特開2020-44647(P2020-44647A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヘーゲンシャイト・エムエフデー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングの特許一覧

特開2020-44647鉄道車両用車輪の車輪走行面の機械加工方法および装置
<>
  • 特開2020044647-鉄道車両用車輪の車輪走行面の機械加工方法および装置 図000003
  • 特開2020044647-鉄道車両用車輪の車輪走行面の機械加工方法および装置 図000004
  • 特開2020044647-鉄道車両用車輪の車輪走行面の機械加工方法および装置 図000005
  • 特開2020044647-鉄道車両用車輪の車輪走行面の機械加工方法および装置 図000006
  • 特開2020044647-鉄道車両用車輪の車輪走行面の機械加工方法および装置 図000007
  • 特開2020044647-鉄道車両用車輪の車輪走行面の機械加工方法および装置 図000008
  • 特開2020044647-鉄道車両用車輪の車輪走行面の機械加工方法および装置 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-44647(P2020-44647A)
(43)【公開日】2020年3月26日
(54)【発明の名称】鉄道車両用車輪の車輪走行面の機械加工方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 39/04 20060101AFI20200303BHJP
   B61F 13/00 20060101ALI20200303BHJP
   B23B 5/28 20060101ALI20200303BHJP
   B24B 49/16 20060101ALI20200303BHJP
【FI】
   B24B39/04 Z
   B61F13/00
   B23B5/28
   B24B49/16
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-163701(P2019-163701)
(22)【出願日】2019年9月9日
(31)【優先権主張番号】16/131916
(32)【優先日】2018年9月14日
(33)【優先権主張国】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SMALLTALK
2.MATLAB
3.SWIFT
4.SIMULINK
(71)【出願人】
【識別番号】517095652
【氏名又は名称】ヘーゲンシャイト・エムエフデー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】マルダーナー・ヤンドライ
(72)【発明者】
【氏名】ルーディ・アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
3C034
3C045
3C158
【Fターム(参考)】
3C034BB35
3C034BB94
3C034CB04
3C045CA13
3C158AA12
3C158BA05
3C158BA06
3C158BC02
3C158DA13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車輪機械加工装置を使用して鉄道車両用の車輪の車輪走行面を機械加工する方法を提供する。
【解決手段】本方法は、車輪にローリング力を作用させる転造工具を備えたローリング加工プロセスを車輪に行うステップと、転造工具供給軸の駆動モータのトルクを制御することによってローリング力を調整するステップを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪機械加工装置を使用する鉄道車両用の車輪の車輪走行面を機械加工する方法であって:
前記車輪にローリング力を作用させる転造工具を備えたローリング加工プロセスを前記車輪に行うステップと;
前記転造工具の供給軸の駆動モータのトルクを制御することによって前記ローリング力を調整するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記ローリング加工プロセスは、互いに対する前記車輪および前記車輪機械加工装置の基本設定の後に、前記車輪および前記車輪の機械加工のうち少なくとも1つの測定による削正に続く、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記削正のために、前記測定および機械加工は、指定の削正成果物が達成されるまで、複数回連続して実行される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記機械加工は、旋削加工によってもたらされる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
一方では前記機械加工のために、他方では前記ローリング加工プロセスのために、それぞれ、同じクランプ位置で固定される工具を使用する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記測定は、前記ローリング加工プロセスの後に実行される、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
車輪の個々の部分的な輪郭に基づいて前記転造工具によって作用する前記ローリング力を調整するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法を実施する装置であって、前記装置は、少なくとも1つの工具用クランプユニットを含み、ユニットは、機械加工工具または転造工具用の差込口として交互に用いられるために、基本設定によって位置付けられる車輪に対して規定位置に位置する装置。
