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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-48665(P2020-48665A)
(43)【公開日】2020年4月2日
(54)【発明の名称】磁場発生器保持装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 50/24 20160101AFI20200306BHJP
【FI】
   A61B50/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-178554(P2018-178554)
(22)【出願日】2018年9月25日
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江田 雅斗
(57)【要約】
【課題】手術台付近において磁場発生器を保持する小型の保持装置を実現する。
【解決手段】手術台にはレール44が設けられており、そのレール44に対してアタッチメント機構46を介して保持装置42が取り付けられる。保持装置42は支持機構48及び保持器50を含む。保持器50によって磁場発生器40が保持される。支持機構48はシャフト62、水平アーム64及び回転台を有する。支持機構48は二軸回転構造を有し、それを利用して磁場発生器40の位置及び向きが調整される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測位用磁場を発生する磁場発生器を保持する保持器と、
上下方向に伸長した形態を有する支柱を備え、前記保持器を支持する支持機構と、
を含み、
前記支柱が手術台に連結されたアタッチメント機構により保持される、
ことを特徴とする磁場発生器保持装置。
【請求項2】
請求項1記載の磁場発生器保持装置において、
前記支柱は、前記アタッチメント機構により任意回転角度で保持される軸部材であり、
前記支持機構は、
水平方向に伸長した形態を有し、前記軸部材の上端部に連結された基端部とその反対側の旋回端部とを有するアームと、
前記アームの旋回端部に設けられ、前記保持器を回転可能に支持する回転台と、
を含むことを特徴とする磁場発生器保持装置。
【請求項3】
請求項2記載の磁場発生器保持装置において、
前記回転台は、前記アームに対する前記保持器の回転角度をロックするロック機構を有する、
ことを特徴とする磁場発生器保持装置。
【請求項4】
請求項2記載の磁場発生器保持装置において、
前記保持器は、
前記回転台が取り付けられた中央部から水平方向に広がった形態を有し、前記磁場発生器を載置する底壁と、
前記磁場発生器を取り囲むように前記底壁の端部から起立した周壁と、
を含むことを特徴とする磁場発生器保持装置。
【請求項5】
請求項1記載の磁場発生器保持装置において、
起立姿勢において前記磁場発生器を跨ぐように前記保持器に取り付けられ、前記起立姿勢から前記磁場発生器の背面側に倒れ込んで横倒し姿勢となるハンドルを含む、
ことを特徴とする磁場発生器保持装置。
【請求項6】
請求項1記載の磁場発生器保持装置において、
前記アタッチメント機構による保持が解除された状態において前記支柱の落下を途中で止める安全機構を含む、
ことを特徴とする磁場発生器保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は磁場発生器保持装置に関し、特に、手術場で用いられる磁場発生器を保持する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療の分野において、磁場を利用した測位システムが活用されている。例えば、超音波診断時には、磁場発生器が被検者の近くに設けられ、磁気センサが超音波プローブに設けられる(特許文献1を参照)。磁場発生器において生成された測位用の特殊な磁場が磁気センサによって検出される。その検出信号に基づいて、超音波プローブの位置及び姿勢、より具体的には、走査面の位置及び姿勢が特定される。そのような測位システムは、例えば、RVS(Real-time Virtual Sonography)において利用される。RVSは、リアルタイム断層画像とそれに対応するMPR(Multi-Planar Reconstruction)画像を同時表示するものである。走査面の位置情報を利用してMPR画像が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−23677号公報
【特許文献2】国際公開2007/074532号公報(特に図13
