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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-47479(P2020-47479A)
(43)【公開日】2020年3月26日
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 45/435 20180101AFI20200303BHJP
   F21S 41/141 20180101ALI20200303BHJP
   F21S 41/19 20180101ALI20200303BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20200303BHJP
   F21S 43/19 20180101ALI20200303BHJP
   F21S 45/48 20180101ALI20200303BHJP
   F21V 29/67 20150101ALI20200303BHJP
   F21V 29/74 20150101ALI20200303BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20200303BHJP
   F21W 103/15 20180101ALN20200303BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20200303BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20200303BHJP
【FI】
   F21S45/435
   F21S41/141
   F21S41/19
   F21S43/14
   F21S43/19
   F21S45/48
   F21V29/67
   F21V29/74
   F21W102:00
   F21W103:15
   F21W103:55
   F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-175160(P2018-175160)
(22)【出願日】2018年9月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】戸塚 貴丈
(72)【発明者】
【氏名】高橋 大介
(57)【要約】
【課題】送風機によって生成される空気循環流を用いて、より効率的な車両用灯具の冷却を提供する。
【解決手段】車両用灯具10は、前面開口13を有する灯具ボディ12と、前面開口13を覆うように灯具ボディ12に取り付けられ、灯具ボディ12との間に灯室16を形成する前面カバー14と、各々が放熱部26を有する少なくとも1つの発光素子搭載部24を備え、灯室16内に配置された灯具ユニット18と、放熱部26に向けて前方に送出される冷却流れ38aと、後方に戻る吸気流れ38bとを含む空気循環流38を灯室内に生成する送風機34と、送風機34を灯室16内で灯具ユニット18に対して後方に配置するとともに、吸気流れ38aが通る吸気空間40を冷却流れ38aに対して下側に形成するように送風機34を支持する送風機支持部材36と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面開口を有する灯具ボディと、
前記前面開口を覆うように前記灯具ボディに取り付けられ、前記灯具ボディとの間に灯室を形成する前面カバーと、
各々が放熱部を有する少なくとも1つの発光素子搭載部を備え、前記灯室内に配置された灯具ユニットと、
前記放熱部に向けて前方に送出される冷却流れと、後方に戻る吸気流れとを含む空気循環流を前記灯室内に生成する送風機と、
前記送風機を前記灯室内で前記灯具ユニットに対して後方に配置するとともに、前記吸気流れが通る吸気空間を前記冷却流れに対して下側に形成するように前記送風機を支持する送風機支持部材と、を備えることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記送風機支持部材は、前記吸気空間の一部をなす下部通路を前記送風機の下側で前記灯具ボディとの間に形成するとともに、前記下部通路よりも狭い上部隙間を前記送風機の上側で前記灯具ボディとの間に形成することを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記灯具ボディは、前記吸気空間の一部をなすボディ凹部を有し、
前記ボディ凹部は、前記下部通路から前記吸気流れを受け入れるとともに、前記吸気流れを前記送風機の吸気口へと方向付けるように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記上部隙間は、5mm以内であることを特徴とする請求項2または3に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記送風機支持部材は、前記下部通路よりも狭い左部隙間を前記送風機の左側で前記灯具ボディとの間に形成し、前記下部通路よりも狭い右部隙間を前記送風機の右側で前記灯具ボディとの間に形成することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記灯室内に配置された内部電子機器をさらに備え、
