特開2020-44685(P2020-44685A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-44685(P2020-44685A)
(43)【公開日】2020年3月26日
(54)【発明の名称】インクタンク
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20200303BHJP
【FI】
   B41J2/175 111
   B41J2/175 133
   B41J2/175 141
   B41J2/175 169
   B41J2/175 305
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-173250(P2018-173250)
(22)【出願日】2018年9月18日
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水谷 忠弘
(72)【発明者】
【氏名】石澤 卓
(72)【発明者】
【氏名】深澤 教幸
(72)【発明者】
【氏名】奥村 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】木村 尚己
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA29
2C056EB55
2C056KC02
2C056KC09
2C056KC15
2C056KC16
(57)【要約】
【課題】インクタンクにおいて、ユーザーがインクの供給開始を認識しやすくする。
【解決手段】インク噴射ヘッドに連通するインクタンクは、インクを収容可能なインク室と、インク室に連通し、インク供給容器からインクの供給を受けるインク入口部と、インク室を画定する壁の一部であり、インク室内のインクを外部から視認可能なインク視認部と、を備える。インク室は、インク入口部からインク視認部に向けてインクを誘導するインクガイド壁を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インク噴射ヘッドに連通するインクタンクであって、
インクを収容可能なインク室と、
前記インク室に連通し、インク供給容器からインクの供給を受けるインク入口部と、
前記インク室を画定する壁の一部であり、前記インク室内の前記インクを外部から視認可能なインク視認部と、
を備え、
前記インク室は、前記インク入口部から前記インク視認部に向けて前記インクを誘導するインクガイド壁を有する、
インクタンク。
【請求項2】
請求項1に記載のインクタンクであって、
前記インク視認部は鉛直方向に延び、
前記インクガイド壁は、
鉛直方向において前記インク入口部と対向する第1部分と、
水平方向において前記第1部分と前記インク視認部との間に位置する第2部分と、を有するインクタンク。
【請求項3】
請求項2に記載のインクタンクであって、
前記第2部分は、前記インク視認部と対向する視認部側端部を有し、
前記視認部側端部の幅は、前記インク視認部の幅よりも小さい、インクタンク。
【請求項4】
請求項3に記載のインクタンクであって、
前記インク視認部は、インク量の上限の目安を示す上限標識を備え、
前記視認部側端部は、鉛直方向において、前記上限標識より低い、インクタンク。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のインクタンクであって、
前記第2部分は、鉛直方向において、前記第1部分より低い、インクタンク。
【請求項6】
請求項2から請求項5のいずれか一項に記載のインクタンクであって、
前記第1部分は前記インク視認部側とは逆側の端部に上方に立ち上がる立壁部を有する、インクタンク。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のインクタンクであって、
前記インクガイド壁は、前記インク室を画定する側壁の一部との間に間隔を空けて設けられる、インクタンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクタンクに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、インク注入口からインクが注入されるインクタンクが開示されている。このインクタンクは、内部のインク量を外部から視認可能な視認部を備えている。このインクタンクにおいて、注入口から注入されたインクは、インクタンクの内部に設けられた隔壁によって視認部から離れる方向に誘導される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−164812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザーは、例えば、インク供給容器を用いて、インク注入口を通じてインクタンクにインクの注入を行う。ところが、特許文献1に開示されたインクタンクでは、注入されたインクが視認部から離れる方向に誘導されるため、インクの注入開始直後に視認部を通じてインクの液位が上昇することが見えにくい。そのため、インク供給容器からインクが注入されているにもかかわらず、インクの注入が開始されていないとユーザーが誤解する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態によれば、インク噴射ヘッドに連通するインクタンクが提供される。このインクタンクは、インクを収容可能なインク室と、前記インク室に連通し、インク供給容器からインクの供給を受けるインク入口部と、前記インク室を画定する壁の一部であり、前記インク室内の前記インクを外部から視認可能なインク視認部と、を備え、前記インク室は、前記インク入口部から前記インク視認部に向けて前記インクを誘導するインクガイド壁を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態におけるプリンターを備える複合機の斜視図である。
図2】複合機のインクタンクにインクを供給する様子を示す斜視図である。
図3】複合機の正面図である。
図4】インクタンクの右側面図である。
図5】インクタンクの左側面図である。
図6】インクタンクを左側から見た斜視図である。
図7】第2インク流路付近のXZ断面図である。
図8】第1インク流路付近のXZ断面図である。
図9】視認部側端部の位置を示す図である。
図10】第2実施形態におけるインクタンクの左側面図である。
図11】第2実施形態におけるインクタンクの左側から見た斜視図である。
図12】第3実施形態におけるインクタンクの左側面図である。
図13】第3実施形態におけるインクタンクの左側から見た斜視図である。
図14】第4実施形態におけるインクタンクの左側面図である。