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記測位システムは手術室内においても利用される。手術室内には、手術台、医療装置等の様々な機器が配置されており、手術室内には少なからずの医療スタッフ(医師、看護師等)もいる。手術台周辺にスペース的な余裕があまりないのが一般的である。上記測位システムを機能させるためには、磁場発生器を患者(被検者)の近くに設置することが望まれるが、手術台周辺において磁場発生器を保持する大掛かりな機構(例えばスタンド)を設置するスペースを確保することは困難である。そのような機構を設置できたとしても、それが医療スタッフの邪魔になってしまうこともある。手術室内に設置される超音波診断装置に対して多関節アームを設け、その多関節アームにより磁場発生器を保持したとしても、同様の問題が生じ得る。
【0005】
本発明の目的は、手術台付近において磁場発生器を保持するコンパクトな磁場発生器保持装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る磁場発生器保持装置は、測位用磁場を発生する磁場発生器を保持する保持器と、上下方向に伸長した形態を有する支柱を備え、前記保持器を支持する支持機構と、を含み、前記支柱が手術台に連結されたアタッチメント機構により保持される、ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、手術台付近において磁場発生器を保持する比較的小型の磁場発生器保持装置を提供できる。よって、患者に対して適切な位置に磁場発生器を設置でき、あるいは、手術室内において磁場発生器保持装置が医療スタッフの邪魔になることを防止又は軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】測位システムを含む手術室の様子を表した模式図である。
図2】実施形態に係る磁場発生器保持装置の正面側を表した斜視図である。
図3】実施形態に係る磁場発生器保持装置の背面側を表した斜視図である。
図4】磁場発生器保持装置が有する二軸回転構造を説明するための図である。
図5】磁場発生器保持装置の細部の構造を説明するための図である。
図6】ホルダに配置されたフレームを示す斜視図である。
図7】フレームによる磁場発生器の保持を示す斜視図である。
図8】標準シャフトを備える磁場発生器保持装置の使用例を示す図である。
図9】ロングシャフトを備える磁場発生器保持装の使用例を示す図である。
図10】二軸回転構造の作用を説明するための図である。
図11】磁場発生器保持装置の第1変形例を示す図である。
図12】磁場発生器保持装置の第2変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
(1)実施形態の概要
実施形態に係る磁場発生器保持装置(以下「保持装置」と称する。)は、保持器及び支持機構を含む。保持器は測位用磁場を発生する磁場発生器を保持する部材である。支持機構は、上下方向に伸長した形態を有する支柱を備え、保持器を支持する機構である。手術台に連結されたアタッチメント機構により支柱が保持される。
【0011】
一般に、手術台ベースにはその両側あるいはその周囲にレールが設けられている。そのレールには、アタッチメント機構を介して、手術で必要となる様々な部材が取り付けられる。アタッチメント機構は、通常、レール上の任意の箇所に設置し得るものである。アタッチメント機構は、一般に、既定形状(円柱状又は角柱状)を有する部材が挿入される開口と、その開口に挿入された部材をクランプする機構と、を有している。
【0012】
実施形態に係る保持装置は、既存のレール及びアタッチメント機構を利用して手術台に取り付けられるものである。保持装置における支柱がアタッチメント機構における開口に挿入されつつ保持装置の高さが定められ、その上で、支柱がクランプされる。支柱は上下方向に伸長した形態を有しており、クランプ位置を変更することにより、保持器の高さを容易に調整し得る。このように、実施形態によれば、磁場発生器を所望の位置に簡便に設置でき、大掛かりな機構は不要であるので、患者の近くに磁場発生器を設置することが容易となる。また、保持装置が医療スタッフの作業の邪魔になる可能性を低減できる。
【0013】
実施形態において、支柱は、アタッチメント機構により任意回転角度で保持される軸部材である。支持機構は、水平方向に伸長した形態を有し、前記軸部材の上端部に連結された基端部とその反対側の旋回端部とを有するアームと、アームの旋回端部に設けられ、保持器を回転可能に支持する回転台と、を含む。
【0014】
この構成によれば、軸部材を回転中心として、アーム及び保持器を回転運動(旋回運動)させることが可能となる。また、回転台によりその中心軸周りにおいて保持器を回転運動させることが可能となる。そのような二軸回転構造により、状況に応じて、手術台に対して保持器を近付けたり遠ざけたりすることができ、また、保持器の向きを独立して調整することが可能となる。
【0015】
