特開2020-48929(P2020-48929A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-48929(P2020-48929A)
(43)【公開日】2020年4月2日
(54)【発明の名称】医療用トレイ
(51)【国際特許分類】
   A61B 50/33 20160101AFI20200306BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20200306BHJP
【FI】
   A61B50/33
   A61M25/00
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-181918(P2018-181918)
(22)【出願日】2018年9月27日
(71)【出願人】
【識別番号】313017528
【氏名又は名称】日商産業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504300181
【氏名又は名称】国立大学法人浜松医科大学
(74)【代理人】
【識別番号】100120396
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】漆田 毅
(72)【発明者】
【氏名】小島 隆行
(72)【発明者】
【氏名】加藤 純一
【テーマコード(参考)】
4C167
4C267
【Fターム(参考)】
4C167AA34
4C167HH07
4C167HH08
4C167HH21
4C267AA34
4C267HH07
4C267HH08
4C267HH21
(57)【要約】
【課題】 水中操作時にカテーテルをシースにスムーズに挿入可能で扱い易く、空気混入を抑制することができる医療用トレイを提供すること。
【解決手段】 底部2aと底部2aを囲んで設けられた外周壁部2b,2cとを有するトレイ本体2と、互いに対向する外周壁部2b,2cの部分から互いに逆方向に突出した一対の突出部3A,3Bとを備え、突出部3A,3Bが、突出方向に延在しカテーテルの一部又はシースの一部が載置可能なガイド溝4を有している。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部と前記底部を囲んで設けられた外周壁部とを有するトレイ本体と、
互いに対向する前記外周壁部の部分から互いに逆方向に突出した一対の突出部とを備え、
前記突出部が、突出方向に延在しカテーテルの一部又はシースの一部が載置可能なガイド溝を有していることを特徴とする医療用トレイ。
【請求項2】
請求項1に記載の医療用トレイにおいて、
前記ガイド溝の溝深さが、前記突出部の先端から基端に向けて漸次深く設定されていることを特徴とする医療用トレイ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の医療用トレイにおいて、
前記ガイド溝の溝幅が、前記突出部の先端から基端に向けて漸次広く設定されていることを特徴とする医療用トレイ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の医療用トレイにおいて、
一対の前記突出部のうち一方が、他方よりも前記突出部の先端における前記ガイド溝の溝幅が広く設定され前記シースのグリップが載置可能とされていることを特徴とする医療用トレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器具であるカテーテルを体内に挿入する際の補助器具として用いる医療用トレイである。
【背景技術】
【0002】
心臓カテーテル手術、特に静脈を経由して行うことの多い不整脈手術は、高い有効性の反面、空気塞栓による脳梗塞・心筋梗塞・ショック等のリスクがある。近年、医療技術の進歩の反面、カテーテルデバイスは逆に次第に太くなっており、空気塞栓が発症しやすい状況となっている。
【0003】
カテーテルやシースを介して空気の体内への混入理由は様々であるが、シースにカテーテルを挿入する際、あるいは手技中にシースとカテーテルとの同軸性が保てず、シースのバルブとカテーテルとの間が陰圧に対して脆弱になる条件下で、かつ深吸気による胸腔内陰圧の条件が重なることで、体内への空気混入が発生すると考えられている。これを防ぐために、従来、シースにカテーテルを挿入する際に水中操作することが行われている。
【0004】
例えば、特許文献1〜3には、カテーテルやガイドワイヤなど血管内に挿入される器具を予め生理食塩水等に浸しておくことにより、血管内への空気の混入を防ぐ作業が行うための医療用トレイが記載されている。これらの医療用トレイは、底板とその周囲を囲むように設けられた壁部材とを有する箱体であり、この中に生理食塩水等が満たされ、カテーテルやガイドワイヤ等の器具が浸漬される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−287798号公報
【特許文献2】特開2011−200384号公報
【特許文献3】特開2011−182864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、上記従来の医療用トレイでは、単なる箱型形状であるため、生理食塩水等を満たした状態でシースにカテーテルを挿入する際、スムーズに操作してカテーテルを挿入することが難しく、扱いづらいことから空気混入するおそれがあった。