図15】第4実施形態におけるインクタンクの左側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態におけるプリンター12を備える複合機11の斜視図である。図2は、複合機11のインクタンク18にインクを供給する様子を示す斜視図である。複合機11は、プリンター12と画像読取装置13とを備える。画像読取装置13は、プリンター12上に配置されてプリンター12の上側を覆っている。複合機11は、全体として略直方体をなしている。
【0008】
本実施形態では、反重力方向を上方向というと共に、重力方向を下方向という。そして、複合機11が使用状態において水平面上に置かれているものとして上方向と下方向に沿う方向を鉛直方向Zとし、水平面に沿う方向を幅方向X及び奥行方向Yとして図示する。幅方向X、奥行方向Y、及び鉛直方向Zは、相互に直交する。奥行方向Yにおける一端側を前面側もしくは前側、一端側とは反対の他端側を背面側もしくは後側といい、前面側から見た幅方向Xの一端側を右側、他端側を左側ということもある。
【0009】
プリンター12は、用紙などの媒体に対してインクを噴射することにより媒体に文字や画像を印刷する。プリンター12は、筐体20を備えている。筐体20の前面側には操作パネル17とタンクユニット19とが設けられている。操作パネル17は、操作部15と表示部16とを有する。操作部15は、複合機11の各種の操作を行うためのボタンを備える。表示部16は、プリンター12や複合機11の各種の情報を表示する。操作パネル17と表示部16とは、タッチパネルとして一体的に構成されてもよい。
【0010】
タンクユニット19は、内部に、少なくとも1つ、本実施形態では5つ、のインクタンク18を収容する。タンクユニット19の前面99には、各インクタンク18と対応する位置に、少なくとも1つ、本実施形態では5つ、の窓部21が形成されている。本実施形態において、窓部21は、筐体20を貫く貫通孔として構成されている。
【0011】
窓部21からは、インクタンク18に備えられたインク視認部61を視認可能である。インク視認部61は、インクタンク18を構成する壁の一部であり、インクタンク18内のインクを外部から視認可能な部分である。インク視認部61は、インクタンク18におけるインク量の上限の目安を示す上限標識63を備えている。本実施形態では、インク視認部61は、上限標識63に加えて、下限標識62を備えている。図1に示すように、下限標識62と上限標識63との間には、1または複数の目盛89が備えられてもよい。目盛89を複数設ける場合には、上限標識63と下限標識62とを含めて目盛89を等間隔に設けることが好ましい。なお、図2以降の図では、上限標識63、下限標識62、目盛89の全部または一部を省略する場合がある。
【0012】
筐体20内には、媒体にインクを付着させて印刷する印刷部23が収容されている。印刷部23は、供給部24とインク噴射ヘッド25とキャリッジ26とを含む。供給部24は、インクタンク18に収容されたインクを印刷部23に供給するためのチューブを有する。インク噴射ヘッド25は、供給部24を通じてインクタンク18から供給されたインクを、インク噴射ヘッド25の下面に設けられたノズルから噴射する。キャリッジ26は、インク噴射ヘッド25を保持して幅方向Xに沿って往復移動する。このように、インクタンク18は、インク噴射ヘッド25に連通しており、印刷部23は、供給部24を通じてインクタンク18から供給されたインクを、移動するインク噴射ヘッド25から媒体に向かって噴射することにより媒体に印刷を行う。なお、本実施形態において、供給部24は、各インクタンク18と個別に対応するように複数設けられているが、図1では図の簡略化のために1つだけ示している。
【0013】
図2に示すように、画像読取装置13は、背面側に設けられたヒンジなどの回転機構28を介して筐体20に取り付けられている。画像読取装置13は、プリンター12に対して開閉可能であり、図1に示す閉位置と、図2に示す開位置との間で回動する。そして、画像読取装置13を開位置に位置させると、タンクユニット19のカバー29及びインクタンク18に取り付けられたキャップ30が開閉可能となる。
【0014】
インクタンク18にインクを補給または供給する場合には、図2に示すように、画像読取装置13、カバー29、及びキャップ30を開位置に位置させ、供給用のインクを収容したインク供給容器31をインクタンク18に接続する。なお、「インクを補給」あるいは「インクを供給」とは、空のインクタンク18に初めてインク供給容器31からインクを供給すること、インクタンク18内のインクが下限標識62に達したときにインクを供給すること、インクタンク18の残量が下限標識62より上であっても途中で継ぎ足すこと、を含む。また、「インクを補給」あるいは「インクを供給」とは、必ずしも、インクタンク18の上限標識63まで供給する必要はなく、インクタンク18内のインクの残量を増やすことを含む。
【0015】
図3は、複合機11の正面図である。図3には、タンクユニット19の前面99の図示を省略している。タンクユニット19は、インクタンク18を取り付け可能な取付部33を備えている。取付部33には、収容可能なインクの量が異なる第1インクタンク18Aと第2インクタンク18Bとが、幅方向Xに並んで取り付けられている。各インクタンク18には、それぞれ異なる色あるいは種類のインクが収容される。
【0016】
本実施形態では、取付部33において、収容量が多いブラックインク用の第1インクタンク18Aが操作パネル17側に1つ設けられている。その反対側には、第1インクタンク18Aよりも収容量が少ないカラーインク用の第2インクタンク18Bが、4つ設けられている。複数設けられた第2インクタンク18Bのそれぞれの構成は同じである。以下の説明において、第1インクタンク18Aと第2インクタンク18Bとに共通する構成については同一符号を付すことで重複した説明を省略する。本明細書において、第1インクタンク18Aと第2インクタンク18Bとを特に区別なく呼ぶ場合には、単に、インクタンク18という。以下では、第2インクタンク18Bの構造を、インクタンク18の構造として説明するが、第1インクタンク18Aの構造も、幅方向Xのサイズを除き、第2インクタンク18Bの構造とほぼ同じである。
【0017】
図4は、インクタンク18の右側面図である。図5は、インクタンク18の左側面図である。図6は、インクタンク18を左側から見た斜視図である。インクタンク18には、図3に示した取付部33に係合する爪部34と、図3に示した取付ねじ35が螺合する螺合部36と、が形成されている。取付部33には、取付ねじ35を係止する係止部37が形成されている。図3では係止部37を1つだけ示している。インクタンク18は、爪部34を取付部33に係合させた状態で、取付ねじ35が係止部37に係止されつつ螺合部36に螺合されることにより取付部33に固着される。本実施形態において、インクタンク18が取付部33に固着された状態のことを、インクタンク18の使用状態という。
