【解決手段】コイル部品1000は、金属磁性粉末を含む本体100と、本体100に埋設され、少なくとも一つのターンを形成するコイル部と、本体100の一面に互いに離隔配置され、コイル部と連結される第1及び第2外部電極と、第1及び第2外部電極と離隔するように本体100の一面に配置されたパッド部520、及び本体の複数の壁面のうち、互いに向かい合う両側面の少なくとも一つに配置された側面部を含む第3外部電極と、本体100の他面及び本体100の複数の壁面を覆い、側面部を露出させる開口部Oが形成された絶縁層600と、絶縁層600に形成され、本体100の他面上に配置されたキャップ部715、及び本体100の複数の壁面に配置され、開口部Oを介して側面部510と連結される側壁部713、714を含む遮蔽層710と、を含む。
絶縁樹脂及び前記絶縁樹脂に分散された金属磁性粉末を含み、一方向に互いに向かい合う一面と他面、前記一面と他面とを連結し、互いに向かい合う両側面、及び前記両側面を互いに連結し、互いに向かい合う両端面を有する本体と、
前記本体に埋設された内部絶縁層と、
前記内部絶縁層に配置されたコイル部と、
前記本体の一面に離隔配置された第1外部電極及び第2外部電極と、
前記本体の一面に前記第1外部電極及び前記第2外部電極と離隔するように配置され、前記本体の両側面の少なくとも一部に延長された第3外部電極と、
前記本体の他面、前記本体の両側面、及び前記本体の両端面を覆い、前記第3外部電極のうち、前記本体の両側面の少なくとも一部に延長された領域を露出させる開口部が形成された絶縁層と、
前記絶縁層に形成され、前記本体の他面、前記本体の両側面、及び前記本体の両端面を覆い、前記第3外部電極の延長された領域と連結される遮蔽層と、
を含む、コイル部品。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本願で用いられた用語は、ただ特定の実施例形態を説明するために用いられたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数の表現を含む。本願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在を指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性を予め排除するものではないことを理解しなくてはならない。また、明細書の全般にわたって、「上に」とは、対象部分の上または下に位置することを意味し、必ずしも重力方向を基準にして上側に位置することを意味するものではない。
【0014】
また、「結合」とは、各構成要素間の接触関係において、各構成要素間に物理的に直接接触する場合のみを意味するものではなく、他の構成が各構成要素の間に介在され、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合まで包括する概念として使用する。
【0015】
図面に示されている各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意に示したものであり、本発明は、必ずしも図示のものに限定されない。
【0016】
図面において、L方向は第1方向又は長さ方向、W方向は第2方向又は幅方向、T方向は第3方向又は厚さ方向と定義することができる。
【0017】
以下、本発明の実施形態によるコイル部品を添付図面を参照して詳細に説明し、添付図面を参照して説明するにあたって、同一又は対応する構成要素は、同一の図面番号を付与し、これに対して重複する説明は省略する。
【0018】
電子機器には、様々な種類の電子部品が用いられる。このような電子部品の間にはノイズ除去などのために、様々な種類のコイル部品が適切に用いられることができる。
【0019】
即ち、電子機器においてコイル部品は、パワーインダクタ(Power Inductor)、高周波インダクタ(HF Inductor)、通常のビーズ(General Bead)、高周波用ビーズ(GHz Bead)、コモンモードフィルタ(Common Mode Filter)などに用いられることができる。
【0020】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態によるコイル部品を概略的に示す図である。
図2は
図1において一部構成を除いた様子を示す図である。
図3は
図1のI−I'線に沿った断面を示す図である。
図4は
図1のII−II'線に沿った断面を示す図である。
【0021】
図1〜
図4を参照すると、本発明の一実施形態によるコイル部品1000は、本体100、コイル部200、外部電極300、400、500、絶縁層600、及び遮蔽層710を含み、カバー層800、内部絶縁層IL、及び絶縁膜IFをさらに含むことができる。
【0022】
本体100は、本実施形態によるコイル部品1000の外観をなし、内部にはコイル部200が埋設される。
【0023】
本体100は、全体的に六面体状に形成されることができる。
