【実施例】
【0309】
本開示はさらに、限定として解釈されるべきではない、下記実施例により例示される。本実施例は、本明細書に記載のいずれかの態様を、いずれかの様式により、単に例示しており、これに限定されることを意図しない。下記実施例は、決して本発明の限定ではない。
実施例1:化合物2の合成
【化46】
【0310】
試薬及び条件:i)p−トルエンスルホニルクロリド、4−ジメチルアミノピリジン、Et
3N、DCM、5時間、室温;ii)6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸、臭化テトラブチルアンモニウム、Et
3N、DMF、20時間、90℃。
【0311】
2−(2−メチル−5−ニトロ−1H−イミダゾール−1−イル)エチル 4−メチルベンゼンスルホン酸エステル(A):2−(2−メチル−5−ニトロ−1H−イミダゾール−1−イル)エタン−1−オール(15g、88mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(1.8g、15mmol)及びトリエチルアミン(56ml、400mmol)を、DCM(280ml)中に溶解し、DCM中のp−トルエンスルホニルクロリド(23g、121mmol)の溶液を、0℃でゆっくり添加した。次にこの反応混合物を、室温で5時間撹拌した。完了後、反応混合物を、5%HCl、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、ブラインにより、連続して洗浄し、最後に硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒の蒸発時にAを、帯黄白色固形物(27g、94%)として得た。
1H NMR (CDCl
3): δ 7.81 (s, 1H, ArH), 7.60 (d, 2H, J
AB = 8.4 Hz, ArH), 7.30 (d, 2H, J
AB = 8.4 Hz, ArH), 4.54 (t, 2H, J
AB = 4.8 Hz, CH
2N), 4.37 (t, 2H, J
AB = 4.8 Hz, CH
2N), 2.52 (s, 3H, CH
3), 2.45 (s, 3H, CH
3)。
【0312】
6−フルオロ−1−メチル−7−(4−(2−(2−メチル−5−ニトロ−1H−イミダゾール−1−イル)エチル)ピペラジン−1−イル)−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(2):6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(3g、8.60mmol)を、DMF(50ml)中にアルゴン大気下で懸濁し、90℃で加熱した。透明な溶液を得た後、トリエチルアミン(2.4ml、17.10mmol)、化合物A(2.12g、6.50mmol)及び臭化テトラブチルアンモニウム(107mg、0.33mmol)を添加した。次に、この反応混合物を、90℃でさらに20時間加熱した。反応の完了後、これを室温まで冷却させ、酢酸エチルをこの反応混合物へ添加した。得られた沈殿を濾過し、濾液を蒸発乾固させた。この粗塊を、DCM及びメタノール中に再溶解させ、過剰量のジエチルエーテルを、この溶液へ添加し、茶色塊を得、これをシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、純粋な化合物2を、3%メタノール−DCM混合液によりベージュ色固形物(250mg)として溶出し、単離収率8%であった。
1H NMR (CDCl
3): δ 14.23 (brs, 1H, COOH), 7.92 (s, 1H, ArH), 7.89 (d, 1H, J
AB = 12.0 Hz, ArH), 6.38 (d, 1H, J
AB = 8 Hz, ArH), 6.09 (q, 1H, J
AB = 4 Hz,SCHN), 4.51-4.41 (m, 2H, NCH
2), 3.26-3.20 (m, 4H, CH
2N), 2.74 (t, 2H, J
AB = 4 Hz, NCH
2), 2.69-2.67 (m, 4H, CH
2N), 2.20 (d, 3H, J
AB = 4 Hz, CH
3)。ESI-MS (m/z): 503.20 (M+H)。
実施例2:化合物6の合成
【化47】
【0313】
試薬及び条件:i)クロロアセチルクロリド、Et
3N、CH
3CN、4時間、室温;ii)6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸、Et
3N、DMF、一晩、室温。
【0314】
2−クロロ−N−(5−ニトロチアゾール−2−イル)−アセトアミド(A):アセトニトリル中の5−ニトロチアゾール−2−アミン(2g、13.80mmol)及びトリエチルアミン(2.85ml、20.60mmol)の撹拌溶液へ、クロロアセチルクロリド(1.44ml、17.80mmol)を、0℃でゆっくり添加し、反応混合物を、室温で4時間撹拌した。次に溶媒を、減圧で蒸発させ、酢酸エチルにより抽出した。有機層を、1N HCl、ブラインで洗浄し、最後に硫酸ナトリウム上で乾燥させ、化合物Aを得、これをさらに精製することなく次反応のために直接使用した(2.6g、85%)。
1H NMR (CDCl
