特開2020-45816(P2020-45816A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-45816(P2020-45816A)
(43)【公開日】2020年3月26日
(54)【発明の名称】燃料供給装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 37/10 20060101AFI20200303BHJP
   F02M 37/00 20060101ALI20200303BHJP
   F02M 37/44 20190101ALI20200303BHJP
   F02M 37/50 20190101ALI20200303BHJP
【FI】
   F02M37/10 C
   F02M37/00 301L
   F02M37/10 J
   F02M37/22 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-174971(P2018-174971)
(22)【出願日】2018年9月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000144027
【氏名又は名称】株式会社ミツバ
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩
(57)【要約】
【課題】新たな部材を加える必要がなく、車両の傾き等により燃料液面が傾いた場合に燃料を吸い込むことができる燃料供給装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る燃料供給装置1は、燃料ポンプ3と、ロアカップ27と、燃料貯留部5と、サクションフィルタ6とを備える。燃料ポンプは、燃料タンク2の上壁2aに取り付けられ、燃料タンクの内部2bから燃料を汲み上げるポンプである。ロアカップは、燃料ポンプの下側に設けられて、燃料ポンプを支持可能に有底筒状に形成されている。燃料貯留部は、ロアカップと燃料ポンプとの間に形成されている。サクションフィルタは、燃料貯留部の下側に配置されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンクの上部に取り付けられ、前記燃料タンクの内部から燃料を汲み上げる燃料ポンプと、
前記燃料ポンプを支持する有底筒状のロアカップと、
前記ロアカップと前記燃料ポンプとの間に形成される燃料貯留部と、
前記燃料貯留部の下方に配置されるフィルタと、
を備えることを特徴とする燃料供給装置。
【請求項2】
前記ロアカップの軸中心に対して前記燃料ポンプの軸中心がオフセットされた状態に配置されることにより、
前記燃料貯留部は、
前記ロアカップの軸中心に対して前記燃料ポンプの軸中心の対称側に備えられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
【請求項3】
前記ロアカップの底壁に形成されて、前記燃料貯留部に連通する貯留開口部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料供給装置。
【請求項4】
前記貯留開口部は、前記燃料ポンプの吸入管に隣接して形成されていることを特徴とする請求項3に記載の燃料供給装置。
【請求項5】
前記燃料貯留部は、
前記貯留開口部に向かうに従い、前記ロアカップと前記燃料ポンプとの間隔が狭くなるように形成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の燃料供給装置。
【請求項6】
前記燃料ポンプに備えられる脱気孔と、
前記ロアカップに形成され、前記脱気孔に連通する脱気通路と、を備え、
前記脱気通路を形成する形成壁は、
前記ロアカップの内面側に突出するように形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料供給装置。
【請求項7】
前記燃料貯留部の軸方向上方にプレッシャレギュレータ31が配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料供給装置。
【請求項8】
前記ロアカップは、該ロアカップの内面側に形成されて、前記燃料ポンプを保持する保持リブを備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動二輪車や四輪車等の車両用の燃料供給装置として、燃料タンク内に燃料ポンプを配設し、燃料タンク内の燃料に燃料供給装置を浸漬する、所謂インタンク式が採用される。このインタンク式の燃料供給装置としては、燃料タンクの上壁に取り付けられる構造のものと、燃料タンクの下壁に取り付けられる構造のものとがある。
【0003】
燃料供給装置のなかには、燃料タンクの底部にサブタンクが設けられ、サブタンクの内部に燃料供給装置が設けられた構成が知られている。サブタンクの底部は最上部がフィルタの底面より高い位置に形成され、高い位置に燃料取入れ口及び逆流防止弁が設けられている。よって、サブタンクの内部には燃料取入れ口よりも低い箇所に燃料が残留する。低い箇所にはフィルタが配置されている。
