【解決手段】缶体10への画像形成を行う画像形成手段と、缶体を回転可能な状態で支持し、画像形成手段に向かって移動する複数の移動体550と、移動体の各々に設けられ、缶体の位相を検出する検出手段570と、を備える印刷装置。
前記駆動源側に設けられた駆動源側回転体から、前記移動体側に設けられた移動体側回転体に対して駆動力が伝達されることで、当該移動体により支持されている前記缶体が回転する請求項5に記載の印刷装置。
磁力が用いられることで、前記駆動源側回転体に同期して前記移動体側回転体が回転し、当該駆動源側回転体から当該移動体側回転体へ駆動力が伝達される請求項6に記載の印刷装置。
前記駆動源側回転体から前記移動体側回転体へ駆動力が伝達される際、当該駆動源側回転体と当該移動体側回転体とは非接触の状態で配置される請求項7に記載の印刷装置。
複数の前記移動体の各々が有する前記一部の前記交差する方向における位置が当該移動体毎に異なっており、当該移動体の各々が有する当該一部が接触する前記伝達部が当該移動体毎に異なる請求項11に記載の印刷装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、印刷装置500の側面図である。
印刷装置500には、缶体10が供給される缶体供給部510が設けられている。この缶体供給部510では、缶体10を支持する支持部材20に対する缶体10の供給(取り付け)が行われる。
具体的には、支持部材20は円筒状に形成され、筒状の缶体10に対してこの支持部材20が挿入されることで、支持部材20に対する缶体10の供給が行われる。
【0009】
さらに、缶体供給部510には、検査装置92が設けられている。
検査装置92では、缶体10が変形していないか否かの検査を行う。
より具体的には、検査装置92には、
図2(検査装置92を説明する図)に示すように、光源92Aが設けられている。
光源92Aは、缶体10の一方の端部側に設けられており、缶体10の外周面に沿って且つ缶体10の軸方向に沿って進行するレーザ光を出射する。さらに、缶体10の他方の端部側には、光源92Aからのレーザ光を受光する受光部92Bが設けられている。
【0010】
缶体10の一部が、符号3Aに示すように変形していると、レーザ光が遮られるようになり、受光部92Bでは、レーザ光が受光されないようになる。これにより、缶体10の変形が検知される。
そして、本実施形態では、検査装置92にて、缶体10が予め定められた条件を満たしていないと判断された場合(缶体10が変形していると判断された場合)、排出機構93(
図1参照)が、この缶体10を印刷装置500の外部に排出する。
【0011】
排出機構93は、
図1に示すように、検査装置92とインクジェット印刷部700との間に配置されている(インクジェット印刷部700よりも上流側に配置されている)。
本実施形態では、インクジェット印刷部700による画像形成が行われる前に、変形した缶体10が、印刷装置500から排出される。
【0012】
排出機構93では、円筒状に形成された支持部材20の内部に圧縮空気が供給され、缶体10が軸方向(
図1の紙面と直交する方向)へ移動する。
さらに、缶体10の底部10A(塞がれた側の端部)が、不図示の吸引部材により吸引される。そして、この吸引部材により、印刷装置500の外部へ缶体10が搬送され、印刷装置500の外部へ缶体10が排出される。
【0013】
排出機構93の下流側には、インクジェット印刷部700が設けられている。
画像形成手段の一例としてのインクジェット印刷部700は、インクジェット印刷方式を用い、上流側から移動してきた缶体10への画像形成を行う。
付言すると、本実施形態では、インクジェット印刷部700による画像形成にあたっては、インクジェット印刷部700よりも上流側から、このインクジェット印刷部700に向かって移動ユニット550が順次移動する(矢印1A参照)。
そして、本実施形態では、移動ユニット550上の缶体10に対し、インクジェット印刷部700による画像形成が行われる。
【0014】
ここで、インクジェット印刷方式による画像形成とは、インクジェットヘッド11からインクを吐出させて、缶体10にこのインクを付着させることにより行う画像形成を指す。
インクジェット印刷方式による画像形成では、公知の方式を用いることができる。具体的には、例えば、ピエゾ方式、サーマル(バブル)方式、コンティニュアス方式などを用いることができる。
【0015】
インクジェット印刷部700の下流側には、光照射手段の一例としての光照射部750が設けられている。
光照射部750は、光源を備え、インクジェット印刷部700による画像形成が行われた缶体10の外周面に光を照射し、外周面上に形成された画像を硬化させる。
【0016】
インクジェット印刷部700では、紫外線硬化型のインクを用いて画像を形成する。付言すると、インクジェット印刷部700では、活性放射線硬化型インクを用いて画像を形成する。
