特開2020-43393(P2020-43393A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2020-43393骨振動体感装置及びそれを使用する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-43393(P2020-43393A)
(43)【公開日】2020年3月19日
(54)【発明の名称】骨振動体感装置及びそれを使用する方法
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/00 20060101AFI20200225BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20200225BHJP
【FI】
   H04R1/00 310G
   H04R3/00 310
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2018-167107(P2018-167107)
(22)【出願日】2018年9月6日
(11)【特許番号】特許第6604669号(P6604669)
(45)【特許公報発行日】2019年11月13日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 株式会社七沢研究所は、平成30年7月14日〜15日のロゴフェス・イン・カフフにおいて、七沢賢治らが発明した骨振動体感装置を公開し、その後、会場で希望者に限定台数モニタ販売を行った。また、株式会社七沢研究所は、平成30年8月10日に、d.M LaboのウェブサイトのWeekly Report 010にて、七沢賢治らが発明した骨振動体感装置に関連する「無重力感覚振動装置」を公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】518356844
【氏名又は名称】neten株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】七沢 賢治
(72)【発明者】
【氏名】七沢 智樹
(72)【発明者】
【氏名】畑野 嶺
【テーマコード(参考)】
5D017
5D220
【Fターム(参考)】
5D017AA13
5D220AA50
(57)【要約】
【課題】特定低周波数を人体にできるだけ正確に伝達する。
【解決手段】電気信号を発生する電気信号発生装置と、電気信号発生装置からの電気信号を増幅させる増幅器と、増幅器から送信される電気信号を機械的な振動に変換する振動発生装置と、振動発生装置の振動発生部が直接連結され、かつ人体が接触する座面部2a及び座面部2aに連続する側面部2bを有する金属製の振動部材2と、座面部2aの裏側に配置され、振動発生装置を覆うと共に、載置面に載置されて振動エネルギーを載置面に伝達するのを抑制するように座面部2aを載置面から浮かせた状態に支持する座面支持部材4とを設け、座面部2aに触れた人体から振動が伝達されるようにする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気信号を発生する電気信号発生装置と、
上記電気信号発生装置からの上記電気信号を増幅させる増幅器と、
上記増幅器から送信される上記電気信号を機械的な振動に変換する振動発生装置と、
上記振動発生装置の振動発生部が直接連結され、かつ人体が接触する座面部及び該座面部に連続する側面部を有する金属製の振動部材と、
上記座面部の裏側に配置され、上記振動発生装置を覆うと共に、載置面に載置されて振動エネルギーを上記載置面に伝達するのを抑制するように上記座面部を該載置面から浮かせた状態に支持する座面支持部材とを備えており、
上記座面部に触れた人体から振動が伝達されるように構成されている
ことを特徴とする体感振動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の体感振動装置において、
上記振動部材は、金属板で構成され、
上記座面支持部材は、クッション材で構成され、上記振動発生装置を収容する収容凹部が形成され、
上記クッション材は、上記振動部材の側面部によって側面の少なくとも一部が覆われると共に、上記載置面側の全周は、露出している
ことを特徴とする体感振動装置。
【請求項3】
請求項2に記載の体感振動装置において、
上記クッション材は、上記振動部材に上記側面の少なくとも一部が圧縮された状態で挿入されている
ことを特徴とする体感振動装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の体感振動装置において、
上記電気信号発生装置から言語周波数をもとにした疎密波よりなる特定低周波数が発信されるように構成されている
ことを特徴とする体感振動装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の体感振動装置において、
上記振動部材は、矩形状の座面部を有し、複数の上記体感振動装置を並べ、それぞれに設けられた上記体感振動装置に上記電気信号を送信するように構成されている
ことを特徴とする体感振動装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の体感振動装置を使用する方法において、
上記座面部に座った状態で、尾てい骨から骨振動を全身に伝達させる
ことを特徴とする体感振動装置の使用方法。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1つに記載の体感振動装置を使用する方法において、
上記体感振動装置を作動させた状態で、該体感振動装置から所定距離離れた位置に載置した対象物を眺める
ことを特徴とする体感振動装置の使用方法。
【請求項8】
請求項4に記載の体感振動装置を使用する方法において、
上記増幅器において、上記電気信号発生装置より発信される特定低周波数と、他の電気信号発生装置より発信される電気信号とを組み合わせて増幅信号を発信する
ことを特徴とする体感振動装置の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体から振動を伝達させる体感振動装置及びそれを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電気音響信号を機械振動に変換する電気・機械振動変換器とスピーカとを有するスピーカシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このスピーカシステムは、車室内の床に載置され、乗員が足を載せることで、特に重低音が骨伝導として聴感機能に達するようにしている。また、例えば、特許文献2のように、身体に当接させるバッグに、可聴域の音声を電気変換した音声信号に対しほぼ音声信号の波形に沿う振動を発生する電気・機械振動変換器を、この電気・機械振動変換器の振動面を身体に対向するバッグ表面に沿って内蔵すると共に、電気・機械振動変換器に音声信号の入力端を設け、バッグに身体にほぼ密着して装着するためのベルトを取付けた簡易装着型体感振動装置が知られている。これらは、いずれも可聴域の音声を体感できるようにしている。
【0003】
また例えば、特許文献3のように、熱可塑性樹脂の中空連続線条のランダムなループ又はカールの隣接する中空線条相互を接触絡合集合してなる所定の嵩密度の空隙を備える三次元構造体であって、この三次元構造体の嵩密度の低い内層を介装して、長手方向表裏に、嵩密度の高い表面層を形成してなるスプリング構造樹脂本体と、このスプリング構造樹脂本体を人体の上半身の背面が当る背面領域を備える家具又は座席と、このスプリング構造樹脂本体に内蔵するか、又は裏面領域に取り付けられ、人体の上半身に向かって前記スプリング構造樹脂本体を介して音を供給し、少なくとも、高音用スピーカと、低音用スピーカと、を有する複数のスピーカとを備える骨伝導音響システムが知られている。この音響システムでは、こうしたスプリング構造樹脂本体の固い表面層に歪みのない音の波動を共振させ、スプリング構造樹脂本体そのものをスピーカの一部として一体的に作用させている。
【0004】
また、特許文献4のように、上面にバッフル板を有するベッド本体と、バッフル板に設けられるサウンドホールと、バッフル板を挟んでサウンドホールの下側かつベッド本体の内側に設けられるスピーカとを備え、音響療法に必要な音波と振動波を確実に人体へ伝達し、治療効果を高めた音響療法用ベッドが知られている。
【0005】
なお、特許文献5のように、約16Hz〜150Hzの範囲内の周波数帯域で主として音域C0 〜D3 に相当する体感振動信号の振動の強弱、長短、周波数、波形及び重なりを、音楽作曲上の規則に基づき時系列に組み合わせ、体感振動単独で音楽のように表現できるものを、体感振動として人体に伝える電気・機械振動変換器を備える体感振動装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭61−189689号公報
【特許文献2】特開平7−245793号公報
【特許文献3】特開2005−223630号公報
【特許文献4】特開2011−160869号公報
【特許文献5】特許第3341238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、電気・機械振動変換器を利用した体感振動装置は、すでに広く知られている。特に本出願人による特許文献4の音響療法用ベッドは、ボーンコンダクション理論及び生体音響効果を利用したものであるが、特定の周波数を生体(人体)に伝える方法として、さらにその正確さを向上させたいというニーズがある。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特定の周波数を人体にできるだけ正確に伝達することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、この発明では、人体が接触する金属製の振動部材を振動発生装置で振動させるようにした。
【0010】
具体的には、第1の発明の体感振動装置は、電気信号を発生する電気信号発生装置と、
上記電気信号発生装置からの上記電気信号を増幅させる増幅器と、
上記増幅器から送信される上記電気信号を機械的な振動に変換する振動発生装置と、
上記振動発生装置の振動発生部が直接連結され、かつ人体が接触する座面部及び該座面部に連続する側面部を有する金属製の振動部材と、
上記座面部の裏側に配置され、上記振動発生装置を覆うと共に、載置面に載置されて上記座面部を該載置面から浮かせた状態に支持する座面支持部材とを備えている。これにより、上記座面部に触れた人体から振動が伝達されるようにしている。
【0011】
上記の構成によると、振動エネルギーが載置面に伝達されるのを抑制するように座面支持部材により載置面から浮かせたフリーの状態で支持された金属製の振動部材の座面部を振動発生装置により振動させ、骨伝導により人体を直接振動させることで、後述する特定低周波数などの電気信号を中枢神経や脳に極めて正確に伝達することができる。なお、座面部には、人体が直接触れるのが望ましいが、クッションなどを挟んで人体が触れるようにしてもよい。当然ながら衣服等を介して座面部に人体が触れてもよい。
【0012】
第2の発明では、第1の発明において、
上記振動部材は、金属板で構成され、
上記座面支持部材は、クッション材で構成され、上記振動発生装置を収容する収容凹部が形成され、
上記クッション材は、上記振動部材の側面部によって側面の少なくとも一部が覆われると共に、上記載置面側の全周は、露出している。