【0018】
インクタンク18は、インクを収容可能なインク室40とインク入口部39とを備える。インク入口部39は、鉛直方向Zに沿って延びる。インク入口部39は、インク室40の外部に開口する上端部39aと、インク室40の内部に開口する下端部39bとを有する。インク入口部39は、インク室40に連通し、図2に示したインク供給容器31からインクの供給を受ける。インクタンク18が取付部33に固着された状態で、インク入口部39の上端部39aは、図3に示すように、操作部15及び表示部16よりも上方に位置する。
【0019】
インクタンク18は、収容体ケース45を備えている。収容体ケース45には、その右面が開放された3つのバッファー用凹部43と、左面が開放された収容室用凹部44とが形成されている。インクタンク18は、インク噴射ヘッド25に供給するインクを収容可能なインク室40と、インク室40の上方に設けられたバッファー室41a〜41cとを備えている。バッファー室41a〜41cは、インク室40からインクが漏れることを抑制するために一時的にインクが流入可能な部屋である。バッファー室41a〜41cは、バッファー用凹部43がフィルムの一例である第1フィルム46aにより封止されて形成されている。インク室40は、収容室用凹部44がフィルムの一例である第2フィルム46bにより封止されて形成されている。
【0020】
第1バッファー室41aは、インク入口部39の前側に設けられている。第2バッファー室41b及び第3バッファー室41cは、インク入口部39の後側に設けられている。第1バッファー室41aと第2バッファー室41bは、奥行方向Yにおいてインク入口部39を挟み、インク入口部39が延びる方向に沿って設けられている。インクタンク18は、第3バッファー室41cを大気に連通させる大気連通部50を備えている。
【0021】
インクタンク18は、第1バッファー室41aの下端とインク室40の上端とを連通させる連通部51と、バッファー室41a〜41cを互いに連通するように接続する接続部52a〜52cと、を備えている。連通部51は、インク入口部39の下端部39bよりも上方の位置でインク室40と連通する。
【0022】
第1接続部52aは、第1バッファー室41aと第2バッファー室41bとを接続する。具体的には、第1接続部52aは、第1バッファー室41aの下方部において連通部51よりも上側に形成された第1貫通孔53aと、第2バッファー室41bの下端部に形成された第2貫通孔53bとを接続する。第2接続部52bは、第2バッファー室41bと第3バッファー室41cとを接続する。具体的には、第2接続部52bは、第2バッファー室41bの下方部において第2貫通孔53bよりも上側に形成された第3貫通孔53cと、第3バッファー室41cの下端部に形成された第4貫通孔53dとを接続する。第3接続部52cは、第3バッファー室41cと大気連通部50とを接続する。
【0023】
貫通孔53a〜53dは、バッファー室41a〜41cを画定する左壁54を貫通するように形成されている。第1接続部52aと第2接続部52bは、左壁54の外面に設けられ、左方に向かって開口する溝部と、この溝部を封止する第2フィルム46bと、により形成されている。第3接続部52cは、収容体ケース45の周縁部において右方に向かって開口する溝部と、この溝部を封止する第1フィルム46aと、により形成されている。
【0024】
インク室40は、上述した、連通部51、第1バッファー室41a、第1接続部52a、第2バッファー室41b、第2接続部52b、第3バッファー室41c、第3接続部52cを介して、大気連通部50と連通している。
【0025】
インクタンク18は、貯留部42を備えている。貯留部42は、インク入口部39の上端部39aよりも下方に位置し、上端部39aからインク入口部39の外側に流れ落ちたインクを貯留する。貯留部42は、インク室40を画定する天壁47と、天壁47から上方に立設し、左側方が開口した貯留壁48a〜48cと、貯留壁48a〜48cの左方を向く開口を封止する第2フィルム46bと、により画定され、上方に向かって開口するように形成されている。すなわち、貯留壁48a〜48cは、前方に位置する第1貯留壁48a、右方に位置する第2貯留壁48b、後方に位置する第3貯留壁48cにより構成されている。第3貯留壁48cは、貯留部42と第1バッファー室41aとを区画する。
【0026】
インク室40は、天壁47と、天壁47と鉛直方向Zに対向する底壁56と、天壁47及び底壁56と交差する前壁57と、後壁58と、右壁59と、第2フィルム46bとにより画定されている。右壁59および第2フィルム46bは、インク室40の側壁を構成する。前壁57と後壁58と側壁とは、天壁47と交差する方向に延びるように設けられ、鉛直方向Zに立設している。天壁47は、インク室40とバッファー室41a〜41cとを区画する。右壁59の一部と前壁57は、インク室40よりも上方に延伸されて形成され、天壁47よりも上方の部分が第1貯留壁48a及び第2貯留壁48bを構成する。なお、本明細書において、2つの壁あるいは面が「対向する」とは、2つの壁あるいは面の間に他の物が存在しない状態で2つの壁あるいは面が向かい合う場合と、2つの壁あるいは面の間に他の物が存在した状態で2つの壁あるいは面が向かい合う場合の両方を含む意味である。また、2つの壁あるいは面が「交差する」とは、2つの壁あるいは面が互いに平行でない位置関係であることを示す。2つの壁あるいは面が互いに直接に接触している場合のほか、直接に接触しておらず互いに離れている位置関係でも、一方の壁あるいは面の延長と他方の壁あるいは面の延長とが交差する関係である場合も交差するという。交差する2つの壁あるいは面がなす角は、直角、鈍角、鋭角のいずれでもよい。
【0027】
インクタンク18を構成する収容体ケース45は、透明もしくは半透明の樹脂製であり、インク室40に収容されたインクの液面レベルを外部から視認可能である。前壁57において、図1に示した窓部21と対応する領域は、外部からインク室40内のインクを視認可能なインク視認部61として機能している。つまり、インクタンク18は、インク室40を画定する壁の一部であり、インク室40内のインクを外部から視認可能なインク視認部61を備える。インク視認部61は鉛直方向Zに延びている。インク入口部39はインク視認部61より上に位置している。インク視認部61には、上限標識63と下限標識62と目盛89とが設けられる。前壁57のインク室40側となる内面は、疎水処理が施されていることが好ましい。例えば、前壁57の内面に、シリコン系撥水剤を塗布することにより、疎水処理を施すことができる。これにより、前壁57に付着したインクが引きやすくなり、インク室40に収容されたインクの液面が視認しやすくなる。
【0028】