光照射部750では、形成されたこの画像に対して紫外線などの光を照射する。これにより、缶体10の外周面上に形成されたこの画像が硬化する。
ここで、インクジェット印刷部700および光照射部750は、第1直線状部810(詳細は後述)の側方に配置されている。
【0017】
保護層形成部770は、インクジェット印刷部700、光照射部750の下流側に配置されている。
保護層形成部770は、インクジェット印刷部700により形成された画像の上に、透明な塗料を付着させ、この画像を覆う透明な層を形成する。これにより、本実施形態では、缶体10の最外層に、透明な保護層が形成される。
【0018】
保護層形成部770の下流側には、支持部材20からの缶体10の取り外しが行われる取り外し部780が設けられている。
本実施形態では、この取り外し部780にて、支持部材20からの缶体10の取り外しが行われ、この缶体10が、印刷装置500の外部に排出される。
さらに、印刷装置500には、缶体10を支持しながら移動する移動体の一例としての移動ユニット550が複数設けられている。
【0019】
本実施形態では、この移動ユニット550に、缶体10を支持する支持部材20が取り付けられ、缶体10は、この移動ユニット550とともに移動する。
なお、
図1では、移動ユニット550が、1つの缶体10が支持する場合を示しているが、後述するように(
図4に示すように)、移動ユニット550に2つ(複数)の缶体10を載せ、1つの移動ユニット550が、複数の缶体10を支持するようにしてもよい。
また、1つの移動ユニット550が複数の缶体10を支持する場合、後述するように(
図4に示すように)、移動ユニット550の各停止箇所Pに、複数個のインクジェットヘッド11が設置される。
【0020】
支持部材20(
図1参照)は、円筒状に形成され、さらに、周方向に回転可能な状態で設けられている。
本実施形態では、周方向に回転可能なこの支持部材20により缶体10が支持されるため、缶体10も、周方向に回転可能な状態で支持される。
【0021】
缶体10は、円筒状に形成され、一端に開口部が設けられている。また、缶体10の他端は塞がれ、この他端には、底部10Aが設けられている。支持部材20は、この開口部から缶体10に挿入される。
さらに、本実施形態では、移動ユニット550を移動させる移動手段として機能する移動機構560が設けられている。移動機構560には、移動ユニット550の案内を行う環状の案内部材561が設けられている。
【0022】
移動ユニット550の各々は、案内部材561により案内され、予め定められた環状の移動経路800に沿って周回移動を行う。
これに伴い、本実施形態では、移動ユニット550に設けられた支持部材20、この支持部材20により支持された缶体10も、予め定められた環状の移動経路800に沿って移動する。
【0023】
移動経路800は、その軸中心800Cが水平方向に沿うように配置されている。言い換えると、移動経路800は、水平方向に沿った軸中心800Cの周りに配置されている。ここで、この軸中心800Cは、
図1の紙面に対して直交する方向に延びている。
そして、この場合、本実施形態では、支持部材20および缶体10は、図中、紙面に対して直交する方向に沿って延びるこの軸中心800Cを中心に、周回移動を行う。
【0024】
移動経路800には、直線状の移動経路である第1直線状部810、同じく直線状の移動経路である第2直線状部820が設けられている。
第1直線状部810、第2直線状部820の各々は、水平方向に沿って延びるように配置されている。また、第1直線状部810および第2直線状部820は、略平行となる関係で配置されている。さらに、本実施形態では、第1直線状部810が、第2直線状部820の上方に配置されている。
【0025】
さらに、第1直線状部810は、環状の移動経路800のうちの最上部の部分に設けられ、第2直線状部820は、環状の移動経路800のうちの最下部の部分に設けられている。
さらに、本実施形態では、最上部の位置するこの第1直線状部810の上方に、インクジェット印刷部700が設けられている。
【0026】
さらに、移動経路800には、曲率を有し円弧を描くように形成された第1曲線状部830および第2曲線状部840が設けられている。
第1曲線状部830は、第1直線状部810の図中右端部と第2直線状部820の図中右端部とを結ぶ。また、第1曲線状部830は、上方から下方に向かうように形成されている。
また、第2曲線状部840は、第1直線状部810の図中左端部と第2直線状部820の図中左端部とを結ぶ。また、第2曲線状部840は、下方から上方に向かうように形成されている。
【0027】
次に、インクジェット印刷部700について説明する。
インクジェット印刷部700は、第1直線状部810の上方に配置され、第1直線状部810に位置する缶体10への画像形成を行う。