【0013】
上記の構成によると、振動部材の側面部によって座面支持部材の少なくとも一部を覆うことで、座面支持部材が振動部材から外れ難くなり、また、座面支持部材における載置面側の全周を露出させることにより、人が座面部に載ったときに振動部材の側面部が載置面に接触することがないので、振動発生装置からの振動にノイズ等が混じることなく、効果的に振動が人体に伝達される。
【0014】
第3の発明では、第2の発明において、
上記クッション材は、上記振動部材に上記側面の少なくとも一部が圧縮された状態で挿入されている。
【0015】
上記の構成によると、座面支持部材を接着等ではなく、圧縮した状態で振動部材に挿入することで、組付及び修理が容易となる。
【0016】
第4の発明では、第1から第3のいずれか1つの発明において、
上記電気信号発生装置から言語周波数をもとにした疎密波よりなる特定低周波数が発信されるように構成されている。
【0017】
ここで、「特定低周波数」の基本周波数は、例えば、6〜50Hzの疎密波よりなり、6Hz以上200Hz以下の低周波数レンジのものである。この特定低周波数は、耳で聴くというよりも体で体感する振動により効果的に伝達される。
【0018】
上記の構成によると、単なる物理的振動ではなく、上記特定低周波数を、皮膚振動や骨振動として、よりダイレクトに人体、すなわち脳に伝達させることができる。それにより、心身の健康や意識進化が達成される。
【0019】
第5の発明では、第1から第4のいずれか1つの発明において、
上記振動部材は、矩形状の座面部を有し、複数の上記体感振動装置を並べ、それぞれに設けられた上記体感振動装置に上記電気信号を送信するように構成されている。
【0020】
上記の構成によると、複数の体感振動装置を並べることで、それらの上に横たわることができる。それにより、人体全体から振動を伝えることができる。例えば、人間の皮膚の触圧を感知するSAI(メルケル細胞)を通じて振動を伝える。これにより、よりリラックスした姿勢で振動の伝達を行える。
【0021】
第6の発明では、第1から第5のいずれか1つの発明の体感振動装置の使用方法において、
上記座面部に座った状態で、尾てい骨から骨振動を全身に伝達させる構成とする。
【0022】
上記の構成によると、金属製の座面部から振動が正確かつ効果的に尾てい骨を介して骨振動が全身に伝達される。
【0023】
第7の発明では、第1から第5のいずれか1つの発明の体感振動装置の使用方法において、
上記体感振動装置を作動させた状態で、該体感振動装置から所定距離離れた位置に載置した対象物を眺める構成とする。
【0024】
上記の構成によると、体感振動装置から所定距離離れた位置に載置した対象物を眺めることにより、例えば、日本古来の瞑想を最新のデジタルテクノロジーによって進化させた、いわゆるデジタルメディテーションと呼ばれる瞑想を効果的に行うことができる。つまり、人の体、意識に最適な周波数をダイレクトに伝えることにより、より深いメディテーションの境地へと誘導される。
【0025】
第8の発明では、第4の発明の体感振動装置の使用方法において、
上記増幅器において、上記電気信号発生装置より発信される特定低周波数と、他の電気信号発生装置より発信される電気信号とを組み合わせて増幅信号を発信する構成とする。
【0026】
上記の構成によると、好みの音楽に特定低周波数を乗せることにより、特定低周波数の働きを高めることで、癒しの時間を楽しむことができる。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、本発明によれば、座面支持部材により載置面から浮かせたフリーの状態で支持された金属製の振動部材の座面部を振動発生装置により振動させ、骨伝導により人体を直接振動させることにより、特定低周波数を人体にできるだけ正確に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施形態1に係る体感振動装置を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態1に係る体感振動装置を示す平面図である。
図3】本発明の実施形態1に係る体感振動装置を示す側面図である。
図4】本発明の実施形態1に係る体感振動装置を示す底面図である。
図5】本発明の実施形態1に係る体感振動装置の全体構成を示す図である。
図6A】本発明の実施形態1に係る、クッション材を外した状態の体感振動装置を示す底面図である。
図6B】実施形態1に係るクッション材を示す平面図である。
図6C図6AのVIC−VIC線拡大断面図である。
図7】本発明の実施形態2に係る体感振動装置を示す斜視図である。
図8】本発明の実施形態2に係る体感振動装置を示す側面図である。
図9】本発明の実施形態2に係る体感振動装置を示す正面図である。
図10】本発明の実施形態2に係る体感振動装置を3つ並べた状態を示す平面図である。
図11】本発明の実施形態2に係る、クッション材を外した状態の体感振動装置を示す底面図である。
図12】本発明の実施形態2に係る体感振動装置の全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
(実施形態1)
−体感振動装置の構成−
図1図4は本発明の実施形態1の体感振動装置1を示し、この体感振動装置1は、人体が接触する円板状の座面部2aと、この座面部2aに連続する側面部2bを有する金属製の振動部材2を備えている。本実施形態では、座面部2aは、例えば、直径600mm、厚さ2mm程度のステンレス鋼板よりなるが、材質やその大きさは特に制限されない。側面部2bは、例えば厚さ2mm、高さ60mm程度のステンレス鋼板よりなる。側面部2bは、溶接等により座面部2aに固定してもよいし、座面部2aに一体成型されていてもよい。このステンレス鋼板には、後述するハーネス6を避けるために例えば直径20mm程度の半円状の切欠2cが設けられているが、これは必ずしも設けられていなくてもよい。また、側面部2bの載置面3側には、端部保護のために断面U字状のゴム部材2dが嵌められているが、これも必ずしもなくてもよい。振動部材2は、後述する実施形態2のように純チタンの薄板で構成されていてもよい。
【0031】
図6Aにも示すように、座面部2aの裏面には、例えば、4つの振動発生装置5が固定されている。この振動発生装置5は、例えば、16〜15,000Hzの周波数帯域を再生可能な高性能バイブロトランデューサよりなり、図6Cにも示すように、例えば、肉厚3mm程度の略矩形状のアルミ板よりなるベースプレート7に4つのキリ孔7aを設け、このキリ孔7aにそれぞれ皿ネジ8を挿入した状態で座面部2aの裏面に接着剤等により固定している。なお、このベースプレート7の材質、厚さ、形状等は特に限定されず、このベースプレート7を使わずに、座面部2aに直接キリ孔を空けて皿ネジ8とナット9とで振動発生装置5を固定してもよい。このように、振動発生装置5の振動発生部5aが、座面部2aの裏面に直接連結されている。この振動発生装置5は、増幅器10に接続されるハーネス6を備えている。各振動発生装置5のハーネス6が束ねられ、切欠2cを通って増幅器10に接続されている。
【0032】
そして、座面部2aの裏側には、振動発生装置5を覆うと共に、建物の床などの載置面3に載置されて座面部2aを載置面3から浮かせた状態に支持する座面支持部材4が挿入されている。この座面支持部材4により、座面部2aに触れた人体から振動が伝達されるようになっている。図6Bに示すように、座面支持部材4は、例えば、熱可塑性ポリエステル系エラストマーを繊維状にして複雑に組み合わせた三次元スプリング構造体よりなるクッション材で構成されており、載置面3側には、振動発生装置5を収容する例えば十字状の収容凹部4aが形成されている。図1及び図2に示すように、座面支持部材4は、振動部材2の側面部2bによって上側側面が覆われると共に、載置面3側の全周は、露出している。座面支持部材4は、振動部材2に側面の少なくとも一部が圧縮された状態で挿入されている。例えば、振動部材2の内径が596mmの場合、座面支持部材4の外径をこれよりも若干大きくする(例えば外径600mm)ことで、座面支持部材4が多少変形した状態で振動部材2の内面に嵌め込まれている。このため、座面支持部材4は、接着等により完全に固定されていないが、振動部材2から引っ張る等により力を加えない限り外れないようになっている。振動部材2は、三次元スプリング構造体から切削により外形及び収容凹部4aを成形してもよいし、金型等を用いて一体成型してもよい。座面支持部材4の高さは、例えば80mmとし、人が座面部2aに座ったときに側面部2bが載置面3に触れない程度の高さ及び硬さを有している。
【0033】
図5に示すように、増幅器10は、AC100Vなどの電源11と、電気信号を発生する電気信号発生装置12とに接続され、電気信号発生装置12からの電気信号を増幅させる役割を果たす。この増幅器10から送信される電気信号が、振動発生装置5によって機械的な振動に変換されるようになっている。
【0034】
本実施形態では、例えば、電気信号発生装置12から例えば言語周波数をもとにした疎密波よりなる特定低周波数が発信されるように構成されている。ここで、「特定低周波数」の基本周波数は、世界中の言語を周波数化したものであり、例えば、6〜50Hzの疎密波よりなる。一例として、母音(a,i,u,e,o)と子音(T、K、M、H、R、N、Y、S、W等)の組み合わせから言語の一音が発生することを利用し、周波数化する。母音の周波数の平均値は、地球の固有振動数であるシューマンウェーブの値である7.83Hzと近似している。そして、脳波とシューマンウェーブとは、共鳴関係にある。このようなことから、特定低周波数は、耳で聴くというよりも体で体感する振動によりさらに効果的に伝達されることがわかってきた。
【0035】
本実施形態の体感振動装置1による振動は、例えば、周波数レンジが約6〜200Hzで連続パルスによる刺激となっている。なお、この特定低周波数は、およそ6Hz以上200Hz以下の低周波数レンジのものであれば、上記言語周波数をもとにした疎密波に限定されない。
【0036】
なお、この増幅器10において、電気信号発生装置12より発信される特定低周波数と、他のCDプレーヤーなどの電気信号発生装置12より発信される電気信号とを組み合わせて増幅信号を発信するようにしてもよい。また、特定低周波数を含まない、好みのCD等を利用して電気信号発生装置12から電気信号を発信させるようにしてもよい。
【0037】
−体感振動装置の使用方法−
次に、本実施形態に係る体感振動装置1の使用方法について説明する。
【0038】
まず、上述した体感振動装置1を電源11に繋ぎ、電気信号発生装置12より、特定低周波数等の電気信号を発生させ、増幅器10で増幅した電気信号を振動発生装置5に発信する。
【0039】
その状態で、座面部2aに座った状態で、尾てい骨から上記電気信号に対応した振動発生装置5による骨振動を全身に伝達させる。すると、金属製の座面部2aから振動が正確かつ効果的に尾てい骨を介して骨振動が全身に伝達される。また、この刺激(振動)及びそこに含まれる情報がメルケル細胞を通して中枢神経に運ばれ、脳や意識に何らかの影響を与える。なお、特許文献4のようなハニカムシリコンマットを座面部2aの上に載置してその上から座るようにしてもよい。そうすれば、ハニカムシリコンマットの振動が、皮膚にとっては連続して凸凹が入れ替わっている状態として感知され、連続した微細な周波数を皮膚に伝えることができる。
【0040】