後壁58の下部には、図1に示した供給部24が接続されてインクが印刷部23に導出されるインク導出部65が上方に向けて設けられている。底壁56は、奥行方向Yにおいて、前壁57側が高くなるように傾斜して形成されている。底壁56において、傾斜の低い側となる後壁58側の位置には、凹状のフィルター取付部66が形成されている。フィルター取付部66には、図示していないフィルターが、熱溶着等により取り付けられる。インクタンク18は、フィルター取付部66とインク導出部65とを接続するインク導出路67を備えている。インク室40に収容されたインクは、インク噴射ヘッド25においてインクが消費されると、フィルター取付部66のフィルターを介してインク導出路67、インク導出部65、及び供給部24を経由して印刷部23に供給される。
【0029】
インク室40内には、少なくとも1つの縦リブ部68が形成されている。縦リブ部68は、鉛直方向Zにおいて天壁47及び底壁56と間隔を有して形成されている。縦リブ部68の前後両側には、収容室用凹部44の開口側から右壁59側に向かって奥行方向Yに沿った幅が徐々に広くなるように上面視で略直角三角形状をなす延出部70が右壁59と直交して形成されている。幅方向Xにおいて縦リブ部68の幅は、収容室用凹部44の幅と略等しい。そのため、収容室用凹部44に第2フィルム46bが接着されると、縦リブ部68の左端の端面にも第2フィルム46bが接着される。
【0030】
さらに、インク室40内には、底壁56から上方に向かって突出する第1突出部71aが形成されている。また、インク室40内には、天壁47から下方に向かって突出する第2突出部71bが形成されている。第1突出部71aと第2突出部71bは、右壁59から収容室用凹部44の開口側に向かって徐々に鉛直方向Zに沿った幅が狭くなるように正面視で略直角三角形状をなしている。
【0031】
インク入口部39の下端部39bは、インク室40の上部空間に位置し、インク室40を区画する天壁47から下方に向かって突出形成されている。インクタンク18の使用状態では、インク入口部39の上端部39aが下端部39bよりも上側に位置する。そして、天壁47よりも上側に上端部39aが位置し、天壁47よりも下側に下端部39bが位置する。インク室40の上部空間とは、インク室40の中央よりも上側の空間であり、縦リブ部68の上端および第2突出部71bの下端の少なくとも1つよりも上側の空間である。
【0032】
インク入口部39は、鉛直方向Zに沿って設けられた筒部73を有する。筒部73は、第3貯留壁48cと交差するインクタンク18の上面75から上方に向かって突出するように設けられている。インク入口部39の筒部73の先端かつ上端が上端部39aである。インク入口部39は、上端部39aと下端部39bとを接続する第1インク流路74aおよび第2インク流路74bを有している。
【0033】
インク入口部39の下端部39bでもある、第1インク流路74aおよび第2インク流路74bの下端部39bは、インク室40内において等しい高さに位置する。また、下端部39bは、鉛直方向Zにおいて上限標識63に対応する位置に位置する。具体的には、下端部39bは、鉛直方向Zにおいて上限標識63と同じ高さ、もしくは上限標識63付近に位置する。
【0034】
インク入口部39を構成する円筒状の筒部73内には、奥行方向Yにおける中央位置に、幅方向X及び鉛直方向Zに沿う第1流路壁76aが設けられている。第1流路壁76aは、第1インク流路74aと第2インク流路74bとを区画する。第1流路壁76aは、上端部39aから下端部39bまで連続して設けられている。第1インク流路74aと第2インク流路74bは、筒部73における水平方向の断面積が略同じである。
【0035】
奥行方向Yにおいて第1流路壁76aの前側の位置には、第1バッファー室41aとインク入口部39とを区画する第2流路壁76bが設けられている。また、奥行方向Yにおいて第1流路壁76aの後側の位置には、第2バッファー室41bとインク入口部39とを区画する第3流路壁76cが設けられている。本実施形態では、第1流路壁76a、第2流路壁76b、第3流路壁76cにより、筒部73から繋がる2つの溝77が奥行方向Yに並ぶように画定されている。
【0036】
インク入口部39の筒部73と下端部39bとの間は、溝77を第1フィルム46aと第2フィルム46bとで封止して形成されている。具体的には、溝77は、幅方向Xの両側に、それぞれ開口した部分を有する。そして、第1フィルム46aが、第1バッファー室41aと第2バッファー室41bとの間に形成された部分である溝77の一部を封止することにより、インク入口部39の筒部73と下端部39bとの間を形成する。また、第2フィルム46bが、収容室用凹部44内に形成された部分である溝77の一部を封止することにより、インク入口部39の下端部39bを形成する。
【0037】
インクタンク18の使用状態において、インク室40における下端部39bよりも上方の空間は、インク入口部39により前側の第1上方空間78aと、後側の第2上方空間78bとに区分けされている。すなわち、インク室40には、インク入口部39の下端部39bを挟んで第1上方空間78aと第2上方空間78bが設けられている。
【0038】
図4に示すように、インクタンク18は、第1上方空間78aと第2上方空間78bとを連通させる連通路79を備えている。連通路79は、インク室40の右壁59を貫通するように形成された第1連通孔80aと第2連通孔80bとを連通させる。連通路79は、右壁59に形成され、右方に向かって開口する溝部と、この溝部を封止する第1フィルム46aとにより形成されている。第1連通孔80aは、連通部51が開口する第1上方空間78aに開口し、第2連通孔80bは、インク入口部39の下端部39bを挟んで第1上方空間78aとは反対側に位置する第2上方空間78bに開口する。
【0039】
インクタンク18の使用状態において、インク室40におけるインク入口部39の下端部39bよりも上方の空間の容積は、インク入口部39の容積よりも大きい。すなわち、第1上方空間78aと第2上方空間78bの容積の合計は、第1インク流路74aと第2インク流路74bの容積の合計よりも大きい。
【0040】
図7は、第2インク流路74b付近のXZ断面図である。図8は、第1インク流路74a付近のXZ断面図である。図7に示すように、第2インク流路74bは、第1流路部81aと、第1流路部81aよりも水平方向の断面積が大きな第2流路部81bとを有する。本実施形態では、第1流路部81aと第2流路部81bの溝77の深さが異なり、第2流路部81bの溝77の深さは、第1流路部81aの溝77の深さよりも深い。また、鉛直方向Zにおいて、第1流路部81aは、第2流路部81bよりも上方に位置し、第1流路部81aの長さは、第2流路部81bの長さよりも長い。これに対して、第1インク流路74aは、図8に示すように、溝77のうち、第2インク流路74bの第1流路部81aと第2流路部81bに対応する部分の深さが同じである。第2インク流路74bにおいて、鉛直方向Zにおける同じ位置での水平方向の断面積が、第1インク流路74aと異なる部分が第2流路部81bとなる。