3): δ 8.29 (s, 1H, ArH), 4.28 (s, 1H, CH
2)。
【0315】
6−フルオロ−1−メチル−7−(4−(2−((5−ニトロチアゾール−2−イル)アミノ)−2−オキソエチル)ピペラジン−1−イル)−4−オキソ−1H,4H−[1,3]−チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(6):DMF(20ml)中の6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(1.70g、4.87mmol)及びトリエチルアミン(1.33ml、9.62mmol)の撹拌溶液へ、DMF中の化合物A(1.63g、7.33mmol)の溶液を添加し、反応混合物を、室温で一晩撹拌した。過剰な酢酸エチルを、この反応混合物へ添加し、1N HClで洗浄した。有機層の蒸発後、粗塊を、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。化合物6が、6%メタノール−DCM混合液中に溶出し、黄色固形物(514mg、20%)を得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 14.63 (brs, 1H, COOH), 8.61 (s, 1H, ArH), 7.87 (d, 1H, J
AB = 13.6 Hz, ArH), 6.94 (d, 1H, J
AB = 7.2 Hz, ArH), 6.38 (q, 1H, J
AB = 6 Hz,SCHN), 3.57 (s, 2H, COCH
2), 2.81-2.66 (m, 4H, NCH
2), 2.12 (d, 3H, J
AB = 6 Hz, CH
3)。ESI-MS (m/z): 535.07 (M+H)。
実施例3:化合物10の合成
【化48】
試薬及び条件:i)水素化ホウ素ナトリウム、メタノール、1時間、室温;ii)三臭化リン、DCM、1時間、室温;iii)6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸、Et
3N、DMF、一晩、室温。
【0316】
(5−ニトロフラン−2−イル)メタノール(A):無水メタノール(10ml)中の5−ニトロフラン−2−カルバルデヒド(794mg、5.63mmol)の溶液へ、水素化ホウ素ナトリウム(320mg、8.44mmol)を、少しずつ、0℃で添加した。次に反応混合物を、室温でさらに1時間撹拌した。完了後、反応混合物を、3N HClで酸性とし、酢酸エチルにより抽出した。有機層を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、最後に溶媒を真空下で蒸発させ、化合物Aを得た。これを、さらに精製することなく次工程で使用した(670mg、83%)。
【0317】
2−(ブロモメチル)−5−ニトロフラン(B):DCM(20ml)中のA(928mg、6.50mmol)の撹拌溶液へ、三臭化リン(0.80ml、8.40mmol)を、0℃でゆっくり添加し、反応混合物を、室温で1時間撹拌した。完了時に、反応混合物を、粉砕氷へ注ぎ、炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、DCMにより抽出し、これを蒸発させ、単離収率60%で、化合物B(800mg)を得た。
1H NMR (CDCl
3): δ 7.29 (d, 1H, J
AB= 3.5 Hz, ArH), 6.65 (d, 1H, J
AB= 3.5 Hz, ArH), 4.49 (s, 2H, CH
2)。
【0318】
6−フルオロ−1−メチル−7−(4−((5−ニトロフラン−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]−キノリン−3−カルボン酸(10):DMF(10ml)中の6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(650mg、1.86mmol)及びトリエチルアミン(0.39ml、2.80mmol)の撹拌溶液へ、DMF中のB(480mg、2.30mmol)の溶液を添加し、反応混合物を、室温で一晩撹拌した。過剰な酢酸エチルを、この反応混合物へ添加し、1N HClで洗浄した。有機層を蒸発させ、粗塊を得、これを3%メタノール−DCM溶出液によるシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、最終化合物10を淡黄色固形物(450mg、50%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 14.37 (s, 1H, COOH), 7.52 (d, 1H, J
AB = 14 Hz ArH), 7.42 (d, 1H, J
AB = 3.5 Hz, ArH), 6.65 (d, 1H, J
AB = 7.5 Hz, ArH), 6.54 (d, 1H, J
AB = 3.5 Hz, ArH), 6.10 (q, 1H, J
AB = 6 Hz,SCHN), 3.49 (s, 2H, NCH
2), 3.07-3.03 (m, 4H, CH
2N), 2.39-2.38 (m, 4H, CH
2N), 1.83 (d, 3H, J
