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特開2020-4361生体検出方法、装置、システム及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-4361(P2020-4361A)
(43)【公開日】2020年1月9日
(54)【発明の名称】生体検出方法、装置、システム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/32 20130101AFI20191206BHJP
【FI】
   G06F21/32
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-229917(P2018-229917)
(22)【出願日】2018年12月7日
(31)【優先権主張番号】201810706117.X
(32)【優先日】2018年6月28日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518427708
【氏名又は名称】北京曠視科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING KUANGSHI TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】劉 ▲海▼▲敏▼
(72)【発明者】
【氏名】龍 俊潔
(57)【要約】      (修正有)
【課題】端末のデバイスリスクレベルに応じた、生体検出方法を提供する。
【解決手段】生体検出方法は、検出対象の画像を取得するための端末のデバイス情報を取得するステップと、端末のデバイス情報を用いて、端末のデバイスリスクレベルを特定するステップと、端末のデバイスリスクレベルに基づいて、生体検出策略を特定するステップと、を備える。生体検出策略に関して、デバイスリスクレベルがリスクありの場合は、検出対象に実行させる動作の難しさをランダムに増加させ、リスクありでない場合は、検出対象に実行させる動作の難しさをランダムに減少させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象の画像を取得するための端末のデバイス情報を取得するステップと、
前記端末のデバイス情報を用いて、前記端末のデバイスリスクレベルを特定するステップと、
前記端末のデバイスリスクレベルに基づいて生体検出策略を特定するステップと、を備える
生体検出方法。
【請求項2】
前記端末のデバイス情報を用いて前記端末のデバイスリスクレベルを特定するステップは、
前記端末のデバイス情報に基づいて、前記端末はデバイスリスクレベルが高リスクである仮想マシンであるか否かを特定するステップを備える
請求項1に記載の生体検出方法。
【請求項3】
前記デバイス情報には、デバイス指紋、デバイスバッテリー情報、及びデバイスセンサ情報のうちの一つまたは複数が含まれる
請求項2に記載の生体検出方法。
【請求項4】
前記センサには、ジャイロセンサ、重力センサ、加速度センサ、及び磁界センサのうちの一つまたは複数が含まれる
請求項3に記載の生体検出方法。
【請求項5】
前記デバイス情報にはデバイス指紋が含まれ、
前記端末のデバイス情報を用いて、前記端末のデバイスリスクレベルを特定するステップは、
前記端末のデバイス指紋が高リスクデバイス指紋ブラックリストデータベースに属する場合に、前記端末のデバイスリスクレベルを高リスクと特定するステップ、及び/又は
前記端末のデバイス指紋がリスクありデバイス指紋ブラックリストデータベースに属する場合に、前記端末のデバイスリスクレベルをリスクありと特定するステップ、を備える
請求項1に記載の生体検出方法。
【請求項6】
前記デバイス情報には、前記端末の異常アクセス数に関する情報が含まれ、
前記端末のデバイス情報を用いて、前記端末のデバイスリスクレベルを特定するステップは、
前記端末の異常アクセス数が第1の閾値を超える場合に、前記端末のデバイスリスクレベルを高リスクと特定するステップ、及び/又は
前記端末の異常アクセス数が第1の閾値を超えず、第2の閾値を超える場合に、前記端末のデバイスリスクレベルをリスクありと特定するステップ、を備える
請求項1に記載の生体検出方法。
【請求項7】
前記端末のデバイスリスクレベルに基づいて、生体検出策略を特定するステップは、
前記端末のデバイスリスクレベルが高リスクである場合に、前記生体検出策略を拒絶策略と特定する
請求項2〜6のいずれかに記載の生体検出方法。
【請求項8】
前記端末のデバイスリスクレベルに基づいて、生体検出策略を特定するステップは、
前記端末のデバイスリスクレベルがリスクありである場合に、前記生体検出策略を、前記検出対象に実行させる動作数及び/又は前記検出対象に実行させる動作の難しさをランダムに増加することと特定するステップ、及び/又は
前記端末のデバイスリスクレベルが高リスクでもなくリスクありでもない場合に、前記生体検出策略を、前記検出対象に実行させる動作数をランダムに減少すること、及び/又は前記検出対象に実行させる動作の難しさをランダムに下げることと特定するステップ、を備える
請求項5又は請求項6に記載の生体検出方法。
【請求項9】
端末のデバイス情報を取得するための取得モジュールと、
前記端末のデバイス情報を用いて、前記端末のデバイスリスクレベルを特定するリスクモジュールと、
前記端末のデバイスリスクレベルに基づいて、生体検出策略を特定する特定モジュールと、を備える生体検出装置。
【請求項10】
プロセッサとメモリとを含み、
前記メモリには、コンピュータプログラム指令が記憶され、
前記コンピュータプログラム指令は、前記プロセッサによって実行される時に、請求項1〜8のいずれかに記載の生体検出方法を実行するためのものである
生体検出システム。
【請求項11】
プロセッサが動作する時に、請求項1〜8のいずれかに記載の生体検出方法を実行するためのプログラム指令を格納する記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理技術分野に関し、特に、生体検出方法、装置、システム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
技術の発展及び自動化の進展に伴い、生物識別システムなどの応用システムには、生体検出機能、即ちユーザが生きている個体であるか否かを判断する機能が必要になる。
【0003】
一般的に、生体検出技術は、人の生理の特徴を利用する。例えば、生体指紋検出は、指の温度、汗、及び導電性能などの情報に基づくことができる。生体顔検出は、呼吸と赤外線効果などの情報に基づくことができる。生体虹彩検出は、虹彩の振動特性、睫毛及び瞼の動き情報、可視光源の強度に対する瞳孔の収縮及び拡張反応特性などに基づくことができる。これらの生体検出技術は、人の生理の特徴を検出するセンサ技術に依存しており、生体検出の精度を保証することは困難であり、システムに対する悪意の生体の攻撃を有効に防ぐこともできない。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、生体検出方法、装置、システム及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態は、