【0007】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、水中操作時にカテーテルをシースにスムーズに挿入可能で扱い易く、空気混入を抑制することができる医療用トレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係る医療用トレイは、底部と前記底部を囲んで設けられた外周壁部とを有するトレイ本体と、互いに対向する前記外周壁部の部分から互いに逆方向に突出した一対の突出部とを備え、前記突出部が、突出方向に延在しカテーテルの一部又はシースの一部が載置可能なガイド溝を有していることを特徴とする。
【0009】
この医療用トレイでは、一対の突出部が、突出方向に延在しカテーテルの一部又はシースの一部が載置可能なガイド溝を有しているので、トレイ本体に生理食塩水等を満たした状態でカテーテルをシースに挿入する水中操作を行う際、一対の突出部のうち一方のガイド溝上にシースの一部(グリップ部分等)を載置すると共に、一対の突出部のうち他方のガイド溝上にカテーテルを通してその一部を載置することができる。これにより、水中操作時に一方の突出部のガイド溝でシースが保持されると共に、他方の突出部のガイド溝によりカテーテルがガイドされることで、扱い易くなり、カテーテルのシースへの挿入操作をスムーズかつ同軸性を保持しつつ安定して行うことができ、空気混入を抑制することが可能になる。
【0010】
第2の発明に係る医療用トレイは、第1の発明において、前記ガイド溝の溝深さが、前記突出部の先端から基端に向けて漸次深く設定されていることを特徴とする。
すなわち、この医療用トレイでは、ガイド溝の溝深さが、突出部の先端から基端に向けて漸次深く設定されているので、ガイド溝が先端から基端のトレイ本体に向けて下方に傾いた傾斜面とされ、シースにカテーテルを挿入する際、ガイド溝内のカテーテル及びシースがトレイ本体の底面に向かって傾斜した状態で延在することになり、トレイ本体内での挿入操作をよりスムーズに行うことが可能になる。
【0011】
第3の発明に係る医療用トレイは、第1又は第2の発明において、前記ガイド溝の溝幅が、前記突出部の先端から基端に向けて漸次広く設定されていることを特徴とする。
すなわち、この医療用トレイでは、ガイド溝の溝幅が、突出部の先端から基端に向けて漸次広く設定されているので、突出部の基端側では溝幅が広く余裕があることでガイド溝内のカテーテル及びシースの自由度が高くなり、トレイ本体内での挿入操作がし易くなると共に、突出部の先端側では溝幅が絞れていることで突出部の外側に延在するカテーテル及びシースを安定させることができる。また、ガイド溝の溝幅が基端に向けて漸次広くなっているので、様々な太さのシースにも対応することが可能になる。
【0012】
第4の発明に係る医療用トレイは、第1から第3の発明のいずれかにおいて、一対の前記突出部のうち一方が、他方よりも前記突出部の先端における前記ガイド溝の溝幅が広く設定され前記シースのグリップが載置可能とされていることを特徴とする。
すなわち、この医療用トレイでは、一対の突出部のうち一方が、他方よりも突出部の先端におけるガイド溝の溝幅が広く設定されシースのグリップが載置可能とされているので、カテーテルよりも太いシースのグリップを溝幅が広いガイド溝により安定して保持することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る医療用トレイによれば、一対の突出部が、突出方向に延在しカテーテルの一部又はシースの一部が載置可能なガイド溝を有しているので、トレイ本体に生理食塩水等を満たした状態でカテーテルをシースに挿入する水中操作を行う際、扱い易くなり、カテーテルのシースへの挿入操作をスムーズかつ同軸性を保持しつつ安定して行うことができる。
したがって、本発明の医療用トレイを用いることで、水中操作時においてカテーテルやシースを介した体内への空気混入を抑制することができ、空気塞栓による脳梗塞・心筋梗塞・ショック等のリスクを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る医療用トレイの一実施形態を示す斜視図である。
図2】本実施形態において、医療用トレイを示す平面図である。
図3】本実施形態において、医療用トレイを示す正面図である。
図4】本実施形態において、医療用トレイを示す左側面図(a)及び右側面図(b)である。
図5】本実施形態の医療用トレイを用いて、シースへのカテーテルの挿入操作を模擬的に行っている状態を撮影した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る医療用トレイの一実施形態を、図1から図5を参照しながら説明する。
【0016】
本実施形態の医療用トレイ1は、図1から図5に示すように、底部2aと底部2aを囲んで設けられた4つの外周壁部2b,2cとを有するトレイ本体2と、互いに対向する外周壁部2b,2cの部分から互いに逆方向に突出した一対の突出部3A,3Bとを備えている。
上記突出部3A,3Bは、突出方向に延在しカテーテルの一部又はシースの一部が載置可能なガイド溝4を有している。
【0017】