AB = 5.5 Hz, CH
3)。ESI-MS (m/z): 475.09 (M+H)。
実施例4:化合物11の合成
【化49】
試薬及び条件:i)塩化オキサリル、DCM、3時間、室温;ii)6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸、Et
3N、DMF、18時間、室温。
【0319】
5−ニトロフラン−2−カルボニルクロリド(A):DCM(10ml)中の5−ニトロフラン−2−カルボン酸(450mg、2.90mmol)の氷冷した溶液へ、塩化オキサリル(2.50L、29mmol)を添加し、引き続き触媒量のDMFを0℃で添加し、この反応混合物を、室温で3時間撹拌させた。完了時に、溶媒を減圧下で蒸発させ、酸クロリドAを定量的収量(498mg)で得た。
【0320】
6−フルオロ−1−メチル−7−(4−(5−ニトロフラン−2−カルボニル)ピペラジン−1−イル)−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]−キノリン−3−カルボン酸(11):DMF中の6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(1.2g、3.44mmol)の撹拌溶液へ、トリエチルアミン(0.80ml、5.7mmol)を添加し、引き続きDMF中のA(500mg、2.80mmol)を0℃で添加した。次に反応混合物を、室温で18時間撹拌した。反応の完了後、過剰な酢酸エチルを、この反応混合物へ添加し、固形物を濾過した。溶媒の蒸発時に、生じた粗物質を、3%メタノール−DCM溶出液によるシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、最終的に化合物11を帯黄白色固形物(235mg、14%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 14.63 (brs, 1H, COOH), 7.85 (d, 1H, J
AB = 13.5 Hz, ArH), 7.82 (d, 1H, J
AB = 4 Hz, ArH), 7.36 (d, 1H, J
AB = 4 Hz, ArH), 6.99 (d, 1H, J
AB = 7.5 Hz, ArH), 6.38 (q, 1H, J
AB = 6 Hz,SCHN), 3.98-3.78 (m, 2H, NCH
2), 3.46-3.38 (m, 4H, CH
2N), 2.13 (d, 3H, J
AB = 6.5 Hz, CH
3)。ESI-MS (m/z): 489.18 (M+H)。
実施例5:化合物16の合成
【化50】
試薬及び条件:i)塩化オキサリル、DCM、3時間、室温;ii)7−[(3R)−3−アミノアゼパム−1−イル]−8−クロロ−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸塩酸塩、Et
3N、DMF、室温、18時間。
【0321】
5−ニトロフラン−2−カルボニルクロリド(A):DCM(10ml)中の5−ニトロフラン−2−カルボン酸(450mg、2.9mmol)の氷冷した溶液へ、塩化オキサリル(2.50ml、29mmol)を添加し、引き続き触媒量のDMFを0℃で添加した。反応混合物を、さらに3時間室温で撹拌させ、最終的に溶媒を減圧下で蒸発させ、化合物Aを定量的収量で得た(498mg)。
【0322】
7−[(3R)−3−(5−ニトロフラン−2−カルボキサミド)アゼパン−1−イル)−l]−8−クロロ−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(16):DMF中の7−[(3R)−3−アミノアゼパム−1−イル]−8−クロロ−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸塩酸塩(900mg、3.28mmol)及びトリエチルアミン(0.88ml、6.27mmol)の懸濁液に、化合物A(364mg、3.28mmol)を0℃で添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。完了時に、溶媒を蒸発させ、酢酸エチルにより抽出した。蒸発後に、得られた粗固形物を、2%DCM−MeOH溶出液を使用する、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、16を帯黄白色固形物(185mg、17%)として得た。
1H NMR (CDCl
3): δ 14.23 (brs, 1H, COOH), 8.96 (s, 1H, CH), 8.14 (d, 1H, J
AB = 8 Hz, ArH), 7.72 (brs, 1H, NH), 7.34 (d, 1H, J
AB = 3.5 Hz, ArH), 7.21 (d, 1H, J
AB = 3.5 Hz, ArH), 4.52-4.46 (m, 1H, CpHN), 4.45-4.36 (m, 1H, NCH), 3.86 (d, 2H, J
AB= 15 Hz, NCH
2), 3.36-3.18 (m, 4H, CH
2N), 2.14-2.06 (m, 2H, CH
2), 1.93-1.75 (m, 4H, CH
2), 1.46-1.38 (m, 1H, CpCH