検出対象の画像を取得するための端末のデバイス情報を取得するステップと、
前記端末のデバイス情報を用いて、前記端末のデバイスリスクレベルを特定するステップと、
前記端末のデバイスリスクレベルに基づいて、生体検出策略を特定するステップと、を備える生体検出方法を提供する。
【0006】
例示として、前記端末のデバイス情報を用いて、前記端末のデバイスリスクレベルを特定 するステップは、
前記端末のデバイス情報に基づいて、前記端末は、デバイスリスクレベルが高リスクである仮想マシンであるか否かを特定するステップ、を備える。
【0007】
例示として、前記デバイス情報には、デバイス指紋、デバイスバッテリー情報、及びデバイスセンサ情報のうちの一つまたは複数が含まれる。
【0008】
例示として、前記センサには、ジャイロセンサ、重力センサ、加速度センサ、及び磁界センサのうちの一つまたは複数が含まれる。
【0009】
例示として、前記デバイス情報にはデバイス指紋が含まれ、
前記端末のデバイス情報を用いて、前記端末のデバイスリスクレベルを特定するステップは、
前記端末のデバイス指紋が高リスクデバイス指紋ブラックリストデータベースに属する場合に、前記端末のデバイスリスクレベルを高リスクと特定するステップ、及び/又は
前記端末のデバイス指紋がリスクありデバイス指紋ブラックリストデータベースに属する場合に、前記端末のデバイスリスクレベルをリスクありと特定するステップ、を備える。
【0010】
例示として、前記デバイス情報には異常アクセス数が含まれ、
前記端末のデバイス情報を用いて、前記端末のデバイスリスクレベルを特定するステップは、
前記端末の異常アクセス数が第1の閾値を超える場合に、前記端末のデバイスリスクレベルを高リスクと特定するステップ、及び/又は
前記端末の異常アクセス数が第1の閾値を超えず、第2の閾値を超える場合に、前記端末のデバイスリスクレベルをリスクありと特定するステップ、を備える。
【0011】
例示として、前記端末のデバイスリスクレベルに基づいて、生体検出策略を特定するステップは、
前記端末のデバイスリスクレベルが高リスクである場合に、前記生体検出策略を拒絶策略と特定する。
【0012】
例示として、前記端末のデバイスリスクレベルに基づいて、生体検出策略を特定するステップは、
前記端末のデバイスリスクレベルがリスクありである場合に、前記生体検出策略を、前記検出対象に実行させる動作数及び/又は前記検出対象に実行させる動作の難しさをランダムに増加することと特定するステップ、及び/又は
前記端末のデバイスリスクレベルが高リスクでもなくリスクありでもない場合に、前記生体検出策略を、前記検出対象に実行させる動作数をランダムに減少すること、及び/又は前記検出対象に実行させる動作の難しさをランダムに下げることと特定するステップ、を備える。
【0013】
本発明の一形態は、
端末のデバイス情報を取得するための取得モジュールと、
前記端末のデバイス情報を用いて、前記端末のデバイスリスクレベルを特定するリスクモジュールと、
前記端末のデバイスリスクレベルに基づいて、生体検出策略を特定する特定モジュールと、を備える生体検出装置を提供する。
【0014】
本発明の一形態は、
プロセッサとメモリと含み、
前記プロセッサが動作する時に、上述生体検出方法を実行するためのコンピュータプログラム指令を前記メモリに記憶する生体検出システムを提供する。
【0015】
本発明の一形態は、
前記プロセッサが動作する時に、上述生体検出方法を実行するためのプログラム指令を格納する記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施形態の生体検出方法、装置、システム及び記憶媒体によれば、端末のデバイス情報を用いて生体検出を調整することで、より低いコストで真の生体が検出にパスすることを保証し、偽生体と悪意の生体が検出にパスすることを難しくする。これにより、生体検出のセキュリティリスクを大きく低下し、ユーザー体験を改善し、悪意の要求がシステムリソースを占めるのを防ぐことができる。
【0017】
上述の説明は、本発明の技術案の概略に過ぎない。本発明の技術手段を一層理解するために、明細書の内容に従って実施することもよい。そして、本発明の上記及び他の目的、特徴、及び利点をより明確に理解するために、本発明の具体的の実施形態を以下で例示する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明することで、本発明の上述及び他の目的、特徴、及び利点はより明らかになる。図面は、本発明の実施形態をさらに理解するために提供されており、本発明に対する制限的なものではない。図面中の同じ符号は、常に同じ要素または同じステップを指す。
図1】本発明の実施形態に係る生体検出方法と装置を実現するための電子デバイスの概略的なブロック図である
図2】本発明の実施形態に係る生体検出方法の例示的概略的なフローチャートである。
図3】本発明の他の実施形態に係る生体検出方法の例示的概略的なフローチャートである。
図4】本発明の実施形態に係る生体検出装置の概略的なブロック図である。
図5】本発明の実施形態に係る生体検出システムの概略的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、以下、図面を参照しながら、本発明の例示的な実施形態を詳しく説明する。これらの実施形態は、本発明の実施形態の一部だけであり、すべての実施形態ではない。ここで説明する例示的な実施形態は、本発明を制限するものではないことが理解されるべきである。当業者が創造性ある労働を払うことなく本発明の実施形態に基づいて得られるすべての他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に入る。
【0020】
まず、図1を参照しながら、本発明の実施形態に係る生体検出方法と装置を実現するための例示的な電子デバイス100を説明する。
【0021】
図1に示すように、電子デバイス100は、一つまたは複数のプロセッサ102と、一つまたは複数の記憶装置104と、を備える。任意選択的に、電子デバイス100は、バスシステム112及び/又は他の形式の接続機構(未図示)によって相互に接続された入力装置106、出力装置108、及びデータ取得装置110を有してもよい。図1で示す電子デバイス100の要素と構成は、単なる例示であり、限定するものではなく、必要に応じて他の要素と構成を有してもよいことに留意すべきである。
【0022】
プロセッサ102は、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、またはデータ処理能力及び/又は指令実行能力を有する他の形式の処理装置であり、所望の機能を実行するように、電子装置100における他の要素を制御することができる。
【0023】
