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特開2020-45235エレベータ制御システムおよび制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-45235(P2020-45235A)
(43)【公開日】2020年3月26日
(54)【発明の名称】エレベータ制御システムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 9/10 20060101AFI20200303BHJP
   B66B 1/18 20060101ALI20200303BHJP
【FI】
   B66B9/10
   B66B1/18 N
   B66B1/18 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2018-176449(P2018-176449)
(22)【出願日】2018年9月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】特許業務法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西尾 直也
(72)【発明者】
【氏名】鴨志田 亮太
(72)【発明者】
【氏名】羽鳥 貴大
【テーマコード(参考)】
3F301
3F502
【Fターム(参考)】
3F301DC01
3F502HA02
3F502HB05
3F502JA27
3F502JA72
3F502JA91
3F502KA41
(57)【要約】
【課題】輸送効率を向上できるようにしたエレベータ制御システムを提供すること。
【解決手段】
エレベータ制御システム100は、複数のかご113を連結してループ112を形成し、昇降路内を循環移動させるマルチカーエレベータの制御システムであって、乗場呼びの発生した所定の乗場に停止させる所定のかご113を、ループ112を形成する各かごに関する状況に基づいてループ単位で判定する。これにより、乗場呼びの発生した所定の階に停止させる所定のかごをループ単位で判定することができるため、全体最適な輸送を実現できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のかごを連結してループを形成し、昇降路内を循環移動させるマルチカーエレベータの制御システムであって、
乗場呼びの発生した所定の乗場に停止させる所定のかごを、前記ループを形成する各かごに関する状況に基づいてループ単位で判定する、
エレベータ制御システム。
【請求項2】
前記各かごに関する状況には、前記所定のかごの状態と、前記所定のかごと前記ループを形成する他のかごの状態と、前記所定の乗場の状態と、前記所定の乗場に前記所定のかごが停止した場合に前記他のかごが停止する他の乗場の状態のうち少なくともいずれか一つが含まれる、
請求項1に記載のエレベータ制御システム。
【請求項3】
前記各かごに関する状況には、さらに、前記所定のかごの進行方向に位置する乗場であって前記所定の乗場以外の乗場の状態と、前記他のかごの進行方向に位置する乗場であって前記他の乗場以外の乗場の状態とのうち少なくともいずれか一つが含まれる、
請求項2に記載のエレベータ制御システム。
【請求項4】
前記かごの状態には、前記かごの移動方向と、前記かごの荷重と、前記かごに割当済みの乗場呼びと、前記かごに割当済みのかご呼びと、前記昇降路内における前記かごの位置とのうち少なくともいずれか一つが含まれる、
請求項3に記載のエレベータ制御システム。
【請求項5】
前記乗場の状態には、乗場呼びの発生の有無と、乗場呼びが発生してからの経過時間と、乗場呼びが解除されてからの経過時間と、乗場で待機しているユーザの数とのうち少なくともいずれか一つが含まれる、
請求項3に記載のエレベータ制御システム。
【請求項6】
前記乗場で待機しているユーザの数の情報は、人数または合計待ち時間のいずれかまたは両方から得る、
請求項5に記載のエレベータ制御システム。
【請求項7】
互いに階高の異なる建物においては、かごの床位置を調整する機構によって、同一ループを形成する複数のかごが、互いに異なる乗場に着床できるようにした、
請求項1に記載のエレベータ制御システム。
【請求項8】
複数のかごを連結してループを形成し、昇降路内を循環移動させるマルチカーエレベータをエレベータ制御システムで制御する方法であって、
前記エレベータ制御システムは、乗場呼びの発生した所定の乗場に停止させる所定のかごを、前記ループを形成する各かごに関する状況に基づいて判定する、
エレベータ制御方法。
【請求項9】
前記各かごに関する状況には、前記所定のかごの状態と、前記所定のかごと前記ループを形成する他のかごの状態と、前記所定の乗場の状態と、前記所定の乗場に前記所定のかごが停止した場合に前記他のかごが停止する他の乗場の状態のうち少なくともいずれか一つが含まれる、
請求項8に記載のエレベータ制御方法。
【請求項10】
前記各かごに関する状況には、さらに、前記所定のかごの進行方向に位置する乗場であって前記所定の乗場以外の乗場の状態と、前記他のかごの進行方向に位置する乗場であって前記他の乗場以外の乗場の状態とのうち少なくともいずれか一つが含まれる、
請求項9に記載のエレベータ制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータ制御システムおよび制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
輸送力および使い勝手の向上のため、ダブルデッキ型エレベータやマルチカーエレベータのように、複数のかごを昇降路内で移動させるエレベータシステムが提案されている(特許文献1,2)。マルチカーエレベータの制御方法として、例えば、循環型のマルチカーエレベータを対象として、シャフト内のかご毎に評価値を算出し、乗場呼び発生階への停止の要否を判定する技術が知られている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−080183号公報
【特許文献2】特開2018−111570号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】藤野篤哉, 飛田敏光, 中川久美子, “循環型エレベータによるビル内大量輸送システムの基礎検討”, 電気学会論文誌 D, 1997, 117巻7号, pp.815-822
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1に記載の従来技術が対象とするエレベータは、環状ロープに1台のかごを取り付けたものを複数組用意して、昇降路内を互いに独立に循環走行させる方式の循環型マルチカーエレベータである。また、非特許文献1記載のエレベータにおける、乗場呼びへのかごの割当方式は、昇降路内の各かごに対して、乗場呼び発生階への停止要否を判定するものである。
【0006】
一方、2台のかごが互いをつりあい錘とするように、対の構成とされた別方式の循環型マルチカーエレベータも知られている。このマルチカーエレベータは、一対を成す各かごをロープで連結してループを形成し、このループを昇降路内で循環移動させる対向かご釣り合い式マルチカーエレベータとして知られている。
【0007】
非特許文献1に記載の乗場呼び割当方法は、昇降路内の各かごが互いに独立して走行する場合に有効であるが、対向かご釣り合い式マルチカーエレベータでは有効に機能しないおそれがある。
【0008】
対向かご釣り合い式マルチカーエレベータでは、2台のかごがロープで連結され、各かごが同期して動作するため、各かごに個別最適に停止判定をしても、ループ単位では最適にならない可能性が生じる。すなわち、かご毎に停止の要否を判定した結果として、各かごを乗場に停止させずにいずれも通過させると判断した場合でも、ループ単位で考えた場合には、かごを乗場に停止させた方が、輸送効率が高くなる可能性がある。
【0009】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたもので、その目的は、輸送効率を向上できるようにしたエレベータ制御システムおよび制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決すべく、本発明に従うエレベータ制御システムは、複数のかごを連結してループを形成し、昇降路内を循環移動させるマルチカーエレベータの制御システムであって、乗場呼びの発生した所定の乗場に停止させる所定のかごを、ループを形成する各かごに関する状況に基づいてループ単位で判定する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ループを形成する各かごに関する状況に基づいて、乗場呼びの発生した所定の階に停止させる所定のかごをループ単位で判定することができるため、全体最適な輸送を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】マルチカーエレベータ制御システムの全体構成図である。
図2】マルチカーエレベータの概略構成図である。