【0041】
図7図8に示すように、第1インク流路74a、第2インク流路74bにおいて、第1流路部81aよりも上部は、インク受け部82として水平方向の断面積が第1流路部81aよりも大きく形成されている。インク受け部82の上部は、筒部73と連通している。インク受け部82の底面は、下方に傾斜するように形成され、インク受け部82に接続される第1流路部81aにインクを引き込みやすくしている。
【0042】
図5,6に示すように、インク室40は、インクガイド壁100を有する。インクガイド壁100は、インク供給容器31からインクの供給を受ける際に、インク入口部39からインク視認部61に向けてインクを誘導する壁である。インクガイド壁100は、概ね板状に形成されており、右壁59から第2フィルム46bに向かって立設されている。インクガイド壁100の左端の端面には、第2フィルム46bが接着される。
【0043】
インクガイド壁100は、鉛直方向Zにおいて、インク入口部39の下端部39bと、底壁56との間に位置する。インクガイド壁100は、鉛直方向Zにおいてインク入口部39と対向する第1部分101と、水平方向において第1部分101とインク視認部61との間に位置する第2部分102とを有する。本実施形態では、鉛直方向Zにおいて第2部分102が第1部分101よりも低くなるように、インクガイド壁100が全体として、インク視認部61側ほど低くなるように傾斜している。
【0044】
図5に示すように、インクガイド壁100の第1部分101は、奥行方向Yにおいて、後壁58側を向く後端部105を有している。後端部105は、インク室40内において開放されており、他の壁に接続されていない。インクガイド壁100の第2部分102は、奥行方向Yにおいてインク視認部61と対向する視認部側端部103を有している。本実施形態において、第2部分102は、図6に示すように、第2フィルム46b側およびインク視認部61側の角部に、矩形の切り欠き状の凹部104を備えている。凹部104は、インクガイド壁100における視認部側端部103の一部が、インク視認部61とは逆側に向けて凹んだ形状を有する。この凹部104により、視認部側端部103の幅方向Xに沿った幅が、第1部分101の幅よりも小さくなっている。また、この凹部104により、インクガイド壁100の一部は、インク室40を画定する側壁としての第2フィルム46bの一部との間に間隔を空けて設けられることになる。凹部104のことを、段差部と称することも可能である。視認部側端部103とインク視認部61との間には、奥行方向Yにおいて隙間Gが形成されている。奥行方向Yにおける隙間Gの距離は、概ね、0.5mm以上2.0mm以下である。この距離は、インクガイド壁100の上面をインクが流れる速度に応じて任意に設定可能である。
【0045】
図9は、視認部側端部103の位置を示す図である。本実施形態において、視認部側端部103は、鉛直方向Zにおいて、インク視認部61に備えられた上限標識63よりも低い位置にある。視認部側端部103の幅方向Xに沿った幅は、前壁57の幅よりも小さく、インク視認部61の幅よりも小さい。本実施形態において、視認部側端部103は、上限標識63の幅方向Xにおける中心よりも右壁59側に形成されている。なお、視認部側端部103は、上限標識63の幅方向Xにおける中心よりも第2フィルム46b側に形成されていてもよい。
【0046】
本実施形態において、図3に示したように、インク供給容器31を、インク入口部39の上端部39a側となる筒部73に接続すると、インクは、第1インク流路74aと第2インク流路74bとをインク室40側に向かって降下するように流れる。そして、インク室40内の空気は、インクにより押されて圧力が上がる。第1インク流路74aを流れるインクは、インク室40に流入する。一方、第2インク流路74bを流れるインクは、第2インク流路74bの途中位置で、インク室40内の空気圧に押されて降下が止まる。そして、第2インク流路74b内のインクは、インクが流入したインク室40内の空気圧により、インク供給容器31へ押し戻される。例えば、第2インク流路74bを流れるインクは、第1流路部81aを降下して第2流路部81bとの境目で降下が止まり、第1流路部81aを押し戻される。これにより、第1インク流路74aは、インク供給容器31からインク室40にインクを流入させる流路となり、第2インク流路74bは、インク室40内の空気をインク供給容器31に流入させる流路となる。すなわち、インク供給容器31とインクタンク18との間では、インク供給容器31からインク室40に注入されたインクの分だけインク室40内の空気がインク供給容器31に流入し、所謂、気液交換が行われる。
【0047】
第1インク流路74aからインク室40にインクが流入すると、そのインクは、インクガイド壁100まで降下し、インクガイド壁100の上面に沿って、インク視認部61側に流れる。インクガイド壁100の第2部分102に形成された凹部104に到達したインクは、そのまま底壁56に向けて流れ落ちる。これに対して、第2部分102の視認部側端部103まで達したインクは、その流れの勢いにより、インク視認部61の内面まで到達し、インク視認部61の内面を伝いながら、下方に流れる。図9には、インクがインク視認部61の内面を伝って下方に流れる様子をハッチングによって示している。
【0048】
このようにして、インクが、インクガイド壁100およびインク視認部61の内面を伝いながらインク室40内に流入すると、インク液面の高さが視認部側端部103を越えてインク入口部39の下端部39bまで上昇する。インクにより第2インク流路74bの下端部39bが塞がれると、第2インク流路74bを介してインク供給容器31に空気が流入しなくなる。すると、インク供給容器31内のインクの液面にかかる圧力が低下し、インク供給容器31からインク室40へのインクの流入が停止する。インク供給容器31をインク入口部39から外すと、第1インク流路74a内のインクには大気圧がかかる。そのため、第1インク流路74a内のインクは、インク室40に流入し、インク入口部39とインク室40とにおいてインクの液面の高さが揃う。本実施形態では、上限標識63の高さがインク入口部39の下端部39bの高さ付近であるため、インクの液面は、視認部側端部103を越えて上限標識63の高さとなる。
【0049】
以上で説明した本実施形態のインクタンク18によれば、インクガイド壁100によってインク入口部39からインク視認部61に向けてインクが誘導されるので、ユーザーがインクの供給開始を認識し易い。そのため、ユーザーが、インク供給容器31を無理に圧搾したり、インク供給容器31の誤挿入を疑ってインク入口部39からインク供給容器31を取り外したりすることにより、インク供給容器31からインクが飛び散り、インク入口部39の周辺がインクで汚染される可能性が低減する。
【0050】