記憶装置104は、一つまたは複数のコンピュータプログラム製品を有してもよい。前記コンピュータプログラム製品は、揮発性メモリ及び/または不揮発性メモリなど、様々な形式のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含んでもよい。前記揮発性メモリは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び/またはキャッシュ(cache)などを含んでもよい。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、ハードディスク、フラッシュメモリなどを含んでもよい。前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、1つまたは複数のコンピュータプログラム指令を格納することができ、プロセッサ102は、後述する本発明の実施形態における(プロセッサによって実現される)クライアント機能及び/または他の所望の機能を実行することができる。前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、様々なアプリケーション及びアプリケーションで使用される及び/または生成される様々なデータなどの様々なデータを格納してもよい。
【0024】
入力装置106は、ユーザが指令を入力するための装置であって、キーボード、マウス、マイクロホン、タッチスクリーンなどのうちの1つまたは複数を含んでもよい。
【0025】
前記出力装置108は、外部(例えば、ユーザ)に様々な情報(例えば、画像及び/又は音声)を出力することができ、ディスプレイ、スピーカなどのうちの1つまたは複数を含んでもよい。
【0026】
データ取得装置110は、画像などの様々な形式のデータを収集し、他の要素によって使用するように、収集されたデータを記憶装置104に格納することができる。データ取得装置110は、カメラ等であってもよい。データ取得装置110は一例に過ぎず、電子デバイス100はデータ取得装置110を備えなくてもよいことに留意すべきである。この場合、他のデータ取得装置を利用しデータを取得し、取得したデータを電子装置100に送信してもよい。
【0027】
例示として、本発明の実施形態に係る生体検出方法と装置を実現するための例示的な電子デバイスは、携帯電話、タブレット、カスタム端末、パーソナルコンピュータ、またはリモートサーバなどのデバイスで実現されてもよい。
【0028】
図2は、本発明の一実施形態に係る生体検出方法200の模式的なフローチャートを示している。図2に示すように、方法200は、以下のステップを備える。
【0029】
ステップS210において、検出対象の画像を取得するための端末のデバイス情報を取得する。
【0030】
検出対象は、端末を通じて生体検出要求を出してもよい。該端末は、携帯電話、タブレット、カスタム端末、またはソフトウェアによってシミュレートされる様々な端末であってもよい。前記デバイス情報は、デバイスに関する情報であり、例えば端末を唯一に識別するためのデバイス識別子、端末が真のデバイスであることを検出するための特徴パラメータなどであってもよい。
【0031】
一例では、生体検出SDK(Software Development Kit、SDKと略する)が、端末で初期化される。ここで、生体検出SDKは生体検出機能に対するソフトウェア開発キットである。生体検出SDKの初期化中に、端末のデバイス情報を収集してもよい。
【0032】
他の一例では、生体検出APPが、端末に実装される。生体検出APPの初期化中に該端末のデバイス情報を収集してもよい。
【0033】
上述端末は、検出対象の画像をさらに取得する。例えば、生体検出のために、カメラなどの装置によって検出対象の写真及び/又はビデオ画像を取得する。
【0034】
ステップS220において、ステップS210で取得した端末のデバイス情報を用いて、該端末のデバイスリスクを特定する。
【0035】
端末のデバイス情報を取得した後に、該デバイスに対して、デバイス情報に基づいてデバイスリスクレベルの評価と判断を行う。該端末は、デバイス情報に高リスク識別特徴を有する場合に、デバイスリスクレベルを高リスクと判断され、デバイス情報に一般リスク識別特徴を有する場合に、リスクありと判断され、そうでない場合に、正常なデバイスであると判断される。一実施形態では、検出対象が端末(例えば携帯電話、タブレット、カスタム端末、または仮想マシンなどの端末デバイス)で生体検出要求を出し、サーバ(例えば、リモートコンピュータまたはクラウドサーバ)が該端末のデバイス情報を受信して、該端末のデバイス情報に基づいて該端末のデバイスリスクレベルを特定する。他の実施形態では、検出対象が端末で生体検出要求を出し、端末は、収集された端末のデバイス情報に基づいて端末のデバイスリスクレベルを特定する。
【0036】
端末のデバイスリスクレベルに対してレベルを区別して評価することで、システムの効率を向上し、ユーザー体験を改善するように、異なるリスクレベルの端末の生体検出要求に対して別々に処理を行うことができる。
【0037】
ステップS230において、ステップS220で特定した端末のデバイスリスクレベルに基づいて、生体検出策略を特定する。
【0038】
生体検出要求を出した端末のデバイスリスクレベルに基づいて、現在の生体検出要求が悪意の攻撃要求のリスクレベルに属すると評価されることができる。これにより、異なるデバイスリスクレベルに対して生体検出策略を特定することができる。例えば、悪意の要求を直接に拒否し、悪意の可能性がある要求に対して生体検出操作の閾値をランダムに高め、正常な要求に対して生体検出操作の閾値をランダムに下げる。
【0039】
悪意の要求を直接に拒否することは、高リスクを避けるとともに、システムリソースを占めることを防ぐことができる。生体検出操作の閾値を高めると、悪意の可能性がある要求に対して、検出にパスすることが難しくなる。同時に、ランダムな生体検出操作の要求が、生体検出動作の予測の可能性を低下させるため、悪意の要求が検出にパスすることはさらに難しくなる。正常な要求に対して、生体検出操作の閾値をランダムに下げることで、検出にパスする効率を向上し、ユーザー体験を改善する。
【0040】
生体検出要求を出した端末のデバイス情報を用いて、生体検出策略を調整することで、真の生体がより低いコストで検出にパスすることを保証し、偽生体と悪意の生体が検出にパスすることを難しくする。従って、生体検出の精度を保証する。これにより、生体検出のセキュリティリスクを大きく低下し、悪意の要求がシステムリソースを占めることを防ぐ。
【0041】
図3は、本発明の他の実施形態に係る生体検出方法300の概略的なフローチャートを示している。図3に示すように、方法300のうちのステップS310と方法200のうちのステップS210は、その実現する機能、処理の方法及び過程が同様であるために、ここで重複されない。方法300のうちのステップS320、ステップS341、ステップS342、ステップS361、及びステップS362は、方法200のうちのステップS220のより具体的な実施形態である。方法300のうちのステップS330、及びステップS351〜ステップS355は、方法200のうちのステップS230のより具体的な実施形態である。
【0042】