図3】ループ情報、乗場ペア情報、かご状態、乗場状態を管理する手段の記憶内容を示す説明図である。
図4】一つのループを例にして、かごが循環する様子を示す説明図である。
図5】ループ単位で乗場呼びに割り当てるかごを判定するループ割当判定処理のフローチャートである。
図6】評価値の算出例を示す説明図である。
図7】第2実施例に係り、ループ割当判定処理のフローチャートである。
図8】評価値の算出例を示す説明図である。
図9】第3実施例に係り、ループ割当判定処理のフローチャートである。
図10】複数の(3つの)ループがそれぞれかごを循環移動させる様子を示す説明図である。
図11】評価値の算出例を示す説明図である。
図12】第4実施例に係り、ループ割当判定処理のフローチャートである。
図13】評価値の算出例を示す説明図である。
図14図13に続く説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。本実施形態は、乗場へ停止させるかごをループ単位で最適化する。本実施形態に係るエレベータ制御システムは、複数のかごをロープに連結してループを形成するマルチカーエレベータにおいて、乗場呼びが発生している乗場に対してかごを停止させるか否かを、判定対象のかごの状況およびそのかごと同一のループを形成する他のかごの状況に基づいて判定する。
【0014】
これにより本実施形態によれば、複数のかごをロープに連結してループを形成するマルチカーエレベータにおいて、乗場呼び発生階へかごを停止させるか否かの判断(以下、停止要否とも呼ぶ)を、複数のかごがロープで連結されたループ単位で最適にすることができ、輸送効率を向上させることができる。
【0015】
本実施形態のマルチカーエレベータは、例えば、対向循環型マルチカーエレベータとして構成されてもよい。対向循環型マルチカーエレベータは、かごを2台ずつ対にして互いを釣り合い錘とするように、ロープに連結してループを形成する。対向循環型マルチカーエレベータは、ループを昇降路内で1方向に循環移動させる。同一の昇降路内に複数のループが設けられてもよい。
【0016】
例えば、2台のかごを連結するループが3本設けられる場合、昇降路内を合計6台のかごが移動する。一つのループを形成する一つのかごが停止すると、そのループを形成する他のかごも自動的に停止する。さらに、自かごの前に他のループのかごが存在する場合、他ループのかごを越えて前に進むことはできない。かごの移動は、ペアを成す他のかごの停止と他ループに属するかごの停止とにより、制約を受ける。ただし、本発明は、対向循環型マルチカーエレベータの構成に限定されない。本発明は、後述のように、他の種類のマルチカーエレベータにも適用可能である。
【0017】
後述のように、本実施形態のマルチカーエレベータ制御システムは、ループ112として連結された複数の(例えば2台の)かご113の全ての組み合わせを管理するループ情報管理手段101と、ループ112として連結された複数のかご113がそれぞれ停止する各乗場の全ての組み合わせを管理する乗場ペア情報管理手段102と、昇降路201〜204内の各かご113の状態を管理するかご状態管理手段104と、乗場状態を管理する乗場状態管理手段105と、少なくとも1つ以上の乗場ペアの乗場に乗場呼びが発生している際に、乗場呼びが発生している乗場ペアの乗場に停止可能なループのかごを、乗場呼びが発生している乗場ペアの乗場に停止させるか否かを判定するループ割当判定手段103と、を備える。
【0018】
ループ割当判定手段103は、乗場呼びが発生している乗場ペアの中から乗場ペアを1つ選択し、選択した乗場ペアに停止可能なかご113を持つループ112を抽出し、抽出したループの中からループを1つ選択する。そして、ループ割当判定手段は、選択したループを含む少なくとも1つ以上のループのかご状態と、選択した乗場ペアを含む少なくとも1つ以上の乗場ペアの乗場状態とを基に、選択したループのかごを選択した乗場ペアの乗場に停止させるか否かを判定し、抽出したループの全てに対して選択した乗場ペアの乗場に停止させるか否かを判定し、乗場呼びが発生している乗場ペア全てに対して判定を実施してもよい。
【0019】
ループ割当判定手段103は、選択したループのかご状態と選択した乗場ペアの乗場状態とを基に割当評価値を算出し、割当評価値が予め定めた閾値以上となった場合に、選択したループのかごを、選択した乗場ペアの乗場に停止させてもよい。
【0020】
ループ割当判定手段103は、選択したループのかご状態と、選択した乗場ペアの乗場状態と、選択した乗場ペアの上昇方向の乗場よりも上方に位置する任意の数の乗場の状態と、選択した乗場ペアの下降方向の乗場よりも下方に位置する任意の数の乗場の状態とを基に、割当評価値を算出し、割当評価値が予め定めた閾値以上となった場合に、選択したループのかごを、選択した乗場ペアの乗場に停止させてもよい。
【0021】
ループ割当判定手段103は、選択したループのかご状態と、選択した乗場ペアの乗場状態と、選択した乗場ペアの上昇方向の乗場よりも上方に位置する任意の数の乗場の状態と、選択した乗場ペアの下降方向の乗場よりも下方に位置する任意の数の乗場の状態と、昇降路の下方の方向反転スペース204よりも上方に位置する任意の数の乗場の状態と、昇降路の上方の方向反転スペース203よりも下方に位置する任意の数の乗場の状態とを基に、割当評価値を算出し、割当評価値が予め定めた閾値以上となった場合に、選択したループのかごを、選択した乗場ペアの乗場に停止させてもよい。
【0022】
ループ割当判定手段103は、選択したループのかご状態と、選択した乗場ペアの乗場状態と、選択したループの上昇移動中のかごの上方の直近に位置するかごの状態と、選択したループの上昇移動中のかごの下方の直近に位置するかごの状態と、選択したループの下降移動中のかごの下方の直近に位置するかごの状態と、選択したループの下降移動中のかごの上方の直近に位置するかごの状態とを基に、割当評価値を算出し、割当評価値が予め定めた閾値以上となった場合に、選択したループのかごを、選択した乗場ペアの乗場に停止させてもよい。
【0023】
ループ割当判定手段103は、選択したループの上昇移動中のかごの上方にかごが存在しない場合は、下降移動中のかごの中で最も高い位置に存在するかごの状態を、選択したループの上昇移動中のかごの上方の直近に位置するかごの状態の代わりに、割当評価値の算出に用いてもよい。
【0024】
ループ割当判定手段103は、選択したループの上昇移動中のかごの下方にかごが存在しない場合は、下降移動中のかごの中で最も低い位置に存在するかごの状態を、選択したループの上昇移動中のかごの下方の直近に位置するかごの状態の代わりに、割当評価値の算出に用いてもよい。
【0025】
ループ割当判定手段103は、選択したループの下降移動中のかごの下方にかごが存在しない場合は、上昇移動中のかごの中で最も低い位置に存在するかごの状態を、選択したループの下方移動中のかごの下方の直近に位置するかごの状態の代わりに、割当評価値の算出に用いてもよい。
【0026】
ループ割当判定手段103は、選択したループの下降移動中のかごの上方にかごが存在しない場合は、上昇移動中のかごの中で最も高い位置に存在するかごの状態を、選択したループの下方移動中のかごの上方の直近に位置するかごの状態の代わりに、割当評価値の算出に用いてもよい。
【0027】
ループ割当判定手段103は、選択したループのかご状態と、選択した乗場ペアの乗場状態と、選択したループの上昇移動中のかごの上方の直近に位置するかごの状態と、選択したループの上昇移動中のかごの下方の直近に位置するかごの状態と、選択したループの下降移動中のかごの下方の直近に位置するかごの状態と、選択したループの下降移動中のかごの上方の直近に位置するかごの状態と、選択した乗場ペアの上昇方向の乗場よりも上方に位置する任意の数の乗場の状態と、選択した乗場ペアの下降方向の乗場よりも下方に位置する任意の数の乗場の状態とを基に、割当評価値を算出し、割当評価値が予め定めた閾値以上となった場合に、選択したループのかごを、選択した乗場ペアの乗場に停止させてもよい。
【0028】
ループ割当判定手段103は、選択したループのかご状態と、選択した乗場ペアの乗場状態と、選択したループのかご状態と、選択した乗場ペアの乗場状態と、選択したループの上昇移動中のかごの上方の直近に位置するかごの状態と、選択したループの上昇移動中のかごの下方の直近に位置するかごの状態と、選択したループの下降移動中のかごの下方の直近に位置するかごの状態と、選択したループの下降移動中のかごの上方の直近に位置するかごの状態と、選択した乗場ペアの上昇方向の乗場よりも上方に位置する任意の数の乗場の状態と、選択した乗場ペアの下降方向の乗場よりも下方に位置する任意の数の乗場の状態と、昇降路内の下方の方向反転スペース204よりも上方に位置する任意の数の乗場の状態と、昇降路内の上方の方向反転スペース203よりも下方に位置する任意の数の乗場の状態とを基に、割当評価値を算出し、割当評価値が予め定めた閾値以上となった場合に、選択したループのかごを、選択した乗場ペアの乗場に停止させてもよい。
【0029】