これにより、逆流防止弁から燃料が漏れた場合でも、フィルタは残留した燃料に浸漬した状態に保つことができ、燃料を吸い込むことができる(例えば、特許文献1参照)。
さらに、特許文献1の燃料供給装置によると、燃料ポンプの吸入口にフィルタが接続されている。これにより、例えば、車両が傾いたり、急加減速したりすることにより燃料液面が傾いた場合に、フィルタが低い箇所の燃料に浸漬させた状態に保たれ、燃料を吸い込むことができる。
【0004】
また、燃料供給装置のなかには、燃料タンクの底部に燃料供給装置が設けられ、燃料ポンプを燃料タンクに取り付けた状態において、シール部材と燃料ポンプとの間に燃料貯留部材が固定される構成が知られている。この燃料供給装置によれば、燃料タンク内で燃料が偏った場合でも、燃料貯留部材により燃料ポンプ吸込み部の近傍に燃料を留めておくことができる。これにより、燃料の残量が少なくなった場合でも、燃料ポンプで燃料を吸い込むことができる(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
さらに、燃料供給装置のなかには、燃料タンクの上壁に燃料供給装置のアッパカップが設けられるように構成されたものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2556097号公報
【特許文献2】特許第5123928号公報
【特許文献3】特許第5745878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の燃料供給装置によれば、車両の傾き等により燃料液面が傾いた場合に燃料を吸い込むために、燃料タンクにサブタンクを設けてサブタンクの低い箇所にフィルタを設ける必要があり、そのことが部品点数を抑える妨げになっている。
また、特許文献2の燃料供給装置によれば、燃料ポンプ吸込み部の近傍に燃料を留めておくために、シール部材と燃料ポンプとの間に燃料貯留部材を固定する必要があり、そのことが部品点数を抑える妨げになっている。
さらに、特許文献3には、燃料タンクの頂部に設けられた燃料供給装置について記載されているが、車両の傾き等により燃料液面が傾いた場合に燃料を吸い込む構成については記載されていない。
【0008】
そこで、この発明は、新たな部材を加える必要がなく、車両の傾き等により燃料液面が傾いた場合に燃料を吸い込むことができる燃料供給装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、燃料タンクの上部に取り付けられ、前記燃料タンクの内部から燃料を汲み上げる燃料ポンプと、前記燃料ポンプを支持する有底筒状のロアカップと、前記ロアカップと前記燃料ポンプとの間に形成される燃料貯留部と、前記燃料貯留部の下方に配置されるフィルタと、を備えることを特徴とする。
【0010】
このように構成することで、ロアカップおよび燃料ポンプを利用して、ロアカップと燃料ポンプとの間に燃料貯留部を形成することができる。これにより、新たな部材を備えることなく燃料貯留部を形成することができる。
また、ロアカップと燃料ポンプとの間に燃料貯留部を形成することにより、燃料貯留部に燃料を蓄えることができる。これにより、車両の傾き等により燃料液面が傾いた場合に、燃料貯留部に蓄えられた燃料を燃料ポンプで吸い込むことができる。
【0011】
請求項2に記載した発明は、前記ロアカップの軸中心に対して前記燃料ポンプの軸中心がオフセットされた状態に配置されることにより、前記燃料貯留部は、前記ロアカップの軸中心に対して前記燃料ポンプの軸中心の対称側に備えられていることを特徴とする。
【0012】
このように構成することで、ロアカップの軸中心に対して燃料ポンプの軸中心をオフセットさせることによる簡単な構成で、ポンプモータの軸中心の対称側に比較的大きな空間を確保できる。これにより、確保した空間を燃料貯留部として利用することにより、新たな部材を備えることなく簡単な構成で、ポンプモータの軸中心の対称側に燃料貯留部を備えることができる。
【0013】
請求項3に記載した発明は、前記ロアカップの底壁に形成されて、前記燃料貯留部に連通する貯留開口部を備えることを特徴とする。
【0014】
このように構成することで、ロアカップの底壁に形成された貯留開口部から、燃料貯留部に蓄えられた燃料を流出させることができる。ロアカップの底壁の下方にはフィルタが配置されている。よって、燃料貯留部に蓄えられた燃料を貯留開口部からフィルタに迅速に導くことができる。これにより、車両の傾き等により燃料液面が傾いてフィルタ内の燃料が減少した場合に、貯留開口部からフィルタに導かれた燃料を燃料ポンプで好適に吸い込むことができる。
【0015】
請求項4に記載した発明は、前記貯留開口部は、前記燃料ポンプの吸入管に隣接して形成されていることを特徴とする。
【0016】
このように構成することで、燃料貯留部に蓄えられた燃料を貯留開口部からフィルタに導く際に、燃料ポンプの吸入孔の近傍に燃料を導くことができる。これにより、燃料貯留部からフィルタに導かれた燃料を燃料ポンプの吸入孔から迅速に吸い込むことができる。