ステップS320において、ステップS310で取得した端末のデバイス情報を用いて、該端末は仮想マシンであるか否かを特定する。仮想マシンは、仮想携帯端末などの、ソフトウェアによってシミュレートされる端末である。仮想マシンは、デバイスリスクが高リスクであり、悪意の攻撃要求の通常の手段である。ユーザー写真、ユーザーアカウントデータなどの実際の使用過程におけるユーザーデータは、ハッキングソフトウェアなどによってインターセプトされる。仮想マシンを利用し、インターセプトされたユーザーデータを利用し真のユーザーを真似て生体検出要求を出す。仮想マシンによって悪意の要求を出すユーザーは、本物の生体ではなく、偽生体とも呼ばれる。
【0043】
例示として、端末が仮想マシンであるか否かを判断するためのデバイス情報は、該端末のデバイス指紋を含んでもよい。人間の指紋は、唯一性を具備するため、人のアイデンティティとすることができる。同様に、真のハードウェア端末は、該端末のデバイス指紋と呼ばれる唯一にその端末を識別する識別子を具備する。端末のデバイス指紋は、例えば、CPUハードウェアシリアル番号、国際移動体装置識別番号(International Mobile Equipment Identity、IMEIと略する)及び媒体アクセス制御アドレス(Medium Access Control address、MACと略する)などのデバイス識別子であってもよい。要求を出した端末は、真のユーザーのデバイスであれば、該端末のデバイス指紋は特定された唯一の固有値である。要求を出した端末は、ソフトウェアでシミュレートされる仮想マシンであれば、取得したIMEIなどの端末のデバイス指紋は、一般的に0になる。従って、端末のデバイス指紋は唯一の固有値であるか否かを判断することで、該端末が仮想マシンであるか否かを検出することができる。
【0044】
例示として、端末が仮想マシンであるか否かを判断するためのデバイス情報は、該端末のデバイスバッテリー情報を含んでもよい。正常な端末デバイスのバッテリー情報は、使用することと伴にだんだん変化しているが、ソフトウェアでシミュレートされる仮想マシンのバッテリーは変更されない。従って、端末のデバイスバッテリー情報が変わらないか否かを判断することで、該端末が仮想マシンであるか否かを検出することができる。
【0045】
例示として、端末が仮想マシンであるか否かを判断するためのデバイス情報は、該端末のデバイスセンサー情報を含んでもよい。携帯電話などの一般的に使用される端末には、常に複数のデバイスセンサーが内蔵されている。例えば、ジャイロセンサ、重力センサ、加速度センサ、及び磁場センサ。携帯電話が変位すると、デバイスセンサー情報が変更される。例えば、ジャイロセンサは複数方向の変位の変化を追跡し、重力センサは重力変化を追跡し、加速度センサは携帯電話の動きの速度を測定し、磁界センサは磁界強度及び方向変化を検出することができる。ソフトウェアでシミュレートされる仮想マシンのデバイスセンサー情報は変更されない。したがって、端末のデバイスセンサー情報が変わらないか否かを判断することで、該端末が仮想マシンであるか否かを検出することができる。
【0046】
上記端末の様々なデバイス情報を利用することで、該端末は仮想マシンなどのデバイスリスクが高リスクであるデバイスであるか否かを検出することができる。従って、仮想マシンを利用した悪意の攻撃要求を排除することができる。
【0047】
ステップS330において、ステップS320で端末のデバイスリスクレベルが高リスクと特定された場合に、該端末の生体検出策略を拒否の策略と特定する。例えば、仮想マシンを利用して要求を出したのは生体ではないと考えれば、該端末の悪意の要求を直接に拒否する。これにより、セキュリティリスクが排除され、悪意の要求がシステムリソースを占めることが効果的に防止される。
【0048】
方法300は、ステップS341及びステップS342をさらに含む。端末のデバイス情報には該端末のデバイス指紋を含み、端末のデバイス指紋及びデバイス指紋ブラックリストデータベースを利用し、端末のデバイスリスクレベルを特定する。
【0049】
ネットワーク識別、ネットワーク決済認証、セキュリティアクセス制御システムなどの生体識別の様々な応用において、さまざまな不審な行動が端末の信用度を低下させる。クレジットレコードによれば、操作を開始した端末のデバイス指紋が、それぞれ各レベルのブラックリストデータベースに追加される。この実施形態では、デバイス指紋ブラックリストデータベースが、リスクの程度に応じて、高リスクデバイス指紋ブラックリストデータベースと、リスクありデバイス指紋ブラックリストデータベースの2つのレベルに分けられる。高リスクデバイス指紋ブラックリストデータベースには、公安部門が発行したブラックリストとグローバル共有ブラックリストを含んでもよいし、実際の応用で悪意の攻撃行為があったデバイス指紋ブラックリストをさらに含んでもよい。リスクありデバイス指紋ブラックリストには、実際の応用で不審な攻撃を開始したデバイスの指紋ブラックリストを含んでもよい。
【0050】
ステップS341において、端末のデバイス指紋が高リスクデバイス指紋ブラックリストデータベースに属する場合、該端末のデバイスリスクレベルが高リスクであると判断する。該端末は、悪意の攻撃を開始した端末であるかもしれない、あるいは、公安部門または公衆による高リスクブラックリストに明示的に含まれている端末であるかもしれない。つまり、該端末を使用して要求を出す人は、悪意の攻撃を開始する動機がある悪い人かもしれない。ステップS330に進んで、該端末に対する生体検出策略を拒否の策略と特定する。例えば、該端末の要求を直接に拒否する。これにより、セキュリティリスクが排除され、悪意の要求がシステムリソースを占めることが効果的に防止される。
【0051】
ステップS342において、端末のデバイス指紋がリスクありデバイス指紋ブラックリストデータベースに属する場合に、該デバイスのデバイスリスクレベルをリスクありと特定する。該端末は、不審な攻撃行為又は他の信用度に影響を与える行為があったかもしれない。
【0052】
方法300は、ステップS351をさらに含む。端末のデバイスリスクレベルがリスクありである場合には、セキュリティリスクを低下するために、ステップS351に進んで、該端末に対する生体検出策略を、ユーザーに実行させる動作数及び/又はユーザーに実行させる動作の難しさをランダムに増加すると特定する。例えば、一般的に、ユーザーが2回瞬きすると要求されるが、ユーザーの瞬きの回数を4回に増加してもよい。一般的に、ユーザーが瞬きするまたは口を開けると要求されるが、右手で鼻に触らせるように動作の難しさを向上してもよい。また、ユーザーに実行させる動作数と動作の難しさをランダムに組み合わせてもよい。例えば、ユーザーが4回瞬きするとともに、口を3回開けると要求される。あるいは、ユーザーが3回瞬きするとともに、右手で鼻に2回触ると要求される。あるいは、ユーザーが口を2回開けるとともに、左手で鼻に3回触ると要求される。
【0053】
例示として、方法300は、ステップS353、ステップS354、及びステップS355をさらに含み、端末が収集した検出対象の画像を利用して生体検出の結果を特定する。
【0054】