この体感振動装置1を作動させた状態で、例えば、体感振動装置1から所定距離離れた位置に載置した対象物を眺めた状態で瞑想してもよい。対象物としては、図示しないが、例えば、檜などの木材で構成した台に載置した黒曜石が適している。また、液晶画面に、この黒曜石に対応する画像を表示したスマートフォンなどでもよい。色の三原色では、同じ割合で三色を混ぜると黒になることから、黒曜石の黒とはすべてを包括する色であるのと同時に、すべての可能性を秘めた根源の色ということができる。この黒曜石に象徴されるゼロポイントを、すべてを生み出す創造の起点と捉えて瞑想を行う。例えば、左右の目で、空間全体と一体化した黒曜石を見ることで、黒曜石の情報が視交叉を経由して、各階層の視覚野で処理され、脳内で黒曜石の映像が統合される。このとき、メビウスの輪の流れにより、左右の脳が同調し、情報が循環することで、右脳と左脳が振動し、共鳴していくと考えられる。このように、黒曜石と意識を同調させることで、「すべての情報が畳み込まれている創造の起点」としてのゼロの概念と脳内の情報の同調に繋がり、その結果、様々なアイデアが浮かび、創造性が高まるという効果が得られる。このように、本実施形態の体感振動装置1によると、日本古来の瞑想を最新のデジタルテクノロジーによって進化させた、いわゆるデジタルメディテーションと呼ばれる瞑想を効果的に行うことができる。つまり、人の体や意識に最適な周波数をダイレクトに伝えることにより、より深いメディテーションの境地へと誘導される。例えば、複数の振動発生装置5を黒曜石を中心に円弧状に並べて複数人で同時にデジタルメディテーションを行えば、さらに効果的に瞑想を行うことができる。
【0041】
上述したように、増幅器10において、特定低周波数と、CDプレーヤーやスマートフォンなどから発信される電気信号とを組み合わせて増幅信号を発信するようにしてもよい。こうすれば、好みの音楽に特定低周波数を乗せることにより、特定低周波数の働きを高めることで、癒しの時間を楽しむことができる。
【0042】
本実施形態では、単なる物理的振動ではなく、特定低周波数を、皮膚振動や骨振動として、よりダイレクトに人体、すなわち脳に伝達させることができる。それにより、心身の健康や意識進化が達成される。座面部2aが直接肌に触れることにより、特定低周波数による刺激(振動)並びに、そこに含まれる情報が、このメルケル細胞を通して中枢神経に運ばれ、脳や意識に何らかの影響を与えているという解釈が可能である。
【0043】
以上説明したように、本実施形態では、振動部材2の側面部2bによって座面支持部材4の少なくとも一部を覆うことで、見映えがよくなると共に、座面支持部材4が振動部材2から外れ難くなっている。また、座面支持部材4における載置面3側の全周を露出させることにより、人が座面部2aに載ったときに振動部材2の側面部2bが載置面3に接触するのが抑制されるので、振動発生装置5からの振動にノイズ等が入ることなく、効果的に人体に伝達される。
【0044】
また、振動エネルギーが床などの載置面3に伝達されるのを抑制するように座面支持部材4により載置面3から浮かせたフリーの状態で支持された金属製の振動部材2の座面部2aを振動発生装置5により振動させ、骨伝導等により人体を直接振動させることで、特定低周波数などの電気信号を中枢神経や脳に極めて正確に伝達することができる。
【0045】
本実施形態では、座面支持部材4を接着等ではなく、圧縮した状態で振動部材2に挿入しているので、振動発生装置5の組付及び修理が容易となる。
【0046】
したがって、本実施形態に係る体感振動装置1によると、座面支持部材4により載置面3から浮かせたフリーの状態で支持された金属製の振動部材2の座面部2aを振動発生装置5により振動させ、骨伝導により人体を直接振動させることにより、特定低周波数を人体にできるだけ正確に伝達することができる。
【0047】
(実施形態2)
−体感振動装置の構成−
図7図9は本発明の実施形態2に係る体感振動装置101を示し、主に振動部材102、座面支持部材104等の形状及び振動発生装置5の個数が異なる点で実施形態1と異なる。なお、以下の各実施形態では、図1図6Cと同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0048】
本実施形態の振動部材102は、例えば矩形板状の座面部102aと、この座面部102aの対向する二辺に連続し、略90°折り曲げられた側面部102bと有する。例えば、振動部材102として、一辺が600mmの正方形の側面部102bのものを使用する。なお、側面部102bは、上記実施形態1のように全周に連続するように設けてもよい。本実施形態の振動部材102は、例えば、酸化チタンの酸化膜による結晶加飾加工を施した純チタンの板部材が用いられる。この板部材を折り曲げて成形すればよいので、製造が容易な上、見映えが極めてよく、さらには光抗菌作用などの商品価値を向上させる効果も得られる。
【0049】
本実施形態では、矩形状の座面部102aの裏面に上記実施形態1と同様の方法で、例えば図11に示すように、1つの振動発生装置5が座面部102aの中央部に固定されている。例えば、座面部102aに設けたキリ孔に皿ネジ8を挿通して裏面側に振動発生装置5がナット9等によって締結されている。なお、この振動発生装置5の個数やその固定位置、固定方法は特に限定されず、上記実施形態1と同様の固定方法を用いてもよい。
【0050】
本実施形態の座面支持部材104は、振動部材102の形状に合わせた矩形板状のものよりなり、座面部102aの外形と同じか若干大きい外形を有し、上記実施形態1と同様に振動発生装置5の位置に矩形状の収容凹部104aが凹陥されている。例えば、側面部102bの高さが40mm程度の場合、50mm程度の座面支持部材104を使用し、この座面支持部材104は、人が座面部102aに座ったときに側面部102bが載置面3に触れない程度の高さ及び硬さを有している。
【0051】
本実施形態の体感振動装置101は、図10に示すように、例えば3つ直線状に並べられてベッド状に配置することができるようになっている。
【0052】
そして、図12に示すように、それぞれの振動発生装置5に上記実施形態1と同様に増幅器10から例えば特定低周波数を含む電気信号が送られるようになっている。
【0053】
−体感振動装置の使用方法−
次に、本実施形態に係る体感振動装置101の使用方法について説明する。
【0054】
まず、図10に示すように、振動部材102の側面部102bが設けられていない部分同士が対向するように、3つの体感振動装置101を並べ、図12に示すように各機器を接続して作動させ、それぞれに設けられた振動発生装置5に電気信号を送信する。電気信号の送信の方法は、上記実施形態1と同様である。
【0055】
このように、複数の体感振動装置101を複数直線状に並べることで、それらの上に横たわることができる。それにより、人体全体から振動を伝えることができる。例えば、人間の皮膚の触圧を感知するメルケル細胞を通じて振動を伝えることもできる。これにより、よりリラックスした姿勢で振動の伝達を行える。
【0056】
また、振動部材102の側面部102bが設けられていない部分が対向するように体感振動装置101を並べることで、隣り合う振動部材102が互いに接触することなく、それぞれの体感振動装置101から効果的に振動が人体に伝達される。
【0057】
したがって、本実施形態に係る体感振動装置101においても、特定低周波数を人体にできるだけ正確に伝達することができる。
【0058】
なお、本実施形態の体感振動装置101は、3つ並べるのではなく、間隔を空けて並べてそれぞれの座面部102aに人が座るようにしてもよい。
【0059】
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0060】
すなわち、上記各実施形態では、座面支持部材4は、熱可塑性ポリエステル系エラストマーを繊維状にして複雑に組み合わせた三次元スプリング構造体よりなるクッション材で構成したが、これに限定されず、三次元スプリング構造体に補強材を一体に埋め込んだり、載置面側の密度を高くしたりしてもよい。また、ウレタンなど適度な硬さ及び弾性を有する別材料を使用し、載置面3に載置されたときに振動エネルギーを載置面3に伝達するのを抑制するように座面部2aを載置面3から浮かせた状態に支持できるようにしてもよい。
【0061】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【符号の説明】
【0062】
1 体感振動装置
2 振動部材
2a 座面部
2b 側面部
2c 切欠
2d ゴム部材
3 載置面
4 座面支持部材
4a 収容凹部
5 振動発生装置
5a 振動発生部
6 ハーネス
7 ベースプレート
7a キリ孔
8 皿ネジ
9 ナット
10 増幅器
11 電源
12 電気信号発生装置
101 体感振動装置
102 振動部材
102a 座面部
102b 側面部
104 座面支持部材
104a 収容凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2018年9月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体から振動を伝達させる骨振動体感装置及びそれを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電気音響信号を機械振動に変換する電気・機械振動変換器とスピーカとを有するスピーカシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このスピーカシステムは、車室内の床に載置され、乗員が足を載せることで、特に重低音が骨伝導として聴感機能に達するようにしている。また、例えば、特許文献2のように、身体に当接させるバッグに、可聴域の音声を電気変換した音声信号に対しほぼ音声信号の波形に沿う振動を発生する電気・機械振動変換器を、この電気・機械振動変換器の振動面を身体に対向するバッグ表面に沿って内蔵すると共に、電気・機械振動変換器に音声信号の入力端を設け、バッグに身体にほぼ密着して装着するためのベルトを取付けた簡易装着型体感振動装置が知られている。これらは、いずれも可聴域の音声を体感できるようにしている。
【0003】
また例えば、特許文献3のように、熱可塑性樹脂の中空連続線条のランダムなループ又はカールの隣接する中空線条相互を接触絡合集合してなる所定の嵩密度の空隙を備える三次元構造体であって、この三次元構造体の嵩密度の低い内層を介装して、長手方向表裏に、嵩密度の高い表面層を形成してなるスプリング構造樹脂本体と、このスプリング構造樹脂本体を人体の上半身の背面が当る背面領域を備える家具又は座席と、このスプリング構造樹脂本体に内蔵するか、又は裏面領域に取り付けられ、人体の上半身に向かって前記スプリング構造樹脂本体を介して音を供給し、少なくとも、高音用スピーカと、低音用スピーカと、を有する複数のスピーカとを備える骨伝導音響システムが知られている。この音響システムでは、こうしたスプリング構造樹脂本体の固い表面層に歪みのない音の波動を共振させ、スプリング構造樹脂本体そのものをスピーカの一部として一体的に作用させている。
【0004】
また、特許文献4のように、上面にバッフル板を有するベッド本体と、バッフル板に設けられるサウンドホールと、バッフル板を挟んでサウンドホールの下側かつベッド本体の内側に設けられるスピーカとを備え、音響療法に必要な音波と振動波を確実に人体へ伝達し、治療効果を高めた音響療法用ベッドが知られている。
【0005】