一般に磁場発生器は指向性を有しており、すなわち、磁場発生器には、磁気センサによる検出を安定的に行える空間として、推奨空間が定められている。推奨空間は、磁場発生器にもよるが、磁場発生器を基準として特定の側へ広がる空間であって、磁場発生器に比較的に近い空間である。上記構成によれば、手術部位あるいは超音波プローブに対して推奨空間を合わせることが容易となる。安定的な磁場検知により測位精度を維持又は向上できる。
【0016】
実施形態において、回転台は、アームに対する保持器の回転角度をロックするロック機構を有する。このロック機構により回転台がロックされる。なお、軸部材の回転角度のロックはアタッチメント機構によりなされる。そのロックを行う機構を保持装置に設けるようにしてもよい。
【0017】
実施形態において、保持器は、回転台が取り付けられた中央部から水平方向に広がった形態を有し、磁場発生器を載置する底壁と、磁場発生器を取り囲むように底壁の端部から起立した周壁と、を含む。周壁が磁場発生器の周囲の全部又は一部を取り囲んでおり、周壁がガード壁として機能する。すなわち、周壁により磁場発生器に対する部材や生体の接触、衝突が防止又は軽減される。また、接触、衝突の問題が生じないような場合でも、意匠的な配慮に乏しく無骨な印象を与え易いしかも比較的に重い磁場発生器が周壁により囲まれていれば、患者その他の者に安心感を与えられる。少なくとも磁場発生器の正面側及び両側面側が周壁によって囲まれるのが望ましい。
【0018】
実施形態に係る保持装置は、起立姿勢及び横倒し姿勢をとるハンドルを有する。ハンドルは、起立姿勢において磁場発生器を跨ぐように保持器に取り付けられているものであり、起立姿勢から磁場発生器の背面側に倒れ込んで横倒し姿勢となる。通常、磁場発生器は相応の重量を有し、その持ち運びを安全に行うために、ハンドルが設けられている。ハンドルは、保持器の位置及び姿勢を調整する際にも利用し得るものである。磁場発生器の動作時において、ハンドルが磁場発生器の背面側に倒れ込むようにすれば、ハンドルによる磁場への悪影響が回避され又は緩和される。磁場発生器の背面側に周壁が設けられていない箇所があっても、倒れ込み姿勢にあるハンドルによりその箇所がガードされる。
【0019】
実施形態によれば、アタッチメント機構による保持が解除された状態において支柱の落下を途中で止める安全機構が設けられる。例えば、支柱に対して複数の高さに複数の貫通孔を形成し、複数の貫通孔のいずれかにピンを挿通させ、落下時においてピンがアタッチメント機構等に当たってそれ以上の落下が防止されるようにしてもよい。
【0020】
(2)実施形態の詳細
図1には、手術室の内部が模式図として示されている。手術室10内には手術台12が設けられている。手術台12上に患者14が載せられる。手術台12の周囲には、手術器具等を置くための器械台16,18が設けられ、また、麻酔器20、電気メス装置22、超音波診断装置本体24等が設けられている。手術台12の周囲には、複数の医療スタッフが存在し、具体的には、執刀医26、第1助手28、第2助手30、麻酔医32、看護婦34,35,36等が存在している。
【0021】
測位システムは磁場発生器40と磁気センサとを含む。磁気センサは超音波プローブ(術中プローブ)38に設けられており、磁場発生器40が生成する測位用の磁場が磁気センサによって検出される。磁気センサの検出信号は図示されていない測位コントローラに送られる。測位コントローラは、検出信号に基づいて超音波プローブにより形成される走査面の位置及び姿勢を演算する。その演算結果を示す位置情報が超音波診断装置本体24における画像形成において利用される。なお、超音波診断装置は、超音波診断装置本体24と超音波プローブ38とによって構成される。測位コントローラが超音波診断装置本体24内に組み込まれてもよい。
【0022】
磁場発生器40は、実施形態に係る保持装置(磁場発生器保持装置)42によって保持される。保持装置42は、後に詳しく説明するように、手術台12のレールに対して、アタッチメント機構を介して、取り付けられるものである。保持装置42によれば、磁場発生器の位置及び姿勢を容易に調整することができ、例えば、磁場発生器40を患者14に近付けることが容易となる。図示の例において、患者における手術部位は腹部14A、特に肝臓であり、開腹状態において、露出した肝臓表面に対して超音波プローブ38が当接される。その状態で肝臓内部の超音波検査が遂行される。磁場発生器40は、通常、指向性を有し、それに対しては推奨空間(磁場検出を適正に行える空間)が定められている。実施形態によれば、超音波プローブ38の運動空間に対して推奨空間41を合わせることが容易となる。
【0023】
図2には、実施形態に係る保持装置42の正面側が斜視図として示されている。手術台は、手術台ベース12A、それを支える脚部、手術台ベース12A上に設けられるクッション部材(マットレス)等により構成される。様々な厚みをもったクッション部材が用意されており、それらの中から使用するクッション部材が選択される。典型的なクッション部材の厚みは例えば15cmである。