【0017】
請求項5に記載した発明は、前記燃料貯留部は、前記貯留開口部に向かうに従い、前記ロアカップと前記燃料ポンプとの間隔が狭くなるように形成されていることを特徴とする。
【0018】
このように構成することで、燃料貯留部に蓄えられた燃料を貯留開口部に向けて円滑に導くことができる。また、ロアカップと燃料ポンプとの間隔を徐々に狭くすることにより、貯留開口部に好適な量の燃料を導くことができる。これにより、貯留開口部から燃料を効率よく排出することができる。
【0019】
請求項6に記載した発明は、前記燃料ポンプに備えられる脱気孔と、前記ロアカップに形成され、前記脱気孔に連通する脱気通路と、を備え、前記脱気通路を形成する形成壁は、前記ロアカップの内面側に突出するように形成されることを特徴とする。
【0020】
このように構成することで、脱気通路を形成する形成壁を、ロアカップの内面側に突出し形成できる。よって、ロアカップの外面側に形成壁を突出させる必要がない。
ここで、ロアカップの外部にはフィルタが配置されている。よって、ロアカップとフィルタとの間に好適な空間を確保できる。これにより、フィルタの交換を脱気通路の形成壁で遮らないようにでき、フィルタを簡単に交換することができる。
【0021】
請求項7に記載した発明は、前記燃料貯留部の軸方向上方にプレッシャレギュレータ31が配置されていることを特徴とする。
【0022】
このように構成することで、プレッシャレギュレータの下方に燃料貯留部を配置できる。よって、プレッシャレギュレータに導かれた燃料の燃圧が所定値よりも高い場合、プレッシャレギュレータを介して燃料が下方に排出される。これにより、プレッシャレギュレータを介して下方に排出された燃料を燃料貯留部に導いて効率よく蓄えることができる。
【0023】
請求項8に記載した発明は、前記ロアカップは、該ロアカップの内面側に形成されて、前記燃料ポンプを保持する保持リブを備えることを特徴とする。
【0024】
このように構成することで、ロアカップの内面側に保持リブを一体に形成するだけの簡単な構成で、燃料ポンプを保持リブで保持することができる。さらに、この状態において、ロアカップと燃料ポンプとの間に燃料貯留部を形成することができる。これにより、新たな部材を備えることなく、簡単な構成で燃料貯留部を形成することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ロアカップおよび燃料ポンプを利用して、ロアカップと燃料ポンプとの間に燃料貯留部を形成することができる。これにより、新たな部材を加える必要がなく、車両の傾き等により燃料液面が傾いた場合に燃料を吸い込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態における燃料供給装置の側面図である。
図2】実施形態における燃料供給装置の正面図である。
図3】実施形態における燃料供給装置の断面図である。
図4】実施形態におけるロアカップを下側からみた斜視図である。
図5】実施形態におけるロアカップを上側からみた平面図である。
図6】実施形態の燃料供給装置における図3のVI部拡大図である。
図7】実施形態における第1〜第3の脱気通路の断面図である。
図8】実施形態の燃料供給装置におけるサクションフィルタを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(燃料供給装置)
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、燃料供給装置1の側面図、図2は、燃料供給装置1の正面図、図3は、燃料供給装置1の断面図である。
なお、以下の説明においては、燃料タンク2に燃料供給装置1を取り付けた状態で、鉛直方向上側(図1図3における上側)を単に上側、鉛直方向下側(図1図3における下側)を単に下側等と表現して説明する場合がある。
【0028】
図1図3に示すように、燃料供給装置1は、例えば、自動車や自動二輪車等の車両の燃料タンク2内に燃料に浸漬されて配置され、燃料タンク2内の燃料を汲み上げて内燃機関(図示せず)に圧送するものである。
燃料供給装置1は、燃料ポンプ3と、ホルダ部4と、燃料貯留部5と、サクションフィルタ(フィルタ)6とを備えている。
【0029】
(燃料ポンプ)
燃料ポンプ3は、燃料タンク2の上壁(上部)2aに取り付けられ、燃料タンク2の内部2bから燃料を汲み上げて内燃機関へ圧送する上付きポンプである。燃料ポンプ3は、サクションフィルタ6側に配設されたポンプ部Pと、ポンプ部Pの上側に取り付けられたポンプモータMとを有している。
ポンプモータMとしては、例えば、ブラシ付きの直流モータが使用される。ポンプモータMの径方向中央には出力軸10が配置されており、ポンプモータMの上側と、ポンプ部Pの下側とにより回動自在に枢支されている。
【0030】
ポンプモータMの上部には、アウトレットカバー11が設けられている。アウトレットカバー11には、吐出ポート11aが形成されている。吐出ポート11aは、燃料ポンプ3により汲み上げられた燃料が吐出される部位である。吐出ポート11aには、燃料の逆流を防止するためのチェックバルブ12が設けられている。また、アウトレットカバー11の下部外周には、後述のハウジングケース13を加締めるための段差部11bが形成されている。
