特開2020-44296(P2020-44296A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-44296(P2020-44296A)
(43)【公開日】2020年3月26日
(54)【発明の名称】飲料ディスペンサ
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/46 20060101AFI20200303BHJP
   A47J 31/10 20060101ALI20200303BHJP
   A47J 31/44 20060101ALI20200303BHJP
   B67D 1/08 20060101ALI20200303BHJP
【FI】
   A47J31/46 115
   A47J31/10 106
   A47J31/44 190
   B67D1/08 A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-177722(P2018-177722)
(22)【出願日】2018年9月21日
(71)【出願人】
【識別番号】000109358
【氏名又は名称】株式会社エフ・エム・アイ
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100072213
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 一義
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 将彦
(72)【発明者】
【氏名】峯山 忠之
(72)【発明者】
【氏名】松尾 淳
(72)【発明者】
【氏名】大黒 浩司
(72)【発明者】
【氏名】武田 洋
【テーマコード(参考)】
3E082
4B104
【Fターム(参考)】
3E082AA01
3E082BB01
3E082CC10
3E082EE01
3E082FF09
4B104AA02
4B104BA02
4B104BA14
4B104BA16
4B104BA19
4B104BA20
4B104BA23
4B104CA30
(57)【要約】
【課題】温水タンクから温水が排出されたとき、速やかに温水を補充できるとともに、温水タンクから排出される温水を使用し飲料を良好に製造できる飲料ディスペンサを提供する。
【解決手段】
本願に開示する飲料ディスペンサは、温水ヒータ10と、温水タンク20と、給水部30と、排出部40と、覆設部50を備える。温水ヒータ10は、水を加熱する。温水タンク20は、温水ヒータ10によって加熱される水を貯留する。給水部30は、上向きに開口する給水口31を有し、給水口31を介して温水タンク20に水を供給する。排出部40は、給水口31よりも上に配設される排出口41を有し、排出口41を介して、温水ヒータ10によって加熱された水を温水タンク20から排出する。覆設部50は、給水口31を上から覆い、温水タンク20の底面20aに沿って複数方向に水を放出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を加熱する温水ヒータと、
前記温水ヒータによって加熱される水を貯留する温水タンクと、
上向きに開口する給水口を有し、前記給水口を介して前記温水タンクに水を供給する給水部と、
前記給水口よりも上に配設される排出口を有し、前記排出口を介して、前記温水ヒータによって加熱された水を前記温水タンクから排出する排出部と、
前記給水口を上から覆い、前記温水タンクの底面に沿って複数方向に水を放出する覆設部
を備える、飲料ディスペンサ。
【請求項2】
前記覆設部は、前記複数方向に分岐して延びている複数の筒部を有する、請求項1に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項3】
前記温水ヒータは、中心軸が上下方向に延びる螺旋状部を有し、
前記覆設部は、前記螺旋状部の内側に配設される、請求項1又は請求項2に記載の飲料ディスペンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温水タンクを有する飲料ディスペンサ、例えばドリップ式コーヒー製造器として使用される飲料ディスペンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
