特開2020-42030(P2020-42030A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2020-42030自動車の車体表面の凹み及びデントの試験方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-42030(P2020-42030A)
(43)【公開日】2020年3月19日
(54)【発明の名称】自動車の車体表面の凹み及びデントの試験方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 17/007 20060101AFI20200225BHJP
   G01M 5/00 20060101ALI20200225BHJP
【FI】
   G01M17/007 Z
   G01M5/00
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-162507(P2019-162507)
(22)【出願日】2019年9月6日
(31)【優先権主張番号】201811065675.9
(32)【優先日】2018年9月13日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519292730
【氏名又は名称】肇▲慶▼学院
(74)【代理人】
【識別番号】100131406
【弁理士】
【氏名又は名称】福山 正寿
(72)【発明者】
【氏名】朱天▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼▲紅▼▲艷▼
(72)【発明者】
【氏名】蔡超明
(72)【発明者】
【氏名】李▲剣▼英
(72)【発明者】
【氏名】宗長富
(72)【発明者】
【氏名】▲許▼▲錦▼輝
(72)【発明者】
【氏名】陳▲暁▼雲
(72)【発明者】
【氏名】司勇
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼日▲ウェイ▼
(57)【要約】      (修正有)
【課題】操作が簡便で、精度が高い自動車の車体表面の凹み及びデントの試験方法を提供する。
【解決手段】CAE分析時の耐デント性試験のフロントカバー、バックカバー、ドア、及びホワイトボディの自在度に対する拘束基準に基づいて、拘束治具を調整して、フロントカバー、バックカバー、ドア、及びホワイトボディの固定拘束点をCAE分析と一致させるステップと、曲げ負荷電動シリンダとセンサーを取り付けて、CAE分析時の曲げ剛性試験の負荷点の位置及び数に基づき曲げ負荷電動シリンダを配置し、CAE分析時の曲げ剛性試験の被測定点の変形位置及び数に基づき配置するステップと、負荷をかけ、フロントカバー、バックカバー、ドア、及びホワイトボディの負荷試験を行うステップと、試験が完了した後に装置が正常であると検出してから起動順序の逆の順序で装置を停止するステップとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルアナログ出力カードを介して制御メインボードに接続されたサーボ駆動負荷ユニット、デジタルアナログ入力カードを介して制御メインボードに接続された変位センサーと力センサー、力センサーを介してサーボ駆動負荷ユニットに接続された負荷ロッド、制御メインボードに接続された制御システムと制御キャビネット、及び垂直負荷試験用の負荷クロスアームを備えたロッカーアーム負荷体を備える車体固定点静剛性試験台を使用してテストを行う自動車の車体表面の凹み及びデントの試験方法であって、テスト時に、複数のT字状の取付溝を有する作業台及び作業台の表面に固定された複数の車体固定ホルダーを備える固定装置に自動車の車体を取り付け、
テスト方法が具体的には、
CAE分析時の耐デント性試験のフロントカバー、バックカバー、ドア、及びホワイトボディの自在度に対する拘束基準に基づいて、拘束治具を調整して、フロントカバー、バックカバー、ドア、及びホワイトボディの固定拘束点をCAE分析と一致させるステップ1と、
曲げ負荷電動シリンダとセンサーを取り付けて、CAE分析時の曲げ剛性試験の負荷点の位置及び数に基づき曲げ負荷電動シリンダを配置し、CAE分析時の曲げ剛性試験の被測定点の変形位置及び数に基づき配置するステップ2と、
負荷をかけ、フロントカバー、バックカバー、ドア、及びホワイトボディの負荷試験を行うステップ3と、
試験が完了した後に装置が正常であると検出してから起動順序の逆の順序で装置を停止するステップ4とを含むことを特徴とする自動車の車体表面の凹み及びデントの試験方法。
【請求項2】