【0024】
本体100は、
図1及び
図2を基準に、長さ方向Lに互いに向かい合う第1面101と第2面102、幅方向Wに互いに向かい合う第3面103と第4面104、厚さ方向Tに互いに向かい合う第5面105及び第6面106を含む。本体100の第1〜第4面101、102、103、104はそれぞれ、本体100の第5面105と第6面106とを連結する本体100の壁面に該当する。以下、本体の両端面は、本体の第1面101及び第2面102を意味し、本体の両側面は、本体の第3面103及び第4面104を意味することができる。
【0025】
本体100は、例示的に、後述する外部電極300、400、500、絶縁層600、遮蔽層710、及びカバー層800が形成された本実施形態によるコイル部品1000が2.0mmの長さ、1.2mmの幅、及び0.65mmの厚さを有するように形成されることができるが、これに制限されるものではない。上記寸法は、工程上の誤差を除いたものであり、上記寸法と異なるが、工程上の誤差を考慮したときに上記寸法と実質的に同一である場合であれば、本発明の範囲に属するものとする。
【0026】
本体100は、磁性物質と樹脂を含むことができる。具体的に、本体100は、樹脂及び樹脂に分散された磁性物質を含む磁性複合シートを一層以上積層して形成されることができる。但し、本体100は、磁性物質が樹脂に分散された構造以外に、他の構造を有することもできる。例えば、本体100は、フェライトのような磁性物質からなることもできる。
【0027】
磁性物質は、フェライト又は金属磁性粉末であることができる。
【0028】
フェライトは、例えば、Mg−Zn系、Mn−Zn系、Mn−Mg系、Cu−Zn系、Mg−Mn−Sr系、Ni−Zn系などのスピネル型フェライト、Ba−Zn系、Ba−Mg系、Ba−Ni系、Ba−Co系、Ba−Ni−Co系などの六方晶型フェライト類、Y系などのガーネット型フェライト、及びLi系フェライトの少なくとも一つ以上であることができる。
【0029】
金属磁性粉末は、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、及びニッケル(Ni)からなる群から選択されたいずれか一つ以上を含むことができる。例えば、金属磁性粉末は、純鉄粉末、Fe−Si系合金粉末、Fe−Si−Al系合金粉末、Fe−Ni系合金粉末、Fe−Ni−Mo系合金粉末、Fe−Ni−Mo−Cu系合金粉末、Fe−Co系合金粉末、Fe−Ni−Co系合金粉末、Fe−Cr系合金粉末、Fe−Cr−Si系合金粉末、Fe−Si−Cu−Nb系合金粉末、Fe−Ni−Cr系合金粉末、Fe−Cr−Al系合金粉末の少なくとも一つ以上であることができる。
【0030】
金属磁性粉末は、非晶質又は結晶質であることができる。例えば、金属磁性粉末は、Fe−Si−B−Cr系非晶質合金粉末であることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0031】
フェライト及び金属磁性粉末はそれぞれ、平均直径が約0.1μm〜30μmであることができるが、これに制限されるものではない。
【0032】
本体100は、樹脂に分散された2種類以上の磁性物質を含むことができる。ここで、磁性物質が異なる種類とは、樹脂に分散された磁性物質が平均直径、組成、結晶性、及び形状のいずれか一つによって互いに区別されることを意味する。
【0033】
樹脂は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独又は混合して含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0034】
本体100は、後述するコイル部200を貫通するコア110を含む。コア110は、磁性複合シートがコイル部200の貫通孔に充填されることにより形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0035】
内部絶縁層ILは本体100に埋設される。本実施形態の場合、内部絶縁層ILは、後述するコイル部200を支持する。
【0036】
内部絶縁層ILは、エポキシ樹脂のような熱硬化性絶縁樹脂、ポリイミドのような熱可塑性絶縁樹脂又は感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成されるか、又はかかる絶縁樹脂にガラス繊維又は無機フィラーのような補強材が含浸された絶縁材料で形成されることができる。例えば、内部絶縁層ILは、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂、PID(Photo Imagable Dielectric)などの絶縁材料で形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0037】
無機フィラーとしては、シリカ(SiO
2)、アルミナ(Al
2O
3)、炭化ケイ素(SiC)、硫酸バリウム(BaSO