ループ割当判定手段103は、選択したループの上昇移動中のかごの上方にかごが存在しない場合は、下降移動中のかごの中で最も高い位置に存在するかごの状態を、選択したループの上昇移動中のかごの上方の直近に位置するかごの状態の代わりに、割当評価値の算出に用いてもよい。
【0030】
ループ割当判定手段103は、選択したループの上昇移動中のかごの下方にかごが存在しない場合は、下降移動中のかごの中で最も低い位置に存在するかごの状態を、選択したループの上昇移動中のかごの下方の直近に位置するかごの状態の代わりに、割当評価値の算出に用いてもよい。
【0031】
ループ割当判定手段103は、選択したループの下降移動中のかごの下方にかごが存在しない場合は、上昇移動中のかごの中で最も低い位置に存在するかごの状態を、選択したループの下方移動中のかごの下方の直近に位置するかごの状態の代わりに、割当評価値の算出に用いてもよい。
【0032】
ループ割当判定手段103は、選択したループの下降移動中のかごの上方にかごが存在しない場合は、上昇移動中のかごの中で最も高い位置に存在するかごの状態を、選択したループの下方移動中のかごの上方の直近に位置するかごの状態の代わりに、割当評価値の算出に用いてもよい。
【0033】
かご状態とは、かご113の現在の状態と、予測によって得られたかご113の未来の状態とのいずれかまたは両方であってもよい。
【0034】
乗場状態とは、乗場の現在の状態と、予測によって得られた乗場の未来の状態とのいずれかまたは両方であってもよい。
【実施例1】
【0035】
図1図6を用いて、本実施例のマルチカーエレベータ制御システムを説明する。図1は、マルチカーエレベータシステム1の全体構成図を示す。
【0036】
マルチカーエレベータシステム1は、例えば、エレベータ制御システム100と、各階の乗場呼びボタン110a〜110nと、ループ制御部111a〜111nと、かごループ112a〜112nとを含んで構成される。かごループ112a〜112nは、複数のかご113をロープ114a〜111nで連結することにより構成されている。
【0037】
図1の例では、かご113aとかご113bとがロープ114aにより所定距離だけ離間して連結されることで、ループ112aが形成されている。同様に、ループ112nは、かご113mとかご113nとをロープ114nにより所定距離だけ離間して連結させることにより形成される。
【0038】
各ループ112a〜112nは、それぞれ対応するループ制御部111a〜111nによって昇降路内を循環移動する。昇降路の構成例は、図2で後述する。ループ制御部111a〜111nは、電動モータ等を含んで構成されている。各階の乗場に設置された乗場呼びボタン110a〜110nがユーザにより操作されると、その階での乗場呼びが発生する。エレベータ制御システム100は、乗場呼びの生じた階に対して、後述のように、かごを配車する。以下の説明では、特に区別しない場合、数字に添えるアルファベットを省略する。すなわち、乗場呼びボタン110a〜110nを乗場呼びボタン110と、かごループ112a〜112nをかごループ112と、かご113a〜113nをかご113と、ループ制御部111a〜111nをループ制御部111と、それぞれ略記する場合がある。
【0039】
以下に説明するように、かごループ112の数は1つでも複数でもよい。ループ制御部111の駆動方式も問わない。
【0040】
エレベータ制御システム100の機能構成を説明する。エレベータ制御システム100は、例えば、マイクロプロセッサと、メモリと、入出力回路と、通信インターフェース回路(いずれも図示せず)とを含む。メモリに格納された所定のコンピュータプログラムがマイクロプロセッサで実行されることにより、エレベータ制御システムとしての機能101〜105がそれぞれ実現される。
【0041】
エレベータ制御システム100は、例えば、ループ情報管理部101と、乗場ペア情報管理部102と、ループ割当判定部103と、かご状態管理部104と、乗場状態管理部105とを備える。
【0042】
ループ情報管理部101は、ループ情報106を有する。乗場ペア情報管理部102は、乗場ペア情報107を有する。かご状態管理部104は、かご状態108を有する。乗場状態管理部105は、乗場状態109を有する。かご状態108は、かごの状態を示す情報であるため、かご状態情報108と呼ぶこともできる。同様に、乗場状態109は、乗場の状態を示す情報であるため、乗場状態情報109と呼ぶこともできる。
【0043】
エレベータ制御システム100は、かご113からかご状態108を、乗場呼びボタン110から乗場状態109を、それぞれ取得する。エレベータ制御システム100は、それら取得した情報108,109をループ割当判定部103に入力させて、乗場へのかごループ112の停止要否を判定する。エレベータ制御システム100は、停止要否の判定結果に基づき、ループ制御部111に対して制御指令を出力する。制御指令としては、加減速指令と、走行停止指令とがある。
【0044】
ループ制御部111は、かごループ112の一つ一つに対応して設けられており、エレベータ制御システム100からの制御指令を受信すると、かごループ112の駆動装置および戸開閉用モータ(いずれも図示せず)等を制御する。
【0045】
図2を用いて、対向かご釣り合い式マルチカーエレベータ(循環型マルチカーエレベータとも呼ぶ)の概略を説明する。図2の左側には、対向かご釣り合い式マルチカーエレベータの概略が示されており、図2の中央部および右側には、ループ112a,112bの概略が示されている。
【0046】
図2に示す対向かご釣り合い式マルチカーエレベータでは、昇降路201〜204内に複数のループ112a,112bが設けられている。昇降路(シャフトとも呼ぶ)は、上昇方向の走行専用の上昇方向シャフト201と、下降方向の走行専用の下降方向シャフト202と、走行方向を転換し、走行シャフトを上昇方向シャフト201から下降方向シャフト202に変更する上方の方向反転スペース203と、走行シャフトを下降方向シャフト202から上昇方向シャフト201に変更する下方の方向反転スペース204とを含んで構成される。これにより、各ループ112aのかご113a,113bと、ループ112bのかご113c,113dとは、昇降路201〜204内を循環して移動する。上述のように、各ループにおいて、対向するかご同士は、互いにとっての釣り合い錘の役割を果たしている。
【0047】
図2に示す循環型の対向かご釣り合い式マルチカーエレベータでは、任意の位置で同一方向に走行するかご113は1台に限定され、走行方向の反転は、上下の方向反転スペース203,204のみで行われる。
【0048】
上述の通り、循環型マルチカーエレベータは、2台のかご113を互いに釣り合い錘とするようにロープで連結し、かごループ112を形成したものを、シャフト内に1つ乃至複数配置したものである。
【0049】
図2では、循環型の対向かご釣り合い式マルチカーエレベータを示すが、図2に示す構成のエレベータ以外の他のエレベータにも本発明は適用可能である。例えば、図2の上昇方向シャフト201および下降方向シャフト202に関して、移動方向を限定せずかごの昇降を可能とし、さらに、上方の方向反転スペース203および下方の方向反転スペース204を使用せず、シャフト内の任意の位置で移動方向を転換可能にする構成でもよい。本発明は、エレベータ構成が循環型であるかどうかに関わらず実施可能であるが、ここでは、循環型の対向かご釣り合い式マルチカーエレべータを一例として説明する。
【0050】
図2では、サービス階床が1階から8階までの8階床、かご台数4台、ループ数2、かご113aとかご113bがかごループ112aを形成し、かご113cとかご113dがかごループ112bを形成する例を示している。しかし、図2に示す構成例は単なる例示であって、本発明は図2に示すかご台数、階床数、ループ数に限定されない。
【0051】
図3を用いて、ループ情報管理部101および乗場ペア情報管理部102の例を説明する。前述のとおり、本発明はかごループ数によらず適用可能であるため、かごループ数が1つの場合を例に説明する。
【0052】
ループ情報管理部101は、かご113のどの組み合わせが、かごループ112を形成しているかを記録するループ情報106を管理している。図3の例では、あるループ情報106は、かご113aとかご113bとがかごループ112aを形成していることを記録している。ループ情報106は、ループ112ごとに生成されて管理されてもよいし、一つのループ情報106で複数のループ112の構成を管理してもよい。以下に述べる他の情報についても同様である。情報、テーブル、データベースの構成は問わない。
【0053】
かご状態管理部104は、各かご113の状態を表す情報であるかご状態108を管理する。かご状態108は、例えば、かご113の過去の状態を示す情報、かご113の現在の状態を示す情報、かご113の予測によって得られた未来の状態を示す情報のいずれか一つ、または、それらの任意の組み合わせであってもよい。
【0054】
図3の例では、かご状態108は、かご113aの移動方向、かご113aの荷重、かご113aに登録されている乗場呼び、かご113aに登録されているかご呼び、かご113aの位置などの情報を管理している。かご113の位置は、階床で表現してもよいし、あるいは、シャフト底面からの高さとして表現してもよい。