温水タンクを有する飲料ディスペンサとして、特許文献1には、温水タンクに温水ヒータが内蔵されている飲料ディスペンサが記載されている。特許文献1に記載の飲料ディスペンサにおいては、水道からの水が温水タンクの下部に供給され、温水ヒータによって加熱される。温水ヒータによって加熱された水は、温水となり、温水タンクの上部から排出され、コーヒー豆などの原料からコーヒーなどの飲料を抽出するために使用される。特許文献1に記載の飲料ディスペンサにおいては、温水タンクから温水が排出されると、排出された温水の流量と同じ流量の水が、水道から温水タンクに供給され、温水ヒータによって加熱される。従って、温水タンクから温水が排出されたとき、速やかに温水を補充できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−113972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の飲料ディスペンサにおいては、温水の排出時に温水タンクに水が供給されることによって、温水タンクから排出される温水の温度低下が問題となり得る。温水タンクから排出される温水の温度が低くなり過ぎると、原料から飲料を良好に抽出できず、飲料ディスペンサによって製造される飲料の風味や味に悪影響を及ぼす。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、温水タンクから温水が排出されたとき、速やかに温水を補充できるとともに、温水タンクから排出される温水を使用し、飲料を良好に製造できる飲料ディスペンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する飲料ディスペンサは、温水ヒータと、温水タンクと、給水部と、排出部と、覆設部を備える。前記温水ヒータは、水を加熱する。前記温水タンクは、前記温水ヒータによって加熱される水を貯留する。前記給水部は、上向きに開口する給水口を有し、前記給水口を介して前記温水タンクに水を供給する。前記排出部は、前記給水口よりも上に配設される排出口を有し、前記排出口を介して、前記温水ヒータによって加熱された水を前記温水タンクから排出する。前記覆設部は、前記給水口を上から覆い、前記温水タンクの底面に沿って複数方向に水を放出する。
【0007】
本願に開示する飲料ディスペンサにおいて、前記覆設部は、複数の筒部を有する。前記複数の筒部は、前記複数方向に分岐して延びている。
【0008】
本願に開示する飲料ディスペンサにおいて、前記温水ヒータは、螺旋状部を有する。前記螺旋状部は、中心軸が上下方向に延びている。そして、前記覆設部は、前記螺旋状部の内側に配設される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の飲料ディスペンサによれば、温水タンクから温水が排出されたとき、速やかに温水を補充できるとともに、温水タンクから排出される温水を使用し、飲料を良好に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る飲料ディスペンサを示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る飲料ディスペンサを示す透視図である。
図3】本発明の実施形態に係る温水タンクの外観を示す斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る温水タンクの内部を示す透視図である。
図5】本発明の実施形態に係る覆設部の詳細を示す斜視図である。
図6】本発明の実施例に係る飲料ディスペンサにおける温水の温度変化を示すグラフである。
図7】本発明の他の実施形態に係る覆設部を示す斜視図である。
図8】本発明の更に他の実施形態に係る覆設部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係る飲料ディスペンサを図面に基づいて詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するのに好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨が明記されていない限り、この実施形態に限定されるものではない。
【0012】
〈実施形態〉
図1図4を参照して、本発明の実施形態に係る飲料ディスペンサを説明する。図1は、実施形態に係る飲料ディスペンサを示す斜視図である。図2は、実施形態に係る飲料ディスペンサを示す透視図である。