4)、タルク、泥、雲母粉、水酸化アルミニウム(AlOH
3)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)
2)、炭酸カルシウム(CaCO
3)、炭酸マグネシウム(MgCO
3)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、ホウ酸アルミニウム(AlBO
3)、チタン酸バリウム(BaTiO
3)、及びジルコン酸カルシウム(CaZrO
3)からなる群から選択された少なくとも一つ以上が用いられることができる。
【0038】
内部絶縁層ILが補強材を含む絶縁材料で形成される場合、内部絶縁層ILは、より優れた剛性を提供することができる。内部絶縁層ILがガラス繊維を含まない絶縁材料で形成される場合、内部絶縁層ILは、コイル部200の全厚さを薄型化するのに有利である。内部絶縁層ILが感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成される場合、コイル部200を形成するための工程数が減少して生産費の節減に有利であり、後述するビアを微細に形成することができる。
【0039】
コイル部200は、第1コイルパターン211、第2コイルパターン212、及びビア220を含む。
【0040】
第1コイルパターン211、内部絶縁層IL、及び第2コイルパターン212は、
図1に示されている本体100の厚さ方向Tに沿って順次積層された形態で形成されることができる。
【0041】
第1コイルパターン211と第2コイルパターン212はそれぞれ、平面螺旋状に形成されることができる。例えば、第1コイルパターン211は、内部絶縁層ILの一面で本体100の厚さ方向Tを軸に少なくとも一つのターン(turn)を形成することができる。
【0042】
ビア220は、第1コイルパターン211と第2コイルパターン212とを電気的に連結するように内部絶縁層ILを貫通する。その結果、本実施形態に適用されるコイル部200は、本体100の厚さ方向Tに磁場を発生させる一つのコイルとして形成されることができる。
【0043】
第1コイルパターン211、第2コイルパターン212、及びビア220の少なくとも一つは、少なくとも一つ以上の導電層を含むことができる。
【0044】
例えば、第2コイルパターン212とビア220をめっきで形成する場合、第2コイルパターン212とビア220はそれぞれ、無電解めっき層のシード層と電解めっき層を含むことができる。ここで、電解めっき層は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。多層構造の電解めっき層は、いずれか一つの電解めっき層を他の一つの電解めっき層がカバーするコンフォーマル(conformal)な膜構造で形成されることもでき、いずれか一つの電解めっき層の上面にのみ他の一つの電解めっき層が配置された形状に形成されることもできる。第2コイルパターン212のシード層とビア220のシード層は、一体に形成されて相互間に境界が形成されないが、これに制限されるものではない。第2コイルパターン212の電解めっき層とビア220の電解めっき層は、一体に形成されて相互間に境界が形成されないが、これに制限されるものではない。
【0045】
他の例として、第1コイルパターン211と第2コイルパターン212をそれぞれ別に形成した後、内部絶縁層ILに一括積層してコイル部200を形成する場合、ビア220は、高融点金属層と、高融点金属層の溶融点よりも低い溶融点を有する低融点金属層と、を含むことができる。ここで、低融点金属層は、鉛(Pb)及び/又は錫(Sn)を含む半田で形成されることができる。低融点金属層は、一括積層時の圧力及び温度によって少なくとも一部が溶融して、低融点金属層と第2コイルパターン212との間の境界には、金属間化合物層(Inter Metallic Compound Layer、IMC Layer)が形成されることができる。
【0046】
第1コイルパターン211と第2コイルパターン212は、例えば、
図3の上部と下部を基準に、それぞれ内部絶縁層ILの下面及び上面に突出形成されることができる。他の例として、第1コイルパターン211は内部絶縁層ILの下面に埋め込まれて、下面が内部絶縁層ILの下面に露出し、第2コイルパターン212は内部絶縁層ILの上面に突出形成されることができる。この場合、第1コイルパターン211の下面には凹部が形成され、内部絶縁層ILの下面と第1コイルパターン211の下面は同一平面上に位置しない。さらに他の例として、第1コイルパターン211は、内部絶縁層ILの下面に埋め込まれて、下面が内部絶縁層ILの下面に露出し、第2コイルパターン212は内部絶縁層ILの上面に埋め込まれて、上面が内部絶縁層ILの上面に露出することができる。
【0047】