【0031】
ポンプ部Pは、インペラ16を有する非容積型のポンプが用いられ、インペラ16と、インペラ16の全体を覆うように形成されたポンプケース17とにより構成されている。
インペラ16は、樹脂からなる略円板状に形成された部材であり、ポンプモータMの出力軸10に相対回転不能に連結されている。インペラ16の上面および下面には、外周側に複数の羽根部が形成されている。これら複数の羽根部の間は、インペラ16の肉厚方向に貫通形成されている。
【0032】
また、インペラ16には、肉厚方向に貫通する燃料流路孔(図示せず)が形成されており、ポンプモータMの駆動によりインペラ16が回転すると、燃料が燃料流路孔を通ってインペラ16の下側から上側に向かって圧送される。
インペラ16の全体を覆うポンプケース17の下部17a(すなわち、燃料ポンプ3の底部)には吸入管21が設けられている。吸入管21からポンプ部P内に燃料が汲み上げられる。
【0033】
ここで、ポンプモータMおよびポンプ部Pは、ハウジングケース13により覆われている。ハウジングケース13の上側端部は、加締め部13aとして構成されている。この加締め部13aが、アウトレットカバー11の段差部11bに加締められて、アウトレットカバー11がポンプモータMと一体化される。
【0034】
(ホルダ部)
ポンプモータMおよびポンプ部P(すなわち、燃料ポンプ3)はホルダ部4の内部に支持されている。この状態において、ホルダ部4の軸中心O1に対して燃料ポンプ3の軸中心O2がオフセットされた(ずれた)状態に配置されている。
ホルダ部4は、燃料タンク2の上壁2aに固定され、フランジユニット25と、アッパカップ26と、ロアカップ27とにより構成されている。
【0035】
フランジユニット25は、樹脂製の略円板状のユニット本体28を有している。ユニット本体28は、燃料タンク2の上壁2aに形成された開口部に外側(上側)から挿入され、上壁2aに取り付けられている。したがって、フランジユニット25の上面は、燃料タンク2の外部に露出した状態になる。
【0036】
フランジユニット25には、燃料ポンプ3の吐出ポート11aと連通する燃料取出管29が設けられている。すなわち、燃料は吐出ポート11aから燃料取出管29を介して内燃機関へと圧送される。また、フランジユニット25には、燃料取出管29に連通するプレッシャレギュレータ31が設けられており、プレッシャレギュレータ31により内燃機関へ圧送される燃料に対して所定の燃圧を確保できるようになっている。
【0037】
さらに、フランジユニット25の上面には、コネクタ25aが設けられている。コネクタ25aには、外部電源に接続された外部コネクタが嵌着される。コネクタ25aは、燃料ポンプ3のポンプモータMと電気的に接続されており、これによりポンプモータMが駆動する。また、ユニット本体28の内面側には、中央の大部分に凹部28aが形成されており、ここにアッパカップ26が固定されている。
【0038】
アッパカップ26は、フランジユニット25の燃料タンク2の内側に設けられ、燃料ポンプ3を内包するように形成されている。すなわち、アッパカップ26は、樹脂等によって燃料ポンプ3の外周面を覆うように形成された筒状のカップ本体34を有する。カップ本体34の下端に開口部34aが形成され、開口部34a側から燃料ポンプ3が挿入されている。カップ本体34の周壁34bは、フランジユニット25から燃料ポンプ3の軸方向略中央に至るまで延出されている。
【0039】
カップ本体34には、開口部34aの周縁から軸方向下側に向かって延出する係合片35が4箇所周方向に等間隔で形成されている。係合片35は、先端が拡径する方向に向かって弾性変形可能に形成されている。ロアカップ27に係合片35がスナップフィットすることで、ロアカップ27の軸方向、および周方向の位置決めが行われる。
係合片35は、燃料ポンプ3のポンプモータMまで延出されている。係合片35には、ロアカップ27に形成されている係合凸部36に係合する係合孔35aが形成されている。
【0040】
(ロアカップ)
アッパカップ26にロアカップ27が同軸上に取り付けられている。ロアカップ27は、燃料ポンプ3の吸入側に配設されている。ロアカップ27は、底壁27aと、周壁27bとにより有底筒状に形成されている。有底筒状のロアカップ27により燃料ポンプ3の底部が覆われた状態で、燃料ポンプ3がロアカップ27により支持されている。
ロアカップ27の周壁27bは、内径が燃料ポンプ3を嵌合可能、かつ外径がアッパカップ26(カップ本体34)の周壁34bの内径よりもやや小さくなる程度に設定されている。
【0041】
図4は、ロアカップ27を下側からみた斜視図、図5は、ロアカップ27を上側からみた平面図である。
図3図5に示すように、ロアカップ27は、複数の係合凸部36と、第1〜第6の台座部41〜46と、第1〜第5の保持リブ51〜55と、一対の貯留開口部58と、第1〜第3の脱気通路(脱気通路)61〜63(図7参照)と、支持プレート66とを備える。