【0055】
乗場ペア情報管理部102は、乗場ペア情報107を管理する。乗場ペア情報107は、かごループ112を形成する2台のかご113がそれぞれ停止する階の組み合わせについての情報である。
【0056】
図4のエレベータの構成例において、乗場A1〜H1と乗場A2〜H2とは、乗場ペアの組み合わせを表している。同じアルファベットを付記されている階同士が乗場ペアを構成する。すなわち、乗場A1と乗場A2、乗場B1と乗場B2、乗場C1と乗場C2、乗場D1とD2、乗場E1と乗場E2、乗場F1と乗場F2、乗場G1と乗場G2、乗場H1と乗場H2が、それぞれ乗場ペアとなっている。
【0057】
階高(階床ピッチ)が異なる建築物において、同じループ112に属する2台のかご113が同時に着床するために、かご113は、床の高さ位置を補正するための装置を備えてもよい。乗場ペア情報管理部102は、上述したような乗場同士の組み合わせ情報である乗場ペア情報107を管理している。
【0058】
乗場状態管理部105は、それぞれの乗場の状態を表す情報である乗場状態109を管理している。乗場状態109は、例えば、乗場の過去の状態、乗場の現在の状態、予測によって得られた乗場の未来の状態のいずれか一つ、または、それらの任意の組み合わせでもよい。図3の例では、乗場状態109として、乗場呼びの有無、乗場呼び発生からの経過時間、乗場呼び解除からの経過時間、乗場呼びが割当済みか否か、などの情報が管理されている。
【0059】
図5を用いて、ループ割当判定部103による、乗場ペアへのかごの停止要否を判断する処理フローを説明する。フローチャートでは、適宜文章を省略して記載している。
【0060】
まず、ループ割当判定部103は、乗場呼びボタン110からの入力を受け取り、乗場状態管理部105を用いて、割当済みとなっていない乗場呼びが発生している階と呼びの方向とを特定する(S101)。割当済みとなっていない乗場呼びがない場合、すなわち、未割当ての乗場呼びがない場合(S101:NO)、本処理を終了する。
【0061】
ループ割当判定部103は、割当済みとなっていない乗場呼びが発生している階(以降、乗場B1とする)を1つ選択する(S102)。乗場呼びの発生している乗場B1は「所定の乗場」の例である。
【0062】
ループ割当判定部103は、乗場B1に停止可能なかご113(かごCAとする)が存在するかどうかを判断する(S103)。かごCAがない場合(S103:NO)、ステップS101へ戻る。かごCAは「所定のかご」の例である。
【0063】
ループ割当判定部103は、乗場ペア情報管理部102を用いて、乗場B1のペアになっている階(以降、乗場B2とする)を特定し、乗場状態管理部105を用いることにより、乗場B2において割当済みでない乗場呼びが発生しているかどうかを確認する(S104)。乗場B2は、「他の乗場」の例である。
【0064】
乗場B2に割当済みでない乗場呼びが発生していない場合(S104:NO)、後述するステップS410へ進む。乗場B2に割当済みでない乗場呼びが発生している場合(S104:YES)、ステップS105へ進む。
【0065】
ループ割当判定部103は、かごCAの中からかご113を1つ選択し(かごCA1とする)、ループ情報管理部101からかごCA1のペアとなるかごを特定し(かごCA2とする)、かご状態管理部104を用いて、かごCA1およびかごCA2のかご状態を取得する。さらに、ループ割当判定部103は、乗場状態管理部105を用いて、乗場B1と乗場B2の乗場状態を取得する。ループ割当判定部103は、取得したかご状態および乗場状態を基に、割当評価値を算出する(S105)。以下では、割当評価値を評価値とも呼ぶ。
【0066】
ここで、評価値の算出方法の一例を示す。かご113aおよびかご113bのかご状態、乗場B1および乗場B2の乗場状態は、図6のテーブルに示す通りであるとする。このとき、ループ割当判定部103は、例えば以下の式(1)によって、評価値VEを算出することができる。
【0067】
VE=α×(a1×650/1000+a2×1+a3×1+a4×2)+β×(b1×0/1000+b3×0)+B×(FB1_1×10+FB1_2×0+FB1_3×2+FB1_4×15)+B×FB2_1×0+FB2_2×130+FB2_3×0+FB2_4×0)・・・(式1)
【0068】
a1, a2, a3, a4, b1, b3, FB1_1, FB1_2, FB1_3, FB1_4, FB2_1, FB2_2, FB2_3, FB2_4, α, β, Bは、かご情報や乗場情報にかかる実数値の係数である。
【0069】
図6の上側に示すかご情報において、かご113aには、割り当て済みの乗場呼びが発生した乗場C1と乗場B1との距離が「1階床」と記載されているが、かご113bには割り当て済みの乗場呼びが発生した乗場C2と乗場B2との距離は記載されていない。これは、割り当て済みの乗場呼びが発生した乗場C2と乗場B1との距離と、割り当て済みの乗場呼びが発生した乗場C2と乗場B2との距離が等しいためである。同様に、かご113aから乗場B1までの距離と、かご113bから乗場B2までの距離とは等しいため、図6の上側に示すテーブルには記載していない。
【0070】
式(1)において、例えば、a1, a2, a3, a4, b1, b3, FB1_1, FB1_2, FB1_3, FB1_4, FB2_1, FB2_2, FB2_3, FB2_4を「0.1」、α, β, Bを「1」とすると、評価値VEは「16.165」となる。
【0071】
割り当て閾値を「20」と設定し、評価値が割り当て閾値以上の場合に割り当てを実施するとすれば、この場合、ループ割当判定部103は、かご113aとかご113bのループ112aについて、乗場B1および乗場B2をいずれも通過させると判定する。なお、評価値の算出方法や係数については、上述の例に限定されない。以下に述べる他の計算例も同様である。
【0072】
ステップS104にて、乗場B2に割当済みでない乗場呼びが発生していない場合(S104:NO)、ループ割当判定部103は、かご状態管理部104を用いて、かごCAのかご状態を取得する。また、ループ割当判定部103は、乗場状態管理部105を用いて、乗場B1の乗場状態を取得する。ループ割当判定部103は、取得したかご状態および乗場状態を基に、評価値を算出する(S110)。
【0073】
ここで、評価値の算出方法の一例を示す。かご113aおよびかご113bのかご状態、乗場B1および乗場B2の乗場状態を、図6に示すとおりとする。このとき、ループ割当判定部103は、例えば以下のような式(2)によって、評価値VEを算出する。
【0074】
VE=α×(a1×650/1000+a2×1+a3×1+a4×2)+B×(FB1_1×10+FB1_2×0+FB1_3×2+FB1_4×15)・・・(式2)
【0075】
式(2)において、例えば、a1, a2, a3, a4, FB1_1, FB1_2, FB1_3, FB1_4を「0.1」、α, Bを「1」とすると、評価値VEは「3.165」となる。割り当て閾値を「20」と設定し、評価値が割り当て閾値以上の場合に割り当てを実施するとすれば、この場合、この場合、ループ割当判定部103は、かご113aとかご113bのループ112aについて、乗場B1および乗場B2をいずれも通過させると判定する。
【0076】
ループ割当判定部103は、かごCAの中からかご113を1つ選択し(かごCA1とする)、ループ情報管理部101からかごCA1のペアかごを特定し(かごCA2とする)、かご状態管理部104を用いて、かごCA1とかごCA2のかご状態を取得する。さらにループ割当判定部103は、乗場状態管理部105を用いて、乗場B1および乗場B2の乗場状態を取得する。ループ割当判定部103は、取得したかご状態および乗場状態を基に評価値VEを算出する(ステップS105)。
【0077】
ループ割当判定部103は、全てのかごCAについて評価値の算出が終了したかどうかを判定する(ステップS106)。判定が終了している場合はステップS107へ進み、終了していない場合はステップS105へ戻る。
【0078】
ループ割当判定部103は、算出した評価値の中で最高の評価値VEが、予め定めた閾値Th以上であるかを判定する(ステップS107)。最高の評価値VEが閾値Th以上の場合はステップS108に進み、閾値未満の場合はステップS101に戻る。
【0079】
ループ割当判定部103は、最高の評価値を獲得したかごCA1とかごCA2を、乗場B1と乗場B2に停止させることを決定する(ステップS108)。
【0080】
ループ割当判定部103は、乗場B1および乗場B2の乗場呼びをそれぞれ割当て済みにし(ステップS109)、ステップS101に戻る。
【0081】
一方、ステップS104において、乗場B2に割当済みでない乗場呼びが発生していない場合(S104:NO)、ループ割当判定部103は、かご状態管理部104を用いて、かごCAのかご状態を取得する。さらにループ割当判定部103は、乗場状態管理部105を用いて、乗場B1の乗場状態を取得する。ループ割当判定部103は、取得したかご状態および乗場状態を基に評価値を算出する(ステップS110)。