【請求項9】
床下機械をさらに含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
数値制御(NC)機械加工ユニットをさらに含む、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
部分的な輪郭の機械加工用の制御システムをさらに含む、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、前記駆動モータは、前記車輪の軸方向端面に垂直の第1の軸に沿って前記転造工具を並進させるように動作可能な第1のモータ、および前記車輪の前記軸方向端面に平行な第2の軸に沿って前記転造工具を並進させるように作動可能な第2のモータを含み、前記方法は、前記第1および第2のモータの前記トルクを制御することによって前記ローリング力を調整するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1および第2のモータの前記トルクを、それぞれ第1および第2の所定のトルクに合わせることによって、前記ローリング力を所定のローリング力に合わせるステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ローリング力が、前記車輪の周囲全体に対して一定にする所定のローリング力に合わせるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ローリング力が、前記車輪の角位置、前記車輪に対する前記転造工具の位置、および前記転造工具の形状のうち少なくとも1つに応じて変化する所定のローリング力を達成するように調整するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ローリング力が、前記車輪の表面形状に基づいて、一定の接触応力を達成するように調整するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、鉄道車両用車輪の車輪走行面を機械加工するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ここで提供される背景説明は、明細書の文脈を一般的に示すためにある。目下名前を挙げられた発明者の成果は、本背景技術の部分に記載されている範囲で、さもなければ受理時点で従来技術として許可を受け得ない本開示の態様と同様に、本開示に対する従来技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【0003】
鉄道車両のホイールセットは、車輪とレールの間の永続的な接触によって鉄道車両の安全な支持体および誘導部を提供および保証するように設計されている。このローリング加工の接触を用いて、ホイールセットは直接に応力を加えられ、制御された車両の動作のための安全性に関連がある。レールとのその相互作用を通して、車輪走行面の形状は車両の走行を決定する。したがって、ホイールセットは、鉄道車両の保守において特に重要である。信頼性および品質上の高い要求は、現在の構成要素の状態および既存の磨損材料の定期検査および評価を必要とする。
【0004】
車両の移動動作中、車輪レールシステムは、一定の摺動および回転動作に起因する異なる摩耗メカニズムの影響下に置かれる。その結果生じる車輪走行面の輪郭におけるひずみは、乗客および周囲領域に対する音響擾乱に加えて、ホイールセットならびに車輪軸受けおよび下部構造体のような周囲の構成要素に対して材料破壊の危険性も引き起こす。本問題は、車輪走行面の輪郭のいわゆる削正によって打ち消されて、大部分は回避されることになる。
【0005】
車輪走行面の輪郭を設計する際に目的とするものは、快適な乗り心地を保証する安全で、低摩耗のガイドである。このために、車輪とレールとの間の自然な摩耗を考慮する外形が実現される。理想的な場合では、外形は、鉄道車両の動作中、全く変化しないか、または、わずかだけ変化するかのいずれかである。
【0006】
車輪およびレール上の材料の除去により結果として生じる摩耗は、主として接触領域における摩擦および材料の組み合わせによる。ここで、基本的な切り分けが、走行面の摩耗と車輪フランジの摩耗との間でなされる。これらの2つの摩耗輪郭を組み合わせることによって、削正されることになる可能性のある摩耗輪郭が得られる。
【0007】
このような削正を、ホイールセット削正機によって実行することができ、それは、例えば平台型および門形デザインにおいて公知であるだけなく、床下または表面の変形版として、様々なタイプの別形体において公知である。ホイールセット削正機を用いて、機械加工プロセスが、好ましくは旋削加工によって、車輪走行面を機械加工するために使用され、そのため、これらの機械はホイールセット旋盤とも呼ばれている。
【0008】
残留圧縮応力を回転対称対象物の表面へもたらす結果として、摩耗の挙動を改善することができることを理解することから始めて、新たな状態での車輪製造の後、または、成功した削正後の後日に、選択されたホイールセット部分を追加的なディープローリング加工プロセスに直接かけることはすでに提案されている。このようにして、車輪走行面のさらなる耐用年数の増大は、ディープローリング加工によって達成されることができる。
【0009】
表面のディープローリング加工とは、構成要素の端部層の最小侵襲性機械式再成形である。このプロセス中、好適な転動体が、接触圧力下で仕上げられた構成要素表面を通じて導かれる。直の構成要素の接触面積は、隣接する接触面積が弾性的に変形する一方で、成形的に変形する。それぞれの実際の接触状態に応じて、表面のみは軽微なノッチが平坦化されて仕上げられるか、または、成形的に変形した体積中の材料が強化される。