なお、特許文献5のように、約16Hz〜150Hzの範囲内の周波数帯域で主として音域C0 〜D3 に相当する体感振動信号の振動の強弱、長短、周波数、波形及び重なりを、音楽作曲上の規則に基づき時系列に組み合わせ、体感振動単独で音楽のように表現できるものを、体感振動として人体に伝える電気・機械振動変換器を備える体感振動装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭61−189689号公報
【特許文献2】特開平7−245793号公報
【特許文献3】特開2005−223630号公報
【特許文献4】特開2011−160869号公報
【特許文献5】特許第3341238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、電気・機械振動変換器を利用した体感振動装置は、すでに広く知られている。特に本出願人による特許文献4の音響療法用ベッドは、ボーンコンダクション理論及び生体音響効果を利用したものであるが、特定の周波数を生体(人体)に伝える方法として、さらにその正確さを向上させたいというニーズがある。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特定の周波数を人体にできるだけ正確に伝達することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、この発明では、人体が接触する金属製の振動部材を振動発生装置で振動させるようにした。
【0010】
具体的には、第1の発明の骨振動体感装置は、電気信号を発生する電気信号発生装置と、
上記電気信号発生装置からの上記電気信号を増幅させる増幅器と、
上記増幅器から送信される上記電気信号を機械的な振動に変換する振動発生装置と、
上記振動発生装置の振動発生部が直接連結され、かつ人体が接触する座面部及び該座面部に連続する側面部を有する金属製の振動部材と、
上記座面部の裏側に配置され、上記振動発生装置を覆うと共に、載置面に載置されて上記座面部を該載置面から浮かせた状態に支持する座面支持部材とを備えている。これにより、上記座面部に触れた人体から振動が伝達されるようにしている。
【0011】
上記の構成によると、振動エネルギーが載置面に伝達されるのを抑制するように座面支持部材により載置面から浮かせたフリーの状態で支持された金属製の振動部材の座面部を振動発生装置により振動させ、骨伝導により人体を直接振動させることで、後述する特定低周波数などの電気信号を中枢神経や脳に極めて正確に伝達することができる。なお、座面部には、人体が直接触れるのが望ましいが、クッションなどを挟んで人体が触れるようにしてもよい。当然ながら衣服等を介して座面部に人体が触れてもよい。
【0012】
第2の発明では、第1の発明において、
上記振動部材は、金属板で構成され、
上記座面支持部材は、クッション材で構成され、上記振動発生装置を収容する収容凹部が形成され、
上記クッション材は、上記振動部材の側面部によって側面の少なくとも一部が覆われると共に、上記載置面側の全周は、露出している。
【0013】
上記の構成によると、振動部材の側面部によって座面支持部材の少なくとも一部を覆うことで、座面支持部材が振動部材から外れ難くなり、また、座面支持部材における載置面側の全周を露出させることにより、人が座面部に載ったときに振動部材の側面部が載置面に接触することがないので、振動発生装置からの振動にノイズ等が混じることなく、効果的に振動が人体に伝達される。
【0014】
第3の発明では、第2の発明において、
上記クッション材は、上記振動部材に上記側面の少なくとも一部が圧縮された状態で挿入されている。
【0015】
上記の構成によると、座面支持部材を接着等ではなく、圧縮した状態で振動部材に挿入することで、組付及び修理が容易となる。
【0016】
第4の発明では、第1から第3のいずれか1つの発明において、
上記電気信号発生装置から言語周波数をもとにした疎密波よりなる特定低周波数が発信されるように構成されている。
【0017】
ここで、「特定低周波数」の基本周波数は、例えば、6〜50Hzの疎密波よりなり、6Hz以上200Hz以下の低周波数レンジのものである。この特定低周波数は、耳で聴くというよりも体で体感する振動により効果的に伝達される。
【0018】
上記の構成によると、単なる物理的振動ではなく、上記特定低周波数を、皮膚振動や骨振動として、よりダイレクトに人体、すなわち脳に伝達させることができる。それにより、心身の健康や意識進化が達成される。
【0019】
第5の発明では、第1から第4のいずれか1つの発明において、
上記振動部材は、矩形状の座面部を有し、複数の上記骨振動体感装置を並べ、それぞれに設けられた上記骨振動体感装置に上記電気信号を送信するように構成されている。
【0020】
上記の構成によると、複数の骨振動体感装置を並べることで、それらの上に横たわることができる。それにより、人体全体から振動を伝えることができる。例えば、人間の皮膚の触圧を感知するSAI(メルケル細胞)を通じて振動を伝える。これにより、よりリラックスした姿勢で振動の伝達を行える。
【0021】
第6の発明では、第1から第5のいずれか1つの発明の骨振動体感装置の使用方法において、
上記座面部に座った状態で、尾てい骨から骨振動を全身に伝達させる構成とする。
【0022】
上記の構成によると、金属製の座面部から振動が正確かつ効果的に尾てい骨を介して骨振動が全身に伝達される。
【0023】
第7の発明では、第1から第5のいずれか1つの発明の骨振動体感装置の使用方法において、
上記骨振動体感装置を作動させた状態で、該骨振動体感装置から所定距離離れた位置に載置した対象物を眺める構成とする。
【0024】
上記の構成によると、骨振動体感装置から所定距離離れた位置に載置した対象物を眺めることにより、例えば、日本古来の瞑想を最新のデジタルテクノロジーによって進化させた、いわゆるデジタルメディテーションと呼ばれる瞑想を効果的に行うことができる。つまり、人の体、意識に最適な周波数をダイレクトに伝えることにより、より深いメディテーションの境地へと誘導される。
【0025】
第8の発明では、第4の発明の骨振動体感装置の使用方法において、
上記増幅器において、上記電気信号発生装置より発信される特定低周波数と、他の電気信号発生装置より発信される電気信号とを組み合わせて増幅信号を発信する構成とする。
【0026】
上記の構成によると、好みの音楽に特定低周波数を乗せることにより、特定低周波数の働きを高めることで、癒しの時間を楽しむことができる。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、本発明によれば、座面支持部材により載置面から浮かせたフリーの状態で支持された金属製の振動部材の座面部を振動発生装置により振動させ、骨伝導により人体を直接振動させることにより、特定低周波数を人体にできるだけ正確に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施形態1に係る骨振動体感装置を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態1に係る骨振動体感装置を示す平面図である。
図3】本発明の実施形態1に係る骨振動体感装置を示す側面図である。
図4】本発明の実施形態1に係る骨振動体感装置を示す底面図である。
図5】本発明の実施形態1に係る骨振動体感装置の全体構成を示す図である。
図6A】本発明の実施形態1に係る、クッション材を外した状態の骨振動体感装置を示す底面図である。
図6B】実施形態1に係るクッション材を示す平面図である。
図6C図6AのVIC−VIC線拡大断面図である。
図7】本発明の実施形態2に係る骨振動体感装置を示す斜視図である。
図8】本発明の実施形態2に係る骨振動体感装置を示す側面図である。
図9】本発明の実施形態2に係る骨振動体感装置を示す正面図である。
図10】本発明の実施形態2に係る骨振動体感装置を3つ並べた状態を示す平面図である。
図11】本発明の実施形態2に係る、クッション材を外した状態の骨振動体感装置を示す底面図である。
図12】本発明の実施形態2に係る骨振動体感装置の全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
(実施形態1)
骨振動体感装置の構成−
図1図4は本発明の実施形態1の骨振動体感装置1を示し、この骨振動体感装置1は、人体が接触する円板状の座面部2aと、この座面部2aに連続する側面部2bを有する金属製の振動部材2を備えている。本実施形態では、座面部2aは、例えば、直径600mm、厚さ2mm程度のステンレス鋼板よりなるが、材質やその大きさは特に制限されない。側面部2bは、例えば厚さ2mm、高さ60mm程度のステンレス鋼板よりなる。側面部2bは、溶接等により座面部2aに固定してもよいし、座面部2aに一体成型されていてもよい。このステンレス鋼板には、後述するハーネス6を避けるために例えば直径20mm程度の半円状の切欠2cが設けられているが、これは必ずしも設けられていなくてもよい。また、側面部2bの載置面3側には、端部保護のために断面U字状のゴム部材2dが嵌められているが、これも必ずしもなくてもよい。振動部材2は、後述する実施形態2のように純チタンの薄板で構成されていてもよい。
【0031】
図6Aにも示すように、座面部2aの裏面には、例えば、4つの振動発生装置5が固定されている。この振動発生装置5は、例えば、16〜15,000Hzの周波数帯域を再生可能な高性能バイブロトランデューサよりなり、図6Cにも示すように、例えば、肉厚3mm程度の略矩形状のアルミ板よりなるベースプレート7に4つのキリ孔7aを設け、このキリ孔7aにそれぞれ皿ネジ8を挿入した状態で座面部2aの裏面に接着剤等により固定している。なお、このベースプレート7の材質、厚さ、形状等は特に限定されず、このベースプレート7を使わずに、座面部2aに直接キリ孔を空けて皿ネジ8とナット9とで振動発生装置5を固定してもよい。このように、振動発生装置5の振動発生部5aが、座面部2aの裏面に直接連結されている。この振動発生装置5は、増幅器10に接続されるハーネス6を備えている。各振動発生装置5のハーネス6が束ねられ、切欠2cを通って増幅器10に接続されている。
【0032】
そして、座面部2aの裏側には、振動発生装置5を覆うと共に、建物の床などの載置面3に載置されて座面部2aを載置面3から浮かせた状態に支持する座面支持部材4が挿入されている。この座面支持部材4により、座面部2aに触れた人体から振動が伝達されるようになっている。図6Bに示すように、座面支持部材4は、例えば、熱可塑性ポリエステル系エラストマーを繊維状にして複雑に組み合わせた三次元スプリング構造体よりなるクッション材で構成されており、載置面3側には、振動発生装置5を収容する例えば十字状の収容凹部4aが形成されている。図1及び図2に示すように、座面支持部材4は、振動部材2の側面部2bによって上側側面が覆われると共に、載置面3側の全周は、露出している。座面支持部材4は、振動部材2に側面の少なくとも一部が圧縮された状態で挿入されている。例えば、振動部材2の内径が596mmの場合、座面支持部材4の外径をこれよりも若干大きくする(例えば外径600mm)ことで、座面支持部材4が多少変形した状態で振動部材2の内面に嵌め込まれている。このため、座面支持部材4は、接着等により完全に固定されていないが、振動部材2から引っ張る等により力を加えない限り外れないようになっている。振動部材2は、三次元スプリング構造体から切削により外形及び収容凹部4aを成形してもよいし、金型等を用いて一体成型してもよい。座面支持部材4の高さは、例えば80mmとし、人が座面部2aに座ったときに側面部2bが載置面3に触れない程度の高さ及び硬さを有している。
【0033】