【0082】
ループ割当判定部103は、全てのかごCAについて評価値の算出が終了したかどうかを判定する(ステップS111)。判定が終了している場合はステップS112に進み、終了していない場合はステップS110に戻る。
【0083】
ループ割当判定部103は、算出した評価値の中で最高の評価値VEが、予め定めた閾値Th以上であるかを判定する(ステップS112)。閾値以上の場合はステップS113に進み、閾値未満の場合はステップS101に戻る。
【0084】
ループ割当判定部103は、評価値が最高となったかごCAを、乗場B1に停止させることを決定する(ステップS113)。そして、ループ割当判定部103は、乗場B1の乗場呼びを割当て済みとし(ステップS114)、ステップS101へ戻る。
【0085】
このように構成される本実施例によれば、複数のかご113を離間させて連結することで一つのループ112を形成するマルチカーエレベータにおいて、一つ一つのかごについて乗場呼びを割り当てることの要否を判断するのではなく、ループ単位で、そのループ全体として乗場呼びへの割当の要否を判断することができる。したがって、本実施例によれば、ループ全体として最適となるようにかごを停止させることができるため、ループ全体としての輸送効率を高めることができ、ユーザの使い勝手も向上する。
【実施例2】
【0086】
図7図8を用いて第2実施例を説明する。本実施例を含めて以下に述べる各実施例では、第1実施例の変形例に該当するため、第1実施例との相違を中心に説明する。図7は、本実施例によるループ割当判定処理を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートは、図5に示すフローチャートと比べて、ステップS105,S110がステップS201,S202に置き換わっている点で異なる。
【0087】
ループ割当判定部103は、乗場ペア情報管理部102を用いて、乗場B1のペアになっている階(以降、乗場B2とする)を特定し、乗場状態管理部105を用いることにより、乗場B2に割当済みでない乗場呼びが発生しているかを確認する(S104)。
【0088】
乗場B2に割当済みでない乗場呼びが発生していない場合(S104:NO)、後述のステップS202へ進む。乗場B2に割当済みでない乗場呼びが発生している場合(S104:YES)、ステップS201へ進む。
【0089】
ループ割当判定部103は、かごCAの中からかご113を1つ選択し(かごCA1とする)、ループ情報管理部101からかごCA1のペアかごを特定し(かごCA2とする)、かご状態管理部104を用いることにより、かごCA1およびかごCA2の、かご状態を取得する。さらに、ループ割当判定部103は、乗場状態管理部105を用いて、各乗場B1,B2の乗場状態を取得する。さらに、ループ割当判定部103は、乗場B1と乗場B2のうち、上昇方向シャフト201にある乗場よりも上方にある任意の数の乗場と、下降方向シャフト202にある乗場よりも下方にある任意の数の乗場とを選択する。ループ割当判定部103は、乗場状態管理部105を用いることにより、選択した各乗場の状態を取得する。そして、ループ割当判定部103は、取得したかご状態および乗場状態を基に、評価値を算出する(S201)。
【0090】
図4のエレベータ構成を例に挙げて、ステップS201の処理を説明する。かご113aをかごCA1、かご113bをかごCA2、乗場B1をB1(上昇方向シャフト201の7F)、乗場B2を(下降方向シャフト202の2F)とする。このとき、ループ割当判定部103は、かご状態管理部104を用いることにより、かごCA1およびかごCA2のかご状態を取得する。さらにループ割当判定部103は、乗場状態管理部105を用いることにより、乗場B1および乗場B2の乗場状態を取得する。
【0091】
さらにループ割当判定部103は、乗場状態管理部105を用いて、乗場B1および乗場B2よりも先にある任意の数の乗場の状態を取得する。
【0092】
図4の例では、乗場B1および乗場B2の1つ先にある乗場は、乗場A1および乗場A2であるため、ループ割当判定部103は、乗場状態管理部105を用いて、乗場A1および乗場A2の乗場状態を取得する。かごの進行方向上で乗場A1および乗場A2よりもさらに先にある乗場は、下方の方向反転スペースよりも上方に位置する乗場H1、乗場G1、・・・、乗場C1および上方の方向反転スペースよりも下方に位置する乗場H2、乗場G2、・・・、乗場C2となる。したがって、ループ割当判定部103は、乗場状態管理部105を用いて、下方の方向反転スペース204よりも上方に位置する任意の数の乗場の状態と、上方の方向反転スペース203よりも下方に位置する任意の数の乗場の状態とをそれぞれ取得してもよい。例えば、乗場B1、乗場B2、乗場A1および乗場A2の乗場状態に加えて、さらに乗場A1および乗場A2よりも2つ先の乗場状態を用いる場合は、乗場H1、乗場H2、乗場G1、乗場G2の乗場状態を取得する。ループ割当判定部103は、取得したかご状態および乗場状態を基に評価値を算出する。
【0093】
ここで、評価値の算出方法の一例を示す。乗場B1および乗場B2よりも先にある任意の数の乗場の対象となる乗場を、乗場H1,H2,A1,A2とする。かご113aおよびかご113bのかご状態と、乗場B1,B2,H1の乗場状態とは、図8に示すテーブルのとおりであるとする。このとき、ループ割当判定部103は、例えば以下の算出式(3)によって、評価値VEを算出する。
【0094】
VE=α×(a1×650/1000+a2×1+a3×1+a4×2)+β×(b1×0/1000+b3×0)+B×(FB1_1×40+FB1_2×0+FB1_3×3+FB1_4×120)+B×(FB2_1×0+FB2_2×30+FB2_3×0+FB2_4×0)+A×FA1_1×0+FA1_2×60+FA1_3×0+FA1_4×0)+A×(FA2_1×70+FA2_2×0+FA2_3×10+FA2_4×550)+H×(FH1_1×10+FH1_2×0+FH1_3×1+FH1_4×10)+H×(FH2_1×30+FH2_2×0+FH2_3×2+FH2_4×50)・・・(式3)
【0095】
ここで、a1, a2, a3, a4, b1, b3, α, β, B, A, H, FB1_1, FB1_2, FB1_3, FB1_4, FB2_1, FB2_2, FB2_3, FB2_4, FA1_1, FA1_2, FA1_3, FA1_4, FA2_1, FA2_2, FA2_3, FA2_4, FH1_1, FH1_2, FH1_3, FH1_4, FH2_1, FH2_2, FH2_3, FH2_4は、かご情報や乗場情報にかかる実数値の係数である。図8に示すかご情報において、かご113aには、割り当て済みの乗場呼びが発生した乗場と乗場B1との距離が記載されているが、かご113bには割り当て済みの乗場呼びが発生した乗場と乗場B2との距離は記載されていない。これは、割り当て済みの乗場呼びが発生した乗場と乗場B1との距離と、割り当て済みの乗場呼びが発生した乗場と乗場B2との距離が等しいためである。同様に、かご113aから乗場B1までの距離と、かご113bから乗場B2までの距離とは等しいため、図8のテーブルには記載されていない。
【0096】
式(3)において、例えば、a1, a2, a3, a4, b1, b3, FB1_1, FB1_2, FB1_3, FB1_4, FB2_1, FB2_2, FB2_3, FB2_4, FA1_1, FA1_2, FA1_3, FA1_4, FA2_1, FA2_2, FA2_3, FA2_4, FH1_1, FH1_2, FH1_3, FH1_4, FH2_1, FH2_2, FH2_3, FH2_4を「0.1」、α, β, B, A, Hを「1」とすると、評価値は「99.065」となる。割り当て閾値Thを「50」と設定し、評価値VEが割り当て閾値Th以上の場合に割り当てを実施する。この場合、ループ割当判定部103は、かご113aとかご113bのループ112aについて、乗場B1および乗場B2にそれぞれかごを停止させると判断する。
【0097】
ステップS104にて、乗場B2に割当済みでない乗場呼びが発生していない場合(S104:NO)、ループ割当判定部103は、かご状態管理部104を用いてかごCAのかご状態を取得し、乗場状態管理部105を用いて乗場B1の乗場状態を取得する。さらに、ループ割当判定部103は、乗場B1が上昇方向シャフト201にある場合は、乗場B1よりも上方にある任意の数の乗場を選択し、乗場B1が下降方向シャフト202にある場合は、乗場B1よりも下方にある任意の数の乗場を選択する。ループ割当判定部103は、乗場状態管理部105を用いて、選択した乗場の状態を取得する。そして、ループ割当判定部103は、取得したかご状態および乗場状態を基に、評価値を算出する(S202)。
【0098】
このステップS202の処理について、図4を用いて一例を説明する。かご113aをかごCA、乗場B1をB1(上昇方向シャフト201の7F)とする。このとき、ループ割当判定部103は、かご状態管理部104を用いてかごCAのかご状態を取得し、乗場状態管理部105を用いて乗場B1の乗場状態を取得する。