第1コイルパターン211と第2コイルパターン212のそれぞれの端部は、本体100の第1面及び第2面に露出することができる。本明細書上において、第1及び第2コイルパターン211、212の端部はそれぞれ、第1及び第2引出部231、232と称されることがある。第1コイルパターン211は、本体100の第1面に露出した端部231が後述する第1外部電極300と接触することにより、第1外部電極300と電気的に連結される。第2コイルパターン212は、本体100の第2面に露出した端部232が後述する第2外部電極400と接触することにより、第2外部電極400と電気的に連結される。
【0048】
第1コイルパターン211、第2コイルパターン212、及びビア220はそれぞれ、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質で形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0049】
外部電極300、400、500は、本体100の第6面106に互いに離隔配置される。第1外部電極300と第2外部電極400は、コイル部200と電気的に連結される。第3外部電極500は、第1外部電極300、第2外部電極400、及びコイル部200と電気的に連結されない。
【0050】
本実施形態の場合、第1及び第2外部電極300、400は、第1及び第2コイルパターン211、212と連結されるように、本体100の第1及び第2面101、102に形成された連結部310、410、及び連結部310、410から本体100の第6面106に延長された延長部320、420をそれぞれ含む。具体的に、第1外部電極300は、本体100の第1面101に配置され、第1コイルパターン211の第1引出部231と接触連結される第1連結部310と、第1連結部310から本体100の第6面106に延長された第1延長部320と、を含む。第2外部電極400は、本体100の第2面102に配置され、第2コイルパターン212の第2引出部232と接触連結される第2連結部410と、第2連結部410から本体100の第6面106に延長された第2延長部420と、を含む。
【0051】
第3外部電極500は、第1及び第2外部電極300、400と離隔するように本体100の第6面106に配置されたパッド部520と、本体100の両側面103、104の少なくとも一つに配置された側面部510と、を含む。
【0052】
側面部510は、本体100の第3面103及び/又は第4面104に形成されることができる。例えば、側面部510は、
図1及び
図2に示されているように、本体100の第3面103と第4面104にそれぞれ形成されることができる。例えば、側面部510は、
図1及び
図2に示されているように、本体100の第3面103と第4面104において本体100の厚さ方向Tに沿った長さに対応する長さに形成されることができる。例えば、側面部510は、
図1及び
図2に示されているように、本体100の第3面103と第4面104において本体100の長さ方向Lに沿った長さよりも小さく形成されることができる。但し、本発明の範囲が上述の内容に制限されるものではない。
【0053】
外部電極300、400、500はそれぞれ、一体に形成されることができる。即ち、第1連結部310と第1延長部320は同一工程で共に形成されて、第1外部電極300が一体に形成されることができ、第2連結部410と第2延長部420は同一工程で共に形成されて、第2外部電極400が一体に形成されることができる。また、側面部510とパッド部520は同一工程で共に形成されて、第3外部電極500が一体に形成されることができる。外部電極300、400、500は、スパッタリングなどの薄膜工程、電解めっきなどのめっき工程又は導電性ペースト工程などを介して形成されることができる。
【0054】
外部電極300、400、500は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質で形成されることできるが、これに限定されるものではない。外部電極300、400、500は、単層又は複数層の構造で形成されることができる。例えば、外部電極300、400、500はそれぞれ、延長部320、420とパッド部520にそれぞれめっきで形成されためっき層をさらに含むことができる。ここで、めっき層は、複数の層であってもよく、単層であってもよい。
【0055】
第1及び第2外部電極300、400はそれぞれ、信号電極であることができ、第3外部電極500は、接地電極であることができる。即ち、本実施形態によるコイル部品がプリント回路基板に実装された場合、第3外部電極500は、プリント回路基板などのグランドと電気的に連結されることができる。したがって、第3外部電極500は、後述する遮蔽層710に累積された電気エネルギーをプリント回路基板などに伝達することができる。
【0056】
絶縁層600は、本体の第1〜第5面101、102、103、104、105を覆う。また、絶縁層600には、側面部510の少なくとも一部を露出させる開口部Oが形成される。本実施形態の場合、第1〜第3外部電極300、400、500は、連結部310、410と側面部510を含むため、絶縁層600は、連結部310、410と側面部510を覆うように形成される。