【0010】
このように、ディープローリング加工がホイールセットに使用されるとき、車輪走行面の加工硬化は、表面粗さの処理または低減、境界層の硬化、および境界領域への残留圧縮応力の導入を達成する。切削による下加工の結果として加工物の端部層に存在するいかなる損傷も与える残留応力は、再成形を通して除去される。弾性および塑性変形の相互作用を用いて、強度に関して有利な残留応力の状態が新たに刻み込まれる。ディープローリング加工の後には、残留圧縮応力は、外部の境界層に存在し;これらは、車輪走行面の摩耗の低減または鉄道車両車輪の走行距離の増大を生じさせる。これによって、いかなる亀裂の発生もならびにそれらの進行も著しく制限されるようになる。このもっぱらディープローリング加工による機械式表面処理は、非常に有効な、環境配慮型の、かつ資源節減型プロセスである。
【0011】
西独国特許第808197号明細書は、鉄道ホイールセットにおける車輪軸頚のディープローリング加工用ローラーを記載している。この加工ローラーの加工面は、円筒状の基本体からなる。ディープローリング加工の間、加工ローラーの軸は、車輪軸頚の軸に傾斜して動作し、被削面上に一列に並べられた滴状の圧痕を発生させる。したがって、圧痕領域では、ディープローリング加工が残留応力を車輪軸頚の表面に導入し、それを用いて、新たな亀裂の発生が回避され、および/または、いかなる既存の亀裂のさらなる進行も止めさせることになる。それゆえ、ディープローリング加工は、結果としてホイールセットの耐用年数の増加につながる。加工ローラーの接触力は、予備型締手段によって発生する。
【0012】
円筒状の主軸のディープローリング加工についてのさらなるアプローチは、西独国特許第843822号明細書より公知となっている。この装置は、1つまたは複数の加工ローラーを特徴とする。ここで、各加工ローラーは、回転するキャリア内で支持されており、その回転軸は、加工ローラーの送り動作に対して垂直に走り、かつホイールセットの主軸に対しておおよそ垂直に走っている。ここで、また、ローラーの接触力は、対応する予備型締手段、ばねなどによって生み出される。
【0013】
西独国特許出願公開第1278274号明細書による粗く旋削されたホイールセットの輪郭上の摩耗面にディープローリング加工用の装置を用いてることで、異なる相対位置を、加工ローラー、その送り装置、ホイールセットの回転軸との間に設定することができる。ここで、ガイドのローリング加工のために、カウンタベアリングローラーの液圧予備型締部を備えた補助装置が、さらに記載されている。
【0014】
特に、特定の旋削加工において、機械加工によるいかなる削正の後のディープローリング加工の利点が、公知であり包括的に記載されている。
【0015】
ディープローリング加工が均一な境界層を必ずしも生み出すというわけではないことが示されており、そのためディープローリング加工によって、異なる分散した強度特性をもつ表面を備えた削正した形状が形成されるか、または、削正した形状がわずかに変化する。
【0016】
このため、提案された装置を備えた既知の方法による現況技術にしたがって、良好な結果が、ローリング加工の圧密において達成されるが、記載されている欠点は考慮されず、かつ、なくなってはいない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】西独国特許第808197号明細書
【特許文献2】西独国特許第843822号明細書
【特許文献3】西独国特許出願公開第1278274号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上述した現況技術に基づいて、本発明は、ディープローリング加工の後でさえ、最適化された輪郭を有する改良された表面の均質性を達成することができるという趣旨で、鉄道車両の車輪走行面を機械加工する方法および装置を最適化する課題に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本課題の技術的解決のために、請求項1の特徴を備えた方法が提案される。さらに、利点および特徴が、従属請求項にて説明される。
【0020】
装置側面には、請求項8の特徴を特徴付ける本発明による機械が形成される。ここでもまた、さらなる利点および特徴が、従属請求項にて説明される。
【0021】
本発明による方法にしたがい、ローラー機械加工は、通常の手順による削正の後に実行されるようになっている。ローリング加工プロセスは、定められ制御可能な力の下で実行され、そのため、最終的な成果物が大幅に改善する。
【0022】
一方では、本発明による手順は、最終段階で大部分が均質化された表面の仕上げは、車輪の最適化された幾何学的デザインによって達成されるといった利点を有する。それぞれのローリング加工の位置およびそれぞれの加工ローラーの位置の両方に応じて、おそらくその形状にも応じて、定められたローリング力が、機械加工するための各位置に直ちに作用することができ、それにより、最適な最終成果物を達成することができる。
【0023】
このようにして、削正は、いくつかの連続した測定および機械加工工程によって実行されることができる。機械加工は、好ましくは旋削加工によってもたらされることになる。しかし、勿論、時間を最適化した利用法を提供し得る他の方法を使用することもできる。これは、研磨、フライス加工などを含む。本発明による方法の技術的デザインおよびその後のローラー上での再加工により、ここでより大きな柔軟性を得られる。これは、より短い機械加工時間で、より良好な加工成果物をもたらす。
【0024】