【0013】
図1図2に示すように、実施形態に係る飲料ディスペンサは、上下に長い縦型筐体2と、台筐体3と、延設筐体4を備える。また、当該飲料ディスペンサは、線状の温水ヒータ10と、温水タンク20と、温水タンク20に水を供給する給水部30と、温水タンク20から温水を排出する排出部40と、後述の覆設部50を備える。また、当該飲料ディスペンサは、制御部60と、操作パネル70と、電源部80を備える。制御部60は、飲料ディスペンサの各部を制御する。操作パネル70は、各種操作を受け付け、操作内容に応じた信号を制御部60に送信する。電源部80は、電源スイッチ81を有しており、電源コード82を介して商用電源に接続され、飲料ディスペンサの各部に電力を供給する。
【0014】
縦型筐体2は、図2に示すように、上部において、温水タンク20を収容し、下部において、給水部30を収容する。台筐体3は、図1に示すように、前後に長い長方形状であり、後側において、縦型筐体2を支持する。台筐体3の前側には、デカンタ47の保温部5Aが設置される。延設筐体4は、縦型筐体2の上部から、保温部5Aの上に張り出すように前方向X1に延設され、排出部40を収容する。延設筐体4の上面には、図示しない予備のコーヒーデカンタを保温する保温部5Bが設置されている。
【0015】
温水ヒータ10は、電源部80に接続され、温水タンク20の内部で水を加熱し、温水を生成する。温水タンク20は、温水ヒータ10によって加熱される水を貯留する。給水部30は、上向きに開口する給水口31を有する。給水口31は、温水タンク20の下部において、底面20aの近傍に配設される。温水タンク20の下部とは、温水タンク20を内容積について上下に二等分したときの下側部分である。
【0016】
また、実施形態においては、温水ヒータ10は、中心軸が上下方向に延びる螺旋状部11を有している。螺旋状部11は、温水ヒータ10の主要部分であり、温水タンク20の下部に配設される。
【0017】
温水ヒータ10の螺旋状部11が、温水タンク20の下部に配設されることによって、温水ヒータ10によって加熱された水は、対流によって、温水タンク20の上部に移動する。従って、温水タンク20の下部において温水の温度が比較的に低いときにも、温水タンク20の上部には、比較的に高温の温水が集中する。
【0018】
給水部30は、実施形態においては、給水電磁弁32と、給水ホース33とを更に有する。給水電磁弁32は、給水ホース33と、水道ホース34との間に介装され、制御部60の制御によって開閉する。給水ホース33の一端部は、給水口31に接続され、他端部は、給水電磁弁32に接続される。給水電磁弁32が開いているとき、給水ホース33と水道ホース34とが連通され、水道からの水が温水タンク20に供給される。給水電磁弁32が閉じているとき、温水タンク20に水は供給されない。
【0019】
以下、図3図4を参照して、温水タンク20を詳細説明する。図3は、温水タンク20の外観を示す斜視図である。図4は、温水タンク20の内部を示す透視図である。図3図4に示すように、温水タンク20には、上側水位センサ21A、下側水位センサ21B、上側温度センサ22A、下側温度センサ22Bが配設される。上側水位センサ21A、下側水位センサ21B、上側温度センサ22A、下側温度センサ22Bは、制御部60に接続される。また、温水タンク20には、温水ヒータ10に電源部80を接続する2つの接続端子23が設けられる。更に、温水タンク20には、オーバーフロー管24と、取出管25が接続される。取出管25は、排出部40とは別経路で温水タンク20から温水を取り出すために使用される。
【0020】
上側水位センサ21Aは、温水タンク20内で上限水位Wmaxを検出する。下側水位センサ21Bは、温水タンク20内で下限水位Wminを検出する。上側温度センサ22Aは、第1位置P1と第2位置P2との間の第3位置P3に配設され、第3位置P3における水の温度を検出する。第1位置P1は、温水タンク20において、上限水位Wmaxに対応する上下方向の位置である。第2位置P2は、温水タンク20において、下限水位Wminに対応する上下方向の位置である。下側温度センサ22Bは、第2位置P2より下の第4位置P4に配設され、第4位置P4における水の温度を検出する。第4位置P4は、給水口31、螺旋状部11よりも上の位置である。
【0021】