ステップS353において、上述の検出対象に実行させる動作の情報が含まれる指令を対応の端末に送信することで、該端末を利用している検出対象が上述の検出対象に実行させる動作を対応的に実行することを指示する。例えば、このように指令を送信する:瞬きしてください−>口を開けてください−>瞬きしてください−>口を開けてください−>口を開けてください。検出対象が上述の指令に応じて対応的な動作を実行する。
【0055】
ステップS354において、該端末が収集した、該検出対象が実行した動作を含むビデオ画像を取得する。
【0056】
ステップS355において、取得したビデオ画像に基づいて、生体検出結果を特定する。例えば、該ビデオ画像において、検出対象が実行した動作が、上述の検出対象に実行させる動作に対応すれば、該検出対象の生体検出結果は検出成功であり、そうでなければ検出失敗である。一例には、検出対象が端末で生体検出要求を出し、サーバが、検出対象が生体検出操作を実行するように、上述の指令を対応の端末に送信し、該端末は、該検出対象が実行した動作を含むビデオ画像を収集して、該サーバに送信する。該サーバは、取得したビデオ画像に基づいて、生体検出結果を特定する。
【0057】
他の実施形態では、検出対象が端末で生体検出要求を出し、そして端末が、検出対象が生体検出操作を実行するように、上述の指令を直接に送信し、収集したビデオ画像に基づいて、生体検出結果を特定する。
【0058】
ユーザーに実行させる動作数及び/又はユーザーに実行させる動作の難しさをランダムに増加するよって、悪意の可能性がある要求に対して、検出にパスすることが難しくなる。同時に、ランダムな生体検出操作の要求が、生体検出動作の予測の可能性を低下させるため、悪意の要求が検出にパスすることはさらに難しくなる。従って、端末のデバイスリスクレベルがリスクありである場合に、生体検出操作の閾値を上げて、生体検出のセキュリティリスクを低減する。
【0059】
例示として、方法300は、ステップS361及びステップS362をさらに含む。端末のデバイス情報には該端末についての異常アクセス数が含まれ、該情報を用いて、該端末のデバイスリスクレベルを特定する。悪意の攻撃は、検出にパスするように、あるいは、正常な要求に応答できない又はシステムをクラッシュさせるために、攻撃されたシステムをビジー過ぎにさせるように、要求を引き続き出すものがある。身元をごまかす悪い人が、生体検出にパスするために、頻繁に試すことがあり、新しいユーザーにとっては、操作に慣れていないため、複数の要求を繰り返すこともある。上記情報には、特定の期間中に頻繁に出したアクセス要求の記録が含まれる。この記録を通じて、特定の期間中に同じ端末によって頻繁に出した異常アクセス数を得ることができる。一日または一時間などのデフォルトの設定値を利用して特定の時間としてもよい。生体検出の管理者は、この設定値を変更することもできる。
【0060】
ステップS361において、前記端末の異常アクセス数が第1の閾値を超える場合に、該端末のデバイスリスクレベルを高リスクと特定する。この端末から出した頻繁な要求が高リスクの悪意の攻撃である可能性は高い。ステップS330に進んで、該端末に対する生体検出策略を拒否の策略と特定する。例えば、該端末の要求を直接に拒否する。これにより、セキュリティリスクが排除され、悪意の要求がシステムリソースを占めることが効果的に防止される。ここで、第1の閾値は高リスクの閾値であり、1000回などのデフォルトの設定値を利用して第1の閾値としてもよい。生体検出の管理者は、第1の閾値を変更することもできる。
【0061】
ステップS362において、端末の異常アクセスの回数が第1の閾値を超えず、第2の閾値を超える場合に、この端末のデバイスリスクレベルをリスクありと特定する。該端末を利用するユーザーが、身元をごまかす悪い人、または操作に慣れない新しいユーザーである場合がある。セキュリティリスクを低減するために、ステップS351に進んで、該端末に対する生体検出策略は、ユーザーに実行させる動作数及び/又はユーザーに実行させる動作の難しさをランダムに増加すると特定する。生体検出操作の具体的な処理は、前記ステップS353〜S355で説明したとおりであるので、簡略化のために説明を重複しない。ここで、第2の閾値は一般的なリスク閾値であり、100回などのデフォルトの設定値を利用して第2の閾値としてもよい。生体検出の管理者は、第2の閾値を変更することもできる。
【0062】
方法300は、ステップS352を含む。端末のデバイスリスクレベルが、高リスク又はリスクありではない場合、即ち、該端末が、リスクが低い正常な端末である場合、ステップS352に進んで、該端末に対する生体検出策略は、ユーザーに実行させる動作数及び/又はユーザーに実行させる動作の難しさをランダムに低減すると特定する。例えば、一般的に、ユーザーが2回瞬きし、口を2回開けると要求されるが、1回だけ瞬き、または1回だけ口を開けるに低減してもよいし、動作を実行する必要がないとしてもよい。ユーザーに実行させる動作数及び/又はユーザーに実行させる動作の難しさをランダムに低減することで、生体検出操作の閾値を下げて、正常な要求が検出にパスする効率を向上し、ユーザー体験を改善する。例えば、千人の社員を有する会社が使用する顔認識ゲート/勤怠管理装置を説明する。各社員に対して2回瞬きする、そして口を2回開けると要求すれば、社員ごとが前記生体顔認識操作に20秒間かかる。朝のラッシュアワー時には、各社員が、会社に入る前に、顔認識操作が完了するまで待つ必要があるので、会社の入口で多くの社員が渋滞することになる。本発明の実施形態に拠れば、正常な社員が使用する端末が、低リスクの正常な端末と検出したら、システムが、ユーザーに実行させる動作数及び/又はユーザーに実行させる動作の難しさをランダムに低減する。各社員が会社に入る前の生体顔認識操作は、1回だけ瞬きする、又は口を1回だけ開けることになる。社員が個人的に長時間使用している携帯電話などのデバイス指紋ホワイトリストにおけるユーザーに対しては、操作の実行さえも必要がない。従って、生体顔認識操作を完了する時間は、3秒を超えない。これにより、正常な社員(即ち、本物の生体)が生体顔認識にパスする効率を大きく向上し、企業管理または個人の社員に対してもユーザー体験を改善する。一方、ランダムな生体検出要求は、例えば前回で瞬きと要求され、今回で口を開けると要求され、次回で動作を要求されないことは、正常な社員に対して、「退屈」な顔認識ゲート/勤怠管理装置の操作に小さい変化と驚喜を与えて、ユーザー体験をさらに改善する。同時に、ランダムな生体検出操作の要求が、生体検出動作の予測の可能性を低下させるため、悪意の要求が検出にパスすることはさらに難しくなる。例えば、社員の携帯電話を盗んで、社員の写真を使って顔認識操作を実行するのでは、生体検出操作が要求する操作を予測できないので、対応する動作のビデオを予め用意することができない。従って、生体検出に失敗する可能性が大きくなって、セキュリティリスクを低減することができる。生体検出操作の具体的な処理は、前記ステップS353〜S355で説明したとおりであるので、簡略化のために説明を重複しない。
【0063】