【0099】
さらにループ割当判定部103は、乗場状態管理部105を用いて、乗場B1よりも先にある任意の数の乗場の状態を取得する。例えば、乗場Bの1つ先にある乗場は、乗場A1であるため、ループ割当判定部103は、乗場状態管理部105を用いて、乗場A1の乗場状態を取得する。このとき、かごの進行方向上で乗場A1よりもさらに先にある乗場は、上方の方向反転スペースよりも下方に位置する乗場H2、乗場G2、・・・、乗場C2となるため、ループ割当判定部103は、乗場状態管理部105を用いて、上方の方向反転スペース203よりも下方に位置する任意の数の乗場の状態を取得してもよい。例えば、乗場B1および乗場A1の乗場状態に加えて、さらに乗場A1よりも2つ先の乗場状態を用いる場合は、乗場H2,G2の乗場状態を取得する。ループ割当判定部103は、取得したかご状態および乗場状態を基に割当評価値を算出する。
【0100】
ここで、評価値の算出方法の一例を示す。乗場B1および乗場B2よりも先にある任意の数の乗場の対象となる乗場を、乗場H1,H2,A1,A2とする。かご113aおよびかご113bのかご状態、乗場B1,B2,H1の乗場状態を図8のとおりとする。このとき、ループ割当判定部103は、例えば以下の算出式(4)によって、評価値を算出することができる。
【0101】
VE=α×(a1×650/1000+a2×1+a3×1+a4×2)+B×(FB1_1×40+FB1_2×0+FB1_3×3+FB1_4×120)+A×(FA1_1×0+FA1_2×60+FA1_3×0+FA1_4×0)+H×(FH1_1×10+FH1_2×0+FH1_3×1+FH1_4×10)・・・(式4)
【0102】
ここで、a1, a2, a3, a4, α, B, A, H, FB1_1, FB1_2, FB1_3, FA1_1, FA1_2, FA1_3, FA1_4, FH1_1, FH1_2, FH1_3, FH1_4は、かご情報や乗場情報にかかる実数値の係数である。この式において、例えば、a1, a2, a3, a4, FB1_1, FB1_2, FB1_3, FB1_4, FA1_1, FA1_2, FA1_3, FA1_4, FH1_1, FH1_2, FH1_3, FH1_4を「0.1」、α, B, A, Hを1とすると、評価値は「24.865」となる。割り当て閾値を「50」と設定し、評価値が割り当て閾値以上の場合に割り当てを実施する。この場合、ループ割当判定部103は、かご113aとかご113bのループ112aについて、乗場B1および乗場B2をそれぞれ通過させると判断する。
【0103】
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、乗場呼びの発生した所定の乗場B1およびその乗場B1とペアを成す他の乗場B2について、さらに上方に位置する乗り場とさらに下方に位置する乗り場の状態を取得して評価値を算出する。したがって、より最適に乗場呼びを処理することができる。
【実施例3】
【0104】
図9図11を用いて、第3実施例を説明する。本実施例では、シャフト内にかごループ112が複数設けられている場合を説明する。図9は、本実施例によるループ割当判定処理のフローチャートである。図10は、エレベータ構成の例を示す。図10は、評価値の算出に使用するテーブルの例を示す。
【0105】
ループ割当判定部103は、乗場ペア情報管理部102を用いて、乗場B1のペアになっている階(以降、乗場B2とする)を特定し、乗場状態管理部105を用いて、割当済みでない乗場呼びが乗場B2で発生しているかを確認する(S104)。乗場B2に割当済みでない乗場呼びが発生していない場合(S104:NO)、後述のステップS302に進む。乗場B2に割当済みでない乗場呼びが発生している場合(S104:YES)、ステップS301に進む。
【0106】
ループ割当判定部103は、かごCAの中からかご113を1つ選択し(かごCA1とする)、ループ情報管理部101からかごCA1のペアかごを特定し(かごCA2とする)、かご状態管理部104を用いて、かごCA1とかごCA2のかご状態を取得する。さらに、ループ割当判定部103は、乗場状態管理部105を用いて、乗場B1の状態と乗場B2の状態とを取得する。さらに、ループ割当判定部103は、かごCA1とかごCA2について、上方の直近のかごの状態、もしくは下方の直近のかごの状態のいずれか一つ、もしくは、上方の直近のかごの状態と下方の直近のかごの状態との両方を、かご状態管理部104を用いて取得する。そして、ループ割当判定部103は、取得したかご状態および乗場状態を基に、評価値を算出する(S301)。
【0107】
ここで、評価値の算出方法の一例を示す。かご113a,113b,113c,113d,113e,113fの状態を、図11に示すテーブルのとおりとする。図11では、かごの進行方向上の直近のかごを「先行かご」と、進行方向と逆方向の直近のかごを「後続かご」と、記載している。また、距離については、乗場がかごの進行方向と逆にある場合を負の値としている。このとき、ループ割当判定部103は、例えば以下の算出式(5)によって、評価値VEを算出する。
【0108】
VE=α×(a1×650/1000+a2×1+a3×1+a4×2+a5×2+a6×0+a7×4+a8×0)+β×(b1×0/1000+b3×0+b6×0+b8×(-1))+γ×c1×0/1000+δ×d1×0/1000+ε×e1×520/1000+ρ×f1×130/1000・・・(式5)
【0109】
ここで、a1, a2, a3, a4, a5, a6, a7, a8, b1, b3, b6, b8, c1, d1, e1, f1, α, β, γ, δ, ε, ρは、かご情報にかかる実数値の係数である。図11に示すかご情報において、かご113aには、割り当て済みの乗場呼びが発生した乗場と乗場B1との距離とが記載されているが、かご113bには、割り当て済みの乗場呼びが発生した乗場と乗場B2との距離は記載されていない。これは、割り当て済みの乗場呼びが発生した乗場と乗場B1との距離と、割り当て済みの乗場呼びが発生した乗場と乗場B2との距離が等しいためである。同様に、かご113aから乗場B1までの距離と、かご113bから乗場B2までの距離は等しいため、図11のテーブルには記載されていない。さらに、図11の例において、かご113aとかご113bのループ112aについて、割り当て判定中のため、かご113c,113d,113e,113fについて、それぞれのかごと乗場との距離、先行かごとの距離、後続かごとの距離は記載されていない。
【0110】
式(5)において、例えば、a1, a2, a3, a4, a5, a6, a7, a8, b1, b3, b6, b8, c1, d1, e1, f1を「0.1」、α, β, γ, δ, ε, ρを「1」とすると、評価値は「1.03」となる。割り当て閾値を「5」と設定し、評価値が割り当て閾値以上の場合に割り当てを実施するとすれば、この場合、ループ割当判定部103は、かご113aとかご113bのループ112aについて、乗場B1および乗場B2にかごを停止させると判断する。
【0111】
図10を用いて、ステップS301の処理の一例を説明する。かご113aをかごCA1、かご113bをかごCA2、乗場B1をB1(上昇方向シャフト201の7F)、乗場B2を(下降方向シャフト202の2F)とする。
【0112】
このとき、ループ割当判定部103は、かご状態管理部104を用いてかごCA1およびかごCA2のかご状態を取得し、乗場状態管理部105を用いて乗場B1および乗場B2の乗場状態を取得する。
【0113】
さらに、ループ管理手段103は、かご状態管理部104から、かごCA1およびかごCA2の進行方向上の前後のかごの状態を取得する。図10の例では、かごCA1の進行方向上の前かごはかご113cであり、かごCA1の進行方向上の後ろかごはかご113fであり、かごCA2の進行方向上の前かごはかご113dであり、かごCA2の進行方向上の後ろかごはかご113eである。ループ割当判定部103は、取得したかご状態および乗場状態を基に、評価値を算出する。
【0114】
上昇移動中のかごについて、上方にかごが存在しない場合は、下降移動中のかごの中で最も高い位置に存在するかごの状態を、上方の直近のかごのかご状態の代わりに用いてもよい。例えば、図11の例では、かご113cには上方にかごが存在しないため、かご113eを進行方向上の前かごとしてもよい。
【0115】
上昇移動中のかごについて、下方にかごが存在しない場合は、上昇移動中のかごの中で最も低い位置に存在するかごのかご状態を、下方の直近のかごのかご状態の代わりに用いてもよい。図11の例では、かご113fには下方にかごが存在しないため、かご113dを進行方向上の後ろかごとしてもよい。
【0116】
下降移動中のかごについて、下方にかごが存在しない場合は、上昇移動中のかごの中で最も低い位置に存在するかごのかご状態を、下方の直近のかごのかご状態の代わりに用いてもよい。図11の例では、かご113dには下方にかごが存在しないため、かご113fを進行方向上の前かごとしてよい。
【0117】