インクジェット印刷部700には、図中左右方向に並んで配置された複数のインクジェットヘッド11が設けられている。この複数のインクジェットヘッド11が設けられている部分は、缶体10への画像形成を行う画像形成手段として捉えることができる。
【0028】
具体的には、インクジェット印刷部700には、シアンのインクを吐出する第1インクジェットヘッド11C、マゼンタのインクを吐出する第2インクジェットヘッド11M、イエローのインクを吐出する第3インクジェットヘッド11Y、黒のインクを吐出する第4インクジェットヘッド11Kが設けられている。
以下の説明において、第1インクジェットヘッド11C〜第4インクジェットヘッド11Kを特に区別しない場合には、単に、「インクジェットヘッド11」と称する。
【0029】
なお、本実施形態では、4つのインクジェットヘッド11が設けられている場合を例示したが、コーポ―レートカラーなどの特色のインクを吐出するインクジェットヘッド11や、白色の層を形成するためのインクジェットヘッド11をさらに設けてもよい。
【0030】
ここで、第1インクジェットヘッド11C〜第4インクジェットヘッド11Kの4つのインクジェットヘッド11は、紫外線硬化型のインクを用いて、缶体10への画像形成を行う。
また、本実施形態では、缶体10は寝た状態で移動し(缶体10の軸方向が水平状態となる状態で缶体10が移動し)、缶体10の外周面の一部が、鉛直方向における上方を向く。
本実施形態では、この外周面の上方から、下方に向けてインクを吐出し、缶体10の外周面への画像形成を行う。
【0031】
また、本実施形態では、各インクジェットヘッド11の下方にて、移動ユニット550が停止し、移動ユニット550上の缶体10へのインクの吐出が行われ、缶体10への画像形成が行われる。
そして、本実施形態では、缶体10への画像形成が終わると、移動ユニット550が、1つ下流側に位置するインクジェットヘッド11へ向かって移動し、このインクジェットヘッド11にて、缶体10への画像形成がさらに行われる。
【0032】
さらに、本実施形態では、この4つのインクジェットヘッド11は、缶体10の移動方向に並んだ状態で配置されている。また、4つのインクジェットヘッド11の各々は、缶体10の移動方向と直交(交差)する方向に沿うように配置されている。
本実施形態では、この4つのインクジェットヘッド11の下方を缶体10が通過していく過程で、缶体10に対して上方からインクが吐出され、缶体10に画像が形成される。
【0033】
より具体的には、本実施形態では、移動ユニット550が、複数設けられたインクジェットヘッド11の各々の設置箇所にて停止する。
そして、各インクジェットヘッド11では、缶体10へのインクの吐出が行われ、缶体10に画像が形成される。なお、各インクジェットヘッド11にて画像形成が行われる際、缶体10は、周方向に回転する。
【0034】
移動体の一例としての移動ユニット550の各々は、予め定められた移動速度で移動を行う。
また、移動ユニット550の各々は、缶体供給部510、検査装置92、排出機構93、各インクジェットヘッド11、光照射部750、保護層形成部770、取り外し部780の各々にて停止する。
【0035】
また、検査装置92、各インクジェットヘッド11、光照射部750、保護層形成部770などの設置箇所では、移動ユニット550上の缶体10は、予め定められた回転速度で周方向への回転を行う。
また、本実施形態の印刷装置500では、印刷装置500内に位置する缶体10の個数よりも多い移動ユニット550が設置されている。さらに、移動ユニット550は、軸中心800Cの周りを移動する。
【0036】
移動機構560には、移動ユニット550の案内を行う環状の案内部材561が設けられている。この案内部材561の内部には、電磁石(不図示)が設けられている。
さらに、移動ユニット550には、永久磁石(不図示)が設置されている。
本実施形態では、リニア機構が用いられて、移動ユニット550の移動が行われる。
【0037】
より具体的には、本実施形態の印刷装置500では、制御部900が設けられており、制御部900は、上記の電磁石への通電を制御して、磁界を生成し、移動ユニット550の各々を移動させる。なお、制御部900は、プログラム制御されたCPU(Central Processing Unit)により構成されている。
【0038】
図1に示すように、移動ユニット550には、案内部材561による案内される台座部551が設けられている。この台座部551には、永久磁石(付図示)が設置されている。
本実施形態では、案内部材561に設けられた電磁石によって発生する磁界と、移動ユニット550の台座部551に設けられた永久磁石とによって、移動ユニット550に推進力が生じ、移動ユニット550が、環状の移動経路800に沿って移動する。
【0039】
さらに、本実施形態の移動ユニット550には、缶体10を支持する円筒状の支持部材20、この支持部材20を台座部551に固定するための固定用部材553が設けられている。この固定用部材553は、台座部551から起立する形で設けられている。