上記実施形態におけるステップS310〜S362は、端末のデバイス情報を用いて生体検出を行う方法を提供する。当業者であれば、上記の処理は単なる例であり、本発明を限定するものではないことを理解するであろう。図3に示すように、先ず、仮想マシン判断ステップS320が実行され、端末のデバイス指紋に基づいて端末が仮想マシンであるか否かを判断する。仮想マシンでない場合、ブラックリスト検索ステップS341及びS342をさらに実行して、該デバイス指紋が高リスクデバイス指紋ブラックリストデータベースまたはリスクありデバイス指紋ブラックリストデータベースに属するかどうかをさらに検索する。いずれのブラックリストにも属していない場合には、異常アクセス判断ステップS361、S362を実行して、該端末に異常アクセス情報があるか否かをさらに確認することにより、端末のデバイスリスクを正確に判断する。任意選択的に、上記の3つの決定方法は、1つずつ実行される必要はない。例えば、仮想マシン判断ステップS320をスキップして、ブラックリスト検索ステップS341、S342を直接に実行してもよい。また、例えば、仮想マシン判断ステップS320を実行した後、ブラックリスト検索ステップS341、S342を実行することなく、異常アクセス判断ステップS361、S362を直接実行してもよい。また、例えば、異常アクセス判断ステップS361及びS362のみが実行されてもよい。任意選択的に、上記3つの決定方法は、処理の手順を交換することができる。例えば、仮想マシン判断ステップS320を実行した後、まず、異常アクセス判断ステップS361、S362が実行され、そしてブラックリスト探索ステップS341、S342が実行される。任意選択的に、上記3つの判定方法を並行して行ってもよい。実際に応用される場合とシステムリソースに応じて、上記の各種判断方法を柔軟に組み合わせて適用し、効果、効率、及びコストの総合的な最適な技術を得る。
【0064】
上記実施形態では、端末によって生体検出要求が出される。当業者であれば、リモートコンピュータやクラウドサーバなどのサーバは、検出される必要がある検出対象の端末に生体検出指令を能動的に送信することもできることを理解すべきだろう。生体検出指令を受信した端末は、現在の端末のデバイス情報を収集して、上記生体検出方法のうちの次のステップを実行する。本出願の技術案は、これを限定するものではない。
【0065】
本発明の別の形態によれば、生体検出ための装置を提供する。図4は、本発明の一実施形態に係る生体検出装置の概略的なブロック図を示した。
【0066】
図4に示すように、装置400は、取得モジュール410、リスクモジュール420及び特定モジュール430を具備する。各部は、上に記載される生体検出方法の各ステップ/機能をそれぞれに実行することができる。以下では、該装置400の各要素の主な機能を説明するが、上で説明した詳細な内容を略する。
【0067】
取得モジュール410は、検出対象の画像を取得するための端末のデバイス情報を取得する。取得モジュール410は、図1に示した電子デバイスにおけるプロセッサ102によって、記憶装置104に記憶されるプログラム指令を実行することで構成されてもよい。
【0068】
リスクモジュール420は、端末のデバイス情報を用いて、該端末のデバイスリスクレベルを特定する。リスクモジュール420は、図1に示した電子デバイスにおけるプロセッサ102によって、記憶装置104に記憶されるプログラム指令を実行することで構成されてもよい。
【0069】
任意選択的に、リスクモジュール420は、仮想マシン判断部をさらに含んでもよい。前記仮想マシン判断部は、端末のデバイス情報に基づいて、該端末がデバイスリスクレベルが高リスクである仮想マシンであるか否かを判断する。任意選択的に、前記デバイス情報は、デバイス指紋、デバイスバッテリー情報、及びデバイスセンサ情報のうちの一つまたは複数が含まれる。任意選択的に、前記デバイスセンサには、ジャイロセンサ、重力センサ、加速度センサ、及び磁界センサのうちの一つまたは複数が含まれる。
【0070】
任意選択的に、前記デバイス情報にはデバイス指紋が含まれ、リスクモジュール420はブラックリスト判断部をさらに含んでもよい。前記ブラックリスト判断部は、端末のデバイス指紋が高リスクデバイス指紋ブラックリストデータベースに属する場合に、該端末のデバイスリスクレベルを高リスクと特定し、端末のデバイス指紋がリスクありデバイス指紋ブラックリストデータベースに属する場合に、該端末のデバイスリスクレベルをリスクありと特定する。
【0071】
任意選択的に、前記デバイス情報には異常アクセス数が含まれ、リスクモジュール420は異常訪問判断部をさらに含んでもよい。前記異常訪問判断部は、端末の異常アクセス数が第1の閾値を超える場合に、該端末のデバイスリスクレベルを高リスクと特定し、端末の異常アクセス数が第1の閾値を超えず、第2の閾値を超える場合に、該端末のデバイスリスクレベルをリスクありと特定する。
【0072】
特定モジュール430は、端末のデバイスリスクレベルに基づいて生体検出策略を特定する。特定モジュール430は、図1に示した電子デバイスにおけるプロセッサ102によって、記憶装置104に記憶されるプログラム指令を実行することで構成されてもよい。
【0073】
任意選択的に、特定モジュール430は、前記端末のデバイスリスクレベルが高リスクである場合に、前記生体検出策略を拒絶策略と特定する。
【0074】
任意選択的に、特定モジュール430は、前記端末のデバイスリスクレベルがリスクありである場合に、前記生体検出策略を、前記検出対象に実行させる動作数及び/又は前記検出対象に実行させる動作の難しさをランダムに増加することと特定し、及び/又は前記端末のデバイスリスクレベルが高リスクでもなくリスクありでもない場合に、前記生体検出策略を、前記検出対象に実行させる動作数をランダムに減少すること、及び/又は前記検出対象に実行させる動作の難しさをランダムに下げることと特定する。
【0075】
当業者であれば、本明細書で開示された実施形態に関連して説明された様々な例示の要素及びアルゴリズムステップが、電子ハードウェアまたはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアの組み合わせで実施できることを理解できるであろう。これらの機能がハードウェアで実行されるかソフトウェアで実行されるかは、技術案の特定の応用と設計上の制約によって異なっている。当業者であれば、特定の応用ごとに記載された機能を実施するために異なる方法を使用することができるが、そのような実施は本発明の範囲を超えないと考えられるべきである。
【0076】
図5は、本発明の実施形態に係る生体検出システムの概略的なブロック図を示している。図5に示すように、システム500は、入力装置510、記憶装置520、プロセッサ530及び出力装置540を備える。
【0077】
入力装置510は、ユーザーが入力した操作指令を受信し、データを収集するための装置であって、キーボード、マウス、マイクロホン、タッチスクリーン及び画像収集装置などの1つまたは複数を含んでもよい。
【0078】
記憶装置520は、本発明の実施形態に係る生体検出方法における対応のステップを実現するためのコンピュータプログラム指令を記憶する。