【0042】
ロアカップ27の周壁27bには、複数の係合凸部36が形成されている。係合凸部36は、アッパカップ26に形成された係合片35の係合孔35a(図1参照)に対応する位置に、係合孔35aに係合可能に形成されている。
係合凸部36にアッパカップ26の係合片35がスナップフィットすることによって、アッパカップ26、およびロアカップ27が一体化される。これにより、アッパカップ26とロアカップ27とにより燃料ポンプ3が支持されている。
【0043】
また、ロアカップ27の底壁27aには、第1〜第6の台座部41〜46が一体成形されている。第1〜第6の台座部41〜46は、燃料ポンプ3の底部うち外周(以下、底部外周という)3aが載置可能に、燃料ポンプ3の外周壁3bに沿う円周上に間隔をおいて配置されている。
第1〜第6の台座部41〜46が配置される円周は、中心が燃料ポンプ3の軸中心O2と同軸に配置され、ホルダ部4の軸中心O1に対してオフセットされている。
【0044】
第1台座部41は、平面視において、燃料ポンプ3の外周壁3bに沿うように湾曲状に形成され、中央部41aがロアカップ27の周壁27bに接触されている。第1台座部41の中央部41aの両側部から一対の第1保持リブ(保持リブ)51が、ロアカップ27の周壁27bに沿って立ち上げられている。
第1台座部41の時計回り方向に間隔をおいて第2台座部42が形成されている。第2台座部42は、平面視において、燃料ポンプ3の外周壁3bに沿うように湾曲状に形成され、ロアカップ27の周壁27bの内側に間隔をおいて形成されている。第2台座部42の外端部から第2保持リブ(保持リブ)52が、ロアカップ27の周壁27bに沿って立ち上げられている。
【0045】
第2台座部42の時計回り方向に間隔をおいて第3台座部43が形成されている。第3台座部43は、平面視において、燃料ポンプ3の外周壁3bに沿うように湾曲状に形成され、ロアカップ27の周壁27bの内側に間隔をおいて形成されている。
第3台座部43の外端部から第3保持リブ(保持リブ)53が、ロアカップ27の周壁27bに対して間隔をおいて立ち上げられている。第3保持リブ53は、第1補強リブ68でロアカップ27の周壁27bに連結されることにより、第1補強リブ68で補強されている。
【0046】
第3台座部43の時計回り方向に間隔をおいて第4台座部44が形成されている。第4台座部44は、平面視において、燃料ポンプ3の外周壁3bに沿うように湾曲状に形成され、ロアカップ27の周壁27bの内側に間隔をおいて形成されている。
第4台座部44の外端部から第4保持リブ(保持リブ)54が、ロアカップ27の周壁27bに対して間隔をおいて立ち上げられている。第4保持リブ54は、第2補強リブ69でロアカップ27の周壁27bに連結されることにより、第2補強リブ69で補強されている。
【0047】
第4台座部44の時計回り方向に間隔をおいて第5台座部45が形成されている。第5台座部45は、平面視において、燃料ポンプ3の外周壁3bに沿うように湾曲状に形成され、ロアカップ27の周壁27bの内側に間隔をおいて形成されている。
第5台座部45の時計回り方向に間隔をおいて第6台座部46が形成されている。第6台座部46は、ロアカップ27の周壁27bの内側に間隔をおいて形成されている。第6台座部46の外端部から第5保持リブ(保持リブ)55がロアカップ27の周壁27bに沿って立ち上げられている。
【0048】
ここで、第1〜第6の台座部41〜46は、ロアカップ27の内面側に一体に形成されて、燃料ポンプ3の底部外周3aに沿う円周上に間隔をおいて配置されている。また、第1〜第5の保持リブ51〜55は、ロアカップ27の内面側に形成されて、燃料ポンプ3の外周壁3bに沿う円周上に間隔をおいて配置されている。また、第1〜第5の保持リブ51〜55は、ロアカップ27の内面側に一体に形成されている。
第1〜第6の台座部41〜46に燃料ポンプ3の底部外周3aが載置された状態において、燃料ポンプ3の外周壁3bが第1〜第5の保持リブ51〜55に保持される。
【0049】
よって、燃料ポンプ3は、第1〜第6の台座部41〜46および第1〜第5の保持リブ51〜55により、ロアカップ27の軸中心(すなわち、ホルダ部4の軸中心)O1に対して軸中心O2がオフセットされた(ずれた)状態に支持される。このように、軸中心O1に対して軸中心O2をオフセットさせるだけの簡単な構成で、ロアカップ27の軸中心O1に対して燃料ポンプ3の軸中心O2の反対側において、ロアカップ27と燃料ポンプ3との間に比較的大きな空間が確保される。
この空間で燃料貯留部5が形成される。すなわち、燃料貯留部5は、ロアカップ27の軸中心O1に対して燃料ポンプ3の軸中心O2の対称側に備えられている。
【0050】
これにより、ロアカップ27および燃料ポンプ3を利用して、ロアカップ27と燃料ポンプ3との間に燃料貯留部5を形成することができる。したがって、燃料供給装置1に新たな部材を備えることなく、簡単な構成で、燃料ポンプ3の軸中心O2の対称側において、ロアカップ27の周壁27bと燃料ポンプ3との間に燃料貯留部5を備えることができる。