有利なことに、クランプ位置は、一方では機械加工用に、他方ではローリング加工用に機械加工工具を使用することが可能なように用いられる。このクランプ位置は、位置合わせされた車輪および機械加工される車輪に対する規定位置を有することができ、それにより、最適化された制御部を使用し、可能な限り短い時間内で車輪に最適な形状を提供することができる。装置に応じて、柔軟に備え付けることができる多数のクランプ装置を使用することができる。機械加工プロセスに応じて、対応する制御システムを使用することができる。
【0025】
本発明によって、機械、床下、オーバーヘッド、可動装置、数値制御(NC)などに使用され得る、鉄道車両用のホイールセットの車輪走行面を機械加工する革新的な方法が提供される。それは、一方では機械加工時間、他方では最終的な車輪形状を最適化する。加えて、ローリング加工した車輪の表面性状が大幅に向上し、長期間にわたる耐用年数をもたらし得る。
【0026】
装置側面に関して、この方法を実施する装置は、基本設定によって位置付けられる車輪に対する規定位置を有する工具用の少なくとも1つのクランプユニットが存在するという点を特徴とする。このクランプユニットは、旋削工具または転造工具を交互に受け入れるのに役立つ。
【0027】
本発明は、一方では連続した機械加工、他方では、いかなるシーケンスでも実行され、対応する測定でそれを補うディープローリング加工プロセスを提供する。このようにして、非常に正確な機械加工および制御部を、時間および形状が最適化された方法でもたらすことができる。加えて、一方では機械加工用の工具および他方では異なるローリング加工ユニットを、部分的な輪郭が処理されるのか全体の輪郭が処理されるのかに応じて、極めて柔軟に使用することができる。
【0028】
本発明によれば、安価な経済的コストで実施されることができる解決策が設けられ、それを用いて、最適化された車輪形状を生み出すことができる。特に、本発明は、相当な時間の節約を与え得る。
【0029】
さらに、本開示の適用可能領域は、発明を実施するための形態、特許請求の範囲、および図面から明らかになる。発明を実施するための形態および具体例は、説明の目的のみに意図されており、本明細書の範囲を限定することを意図していない。
【0030】
本開示は、発明を実施するための形態および添付図面からより完全に理解される。
【0031】
図においては、参照番号を、類似および/または同一の要素を識別するために再利用し得る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】削正配置における本発明に基づく方法を実行するための本発明に基づく装置の透視図である。
図2】回転配置における図1にしたがった図である。
図3】測定配置における図1にしたがった図である。
図4】本開示による鉄道車両用車輪の走行面を機械加工および/またはローリング加工するための例示的な方法を示しているフローチャートである。
図5】転造工具用ホルダによって移動する距離の関数として、転造工具によって車輪表面に作用するローリング力の例を示しているグラフである。
図6】転造工具用ホルダによって移動する距離の関数として、転造工具によって車輪表面に作用するローリング力の例を示しているグラフである。
図7】車輪表面の外形、転造工具によって車輪表面に作用するローリング力、転造工具と車輪表面との間の接触面積、および、転造工具と車輪表面との間の接触応力の例を示しているグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
一例として、図は車輪機械加工装置5を示す。車輪機械加工装置5では、ホイールセット1は、図に示すように、対応する移送路を介して特定の位置にもたらされる。ホイールセット1は、駆動ローラー6によって回転する。図1の実施例では、工具ホルダ/クランプユニット3は、旋削工具2.1を備えていて、工具支持部または刃物台4上で位置的に限定可能な位置に実装される。ここで、回転させたホイールセット1を、旋削工具2.1を用いて機械加工(例えば回転させて)することができる。参照番号7は、軸方向に発生する力を受け止めて、ホイールセット1を所定の位置にて軸方向に取り付けることができる軸ガイドローラーを示す。
【0034】
図2によれば、転造工具2.2は工具ホルダ3にはめ込まれており、そのため、例えば、ここで削正の後にディープローリング加工を行うことができる。
【0035】
特別な実施形態(図3)では、機械5は、測定装置またはプローブを装備した工具8を備えることもできる。このようにして、後の測定を、例えば削正後および/またはディープローリング加工後も、直接行うことができる。測定工具8を、刃物台4に組み込んで、ホルダ3の隣まで拡張することができる。
【0036】
図2を再度参照すると、機械5は、第1のモータ10、第2のモータ12、第1の主軸または供給軸14、および、第2モータの主軸または供給軸16を更に含む。第1の主軸14は、第1のモータ10の回転によってx軸に沿ったホルダ3の直線的な並進移動が生じるように第1のモータ10をホルダ3に連結する。第1の主軸14は、1つまたは複数のギアを介して第1のモータ10に連結され得る。x軸は、被加工物に垂直(例えば、ホイールセット1の軸方向端面1aに垂直)である。第2の主軸16は、第2のモータ12の回転によってz軸に沿ったホルダ3の直線的な並進移動が生じるように第2のモータ12をホルダ3に連結する。第2の主軸16は、1つまたは複数のギアを介して第2のモータ12に連結され得る。z軸は、被加工物に沿って延在しており(例えば、ホイールセット1の軸方向端面1aと平行であり、ホルダ3の側面3aに対して垂直である)、x軸と同じ平面に対して垂直であり、かつx軸と同じ平面内にある。ホルダ3は、ホルダ3がx軸およびz軸に沿って動くことができる摺動レールまたは通路17に実装される。
【0037】