下降移動中のかごについて、上方にかごが存在しない場合は、下降移動中のかごの中で最も高い位置に存在するかごのかご状態を、上方の直近のかごのかご状態の代わりに用いてもよい。図11の例では、かご113eには上方にかごが存在しないため、かご113cを進行方向上の後ろかごとしてよい。
【0118】
図9に戻り、ステップS104にて、乗場B2に割当済みでない乗場呼びが発生していない場合(S104:NO)、ループ割当判定部103は、かご状態管理部104を用いてかごCAのかご状態を取得し、乗場状態管理部105を用いて乗場B1の乗場状態を取得する。さらに、ループ割当判定部103は、かごCAの上方の直近のかご、もしくは下方の直近のかごのいずれか一つ、もしくは上方の直近のかごおよび下方の直近のかごの両方について、かご状態管理部104を用いて、かご状態を取得する。ループ割当判定部103は、取得したかご状態および乗場状態を基に評価値を算出する(S302)。
【0119】
評価値の算出方法の一例を示す。かご113a,113b,113c,113d,113e,かご113fのかご状態を図11のテーブルに示すとおりとする。このとき、ループ割当判定部103は、例えば以下の算出式(式6)によって、評価値を算出する。
【0120】
VE=α×(a1×650/1000+a2×1+a3×1+a4×2+a5×2+a6×0+a7×4+a8×0)+γ×c1×0/1000+ρ×f1×130/1000・・・(式6)
【0121】
ここで、a1, a2, a3, a4, a5, a6, a7, a8, c1, f1は、かご情報にかかる実数値の係数である。この式において、例えば、a1, a2, a3, a4, a5, a6, a7, a8, b1, b3, b6, c1, d1, e1, f1の全てを「0.1」とすると、評価値は「1.078」となる。割り当て閾値を「5」と設定し、評価値が割り当て閾値以上の場合に割り当てを実施するとすれば、この場合、ループ割当判定部103は、かご113aとかご113bのループ112aについて、乗場B1および乗場B2にかごをそれぞれ停止させると判断する。
【0122】
図10のエレベータ構成の例を用いて、ステップS302の処理を説明する。かご113aをかごCA、乗場B1をB1(上昇方向シャフト201の7F)とする。このとき、ループ割当判定部103は、かご状態管理部104を用いてかごCAのかご状態を取得し、乗場状態管理部105を用いて乗場B1の乗場状態を取得する。さらに、ループ割当判定部103は、かご状態管理部104から、かごCAの進行方向上の前後のかごのかご状態を取得する。図10の場合、かごCAの進行方向上の前かごはかご113cであり、かごCAの進行方向上の後ろかごはかご113fである。ループ割当判定部103は、取得したかご状態および乗場状態を基に、評価値を算出する。
【0123】
上昇移動中のかごについて、上方にかごが存在しない場合は、下降移動中のかごの中で最も高い位置に存在するかごのかご状態を、上方の直近のかごのかご状態の代わりに用いてもよい。図11の例では、かご113cには上方にかごが存在しないため、かご113eを進行方向上の前かごとしてもよい。
【0124】
上昇移動中のかごについて、下方にかごが存在しない場合は、上昇移動中のかごの中で最も低い位置に存在するかごのかご状態を、下方の直近のかごのかご状態の代わりに用いてもよい。図11の例では、かご113fには下方にかごが存在しないため、かご113dを進行方向上の後ろかごとしてもよい。
【0125】
下降移動中のかごについて、下方にかごが存在しない場合は、上昇移動中のかごの中で最も低い位置に存在するかごのかご状態を、下方の直近のかごのかご状態の代わりに用いてもよい。図11の例では、かご113dには下方にかごが存在しないため、かご113fを進行方向上の前かごとしてよい。
【0126】
下降移動中のかごについて、上方にかごが存在しない場合は、下降移動中のかごの中で最も高い位置に存在するかごのかご状態を、上方の直近のかごのかご状態の代わりに用いてもよい。図11の例では、かご113eには上方にかごが存在しないため、かご113cを進行方向上の後ろかごとしてよい。
【0127】
このように構成される本実施例も第1,第2実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例は、シャフト内に複数のループが設けられている場合に対応することができ、複数ループを有するマルチカーエレベータ制御システムの場合に、輸送効率と使い勝手を向上させることができる。
【実施例4】
【0128】
図12図14を用いて、第4実施例を説明する。本実施例では、かごループ112が複数の場合を説明する。図12は、本実施例にかかるループ割当判定処理のフローチャートである。図13は、評価値の算出に使用する、かご状態の一例を示すテーブルである。図14は、評価値の算出に使用する、乗場状態の一例を示すテーブルである。
【0129】
ループ割当判定部103は、乗場ペア情報管理部102を用いて、乗場B1のペアになっている階(乗場B2)を特定し、乗場状態管理部105を用いて、割当済みでない乗場呼びが乗場B2で発生しているかを確認する(S104)。乗場B2に割当済みでない乗場呼びが発生していない場合(S104:NO)、後述のステップS402に進む。乗場B2に割当済みでない乗場呼びが発生している場合(S104:YES)、ステップS401へ進む。
【0130】
ループ割当判定部103は、かごCAの中からかご113を1つ選択し(かごCA1)、ループ情報管理部101からかごCA1のペアかごを特定し(かごCA2)、かご状態管理部104を用いて、かごCA1とかごCA2のかご状態を取得し、乗場状態管理部105を用いて乗場B1,B2の乗場状態を取得する。さらに、ループ割当判定部103は、乗場B1と乗場B2のうち、上昇方向シャフト201にある乗場よりも上方にある任意の数の乗場と、下降方向シャフト202にある乗場よりも下方にある任意の数の乗場を選択し、乗場状態管理部105を用いて、選択した各乗場の状態を取得する。さらに、ループ割当判定部103は、かごCA1とかごCA2について、上方の直近のかごもしくは下方の直近のかごのいずれか一つ、もしくは上方の直近のかごおよび下方の直近のかごの両方について、かご状態管理部104を用いて、かご状態を取得する。ループ割当判定部103は、取得したかご状態および乗場状態を基に、評価値を算出する(S401)。
【0131】
ここで、評価値の算出方法の一例を示す。かご113a,113b,113c,113d,113e,113fのかご状態を図13に示すテーブルのとおりとする。ループ割当判定部103は、例えば以下の算出式(7)によって、評価値を算出する。
【0132】
VE=α×(a1×650/1000+a2×1+a3×1+a4×2+a5×2+a6×0+a7×4+a8×0)+β×(b1×0/1000+b3×0+b6×0+b8×(-1))+γ×c1×0/1000+δ×d1×0/1000+ε×e1×520/1000+ρ×f1×130/1000+B×(FB1_1×40+FB1_2×0+FB1_3×3+FB1_4×120)+B×(FB2_1×0+FB2_2×30+FB2_3×0+FB2_4×0)+A×(FA1_1×0+FA1_2×60+FA1_3×0+FA1_4×0)+A×(FA2_1×70+FA2_2×0+FA2_3×10+FA2_4×550)+H×(FH1_1×10+FH1_2×0+FH1_3×1+FH1_4×10)+H×FH2_1×30+FH2_2×0+FH2_3×2+FH2_4×50)・・・(式7)
【0133】
ここで、a1, a2, a3, a4, a5, a6, a7, a8, b1, b3, b6, b8, c1, d1, e1, f1, α, β, γ, δ, ε, ρ, B, A, H, FB1_1, FB1_2, FB1_3, FB1_4, FB2_1, FB2_2, FB2_3, FB2_4, FA1_1, FA1_2, FA1_3, FA1_4, FA2_1 , FA2_2, FA2_3, FA2_4, FH1_1, FH1_2, FH1_3, FH1_4, FH2_1, FH2_2, FH2_3, FH2_4は、かご情報や乗場情報にかかる実数値の係数である。かご情報において、かご113aには、割り当て済みの乗場呼びが発生した乗場と乗場B1との距離が記載されているが、かご113bには割り当て済みの乗場呼びが発生した乗場と乗場B2との距離は記載されていない。これは、割り当て済みの乗場呼びが発生した乗場と乗場B1との距離と、割り当て済みの乗場呼びが発生した乗場と乗場B2との距離が等しいためである。同様に、かご113aから乗場B1までの距離と、かご113bから乗場B2までの距離は等しいため、テーブルには記載していない。さらに、この例において、かご113aとかご113bのループ112aについて、割り当て判定中のため、かご113c,113d,113e,113fについて、それぞれのかごと乗場との距離や、先行かごまたは後続かごとの距離を記載していない。
【0134】
