施に使用でき、特定の数が必須とされることはない。
【0019】
図面に図示されているような2調節ボール(1つの調節アパーチャに対して)形態においては、最外側の調節ボール35aは調節リング28の内側表面および最内側の調節ボール35bと直に当接している(
図3に図示)。この2調節ボール形態においては、調節リング28が回転すると最外側の調節ボール35aを調節ボールアパーチャ44内で回転させ、最内側の調節ボール35bを最外側の調節ボール35aの回転と反対方向に回転させる。最内側の調節ボール35bは調節サン27とも直に当接しており、最内側の調節ボール35bが回転するとき、最内側の調節ボール35bが調節サン27を回転させるように設計され、設置されている。
【0020】
調節リング28が回転されるとき、調節サン27はサンギヤ(太陽歯車)に類似して作用し、最内側の調節ボール35bはプラネタリギヤ(衛星歯車)に類似して作用する。2調節ボール形態がこの実施例で使用されているので、調節サン27は調節リング28と同じ回転方向に回転する。しかし、調節アパーチャで1つの調節ボールを利用する実施態様では、調節サン27は調節リング28の反対方向に回転する。
【0021】
調節サン27は調節キー手段19に作用可能な状態で取り付けられるか、調節サン27が回転するときに調節キー19がそれと共に回転するように配置または設計されている。調節サン27は、調節キー手段19が直接的または間接的に回転可能状態で調節サン27に固定されている限り、幾つかの方法の1つで調節キー手段19に作用可能状態に取り付けられることができるが、方法は特に限定されない。
【0022】
図面に図示されている実施例においては、調節キー手段19は、調節サン27に作用可能状態で取り付けられている上方端19aと、調節ネジ手段23に作用可能状態で取り付けられるように設計および設置されている下方端19bとを有する。この実施例の調節ネジ手段23は、外側に螺子溝を有し、それが回転するときにツール32(タップまたはドリルビット)を直接的または間接的に回転させて、その回転と共に上方移動及び/又は下方移動するように設計または設置されている。図示の実施例においては、調節キー手段19の下方端19bは、それが調節ネジ手段23のキーアパーチャにスライド式に容易に出入りできるように“I”形状または“Iビーム(棒状体)”形態に形状化されており、調節ネジ手段23を調節キー手段19と共に回転させる。図示の実施例では、調節キー手段19のIビーム断面形状は調節ネジ手段の六角形キーアパーチャ23a内に挿入される形態であり、調節ネジ手段23により回転式に固定されている(しかし、それでも比較的容易に取り外せる)。
【0023】
調節ネジ手段23を使用した本発明の実施には幾つかの異なる方法が存在する。実施態様によっては、調節ネジ手段23はツール(カッティングツール、タップまたはドリル)その他(図示のもの等)の背部に接触するように設計でき、調節ネジ手段23は、タップの正方形部(例えば、タップまたはドリルの正方形の上方端であるが、ドライバをツールに回転式に固定する任意の非正方形状部であってもよい)を受領して固定するスロット30aを有したドライバ30を押圧するように設計できる。
【0024】
図示の実施例において、調節リング28は調節ライン28a(図示の実施例では10本の調節ライン)を備えて示されている。よって、調節リング28が回転されると、調節ボール35は、調節リング28と調節サン27の間で捕獲され、この実施例では調節ボール35のギヤ形態の機能を提供している。
【0025】
調節リング28と調節サン27の相対サイズ(比)は、これら2つの部材の相対回転数を前もって決定するように操作でき、この実施例では相対サイズは、好適には2.5倍である。しかし、調節リング28と調節サン27の相対直径サイズは幾つかの異なる形態のうちの1つで構わず、特定の形態が本発明に要求されるということはない。調節リング28の各回転に対して直径同士の比率が2.5倍に選択されている本発明の実施例では、調節サン27は2.5倍の回転数で回転する。この実施例において、もし調節ネジ手段23のネジピッチが1mmに選択されると、調節リング28の1回転によって調節サンは2.5回転し、調節ネジ手段23が1mmピッチであるために調節ネジ手段は2.5mmだけ前進または後退するであろう。