制御部60は、上側水位センサ21Aの信号に基づいて、給水電磁弁32を開閉する開閉制御を行う。また、制御部60は、下側水位センサ21Bの信号と、下側温度センサ22Bの信号に基づいて、電源部80からの温水ヒータ10への通電をオン・オフする通電制御を行う。
【0022】
上記開閉制御において、制御部60は、基本的には、上側水位センサ21Aが上限水位Wmaxを検出しないときに給水電磁弁32を開き、上側水位センサ21Aが上限水位Wmaxを検出しているときに給水電磁弁32を閉じるように、給水電磁弁32を制御する。ただし、上側水位センサ21Aが、上限水位Wmaxを検出しない状態から上限水位Wmaxを検出する状態に移行したときには、一定時間の過給水を行った後に給水電磁弁32を閉じるように、給水電磁弁32を制御する。当該開閉制御によれば、給水部30は、温水タンク20内の水位が上限水位Wmax以下になると、温水タンク20に水を供給し、温水タンク20内の水位が上限水位Wmaxまで回復すると、上限水位Wmaxに所定量の水を上乗せするように、温水タンク20に水を供給した後、水の供給を停止する。
【0023】
また、上記通電制御において、制御部60は、下側水位センサ21Bが下限水位Wminを検出し、且つ、下側温度センサ22Bによって検出される温水の温度が所定の通電停止温度TH1に達していないときに、温水ヒータ10に通電するように、電源部80を制御する。当該通電制御によれば、電源部80は、温水ヒータ10の螺旋状部11が温水タンク20の内部において水の中にあり、且つ、温水タンク20の下部において、温水の温度が通電停止温度TH1に達していない低い温度のときに、温水ヒータ10に通電する。通電停止温度TH1は、例えば60℃である。
【0024】
排出部40は、排出口41を介して、温水ヒータ10によって加熱された水、すなわち温水を温水タンク20から排出する。排出口41は、図2に示すように、温水タンク20における前方向X1の側壁において後方向に開口しており、図4に示すように、温水タンク20内で第5位置P5に配設される。後方向とは前方向X1の反対方向である。第5位置P5は、第2位置P2より下、第4位置P4より上の位置である。排出口41が、第2位置P2より下に配設されることによって、温水タンク20内の水位が下限水位Wminまで低下したときにも、排出口41は、温水タンク20内の水面より下に位置することとなる。従って、必要に応じて、温水タンク20から温水を随時に排出することができる。
【0025】
また、図2に示すように、排出部40は、実施形態においては、排出電磁弁42と、排出口41から前方向X1に延びる排出管43と、排出電磁弁42から下方向に延びる抽出管44と、シャワープレート45を更に有する。排出電磁弁42は、排出管43の出口側端部と、抽出管44の上端部との間に介装される。シャワープレート45は、抽出管44の下端部に接続される。
【0026】
排出電磁弁42が開いているとき、排出管43と抽出管44とが連通され、温水タンク20からの温水がシャワープレート45に供給される。排出電磁弁42が閉じているとき、シャワープレート45に温水は供給されない。シャワープレート45に温水が供給されると、シャワープレート45の下に設置されるファンネル46に、温水が注がれ、ファンネル46内の原料から飲料が抽出され、ファンネル46の下に設置されるデカンタ47に飲料が溜まる。
【0027】
また、排出電磁弁42は、制御部60の制御によって開閉する。制御部60は、操作パネル70において、飲料の抽出開始を指示する操作が受け付けられると、予め決められた時間間隔で、予め決められた回数だけ排出電磁弁42が繰り返し開閉するように、排出電磁弁42を制御する。排出電磁弁42が繰り返し開閉するとき、所定量の温水がシャワープレート45からファンネル46に注がれ、原料から抽出された飲料がファンネル46からデカンタ47に滴下し、再び、所定量の温水がファンネル46に注がれるといった動作が繰り返される。
【0028】
覆設部50は、図4に示すように、給水口31を上から覆い、温水タンク20の底面20aに沿って複数方向に水を放出する。覆設部50が、給水口31を上から覆う形態は、温水タンク20の底面20aに沿って複数方向に水を放出できる形態でありさえすれば、特に限定されない。例えば、覆設部50は、給水口31に接続される筒部であってもよいし、給水口31との間に所定の間隔を置いて給水口31の上に配設される板状部材であってもよい。また、覆設部50は、図2図4に示すように、温水ヒータ10の螺旋状部11の内側に配設される。