制御システムまたはモジュール18は、第1および第2のモータ10および12を制御して、それぞれx軸およびz軸に沿ってホルダ3の位置を調整し得る。制御モジュール18は、ホイールセット1に対するx軸およびz軸に沿ったホルダ3の位置が、ホイールセット1の所定の形状または外形を実現するように調整し得る。例えば、制御モジュール18は、ホイールセット1の角位置に基づくx軸およびz軸に沿ったホルダ3の位置、ホイールセット1に対する転造工具2.2の位置、および/または転造工具2.2の形状が、所定の車輪外形を実現するように調整し得る。
【0038】
ディープローリング加工が行われるときに、転造工具2.2はローリング力をホイールセット1に作用させる。x軸およびz軸に沿ったホルダ3の動作は、ローリング力の大きさに影響を及ぼす。制御モジュール18は、第1のモータ10のトルク出力を制御することによってローリング力を調整して、x軸に沿ったホルダ3の動作を調整し得る。加えて、または、あるいは、制御モジュール18は、第2のモータ12のトルク出力を制御することによってローリング力を調整して、z軸に沿ったホルダ3の動作を調整し得る。
【0039】
制御モジュール18は、第1および第2のモータ10および12のトルク出力を制御して、例えば、第1のモータ10および第2のモータ12のトルク出力とローリング力間との所定の関係を使用した所定のローリング力を実現する得る。一実施例において、制御モジュール18は、第1のモータ10のトルク出力を第1の所定のトルクに調整し、第2のモータ12のトルク出力を第2の所定のトルクに調整する。第1のモータ10および第2のモータ12のトルク出力が、第1および第2の所定のトルクに等しいとき、転造工具2.2によってホイールセット1に作用するローリング力は、所定のローリング力に等しい。
【0040】
制御モジュール18は、トルク出力を測定するセンサー(図示せず)からの入力に基づいて、第1のモータ10および第2のモータ12のトルク出力を決定し得る。あるいは、制御モジュール18は、第1のモータ10および第2のモータ12に供給される電力量とトルク出力との間の所定の関係に基づいて第1のモータ10および第2のモータ12のトルク出力を決定し得る。あるいは、制御モジュール18は、第1のモータ10および第2のモータ12に供給される電力量を制御するための所定の関係を使用して、それぞれ、第1のモータ10および第2のモータ12のトルク出力を決定せずに第1および第2の所定のトルクを実現する。
【0041】
制御モジュール18は、第1のモータ10および第2のモータ12のトルク出力を制御して、ホイールセット1の周囲全体に対して一定の所定のローリング力を達成し得る。あるいは、制御モジュール18は、第1のモータ10および第2のモータ12のトルク出力を制御して、ホイールセット1の角位置、ホイールセット1に対する転造工具2.2の位置、および/または転造工具2.2の形状に応じて変化する所定のローリング力を達成し得る。例えば、制御モジュール18は、ホイールセット1の角位置に基づいて、目標のローリング力を複数の所定のローリング力から選択し、第1のモータ10および第2のモータ12のトルク出力を制御して、目標のローリング力を達成し得る。
【0042】
第1のモータ10および第2のモータ12のトルク出力を制御して、ローリング力を調整することに加えてまたは代えて、制御モジュール18は、ホイールセット1に対するx軸およびz軸に沿ってホルダ3の位置を制御して、ローリング力を調整し得る。制御モジュール18は、x軸およびz軸に沿ってホルダ3の位置を制御して、例えば、x軸およびz軸に沿ったホルダ3の位置とローリング力との間の所定の関係を使用した所定のローリング力を達成し得る。制御モジュール18は、第1のモータ10および第2のモータ12に送信されるコマンドに基づいて、ホルダ3の位置を追跡し得る。加えて、または、あるいは、機械5は、ホルダ3の位置ならびに/または第1のモータ10および第2のモータ12の位置を測定する1つまたは複数のセンサー(図示せず)を含み得て、制御モジュール18は、センサからの入力に基づいて、ホルダ3の位置を決定し得る。
【0043】
制御モジュール18がローリング力を、第1のモータ10および第2のモータ12のトルク出力を制御することによって調整するか、またはホルダ3の位置を制御することによって調整するかにかかわらず、制御モジュール18は、ローリング力が所定のローリング力を達成するように調整し得る。所定のローリング力は、転造工具2.2がホイールセット1に接触する場所によって変化し得る。例えば、制御モジュール18は、ホイールセット1の軸方向端面1aおよび/または外側半径方向端部1bに沿って様々な位置に対して一意的な所定のローリング力を指定する完全な輪郭にしたがって、ローリング力を制御し得る。あるいは、制御モジュール18は、ホイールセット1の軸方向端面1aの一部および/または外側半径方向端部1bの一部に対して所定のローリング力を各々指定する複数の部分的な輪郭にしたがって、ローリング力を制御し得る。様々な実施態様では、ホイールセット1上のフランジ1dの裏面1cからホイールセット1上の面取り部1eまでの領域のみ、ローリング加工されることができる。
【0044】
さらに図1および3を参照すると、制御モジュール18は、ホイールセット1を機械加工して所定の車輪外形を達成するときに、x軸およびz軸に沿ってホルダ3の位置を制御し得る。一実施例において、第1の機械加工作業の間、制御モジュール18は、ホイールセット1の角位置に対するホルダ位置を指定する所定の機械加工の輪郭にしたがって、x軸およびz軸に沿ってホルダ3の位置を制御する。次に、測定工具8は、所定の車輪外形とホイールセット1の実際の外形との間の差を評価するために使用される。続いて、次の機械加工作業の間、制御モジュール18は、x軸およびz軸に沿ってホルダ3の位置を制御して、所定の車輪外形とホイールセット1の実際の外形との間の差を最小にする。
【0045】