【0024】
手術台ベース12Aは金属筐体として構成され、その両側又は周囲には、レール44が設けられている(図2においてはレール44の一部分が示されている)。レール44の断面形状としては、矩形、円形等があげられる。レール44は複数の連結部材45を介して手術台ベース12Aに固定されている。レール44における任意の位置にアタッチメント機構46を取り付けることが可能である。
【0025】
保持装置42は、磁場発生器40を保持する装置である。保持装置42は支持機構48及び保持器(ホルダ)50を有する。支持機構48におけるシャフトがアタッチメント機構46によって保持及びクランプされる。つまり、実施形態において、保持装置42は手術台に取り付けられるコンパクトな機構である。磁場発生器40の正面が符号40aで示されている。図2において、x方向は第1水平方向としての手術台長手方向であり、y方向は第2水平方向としての手術台短手方向であり、z方向は垂直(鉛直)方向である。図2に示す例では、保持装置42は、手術台の左側に取り付けられているが、それは例示に過ぎない。磁場発生器40は例えば1〜3kgの範囲内の重量を有する。
【0026】
図3には、実施形態に係る保持装置42の背面側が斜視図として示されている。レール44は、矩形断面を有し、その矩形断面の長手方向は図示の例においてz方向である(図3においてもレール44の一部が示されている)。
【0027】
アタッチメント機構46は、差し込み溝を有する取り付け台52、取り付け台52に固定された突出体54、及び、回転軸56を有する。取り付け台52がレール44を跨ぐように、その差し込み溝内にレール44が差し込まれている。回転軸56にはハンドル58が設けられ、それらはクランプ機構(ロック機構)の一部を構成する。突出体54にはz方向に伸長した孔60が形成されており、そこには後述するシャフト62が差し込まれている。孔60にシャフト62が挿入されている状態で、回転軸56を一方方向へ回転させると、取り付け台52によってレール44がクランプされ、同時に、突出体54内においてシャフト62がクランプされる。図示されたアタッチメント機構46は例示であり、手術台に応じて多様なアタッチメント機構が提供されている。いずれにしても、各アタッチメント機構は、通常、上記の孔60に相当する開口を有する。開口は通常、円形断面を有する。矩形断面を有する開口も知られている。
【0028】
保持装置42は、大別して、支持機構48及び保持器50によって構成される。支持機構48は保持器50を支持する機構であり、保持器50は磁場発生器40を保持する機構である。支持機構48は、図示の構成例において、軸部材としてのシャフト62、水平アーム64、回転台等を有する。シャフト62は、テーパー状の下端部62A及び肥大した上端部62Bを有する。シャフト62が孔60に挿入されており、シャフト62の中間部位がクランプされている。
【0029】
水平アーム64は、水平方向に伸長した形態を有し、それは基端部64A及び旋回端部64Bを有している。基端部64Aがシャフト62の上端部62Bに一体的に連結されている。シャフト62と水平アーム64はシャフト62の中心軸周りにおいて一体的に回転運動(旋回運動)する。水平アーム64の旋回端部64Bには回転台が設けられており、回転台によって保持器50が支持されている。回転台は軸部材66を有し、軸部材66の中心軸周りにおいて保持器50が回転運動する。回転台にはロック機構が設けられ、その作動により保持器50の回転運動がロックされる。
【0030】
保持器50により、ブロック状の磁場発生器40が保持される。保持器50には水平軸70を中心として回転運動するハンドル(取っ手)68が設けられている。ハンドル68は起立姿勢(後に説明する図4及び図5を参照)及び横倒し姿勢(図3を参照)をとるものである。横倒し姿勢において、ハンドル68は、磁場発生器の背面側に倒れ込む。保持器50の背面側には溝状の切欠き部50Aが設けられており、その切欠き部50Aを通じて磁場発生器40から伸びるケーブル40bが引き出されている。
【0031】
保持器50は、後述するフレームを除き、例えば樹脂(具体的にはABS樹脂:アクリロニトリル (Acrylonitrile)、ブタジエン (Butadiene)、スチレン (Styrene)共重合合成樹脂)で構成されている。保持器50をそのような樹脂で構成すれば、磁場への影響を無視できる。ハンドル68は、例えばステンレスで構成されている。ステンレスであっても加工その他を原因として磁場に影響を与える場合があり、磁場発生器40の背面側へハンドル68が倒れ込むように構成されている。ハンドル68を樹脂その他の部材で構成してもよい。支持機構48は、金属部材によって構成されている。アタッチメント機構46も同様である。なお、シャフト62には上下方向に一定間隔をもって複数の横穴が設けられている。いずれかの横穴にピン72が挿入される。複数の横穴及びピン72は落下防止手段として機能する。