【0029】
以上、図1図4を参照して説明したように、実施形態の飲料ディスペンサによれば、給水口31を介して温水タンク20に水が供給されるとき、覆設部50によって、温水タンク20の底面20aに沿って複数方向に水が放出される。温水タンク20に供給される水が、底面20aに沿って進むことから、温水タンク20の上部に集中している比較的に高温の温水に、温水タンク20に供給される水が直接的に向かうことがなく、温水タンク20の上部における温水の温度低下を抑制できる。従って、排出部40によって温水を排出しているときに、給水部30によって水を供給しても、温水タンク20から排出される温水の温度低下を抑制できる。
【0030】
また、覆設部50によって水が放出される方向が複数方向であることから、温水タンク20から温水を排出するときに、排出される温水を補充するのに十分な流量の水を供給しても、水の流速を容易に抑制できる。従って、底面20aに沿って進む水が、温水タンク20の側壁に衝突した後、上に向かう勢いを小さくでき、温水タンク20から排出される温水の温度低下をより効果的に抑制できる。以上によって、温水タンク20から温水が排出されたとき、速やかに温水を補充できるとともに、温水タンク20から排出される温水を使用して飲料を良好に製造できる。
【0031】
また、図2図4を参照して説明したように、覆設部50は螺旋状部11の内側に配設される。覆設部50が螺旋状部11の内側に配設されることによって、覆設部50から放出される水は、温水タンク20の側壁に到達する前に螺旋状部11に突き当たる。従って、水が低温のまま上に向かうことを防止でき、排出部40によって排出される温水の温度低下をより効果的に抑制できる。
【0032】
次に、図2図4図5を参照して、覆設部50を更に詳しく説明する。図5は、実施形態に係る覆設部50の詳細を示す斜視図である。図4図5に示すように、実施形態に係る覆設部50は、複数方向に分岐して延びている複数の筒部51を有する。また、覆設部50は、給水口31に接続し上下に延びる筒状の垂直部52を更に有する。複数の筒部51は、垂直部52の上端においてT字状に分岐し、各々横方向、すなわち底面20aに沿った方向に延びている。また、各筒部51が延びる方向は、実施形態においては、前方向X1に直交する2方向である。
【0033】
覆設部50が複数の筒部51を有することから、覆設部50が水を放出する方向をより確実に調整でき、温水タンク20に供給される水をより確実に底面20aに沿って進ませることができる。また、複数の筒部51の径と長さを適切な寸法に設定することによって、覆設部50から放出される水の流速を望ましい流速に設定することも容易である。従って、温水タンク20の上部に集中している比較的に高温の温水に、低温の水が混合することをより確実に抑制できる。また、複数の筒部51が延びる方向が前方向X1に直交する2方向であることから、各筒部51から放出された水が、覆設部50よりも前方向X1に設置された排出口41に直接的に向かうことがなく、温水タンク20から排出される温水の温度低下をより効果的に抑制できる。
【0034】
また、図5に示すように、覆設部50は、温水タンク20から独立した独立部材であり、筒状の垂直部52を給水口31に差し込むだけで温水タンク20に設置できる。従って、覆設部50を飲料ディスペンサに容易に設置できる。また、既存の飲料ディスペンサに付加して設置することも容易であり、既存の飲料ディスペンサを有効活用できる。なお、覆設部50は、給水口31に一体的に形成することも、もちろん可能である。
【0035】
次に、図6を参照して本発明の実施例を説明する。図6は、本発明の実施例に係る飲料ディスペンサにおける温水の温度変化を示すグラフである。また、図6のグラフには、比較例に係る飲料ディスペンサにおける温水の温度変化も示されている。実施例においては、給水口31は覆設部50によって上から覆われている。比較例においては、給水口31は覆設部50によって覆われておらず、水道から温水タンク20に供給される水は、給水口31から直接的に上に向かう。比較例の構成は、上記以外は実施例と同様である。
【0036】