図5に示すように、増幅器10は、AC100Vなどの電源11と、電気信号を発生する電気信号発生装置12とに接続され、電気信号発生装置12からの電気信号を増幅させる役割を果たす。この増幅器10から送信される電気信号が、振動発生装置5によって機械的な振動に変換されるようになっている。
【0034】
本実施形態では、例えば、電気信号発生装置12から例えば言語周波数をもとにした疎密波よりなる特定低周波数が発信されるように構成されている。ここで、「特定低周波数」の基本周波数は、世界中の言語を周波数化したものであり、例えば、6〜50Hzの疎密波よりなる。一例として、母音(a,i,u,e,o)と子音(T、K、M、H、R、N、Y、S、W等)の組み合わせから言語の一音が発生することを利用し、周波数化する。母音の周波数の平均値は、地球の固有振動数であるシューマンウェーブの値である7.83Hzと近似している。そして、脳波とシューマンウェーブとは、共鳴関係にある。このようなことから、特定低周波数は、耳で聴くというよりも体で体感する振動によりさらに効果的に伝達されることがわかってきた。
【0035】
本実施形態の骨振動体感装置1による振動は、例えば、周波数レンジが約6〜200Hzで連続パルスによる刺激となっている。なお、この特定低周波数は、およそ6Hz以上200Hz以下の低周波数レンジのものであれば、上記言語周波数をもとにした疎密波に限定されない。
【0036】
なお、この増幅器10において、電気信号発生装置12より発信される特定低周波数と、他のCDプレーヤーなどの電気信号発生装置12より発信される電気信号とを組み合わせて増幅信号を発信するようにしてもよい。また、特定低周波数を含まない、好みのCD等を利用して電気信号発生装置12から電気信号を発信させるようにしてもよい。
【0037】
骨振動体感装置の使用方法−
次に、本実施形態に係る骨振動体感装置1の使用方法について説明する。
【0038】
まず、上述した骨振動体感装置1を電源11に繋ぎ、電気信号発生装置12より、特定低周波数等の電気信号を発生させ、増幅器10で増幅した電気信号を振動発生装置5に発信する。
【0039】
その状態で、座面部2aに座った状態で、尾てい骨から上記電気信号に対応した振動発生装置5による骨振動を全身に伝達させる。すると、金属製の座面部2aから振動が正確かつ効果的に尾てい骨を介して骨振動が全身に伝達される。また、この刺激(振動)及びそこに含まれる情報がメルケル細胞を通して中枢神経に運ばれ、脳や意識に何らかの影響を与える。なお、特許文献4のようなハニカムシリコンマットを座面部2aの上に載置してその上から座るようにしてもよい。そうすれば、ハニカムシリコンマットの振動が、皮膚にとっては連続して凸凹が入れ替わっている状態として感知され、連続した微細な周波数を皮膚に伝えることができる。
【0040】
この骨振動体感装置1を作動させた状態で、例えば、骨振動体感装置1から所定距離離れた位置に載置した対象物を眺めた状態で瞑想してもよい。対象物としては、図示しないが、例えば、檜などの木材で構成した台に載置した黒曜石が適している。また、液晶画面に、この黒曜石に対応する画像を表示したスマートフォンなどでもよい。色の三原色では、同じ割合で三色を混ぜると黒になることから、黒曜石の黒とはすべてを包括する色であるのと同時に、すべての可能性を秘めた根源の色ということができる。この黒曜石に象徴されるゼロポイントを、すべてを生み出す創造の起点と捉えて瞑想を行う。例えば、左右の目で、空間全体と一体化した黒曜石を見ることで、黒曜石の情報が視交叉を経由して、各階層の視覚野で処理され、脳内で黒曜石の映像が統合される。このとき、メビウスの輪の流れにより、左右の脳が同調し、情報が循環することで、右脳と左脳が振動し、共鳴していくと考えられる。このように、黒曜石と意識を同調させることで、「すべての情報が畳み込まれている創造の起点」としてのゼロの概念と脳内の情報の同調に繋がり、その結果、様々なアイデアが浮かび、創造性が高まるという効果が得られる。このように、本実施形態の骨振動体感装置1によると、日本古来の瞑想を最新のデジタルテクノロジーによって進化させた、いわゆるデジタルメディテーションと呼ばれる瞑想を効果的に行うことができる。つまり、人の体や意識に最適な周波数をダイレクトに伝えることにより、より深いメディテーションの境地へと誘導される。例えば、複数の振動発生装置5を黒曜石を中心に円弧状に並べて複数人で同時にデジタルメディテーションを行えば、さらに効果的に瞑想を行うことができる。
【0041】
上述したように、増幅器10において、特定低周波数と、CDプレーヤーやスマートフォンなどから発信される電気信号とを組み合わせて増幅信号を発信するようにしてもよい。こうすれば、好みの音楽に特定低周波数を乗せることにより、特定低周波数の働きを高めることで、癒しの時間を楽しむことができる。
【0042】
本実施形態では、単なる物理的振動ではなく、特定低周波数を、皮膚振動や骨振動として、よりダイレクトに人体、すなわち脳に伝達させることができる。それにより、心身の健康や意識進化が達成される。座面部2aが直接肌に触れることにより、特定低周波数による刺激(振動)並びに、そこに含まれる情報が、このメルケル細胞を通して中枢神経に運ばれ、脳や意識に何らかの影響を与えているという解釈が可能である。
【0043】
以上説明したように、本実施形態では、振動部材2の側面部2bによって座面支持部材4の少なくとも一部を覆うことで、見映えがよくなると共に、座面支持部材4が振動部材2から外れ難くなっている。また、座面支持部材4における載置面3側の全周を露出させることにより、人が座面部2aに載ったときに振動部材2の側面部2bが載置面3に接触するのが抑制されるので、振動発生装置5からの振動にノイズ等が入ることなく、効果的に人体に伝達される。
【0044】
また、振動エネルギーが床などの載置面3に伝達されるのを抑制するように座面支持部材4により載置面3から浮かせたフリーの状態で支持された金属製の振動部材2の座面部2aを振動発生装置5により振動させ、骨伝導等により人体を直接振動させることで、特定低周波数などの電気信号を中枢神経や脳に極めて正確に伝達することができる。
【0045】
本実施形態では、座面支持部材4を接着等ではなく、圧縮した状態で振動部材2に挿入しているので、振動発生装置5の組付及び修理が容易となる。
【0046】
したがって、本実施形態に係る骨振動体感装置1によると、座面支持部材4により載置面3から浮かせたフリーの状態で支持された金属製の振動部材2の座面部2aを振動発生装置5により振動させ、骨伝導により人体を直接振動させることにより、特定低周波数を人体にできるだけ正確に伝達することができる。
【0047】
(実施形態2)
骨振動体感装置の構成−
図7図9は本発明の実施形態2に係る骨振動体感装置101を示し、主に振動部材102、座面支持部材104等の形状及び振動発生装置5の個数が異なる点で実施形態1と異なる。なお、以下の各実施形態では、図1図6Cと同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0048】
本実施形態の振動部材102は、例えば矩形板状の座面部102aと、この座面部102aの対向する二辺に連続し、略90°折り曲げられた側面部102bと有する。例えば、振動部材102として、一辺が600mmの正方形の側面部102bのものを使用する。なお、側面部102bは、上記実施形態1のように全周に連続するように設けてもよい。本実施形態の振動部材102は、例えば、酸化チタンの酸化膜による結晶加飾加工を施した純チタンの板部材が用いられる。この板部材を折り曲げて成形すればよいので、製造が容易な上、見映えが極めてよく、さらには光抗菌作用などの商品価値を向上させる効果も得られる。
【0049】
本実施形態では、矩形状の座面部102aの裏面に上記実施形態1と同様の方法で、例えば図11に示すように、1つの振動発生装置5が座面部102aの中央部に固定されている。例えば、座面部102aに設けたキリ孔に皿ネジ8を挿通して裏面側に振動発生装置5がナット9等によって締結されている。なお、この振動発生装置5の個数やその固定位置、固定方法は特に限定されず、上記実施形態1と同様の固定方法を用いてもよい。
【0050】
本実施形態の座面支持部材104は、振動部材102の形状に合わせた矩形板状のものよりなり、座面部102aの外形と同じか若干大きい外形を有し、上記実施形態1と同様に振動発生装置5の位置に矩形状の収容凹部104aが凹陥されている。例えば、側面部102bの高さが40mm程度の場合、50mm程度の座面支持部材104を使用し、この座面支持部材104は、人が座面部102aに座ったときに側面部102bが載置面3に触れない程度の高さ及び硬さを有している。
【0051】
本実施形態の骨振動体感装置101は、図10に示すように、例えば3つ直線状に並べられてベッド状に配置することができるようになっている。
【0052】
そして、図12に示すように、それぞれの振動発生装置5に上記実施形態1と同様に増幅器10から例えば特定低周波数を含む電気信号が送られるようになっている。
【0053】
骨振動体感装置の使用方法−
次に、本実施形態に係る骨振動体感装置101の使用方法について説明する。
【0054】
まず、図10に示すように、振動部材102の側面部102bが設けられていない部分同士が対向するように、3つの骨振動体感装置101を並べ、図12に示すように各機器を接続して作動させ、それぞれに設けられた振動発生装置5に電気信号を送信する。電気信号の送信の方法は、上記実施形態1と同様である。
【0055】
このように、複数の骨振動体感装置101を複数直線状に並べることで、それらの上に横たわることができる。それにより、人体全体から振動を伝えることができる。例えば、人間の皮膚の触圧を感知するメルケル細胞を通じて振動を伝えることもできる。これにより、よりリラックスした姿勢で振動の伝達を行える。
【0056】
また、振動部材102の側面部102bが設けられていない部分が対向するように骨振動体感装置101を並べることで、隣り合う振動部材102が互いに接触することなく、それぞれの骨振動体感装置101から効果的に振動が人体に伝達される。
【0057】
したがって、本実施形態に係る骨振動体感装置101においても、特定低周波数を人体にできるだけ正確に伝達することができる。
【0058】
なお、本実施形態の骨振動体感装置101は、3つ並べるのではなく、間隔を空けて並べてそれぞれの座面部102aに人が座るようにしてもよい。
【0059】
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0060】
すなわち、上記各実施形態では、座面支持部材4は、熱可塑性ポリエステル系エラストマーを繊維状にして複雑に組み合わせた三次元スプリング構造体よりなるクッション材で構成したが、これに限定されず、三次元スプリング構造体に補強材を一体に埋め込んだり、載置面側の密度を高くしたりしてもよい。また、ウレタンなど適度な硬さ及び弾性を有する別材料を使用し、載置面3に載置されたときに振動エネルギーを載置面3に伝達するのを抑制するように座面部2aを載置面3から浮かせた状態に支持できるようにしてもよい。
【0061】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【符号の説明】
【0062】
骨振動体感装置
2 振動部材
2a 座面部
2b 側面部
2c 切欠
2d ゴム部材
3 載置面
4 座面支持部材
4a 収容凹部
5 振動発生装置
5a 振動発生部
6 ハーネス
7 ベースプレート
7a キリ孔
8 皿ネジ
9 ナット
10 増幅器
11 電源