上記ガイド溝4の溝深さDは、図3に示すように、突出部3A,3Bの先端から基端に向けて漸次深く設定されている。すなわち、ガイド溝4の溝深さDは、トレイ本体2の底部2aに向けて先端から下方に傾斜した傾斜面である。
また、ガイド溝4の溝幅Wは、図2に示すように、突出部3A,3Bの先端から基端に向けて漸次広く設定されている。
このように一対の突出部3A,3Bは、先細形状を有したノーズ部である。
【0018】
さらに、一対の突出部3A,3Bのうち一方(突出部3A)は、図2に示すように、他方(突出部3B)よりも突出部3Aの先端におけるガイド溝4の溝幅Wが広く設定されシースのグリップが載置可能とされている。
上記トレイ本体2は、平面視長方形状とされ、長方形の短辺側に一対の外周壁部2bが対向状態に設けられていると共に、長方形の長辺側に一対の外周壁部2cが対向状態に設けられている。
【0019】
外周壁部2b,2cの上端部は、下部よりも厚く形成され、面取りされている。
このトレイ本体2は、PP(ポリプロピレン)等の樹脂で形成されており、強度向上のため、二重成形で形成されている。
また、トレイ本体2は、水中操作がし易い程度の大きさ及び深さに設定されている。すなわち、トレイ本体2内に生理食塩水等の水を満たした状態で、水中でシースにカテーテルを両手で挿入操作し易い大きさ及び深さに設定される。
【0020】
本実施形態の医療用トレイ1を使用してシースにカテーテルを挿入する場合、まずトレイ本体2内に生理食塩水等の水を満たしておく。この状態で、図5に示すように、一対の突出部3A,3Bのうち一方(突出部3A)のガイド溝4にシースのグリップを載置すると共に、グリップの先端をトレイ本体2内の水中に沈める。一対の突出部3A,3Bのうち他方(突出部3B)のガイド溝4上にカテーテルを通し、その先端をトレイ本体2内の水中に沈める。
【0021】
このようにシースのグリップ先端とカテーテル先端との両方をトレイ本体2内の水中に沈めた状態で、シースのグリップ内にカテーテルの先端を挿入していく。このとき、シースのグリップは、突出部3Aのガイド溝4に嵌まった状態で保持されていると共に、カテーテルは、突出部3Aとは反対側の突出部3Bのガイド溝4によりガイドされてスムーズに挿入操作される。
なお、図5に示す写真は、撮影の都合上、トレイ本体に水を張らない状態で挿入操作を模擬的に行って撮影したものである。
【0022】
このように本実施形態の医療用トレイ1では、一対の突出部3A,3Bが、突出方向に延在しカテーテルの一部又はシースの一部が載置可能なガイド溝4を有しているので、トレイ本体2に生理食塩水等の水を満たした状態でカテーテルをシースに挿入する水中操作を行う際、一対の突出部3A,3Bのうち一方(突出部3A)のガイド溝4上にシースの一部(グリップ部分等)を載置すると共に、一対の突出部3A,3Bのうち他方(突出部3B)のガイド溝4上にカテーテルを通してその一部を載置することができる。
【0023】
これにより、水中操作時に一方の突出部3Aのガイド溝4でシースが保持されると共に、他方の突出部3Bのガイド溝4によりカテーテルがガイドされることで、扱い易くなり、カテーテルのシースへの挿入操作をスムーズかつ安定して行うことができ、空気混入を抑制することが可能になる。
【0024】
また、ガイド溝4の溝深さDが、突出部3A,3Bの先端から基端に向けて漸次深く設定されているので、ガイド溝4が先端から基端のトレイ本体2に向けて下方に傾いた傾斜面とされ、シースにカテーテルを挿入する際、ガイド溝4内のカテーテル及びシースがトレイ本体2の底面に向かって傾斜した状態で延在することになり、トレイ本体2内での挿入操作をよりスムーズに行うことが可能になる。
【0025】
また、ガイド溝4の溝幅Wが、突出部3A,3Bの先端から基端に向けて漸次広く設定されているので、突出部3A,3Bの基端側では溝幅Wが広く余裕があることでガイド溝4内のカテーテル及びシースの自由度が高くなり、トレイ本体2内での挿入操作がし易くなると共に、突出部3A,3Bの先端側では溝幅Wが絞れていることで突出部3A,3Bの外側に延在するカテーテル及びシースを安定させることができる。また、ガイド溝4の溝幅Wが基端に向けて漸次広くなっているので、様々な太さのシースにも対応することが可能になる。
【0026】
さらに、一対の突出部3A,3Bのうち一方(突出部3A)が、他方よりも突出部(突出部3B)の先端におけるガイド溝4の溝幅Wが広く設定されシースのグリップが載置可能とされているので、カテーテルよりも太いシースのグリップを溝幅Wが広いガイド溝4により安定して保持することができる。
【0027】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0028】
例えば、上記実施形態では平面視長方形状のトレイ本体を採用しているが、他の形状、例えば平面視楕円形状等のトレイ本体を採用しても構わない。この場合、トレイ本体は底部を楕円形状の外周壁部が囲んで構成される。
また、本発明の医療用トレイは、シースへのカテーテルの挿入操作に使用するが、シースへのガイドワイヤの挿入にも使用される。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の医療用トレイは、医療器具であるカテーテルをシースに挿入する際の補助器具として用いるものであり、トレイに満たした生理食塩水等の水中でシース内にカテーテルを挿入する操作を補助するものである。特に、本発明の医療用トレイは、常に水中でシースへのカテーテル挿入の操作が可能になり、空気混入を予防することができるカテーテル専用トレイである。