図6のグラフG1は、実施例に係る飲料ディスペンサにおいて、5分周期で、1800ミリリットルの温水を温水タンク20から繰り返し排出するとともに、上述の開閉制御、通電制御を行ったとき、シャワー温度THaがどのように変化するかを示している。シャワー温度THaは、実施例において、シャワープレート45に設置された図示しない温度センサによって検出される温水の温度である。1800ミリリットルの温水は、排出電磁弁42の制御に関し上述したとおり、予め決められた時間間隔と回数で排出電磁弁42を開閉することによって、温水タンク20から排出した。
【0037】
また、グラフG2は、比較例に係る飲料ディスペンサにおいて、同様の条件でシャワー温度THbがどのように変化するかを示している。シャワー温度THbは、比較例において、シャワープレート45に設置された図示しない温度センサによって検出される温水の温度である。
【0038】
グラフG2に示されているように、比較例においては、温水タンク20から温水が排出され始めると、毎回、シャワー温度THbは、急激に低下している。シャワー温度THbが急激に低下する理由は、水道から温水タンク20に供給される水が、直接的に上に向かい、温水タンク20における上部の温水と混合し、排出口41を経て、シャワープレート45に到達するからであると考えられる。
【0039】
一方、グラフG1に示されているように、実施例においては、温水タンク20から温水が排出されている間、シャワー温度THaは、比較的に高温のまま維持され、温水の放出が止まった後に徐々に低下している。実施例においては、温水タンク20に供給される水は、覆設部50によって、底面20aに沿って複数方向に放出される。従って、温水タンク20から温水が排出されている間に、温水タンク20に水道からの水が供給されても、温水タンク20の上部に集中している比較的に高温の温水は、温度を保ったままシャワープレート45に送られる。その結果、温水タンク20から温水が排出されている間に、温水タンク20に水を供給しても、シャワー温度THaを比較的に高温のまま維持できると考えられる。なお、温水の放出を止めた後にシャワー温度THaが低下する理由は、シャワープレート45への温水の流れが止まることによって、シャワープレート45が自然冷却されるからである。
【0040】
以上のとおり、本発明の実施例によれば、温水タンク20から温水が排出されるとき、速やかに温水を補充するように、温水の排出中に低温の水を温水タンク20に供給しても、温水タンク20から排出される温水の温度低下を良好に抑制でき、温水タンク20から排出される温水を使用し飲料を良好に製造可能であることが確認できた。
【0041】
次に、図7を参照して、本発明の他の実施形態を説明する。図7は、本発明の他の実施形態に係る覆設部50Aを示す斜視図である。
【0042】
上記実施形態においては、覆設部50における筒部51の個数は「2」であり、2つの筒部51はT字状に分岐していた。図7に示すように、本実施形態に係る覆設部50Aにおいては、筒部51の個数は「3」であり、3つの筒部51は、120度ずつ異なる方向に延びるように、垂直部52の上端から3方向に分岐している。
【0043】
以上のとおり、覆設部50における筒部51の個数は「2」に限られず、「3」以上とすることもできる。図7に示すように、筒部51の個数を「3」とすることによって、覆設部50から温水タンク20の内部に放出される水の流速を大きくすることなく、覆設部50から放出される水の流量を大きくでき、温水タンク20から排出される温水の温度低下を抑えつつ、排出された温水を更に速やかに補充できる。
【0044】
次に、図8を参照して、本発明の更に他の実施形態を説明する。図8は、本発明の更に他の実施形態に係る覆設部50Bを示す斜視図である。
【0045】
図8に示すように、本実施形態に係る覆設部50Bにおいては、筒部51の個数は「4」であり、4つの筒部51は、90度ずつ異なる方向に延びるように、垂直部52の上端から4方向に分岐している。覆設部50における筒部51の個数を「4」とすることによって、覆設部50から温水タンク20の内部に放出される水の流速を大きくすることなく、覆設部50から放出される水の流量を更に大きくでき、温水タンク20から排出される温水の温度低下を抑えつつ、排出された温水を更に速やかに補充できる。
【符号の説明】
【0046】
10…温水ヒータ
11…螺旋状部
20…温水タンク
20a…底面
30…給水部
31…給水口
40…排出部
41…排出口
50、50A、50B…覆設部
51…筒部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8