さらに、ロアカップ27の内面側に第1〜第5の保持リブ51〜55を一体に形成するだけの簡単な構成で、第1〜第5の保持リブ51〜55により燃料ポンプ3を保持することができる。これにより、燃料供給装置1に新たな部材を備えることなく、一層簡単な構成で燃料貯留部を形成することができる。
【0051】
この状態において、燃料ポンプ3の底部外周3a(すなわち、燃料ポンプ3の底部)は、ロアカップ27の底壁27aに対して上方に間隔をおいて配置されている。よって、ロアカップ27の周壁27bと、燃料ポンプ3の底部との間に空間が形成され、空間で燃料案内部72が形成されている。燃料案内部72に燃料貯留部5の下端部5aが連通されている。
【0052】
図6は、図3のVI部拡大図である。
図5図6に示すように、ポンプケース17の下部17a(すなわち、燃料ポンプ3の底部)から吸入管21がロアカップ27の底壁27aへ向けて突出されている。吸入管21は、燃料ポンプ3の軸中心O2に対してロアカップ27の軸中心O1の反対側にオフセットされた位置に配置されている。
ロアカップ27の底壁27aには吸入管21に対応する部位に隆起部75が形成されている。隆起部75は、ロアカップ27の底壁27aから燃料ポンプ3の底部に向けて、平面視円形状に隆起されている。隆起部75は、ロアカップ27の周壁27b寄りの部位75aが第1台座部41および段差を介して中央部41aに一体に形成されている。
【0053】
隆起部75の中心に開口部76が形成されている。開口部76は、ロアカップ27の底壁27aの肉厚方向に貫通するように開口されている。開口部76は、吸入管21を挿通可能に、吸入管21に対応する部位に形成されている。開口部76に挿通した吸入管21に接続管78の上端部78aが連通されている。接続管78の下端部78bは、サクションフィルタ6(図3参照)に連通されている。
【0054】
図3に戻って、燃料供給装置1は、燃料タンク2の内部2bに取り付けられることにより、燃料に浸漬されて配置される。この状態において、アッパカップ26とロアカップ27との境界から燃料貯留部5に燃料が蓄えられる。
また、燃料供給装置1のアッパカップ26とロアカップ27との境界が燃料に浸漬されていない場合には、プレッシャレギュレータ31から下側に排出される燃料が燃料貯留部5に蓄えられる。
【0055】
すなわち、燃料貯留部5の軸方向上方(上面側)にプレッシャレギュレータ31が配置されている。プレッシャレギュレータ31は、フランジユニット25に設けられ、燃料取出管29に連通されている。プレッシャレギュレータ31により内燃機関へ圧送される燃料に対して所定の燃圧を確保できる。
すなわち、チェックバルブ12を通過して燃料取出管29へと流れ込む際の燃圧が所定値以内である場合、燃料取出管29を通って内燃機関に燃料が搬送される。
【0056】
一方、燃圧が所定値よりも高い場合、プレッシャレギュレータ31を介してフランジユニット25の内面側から燃料が下側に排出される。ここで、プレッシャレギュレータ31の下側(下方)に燃料貯留部5が配置されている。よって、排出された燃料は、アッパカップ26の内面側を経て燃料貯留部5に導かれ、燃料貯留部5に効率よく蓄えられる。
これにより、例えば、アッパカップ26とロアカップ27との境界が燃料に浸漬されていない場合においても、プレッシャレギュレータ31から排出された燃料を、アッパカップ26の内面側を経て燃料貯留部5に蓄えることができる。
燃料貯留部5は、下端部5aが燃料案内部72に連通されている。
【0057】
図4図5に示すように、ロアカップ27の底壁27aには、一対の貯留開口部58が形成されている。一対の貯留開口部58は、ロアカップ27の底壁27aのうち抜止壁82に対応する部位に形成されている。抜止壁82は、ロアカップ27の底壁27aにおいて、サクションフィルタ6の側に脚部81を介して一体に形成されている。
一対の貯留開口部58は、抜止壁82のうち底壁27a側の面と、脚部81のうち吸入管21とは反対側の面と、を金型で成形する際に入れ子の型抜き用開口部として機能する。
【0058】
また、一対の貯留開口部58は、燃料貯留部5および燃料案内部72に滞留する燃料をロアカップ27の外部に排出するための排出口として機能している。ここで、一対の貯留開口部58は、第1台座部41の両端部41bと、両端部41b近傍の隆起部75とに隣接して形成されている。よって、一対の貯留開口部58は、燃料ポンプ3の吸入管21(すなわち、接続管78)(図6参照)を挟んで、吸入管21の両側や接続管78の両側に隣接して形成されている。
【0059】
さらに、一対の貯留開口部58は、燃料案内部72と、ロアカップ27の外部とに連通されている。よって、燃料貯留部5は、燃料案内部72と、一対の貯留開口部58とを経てロアカップ27の外部に連通されている。よって、燃料貯留部5に蓄えられた燃料は、燃料案内部72を経て一対の貯留開口部58からロアカップ27の外部に排出される。
ここで、一対の貯留開口部58は、吸入管21および接続管78を挟んで両側に隣接して形成されている。これにより、一対の貯留開口部58から排出された燃料は、サクションフィルタ6の内部において接続管78(すなわち、吸入管21)の下側近傍(下方近傍)に効率よく迅速に導かれる。サクションフィルタ6の内部に導かれた燃料は、サクションフィルタ6を介して再び燃料ポンプ3によって汲み上げられる。