また、本実施形態によれば、インク供給時にインクがインク視認部61の内面を伝わるので、インク室40に溜まるインクに泡立ちが生じにくい。そのため、供給部24を通じてインク噴射ヘッド25に供給されるインクに気泡が混入しにくくなり、印字安定性が向上する。
【0051】
また、本実施形態では、インクガイド壁100は、鉛直方向Zにおいてインク入口部39と対向する第1部分101と、水平方向において第1部分101とインク視認部61との間に位置する第2部分102とを備えているので、インクをインク視認部61に誘導し易い。
【0052】
また、本実施形態では、インクガイド壁100の第2部分102は、インク視認部61と対向する視認部側端部103を有しており、この視認部側端部103の幅は、インク視認部61の幅よりも小さい。そのため、インク視認部61のうち、インクガイド壁100の視認部側端部103が対向していない部分を介して下方から上昇するインクの量を容易に視認できる。そのため、インクの補充が順調に行われているかを容易に認識できる。
【0053】
また、本実施形態では、インク視認部61が、インク量の上限の目安を示す上限標識63を備えており、視認部側端部103は、鉛直方向Zにおいて、上限標識63より低い。そのため、視認部側端部103から流れ落ちてインク視認部61を伝うインクが上限標識63に掛からない。従って、インク量が上限に達したことを容易に視認できる。
【0054】
また、本実施形態では、インクガイド壁100の第2部分102は、鉛直方向Zにおいて、第1部分101より低いので、インク入口部39から供給されたインクをインク視認部61に向けて誘導し易い。
【0055】
また、本実施形態では、インクガイド壁100の後端部105は、インク室40内において他の壁に接続されていない。そのため、インク入口部39を通じてインクがインク室40に供給される際に、インク室40内の空気の上昇がインクガイド壁100によって遮られることを抑制できる。
【0056】
また、本実施形態では、視認部側端部103の幅方向Xに沿った幅は、インク視認部61の幅よりも小さく、視認部側端部103は、上限標識63の幅方向Xにおける中心よりも側方に形成されている。そのため、視認部側端部103からインク視認部61の内面を伝って流れるインクによって、インク視認部61の幅方向の全体が濡れることが抑制される。従って、インクの液位を視認し易い。
【0057】
また、本実施形態では、インクガイド壁100に凹部104が設けられることによって、インクタンク18の側壁の一部との間に間隔が設けられている。そのため、この間隔を介してインクガイド壁100より下部の空気がインクガイド壁100より上部に逃げやすくなり、インクの供給を円滑に行うことができる。
【0058】
また、本実施形態のインクタンク18であれば、インク入口部39が複数のインク流路74a,74bを有しているため、少なくとも1つのインク流路は、空気を排出させるための流路になり得る。したがって、インク室40にインクを流入させるインク流路と、インク室40から空気を排出させる流路とを分けることができるため、インク室40にインクを安定して供給できる。
【0059】
また、例えばインク室40にインクを流入させる際、複数のインク流路74a,74bにおいてインクが空気を押す圧力と、空気がインクを押す圧力とが均衡することがある。すると、これらのインク流路74a,74b内にインクが留まり、インク室40にインクが流入しないことがある。この点、本実施形態では、第2インク流路74bが、断面積が小さな第1流路部81aと、断面積が大きな第2流路部81bとを有している。そのため、空気とインクの圧力の均衡を崩すことができる。したがって、複数のインク流路74a,74bを空気が排出される流路とインクが流入する流路とに分かれやすくできる。
【0060】
また、本実施形態では、インク室40にインクが供給され、インクの液面が上限標識63まで達すると、インク入口部39の下端部39bがインクにより塞がれ、下端部39bからインク入口部39内に空気が入らなくなる。そのため、インク室40へのインクの供給を、上限標識63に対応する位置で止めることができる。
【0061】
また、本実施形態では、インク室40は、バッファー室41a〜41cを通じて、大気連通部50により大気に連通しているので、温度変化などの影響で空気が膨張してインクの液面を押し、インク室40からインクを押し出してしまう場合であっても、インクはバッファー室41a〜41cに流入する。そのため、インク室40内にインクが充満している場合でも、環境変化等によってインク室40からインクが外部に押し出されてしまう可能性を低減できる。
【0062】
また、本実施形態では、インク室40の上方の空間の容積は、インク入口部39の容積よりも大きいため、インクの供給後に、インク入口部39に残ったインクがインク室40に流入しても、第1バッファー室41aにインクが流入する可能性を低減できる。
【0063】
また、本実施形態では、インク入口部39の下方に貯留部42が設けられているので、インク入口部39から外側に漏れ落ちたインクを貯留部42に貯留することができる。そのため、インクタンク18の周囲にインクが広がる虞を低減できる。なお、インクタンク18は、貯留部42を備えていなくてもよい。
【0064】
B.第2実施形態:
図10は、第2実施形態におけるインクタンク182の左側面図である。図11は、第2実施形態におけるインクタンク182を左側から見た斜視図である。本実施形態におけるインクタンク182は、インクガイド壁100の形状が第1実施形態と異なる。
【0065】
本実施形態におけるインクガイド壁100Bは、第1実施形態と同様に、鉛直方向Zにおいてインク入口部39と対向する第1部分101と、水平方向において第1部分101とインク視認部61との間に位置する第2部分102とを有する。ただし、本実施形態では、第1部分101と第2部分102とは、それぞれ傾斜しておらず水平であり、また、第1部分101と第2部分102とは、鉛直方向Zにおける高さが同じである。本実施形態においても、第1実施形態と同様に、第2部分102には、凹部104が形成されている。本実施形態では、インクガイド壁100Bは、第1部分101の後端部105に、上方に立ち上がる立壁部106を備えている。立壁部106の幅方向Xにおける幅は、第1部分101と同じである。立壁部106の高さは、視認部側端部103の高さよりも高い。立壁部106の上端は、インク入口部39や天壁47とは離間している。
【0066】
以上で説明した第2実施形態のインクタンク182によれば、インクガイド壁100Bの後端部105に立壁部106が設けられているため、インク入口部39から受けたインクをインク視認部61側とは逆側に逃げ難くできる。そのため、インクをインク視認部61に向けて誘導し易い。従って、第1実施形態と同様に、ユーザーがインクの供給開始を認識し易い。なお、立壁部106は、第1実施形態のインクガイド壁100や、後述する各実施形態のインクガイド壁にも設けられてもよい。