2), 1.33-1.28 (m, 1H, CpC’H
2), 1.24-1.16 (m, 1H, CpCH
2), 0.99-0.91 (m, 1H, CpC’H
2)。ESI-MS (m/z): 555.05 (M+H)。
実施例6:化合物18の合成
【化51】
試薬及び条件:i)グリコール酸、6N HCl、一晩、還流;ii)臭化チオニル、DMF、ベンゼン、18時間、還流;iii)6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸、Et
3N、DMF、室温、18時間。
【0323】
(6−ニトロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−メタノール(A):6N塩化水素(50ml)中の1,2−ジアミノ−4−ニトロベンゼン(5.00g、32.60mol)及びグリコール酸(3.72g、49mol)の溶液を、一晩還流した。この反応混合物を冷却し、10%水酸化ナトリウム溶液により中和した。沈殿を濾過し、乾燥させ、Aを淡茶色固形物(5g、80%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 13.04 (bs, 1H, NH), 8.37 (s 1H, ArH), 8.07 (d, 1H, dd, J
AB = 10 Hz, ArH), 7.65 (d, 1H, J = 5 Hz, ArH), 5.94 (bs, 1H, NH), 4.76 (s, 2H, CH
2)。
【0324】
2−(ブロモメチル)−6−ニトロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(B):ベンゼン中のA(300mg、1.55mmol)の撹拌溶液へ、臭化チオニル(0.16ml、2mmol)及び触媒量のDMF(0.20ml)を、0℃で添加し、反応混合物を、18時間還流した。完了後、溶媒を蒸発させ、粗物質を、DCM中に溶解した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させ、粗塊を得、これをシリカカラムクロマトグラフィーによりさらに精製し、化合物Bを、2%メタノール−DCM溶出液中で、帯黄白色固形物(330mg、84%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 8.48 (d, 1H, J
AB =2.0 Hz, ArH), 8.14 (dd, 1H, J
AB = 8.75 Hz, J
m = 2.5 Hz, ArH), 7.74 (d, 1H, J
AB =9 Hz, ArH), 4.86 (s, 2H, CH
2)。
【0325】
6−フルオロ−1−メチル−7−(4−((6−ニトロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(18):DMF(10ml)中の6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(690mg、1.98mmol)の撹拌溶液へ、トリエチルアミン(0.55ml、3.95mmol)及び化合物B(500mg、1.97mmol)を添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。この反応の完了後、過剰な酢酸エチルを、この反応混合物へ添加し、固形物を濾過した。濾液の濃縮後に得られた粗物質を、8%メタノール−DCM溶出液を使用する、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、18(135mg、13%)を得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 14.65 (brs, 1H, COOH), 13.09 (brs, 1H, NH), 8.47-8.35 (m, 1H, ArH), 8.12-8.08 (m, 1H, ArH), 7.79 (d, 1H, J
AB = 13.5 Hz, ArH), 7.65 (d, 1H, J
AB = 8.5 Hz, ArH), 6.92 (d, 1H, J
AB = 7.0 Hz, ArH), 6.37 (q, 1H, J
AB = 5.5 Hz,SCHN), 3.91 (s, 2H, CH
2), 2.76-2.62 (m, 4H, CH
2N), 2.01 (d, 3H, J
AB = 6.0 Hz, CH
3)。ESI-MS (m/z): 525.07 (M+H)。
実施例7:化合物19の合成
【化52】
試薬及び条件:i)臭化シアン、メタノール;ii)二炭酸ジ−tert−ブチル、4−ジメチル−アミノピリジン、THF;iii)亜鉛、塩化アンモニウム、エタノール−H
2O;iv)ブロモアセチルブロミド、Et
3N、DCM;v)6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸、Et
3N、DMF、室温、18時間;vi)6N HCl、THF、一晩、室温。
【0326】