【0040】
本実施形態の支持部材20は、円筒状に形成され、缶体10に形成された開口部を通じて缶体10に挿入され、この缶体10を支持する。また、支持部材20は、寝た状態(水平方向に沿った状態)で配置されている。これにより、本実施形態では、缶体10も寝た状態で配置される。
本実施形態では、各インクジェットヘッド11に缶体10が達すると、インクジェットヘッド11の各々から、下方に位置する缶体10へのインクの吐出が行われる。これにより、缶体10の外周面に画像が形成される。
【0041】
光照射部750は、インクジェット印刷部700の下流側に配置され、缶体10に対して、光の一例である紫外線を照射する。これにより、缶体10の外周面に形成された画像(インクジェット印刷部700により形成された画像)が硬化する。
なお、缶体10への画像形成にあたっては、熱硬化型のインクを用いてもよく、この場合は、例えば、光照射部750が設けられている箇所に、光源ではなく熱源が設置される。
【0042】
本実施形態では、移動ユニット550は、各インクジェットヘッド11の下方に達する度に、停止する。言い換えると、移動ユニット550は、予め定められた停止箇所の各々にて停止する。
そして、本実施形態では、この予め定められた停止箇所にて停止した移動ユニット550が保持している缶体10の外周面に対し、画像形成手段の一例としてのインクジェットヘッド11によって、画像が形成される。
【0043】
より具体的には、インクジェットヘッド11の各々の設置箇所では、支持部材20(缶体10)が周方向に回転している状態にて、インクジェットヘッド11からのインクの吐出が行われ、缶体10の外周面に画像が形成される。
本実施形態では、インクの吐出が開始されてから支持部材20が360°回転すると、インクの吐出が停止する。これにより、缶体10の外周面の周方向における全域に、画像が形成される。
【0044】
本実施形態では、
図1にて示す支持部材20は、
図1の紙面と直交する方向に沿って配置されている。言い換えると、支持部材20は、水平方向に沿って延びるように配置されている。
また、支持部材20は、移動ユニット550の移動方向と直交(交差)する方向に沿うように配置されている。
【0045】
また、本実施形態では、インクジェットヘッド11は、缶体10の上方に位置し、缶体10に対しては、上方からインクが吐出される。
この場合、インクジェットヘッド11が、缶体10の側方や缶体10の下方に配置される場合に比べ、インクジェットヘッド11から吐出されたインクの液滴に作用する重力の影響を小さくでき、缶体10におけるインクの付着位置の精度を高められる。
【0046】
さらに、本実施形態では、第1直線状部810の側方(上方)に、インクジェット印刷部700(複数のインクジェットヘッド11)が設けられている。
これにより、曲線状部(第1曲線状部830や第2曲線状部840)の側方に、インクジェット印刷部700(複数のインクジェットヘッド11)が設けられる場合に比べ、缶体10に形成される画像の質を高めやすくなる。
【0047】
ここで、曲線状部の側方に、インクジェットヘッド11を設ける場合は、例えば、
図3(印刷装置500の他の構成例を示した図)に示すように、インクジェットヘッド11の姿勢が、インクジェットヘッド11毎に異なるようになる。
この場合、インクジェットヘッド11の姿勢が揃っている場合に比べ、インクジェットヘッド11毎に形成される画像間に位置ずれが生じるなど、形成される画像の質が低下しやすくなる。
【0048】
これに対し、本実施形態のように、直線状部(第1直線状部810)の側方に、インクジェット印刷部700を設けると、複数のインクジェットヘッド11の姿勢を揃えやすくなり、形成される画像の質の低下を抑えられる。
【0049】
図4は、
図1の矢印IV方向から第1インクジェットヘッド11C、第2インクジェットヘッド11M、および、移動ユニット550を眺めた場合の図である。
なお、
図4では、第2インクジェットヘッド11Mの直下に位置する移動ユニット50については、図示を省略している。
【0050】
図1では図示を省略したが、本実施形態では、
図4に示すように、移動ユニット550が停止する停止箇所Pの各々に、缶体10を回転させる駆動源の一例としてのサーボモータMが設けられている。
付言すると、移動ユニット550の移動経路Rの脇には、移動ユニット550により支持されている缶体10を回転させるサーボモータMが設けられている。
【0051】
本実施形態では、缶体10を回転させる駆動源(サーボモータM)は、移動ユニット550に設けられておらず、印刷装置500(
図1参照)の本体側に設けられている。
付言すると、本実施形態では、缶体10を回転させるための駆動源は、移動ユニット550に設けられておらず、移動ユニット550とは別の箇所に設けられている。