【0057】
絶縁層600は、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系などの熱可塑性樹脂、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキド系などの熱硬化性樹脂、感光性樹脂、パリレン、SiO
x又はSiN
xを含むことができる。
【0058】
絶縁層600は、液状の絶縁樹脂を本体100の表面上に塗布するか、又はドライフィルム(DF)のような絶縁フィルムを本体100の表面上に積層するか、又は気相蒸着などの薄膜工程を介して形成されることができる。絶縁フィルムの場合、感光性絶縁樹脂を含まないABF(Ajinomoto Build−up Film)又はポリイミドフィルムなどを用いてもよい。
【0059】
絶縁層600は、10nm〜100μmの厚さ範囲で形成されることができる。絶縁層600の厚さが10nm未満の場合には、Q値(Q factor)などコイル部品の特性が低下することがあり、絶縁層600の厚さが100μmを超える場合には、コイル部品の総長さ、幅、及び厚さが増加して薄型化に不利である。
【0060】
開口部Oは、側面部510の少なくとも一部を露出させるように絶縁層600に形成される。後述する遮蔽層710は絶縁層600に形成されるが、絶縁層600に形成された開口部Oを介して露出した側面部510と接触して第3外部電極500と連結される。
【0061】
開口部Oは、例えば、レーザードリル、フォトリソグラフィ又はエッチングなどにより、絶縁層600に形成されることができる。
【0062】
一方、
図2には、開口部Oが四角形に形成されている様子が示されているが、これは例示的なものに過ぎず、開口部Oは、円形、楕円形、及び四角形以外の多角形などに様々に変形されることができる。また、
図2には、開口部Oが本体100の第3及び第4面103、104にそれぞれ一つずつ形成されることが示されているが、これは例示的なものに過ぎず、開口部Oは、例えば、本体100の第3面103側に複数形成されることもできる。
【0063】
遮蔽層710は、本体100の第5面105上に配置されたキャップ部715と、キャップ部715と連結され、本体100の第1〜第4面101、102、103、104上に配置された第1〜第4側壁部711、712、713、714と、を含む。即ち、本実施形態に適用される遮蔽層710は、本実施形態によるコイル部品1000の実装面である本体100の第6面を除いた本体100のすべての表面に配置される。
【0064】
遮蔽層710は、開口部Oを充填することができる。具体的に、
図1及び
図2に示されているように、第3外部電極500の側面部510が本体100の第3及び第4面103、104の両方に形成されて、開口部Oが本体100の第3及び第4面103、104の両方に形成されている場合であれば、遮蔽層710の第3及び第4側壁部713、714が開口部Oを充填する形態で形成される。
【0065】
第1〜第4側壁部711、712、713、714は、互いに一体に形成されることができる。即ち、第1〜第4側壁部711、712、713、714は、同一の工程で形成されて相互間に境界が形成されない。例えば、本体100の第1〜第4面101、102、103、104にスパッタリングなどの気相蒸着又はめっきで遮蔽層710を形成することにより、第1〜第4側壁部711、712、713、714は一体に形成されることができる。
【0066】
キャップ部715と側壁部711、712、713、714は、一体に形成されることができる。即ち、キャップ部715と側壁部711、712、713、714は、同一の工程で形成されて相互間に境界が形成されない。例えば、キャップ部715と側壁部711、712、713、714は、本体100の第1〜第5面にスパッタリングのような気相蒸着又はめっきで遮蔽層710を形成することにより、一体に形成されることができる。
【0067】
遮蔽層710は、導電体及び磁性体の少なくとも一つを含むことができる。例えば、導電体は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、ケイ素(Si)、ホウ素(B)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、及びニッケル(Ni)からなる群から選択されたいずれか一つ以上を含む金属又は合金であることができ、Fe−Si又はFe−Niであることができる。また、遮蔽層710は、フェライト、パーマロイ、非晶質リボンからなる群から選択されたいずれか一つ以上を含むことができる。遮蔽層710は、導電体を含む層と磁性体を含む層の二重層構造であることができるが、導電体及び/又は磁性体を含む単一層構造で形成されることもできる。
【0068】