トリス−N−boc−2−アミノ−4−ニトロベンゾイミダゾール(A):4−ニトロ−1,2−フェニレンジアミン(2.76g、17.66mmol)を、メタノール(200ml)中に懸濁し、かつアセトニトリル中の5M臭化シアン(4ml)を20分間かけて滴加し、引き続き水50mlを添加した。生じた反応混合物を、室温で一晩撹拌した。終了時に、さらに水30mlを反応混合物へ添加し、約80mlに濃縮した。最終混合物を、飽和NaHCO
3溶液により塩基性とした。形成された黄色沈殿を濾過し、冷水で洗浄し、乾燥させ、2−アミノ−4−ニトロベンズイミダゾールを黄色固形物(2.94g、93%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 11.90 (brs, 1H, NH), 7.87 (d, 1H, J
AB = 2.5 Hz, ArH), 7.81 (1H, dd, J
AB = 11 Hz, J
m = 2.5 Hz, ArH), 7.12 (1H, d, J
AB = 9 Hz, ArH), 6.87 (s, 2H, NH
2)。二炭酸ジ−tert−ブチル(12ml、50mmol)を、THF(200ml)中の2−アミノ−4−ニトロベンズイミダゾール(3.6g、20mmol)の懸濁液に添加した。この混合物を室温で5時間撹拌した。次に二炭酸ジ−tert−ブチルの別の部分(12ml、50mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(250mg、2.05mmol)を、この反応混合物へ添加した。最終混合物を、室温で一晩撹拌した。最後に、溶媒を蒸発させ、残渣を、シリカゲル上のクロマトグラフィー(溶出液:DCM)により精製し、Aを帯黄白色固形物として得、これは2種の異性体の混合物(6.0g、63%)であった。
1H NMR (CDCl
3):異性体I: δ 8.96 (d, 1H, J
AB = 2.5 Hz, ArH), 8.29 (dd, 1H, J
AB = 11 Hz, J
m = 2.5 Hz, ArH), 7.85 (d, 1H, J
AB = 9.0 Hz, ArH), 1.70 (s, 9H, CH
3), 1.42 (s, 18H, CH
3);異性体II:δ 8.64 (d, 1H, J
AB = 2.0 Hz, ArH), 8.33 (dd, 1H, J
AB = 9.2 Hz, J
m = 2.0 Hz, ArH), 8.15 (d, 1H, J
AB = 9.0 Hz, ArH), 1.68 (s, 9H, CH
3), 1.42 (s, 18H, CH
3)。
【0327】
トリス−N−boc−2,4−ジアミノベンゾイミダゾール(B):エタノール−水(3:1、5ml)中のA(300mg、0.62mmol)の懸濁液へ、粉末亜鉛(500mg、7.5mmol)及び塩化アンモニウム(400mg、7.5mmol)を、0℃で添加し、この反応混合物を、室温で2時間撹拌した。反応の完了時に、水酸化アンモニウム溶液を添加し、無機物質を濾過し、濾液をDCMにより抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒の蒸発時に、化合物Bを白色固形物(200mg、71%)として得た。
1H NMR (CDCl
3): 異性体I:δ 7.74 (d, 1H, J
AB = 8.5 Hz, ArH), 7.00 (d, 1H, J
AB = 2 Hz, ArH), 6.73 (dd, 1H, J
AB = 10 Hz, J
m = 2.0 Hz, ArH), 1.64 (s, 9H, CH
3), 1.39 (s, 18H, CH
3);異性体II:δ 7.48 (d, 1H, J
AB = 8.5 Hz, ArH), 7.33 (d, 1H, J
AB = 2 Hz, ArH), 6.71 (dd, 1H, J
AB = 10 Hz, J
m = 2.0 Hz, ArH), 1.64 (s, 9H, CH
3), 1.39 (s, 18H, CH
3)。
【0328】
トリス−N−boc−N−(2−アミノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−イル)−2−ブロモアセトアミド(C):DCM中のB(1g、2.23mmol)及びトリエチルアミン(0.5ml、3.60mmol)の撹拌溶液へ、ブロモアセチルブロミド(0.25ml、3.0mmol)を、0℃で添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。完了後に、反応混合物を水で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、化合物Cを得、これをさらに精製することなく次工程で使用した(1g、85%)。
【0329】
トリス−N−boc−7−(4−(2−((2−アミノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−イル)アミノ)−2−オキソエチル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(D):DMF(5ml)中の6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(280mg、0.80mmol)及びトリエチルアミン(0.3ml、2.16mmol)の撹拌溶液へ、化合物C(570mg、1mmol)を添加し、最終溶液を、室温で一晩撹拌した。完了後、溶媒を蒸発させ、酢酸エチルにより抽出し、水で洗浄した。有機抽出液を蒸発させ、粗塊を得、これを溶出液として2%メタノール−DCMを使用するシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、さらに精製し、化合物Dを帯黄白色固形物(220mg、48%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6):