自動車の車体表面の凹み試験とデント試験のステップが一致し、自動車の車体デント試験を行うときに負荷ロッドの前端には、直径が1インチの球状負荷ヘッドを固定して設置し、球状負荷ヘッドによって対象車体表面に負荷することを特徴とする請求項1に記載の自動車の車体表面の凹み及びデントの試験方法。
【請求項3】
ステップ3の負荷テスト過程は、
試験台制御システムのソフトウェアにおいて曲げ剛性試験の作業条件を選択し、まず型番管理に試験車両の型番を追加し、次に選択された型番においてドア、フロントカバー、バックカバー、ホワイトボディの型番を選択し、その後、製品パラメータにおいて耐デントの作業条件を選択して、負荷力の大きさを記入するステップa)と、
実際の位置座標に応じてパラメータ設定中にセンサーの空間位置座標を記入するステップb)と、
耐デント曲線の座標範囲の設定において、点分布位置を変位センサーのX、Y、Z方向の点分布範囲に設定し、変形量を耐デント試験におけるセンサーが変位する可能性がある範囲に設定するステップc)と、
制御システムが負荷部分を制御して負荷するステップd)とを含むことを特徴とする請求項1又は2のいずれの項にも記載の自動車の車体表面の凹み及びデントの試験方法。
【請求項4】
負荷テスト過程中のステップdの負荷案は、最大の負荷力を350N〜400Nに設定して5N/s〜6N/sの増分で負荷し、負荷力が50N増加するごとに40s〜50s保持し、負荷力が最大である時に55s〜60s保持し、次に除荷することであることを特徴とする請求項3に記載の自動車の車体表面の凹み及びデントの試験方法。
【請求項5】
除荷するときに5N/s〜6N/sの減分で行うことを特徴とする請求項4に記載の自動車の車体表面の凹み及びデントの試験方法。
【請求項6】
正式に負荷する前にまず50%の最大負荷値で予負荷し、次に除荷してセンサーをリセットすることを特徴とする請求項3又は4に記載の自動車の車体表面の凹み及びデントの試験方法。
【請求項7】
負荷テストが完了した後に制御システムによって力−変位曲線図を生成し、力−変位曲線図に基づき自動車の車体が基準に適合するか否かを判断することを特徴とする請求項3に記載の自動車の車体表面の凹み及びデントの試験方法。
【請求項8】
表面の局所的デント抵抗力が標準に達するか否かの基準は、80mm直径の剛性球体の場合、車体表面に159Nの圧力を付与すると、車体カバーの最大変形が6.35mm以下、残留変形が0.1mm未満であるということであることを特徴とする請求項7に記載の自動車の車体表面の凹み及びデントの試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車の車体表面の凹み及びデントの試験方法に関し、車両検査の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
車体カバーの表面品質は車体の性能に影響を与える重要な指標及び特性である。車体カバーは使用中において、外部荷重、例えば、人為的な接触や押圧、積雪等の静荷重、及び運転中の石や雹等の衝撃荷重を受けることが多い。また、車体カバーは常にサイズが大きく曲率が大きいという特徴を有するため、上記荷重により凹みや撓みが発生しやすく、さらに永久的な変形が発生する。
【0003】
従来技術では、車体の取付固定点に対する静剛性試験台があり、これは、研発されたホワイトボディの静剛性試験に動作して、実際の作業過程中の拘束条件と荷重条件をシミュレートすることに用いられ、車体の取付固定点における静剛性をテストすることに用いられ、また、車体外面の板金部材の耐凹み能力をテストすることに用いられてもよい。しかし、従来技術で開示されているのは単に試験台であり、自動車の異なる部材に対する具体的な剛性試験方法がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許出願公開第206019968号明細書。
【0005】
本発明の目的は、操作が簡便で、精度が高い自動車の車体表面の凹み及びデントの試験方法を提供することである。
【発明の概要】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明が採用した技術案は以下のとおりである。
自動車の車体表面の凹み及びデントの試験方法であって、車体の固定点静剛性試験台を使用して試験を行い、前記車体の固定点静剛性試験台は、デジタルアナログ出力カードを介して制御メインボードに接続されたサーボ駆動負荷ユニット、デジタルアナログ入力カードを介して制御メインボードに接続された変位センサーと力センサー、力センサーを介してサーボ駆動負荷ユニットに接続された負荷ロッド、制御メインボードに接続された制御システムと制御キャビネット、及び垂直負荷試験用の負荷クロスアームを備えたロッカーアーム負荷体を備え、試験時に複数のT字状の取付溝を有する作業台及び作業台の表面に固定された複数の車体固定ホルダーを備える固定装置に自動車の車体を設置して取り付け、