式(7)において、例えば、a1, a2, a3, a4, a5, a6, a7, a8, b1, b3, b6, b8, c1, d1, e1, f1, FB1_1, FB1_2, FB1_3, FB1_4, FB2_1, FB2_2, FB2_3, FB2_4, FA1_1, FA1_2, FA1_3, FA1_4, FA2_1, FA2_2, FA2_3, FA2_4, FH1_1, FH1_2, FH1_3, FH1_4, FH2_1, FH2_2, FH2_3, FH2_4を0.1、α, β, γ, δ, ε, ρ, B, A, Hを「1」とすると、評価値は「100.143」となる。割り当て閾値を「100」と設定し、評価値が割り当て閾値以上の場合に割り当てを実施する場合、ループ割当判定部103は、かご113aとかご113bのループ112aについて、乗場B1および乗場B2にそれぞれかごを停止させると判断する。
【0135】
図10のエレベータ構成例を参照して、ステップS401の処理を説明する。かご113aをかごCA1、かご113bをかごCA2、乗場B1をB1(上昇方向シャフト201の7F)、乗場B2を(下降方向シャフト202の2F)とする。
【0136】
ループ割当判定部103は、かご状態管理部104を用いて、かごCA1およびかごCA2のかご状態を取得し、乗場状態管理部105を用いて、乗場B1および乗場B2の乗場状態を取得する。
【0137】
さらに、ループ割当判定部103は、乗場状態管理部105を用いて、乗場B1および乗場B2よりも先にある任意の数の乗場の状態を取得する。例えば、乗場B1,B2の1つ先にある乗場は、乗場A1,A2であるため、ループ割当判定部103は、乗場状態管理部105を用いて、乗場A1および乗場A2の乗場状態を取得する。
【0138】
かごの進行方向上で乗場A1および乗場A2よりもさらに先にある乗場は、下方の方向反転スペースよりも上方に位置する乗場H1、乗場G1、・・・、乗場C1および上方の方向反転スペースよりも下方に位置する乗場H2、乗場G2、・・・、乗場C2となるため、ループ割当判定部103は、乗場状態管理部105を用いて、下方の方向反転スペース204よりも上方に位置する任意の数の乗場の状態と上方の方向反転スペース203よりも下方に位置する任意の数の乗場の状態とを取得してもよい。
【0139】
例えば、乗場B1,B2,A1,A2の乗場状態に加えて、さらに乗場A1および乗場A2よりも2つ先の乗場状態を用いる場合は、乗場H1,H2,G1,G2の乗場状態を取得する。さらに、ループ割当判定部103は、かご状態管理部104から、かごCA1およびかごCA2の進行方向上の前後のかごのかご状態を取得する。図10の例の場合、かごCA1の進行方向上の前かごはかご113cであり、かごCA1の進行方向上の後ろかごはかご113fであり、かごCA2の進行方向上の前かごはかご113dであり、かごCA2の進行方向上の後ろかごはかご113eである。ループ割当判定部103は、取得したかご状態および乗場状態を基に、評価値を算出する。
【0140】
上昇移動中のかごについて、上方にかごが存在しない場合は、下降移動中のかごの中で最も高い位置に存在するかごのかご状態を、上方の直近のかごのかご状態の代わりに用いてもよい。図10の例では、かご113cには上方にかごが存在しないため、かご113eを進行方向上の前かごとしてもよい。
【0141】
上昇移動中のかごについて、下方にかごが存在しない場合は、上昇移動中のかごの中で最も低い位置に存在するかごのかご状態を、下方の直近のかごのかご状態の代わりに用いてもよい。図10の例では、かご113fには下方にかごが存在しないため、かご113dを進行方向上の後ろかごとしてもよい。
【0142】
下降移動中のかごについて、下方にかごが存在しない場合は、上昇移動中のかごの中で最も低い位置に存在するかごのかご状態を、下方の直近のかごのかご状態の代わりに用いてもよい。図10の例では、かご113dには下方にかごが存在しないため、かご113fを進行方向上の前かごとしてよい。
【0143】
下降移動中のかごについて、上方にかごが存在しない場合は、下降移動中のかごの中で最も高い位置に存在するかごのかご状態を、上方の直近のかごのかご状態の代わりに用いてもよい。図10の例では、かご113eには上方にかごが存在しないため、かご113cを進行方向上の後ろかごとしてよい。
【0144】
ステップS104にて、乗場B2に割当済みでない乗場呼びが発生していない場合(S104:NO)、ループ割当判定部103は、かご状態管理部104を用いてかごCAのかご状態を取得し、乗場状態管理部105を用いて乗場B1の乗場状態を取得する。さらに、ループ割当判定部103は、乗場B1が上昇方向シャフト201にある場合は、乗場B1よりも上方にある任意の数の乗場を、乗場B1が下降方向シャフト202にある場合は、乗場B1よりも下方にある任意の数の乗場を選択し、乗場状態管理部105を用いて選択した各乗場の状態を取得する。さらに、ループ割当判定部103は、かごCAの上方の直近のかごもしくは下方の直近のかごのいずれか一つ、もしくは上方の直近のかごおよび下方の直近のかごの両方について、かご状態管理部104を用いて、かご状態を取得する。そして、ループ割当判定部103は、取得したかご状態および乗場状態を基に、評価値を算出する(S402)。
【0145】
図10を参照して、ステップS402の処理を説明する。かご113aをかごCA、乗場B1をB1(上昇方向シャフト201の7F)とする。ループ割当判定部103は、かご状態管理部104を用いてかごCAのかご状態を取得し、乗場状態管理部105を用いて乗場B1の乗場状態を取得する。
【0146】
さらに、ループ割当判定部103は、乗場状態管理部105を用いて、乗場B1よりも先にある任意の数の乗場の状態を取得する。例えば、乗場Bの1つ先にある乗場は、乗場A1であるため、ループ割当判定部103は、乗場状態管理部105を用いて、乗場A1の乗場状態を取得する。
【0147】
このとき、かごの進行方向上で乗場A1よりもさらに先にある乗場は、上方の方向反転スペースよりも下方に位置する乗場H2、乗場G2、・・・、乗場C2となるため、ループ割当判定部103は、乗場状態管理部105を用いて、上方の方向反転スペース203よりも下方に位置する任意の数の乗場の状態を取得してもよい。例えば、乗場B1および乗場A1の乗場状態に加えて、さらに乗場A1よりも2つ先の乗場状態を用いる場合は、乗場H2、乗場G2の乗場状態を取得する。
【0148】
さらに、ループ管理手段103は、かご状態管理部104から、かごCAの進行方向上の前後のかごのかご状態を取得する。図10の例では、かごCAの進行方向上の前かごはかご113cであり、かごCAの進行方向上の後ろかごはかご113fである。ループ割当判定部103は、取得したかご状態および乗場状態を基に、評価値を算出する。
【0149】
上昇移動中のかごについて、上方にかごが存在しない場合は、下降移動中のかごの中で最も高い位置に存在するかごのかご状態を、上方の直近のかごのかご状態の代わりに用いてもよい。例えば、図10の例では、かご113cには上方にかごが存在しないため、かご113eを進行方向上の前かごとしてもよい。
【0150】
上昇移動中のかごについて、下方にかごが存在しない場合は、上昇移動中のかごの中で最も低い位置に存在するかごのかご状態を、下方の直近のかごのかご状態の代わりに用いてもよい。図10の例では、かご113fには下方にかごが存在しないため、かご113dを進行方向上の後ろかごとしてもよい。
【0151】
下降移動中のかごについて、下方にかごが存在しない場合は、上昇移動中のかごの中で最も低い位置に存在するかごのかご状態を、下方の直近のかごのかご状態の代わりに用いてもよい。図10の例では、かご113dには下方にかごが存在しないため、かご113fを進行方向上の前かごとしてよい。
【0152】
下降移動中のかごについて、上方にかごが存在しない場合は、下降移動中のかごの中で最も高い位置に存在するかごのかご状態を、上方の直近のかごのかご状態の代わりに用いてもよい。図10の例では、かご113eには上方にかごが存在しないため、かご113cを進行方向上の後ろかごとしてよい。
【0153】
このように構成される本実施例も第1〜第3実施例と同様の作用効果を奏する。
【0154】
なお、本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0155】
また、上記の各構成は、それらの一部又は全部が、ハードウェアで構成されても、プロセッサでプログラムが実行されることにより実現されるように構成されてもよい。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0156】
1:エレベータシステム、100:エレベータ制御システム、101:ループ情報管理部、102:乗馬ペア情報管理部、103:ループ割当判定部、104:かご状態管理部、105:乗場状態管理部、110:乗場呼びボタン、111:ループ制御部、112:ループ、113:かご
図1
図2
図3
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図8
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図10
図11
図12
図13
図14