前記内部電子機器は、前記吸気流れによって冷却されるように前記吸気空間に面して配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の車両用灯具。
【請求項7】
前記灯具ユニットは、各々が放熱部を有する複数の発光素子搭載部を備え、各発光素子搭載部の放熱部は、前記送風機からの前記冷却流れを各放熱部が受けるように前記送風機の前方に配列され、
前記送風機支持部材は、各放熱部の温度上昇の違いを低減するように前記送風機を正面に対して傾けて支持することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関し、特に自動車などの車両に用いられる車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用灯具は、例えば光源など、使用中に発熱しうる構成要素を有する。こうした構成要素からの放熱を促進するために、ヒートシンクとも呼ばれる放熱部が設けられている。加えて、放熱部を冷却するためにファンが設けられている。例えば、特許文献1では、光源ユニットの下側にヒートシンクと冷却ファンが配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−146465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、車両用灯具の冷却に関して検討し、以下の課題を認識するに至った。冷却用の送風機の配置は設計上要請される種々の条件によって制約されるので、送風機が光源の下側ではなく、灯具内の別の場所、例えば放熱部の後側に配置されることもある。また、灯具内の発熱源は、光源には限られない。近年では灯具内に設置される制御回路の集積化に伴い、制御回路からの発熱が増える傾向にある。灯具内に適切な温度環境を維持するには、送風機が発生させる空気の流れを考慮することが望まれる。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、送風機によって生成される空気循環流を用いて、より効率的な車両用灯具の冷却を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両用灯具は、前面開口を有する灯具ボディと、前面開口を覆うように灯具ボディに取り付けられ、灯具ボディとの間に灯室を形成する前面カバーと、各々が放熱部を有する少なくとも1つの発光素子搭載部を備え、灯室内に配置された灯具ユニットと、放熱部に向けて前方に送出される冷却流れと、後方に戻る吸気流れとを含む空気循環流を灯室内に生成する送風機と、送風機を灯室内で灯具ユニットに対して後方に配置するとともに、吸気流れが通る吸気空間を冷却流れに対して下側に形成するように送風機を支持する送風機支持部材と、を備える。
【0007】
この態様によると、送風機は、灯室内で灯具ユニットに対して後方に配置され、放熱部に送出する冷却流れよりも下側の吸気空間から空気を吸気する。そのため、送風機は、灯室内で下方に貯まる比較的冷たい空気を取り込んで放熱部へと冷却流れを提供することができる。また、吸気流れを利用して、吸気空間に面して配置された灯具構成要素を冷却することも可能となる。このようにして、送風機によって生成される空気循環流を用いて、より効率的な車両用灯具の冷却を提供することができる。
【0008】
送風機支持部材は、吸気空間の一部をなす下部通路を送風機の下側で灯具ボディとの間に形成するとともに、下部通路よりも狭い上部隙間を送風機の上側で灯具ボディとの間に形成してもよい。
【0009】
灯具ボディは、吸気空間の一部をなすボディ凹部を有してもよい。ボディ凹部は、下部通路から吸気流れを受け入れるとともに、吸気流れを送風機の吸気口へと方向付けるように形成されていてもよい。
【0010】
上部隙間は、5mm以内であってもよい。
【0011】
送風機支持部材は、下部通路よりも狭い左部隙間を送風機の左側で灯具ボディとの間に形成し、下部通路よりも狭い右部隙間を送風機の右側で灯具ボディとの間に形成してもよい。
【0012】
車両用灯具は、灯室内に配置された内部電子機器をさらに備えてもよい。内部電子機器は、吸気流れによって冷却されるように吸気空間に面して配置されていてもよい。
【0013】
灯具ユニットは、各々が放熱部を有する複数の発光素子搭載部を備えてもよい。各発光素子搭載部の放熱部は、送風機からの冷却流れを各放熱部が受けるように送風機の前方に配列されていてもよい。送風機支持部材は、各放熱部の温度上昇の違いを低減するように送風機を正面に対して傾けて支持してもよい。