【0079】
プロセッサ530は、本発明の実施形態に係る生体検出方法における対応のステップを実現するように、前記記憶装置に記憶されるコンピュータプログラム指令を実行し、本発明の実施形態に係る生体検出のための装置における取得モジュール410、リスクモジュール420、及び特定モジュール430を実現する。
【0080】
一実施形態において、前記コンピュータプログラム指令が前記プロセッサ530によって実行される時、前記システム500は、
検出対象の画像を取得するための端末のデバイス情報を取得するステップと、
前記端末のデバイス情報を用いて、前記端末のデバイスリスクレベルを特定するステップと、
前記端末のデバイスリスクレベルに基づいて、生体検出策略を特定するステップと、を実行させる。
【0081】
一実施形態において、前記コンピュータプログラム指令が前記プロセッサ530によって実行される時、前記システム500は、前記端末のデバイス情報に基づいて、前記端末は、デバイスリスクレベルが高リスクである仮想マシンであるか否かを特定するステップを実行させる。
【0082】
例示として、前記デバイス情報には、デバイス指紋、デバイスバッテリー情報、及びデバイスセンサ情報のうちの一つまたは複数が含まれる。
【0083】
例示として、前記センサには、ジャイロセンサ、重力センサ、加速度センサ、及び磁界センサのうちの一つまたは複数が含まれる。
【0084】
一実施形態において、前記デバイス情報にはデバイス指紋が含まれ、
前記コンピュータプログラム指令が前記プロセッサ530によって実行される時、前記システム500は、
前記端末のデバイス指紋が高リスクデバイス指紋ブラックリストデータベースに属する場合に、前記端末のデバイスリスクレベルを高リスクと特定するステップ、及び/又は
前記端末のデバイス指紋がリスクありデバイス指紋ブラックリストデータベースに属する場合に、前記端末のデバイスリスクレベルをリスクありと特定するステップ、を実行させる。
【0085】
一実施形態において、前記デバイス情報には異常アクセス数が含まれ、
前記コンピュータプログラム指令が前記プロセッサ530によって実行される時、前記システム500は、
前記端末の異常アクセス数が第1の閾値を超える場合に、前記端末のデバイスリスクレベルを高リスクと特定するステップ、及び/又は
前記端末の異常アクセス数が第1の閾値を超えず、第2の閾値を超える場合に、前記端末のデバイスリスクレベルをリスクありと特定するステップ、を実行させる。
【0086】
一実施形態において、前記コンピュータプログラム指令が前記プロセッサ530によって実行される時、前記システム500は、前記端末のデバイスリスクレベルが高リスクである場合に、前記生体検出策略を拒絶策略と特定するステップを実行させる。
【0087】
一実施形態において、前記コンピュータプログラム指令が前記プロセッサ530によって実行される時、前記システム500は、
前記端末のデバイスリスクレベルがリスクありである場合に、前記生体検出策略を、前記検出対象に実行させる動作数及び/又は前記検出対象に実行させる動作の難しさをランダムに増加することと特定するステップ、及び/又は
前記端末のデバイスリスクレベルが高リスクでもなくリスクありでもない場合に、前記生体検出策略を、前記検出対象に実行させる動作数をランダムに減少すること、及び/又は前記検出対象に実行させる動作の難しさをランダムに下げることと特定するステップ、を実行させる。
【0088】
また、本発明の別の一形態によれば、コンピュータまたはプロセッサによって実行されるときに、前記コンピュータまたはプロセッサに本発明の実施形態に係る生体検出方法における対応のステップを実行させ、本発明の実施形態に係る生体検出ための装置における対応の各部を実現するプログラム指令が格納された記憶媒体が提供される。前記記憶媒体は、例えば、スマートフォンのメモリカード、タブレットの記憶装置、パーソナルコンピュータのハードディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブルROM(EPROM)、携帯型コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、USBメモリ、または上記の記憶媒体の任意の組み合わせを含むことができる。前記コンピュータ可読記憶媒体は、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体の任意の組み合わせとすることができる。
【0089】
一実施形態において、前記コンピュータプログラム指令がコンピュータ又はプロセッサによって実行される時、前記コンピュータ又はプロセッサは、
検出対象の画像を取得するための端末のデバイス情報を取得するステップと、
前記端末のデバイス情報を用いて、前記端末のデバイスリスクレベルを特定するステップと、
前記端末のデバイスリスクレベルに基づいて、生体検出策略を特定するステップと、を実行させる。
【0090】
一実施形態において、前記コンピュータプログラム指令がコンピュータ又はプロセッサによって実行される時、前記コンピュータ又はプロセッサは、前記端末のデバイス情報に基づいて、前記端末は、デバイスリスクレベルが高リスクである仮想マシンであるか否かを特定するステップを実行させる。
【0091】
例示として、前記デバイス情報には、デバイス指紋、デバイスバッテリー情報、及びデバイスセンサ情報のうちの一つまたは複数が含まれる。
【0092】
例示として、前記センサには、ジャイロセンサ、重力センサ、加速度センサ、及び磁界センサのうちの一つまたは複数が含まれる。
【0093】
一実施形態において、前記デバイス情報にはデバイス指紋が含まれ、
前記コンピュータプログラム指令がコンピュータ又はプロセッサによって実行される時、前記コンピュータ又はプロセッサは、
前記端末のデバイス指紋が高リスクデバイス指紋ブラックリストデータベースに属する場合に、前記端末のデバイスリスクレベルを高リスクと特定するステップ、及び/又は
前記端末のデバイス指紋がリスクありデバイス指紋ブラックリストデータベースに属する場合に、前記端末のデバイスリスクレベルをリスクありと特定するステップ、を実行させる。
【0094】
一実施形態において、前記デバイス情報には異常アクセス数が含まれ、
前記コンピュータプログラム指令がコンピュータ又はプロセッサによって実行される時、前記コンピュータ又はプロセッサは、
前記端末の異常アクセス数が第1の閾値を超える場合に、前記端末のデバイスリスクレベルを高リスクと特定するステップ、及び/又は
前記端末の異常アクセス数が第1の閾値を超えず、第2の閾値を超える場合に、前記端末のデバイスリスクレベルをリスクありと特定するステップ、を実行させる。
【0095】
一実施形態において、前記コンピュータプログラム指令がコンピュータ又はプロセッサによって実行される時、前記コンピュータ又はプロセッサは、前記端末のデバイスリスクレベルが高リスクである場合に、前記生体検出策略を拒絶策略と特定するステップを実行させる。
【0096】
一実施形態において、前記コンピュータプログラム指令がコンピュータ又はプロセッサによって実行される時、前記コンピュータ又はプロセッサは、