【0060】
また、燃料貯留部5は、ロアカップ27の軸中心O1に対して燃料ポンプ3の軸中心O2の反対側に幅広の部位5bを備えている。幅広の部位5bは、ロアカップ27の周壁27bと燃料ポンプ3との間隔が最も広い部位である。燃料貯留部5の部位5bからロアカップ27の周壁27bに沿って一対の貯留開口部58に向かうに従い、ロアカップ27の周壁27bと燃料ポンプ3との間隔が狭くなるように形成されている。これにより、燃料貯留部5に蓄えられた燃料を一対の貯留開口部58に向けて円滑に導くことができる。
また、ロアカップの周壁27bと燃料ポンプ3との間隔を徐々に狭くすることにより、一対の貯留開口部58に好適な量の燃料を導くことができる。これにより、一対の貯留開口部58から燃料を効率よく排出することができる。
【0061】
図7は、ロアカップ27に形成されている第1〜第3の脱気通路61〜63の断面図である。
図5図7に示すように、ロアカップ27に第1〜第3の脱気通路61〜63が形成されている。第1脱気通路61は、ロアカップ27の底壁27aのうち、隆起部75に隣接する部位27cから、ロアカップ27の底壁27a対して直交するように立ち上げられている。第1脱気通路61は、ロアカップ27の内面側に開口する脱気開口84を上端部に有する。脱気開口84は、燃料ポンプ3の底部に備えられた脱気孔85に連通されている。
【0062】
第1脱気通路61の下端部61aに第2脱気通路62の内端部62aが連通されている。第2脱気通路62は、形成壁87により形成されている。形成壁87は、ロアカップ27の底壁27aからロアカップ27の内面側に突出されている。
よって、形成壁87をロアカップ27の底壁27aからサクションフィルタ6(図3参照)側に向けて突出させることなく、第2脱気通路62を形成することができる。これにより、ロアカップ27の底壁27aとサクションフィルタ6との間に好適な空間88(図3参照)が確保されている。
【0063】
第2脱気通路62の外端部62bに第3脱気通路63の下端部63aが連通されている。第3脱気通路63は、ロアカップ27の周壁27bの外周面に沿って第2脱気通路62の外端部62bから立ち上げられている。
第3脱気通路63の上端部63bに第4脱気通路64の下端部64aが連通されている。第4脱気通路64は、アッパカップ26の周壁26aの外周面に沿って第3脱気通路63の上端部63bから立ち上げられている。第4脱気通路64は、上端部64b(図2参照)がアッパカップ26の内面側に開口されている。
【0064】
よって、燃料ポンプ3の脱気孔85は、第1脱気通路61、第2脱気通路62、第3脱気通路63、および第4脱気通路64に連通され、各気通路61,62,63,64を経てアッパカップ26の内面側に連通されている。これにより、燃料ポンプ3内で発生したベーパを、脱気孔85、第1脱気通路61、第2脱気通路62、第3脱気通路63、および第4脱気通路64を経て排出することができる。
【0065】
図8は、燃料供給装置のサクションフィルタ6を示す斜視図である。
図4図6図8に示すように、ポンプケース17の下部17a(すなわち、燃料ポンプ3の底部)から吸入管21が下側に向けて突出されている。吸入管21は、ロアカップ27の底壁27aの開口部76に挿通されている。開口部76には接続管78の上端部78aが嵌合されている。この状態において、吸入管21に接続管78の上端部78aが連通されている。よって、吸入管21は接続管78を経てサクションフィルタ6に連通されている(図3参照)。
【0066】
接続管78の外周面には一対の係合爪91,91が接続管78(図3参照)の軸線を中心にして点対称となるように設けられている。係合爪91は、ロアカップ27の底壁27aの脚部81および抜止壁82に係合可能に略L字状に形成されている。
よって、吸入管21に開口部76を介して接続管78を外嵌した後、接続管78を係合爪91の先端91a側に向けて軸線周りに回転させることにより、抜止壁82と底壁27aとの間に係合爪91が挿入される。この状態において、係合爪91が脚部81に係止した状態に保たれる。
これにより、接続管78を吸入管21に連通させた状態において、接続管78が一対の係合爪91,91と、一対の脚部81および抜止壁82とを介してロアカップ27の底壁27aに連結されている。
【0067】
ここで、図3図7に示すように、第2脱気通路62の形成壁87は、ロアカップ27の底壁27aからロアカップ27の内面側に突出されている。よって、第2脱気通路62が底壁27aの外面側に大きく突出することを抑制することができるため、ロアカップ27の底壁27aとサクションフィルタ6との間に好適な空間88が確保されている。
これにより、例えば、サクションフィルタ6を交換する際に、第2脱気通路62の形成壁87でサクションフィルタ6を遮らないようにでき、サクションフィルタ6を簡単に交換することができる。
【0068】
(サクションフィルタ)