これにより、移動ユニット550が軽量となり、移動ユニット550の移動に起因する印刷装置500の揺れが小さくなる。
【0052】
ここで、移動ユニット550に駆動源が設けられ、移動ユニット550の重量が大きいと、移動ユニット550が停止等した際の印刷装置500の揺れが大きくなりやすい。そして、この場合、インクジェットヘッド11などが揺れ、画質の低下を招きやすい。
これに対し、本実施形態のように、駆動源を、印刷装置500の本体側に設ける構成では、移動ユニット550の軽量化が図られ、移動ユニット550が停止等した際の印刷装置500の揺れが小さくなる。
【0053】
図4に示すように、移動ユニット550には、台座部551が設けられている。
さらに、この台座部551の上には、2個の缶体10が設けられている。この缶体10の各々の内部には、支持部材20が挿入され、缶体10は、この支持部材20により支持されている。
さらに、移動ユニット550には、缶体10へ回転駆動力を伝達するための伝達軸555が設けられ、本実施形態では、この伝達軸555を介し、サーボモータMからの回転駆動力が缶体10に伝達される。
【0054】
より具体的には、本実施形態では、支持部材20の各々に接触し、支持部材20を回転させる回転ギア556が設けられ、この回転ギア556が、伝達軸555によって回転することで、缶体10が周方向に回転する。なお、本実施形態では、移動ユニット550の各々に設けられる2個の缶体10は、同方向に回転する。
さらに、本実施形態では、缶体10の位相を検出する検出手段の一例としての位相検出機構570が設けられている。
【0055】
位相検出機構570には、エンコーダ571が設けられている。
このエンコーダ571は、公知のエンコーダ571であり、缶体10に同期して回転する回転体571Aが設けられている。この回転体571Aには、回転体571Aの径方向に延びるスリット(不図示)が形成されている。
【0056】
さらに、図示は省略するが、エンコーダ571には、回転体571Aに光を出射する光源、および、スリットを通った光を受光する受光部が設けられている。
本実施形態では、この回転体571Aの位相(回転角度)を検出して、缶体10の位相(回転角度)を検出する。
【0057】
本実施形態では、回転体571Aの回転中心571Bが、伝達軸555上から外れた箇所に位置するように、回転体571Aが配置されている。
ここで、仮に、回転体571Aの回転中心571Bが、伝達軸555上に位置する構成であると(エンコーダ571が、伝達軸555上に位置する構成であると)、符号4Aで示す方向(移動ユニット550の移動方向と直交する方向)における移動ユニット550の寸法が大きくなりやすい。
これに対し、回転体571Aの回転中心571Bが、伝達軸555上から外れた箇所に位置する構成であると、符号4Aで示す方向における移動ユニット550の寸法を小さくしやすい。
【0058】
さらに、位相検出機構570には、伝達軸555からの回転駆動力をエンコーダ571に伝達する伝達機構572が設けられている。
伝達機構572には、円柱状に形成され伝達軸555と同軸上に配置された第1回転体572Aと、第1回転体572Aからの駆動力を受けて周回移動する循環ベルト572Bと、回転体571Aと同軸上に配置され循環ベルト572Bからの駆動力を受けて回転する第2回転体572Cとが設けられている。
本実施形態では、この伝達機構572によって、伝達軸555からエンコーダ571へ回転駆動力が伝達され、回転体571Aが回転する。
【0059】
本実施形態では、移動ユニット550の各々に、複数の缶体10が設けられ、この複数の缶体10の各々の位相が、共通の位相検出機構570によって検出される構成となっている。
付言すると、本実施形態では、缶体10毎に、位相検出機構570が設けられておらず、2つの缶体10に対して、1つの位相検出機構570が設けられた構成となっている。
これにより、缶体10毎に位相検出機構570を設ける場合に比べ、移動ユニット550の軽量化や、部品点数の削減を図れる。
【0060】
ここで、本実施形態では、駆動源であるサーボモータMから移動ユニット550への駆動力の伝達は、いわゆるマグネットカップリングにより行われる。
具体的には、本実施形態では、サーボモータM側に(印刷装置500の本体側)に、サーボモータMにより回転する駆動源側回転体581が設けられている。
【0061】
さらに、本実施形態では、移動ユニット550側に、伝達軸555と同軸上に配置された移動体側回転体582が設けられている。
本実施形態では、駆動源側回転体581から移動体側回転体582に対して駆動力が伝達されることで、缶体10が回転する。
【0062】
より具体的には、本実施形態では、磁力が用いられることで、駆動源側回転体581に同期して移動体側回転体582が回転し、駆動源側回転体581から移動体側回転体582へ駆動力が伝達される。