前記端末のデバイスリスクレベルがリスクありである場合に、前記生体検出策略を、前記検出対象に実行させる動作数及び/又は前記検出対象に実行させる動作の難しさをランダムに増加することと特定するステップ、及び/又は
前記端末のデバイスリスクレベルが高リスクでもなくリスクありでもない場合に、前記生体検出策略を、前記検出対象に実行させる動作数をランダムに減少すること、及び/又は前記検出対象に実行させる動作の難しさをランダムに下げることと特定するステップ、を実行させる。
【0097】
本発明の実施形態の生体検出方法、装置、システム及び記憶媒体によれば、端末のデバイス情報を用いて生体検出を行うことで、より低いコストで真の生体が検出にパスすることを保証し、偽生体と悪意の生体が検出にパスすることを難しいにする。これにより、生体検出のセキュリティリスクを大きく低下し、ユーザー体験を改善し、悪意の要求がシステムリソースを占めるのを防ぐことができる。
【0098】
例示的な実施形態を図面を参照して説明したが、上記例示的な実施形態は単なる例示であり、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことが理解される。当業者であれば、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく様々な変更及び修正を行うことができる。全てのそのような変更及び修正は、本発明の請求の範囲に含まれることが意図される。
【0099】
当業者であれば、本明細書で開示された実施形態に関連して説明された様々な例示の要素及びアルゴリズムステップが、電子ハードウェアまたはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアの組み合わせで実施できることを理解すべきであろう。これらの機能がハードウェアで実行されるかソフトウェアで実行されるかは、技術案の特定の応用と設計上の制約によって異なっている。当業者であれば、特定の応用ごとに記載された機能を実施するために異なる方法を使用することができるが、そのような実施は本発明の範囲を超えないと考えられるべきである。
【0100】
本願によって提供されるいくつかの実施形態において、開示された装置及び方法は、他の方法で実施され得ることを理解すべきだろう。例えば、上記の装置の実施形態は単なる例示である。例えば、前記の要素の分割は、論理的な機能の分割だけであり、実際の応用には、他の分割の方式を利用してもよい。例えば、複数の要素や成分を組み合わせて、又は他のデバイスに統合してもよい、一部の機能を無視して、又は実行しなくてもよい。
【0101】
ここで提供される明細書では、多くの具体的な詳細が述べられている。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの具体的な詳細なしに実施され得ることが理解される。いくつかの例では、周知の方法、構造、及び技術は、説明の理解を不明瞭にしないように、詳細には示されていない。
【0102】
同様に、本発明を簡略化すると伴に、発明の各形態のいずれを理解し易いのために、本発明の例示的な実施形態の説明において、各特徴は、単一の実施形態、図面、及びその記載にまとめられることがある。しかしながら、本発明の方法は、特許請求の範囲に記載されたものよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものと解釈されるべきではない。むしろ、本発明は、対応する特許請求の範囲に反映されるのように、単一の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ない特徴で技術的問題を解決することができる。したがって、特定の実施形態に従う請求項は、該具体的な実施形態を明示的に備える。各請求項は、本発明の別々の実施形態としている。
【0103】
当業者であれば、本明細書(特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示されるすべての特徴は、相互排他的でない限り、任意的に組み合わせて使用され得ることが理解すべきだろう。特に記載しない限り、本明細書(特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示された各特徴は、同じ、同等または類似の目的を提供する代替の特徴によって置き換えることができる。
【0104】
また、当業者であれば、上記のいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれる特定の特徴を含み、他の特徴に含まれないが、異なる実施形態の特徴の組合せが、本発明の範囲内にあり、異なる実施形態を形成することを意図する。例えば、請求の範囲において、請求された実施形態のいずれか1つを任意の組み合わせで使用することができる。
【0105】
本発明の様々な要素の実施形態は、ハードウェア、または1つまたは複数のプロセッサ上で実行されるソフトウェアモジュール、またはそれらの組み合わせで実現することができる。当業者であれば、本発明の実施形態による生体検出のための装置のいくつかの部のいくつかまたは全ての機能が、マイクロプロセッサまたはデジタル信号プロセッサ(DSP)を使用して実現され得ることを理解すべきであろう。 本発明は、上記した方法の一部または全部を実行するためのデバイスプログラム(例えば、コンピュータプログラム及びコンピュータプログラム製品)として実現することもできる。本発明を実現するそのようなプログラムは、コンピュータ可読媒体に格納されてもよく、または1つまたは複数の信号の形態であってもよい。そのような信号は、インターネットウェブサイトからダウンロードすること、キャリア信号で提供すること、または他の形態で提供することができる。
【0106】
上述の実施形態は本発明の例示であり、本発明の範囲を限定するものではなく、当業者は請求の範囲から逸脱することなく代わりの実施形態を着想することができることに留意されべきである。請求の範囲において、括弧の間に置かれたいずれの参符号は、請求項の限定として解釈されるべきではない。「備える(comprising)」という言葉は、請求の範囲に記載されていない要素またはステップの存在を排除するものではない。要素の前における「一」または「一つの」は、複数の要素の存在を排除するものではない。本発明は、いくつかの異なる要素を含むハードウェアによって、及び適切にプログラムされたコンピュータによって実現することができる。いくつかの装置を挙げる単一の請求項において、これらの装置のいくつかは、同じハードウェアによって実現することができる。
第1、第2、第3の言葉を使用しても、いかなる順序は示されません。これらの言葉は、名前として解釈することができる。
【0107】
以上は、本発明の具体的な実施形態または具体的な実施形態の説明に過ぎず、本発明の範囲はこれに限定されない。当業者は、本発明において開示された技術範囲内で容易に着想したすべての変更または置換は、本発明の範囲内に含まれべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5