【0026】
調節リング28の10本の等間隔調節ライン28aは、1/4ミリ(0.25mm)の調節長または1/100インチ(0.01インチ)のツール長調節を提供する。
【0027】
図2は、
図1に図示するツール長調節システムの実施例の組立て例の一部の立面図である。
図2は、ツールホルダシャンク34、調節リング28、調節シャンク用スリーブ26、識別スリーブ3、シールディスクナット29およびツール32(タップまたはドリルビット)を図示する。
【0028】
図3は、
図2に示されるC−C線の断面図であり、ツールホルダシャンク34、調節リング28、調節ボールアパーチャ44内の調節ボール35、調節サン27および調節キー手段19を図示する。
図3は、120°間隔である、調節アパーチャ44あたり2つの調節ボール35の3セットを利用する本発明の一実施例を図示する。
【0029】
図4は、
図2に示す実施例図のA−A線の断面図である。
図4はツールホルダシャンク34、調節ボールアパーチャ44内の調節ボール35、調節サン27、調節リング28、調節キー手段19、調節ネジ手段23、ドライバの正方形部30、コレット31、シールディスクナット29およびツール32(タップまたはドリルビット)を図示する。
【0030】
図5は、
図1に示す本発明の実施例の運用構成材の一部の分解図であり、調節サン27、保持リング22、調節キー手段19、調節ネジ手段23およびドライバ30(オプションであり、正方形部相互接続が本発明の特定実施態様で利用される場合に使用されることあり)を図示する。
【0031】
適用形態によっては、ツールホルダのユーザはツールホルダを介して潤滑剤を、ドリル加工、タッピング処理またはカットされている加工対象物に供給することを望む。図示の実施例では、調節キー手段19の下方部19bの下方端はI形状あるいはI棒状体形状に形成されており、調節ネジ手段23のキーアパーチャ(23a)に容易にスライド式に出入でき、調節キー手段19によって調節ネジ手段23を回転させることができる。言うまでも無く、このI棒状体形状はその両側に(調節ネジ手段23に沿って)潤滑剤通路を提供し、ユーザはツールホルダに通して(調節キー手段19を越えて、調節ネジ手段23に通して)ツールと加工対象物に潤滑剤を送らせる。
【0032】
図6は、
図2に示されるC−C線の断面図とほぼ同一であり、唯一の相違は、
図3に示される調節ボールアパーチャ形状部につき2つの調節ボールの代わりに、調節アパーチャにつき使用される1つだけの調節ホイール102、103および104が存在することである。
【0033】
図6は、ツールホルダシャンク106、調節サン105および、それ以前の図面に示す調節ボールに代わって使用される(プラネタリギヤに類似して作用する)調節ホイール102、103および104を図示する。この実施例では、調節リング101の内側面は調節ホイール102、103および104と相互作用し、回転されると、調節サン105を他の実施例に関して前述したように調節サン27に類似した形態で回転させる。
【0034】
図7は、
図2に示すC−C線の断面図と同じであり、唯一の相違は、調節ギヤ手段122、123および124が
図3に示す調節ボールに置き換わっている実施例を図示していることである。
図7に示されているのは、(
図3に図示するような)駆動機構として少なくとも1つの調節ボールを使用する代わりに、さらに伝統的なギヤ形態が利用可能な実施例である。
【0035】
図7は、ツールホルダシャンク126、調節サンギヤ手段125、調節サンギヤ手段125の周囲のプラネタリギヤ122、123および124を図示しており、それらギヤは前記の図に示される調節ボールを置換している。この実施例では、調節リング121の内側面はギヤ形態の相互作用形状(ギヤ歯部等であるが非限定)を含み、調節ボールまたは調節ホイールの代わりに、1以上の調節駆動ギヤ手段122、123および124でも可能である。