付言すると、本実施形態では、駆動源側回転体581および移動体側回転体582の一方又は両方に磁石が設けられ、他方に、この磁石により吸引される被吸引体が設けられている。
【0063】
これにより、本実施形態では、磁石にて発生する磁力が用いられて、駆動源側回転体581に同期した移動体側回転体582の回転が行われる。
そして、本実施形態では、移動体側回転体582が回転すると、これに応じ伝達軸555が回転し、これに伴い、缶体10が周方向に回転する。
【0064】
本実施形態では、駆動源側回転体581から移動体側回転体582へ駆動力が伝達される際(停止箇所Pにて移動ユニット550が停止している際)、
図4に示すように、駆動源側回転体581と移動体側回転体582とが互いに対向配置される。
さらに、本実施形態では、このとき、駆動源側回転体581と移動体側回転体582とは非接触の状態で配置される。
ここで、このように非接触となる場合、駆動源側回転体581と移動体側回転体582とが接触することによる移動ユニット550の変位が抑制され、移動ユニット550の変異に起因する、画像の形成位置のずれが抑えられる。
【0065】
さらに、本実施形態では、位相検出機構570による位相の検出結果を、制御部900(
図1参照)に伝達するための伝達部300が設けられている。この伝達部300は、移動ユニット550の移動経路Rに沿って配置されている。また、伝達部300は、いわゆる信号用レールにより構成されている。
本実施形態では、移動ユニット550の一部が、伝達部300に接触し、移動ユニット550に設けられた位相検出機構570による検出結果が、この伝達部300を介して制御部900(
図1参照)へ送られる。
【0066】
より具体的には、本実施形態では、移動ユニット550の台座部551の下部に、伝達部300に接触する信号用ブラシ558が設けられており、位相検出機構570による検出結果は、信号用ブラシ558、伝達部300(信号用レール)を介して、制御部900へ送信される。
制御部900は、この検出結果を受けて、インクジェット印刷部700を用いた画像形成を制御する。
【0067】
図5は、
図4の矢印V方向から、移動ユニット550等を眺めた場合の図である。
本実施形態では、伝達部300は、複数(複数組)設けられている。具体的には、第1伝達部310〜第4伝達部340の4つの伝達部300が設けられている。
この4つの伝達部300は、移動ユニット550の移動経路R(
図4も参照)が延びる方向と交差する方向に並んで配置されている。
【0068】
4つの伝達部300の各々には、複数本の信号用レールSRが設けられている。
ここで、この複数本の信号用レールSRのうちの一部の信号用レールSRは、エンコーダ571(
図4参照)への給電を行うためのものである。
また、他の一部の信号用レールSRは、位相検出機構570による検出結果を制御部900へ送信するためのものである。
【0069】
図5に示すように、第1インクジェットヘッド11Cの設置箇所にて停止している移動ユニット550に設けられた信号用ブラシ558(符号5E参照)は、4つの伝達部300のうちの第1伝達部310に接触している。
また、
図5では、この移動ユニット550(以下、「先行移動ユニット550」と称する)の1つ後に続く移動ユニット550(
図1にて符号1Dで示す移動ユニット550)に設けられた信号用ブラシ558も併せて表示しており(符号5F参照)、この信号用ブラシ558は、第1インクジェットヘッド11Cの設置箇所に達した際に、第2伝達部320に接触する。
【0070】
さらに、
図5では、先行移動ユニット550の2つ後に続く移動ユニット550(
図1にて符号1Eで示す移動ユニット550)に設けられた信号用ブラシ558も示しており(符号5G参照)、この信号用ブラシ558は、第3伝達部330に接触する。
また、
図5では、先行移動ユニット550の3つ後に続く移動ユニット550(
図1にて符号1Fで示す移動ユニット550)に設けられた信号用ブラシ558も示しており(符号5H参照)、この信号用ブラシ558は、第4伝達部340に接触する。
【0071】
このように、本実施形態では、移動ユニット550の各々が有する信号用ブラシ558が接触する伝達部300が、移動ユニット550毎に設けられている。
付言すると、本実施形態では、複数の移動ユニット550の各々が有する信号用ブラシ558の設置位置が、移動ユニット550毎に異なっている。これにより、移動ユニット550の各々が有する信号用ブラシ558が接触する伝達部300が移動ユニット550毎に異なるようになる。
【0072】
より具体的には、本実施形態では、移動ユニット550の移動方向と交差する方向(
図5において符号5Xで示す方向)において、移動ユニット550の各々が有する信号用ブラシ558の設置位置が互いに異なっている。
また、同様に、移動ユニット550の移動方向と交差する方向において、第1伝達部310〜第4伝達部340の設置位置が互いに異なっている。