上記の機械加工および測定プロセスは、ホイールセット1の実際の外形が、所定の車輪外形の所定の範囲内になるまで、複数回繰り返されて、ホイールセット1の形状を削正し得る。続いて、旋削工具2.1をホルダ3から取り外し、転造工具2.2をホルダ3に設置し、上記のディープローリング加工プロセスが行われて、硬化したホイールセット1の走行面をもたらし得る。ホイールセット1の機械加工および測定後、ならびに、ホイールセット1のディープローリング加工前に、互いに対してホイールセット1および機械5の基本設定が行われ得る。上記のように、ディープローリング加工は、ホイールセット1の削正された形状をわずかに変え得る。したがって、ディープローリング加工を行った後に、転造工具2.2をホルダ3から取り外し、旋削工具2.1をホルダ3に設置し、上記の測定および機械加工プロセスが再び行われ得る。その結果、ホイールセット1は、その削正された表面全体に一貫した強度特性を有しており、削正された表面は所定の車輪外形と一致する。
【0046】
図4を参照すると、本開示による鉄道車両用車輪の走行面を機械加工するための例示的な方法は20から始まる。説明を容易にするために、図4の方法が図1〜3の機械5を参照して記載されている。しかしながら、図4の方法は、異なる機械を使用して行われ得る。
【0047】
22では、車輪が機械5に対して位置付けられる。24では、旋削工具2.1がホルダ3に設置される。26では、車輪が所定の機械加工の輪郭にしたがって機械加工される。例えば、制御モジュール18は、車輪が機械5に対して回転すると共に、上記のように所定の機械加工の輪郭にしたがってx軸およびz軸に沿ってホルダ3の位置を制御し得る。
【0048】
28では、測定工具8が車輪の外形を測定するために使用される。30では、車輪の実際の(または測定される)外形が所定の(または目標の)車輪外形の所定の範囲内にあるかどうか判定される。実際の車輪外形が目標とする車輪外形の所定の範囲内にある場合、本方法が32に続いて、ホルダ3から旋削工具2.1を取り外す。さもなければ、本方法は26に戻る。
【0049】
34では、転造工具2.2がホルダ3に設置される。36では、ディープローリング加工は、車輪が機械5に対して回転すると共に、第1のモータ10および第2のモータ12のトルク出力を制御して、転造工具2.2によって車輪に作用するローリング力を調整することによって車輪に行われる。例えば、制御モジュール18は、第1のモータ10および第2のモータ12のトルク出力を第1および第2の所定のトルクに合わせて、それぞれ所定のローリング力を達成し得る。ディープローリング加工を行うときに、制御モジュール18は、例えばトルクセンサを使用して第1のモータ10および第2のモータ12のトルク出力を監視し、それによって、意図しないまたは容認できないほどの付随する力の増大による大きな車輪表面の変形を回避し得る。
【0050】
38では、測定工具8が車輪の外形を測定するために使用される。40では、車輪の実際の(または測定される)外形が所定の(または目標の)車輪外形の所定の範囲内にあるかどうか判定される。実際の車輪外形が目標とする車輪外形の所定の範囲内にある場合、本方法は42で終了する。その他の場合には、本方法は44に続いて、ホルダ3から転造工具2.2を取り外し、24に戻る。
【0051】
転造工具2.2およびホイールセット1が接触するように、2つの要素が接触するとき、張力が接触した領域で発生する。本体の弾性に応じて、材料の塑性変形および流動が発生する。一般的に、これは冷間成形/冷間加工硬化と呼ばれ、それは本体要素の表面領域を硬化する。圧縮応力が生み出されて、表面が平滑化される。これらの手段は、環状歪み要素(例えばホイールセット1)の寿命を延長することができる。構造体の応力は、形状および作用する伝動力によって決まる(ヘルツの理論)。
【0052】
転造工具2.2によって作用する伝動力、または単位時間当たりのローリング力は、所与の伝動力通路曲線による通路17のスプリングパケットに依存する。転造工具2.2は、通路17によって決まり、通路17によって制御される敷設ラインをたどる。このスプリングパケットは、所与の圧縮力に相当する特定の動作点まで圧縮される。ホイールセット1の表面形状に偏りがある場合には、通路17によって作用するばね力に変化が生じる。そのため伝動力および応力が変化する。これは、硬化の度合、表面性状、および圧力の残留応力に影響する。
【0053】
転造工具によって作用する伝動力は液圧によって導入されて、それは付加的な液圧の凝集体によって生み出され得る。一定の圧力は一定の伝動力を生み出し、それは応力および表面性状の変化を円滑にする。しかしながら、技術的および経済学的には、それはより大きな投資であり、流体力学的に支援される工具等と同様に、追加的な凝集体、パイプ、エネルギ等を必要とする。
【0054】
転造工具2.2によって作用する伝動力は、電気機械力によって導入され、それは、x軸およびz軸に沿ってホルダ3を移動するために使用される第1のモータ10および第2のモータ12(例えば、電気機械式モータ)で生み出される。第1のモータ10および第2のモータ12をトルクに基づく制御に起因して、導入される伝動力および最終的な表面性状は、ローリング加工される表面上のあらゆる場所で同一であり得るので、本明細書に記載されるディープローリング加工プロセスは、ホイールセットの外形の偏りに影響されない。
【0055】
ディープローリング加工プロセスの開始時には、所定のローリング力または伝動力に達するまで、第1のモータ10および第2のモータ12のトルク出力を増大し得る。ホイールセット1が静止している(即ち動いていない)ときに、ローリング力は、所定のローリング力に達するまで、図5に示すようにホルダ3によって移動する距離に対して直線的に増加する。しかしながら、本開示によるディープローリング加工プロセスは動的である(ホイールセット1が回転すると共に行われる)。したがって、ローリング力は、図6に示すようにホルダ3によって移動する距離に対して非線形的に増加する。