【0014】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、送風機によって生成される空気循環流を用いて、より効率的な車両用灯具の冷却を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施の形態に係る車両用灯具の概略正面図である。
図2図1に示される車両用灯具のA−A線による鉛直断面を示す概略図である。
図3図1に示される車両用灯具のB−B線による水平断面の一部を示す概略図である。
図4】実施の形態に係る車両用灯具に適用されうる送風機および送風機支持部材を概略的に示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図に示す各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。また、本明細書または請求項中に用いられる「第1」、「第2」等の用語は、いかなる順序や重要度を表すものでもなく、ある構成と他の構成とを区別するためのものである。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0018】
図1は、実施の形態に係る車両用灯具10の概略正面図である。図2は、図1に示される車両用灯具10のA−A線による鉛直断面を示す概略図である。図3は、図1に示される車両用灯具10のB−B線による水平断面の一部を示す概略図である。図4は、実施の形態に係る車両用灯具10に適用されうる送風機34および送風機支持部材36を概略的に示す分解斜視図である。
【0019】
車両用灯具10は、車両前方の左右に配置される一対の前照灯ユニットを有する車両用前照灯装置である。一対の前照灯ユニットは概ね左右対称の構造を有し、実質的に同一の構成であるため、図1には車体前方から見て左側に位置する車両用灯具を示す。よって、図1および図3において左側が車幅方向外側にあたり、右側が車幅方向内側にあたる。
【0020】
車両用灯具10は、前面開口13を有する灯具ボディ12と、前面開口13を覆うように灯具ボディ12に取り付けられた前面カバー14と、を備える。灯具ボディ12は、車体に取付可能に構成され、前面カバー14は、灯具ボディ12を介して車体に取り付けられる。灯具ボディ12と前面カバー14とによって灯具筐体が構成され、灯具筐体の内部空間が灯室16として形成されている。灯具ボディ12は、例えば、樹脂材料で形成されている。前面開口13は、車両前方側に開口している。前面カバー14は、透光性を有する樹脂やガラス等で形成されている。
【0021】
車両用灯具10は、灯具ユニット18、第1標識灯ユニット20、および第2標識灯ユニット22を備え、これらは灯室16内に配置されている。一例として、灯具ユニット18は、前照灯として機能し、第1標識灯ユニット20は、クリアランスランプ及び/またはデイライトランニングランプとして機能し、第2標識灯ユニット22は、フロントターンシグナルランプとして機能する。限定的ではない例として、第1標識灯ユニット20は、灯具ユニット18より上側に配置され、第2標識灯ユニット22は、灯具ユニット18より内側に配置されている。
【0022】
灯具ユニット18は、公知の揺動機構を介して灯具ボディ12に支持され、車両前後方向に延びる光軸の方向を鉛直方向及び/または水平方向に調整可能に構成されている。
【0023】
灯具ユニット18は、複数のサブアセンブリ(18a〜18c)を備える。複数のサブアセンブリは相互に相対位置が固定されている。灯具ユニット18は、例えば、3つのサブアセンブリを備え、以下ではこれらを、第1サブアセンブリ18a、第2サブアセンブリ18b、第3サブアセンブリ18cと表記することがある。第1サブアセンブリ18a、第2サブアセンブリ18b、第3サブアセンブリ18cは、車幅方向外側からこの記載の順に並んでいる。第2サブアセンブリ18bは、第1サブアセンブリ18aより下側に配置され、第3サブアセンブリ18cは、第1サブアセンブリ18aと同じ高さに配置されている。第2サブアセンブリ18bは、第1サブアセンブリ18aおよび第3サブアセンブリ18cよりも前方に配置されている。
【0024】
各サブアセンブリは、図2に示されるように、放熱部26を有する発光素子搭載部24を備える。また、各サブアセンブリは、光源28と、少なくとも1つの光学部材(例えば、リフレクタ30、投影レンズ32)とを備える。なお、図2では理解のために、第2サブアセンブリ18bだけでなく、第1サブアセンブリ18aについても鉛直断面を概略的に示す。
【0025】
発光素子搭載部24は、光源28を支持する支持面を提供し、放熱部26と一体形成されている。放熱部26は、発光素子搭載部24から後方に向けて延びる複数の放熱フィンを有する。各放熱フィンは鉛直面と平行であってもよい。発光素子搭載部24および放熱部26は、光源28が発生する熱を放熱する放熱部材としても機能し、ヒートシンクとも呼ばれる。発光素子搭載部24および放熱部26は、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金などの高熱伝導率をもつ金属材料で形成され、例えばダイキャスト法により製造されている。また、発光素子搭載部24は、リフレクタ30および投影レンズ32を支持するように構成されている。