遮蔽層710は、互いに分離された2以上の微細構造を含むことができる。例えば、キャップ部715と側壁部711、712、713、714をそれぞれ、複数個の小片に分離形成された非晶質リボンシートで形成する場合、キャップ部715と側壁部711、712、713、714はそれぞれ、互いに分離された複数の微細構造を含むことができる。
【0069】
遮蔽層710は、10nm〜100μmの厚さで形成されることができる。遮蔽層710の厚さが10nm未満の場合は、EMIシールド効果が殆どなく、遮蔽層710の厚さが100μmを超える場合は、コイル部品の総長さ、幅、及び厚さが増加するため、薄型化に不利である。
【0070】
カバー層800は遮蔽層710をカバーする。ここで、カバー層800は、遮蔽層710の第1〜第4側壁部711、712、713、714のそれぞれの他端に延長されて絶縁層600と接触することにより、絶縁層600と共に遮蔽層710をカバーすることができる。即ち、カバー層800は、絶縁層600と共に遮蔽層710を内部に埋設することができる。したがって、カバー層800は、絶縁層600と同様に、本体100の第1〜第5面101、102、103、104、105上に配置される。カバー層800は、遮蔽層710が外部の他の電子部品と電気的に連結されることを防止する。
【0071】
カバー層800は、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系などの熱可塑性樹脂、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキド系などの熱硬化性樹脂、感光性絶縁樹脂、パリレン、SiO
x又はSiN
xの少なくとも一つを含むことができる。
【0072】
カバー層800は、遮蔽層710が形成された本体100にドライフィルム(DF)のようなカバーフィルムを積層して形成されることができる。又は、カバー層800は、遮蔽層710が形成された本体100に絶縁物質を化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition、CVD)などの気相蒸着で形成することにより形成されることができる。
【0073】
カバー層800は、10nm〜100μmの厚さ範囲で形成されることができる。カバー層800の厚さが10nm未満の場合には、絶縁特性が弱くて遮蔽層710と外部の他の電子部品との間に電気的短絡(Short)が発生することがあり、カバー層800の厚さが100μmを超える場合には、コイル部品の総長さ、幅、及び厚さが増加して薄型化に不利である。
【0074】
絶縁層600、遮蔽層710、及びカバー層800の厚さの和は、30nm超過100μm以下であることができる。絶縁層600、遮蔽層710、及びカバー層800の厚さの和が30nm未満の場合は、電気的短絡(Short)の問題、Q値(Q factor)のようなコイル部品の特性低下の問題などが発生することがあり、絶縁層600、遮蔽層710、及びカバー層800の厚さの和が100μmを超える場合には、コイル部品の総長さ、幅、及び厚さが増加して薄型化に不利である。
【0075】
絶縁膜IFは、コイルパターン211、212及び内部絶縁層ILの表面に沿って形成されることができる。絶縁膜IFは、コイルパターン211、212を保護し、本体100から絶縁させるためのものであって、パリレンなどの公知の絶縁物質を含むことができる。絶縁膜IFに含まれる絶縁物質は、どのようなものであっても使用可能であり、特別な制限はない。絶縁膜IFは、気相蒸着などの方法で形成されることができるが、これに制限されるものではなく、絶縁フィルムを内部絶縁層ILの両面に積層することによって形成されることもできる。
【0076】
本発明の絶縁層600及びカバー層800は、コイル部品自体に配置されるものであるため、コイル部品をプリント回路基板に実装する段階でコイル部品とプリント回路基板をモールディングするモールディング材とは区別される。例えば、本発明の絶縁層600及びカバー層800は、モールディング材とは異なり、プリント回路基板と直接的に接触しない。また、絶縁層600及びカバー層800は、モールディング材とは異なり、プリント回路基板によって支持又は固定されるものではない。また、コイル部品とプリント回路基板とを連結する半田ボールなどの連結部材を囲むモールディング材とは異なり、本発明の絶縁層600及びカバー層800は、連結部材を囲む形態で形成されない。また、本発明の絶縁層600及びカバー層800は、EMC(Epoxy Molding Compound)などを加熱してプリント回路基板上に流動させ、硬化させて形成するモールディング材ではないため、モールディング材を形成する際に発生するボイド及びモールディング材とプリント回路基板との間の熱膨張係数の差によってプリント回路基板に発生する反りなどを考慮する必要がない。
【0077】