【0067】
C.第3実施形態:
図12は、第3実施形態におけるインクタンク183の左側面図である。図13は、第3実施形態におけるインクタンク183の左側から見た斜視図である。本実施形態におけるインクタンク183は、インクガイド壁100の形状が第1実施形態と異なる。
【0068】
本実施形態におけるインクガイド壁100Cは、第1実施形態と同様に、鉛直方向Zにおいてインク入口部39と対向する第1部分101と、水平方向において第1部分101とインク視認部61との間に位置する第2部分102とを有する。そして、第2実施形態と同様に、第1部分101と第2部分102とは、それぞれ傾斜しておらず水平であり、また、第1部分101と第2部分102とは、鉛直方向Zにおける高さが同じである。ただし、本実施形態においては、第2部分102に、凹部104は形成されていない。そのため、視認部側端部103の幅は、第1部分101の幅に等しい。つまり、視認部側端部103の幅は、インク視認部61の幅とほぼ同じである。
【0069】
本実施形態では、第2実施形態と同様に、インクガイド壁100Cは、第1部分101の後端部105に、上方に立ち上がる立壁部106を備えている。更に、本実施形態では、インクガイド壁100Cは、第2部分102の視認部側端部103に、上方に立ち上がる第2立壁部107を備えている。この第2立壁部107の上端は、水平方向に対して傾斜している。具体的には、本実施形態では、第2立壁部107の上端は、右壁59側よりも第2フィルム46b側の方が低くなっている。第2立壁部107の最も低い高さは、立壁部106の高さよりも低い。そのため、インクガイド壁100C上を流れるインクは、第2立壁部107の最も低い部分付近からインク視認部61に向けて流れ落ちる。
【0070】
以上で説明した第3実施形態のインクタンク183によっても、第1実施形態と同様に、インクガイド壁100Cによってインク入口部39からインク視認部61に向けてインクが誘導されるので、ユーザーがインクの供給開始を認識し易い。
【0071】
D.第4実施形態:
図14は、第4実施形態におけるインクタンク184の左側面図である。図15は、第4実施形態におけるインクタンク184の左側から見た斜視図である。本実施形態におけるインクタンク184は、インクガイド壁100の形状が第1実施形態と異なる。
【0072】
本実施形態におけるインクガイド壁100Dは、第1実施形態と同様に、鉛直方向Zにおいてインク入口部39と対向する第1部分101と、水平方向において第1部分101とインク視認部61との間に位置する第2部分102とを有する。インクガイド壁100Dは、奥行方向Yにおいて、インク視認部61側ほど高さが低くなる段差形状を有している。そのため、本実施形態では、第1部分101よりも第2部分102の方が、高さが低い。また、本実施形態では、第2部分102には凹部104が形成されておらず、視認部側端部103の幅方向Xにおける幅は、第1部分101の幅と同じである。
【0073】
以上で説明した第4実施形態のインクタンク184によっても、第1実施形態と同様に、インクガイド壁100Cによってインク入口部39からインク視認部61に向けてインクが誘導されるので、ユーザーがインクの供給開始を認識し易い。なお、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、第2部分102は凹部104を有してもよく、視認部側端部103の幅がインク視認部61の幅よりも短く形成されていてもよい。
【0074】
E.他の実施形態:
(E−1)上記実施形態では、図1に示した窓部21を貫通孔として構成したが、筐体20のインク視認部61と対向する部分を透明に形成することによって窓部21を構成してもよい。つまり、窓部21を透明窓として構成してもよい。この場合、インク視認部61から上限標識63、下限標識62、目盛89の少なくとも一部を省略し、筐体20が有する窓部21上に上限標識63、下限標識62、目盛89のうち少なくとも1つを形成してもよい。
【0075】
(E−2)上記実施形態では、インク入口部39は、2つのインク流路74a,74bを備えている。しかし、インク入口部39は、1つのインク流路を有する構成としてもよい。また、インク入口部39は、3つ以上のインク流路を有する構成としてもよい。
【0076】
(E−3)上記実施形態では、インク視認部61は、鉛直方向に延びている。これに対して、インク視認部61は、鉛直方向に交差する傾斜方向に延びていてもよい。
【0077】
(E−4)上記実施形態では、インクガイド壁100の視認部側端部103は、上限標識63より低い位置にある。これに対して、視認部側端部103は、上限標識63よりも高い位置にあってもよい。
【0078】
(E−5)上記実施形態では、インク視認部61に上限標識63や下限標識62、目盛89が設けられているが、これらのうちの全部または一部は設けられていなくてもよい。
【0079】
(E−6)上記実施形態では、インクガイド壁100に凹部104が設けられることにより、インクガイド壁100と第2フィルム46bの一部との間に間隔が設けられている。これに対して、インクガイド壁100の全部と第2フィルム46bとが離間していてもよい。この場合、例えば、インクガイド壁100の第2フィルム46b側が、右壁59側よりも、鉛直方向において上になるよう、インクガイド壁100が傾斜していてもよい。また、インクガイド壁100の第2フィルム46b側の端部が上方に向けて立ち上がっていてもよい。
【0080】
(E−7)上記実施形態では、インクタンク18は、画像読取装置13を備える複合機11のプリンター12に備えられているが、インクタンク18は、画像読取装置13を備えていないプリンターに備えられていてもよい。
【0081】
(E−8)上記実施形態では、インクタンク18は、筐体20の前面側に配置されたタンクユニット19内に固定されている。これに対して、インクタンク18は、キャリッジ26上に搭載されてもよい。つまり、インクタンク18は、キャリッジ26とともに幅方向Xに沿って往復移動するように構成されてもよい。
【0082】
(E−9)本発明は、プリンター及びそのインクタンクに限らず、インク以外の他の液体を消費する任意の液体噴射装置及びそれらの液体噴射装置に用いられるインクタンクにも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体噴射装置に用いられるインクタンクとして本発明は適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置。
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射装置。
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ(Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材噴射装置。