【0056】
被加工物(即ち、ホイールセット1)に転造工具2.2によって作用する圧力は一定に保たれ、平滑化された硬化部、平滑化された表面性状、および平滑化された残留応力が生じる得る。転造工具2.2と被加工物との間の接触面積は、被加工物の表面形状に応じて変化するので、転造工具2.2によって作用する圧下力を、被加工物の表面形状の変化に適応するように調整し得る。例えば、制御モジュール18は、ホイールセット1の表面形状に基づいて転造工具2.2によって作用する目標圧下力の大きさを判定し、第1のモータ10および第2のモータ12のトルク出力を制御して、目標ローリング力を達成し得る。制御モジュール18は、ホイールセット1の表面形状を測定するセンサ(図示せず)からの入力情報に基づいて、ホイールセット1の表面形状を判定し得る。あるいは、ホイールセット1の表面形状を、制御モジュール18に予め定めて保存し得る。
【0057】
図7は、ホイールセット1の表面外形50、転造工具2.2によってホイールセット1に作用するローリング力52、転造工具2.2とホイールセット1との間の接触面積54、および転造工具2.2とホイールセット1との間の接触応力56の例を図示している。表面形状50、ローリング力52、接触面積54、および接触応力56は、ローリング距離を示すx軸、ならびに、表面形状50、ローリング力52、接触面積54、および接触応力56の大きさを示すy軸に関してプロットされる。図7に示すように、ローリング力52(したがって、圧下力)は、所定のローリング力(または圧下力)に達するまで、傾斜状に増加して減少し、ローリング加工されていない表面とローリング加工された表面との間の領域を平滑化する。制御モジュール18は、図7に示すように、転造工具2.2とホイールセット1との間の応力56が一定となるように、表面形状50の変化に基づいてローリング力52を調整し得る。
【0058】
制御モジュール18は、異なる輪郭部分においてローリング力52(したがって、圧下力)を独立して変更し得る。例えば、区間60に沿った表面形状50は、接触面積54に第1の面積値をもたらし、区間62に沿った表面形状50は、接触面積54に第1の面積値より大きな第2の面積値をもたらす。したがって、区間60と区間62との間の移行において、制御モジュール18は、第1の力の値から第2の力の値にローリング力52を増加させる。第1の力の値と第2の力の値の比は、接触面積54で割った転造工具2.2とホイールセット1との間の応力56、またはローリング力52が、区間60および62の全体にわたって一定であるため、第1の面積値と第2の面積値の比と同じである。
【0059】
上記の説明は、本質的にただ例示するだけであり、いかなる場合も本開示、その応用、または使用を限定することを目的としていない。本開示の広い教示は、様々な形態で実施することができる。したがって、本明細書は、特定の実施例を含む一方で、本開示の真の範囲は、他の変形例が、図面、明細書、および以下の特許請求の範囲の調査により明らかになるという理由から、そのように制限されるべきではない。方法内の1つまたは複数の工程が、本開示の原理を変更することのなく異なる順序で(または並行して)実行され得ることを理解すべきである。さらに、各実施形態がある特徴を有するとして上述しているが、本開示のいかなる実施形態に関して記載されるいかなる1つまたは複数のこれらの特徴も、その組み合わせが明示的に記載されていない場合であっても、他の実施形態のうちいずれかの特徴にて実施され、および/または組み合わせることができる。言い換えると、記載された実施形態は排他的ではなく、互いを備える1つまたは複数の実施形態の入れ換えは、本開示の範囲内に留まる。
【0060】
要素間の(例えばモジュール、回路素子、半導体層等の間の)空間的および機能的関係は、「接続した」、「係合した」、「連結した」、「隣接した」、「次の」、「の最上部に」、「上方」、「下方」、および「配置した」を含む様々な用語を使用して記載されている。「直接」のように明示的に記載されない限り、第1と第2の要素との関係が上記開示に記載されるときに、その関係は、他のいかなる介在要素も第1と第2の要素との間に存在しない直接的な関係であることができるが、しかし、1つまたは複数の介在要素が、第1と第2の要素との間に(空間または機能的のいずれかに)存在する間接的な関係であることもできる。本明細書で使用される場合、A、B、およびCのうち少なくとも1つとの語句は、非排他的論理和を用いて、論理的な(AまたはBまたはC)を意味するものとされなければならず、「Aのうち少なくとも1つ、Bのうち少なくとも1つ、およびCのうち少なくとも1つ」を意味するものとされるべきではない。
【0061】
図において、矢印の方向は、矢じりによって示されるように、一般に、図面に関連する情報(データまたは指示といった)の流れを示している。例えば、要素Aおよび要素Bは様々な情報を取り交わすが、要素Aから要素Bに送信した情報が図面に関連するとき、矢印は元素Aから元素Bまで指し得る。この一方向性の矢印は、他の情報が要素Bから要素Aに送信されないことを意味していない。さらに、要素Aから要素Bに送信される情報に対しては、要素Bは、情報の要求を要素Aに送信し、または情報の受信確認を要素Aに送信し得る。
【0062】