テスト方法は具体的には、
CAE分析時の耐デント性試験のフロントカバー、バックカバー、ドア、及びホワイトボディの自在度に対する拘束基準に基づいて、拘束治具を調整して、フロントカバー、バックカバー、ドア、及びホワイトボディの固定拘束点をCAE分析と一致させるステップ1と、
曲げ負荷電動シリンダとセンサーを取り付けて、CAE分析時の曲げ剛性試験の負荷点の位置及び数に基づき曲げ負荷電動シリンダを配置し、CAE分析時の曲げ剛性試験の被測定点の変形位置及び数に基づき配置するステップ2と、
負荷をかけ、フロントカバー、バックカバー、ドア、及びホワイトボディの負荷試験を行うステップ3と、
試験が完了した後に装置が正常であると検出してから起動順序の逆の順序で装置を停止するステップ4とを含む。
【0007】
本発明の技術案の更なる改良は、自動車の車体表面の凹み試験とデント試験のステップが一致し、自動車の車体デント試験を行う時に負荷ロッドの前端に、直径が1インチの球状負荷ヘッドを固定して設置され、球状負荷ヘッドによって対象車体表面に負荷されることである。
【0008】
本発明の技術案の更なる改良は、ステップ3の負荷テスト過程に、
試験台制御システムのソフトウェアにおいて曲げ剛性試験の作業条件を選択し、まず型番管理に試験車両の型番を追加し、次に選択された型番においてドア、フロントカバー、バックカバー、ホワイトボディの型番を選択し、その後、製品パラメータにおいて耐デントの作業条件を選択して、負荷力の大きさを記入するステップa)と、
実際の位置座標に応じてパラメータ設定中にセンサーの空間位置座標を記入するステップb)と、
耐デント曲線の座標範囲の設定において、点分布位置を変位センサーのX、Y、Z方向の点分布範囲に設定し、変形量を耐デント試験におけるセンサーが変位する可能性がある範囲に設定するステップc)と、
制御システムが負荷部分を制御して負荷するステップd)とを含むことである。
本発明の技術案の更なる改良は以下のとおりである。負荷テスト過程中のステップdの負荷案は、最大の負荷力を350N〜400Nに設定して5N/s〜6N/sの増分で負荷し、負荷力が50N増加するごとに40s〜50s保持し、負荷力が最大である時に55s〜60s保持し、次に除荷することである。
本発明の技術案の更なる改良は、除荷時に5N/s〜6N/sの減分で行うことである。
【0009】
本発明の技術案の更なる改良は、正式に負荷する前にまず50%の最大負荷値で予負荷し、次に除荷してセンサーをリセットすることである。
【0010】
本発明の技術案の更なる改良は、負荷テストが完了した後に制御システムによって力−変位曲線図を形成し、力−変位曲線図に基づき自動車の車体が基準に適合するか否かを判断することである。
【0011】
本発明の技術案の更なる改良は以下のとおりである。表面の局所的デント抵抗力が指標に達するか否かの基準は、80mm直径の剛性球体の場合、車体の表面に159Nの圧力を付与すると、車体カバーの最大変形が6.35mm以下、残留変形が0.1mm未満であるということである。
【0012】
上記技術案を採用するため、本発明は以下の技術効果を得る。
本発明における自動車の車体表面の凹み及びデントの試験方法は、車体の静剛性試験台を基礎として、実際の作業過程中の拘束条件と荷重条件をシミュレートし、自動車車体の表面の板金部材の耐凹み能力をテストして、それにより自動車の車体表面の性能を取得し、最終的に自動車の性能改良のための根拠を提供する。
【0013】
本発明は合理的な負荷方式を採用することにより、負荷力を線形的に増加させ、自動車の車体表面に対する剛性試験の精度を最大限に確保することができる。
【0014】
本発明は自動化程度が高く、実施しやすく、測定が正確であり、正確で真実の試験データを得ることができ、最終的に自動車全体の安全性を確保する。
【0015】
本発明は合理的な負荷方式が設計されたことで、負荷過程と除荷過程中の力−変位剛性の性能曲線を得ることができ、自動車の車体表面の剛性を総合的にテストすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】は本発明の自動車の車体表面の凹み試験の模式図である。
図2】は試験後に得られる力−変位剛性の性能曲線である。 ここで、1、作業台、2、ロッカーアーム負荷体、3、車体固定ホルダー、4、車体である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では図面及び具体的な実施例を組み合わせて本発明を更に詳細に説明する。