また、本発明の遮蔽層710は、コイル部品自体に配置されるものであるため、コイル部品をプリント回路基板に実装した後、EMIなどの遮蔽のためにプリント回路基板に結合されるシールド缶と区別される。例えば、本発明の遮蔽層710は、コイル部品自体に形成されるため、コイル部品が半田などによってプリント回路基板と結合されると、遮蔽層710も自然にプリント回路基板に固定されることができるが、シールド缶の場合は、コイル部品とは別にプリント回路基板に固定しなければならない。
【0078】
上記のことから、本実施形態によるコイル部品1000は、部品自体に遮蔽層710を形成することにより、コイル部品で発生する漏洩磁束をより効率的に遮断することができる。即ち、電子機器が薄型化し、高性能化するにつれて電子機器に含まれる電子部品の数が増加し、これに伴って、隣接する電子部品間の距離が減少するが、各コイル部品自体を遮蔽することにより、各コイル部品で発生する漏洩磁束をより効率的に遮断して、電子機器の薄型化及び高性能化により有利となる。さらに、本実施形態によるコイル部品1000は、シールド缶を用いる場合と比較して、遮蔽領域内の実効磁性体の量が増加するため、コイル部品の特性を向上させることができる。
【0079】
(第2実施形態)
図5は本発明の第2実施形態によるコイル部品を概略的に示す図である。
図6は
図5のIII−III'線に沿った断面を示す図である。
図7は
図5のIV−IV'線に沿った断面を示す図である。
【0080】
図1〜
図7を参照すると、本実施形態によるコイル部品2000は、本発明の第1実施形態によるコイル部品1000と比較して、遮蔽層710、720が異なる。したがって、本実施形態を説明するにあたっては、第1実施形態と異なる遮蔽層710、720についてのみ説明する。本実施形態の残りの構成は、本発明の第1実施形態における説明がそのまま適用されることができる。
【0081】
図5〜
図7を参照すると、本実施形態における遮蔽層710、720は、第1遮蔽層710と第2遮蔽層720を含む。第1遮蔽層710は導電体を含み、絶縁層600に配置されて開口部Oを充填することができる。第2遮蔽層720は磁性体を含み、第1遮蔽層710に配置される。即ち、本実施形態の場合、遮蔽層710、720は複数の層で形成されることができる。
【0082】
第2遮蔽層720は、第1遮蔽層710に接触するため、第2遮蔽層720に蓄積された電気エネルギーは、第1遮蔽層710、側面部510、及びパッド部520を介してプリント回路基板などのグランドに排出されることができる。
【0083】
一方、
図6及び
図7には、第1及び第2遮蔽層710、720がそれぞれ単層であることが示されているが、これは例示的なものであって、第1及び第2遮蔽層710、720の少なくとも一つは複数で形成されることができる。
【0084】
本実施形態の場合、導電体を含む第1遮蔽層710による反射遮蔽効果と、磁性体を含む第2遮蔽層720による吸収遮蔽効果をすべて有することができる。即ち、1MHz以下の低周波数帯域では、第2遮蔽層720で漏洩磁束を吸収遮蔽し、1MHzを超える高周波帯域では、第1遮蔽層710で漏洩磁束を反射遮蔽することができる。したがって、本実施形態によるコイル部品2000は、相対的に広い周波数帯域で漏洩磁束を遮蔽することができる。
【0085】
(第3実施形態)
図8は本発明の第3実施形態によるコイル部品を概略的に示す図である。
図9は
図8のV−V'線に沿った断面を示す図である。
【0086】
図1〜
図9を参照すると、本実施形態によるコイル部品3000は、本発明の第1及び第2実施形態によるコイル部品1000、2000と比較して、遮蔽層710が異なる。したがって、本実施形態を説明するにあたっては、第1及び第2実施形態と異なる遮蔽層710についてのみ説明する。本実施形態の残りの構成は、本発明の第1実施形態又は第2実施形態における説明がそのまま適用されることができる。
【0087】
図8及び
図9を参照すると、本実施形態に適用される遮蔽層710は、開口部Oの内壁と開口部Oに露出した側面部510に沿って形成されることができる。これにより、遮蔽層710には、開口部Oに対応する溝が形成されることができる。
【0088】
具体的に、本実施形態に適用される遮蔽層710の第3及び第4側壁部713、714は、開口部Oが形成された絶縁層600の形状に対応する形状を有するコンフォーマル(conformal)な膜で形成されることができる。
【0089】
(第4実施形態)
図10は本発明の第4実施形態によるコイル部品の断面を示す図であり、
図1のI−I'線に沿った断面に対応する図である。
図11は本発明の第4実施形態によるコイル部品の断面を示す図であり、
図1のII−II'線に沿った断面に対応する図である。
【0090】
図1〜
図11を参照すると、本実施形態によるコイル部品4000は、本発明の第1〜第3実施形態によるコイル部品1000、2000、3000と比較して、遮蔽層710、720が異なる。したがって、本実施形態を説明するにあたっては、第1〜第3実施形態と異なる遮蔽層710、720についてのみ説明する。本実施形態の残りの構成は、本発明の第1実施形態〜第3実施形態における説明がそのまま適用されることができる。