【0032】
図4を用いて、支持機構48が有する二軸回転構造について説明する。支持機構48は、z方向に伸長した形態を有する棒状のシャフト62、水平方向に伸長した形態を有する水平アーム64、水平アーム64の旋回端部に搭載された回転台74等を有する。回転台74の中心には軸部材66が設けられている。z方向について観察した場合、シャフト62は長尺部材であり、回転台74又はその内部の軸部材66はシャフト62よりもかなり短い短尺部材である。シャフト62の中心軸が第1回転軸76を構成する。軸部材66の中心軸が第2回転軸78を構成する。第1回転軸76と第2回転軸78はいずれもz方向に平行である。
【0033】
なお、それらの間の距離80は、例えば2〜12cmの範囲内にある。シャフト62のz方向の長さ(シャフト62の下端から水平アーム64の下面までの距離)は、例えば15〜数10cmの範囲内にある。水平アーム64の上面から保持器50の下面までの距離は例えば数cmである。本願明細書に記載した数値はいずれも例示である。
【0034】
第1回転軸76周りにおいて、水平アーム64、回転台74及び保持器50が第1の回転運動(旋回運動)を行う。第2回転軸78周りにおいて回転台74及び保持器50が第2の回転運動を行う。第1の回転運動により、手術台と磁場発生器との間の距離が調整される。水平アーム64が手術台側を向いている状態においては、保持器50の前側部分(顎部分)が手術台のクッション部材の上方に迫り出る。第2の回転運動により、磁場発生器の向きを独立して任意に定めることが可能である。符号81はロック機構を示している。ロック機構81は軸部材66の回転運動を止めて保持する機能を有する。ロック機構81は摘みを有し、ロック時及びアンロック時にはその摘みが操作される。
【0035】
図5には、保持装置の背面側が示されている。上記のようにシャフト62には、上下方向に並んで複数の横穴82a,82b,82cが形成されている。個々の横穴82a,82b,82cは貫通孔である。いずれかの横穴にピン72が差し込まれる。アタッチメント機構によるクランプ力が消失した場合、磁場発生器を含む保持装置の全体が下方へ落下するが、その際において、ピン72がアタッチメント機構に当たり、その後それ以上の落下が防止される。アタッチメント機構によるシャフト62の保持高さに応じて、複数の横穴82a,82b,82cの中から、ピン72を差し込む横穴を選択するのが望ましい。もっとも、シャフト62の上端部は肥大しており、それも落下防止手段として機能する。
【0036】
保持器50の後部にはケーブル40bを取り囲むアーチ状のカバー84が設けられている。カバー84内にケーブル40bを通しておくことにより、ケーブル40bの根元を保護でき、また、万が一、磁場発生器が保持器50から外れてしまった場合でも、磁場発生器の落下運動を制限することが可能となる。
【0037】
図6には、保持器50の内部が示されている。保持器50は、皿状の形態を有し、具体的には、平板状の底壁50Bと、その周縁から起立した周壁50Cと、を有する。底壁50Bの中央部の下面側に回転台が連結されている。すなわち、回転台の取り付け部位を中心として、底壁50Bが水平方向に広がっている。保持器50の内部にはフレーム86が配置されている。フレーム86は例えばステンレスにより構成される。フレーム86の左右端部が起立しており、その左右端部に水平軸70が設けられている。水平軸70を回転中心としてハンドル68が回転運動する。図6においてハンドル68は起立姿勢にあり、そこから背面側にハンドル68が倒れ込む。これによりハンドル68の横倒れ姿勢が生じる。
【0038】
フレーム86の前部には、右側及び左側に一対のフック88が設けられている。図7に示されるように、磁場発生器の下部は水平方向に若干張り出て一対の突起部40cが構成されている。一対の突起部40cが一対のフック88に差し込まれ、磁場発生器とフレームとの係合状態が生じる。磁場発生器の背面側底部には例えば2つのネジ止め用の穴が形成されており、それらの穴を利用して磁場発生器がその背面側においてネジ止めされる。このように、磁場発生器の前側及び後側において磁場発生器が保持器に固定される。
【0039】
図8には、シャフト(標準シャフト)62を備えた保持装置が示されている。手術台ベース12A上にはクッション部材90が設けられている。保持器50の前部がクッション部材90の上面側に迫り出て、あるいは、その上面に載置されるように、保持器50の高さ及び向きが調整されている。保持器50は支持機構48によって支持されている。支持機構48のシャフト62がアタッチメント機構46によって保持されている。アタッチメント機構46によるシャフト62のクランプ位置を調整することにより、クッション部材90の厚みに応じて、保持器50の高さを容易に調整し得る。