【0026】
光源28は、例えば、発光ダイオード(LED)などの半導体発光素子28aと、半導体発光素子28aを支持する基板28bとを有する。基板28bは、セラミックなどで形成された熱伝導性絶縁基板である。基板28bには、半導体発光素子28aに電力を伝達する電極(図示せず)が形成されている。光源28は、半導体発光素子28aの光出射面が車両上方に向けられ、半導体発光素子28aの照射軸が略車両上下方向に延びた状態で、発光素子搭載部24に搭載されている。
【0027】
リフレクタ30は、光源28の出射光を投影レンズ32へと反射するように光源28の上方に配置されている。リフレクタ30は、光源28に対向する内面に反射面が形成された反射部材であり、反射面は例えば回転楕円面の一部で構成されている。また、投影レンズ32は、リフレクタ30からの反射光を灯具前方に投影するように光源28に対して前方に配置されている。投影レンズ32は、一例として、前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸非球面レンズであり、透明樹脂材料で形成されている。
【0028】
また、車両用灯具10は、送風機34と、送風機支持部材36とを備える。送風機34および送風機支持部材36は、灯室16内に配置されている。送風機34は、後側に吸気口34aを有し、吸気口34aから吸い込んだ空気を前方に送出する。送風機34は、例えば軸流ファンである。送風機支持部材36は、例えば、樹脂材料で形成されたブラケットであり、灯具ボディ12に取り付けられる。図4に示されるように、送風機支持部材36は、例えば円形状の送風機取付穴36aを有する板状の部材であってもよく、送風機34は、こうした送風機取付穴36aに取り付けられた薄型のファンであってもよい。
【0029】
図2に示されるように、送風機34は、空気循環流38を灯室16内に生成するように構成されている。空気循環流38は、放熱部26に向けて前方に送出される冷却流れ38aと、後方に戻る吸気流れ38bとを含む。送風機34は、吸気口34aから吸気流れ38bを吸い込み、冷却流れ38aとして前方に空気を送出する。
【0030】
送風機支持部材36は、送風機34を灯室16内で灯具ユニット18に対して後方に配置する。送風機支持部材36は、灯具ボディ12とは別個の部品として形成され、灯具ボディ12の前方かつ灯具ユニット18の後方に配置されている。送風機支持部材36は、吸気流れ38bを送風機34の吸気口34aへと導くための、いわばダクトを送風機支持部材36と灯具ボディ12との間に形成する。
【0031】
送風機支持部材36は、吸気流れ38bが通る吸気空間40を冷却流れ38aに対して下側に形成するように送風機34を支持する。送風機支持部材36は、吸気流れ38bが冷却流れ38aに対して下側を通るように送風機34の高さ位置を定める。
【0032】
送風機支持部材36は、吸気空間40の一部をなす下部通路42を送風機34の下側で灯具ボディ12との間に形成する。下部通路42は、送風機支持部材36の下側に形成された開口部である。例えば、下部通路42は、送風機34の下側に隣接するように送風機支持部材36に形成された開口部であってもよい。下部通路42を形成する開口部は、例えば、送風機支持部材36の高さ(上下方向の寸法)の少なくとも1/4、または少なくとも1/3、または少なくとも1/2を占める比較的大きな開口であってもよい。
【0033】
送風機支持部材36は、下部通路42よりも狭い上部隙間44を送風機34の上側で灯具ボディ12との間に形成する。上部隙間44は、例えば、5mm以内である。上部隙間44は、例えば、0.1mmより大きく、または1mmより大きくてもよい。あるいは、送風機支持部材36の上端部の少なくとも一部が灯具ボディ12と接触し、それにより、上部隙間44の少なくとも一部が塞がれていてもよい。
【0034】
また、送風機支持部材36は、図3に示されるように、左部隙間46を送風機34の左側で灯具ボディ12との間に形成し、右部隙間48を送風機34の右側で灯具ボディ12との間に形成する。
【0035】
上部隙間44と同様に、左部隙間46および右部隙間48は、下部通路42よりも狭い。左部隙間46および右部隙間48はそれぞれ、例えば、5mm以内である。左部隙間46および右部隙間48はそれぞれ、例えば、0.1mmより大きく、または1mmより大きくてもよい。送風機支持部材36と灯具ボディ12との接触により、左部隙間46および右部隙間48の少なくとも一部が塞がれていてもよい。
【0036】