【符号の説明】
【0030】
1…医療用トレイ、2…トレイ本体、2a…底部、2b,2c…外周壁部、3A,3B…突出部、4…ガイド溝、D…ガイド溝の溝深さ、W…ガイド溝の溝幅
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2019年11月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部と前記底部を囲んで設けられた外周壁部とを有するトレイ本体と、
記外周壁部の部分から出し突出部とを備え、
前記突出部が、突出方向に延在しカテーテルの一部又はシースの一部が載置可能なガイド溝を有していることを特徴とする医療用トレイ。
【請求項2】
請求項1に記載の医療用トレイにおいて、
前記ガイド溝の溝深さが、前記突出部の先端から基端に向けて漸次深く設定されていることを特徴とする医療用トレイ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の医療用トレイにおいて、
前記ガイド溝の溝幅が、前記突出部の先端から基端に向けて漸次広く設定されていることを特徴とする医療用トレイ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の医療用トレイにおいて、
互いに対向する前記外周壁部の部分から互いに逆方向に突出した一対の前記突出部が設けられていることを特徴とする医療用トレイ。
【請求項5】
請求項に記載の医療用トレイにおいて、
一対の前記突出部のうち一方が、他方よりも前記突出部の先端における前記ガイド溝の溝幅が広く設定され前記シースのグリップが載置可能とされていることを特徴とする医療用トレイ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係る医療用トレイは、底部と前記底部を囲んで設けられた外周壁部とを有するトレイ本体と、記外周壁部の部分から出し突出部とを備え、前記突出部が、突出方向に延在しカテーテルの一部又はシースの一部が載置可能なガイド溝を有していることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
この医療用トレイでは、出部が、突出方向に延在しカテーテルの一部又はシースの一部が載置可能なガイド溝を有しているので、トレイ本体に生理食塩水等を満たした状態でカテーテルをシースに挿入する水中操作を行う際、出部ガイド溝上にシースの一部(グリップ部分等)を載置、又はカテーテルを通してその一部を載置することができる。これにより、水中操作時に出部のガイド溝でシースが保持される、又はカテーテルがガイドされることで、扱い易くなり、カテーテルのシースへの挿入操作をスムーズかつ同軸性を保持しつつ安定して行うことができ、空気混入を抑制することが可能になる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
第4の発明に係る医療用トレイは、第1から第3の発明のいずれかにおいて、互いに対向する前記外周壁部の部分から互いに逆方向に突出した一対の前記突出部が設けられていることを特徴とする。
すなわち、この医療用トレイでは、一対の突出部が、突出方向に延在しカテーテルの一部又はシースの一部が載置可能なガイド溝を有しているので、トレイ本体に生理食塩水等を満たした状態でカテーテルをシースに挿入する水中操作を行う際、一対の突出部のうち一方のガイド溝上にシースの一部(グリップ部分等)を載置すると共に、一対の突出部のうち他方のガイド溝上にカテーテルを通してその一部を載置することができる。これにより、水中操作時に一方の突出部のガイド溝でシースが保持されると共に、他方の突出部のガイド溝によりカテーテルがガイドされることで、扱い易くなり、カテーテルのシースへの挿入操作をスムーズかつ同軸性を保持しつつ安定して行うことができ、空気混入を抑制することが可能になる。
の発明に係る医療用トレイは、第の発明のいずれかにおいて、一対の前記突出部のうち一方が、他方よりも前記突出部の先端における前記ガイド溝の溝幅が広く設定され前記シースのグリップが載置可能とされていることを特徴とする。
すなわち、この医療用トレイでは、一対の突出部のうち一方が、他方よりも突出部の先端におけるガイド溝の溝幅が広く設定されシースのグリップが載置可能とされているので、カテーテルよりも太いシースのグリップを溝幅が広いガイド溝により安定して保持することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る医療用トレイによれば、出部が、突出方向に延在しカテーテルの一部又はシースの一部が載置可能なガイド溝を有しているので、トレイ本体に生理食塩水等を満たした状態でカテーテルをシースに挿入する水中操作を行う際、扱い易くなり、カテーテルのシースへの挿入操作をスムーズかつ同軸性を保持しつつ安定して行うことができる。
したがって、本発明の医療用トレイを用いることで、水中操作時においてカテーテルやシースを介した体内への空気混入を抑制することができ、空気塞栓による脳梗塞・心筋梗塞・ショック等のリスクを低減することができる。