【0040】
図9には、ロングシャフト92を備えた保持装置が示されている。手術台ベース12A上には、かなり厚いクッション部材94が設けられている。図9に示す例においても、保持器50の前部がクッション部材94の上面側に迫り出ており、あるいは、その上面に載置されるように、保持器50の高さ及び向きが調整されている。支持機構48はロングシャフト92を有しており、保持器50がかなり高い位置において保持されている。この構成例でも、アタッチメント機構46によるシャフトのクランプ位置を調整することにより、クッション部材94の厚みに応じて、保持器50の高さを容易に調整し得る。
【0041】
図10を用いて、上記の二軸回転構造の作用について説明する。図10は模式図であり、(A)、(B)及び(C)は3つの状態を示している。上記のように、支持機構48により、保持器50のy方向位置を調整することが可能であり、また、保持器50の向きを調整することが可能である。ちなみに、レールに対するアタッチメント機能の取り付け位置の変更によって保持器50のx方向位置を調整することが可能である。図10において、符号62はシャフトを示しており、符号66は回転台中の軸部材を示している。
【0042】
(A)、(B)及び(C)に示す状態において、保持器50の向きはほぼ同じである。水平アーム64の旋回角度にかかわらず、軸部材66による保持器50の回転により、その向きを独立して調整し得る。水平アーム64の旋回角度により、保持器50のy方向位置が変更される。手術台ベースの左側端のx方向位置が符号100で示されている。
【0043】
(A)に示す状態おいては、水平アーム64がx方向正側を向いており、保持器50がx方向へ大きく迫り出ている。その最大突出位置が符号102で示されている。突出量が符号104で示されている。(B)に示す状態おいては、水平アーム64がやや後側へ旋回しており、保持器50の最大突出位置102は(A)で示した最大突出位置102よりもY方向負側にシフトしている。その際の突出量が符号106で示されている。(C)に示す状態においては、水平アーム64がy方向負側へ旋回しており、その際の最大突出位置102はマイナス側となっている。すなわち、マイナスの突出量108が生じている。
【0044】
以上のように、支持機構が二軸回転構造を有しているので、手術台あるいは患者からの磁場発生器の距離を可変することが可能である。特に、患者に対して磁場発生器を近付けることを容易に行える。しかも、患者に対する磁場発生器の位置によらずに、磁場発生器の向きを調整することが可能である。これにより、磁場発生器について定められている推奨空間を超音波プローブ運動空間に容易に整合させ得る。
【0045】
図11には、第1変形例が示されている。保持装置110は、支持機構112及び保持器114を有している。支持機構112は図2等に示した支持機構48に相当する。保持器114は小型に形成されており、それによって小型の磁場発生器116が保持されている。保持対象に応じて保持器114のサイズが定められる。保持器を交換可能に構成してもよい。
【0046】
図12には、第2変形例が示されている。保持装置120は、支持機構122及び保持器124を有している。支持機構122は、垂直片126A、水平片126B及び台座126Cを有している。台座126Cとして回転台座を用いるのが望ましい。垂直片126Aは、矩形の水平断面を有し、それはアタッチメント機能における矩形の開口に差し込まれ、クランプされる。この構成を採用した場合、クランク形態によって、磁場発生器の位置を患者へ近付けることが可能である。距離及び向きの調整の観点からは図2等に示した構成及び図11に示した構成を採用するのが望ましい。
【0047】
実施形態に係る保持装置によれば、既存のレール及びアタッチメント機構を活用して、磁場発生器を設置することが可能である。保持装置を小型化できるので、その設置の自由度を高められる。特に、磁場発生器を所望の位置に所望の向きで簡便に設置できる。実施形態においては、周壁が磁場発生器の周囲を取り囲んでおり、周壁がガード壁として機能する。これにより、磁場発生器に対する部材や生体の接触、衝突が防止又は軽減される。接触、衝突の問題が生じないような場合でも、比較的に重い磁場発生器が周壁により囲まれていれば、患者その他の者に安心感を与えられる。磁場発生器の動作時において、ハンドルが磁場発生器の背面側に倒れ込むので、ハンドルによる磁場への悪影響が回避され又は緩和される。磁場発生器の背面側に周壁が設けられていない箇所があっても、倒れ込み姿勢にあるハンドルによりその箇所がガードされる。
【符号の説明】
【0048】
40 磁場発生器、42 保持装置、44 レール、46 アタッチメント機構、48 支持機構、50 保持器、68 ハンドル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12