図3図8に示すように、サクションフィルタ6は、燃料貯留部5の下側(下方)に配置されている。具体的には、サクションフィルタ6は、燃料ポンプ3の吸入側(すなわち、ロアカップ27の底壁27aの下側)に配設され、濾材92と、溶着部93とで構成されている。溶着部93は、濾材92の外周縁に形成されている。濾材92は、袋状に形成された不織布であって、溶着部93は、袋状に形成された濾材92の外周縁を溶着し形成されたものである。
燃料タンク2内の燃料が濾材92を介して接続管78内に流れ込み、この接続管78内に流れ込んだ燃料が燃料ポンプ3に汲み上げられる。
【0069】
(フロート)
図1図4に示すように、ロアカップ27の周壁27bにおいて、底壁27a側の部位から支持プレート66が径方向外側に突出するように一体成形されている。支持プレート66の先端66aには、ゲージ取付板94が軸方向に沿うように一体成形されている。このゲージ取付板94には、センダゲージ95が設けられている。センダゲージ95は、燃料タンク2内の燃料の残量、すなわち、液面位置を検出する液面計である。
具体的には、センダゲージ95は、ゲージ本体96と、揺動アーム97と、フロート98とを備えている。ゲージ本体96は、ボックス状に形成されている。揺動アーム97は、ゲージ本体24に対して回動自在に設けられている。フロート98は、揺動アーム97の先端に設けられて燃料の液面に浮遊可能に形成されている。
【0070】
(燃料供給装置の動作)
次に、図3図5に基づいて燃料供給装置1の動作について説明する。
図3図5に示すように、燃料ポンプ3のポンプモータMを駆動させることにより、出力軸10が回転し、これに相対回転不能に連結されているインペラ16が回転する。ポンプ部Pのインペラ16が回転することにより、燃料タンク2内の燃料がサクションフィルタ6を経て濾過された状態で吸入管21から吸入される。吸入された燃料がポンプ部P内で昇圧され、昇圧された燃料が燃料流路孔(図示せず)を経てポンプモータM内に吐出される。
【0071】
ポンプモータM内に吐出された燃料は、ポンプモータM内を経て吐出ポート11aに導かれる。吐出ポート11aに導かれた燃料は、チェックバルブ12を経て燃料取出管29へ導かれる。ここで、導かれた燃料の燃圧が所定値以内である場合、燃料は、燃料取出管29を経て内燃機関へ導かれる。
一方、燃圧が所定値よりも高い場合、プレッシャレギュレータ31を経てフランジユニット25の内面側から燃料が排出される。
【0072】
フランジユニット25の内面側から排出された燃料は、燃料ポンプ3の外周壁3bを伝って下側に向けて流れ落ちる。ここで、燃料ポンプ3は、ホルダ部4の軸中心O1に対して軸中心O2がオフセットされた(ずれた)状態に支持されている。よって、アッパカップ26と燃料ポンプ3とにより、燃料貯留部5に連通する比較的大きな空間8が形成されている。
これにより、燃料ポンプ3の外周壁3bを伝う燃料を、空間8を経て燃料貯留部5に効率よく導くことができる。燃料貯留部5に蓄えられた燃料は、燃料案内部72を経て一対の貯留開口部58からロアカップ27の外部に排出される。
【0073】
ここで、一対の貯留開口部58は、燃料ポンプ3の吸入管21(すなわち、接続管78)を挟んで両側に隣接して形成されている。よって、一対の貯留開口部58から排出された燃料は、サクションフィルタ6の内部において吸入管21の下側近傍に迅速に導かれる。これにより、サクションフィルタ6の内部に導かれた燃料を吸入管21から燃料ポンプ3へ迅速に汲み上げることができる。
したがって、車両の傾き等により燃料タンク2の内部の燃料液面が傾いた場合に、燃料貯留部5からサクションフィルタ6の内部に導かれた燃料を燃料ポンプ3で吸い込むことができる。
【0074】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、ロアカップ27の軸中心O1に対して燃料ポンプ3の軸中心O2をオフセットさせことにより、軸中心O1に対して軸中心O2の反対側に燃料貯留部5を形成する例について説明したが、これに限らない。その他の例として、例えば、ロアカップ27の軸中心O1に対して燃料ポンプ3の軸中心O2を同軸上に配置した状態において、ロアカップ27の周壁27bと燃料ポンプ3との間に燃料貯留部5を形成することも可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 燃料供給装置
2 燃料タンク
2a 燃料タンクの上壁(上部)
2b 燃料タンクの内部
3 燃料ポンプ
4 ホルダ部
5 燃料貯留部
6 サクションフィルタ(フィルタ)
21 吸入管
26 アッパカップ
27 ロアカップ
27a ロアカップの底壁
27b ロアカップの周壁
31 プレッシャレギュレータ
41〜46 第1〜第6の台座部
51〜55 第1〜第5の保持リブ(保持リブ)
58 貯留開口部
61,62,63 第1〜第3の脱気通路(脱気通路)
78 接続管
85 脱気孔
87 形成壁
O1 ロアカップの軸中心
O2 燃料ポンプの軸中心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8