これにより、本実施形態では、移動ユニット550の各々が有する信号用ブラシ558が接触する伝達部300が、移動ユニット550毎に異なるようになる。
【0073】
なお、先行移動ユニット550の4つ後に続く移動ユニット550(
図1にて符号1Gで示す移動ユニット550)以降の移動ユニット550においても同様に、移動ユニット550の各々が有する信号用ブラシ558が接触する伝達部300が、移動ユニット550毎に異なるようになる。
【0074】
付言すると、本実施形態では、信号用ブラシ558の設置位置が互いに異なる4種類の移動ユニット550が、第1種類〜第4種類の順で、移動経路Rを移動するようになっている。これにより、本実施形態では、インクジェット印刷部700の設置箇所では、移動ユニット550の各々が有する信号用ブラシ558が接触する伝達部300が、移動ユニット550毎に異なるようになる。
【0075】
ここで、伝達部300が1つのみであり、複数の移動ユニット550の各々が有する信号用ブラシ558が接触する伝達部300が、この1つの伝達部300であると、制御部900にて、移動ユニット550の各々における缶体10の位相を検出できなくなる。
本実施形態では、移動ユニット550毎に、異なる伝達部300を設けるようにし、制御部900が、各移動ユニット550における缶体10の位相を検出できるようにしている。
付言すると、インクジェット印刷部700の設置箇所では、1つの伝達部300に対して、1つの信号用ブラシ558のみしか接触しないようになっており、これにより、移動ユニット550毎に、缶体10の位相の検出を行える。
【0076】
さらに、本実施形態では、
図5に示すように、移動ユニット550の停止箇所Pの各々に(印刷装置500の本体側に)、缶体10を吸引する吸引機構980が設けられている。この吸引機構980には、移動ユニット550が接触する被接触部981と、この被接触部981に接続された吸引用管982とが設けられている。
一方で、移動ユニット550には、被接触部981に接触する接触部591と、この接触部591と支持部材20とを接続する接続管592とが設けられている。
【0077】
本実施形態では、停止箇所Pにて移動ユニット550が停止すると、被接触部981に接触部591が接触し、吸引用管982と接続管592とが接続される。これにより、缶体10が吸引され、缶体10が、支持部材20の根本側へ付勢される。
そして、本実施形態では、この付勢により、缶体10の軸方向における缶体10の位置決めが行われる。
【0078】
ここで、インクジェット印刷部700における印刷処理を詳細に説明する。
本実施形態では、制御部900は、第1インクジェットヘッド11C(
図1参照)にてインクの吐出を開始する際に(画像形成を開始する際に)、伝達部300を通じて送信されてきた検出結果に基づき、第1インクジェットヘッド11の下方に位置する缶体10の位相を検出する。
言い換えると、制御部900は、第1インクジェットヘッド11Cにてインクの吐出を開始する際、第1インクジェットヘッド11Cの下方にて停止している移動ユニット550上の缶体10の位相を検出する。
【0079】
付言すると、制御部900は、第1インクジェットヘッド11Cの下方に位置する缶体10へのインクの吐出を開始する際における、缶体10の位相を検出する。
そして、制御部900は、検出したこの位相を保持する。以下、保持したこの位相を、「保持位相」と称する。
【0080】
次いで、本実施形態では、移動ユニット550が第2インクジェットヘッド11Mへ移動し、第2インクジェットヘッド11Mによるインクの吐出が開始される。この際、制御部900は、缶体10の位相が、上記の保持位相となった際にインクの吐出が開始されるように、第2インクジェットヘッド11Mにおけるインクの吐出を制御する。
制御部900は、伝達部300を通じて送信されてきた検出結果に基づき、第2インクジェットヘッド11Mの直下に位置する缶体10の位相を把握しており、この位相が、保持位相となった際にインクの吐出が開始されるように、第2インクジェットヘッド11Mにおけるインクの吐出を制御する。
【0081】
付言すると、制御部900は、第1インクジェットヘッド11Cによる画像形成開始位置と、第2インクジェットヘッド11Mによる画像形成開始位置とが揃うように、第2インクジェットヘッド11Mにおけるインクの吐出を制御する。
【0082】
より具体的には、本実施形態では、第2インクジェットヘッド11Mによるインクの吐出が開始される際、缶体10は、周方向への回転を行っている状態にある。
制御部900は、第1インクジェットヘッド11Cによる画像形成開始位置が、第2インクジェットヘッド11Mの直下に達する際に、第2インクジェットヘッド11Mからのインクの吐出が開始されるように、第2インクジェットヘッド11Mを制御する。