灯具ボディ12は、吸気空間40の一部をなすボディ凹部12aを有する。ボディ凹部12aは、下部通路42から吸気流れ38bを受け入れるとともに、吸気流れ38bを送風機34の吸気口34aへと方向付けるように形成されている。ボディ凹部12aは、送風機支持部材36の後方において灯具ボディ12の背面が部分的に内側から外側に向かって膨らむようにして形成されている。
【0037】
また、車両用灯具10は、図2に示されるように、灯室16内に配置された内部電子機器50を備える。内部電子機器50は、吸気流れ38bによって冷却されるように吸気空間40に面して配置されている。内部電子機器50は、例えば、第1標識灯ユニット20および第2標識灯ユニット22を制御する制御回路基板である。なお、内部電子機器50は、灯具ユニット18を制御する制御装置であってもよい。あるいは、内部電子機器50は、灯室16内に配置されたセンサ、カメラ、またはその他の電子機器であってもよい。
【0038】
内部電子機器50は、ブラケット52に取り付けられている。ブラケット52は、灯具ボディ12の底面に沿って灯室16内の下方に配置されている。ブラケット52の後端部が送風機支持部材36の下端部と連結されている。ブラケット52は、送風機支持部材36とは別個の部品として、例えば樹脂材料で形成されている。ブラケット52は、灯具ユニット18に接続されるワイヤーハーネスが固定される配線支持ブラケットであってもよい。
【0039】
なお、ブラケット52は、送風機支持部材36と一体形成されていてもよい。あるいは、ブラケット52が設けられていなくてもよく、内部電子機器50は、ブラケット52を介することなく灯具ボディ12に直接取り付けられていてもよい。
【0040】
灯具ユニット18の各発光素子搭載部24の放熱部26は、送風機34からの冷却流れ38aを各放熱部26が受けるように送風機34の前方に配列されている。送風機支持部材36は、各放熱部26の温度上昇の違いを低減するように送風機34を正面に対して傾けて支持する。
【0041】
送風機34の中心軸(例えば、ファンの回転軸)34bは、灯具ユニット18の光軸に平行な基準軸54に対して傾斜角度θ1だけ傾斜している(図2参照)。送風機34の中心軸34bは、例えば、基準軸54に対して上方に傾斜している。また、送風機34の中心軸34bは、基準軸54に対して傾斜角度θ2だけ傾斜している(図3参照)。送風機34の中心軸34bは、例えば、基準軸54に対して車幅方向外側に傾斜している。
【0042】
送風機34の傾斜角度θ1、θ2は、送風機34の中心軸34bが基準軸54と一致する場合(すなわち、送風機支持部材36が送風機34を正面に向けるように支持する場合)に比べて、各放熱部26の温度上昇の違いを低減するように選択されている。このような傾斜角度θ1、θ2は、例えば、空気循環流38によって生じる灯室16内の空気の流速分布、および、その結果としての灯室16内の温度分布についての数値シミュレーションを行うことによって、選択することができる。
【0043】
以上の構成により、車両用灯具10の点灯中に、光源28から発せられた光は、リフレクタ30で反射され、投影レンズ32を通じて灯具前方へ投影される。点灯中に光源28は発熱しうる。その熱は光源28から発光素子搭載部24を経て放熱部26に伝わり、放熱される。
【0044】
放熱部26からの放熱を促進するために、送風機34は、冷却流れ38aと吸気流れ38bを含む空気循環流38を生成する。冷却流れ38aは、送風機34から前方に送出され、各サブアセンブリ(18a〜18c)の放熱部26へと吹き付けられる。冷却流れ38aは、放熱部26と熱交換をしながら放熱部26の近傍を通過し、放熱部26から熱を運び去る。すなわち冷却流れ38aは放熱部26を経由することで放熱部26を冷却する。
【0045】
放熱部26を冷却した空気流れは、吸気流れ38bとして後方へと戻ることになる。送風機34による空気循環作用により、吸気流れ38bは、吸気空間40へと取り込まれ、冷却流れ38aに対して下側を通る。吸気流れ38bは、吸気空間40から下部通路42を通じてボディ凹部12aに向かう。吸気流れ38bは、ボディ凹部12aによって上方に方向転換され、送風機34の吸気口34aから送風機34に吸い込まれる。冷却流れ38aが送風機34から再び前方に送出される。
【0046】
上部隙間44、左部隙間46、および右部隙間48が下部通路42よりも狭いので、ボディ凹部12aは、その上部、左部、および右部が狭窄された、いわば半閉鎖区画となる。吸気流れ38bにとって、下部通路42がこの半閉鎖区画への実質的に唯一の入口となり、送風機34の吸気口34aが実質的に唯一の出口となる。
【0047】
以上説明したように、実施の形態に係る車両用灯具10によると、送風機34は、放熱部26に向けて前方に送出される冷却流れ38aと、後方に戻る吸気流れ38bとを含む空気循環流38を灯室16内に生成する。送風機支持部材36は、送風機34を灯室16内で灯具ユニット18に対して後方に配置するとともに、吸気流れ38bが通る吸気空間40を冷却流れ38aに対して下側に形成するように送風機34を支持する。
【0048】