【0091】
図10及び
図11を参照すると、本実施形態における遮蔽層710、720は、第1遮蔽層710と第2遮蔽層720を含む。第1遮蔽層710は導電体を含み、絶縁層600に配置されて開口部Oを充填することができる。第2遮蔽層720は磁性体を含む。
【0092】
一方、本発明の第2実施形態とは異なり、本実施形態に適用される第2遮蔽層720は、本体100の第5面105上にのみ配置され、且つ第1遮蔽層710の内側に配置される。即ち、本実施形態の場合、第2遮蔽層720は、本体100の第5面105上で絶縁層600と第1遮蔽層710との間に介在される。
【0093】
第2遮蔽層720は、第1遮蔽層710に接触するため、第2遮蔽層720に蓄積された電気エネルギーは、第1遮蔽層710、側面部510、及びパッド部520を介してプリント回路基板などのグランドに排出されることができる。
【0094】
本実施形態の場合、磁性体を含む第2遮蔽層720を本体100の第5面105上にのみ配置することにより、コイル部200の配置形態による磁場の方向を考慮して比較的簡易且つ低コストで漏洩磁束を効率的に遮断することができる。
【0095】
(第5及び第6実施形態)
図12は本発明の第5実施形態によるコイル部品の断面を示す図であり、
図1のI−I'線に沿った断面に対応する図である。
図13は本発明の第6実施形態によるコイル部品の断面を示す図であり、
図1のI−I'線に沿った断面に対応する図である。
【0096】
図1〜
図13を参照すると、本発明の第5及び第6実施形態によるコイル部品5000、6000は、本発明の第1〜第4実施形態によるコイル部品1000、2000、3000、4000と比較して、キャップ部715と側壁部711、712、713、714が異なる。したがって、本実施形態を説明するにあたっては、本発明の第1〜第4実施形態と異なるキャップ部715と側壁部711、712、713、714についてのみ説明する。本実施形態の残りの構成は、本発明の第1〜第4実施形態における説明がそのまま適用されることができる。
【0097】
図12を参照すると、本発明の第5実施形態におけるキャップ部715は、中央部の厚さT
1が外側部の厚さT
2よりも厚く形成される。これに対して具体的に説明する。
【0098】
本実施形態のコイル部200を構成する各コイルパターン211、212は、内部絶縁層ILの両面において、それぞれ内部絶縁層ILの中央から内部絶縁層ILの外側に複数のターンを形成し、各コイルパターン211、212は、本体100の厚さ方向Tに積層されてビア220によって連結される。その結果、本実施形態によるコイル部品5000は、本体100の厚さ方向Tに垂直な本体100の長さ方向L−幅方向Wの平面の中央部における磁束密度が最も高い。したがって、本実施形態の場合、本体100の長さ方向L−幅方向Wの平面と実質的に平行な本体100の第5面に配置されたキャップ部715を形成するにあたって、本体100の長さ方向L−幅方向Wの平面における磁束密度分布を考慮して、キャップ部715の中央部の厚さT
1を外側部の厚さT
2よりも厚く形成する。
【0099】
図13を参照すると、本発明の第6実施形態におけるキャップ部715の厚さT
3は、側壁部711、712、713、714の厚さT
4よりも厚く形成されることができる。即ち、上述の本体100の長さ方向L−幅方向Wの平面における磁束密度を考慮して、側壁部711、712、713、714の厚さT
4をキャップ部715の厚さT
3よりも薄く形成する。
【0100】
これにより、本発明の第5及び第6実施形態によるコイル部品5000、6000は、コイル部200が形成する磁束の方向を考慮して効率的に漏洩磁束を低減することができる。
【0101】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、又は削除などにより本発明を多様に修正及び変更させることができ、これも本発明の権利範囲内に含まれるといえる。
絶縁樹脂及び前記絶縁樹脂に分散された金属磁性粉末を含み、一方向に互いに向かい合う一面と他面、前記一面と他面とを連結し、互いに向かい合う両側面、及び前記両側面を互いに連結し、互いに向かい合う両端面を有する本体と、
前記本体に埋設された内部絶縁層と、
前記内部絶縁層に配置されたコイル部と、
前記本体の一面に離隔配置された第1外部電極及び第2外部電極と、
前記本体の一面に前記第1外部電極及び前記第2外部電極と離隔するように配置され、前記本体の両側面の少なくとも一部に延長された第3外部電極と、
前記本体の他面、前記本体の両側面、及び前記本体の両端面を覆い、前記第3外部電極のうち、前記本体の両側面の少なくとも一部に延長された領域を露出させる開口部が形成された絶縁層と、
前記絶縁層の少なくとも一部を覆って形成され、前記本体の他面、前記本体の両側面、及び前記本体の両端面を覆い、前記第3外部電極の延長された領域と連結される遮蔽層と、
を含む、コイル部品。