これにより、第1インクジェットヘッド11Cにより形成される1色目の画像と、第2インクジェットヘッド11Mにより形成される2色目の画像とのずれが抑えられる。
【0083】
その後、本実施形態では、移動ユニット550が、第3インクジェットヘッド11Y、第4インクジェットヘッド11Kへ移動するが、このときも上記と同様の処理が実行される。
具体的には、制御部900は、第1インクジェットヘッド11Cによる画像形成開始位置と、第3インクジェットヘッド11Yによる画像形成開始位置とが揃うように、第3インクジェットヘッド11Yにおけるインクの吐出を制御する。
また、制御部900は、第1インクジェットヘッド11Cによる画像形成開始位置と、第4インクジェットヘッド11Kによる画像形成開始位置とが揃うように、第4インクジェットヘッド11Kにおけるインクの吐出を制御する。
これにより、本実施形態では、色毎に形成される画像間におけるずれの発生が抑えられる。
【0084】
ここで、各インクジェットヘッド11の下方にて、缶体10が360°回転した後、この缶体10が、次のインクジェットヘッド11に達するまでの間に回転しなければ、缶体10の位相を検出しないでも、缶体10への画像形成を行える。
付言すると、各インクジェットヘッド11の下方にて、缶体10が360°回転した後、この缶体10が次のインクジェットヘッド11に達するまでの間に缶体10が回転しない場合、常に、各インクジェットヘッド11の直下に、上記の画像形成開始位置が位置するようになる。この場合、缶体10の位相を検出しないでも、缶体10への画像形成を行える。
【0085】
しかしながら、実際には、インクジェットヘッド11にて画像形成が終了してから、次のインクジェットヘッド11へ缶体10が達するまでに、缶体10が回転することが想定され、この場合、色毎に形成される画像間においてずれが生じやすくなる。
これに対し、本実施形態のように、缶体10の位相の検出結果に基づき、各インクジェットヘッド11におけるインクの吐出を制御すると、このずれの発生を抑えられる。
【0086】
ここで、他の態様として、缶体10の位相を検出する機構を、移動ユニット550ではなく、例えば、インクジェットヘッド11の設置位置の各々に設け、移動ユニット550がこの設置位置に達する度に、缶体10の位相を検出することもできる。
ところで、この場合は、設置位置に移動ユニット550が達してから、位相の検出が開始されるため、画像形成を開始するまでの時間が長くなり、印刷効率が低下する。
これに対し、本実施形態では、各インクジェットヘッド11に缶体10が達した際に、缶体10の位相の検出が終わるようになり、より早期に画像形成を開始でき、印刷効率を高められる。
【0087】
[その他]
上記では、いわゆるリニア機構を用いて移動ユニット550を移動させたが、移動ユニット550の移動は、リニア機構に限らず、例えば、無端状の部材(ベルトやチェーンなどの部材)に、移動ユニット550を取り付け、この無端状の部材を周回移動させることで行ってもよい。
また、例えば、移動ユニット550の各々に、移動ユニット550を移動させるための、モータなどの駆動源を設け、移動ユニット550を自律的に移動させるようにしてもよい。
【0088】
また、上記では、インクジェットヘッド11の設置箇所に、駆動源(サーボモータM)が設けられている場合を示したが、この駆動源は、検査装置92(
図1参照)、光照射部750、保護層形成部770などの他の箇所にも設けられている。
本実施形態では、この他の箇所でも、移動ユニット550とは別に設けられた駆動源により、缶体10の回転が行われる。
【0089】
また、上記では、移動ユニット550に接触する伝達部300を用いて、移動ユニット550からの検出結果の出力を行ったが、移動ユニット550からの検出結果(位相検出機構570による検出結果)の出力は、接触式に限らず、無線を用いた出力など、非接触の方式で出力してもよい。
さらに、移動ユニット550からの信号出力を制御部900に伝送するための伝達部300は、当該移動ユニット550の上部に設けてもいい。
【0090】
また、上記の伝達部300を用いる場合に比べ、印刷効率は低下するが、各インクジェットヘッド11の設置箇所に、位相検出機構570による検出結果を読み出すための端子を設け、各インクジェットヘッド11に、移動ユニット550が到達する度に、検出結果を読み出してもよい。
【0091】
また、上記では、エンコーダ571を用いて、缶体10の位相の検出を行ったが、缶体10の位相の検出は、他の機構を用いて行ってもよい。
具体的には、例えば、CCD(Charge Coupled Device)などの撮像手段を移動ユニット550に設け、この撮像手段による撮像結果を解析して、缶体10の位相を検出してもよい。
なお、この場合は、缶体10の外周面に目盛り(目盛りを表す画像)を付すなど、缶体10の位相の検出のための画像を、缶体10の外周面に予め形成しておくことが好ましい。