12 電気信号発生装置
101 骨振動体感装置
102 振動部材
102a 座面部
102b 側面部
104 座面支持部材
104a 収容凹部
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気信号を発生する電気信号発生装置と、
上記電気信号発生装置からの上記電気信号を増幅させる増幅器と、
上記増幅器から送信される上記電気信号を機械的な振動に変換する振動発生装置と、
上記振動発生装置の振動発生部が直接連結され、かつ人体が接触する座面部及び該座面部に連続する側面部を有する金属製の振動部材と、
上記座面部の裏側に配置され、上記振動発生装置を覆うと共に、載置面に載置されて振動エネルギーを上記載置面に伝達するのを抑制するように上記座面部を該載置面から浮かせた状態に支持する座面支持部材とを備えており、
上記座面部に触れた人体から振動が伝達されるように構成されている
ことを特徴とする骨振動体感装置
【請求項2】
請求項1に記載の骨振動体感装置において、
上記振動部材は、金属板で構成され、
上記座面支持部材は、クッション材で構成され、上記振動発生装置を収容する収容凹部が形成され、
上記クッション材は、上記振動部材の側面部によって側面の少なくとも一部が覆われると共に、上記載置面側の全周は、露出している
ことを特徴とする骨振動体感装置
【請求項3】
請求項2に記載の骨振動体感装置において、
上記クッション材は、上記振動部材に上記側面の少なくとも一部が圧縮された状態で挿入されている
ことを特徴とする骨振動体感装置
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の骨振動体感装置において、
上記電気信号発生装置から言語周波数をもとにした疎密波よりなる特定低周波数が発信されるように構成されている
ことを特徴とする骨振動体感装置
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の骨振動体感装置において、
上記振動部材は、矩形状の座面部を有し、複数の上記骨振動体感装置を並べ、それぞれに設けられた上記骨振動体感装置に上記電気信号を送信するように構成されている
ことを特徴とする骨振動体感装置
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の骨振動体感装置を使用する方法において、
上記座面部に座った状態で、尾てい骨から骨振動を全身に伝達させる
ことを特徴とする骨振動体感装置の使用方法。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1つに記載の骨振動体感装置を使用する方法において、
上記骨振動体感装置を作動させた状態で、該骨振動体感装置から所定距離離れた位置に載置した対象物を眺める
ことを特徴とする骨振動体感装置の使用方法。
【請求項8】
請求項4に記載の骨振動体感装置を使用する方法において、
上記増幅器において、上記電気信号発生装置より発信される特定低周波数と、他の電気信号発生装置より発信される電気信号とを組み合わせて増幅信号を発信する
ことを特徴とする骨振動体感装置の使用方法。
【手続補正書】
【提出日】2019年7月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体から振動を伝達させる骨振動体感装置及びそれを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電気音響信号を機械振動に変換する電気・機械振動変換器とスピーカとを有するスピーカシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このスピーカシステムは、車室内の床に載置され、乗員が足を載せることで、特に重低音が骨伝導として聴感機能に達するようにしている。また、例えば、特許文献2のように、身体に当接させるバッグに、可聴域の音声を電気変換した音声信号に対しほぼ音声信号の波形に沿う振動を発生する電気・機械振動変換器を、この電気・機械振動変換器の振動面を身体に対向するバッグ表面に沿って内蔵すると共に、電気・機械振動変換器に音声信号の入力端を設け、バッグに身体にほぼ密着して装着するためのベルトを取付けた簡易装着型体感振動装置が知られている。これらは、いずれも可聴域の音声を体感できるようにしている。
【0003】
また例えば、特許文献3のように、熱可塑性樹脂の中空連続線条のランダムなループ又はカールの隣接する中空線条相互を接触絡合集合してなる所定の嵩密度の空隙を備える三次元構造体であって、この三次元構造体の嵩密度の低い内層を介装して、長手方向表裏に、嵩密度の高い表面層を形成してなるスプリング構造樹脂本体と、このスプリング構造樹脂本体を人体の上半身の背面が当る背面領域を備える家具又は座席と、このスプリング構造樹脂本体に内蔵するか、又は裏面領域に取り付けられ、人体の上半身に向かって前記スプリング構造樹脂本体を介して音を供給し、少なくとも、高音用スピーカと、低音用スピーカと、を有する複数のスピーカとを備える骨伝導音響システムが知られている。この音響システムでは、こうしたスプリング構造樹脂本体の固い表面層に歪みのない音の波動を共振させ、スプリング構造樹脂本体そのものをスピーカの一部として一体的に作用させている。
【0004】
また、特許文献4のように、上面にバッフル板を有するベッド本体と、バッフル板に設けられるサウンドホールと、バッフル板を挟んでサウンドホールの下側かつベッド本体の内側に設けられるスピーカとを備え、音響療法に必要な音波と振動波を確実に人体へ伝達し、治療効果を高めた音響療法用ベッドが知られている。
【0005】
なお、特許文献5のように、約16Hz〜150Hzの範囲内の周波数帯域で主として音域C0 〜D3 に相当する体感振動信号の振動の強弱、長短、周波数、波形及び重なりを、音楽作曲上の規則に基づき時系列に組み合わせ、体感振動単独で音楽のように表現できるものを、体感振動として人体に伝える電気・機械振動変換器を備える体感振動装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭61−189689号公報
【特許文献2】特開平7−245793号公報
【特許文献3】特開2005−223630号公報
【特許文献4】特開2011−160869号公報
【特許文献5】特許第3341238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、電気・機械振動変換器を利用した体感振動装置は、すでに広く知られている。特に本出願人による特許文献4の音響療法用ベッドは、ボーンコンダクション理論及び生体音響効果を利用したものであるが、特定の周波数を生体(人体)に伝える方法として、さらにその正確さを向上させたいというニーズがある。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特定の周波数を人体にできるだけ正確に伝達することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、この発明では、人体が接触する金属製の振動部材を振動発生装置で振動させるようにした。
【0010】
具体的には、第1の発明の骨振動体感装置は、電気信号を発生する電気信号発生装置と、
上記電気信号発生装置からの上記電気信号を増幅させる増幅器と、
上記増幅器から送信される上記電気信号を機械的な振動に変換する振動発生装置と、
上記振動発生装置の振動発生部が連結され、かつ人体が直接又は間接的に接触する座面部及び該座面部に連続する側面部を有する金属製の振動部材と、
上記座面部の裏側に配置され、少なくとも上側側面が上記側面部で覆われ、上記振動発生装置を覆うと共に、載置面に載置されて振動エネルギーを上記載置面に伝達するのを抑制するように上記座面部を該載置面から浮かせた状態に支持する座面支持部材とを備えており、
上記座面部に触れた人体から振動が伝達されるように構成されている。
【0011】
上記の構成によると、振動エネルギーが載置面に伝達されるのを抑制するように座面支持部材により載置面から浮かせたフリーの状態で支持された金属製の振動部材の座面部を振動発生装置により振動させ、骨伝導により人体を直接振動させることで、後述する特定低周波数などの電気信号を中枢神経や脳に極めて正確に伝達することができる。なお、座面部には、人体が直接触れるのが望ましいが、座面部の上にクッションなどを挟んで人体が触れるようにしてもよい。当然ながら衣服等を介して座面部に人体が触れてもよい。
【0012】
第2の発明では、
電気信号を発生する電気信号発生装置と、
上記電気信号発生装置からの上記電気信号を増幅させる増幅器と、
上記増幅器から送信される上記電気信号を機械的な振動に変換する振動発生装置と、
上記振動発生装置の振動発生部が直接連結され、かつ人体が接触する座面部及び該座面部に連続する側面部を有する金属製の振動部材と、
上記座面部の裏側に配置され、上記振動発生装置を覆うと共に、載置面に載置されて振動エネルギーを上記載置面に伝達するのを抑制するように上記座面部を該載置面から浮かせた状態に支持する座面支持部材とを備えており
上記座面部に触れた人体から振動が伝達されるように構成され、
上記振動部材は、金属板で構成され、
上記座面支持部材は、クッション材で構成され、上記振動発生装置を収容する収容凹部が形成され、
上記クッション材は、上記振動部材の側面部によって側面の少なくとも一部が覆われると共に、上記載置面側の全周は、露出している。
【0013】
上記の構成によると、上記第1の発明の作用効果に加え、振動部材の側面部によって座面支持部材の少なくとも一部を覆うことで、座面支持部材が振動部材から外れ難くなり、また、座面支持部材における載置面側の全周を露出させることにより、人が座面部に載ったときに振動部材の側面部が載置面に接触することがないので、振動発生装置からの振動にノイズ等が混じることなく、効果的に振動が人体に伝達される。
【0014】
第3の発明では、第2の発明において、
上記クッション材は、上記振動部材に上記側面の少なくとも一部が圧縮された状態で挿入されている。
【0015】
上記の構成によると、座面支持部材を接着等ではなく、圧縮した状態で振動部材に挿入することで、組付及び修理が容易となる。
【0016】
第4の発明では、第1から第3のいずれか1つの発明において、
上記電気信号発生装置から言語周波数をもとにした疎密波よりなる特定低周波数が発信されるように構成されている。
【0017】
ここで、「特定低周波数」の基本周波数は、例えば、6〜50Hzの疎密波よりなり、6Hz以上200Hz以下の低周波数レンジのものである。この特定低周波数は、耳で聴くというよりも体で体感する振動により効果的に伝達される。
【0018】
上記の構成によると、単なる物理的振動ではなく、上記特定低周波数を、皮膚振動や骨振動として、よりダイレクトに人体、すなわち脳に伝達させることができる。それにより、心身の健康や意識進化が達成される。
【0019】
第5の発明では、第1から第4のいずれか1つの発明において、
上記振動部材は、矩形状の座面部を有し、複数の上記骨振動体感装置を並べ、それぞれに設けられた上記骨振動体感装置に上記電気信号を送信するように構成されている。
【0020】
上記の構成によると、複数の骨振動体感装置を並べることで、それらの上に横たわることができる。それにより、人体全体から振動を伝えることができる。例えば、人間の皮膚の触圧を感知するSAI(メルケル細胞)を通じて振動を伝える。これにより、よりリラックスした姿勢で振動の伝達を行える。
【0021】