本発明は自動車の車体表面の凹み及びデントの試験方法を開示し、該試験方法は、新たな車型を開発した後に、自動車の車体表面の耐凹み能力及び局所的耐デント能力の試験に用いられる。該試験方法は、車体の静剛性試験台を基礎として、合理的な試験案を設計することにより試験される。
【0018】
自動車の車体表面の凹み及びデントの試験方法であって、車体静剛性試験台を使用してテストを行い、前記車体静剛性試験台は、負荷部分とデータ収集部分を備え、具体的には、デジタルアナログ出力カードを介して制御メインボードに接続されたサーボ駆動負荷ユニット、デジタルアナログ入力カードを介して制御メインボードに接続された変位センサーと力センサー、力センサーを介してサーボ駆動負荷ユニットに接続された負荷ロッド、制御メインボードに接続された制御システムと制御キャビネット、及び負荷するための負荷クロスアームを備えたロッカーアーム負荷体2を備える。
【0019】
本発明の試験方法は、具体的に試験を行う際に車体を固定装置に設置して、固定装置を介して車体全体を拘束し、次に自動車車体に位置するいくつかの重要な領域に対して負荷試験を行う。本発明に使用される固定装置は、複数のT字状の取付溝を有する作業台1及び作業台1の表面に固定された複数の車体固定ホルダー3を備える。一般的には、車体固定ホルダーが4つ設置され、4つの車体固定ホルダーの各2つが一組として間隔をあけて設置され、車体の前端と後端を固定する。車体固定ホルダー3はT字状のボルトによって作業台1に固定され、作業台1には複数の逆T字状の溝が平行に設置されて、T字状のボルトと嵌合して車体固定ホルダー3を作業台1に固定して取り付ける。具体的な構造は図1に示される。
【0020】
本発明における負荷領域はフロントフェンダ及びサイドパネルの外面、エンジンカバーの外面、トランクリッドの外面、ドアの外面、トップカバーの外面を含む。
【0021】
本発明のテスト方法は具体的にはステップ1〜ステップ4を含む。
ステップ1、CAE分析時の耐デント性試験のフロントカバー、バックカバー、ドア、及びホワイトボディの自在度に対する拘束基準に基づいて、拘束治具を調整して、フロントカバー、バックカバー、ドア、及びホワイトボディの固定拘束点をCAE分析と一致させる。
ステップ2、曲げ負荷電動シリンダとセンサーを取り付けて、CAE分析時の曲げ剛性試験の負荷点の位置及び数に基づき曲げ負荷電動シリンダを配置し、CAE分析時の曲げ剛性試験の被測定点の変形位置及び数に基づき配置する。
ステップ3、負荷をかけ、フロントカバー、バックカバー、ドア、及びホワイトボディの負荷試験を行う。該ステップの負荷テストの過程は、試験台制御システムのソフトウェアにおいて曲げ剛性試験の作業条件を選択し、まず型番管理に試験車両の型番を追加し、次に選択された型番においてドア、フロントカバー、バックカバー、ホワイトボディの型番を選択し、その後、製品パラメータにおいて耐デントの作業条件を選択して、負荷力の大きさを記入するステップa)と、実際の位置座標に応じてパラメータ設定中にセンサーの空間位置座標を記入するステップb)と、耐デント曲線の座標範囲の設定において、点分布位置を変位センサーのX、Y、Z方向の点分布範囲に設定し、変形量を耐デント試験におけるセンサーが変位する可能性がある範囲に設定するステップc)と、制御システムが負荷部分を制御して負荷するステップd)とを含む。負荷案は、最大の負荷力を350N〜400Nに設定して5N/s〜6N/sの増分で負荷し、負荷力が50N増加するごとに40s〜50s保持し、負荷力が最大であるときに55s〜60s保持し、次に除荷し、除荷する時に5N/s〜6N/sの減分で行う。
【0022】
ステップ4、試験が完了した後に装置が正常であると検出してから起動順序の逆の順序で装置を停止する。
【0023】
本発明は具体的に試験を行うときに、正式に負荷する前にまず50%の最大負荷値で予負荷し、次に除荷してセンサーをリセットすることも出来る。
【0024】
本発明における試験台の制御システムは、負荷部分を正確に制御することができ、且つ負荷試験が完了した後に制御システムによって力−変位曲線図を生成し、力−変位曲線図に基づき自動車の車体が基準に適合するか否かを判断する。具体的な判断方法では、表面の局所的デント抵抗力が指標に達するか否かの基準は、80mm直径の剛性球体の場合、車体の表面に159Nの圧力を付与すると、車体カバーの最大変形が6.35mm以下、残留変形が0.1mm未満であるということである。
【0025】
以下では上記方法を使用して具体的に試験を行う具体的な実施例である。