1H NMR (CDCl
3):異性体I:δ 14.66 (s,1H, COOH), 10.07 (s, 1H, NH), 8.66 (d, 1H, J
AB= 1.5 Hz, ArH), 7.96 (s, 1H, ArH), 7.82 (d, 1H, J
AB= 14.0 Hz, ArH), 7.70-7.66 (m, 1H, ArH), 6.95 (d, 1H, J
AB= 7.0 Hz, ArH), 6.40 (q, 1H, J
AB = 6 Hz, SCHN), 3.44-3.37 (m, 4H, CH
2N), 3.29 (s, 2H, CH
2), 2.80-2.75 (m, 4H, CH
2N), 2.13 (d, 3H, J
AB = 6.0 Hz, CH
3), 1.64 (s, 9H, CH
3), 1.36 (s, 18H, CH
3);異性体II:δ 14.66 (s,1H, COOH), 10.01 (s, 1H, NH), 8.15 (d, 1H, J
AB= 1.5 Hz, ArH), 7.90 (d, 1H, J
AB= 9 Hz, ArH), 7.82 (d, 1H, J
AB= 14.0 Hz, ArH), 7.70-7.66 (m, 1H, ArH), 7.51 (dd, 1H, J
AB= 8.5 Hz, J
m= 1.5 Hz,ArH), 6.95 (d, 1H, J
AB= 7.0 Hz, ArH), 6.40 (q, 1H, J
AB = 6 Hz, SCHN), 3.44-3.37 (m, 4H, CH
2N), 3.29 (s, 2H, CH
2), 2.80-2.75 (m, 4H, CH
2N), 2.13 (d, 3H, J
AB = 6.0 Hz, CH
3), 1.64 (s, 9H, CH
3), 1.36 (s, 18H, CH
3)。
【0330】
7−(4−(2−((2−アミノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−イル)−アミノ)−2−オキソエチル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(19):化合物D(100mg、0.12mmol)を、THF(5ml)中に懸濁し、6N HCl(5ml)をこの反応混合物へ0℃で添加した。反応混合物を、室温で一晩撹拌し、沈殿した固形物を遠心分離し、水で数回洗浄した。乾燥後、19を、帯黄白色固形物(50mg、78%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ (S, 2H, NH
2), 7.88 (S, 2H, ArH), 7.85 (d, 2H, J
AB= 13.6 Hz, ArH), 7.42-7.40 (m, 1H, ArH), 7.36-7.33 (m, 1H, ArH), 7.09 (d, 1H, J
AB = 7.2 Hz, ArH), 6.41 (q, 1H, J
AB = 6 Hz, SCHN), 4.34 (s, 2H, CH
2) 3.98-3.74 (m, 4H, CH
2N), 2.14 (d, 3H, J
AB = 6.0 Hz, CH
3)。ESI-MS (m/z): 530.12 (M+H)。
実施例8:化合物20の合成
【化53】
試薬及び条件:i)10%Pd/C、H
2、DCM−メタノール、一晩、室温。
【0331】
7−(4−((6−アミノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(20):化合物18(230mg、0.44mmol)、活性化したパラジウム(10%、100mg)の混合物を、メタノール−DCM(3:1、20mL)混合液中に懸濁し、水素大気(圧力2atm)下、室温で一晩撹拌した。この混合物を、セライト床を通して濾過し、溶媒を減圧下で除去し、ほぼ純粋な20を茶色固形物(80mg、40%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 14.68 (brs, 1H, COOH), 11.79 (brs, 1H, NH), 7.81 (d, 1H, J
AB = 13.5 Hz, ArH), 7.23-7.12 (m, 1H, ArH), 6.93 (d, 1H, J
AB = 7.0 Hz,ArH), 6.66-6.54 (m, 1H, ArH), 6.53-43 (m, 1H, ArH), 6.42-6.36 (m, 1H, SCHN),4.88 (brs, 2H, NH
2), 3.70 (s, 2H, CH
2), 2.69-2.61 (m, 4H, CH
2N), 2.11 (d, 3H, J
AB = 6.0 Hz, CH
3)。ESI-MS (m/z): 495.17 (M+H)。
実施例9:化合物21の合成
【化54】