第6の発明では、第1から第5のいずれか1つの発明の骨振動体感装置の使用方法において、
上記座面部に座った状態で、尾てい骨から骨振動を全身に伝達させる構成とする。
【0022】
上記の構成によると、金属製の座面部から振動が正確かつ効果的に尾てい骨を介して骨振動が全身に伝達される。
【0023】
第7の発明では、第1から第5のいずれか1つの発明の骨振動体感装置の使用方法において、
上記骨振動体感装置を作動させた状態で、該骨振動体感装置から所定距離離れた位置に載置した対象物を眺める構成とする。
【0024】
上記の構成によると、骨振動体感装置から所定距離離れた位置に載置した対象物を眺めることにより、例えば、日本古来の瞑想を最新のデジタルテクノロジーによって進化させた、いわゆるデジタルメディテーションと呼ばれる瞑想を効果的に行うことができる。つまり、人の体、意識に最適な周波数をダイレクトに伝えることにより、より深いメディテーションの境地へと誘導される。
【0025】
第8の発明では、第4の発明の骨振動体感装置の使用方法において、
上記増幅器において、上記電気信号発生装置より発信される特定低周波数と、他の電気信号発生装置より発信される電気信号とを組み合わせて増幅信号を発信する構成とする。
【0026】
上記の構成によると、好みの音楽に特定低周波数を乗せることにより、特定低周波数の働きを高めることで、癒しの時間を楽しむことができる。
【0027】
第9の発明では、第1から第5のいずれか1つの発明の骨振動体感装置の使用方法において、
六角形多孔式拡張性構造よりなるハニカムシリコンマットを上記座面部の上に載置し、該ハニカムシリコンマットを介して骨振動を全身に伝達させる構成とする。
【0028】
上記の構成によると、ハニカムシリコンマットの振動が、皮膚にとっては連続して凸凹が入れ替わっている状態として感知され、連続した微細な周波数を皮膚に伝えることができる。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように、本発明によれば、座面支持部材により載置面から浮かせたフリーの状態で支持された金属製の振動部材の座面部を振動発生装置により振動させ、骨伝導により人体を直接振動させることにより、特定低周波数を人体にできるだけ正確に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施形態1に係る骨振動体感装置を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態1に係る骨振動体感装置を示す平面図である。
図3】本発明の実施形態1に係る骨振動体感装置を示す側面図である。
図4】本発明の実施形態1に係る骨振動体感装置を示す底面図である。
図5】本発明の実施形態1に係る骨振動体感装置の全体構成を示す図である。
図6A】本発明の実施形態1に係る、クッション材を外した状態の骨振動体感装置を示す底面図である。
図6B】実施形態1に係るクッション材を示す平面図である。
図6C図6AのVIC−VIC線拡大断面図である。
図7】本発明の実施形態2に係る骨振動体感装置を示す斜視図である。
図8】本発明の実施形態2に係る骨振動体感装置を示す側面図である。
図9】本発明の実施形態2に係る骨振動体感装置を示す正面図である。
図10】本発明の実施形態2に係る骨振動体感装置を3つ並べた状態を示す平面図である。
図11】本発明の実施形態2に係る、クッション材を外した状態の骨振動体感装置を示す底面図である。
図12】本発明の実施形態2に係る骨振動体感装置の全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0032】
(実施形態1)
−骨振動体感装置の構成−
図1図4は本発明の実施形態1の骨振動体感装置1を示し、この骨振動体感装置1は、人体が接触する円板状の座面部2aと、この座面部2aに連続する側面部2bを有する金属製の振動部材2を備えている。本実施形態では、座面部2aは、例えば、直径600mm、厚さ2mm程度のステンレス鋼板よりなるが、材質やその大きさは特に制限されない。側面部2bは、例えば厚さ2mm、高さ60mm程度のステンレス鋼板よりなる。側面部2bは、溶接等により座面部2aに固定してもよいし、座面部2aに一体成型されていてもよい。このステンレス鋼板には、後述するハーネス6を避けるために例えば直径20mm程度の半円状の切欠2cが設けられているが、これは必ずしも設けられていなくてもよい。また、側面部2bの載置面3側には、端部保護のために断面U字状のゴム部材2dが嵌められているが、これも必ずしもなくてもよい。振動部材2は、後述する実施形態2のように純チタンの薄板で構成されていてもよい。
【0033】
図6Aにも示すように、座面部2aの裏面には、例えば、4つの振動発生装置5が固定されている。この振動発生装置5は、例えば、16〜15,000Hzの周波数帯域を再生可能な高性能バイブロトランデューサよりなり、図6Cにも示すように、例えば、肉厚3mm程度の略矩形状のアルミ板よりなるベースプレート7に4つのキリ孔7aを設け、このキリ孔7aにそれぞれ皿ネジ8を挿入した状態で座面部2aの裏面に接着剤等により固定している。なお、このベースプレート7の材質、厚さ、形状等は特に限定されず、このベースプレート7を使わずに、座面部2aに直接キリ孔を空けて皿ネジ8とナット9とで振動発生装置5を固定してもよい。このように、振動発生装置5の振動発生部5aが、座面部2aの裏面に直接連結されている。この振動発生装置5は、増幅器10に接続されるハーネス6を備えている。各振動発生装置5のハーネス6が束ねられ、切欠2cを通って増幅器10に接続されている。
【0034】
そして、座面部2aの裏側には、振動発生装置5を覆うと共に、建物の床などの載置面3に載置されて座面部2aを載置面3から浮かせた状態に支持する座面支持部材4が挿入されている。この座面支持部材4により、座面部2aに触れた人体から振動が伝達されるようになっている。図6Bに示すように、座面支持部材4は、例えば、熱可塑性ポリエステル系エラストマーを繊維状にして複雑に組み合わせた三次元スプリング構造体よりなるクッション材で構成されており、座面部2a側には、振動発生装置5を収容する例えば十字状の収容凹部4aが形成されている。図1及び図2に示すように、座面支持部材4は、振動部材2の側面部2bによって上側側面が覆われると共に、載置面3側の全周は、露出している。座面支持部材4は、振動部材2に側面の少なくとも一部が圧縮された状態で挿入されている。例えば、振動部材2の内径が596mmの場合、座面支持部材4の外径をこれよりも若干大きくする(例えば外径600mm)ことで、座面支持部材4が多少変形した状態で振動部材2の内面に嵌め込まれている。このため、座面支持部材4は、接着等により完全に固定されていないが、振動部材2から引っ張る等により力を加えない限り外れないようになっている。座面支持部材4は、三次元スプリング構造体から切削により外形及び収容凹部4aを成形してもよいし、金型等を用いて一体成型してもよい。座面支持部材4の高さは、例えば80mmとし、人が座面部2aに座ったときに側面部2bが載置面3に触れない程度の高さ及び硬さを有している。
【0035】
図5に示すように、増幅器10は、AC100Vなどの電源11と、電気信号を発生する電気信号発生装置12とに接続され、電気信号発生装置12からの電気信号を増幅させる役割を果たす。この増幅器10から送信される電気信号が、振動発生装置5によって機械的な振動に変換されるようになっている。
【0036】
本実施形態では、例えば、電気信号発生装置12から例えば言語周波数をもとにした疎密波よりなる特定低周波数が発信されるように構成されている。ここで、「特定低周波数」の基本周波数は、世界中の言語を周波数化したものであり、例えば、6〜50Hzの疎密波よりなる。一例として、母音(a,i,u,e,o)と子音(T、K、M、H、R、N、Y、S、W等)の組み合わせから言語の一音が発生することを利用し、周波数化する。母音の周波数の平均値は、地球の固有振動数であるシューマンウェーブの値である7.83Hzと近似している。そして、脳波とシューマンウェーブとは、共鳴関係にある。このようなことから、特定低周波数は、耳で聴くというよりも体で体感する振動によりさらに効果的に伝達されることがわかってきた。
【0037】
本実施形態の骨振動体感装置1による振動は、例えば、周波数レンジが約6〜200Hzで連続パルスによる刺激となっている。なお、この特定低周波数は、およそ6Hz以上200Hz以下の低周波数レンジのものであれば、上記言語周波数をもとにした疎密波に限定されない。
【0038】
なお、この増幅器10において、電気信号発生装置12より発信される特定低周波数と、他のCDプレーヤーなどの電気信号発生装置12より発信される電気信号とを組み合わせて増幅信号を発信するようにしてもよい。また、特定低周波数を含まない、好みのCD等を利用して電気信号発生装置12から電気信号を発信させるようにしてもよい。
【0039】
−骨振動体感装置の使用方法−
次に、本実施形態に係る骨振動体感装置1の使用方法について説明する。
【0040】
まず、上述した骨振動体感装置1を電源11に繋ぎ、電気信号発生装置12より、特定低周波数等の電気信号を発生させ、増幅器10で増幅した電気信号を振動発生装置5に発信する。
【0041】
その状態で、座面部2aに座った状態で、尾てい骨から上記電気信号に対応した振動発生装置5による骨振動を全身に伝達させる。すると、金属製の座面部2aから振動が正確かつ効果的に尾てい骨を介して骨振動が全身に伝達される。また、この刺激(振動)及びそこに含まれる情報がメルケル細胞を通して中枢神経に運ばれ、脳や意識に何らかの影響を与える。なお、特許文献4のようなハニカムシリコンマットを座面部2aの上に載置してその上から座るようにしてもよい。そうすれば、ハニカムシリコンマットの振動が、皮膚にとっては連続して凸凹が入れ替わっている状態として感知され、連続した微細な周波数を皮膚に伝えることができる。
【0042】
この骨振動体感装置1を作動させた状態で、例えば、骨振動体感装置1から所定距離離れた位置に載置した対象物を眺めた状態で瞑想してもよい。対象物としては、図示しないが、例えば、檜などの木材で構成した台に載置した黒曜石が適している。また、液晶画面に、この黒曜石に対応する画像を表示したスマートフォンなどでもよい。色の三原色では、同じ割合で三色を混ぜると黒になることから、黒曜石の黒とはすべてを包括する色であるのと同時に、すべての可能性を秘めた根源の色ということができる。この黒曜石に象徴されるゼロポイントを、すべてを生み出す創造の起点と捉えて瞑想を行う。例えば、左右の目で、空間全体と一体化した黒曜石を見ることで、黒曜石の情報が視交叉を経由して、各階層の視覚野で処理され、脳内で黒曜石の映像が統合される。このとき、メビウスの輪の流れにより、左右の脳が同調し、情報が循環することで、右脳と左脳が振動し、共鳴していくと考えられる。このように、黒曜石と意識を同調させることで、「すべての情報が畳み込まれている創造の起点」としてのゼロの概念と脳内の情報の同調に繋がり、その結果、様々なアイデアが浮かび、創造性が高まるという効果が得られる。このように、本実施形態の骨振動体感装置1によると、日本古来の瞑想を最新のデジタルテクノロジーによって進化させた、いわゆるデジタルメディテーションと呼ばれる瞑想を効果的に行うことができる。つまり、人の体や意識に最適な周波数をダイレクトに伝えることにより、より深いメディテーションの境地へと誘導される。例えば、複数の骨振動体感装置1を黒曜石を中心に円弧状に並べて複数人で同時にデジタルメディテーションを行えば、さらに効果的に瞑想を行うことができる。