試験前に、まず使用するために車体の静剛性試験台を用意する必要がある。車体の静剛性試験台は、デジタルアナログ出力カードを介して制御メインボードに接続されたサーボ駆動負荷ユニット、デジタルアナログ入力カードを介して制御メインボードに接続された変位センサーと力センサー、力センサーを介してサーボ駆動負荷ユニットに接続された負荷ロッド、制御メインボードに接続された制御システムと制御キャビネット、及び垂直負荷試験用のロッカーアーム負荷体を備える。負荷ロッドは通常負荷電動シリンダを使用し、負荷電動シリンダの最大負荷力が予め設定された最大負荷力より大きくならねばならず、今回の試験での最大負荷力は400Nであり、それにより最大負荷力が500Nである負荷電動シリンダを選択して用いるべきである。試験装置を用意した後試験を行う。試験時の模式図が図1に示される。
【0026】
以下は耐デント試験である。
ステップ1、CAE分析時の耐デント性試験のフロントカバー、バックカバー、ドア、及びホワイトボディの自在度に対する拘束基準に基づいて、拘束治具を調整して、フロントカバー、バックカバー、ドア、及びホワイトボディの固定拘束点をCAE分析と一致させる。
【0027】
ステップ2、曲げ負荷電動シリンダとセンサーを取り付けて、負荷電動シリンダの最大負荷を仮に500Nとする。CAE分析時の曲げ剛性試験の負荷点の位置及び数に基づき曲げ負荷電動シリンダを配置し、CAE分析時の曲げ剛性試験の被測定点の変形位置及び数に基づき配置する。
【0028】
ステップ3、負荷をかけ、フロントカバー、バックカバー、ドア、及びホワイトボディの負荷試験を行う。正式に負荷する前にまず200Nを最大負荷値として予負荷して、次に除荷してセンサーを調節してリセットする。次に正式な負荷をかけ、具体的なステップは、試験台制御システムのソフトウェアにおいて曲げ剛性試験の作業条件を選択し、まず型番管理に試験車両の型番を追加し、次に選択された型番においてドア、フロントカバー、バックカバー、ホワイトボディの型番を選択し、その後、製品パラメータにおいて耐デントの作業条件を選択して、負荷力の大きさを記入するステップa)と、実際の位置座標に応じてパラメータ設定中にセンサーの空間位置座標を記入するステップb)と、耐デント曲線の座標範囲の設定において、点分布位置を変位センサーのX、Y、Z方向の点分布範囲に設定し、変形量を耐デント試験におけるセンサーが変位する可能性がある範囲に設定するステップc)と、制御システムが負荷部分を制御して負荷するステップd)とを含む。負荷案は、最大負荷力を400Nに設定して5N/s〜6N/sの増分で負荷し、負荷力が50N増加するごとに50s保持し、負荷力が400Nであるときに60s保持し、次に除荷する。除荷するときに5N/s〜6N/sの減分で行う。負荷する時にフロントカバー、バックカバー、ドア、及びホワイトボディをそれぞれ負荷して除荷する必要がある。
【0029】
ステップ4、試験が完了した後に装置が正常であると検出してから起動順序の逆の順序で装置を停止する。
【0030】
表面デント試験は、上記過程に基づき、負荷ロッドの前端に直径が1インチの球状負荷ヘッドを固定して設置し、球状負荷ヘッドによって対象車体表面に負荷することである。試験ステップが上記各ステップと一致する。
【0031】
負荷試験が完了した後、制御システムはコンピュータインタフェースに力−変位曲線図を生成して、力−変位曲線図に基づき自動車の車体が基準に適合するか否かを判断することができる。具体的な判断方法は、表面の局所的デント抵抗力が指標に達するか否かの基準は、80mm直径の剛性球体の場合、車体表面に159Nの圧力を付与すると、車体カバーの最大変形が6.35mm以下、残留変形が0.1mm未満であるということである。
【0032】
図2は、本試験において耐デント性の試験を行う時に得られる力−変位曲線図を示す。
【0033】
本発明は合理的な負荷方式が設計されることで、負荷過程と除荷過程中の力−変位剛性の性能曲線を得ることができ、自動車車体の剛性を総合的にテストすることができる。
【0034】
本発明は負荷過程において合理的な負荷力増分、即ち5N/s〜6N/sを設定しており、該増分は自動車車体の取付構造及び性能に一致し、最大負荷力を400Nに設定することにより、車体の表面全体に損傷を与えずに、極限条件における車体表面の耐デント性能を得ることができる。
【0035】
本発明は、車体の取付固定点静剛性試験台を基礎として、合理的な負荷案を設計することにより、自動車の車体表面の耐デント性能を正確にテストすることができる。
【0036】
本発明における自動車の車体表面の凹み及びデントの試験方法は、車体の静剛性試験台を基礎として、実際の作業過程における拘束条件と荷重条件をシミュレートすることにより、自動車車体の表面の板金部材の耐凹み能力を試験し、更に自動車の車体表面の性能を取得して、最終的に自動車の性能の改良に根拠を提供する。
図1
図2