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置。
(5)精密ピペットとしての試料噴射装置。
(6)潤滑油の噴射装置。
(7)樹脂液の噴射装置。
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置。
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置。
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する液体噴射装置。
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体消費ヘッドを備える液体噴射装置。
【0083】
なお、「液滴」とは、液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう「液体」とは、液体噴射装置が消費できるような材料であればよい。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。
【0084】
F.他の形態:
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、以下に記載する各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0085】
(1)本発明の一形態によれば、インク噴射ヘッドに連通するインクタンクが提供される。このインクタンクは、インクを収容可能なインク室と、前記インク室に連通し、インク供給容器からインクの供給を受けるインク入口部と、前記インク室を画定する壁の一部であり、前記インク室内の前記インクを外部から視認可能なインク視認部と、を備え、前記インク室は、前記インク入口部から前記インク視認部に向けて前記インクを誘導するインクガイド壁を有する。
【0086】
このような形態のインクタンクによれば、インクガイド壁によってインク入口部からインク視認部に向けてインクが誘導されるので、ユーザーがインクの供給開始を認識し易い。そのため、ユーザーが、インク補充用のインク供給容器を無理に圧搾したり、インク供給容器の誤挿入を疑ってインク入口部からインク供給容器を取り外したりすることにより、インク供給容器からインクが飛び散り、インク入口部の周辺がインクで汚染される可能性が低減する。
【0087】
(2)上記形態のインクタンクにおいて、前記インク視認部は鉛直方向に延び、前記インクガイド壁は、鉛直方向において前記インク入口部と対向する第1部分と、水平方向において前記第1部分と前記インク視認部との間に位置する第2部分と、を有してもよい。このような形態であれば、インクをインク視認部に誘導し易い。
【0088】
(3)上記形態のインクタンクにおいて、前記第2部分は、前記インク視認部と対向する視認部側端部を有し、前記視認部側端部の幅は、前記インク視認部の幅よりも小さくてもよい。このような形態であれば、インク視認部のうち、インクガイド壁の視認部側端部が対向していない部分を介して下方から上昇するインクの量を容易に視認できる。そのため、インクの補充が順調に行われているかを容易に認識できる。
【0089】
(4)上記形態のインクタンクにおいて、前記インク視認部は、インク量の上限の目安を示す上限標識を備え、前記視認部側端部は、鉛直方向において、前記上限標識より低くてもよい。このような形態であれば、視認部側端部が上限標識よりも低いので、インク量が上限に達したことを容易に視認できる。
【0090】
(5)上記形態のインクタンクにおいて、前記第2部分は、鉛直方向において、前記第1部分より低くてもよい。このような形態であれば、インク入口部から供給されたインクをインク視認部に向けて誘導し易い。
【0091】
(6)上記形態のインクタンクにおいて、前記第1部分は前記インク視認部側とは逆側の端部に上方に立ち上がる立壁部を有してもよい。このような形態であれば、インク入口部から受けたインクがインク視認部側とは逆側に逃げ難くできる。そのため、インクをインク視認部に向けて誘導し易い。
【0092】
(7)上記形態のインクタンクにおいて、前記インクガイド壁は、前記インク室を画定する側壁の一部との間に間隔を空けて設けられてもよい。このような形態であれば、インクガイド壁より下部の空気が、間隔を介してインクガイド壁より上部に逃げ易くなり、インクの供給を円滑に行うことができる。
【0093】
本発明は、上述したインクタンクとして形態に限らず、インクタンクを備えるプリンターや、プリンターとインクタンクとインク供給容器とを備えるインク供給システム、インクの供給方法など、種々の形態として実現可能である。
【符号の説明】
【0094】
11…複合機、12…プリンター、13…画像読取装置、15…操作部、16…表示部、17…操作パネル、18,182,183,184…インクタンク、18A…第1インクタンク、18B…第2インクタンク、19…タンクユニット、20…筐体、21…窓部、23…印刷部、24…供給部、25…インク噴射ヘッド、26…キャリッジ、28…回転機構、29…カバー、30…キャップ、31…インク供給容器、33…取付部、34…爪部、35…取付ねじ、36…螺合部、37…係止部、39…インク入口部、39a…上端部、39b…下端部、40…インク室、41a…第1バッファー室、41b…第2バッファー室、41c…第3バッファー室、42…貯留部、43…バッファー用凹部、44…収容室用凹部、45…収容体ケース、46a…第1フィルム、46b…第2フィルム、47…天壁、48a…第1貯留壁、48b…第2貯留壁、48c…第3貯留壁、50…大気連通部、51…連通部、52a…第1接続部、52b…第2接続部、52c…第3接続部、53a…第1貫通孔、53b…第2貫通孔、53c…第3貫通孔、53d…第4貫通孔、54…左壁、56…底壁、57…前壁、58…後壁、59…右壁、61…インク視認部、62…下限標識、63…上限標識、65…インク導出部、66…フィルター取付部、67…インク導出路、68…縦リブ部、70…延出部、71a…第1突出部、71b…第2突出部、73…筒部、74a…第1インク流路、74b…第2インク流路、75…上面、76a…第1流路壁、76b…第2流路壁、76c…第3流路壁、77…溝、78a…第1上方空間、78b…第2上方空間、79…連通路、80a…第1連通孔、80b…第2連通孔、81a…第1流路部、81b…第2流路部、82…インク受け部、89…目盛、99…前面、100,100B,100C,100D…インクガイド壁、101…第1部分、102…第2部分、103…視認部側端部、104…凹部、105…後端部、106…立壁部、107…第2立壁部
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