【0036】
本発明の別な実施例では、調節アパーチャあたり2つの調節ボールを使用する代わりに、1つの調節ホイールが利用できる。その実施例では、ホイール形状のドライバが調節リング28と調節サン27の間に直接的に置かれ、調節ホイールは1つの調節ボールと類似した作用を実行し、例えば、両者間の1つのホイールにより調節サン27(および調節ネジ手段)は調節リング28とは反対方向に回転するであろう。このホイール形態駆動の実施例では、調節ボールのための調節アパーチャをドリル加工する代わりに窓様の調節ホイールアパーチャが提供される。
【0037】
当該技術分野の技術者であれば理解するであろうが、本発明には多数の実施態様が存在し、多彩な要素や構成部材が使用可能であるが、それらは全て本発明の範囲である。例えば、一実施態様においては、その上方端が機械スピンドルに着脱可能に取り付けられ、その下方端がツールを安定的に受領するように設計されているツールホルダ、ツールホルダの一部の周囲に回転式に取り付けられている調節リング、ツールホルダ内に回転式に取り付けられている調節サン、調節リングと調節サンの間で接触回転式に取り付けられている調節部材が含まれており、その少なくとも1つの調節部材が調節リングの回転に応じて回転し、調節サンが調節部材の回転に応じて回転し、さらに、その上方端で調節サンに回転式に取り付けられ、下方端で調節ネジ手段に回転式に取り付けられた調節キー手段、および、調節キー手段に回転式に取り付けられ、調節ネジ手段と直接的または間接的に相互作用するように設計されており、その調節ネジ手段がツールに対して相対的に回転するとき、ツールが縦方向に動くようになっている調節ネジ手段を含んで成るツールホルダ調節システムが提供される。
【0038】
上記した実施例に加えて、本発明は、その少なくとも1つの調節部材が2つであるもの、ツールホルダ周囲に、その少なくとも1つの調節部材の3つ(非限定であるが、その少なくとも1つの調節部材は2つ)であるもの、ツールホルダがタップを安定的に受領するもの、ツールホルダがドリルを安定的に受領するもの、及び/又は、その回転部材がボール状であるものやホイール状であるツールホルダ調節システムをさらに含んでいる。
【0039】
2つ前の段落で説明した実施例に加えて、本発明は、調節リングの内側面に作用可能に当接しており、調節リングの回転に従って回転するように設計されている第1回転部材と、その第1回転部材および調節サンに作用可能に当接しており、第1回転部材と調節サンとの間に接している第2回転部材とを含み、その第2回転部材が第1回転部材の回転に従って回転し、さらに、調節サンが第2調節部材の回転に従って回転するように設計されており、限定はしないが、第1回転部材と第2回転部材がボール状であるツールホルダ調節システムをさらに含んでいる。
【0040】
法令に従い、本発明は構造と方法の特徴に関して相応に明確な言葉で説明されている。しかし、本発明は、ここに図示および説明された特定の特徴には限定されないことは理解されるべきである。なぜなら、ここに開示されている手段は本発明を実施する好適な形態を含むからである。よって、本発明においては、添付の特許請求の範囲にある適正な範囲内での形態またはそれらの変更が均等論に従って適正に解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0041】
19 調節キー手段
19a 調節キー手段の上方端
19b 調節キー手段の下方端
23 調節ネジ手段
27 調節サン
28 調節リング
29 シールディスクナット
32 ツール
34 ツールホルダシャンク
35(35a,35b) 調節ボール(調節部材)
[
図6/別例]
101 調節リング
102,103,104 調節ホイール(調節部材)
105 調節サン
106 ツールホルダシャンク
[
図7/別例]
121 調節リング
122,123,124 プラネタリギヤ/調節駆動ギヤ手段(調節部材)
125 調節サンギヤ手段
126 ツールホルダシャンク
【外国語明細書】