【0043】
上述したように、増幅器10において、特定低周波数と、CDプレーヤーやスマートフォンなどから発信される電気信号とを組み合わせて増幅信号を発信するようにしてもよい。こうすれば、好みの音楽に特定低周波数を乗せることにより、特定低周波数の働きを高めることで、癒しの時間を楽しむことができる。
【0044】
本実施形態では、単なる物理的振動ではなく、特定低周波数を、皮膚振動や骨振動として、よりダイレクトに人体、すなわち脳に伝達させることができる。それにより、心身の健康や意識進化が達成される。座面部2aが直接肌に触れることにより、特定低周波数による刺激(振動)並びに、そこに含まれる情報が、このメルケル細胞を通して中枢神経に運ばれ、脳や意識に何らかの影響を与えているという解釈が可能である。
【0045】
以上説明したように、本実施形態では、振動部材2の側面部2bによって座面支持部材4の少なくとも一部を覆うことで、見映えがよくなると共に、座面支持部材4が振動部材2から外れ難くなっている。また、座面支持部材4における載置面3側の全周を露出させることにより、人が座面部2aに載ったときに振動部材2の側面部2bが載置面3に接触するのが抑制されるので、振動発生装置5からの振動にノイズ等が入ることなく、効果的に人体に伝達される。
【0046】
また、振動エネルギーが床などの載置面3に伝達されるのを抑制するように座面支持部材4により載置面3から浮かせたフリーの状態で支持された金属製の振動部材2の座面部2aを振動発生装置5により振動させ、骨伝導等により人体を直接振動させることで、特定低周波数などの電気信号を中枢神経や脳に極めて正確に伝達することができる。
【0047】
本実施形態では、座面支持部材4を接着等ではなく、圧縮した状態で振動部材2に挿入しているので、振動発生装置5の組付及び修理が容易となる。
【0048】
したがって、本実施形態に係る骨振動体感装置1によると、座面支持部材4により載置面3から浮かせたフリーの状態で支持された金属製の振動部材2の座面部2aを振動発生装置5により振動させ、骨伝導により人体を直接振動させることにより、特定低周波数を人体にできるだけ正確に伝達することができる。
【0049】
(実施形態2)
−骨振動体感装置の構成−
図7図9は本発明の実施形態2に係る骨振動体感装置101を示し、主に振動部材102、座面支持部材104等の形状及び振動発生装置5の個数が異なる点で実施形態1と異なる。なお、以下の各実施形態では、図1図6Cと同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0050】
本実施形態の振動部材102は、例えば矩形板状の座面部102aと、この座面部102aの対向する二辺に連続し、略90°折り曲げられた側面部102bと有する。例えば、振動部材102として、一辺が600mmの正方形の座面部102aのものを使用する。なお、側面部102bは、上記実施形態1のように全周に連続するように設けてもよい。本実施形態の振動部材102は、例えば、酸化チタンの酸化膜による結晶加飾加工を施した純チタンの板部材が用いられる。この板部材を折り曲げて成形すればよいので、製造が容易な上、見映えが極めてよく、さらには光抗菌作用などの商品価値を向上させる効果も得られる。
【0051】
本実施形態では、矩形状の座面部102aの裏面に上記実施形態1と同様の方法で、例えば図11に示すように、1つの振動発生装置5が座面部102aの中央部に固定されている。例えば、座面部102aに設けたキリ孔に皿ネジ8を挿通して裏面側に振動発生装置5がナット9等によって締結されている。なお、この振動発生装置5の個数やその固定位置、固定方法は特に限定されず、上記実施形態1と同様の固定方法を用いてもよい。
【0052】
本実施形態の座面支持部材104は、振動部材102の形状に合わせた矩形板状のものよりなり、座面部102aの外形と同じか若干大きい外形を有し、上記実施形態1と同様に振動発生装置5の位置に矩形状の収容凹部104aが凹陥されている。例えば、側面部102bの高さが40mm程度の場合、50mm程度の座面支持部材104を使用し、この座面支持部材104は、人が座面部102aに座ったときに側面部102bが載置面3に触れない程度の高さ及び硬さを有している。
【0053】
本実施形態の骨振動体感装置101は、図10に示すように、例えば3つ直線状に並べられてベッド状に配置することができるようになっている。
【0054】
そして、図12に示すように、それぞれの振動発生装置5に上記実施形態1と同様に増幅器10から例えば特定低周波数を含む電気信号が送られるようになっている。
【0055】
−骨振動体感装置の使用方法−
次に、本実施形態に係る骨振動体感装置101の使用方法について説明する。
【0056】
まず、図10に示すように、振動部材102の側面部102bが設けられていない部分同士が対向するように、3つの骨振動体感装置101を並べ、図12に示すように各機器を接続して作動させ、それぞれに設けられた振動発生装置5に電気信号を送信する。電気信号の送信の方法は、上記実施形態1と同様である。
【0057】
このように、複数の骨振動体感装置101を複数直線状に並べることで、それらの上に横たわることができる。それにより、人体全体から振動を伝えることができる。例えば、人間の皮膚の触圧を感知するメルケル細胞を通じて振動を伝えることもできる。これにより、よりリラックスした姿勢で振動の伝達を行える。
【0058】
また、振動部材102の側面部102bが設けられていない部分が対向するように骨振動体感装置101を並べることで、隣り合う振動部材102が互いに接触することなく、それぞれの骨振動体感装置101から効果的に振動が人体に伝達される。
【0059】
したがって、本実施形態に係る骨振動体感装置101においても、特定低周波数を人体にできるだけ正確に伝達することができる。
【0060】
なお、本実施形態の骨振動体感装置101は、3つ並べるのではなく、間隔を空けて並べてそれぞれの座面部102aに人が座るようにしてもよい。
【0061】
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0062】
すなわち、上記各実施形態では、座面支持部材4,104は、熱可塑性ポリエステル系エラストマーを繊維状にして複雑に組み合わせた三次元スプリング構造体よりなるクッション材で構成したが、これに限定されず、三次元スプリング構造体に補強材を一体に埋め込んだり、載置面側の密度を高くしたりしてもよい。また、ウレタンなど適度な硬さ及び弾性を有する別材料を使用し、載置面3に載置されたときに振動エネルギーを載置面3に伝達するのを抑制するように座面部2a,102aを載置面3から浮かせた状態に支持できるようにしてもよい。
【0063】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【符号の説明】
【0064】
1 骨振動体感装置
2 振動部材
2a 座面部
2b 側面部
2c 切欠
2d ゴム部材
3 載置面
4 座面支持部材
4a 収容凹部
5 振動発生装置
5a 振動発生部
6 ハーネス
7 ベースプレート
7a キリ孔
8 皿ネジ
9 ナット
10 増幅器
11 電源
12 電気信号発生装置
101 骨振動体感装置
102 振動部材
102a 座面部
102b 側面部
104 座面支持部材
104a 収容凹部
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気信号を発生する電気信号発生装置と、
上記電気信号発生装置からの上記電気信号を増幅させる増幅器と、
上記増幅器から送信される上記電気信号を機械的な振動に変換する振動発生装置と、
上記振動発生装置の振動発生部が連結され、かつ人体が直接又は間接的に接触する座面部及び該座面部に連続する側面部を有する金属製の振動部材と、
上記座面部の裏側に配置され、少なくとも上側側面が上記側面部で覆われ、上記振動発生装置を覆うと共に、載置面に載置されて振動エネルギーを上記載置面に伝達するのを抑制するように上記座面部を該載置面から浮かせた状態に支持する座面支持部材とを備えており、
上記座面部に触れた人体から振動が伝達されるように構成されている
ことを特徴とする骨振動体感装置。
【請求項2】
電気信号を発生する電気信号発生装置と、
上記電気信号発生装置からの上記電気信号を増幅させる増幅器と、
上記増幅器から送信される上記電気信号を機械的な振動に変換する振動発生装置と、
上記振動発生装置の振動発生部が直接連結され、かつ人体が接触する座面部及び該座面部に連続する側面部を有する金属製の振動部材と、
上記座面部の裏側に配置され、上記振動発生装置を覆うと共に、載置面に載置されて振動エネルギーを上記載置面に伝達するのを抑制するように上記座面部を該載置面から浮かせた状態に支持する座面支持部材とを備えており
上記座面部に触れた人体から振動が伝達されるように構成され、
上記振動部材は、金属板で構成され、
上記座面支持部材は、クッション材で構成され、上記振動発生装置を収容する収容凹部が形成され、
上記クッション材は、上記振動部材の側面部によって側面の少なくとも一部が覆われると共に、上記載置面側の全周は、露出している
ことを特徴とする骨振動体感装置。
【請求項3】
請求項2に記載の骨振動体感装置において、
上記クッション材は、上記振動部材に上記側面の少なくとも一部が圧縮された状態で挿入されている
ことを特徴とする骨振動体感装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の骨振動体感装置において、
上記電気信号発生装置から言語周波数をもとにした疎密波よりなる特定低周波数が発信されるように構成されている
ことを特徴とする骨振動体感装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の骨振動体感装置において、
上記振動部材は、矩形状の座面部を有し、複数の上記骨振動体感装置を並べ、それぞれに設けられた上記骨振動体感装置に上記電気信号を送信するように構成されている
ことを特徴とする骨振動体感装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の骨振動体感装置を使用する方法において、
上記座面部に座った状態で、尾てい骨から骨振動を全身に伝達させる
ことを特徴とする骨振動体感装置の使用方法。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1つに記載の骨振動体感装置を使用する方法において、
上記骨振動体感装置を作動させた状態で、該骨振動体感装置から所定距離離れた位置に載置した対象物を眺める
ことを特徴とする骨振動体感装置の使用方法。
【請求項8】
請求項4に記載の骨振動体感装置を使用する方法において、
上記増幅器において、上記電気信号発生装置より発信される特定低周波数と、他の電気信号発生装置より発信される電気信号とを組み合わせて増幅信号を発信する
ことを特徴とする骨振動体感装置の使用方法。
【請求項9】
請求項1から5のいずれか1つに記載の骨振動体感装置を使用する方法において、
六角形多孔式拡張性構造よりなるハニカムシリコンマットを上記座面部の上に載置し、該ハニカムシリコンマットを介して骨振動を全身に伝達させる
ことを特徴とする骨振動体感装置の使用方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正の内容】
図5
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正の内容】
図12