このようにして、送風機34は、灯室16内で灯具ユニット18に対して後方に配置され、放熱部26に送出する冷却流れ38aよりも下側の吸気空間40から空気を吸気する。灯室16内の下方には重力の作用により比較的冷たい空気が貯まりうる。そうした空気を取り込んで、送風機34は、放熱部26へと冷却流れ38aを提供することができる。送風機34によって生成される空気循環流38を用いて、より効率的な車両用灯具10の冷却を提供することができる。
【0049】
また、送風機支持部材36は、下部通路42を送風機34の下側で灯具ボディ12との間に形成するとともに、下部通路42よりも狭い上部隙間44を送風機34の上側で灯具ボディ12との間に形成する。このようにすれば、下部通路42から送風機34への空気流入が、上部隙間44から送風機34への空気流入に比べて促進される。よって、上部隙間44を下部通路42よりも狭くすることは、吸気流れ38bが冷却流れ38aの下方を通るように空気循環流38を生成することに役立つ。
【0050】
送風機支持部材36は、下部通路42よりも狭い左部隙間46を送風機34の左側で灯具ボディ12との間に形成し、下部通路42よりも狭い右部隙間48を送風機34の右側で灯具ボディ12との間に形成する。このようにすれば、下部通路42から送風機34への空気流入が、左部隙間46から送風機34への空気流入に比べて促進される。同様に、下部通路42から送風機34への空気流入が、右部隙間48から送風機34への空気流入に比べて促進される。よって、これらの構成は、吸気流れ38bが冷却流れ38aの下方を通るように空気循環流38を生成することに役立つ。
【0051】
上部隙間44は、5mm以内である。このようにすれば、上部隙間44が十分に狭いので、上部隙間44から送風機34への空気流入を顕著に抑制することができる。なお、左部隙間46および右部隙間48も、5mm以内であるから、左部隙間46および右部隙間48から送風機34への空気流入も顕著に抑制することができる。
【0052】
ボディ凹部12aは、下部通路42から吸気流れ38bを受け入れるとともに、吸気流れ38bを送風機34の吸気口34aへと方向付けるように形成されている。このようにして、吸気流れ38bを送風機34の吸気口34aへと導くためのダクト状の領域を送風機支持部材36と灯具ボディ12との間に形成することができる。
【0053】
内部電子機器50は、吸気流れ38bによって冷却されるように吸気空間40に面して配置されている。このようにして、吸気流れ38bを利用して、内部電子機器50を冷却することもできる。また、吸気流れ38bは、吸気空間40に面して配置されたその他の灯具構成要素を冷却することもできる。
【0054】
灯具ユニット18の各発光素子搭載部24の放熱部26は、送風機34からの冷却流れ38aを各放熱部26が受けるように送風機34の前方に配列されている。送風機支持部材36は、各放熱部26の温度上昇の違いを低減するように送風機34を正面に対して傾けて支持する。このようにして、各放熱部26をより均等に冷却することができる。
【0055】
本発明は、上述した実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、実施の形態及び変形例を組み合わせたり、当業者の知識に基づいて各種の設計変更などのさらなる変形を加えることも可能であり、そのような組み合わせられ、もしくはさらなる変形が加えられた実施の形態や変形例も本発明の範囲に含まれる。上述した実施の形態や変形例、及び上述した実施の形態や変形例と以下の変形との組合せによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態、変形例及びさらなる変形それぞれの効果をあわせもつ。
【0056】
上述の実施の形態では、灯具ユニット18は、複数の発光素子搭載部24を有するが、これに限られない。灯具ユニット18は、1つの発光素子搭載部24を有してもよい。よって、灯具ユニット18は、各々が放熱部26を有する少なくとも1つの発光素子搭載部24を備えてもよい。
【0057】
上述の実施の形態は、車両用前照灯装置としての車両用灯具10を例として説明したが、本発明はこれに限られない。実施の形態に係る送風機およびその支持構造は、送風機によって生成される空気循環流を用いて灯具構成要素を冷却することが望まれる他の任意の車両用灯具に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0058】
10 車両用灯具、 12 灯具ボディ、 12a ボディ凹部、 13 前面開口、 14 前面カバー、 16 灯室、 18 灯具ユニット、 24 発光素子搭載部、 26 放熱部、 34 送風機、 34a 吸気口、 36 送風機支持部材、 38 空気循環流、 38a 冷却流れ、 38b 吸気流れ、 40 吸気空間、 42 下部通路、 44 上部隙間、 46 左部隙間、 48 右部隙間、 50 内部電子機器。
図1
図2
図3
図4