本出願では、下記の定義を考慮して、用語「モジュール」または用語「制御装置」は、用語「回路」と置き換えられ得る。用語「モジュール」は:特定用途向け集積回路(ASIC);デジタル、アナログ、またはアナログ/デジタル混在式ディスクリート回路;デジタル、アナログ、またはアナログ/デジタル混在式集積回路;組み合わせ論理回路;フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA);コードを実行するプロセッサ回路(共有化、専用化、またはグループ化している);プロセッサ回路によって実行されるコードを保存するメモリ回路(共有化、専用化、またはグループ化している);記載された機能を提供する他の好適なハードウェア構成要素;または、システムオンチップのような、上記の一部もしくは全部の組み合わせ、を指すか、それらの一部であるか、または、それらを含み得る。
【0063】
モジュールは、1つまたは複数のインタフェース回路を含み得る。いくつかの実施例では、インタフェース回路は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、又はこれらの組み合わせに接続している有線または無線インタフェースを含み得る。本開示のいかなる所与のモジュールの機能も、インタフェース回路を介して接続される複数のモジュールに分散され得る。例えば、複数のモジュールは、負荷分散を可能にし得る。さらなる実施例では、サーバ(別名リモートまたはクラウド)モジュールは、クライアントモジュールの代わりにいくつかの機能を果たし得る。
【0064】
コードという用語は、上記で使用されているように、ソフトウェア、ファームウェア、および/またはマイクロコードを含み、プログラム、ルーチン、ファンクション、クラス、データ構造、および/またはオブジェクトを指し得る。共有プロセッサ回路という用語は、複数のモジュールからいくつかのまたはすべてのコードを実行する単一プロセッサ回路を包含する。グループプロセッサ回路という用語は、追加されたプロセッサ回路と組み合わされて、1つまたは複数のモジュールからいくつかのまたはすべてのコードを実行するプロセッサ回路を包含する。複数のプロセッサ回路との関係は、別々のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一プロセッサ回路の複数のコア、単一プロセッサ回路の複数のスレッド、または上記の組み合わせを包含する。共有メモリ回路という用語は、複数のモジュールからいくつかのまたはすべてのコードを保存する単一メモリ回路を包含する。グループメモリ回路という用語は、追加されたメモリと組み合わされて、1つまたは複数のモジュールからいくつかのまたはすべてのコードを保存するメモリ回路を包含する。
【0065】
メモリ回路という用語は、コンピュータ可読媒体という用語のサブセットである。コンピュータ可読媒体という用語は、本明細書において、媒体(搬送波に載せるような)を通して伝搬する一時的な電気または電磁信号を包含せず;したがって、コンピュータ可読媒体という用語は、有形および非一時的であるとみなされ得る。非一時的な、有形のコンピュータ可読媒体の非限定的実施例は、不揮発性メモリ回路(例えば、フラッシュメモリ回路、消去可能なプログラム可能読取り専用メモリ回路、またはマスク読出し専用メモリ回路)、揮発性メモリ回路(例えば、静的ランダムアクセスメモリ回路または動的ランダムアクセスメモリ回路)、磁気記録媒体(例えば、アナログもしくはデジタル磁気テープまたはハードディスクドライブ)、および、光学記録媒体(例えば、CD、DVD、またはブルーレイディスク)である。
【0066】
本出願に記載されている装置および方法は、汎用コンピュータを構成することによって作製される専用コンピュータにより、部分的にまたは完全に実装され、コンピュータプログラムで実施される1つまたは複数の特定の機能を実行し得る。上記の機能ブロック、フローチャートの構成要素、およびその他の要素は、ソフトウェアの仕様として役立ち、それらを熟練した技術者またはプログラマの定型作業によって、コンピュータプログラムに変換することができる。
【0067】
コンピュータプログラムは、少なくとも1つの非一時的な、有形のコンピュータ可読媒体に保存されたプロセッサ実行可能命令を含む。コンピュータプログラムは、保存されたデータも含み、または依存し得る。コンピュータプログラムは、専用コンピュータのハードウェアと伝達し合う基本入出力システム(BIOS)、専用コンピュータの特定の装置と伝達し合うデバイスドライバ、1つまたは複数のオペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、バックグラウンドサービス、バックグラウンドアプリケーションなどを包含し得る。
【0068】
コンピュータプログラムは:(i)HTML(ハイパーテキストマークアップ言語)、XML(エクステンシブルマークアップ言語)またはJSON(JavaScript(登録商標)Objective Notation)といった構文解析される記述文、(ii)アセンブリコード、(iii)コンパイラによってソースコードから生成するオブジェクトコード、(iv)インタプリタによる実行のためのソースコード、(v)実行時コンパイラなどによるコンパイルおよび実行のためのソースコードを含み得る。例のみとして、ソースコードは、C、C++、C#、Objective−C、Swift、Haskell、Go、SQL、R、Lisp、Java(登録商標)、Fortran、Perl、Pascal、Curl、OCaml、
script(登録商標)、HTML5(ハイパーテキストマークアップ言語第5改訂版)、Ada、ASP(アクティブサーバぺージ)、PHP(PHP:ハイパーテキストプリプロセッサ)、Scala、Eiffel、Smalltalk、Erlang、Ruby、Flash(登録商標)、Visual Basic(登録商標)、Lua、MATLAB、SIMULINK、および、Python(登録商標)を含む言語から構文を使用して記述され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】
2020044647000001.pdf