試薬及び条件:i)ブロモ酢酸、6N HCl、一晩、還流;ii)6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]−キノリン−3−カルボン酸、Et
3N、DMF、18時間、室温。
【0332】
2−(ブロモメチル)−5,6−ジクロロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(A):6N HCl中の4,5−ジクロロベンゼン−1,2−ジアミン(1g、5.65mmol)の撹拌溶液へ、ブロモ酢酸(2.51g、18.08mmol)を添加し、反応混合物を、一晩還流した。完了後、反応混合物を冷却し、10%水酸化ナトリウム溶液で中和した。生じた沈殿を濾過し、乾燥させ、化合物Aをベージュ色固形物(1.57g、64%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 7.61 (s 1H, ArH), 4.69 (s, 2H, CH
2)。
【0333】
7−(4−((5,6−ジクロロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(21):DMF(10ml)中の6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(500mg、1.43mmol)の撹拌溶液へ、トリエチルアミン(0.4ml、2.86mmol)及び化合物A(400mg、1.43mmol)を添加し、この反応混合物を、室温で18時間撹拌した。完了後、過剰な酢酸エチルを、この反応混合物へ添加し、得られた固形物を濾過し、廃棄した。濾液を蒸発乾固させ、粗物質を、6%メタノール−DCMを使用するシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、最終化合物21を淡黄色固形物(78mg、10%)として得た。
1H NMR (CDCl
3+ CD
3OD): δ 7.78 (d, 1H, J
AB = 13.5 Hz, ArH), 7.62-7.34 (m, 2H, ArH), 6.42 (d, 1H, J
AB = 6.5 Hz, ArH), 6.06 (q, 1H, J
AB = 6 Hz,SCHN), 3.78 (s, 2H, CH
2), 3.33-3.28 (m, 4H, CH
2N), 2.68-2.62 (m, 4H, CH
2N), 2.08 (d, 3H, J
AB = 6.5 Hz, CH
3)。ESI-MS (m/z): 547.87 (M+H)。
実施例10:化合物31の合成
【化55】
試薬及び条件:i)6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸、ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、DMF、18時間、室温。
【0334】
6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(4−ピコリノイルピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(31):DMF中の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC.HCl, 575mg、3.0mmol)の0℃の撹拌溶液へ、2−ピコリン酸(246mg、2.0mmol)を添加し、引き続きヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、405mg、3.0mmol)を添加し、最終反応混合物を、0℃で撹拌した。30分後、6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]−キノリン−3−カルボン酸(700mg、2.01mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.53ml、3mmol)を添加し、反応混合物を、室温で一晩撹拌させた。完了後、反応混合物を蒸発させ、残りの塊を、2〜3回摩砕し、乾燥させ、化合物31を帯黄白色固形物(250mg、28%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 14.61 (brs, 1H, COOH), 8.62 (d, 1H, J
AB = 4.5 Hz, ArH), 7.96 (t, 1H, J
AB = 7.5 Hz, ArH), 7.82 (d, 1H, J
AB = 13.5 Hz, ArH), 7.64 (d, 1H, J
AB = 7.5 Hz, ArH), 7.52 (dd, 1H, J
AB = 7.0 Hz, J
m = 5.0 Hz, ArH), 6.98 (d, 1H, J
AB = 7.0 Hz, ArH), 6.36 (q, 1H, J
AB = 6.0 Hz,SCHN), 3.89-3.81 (m, 2H, CH
2N), 3.66-3.52 (m, 2H, C’H
2N), 2.11 (d, 3H, J
AB = 6.5 Hz, CH
3)。ESI-MS (m/z): 454.92 (M+H)。
実施例11:化合物32の合成
【化56】
【0335】
試薬及び条件:i)塩化オキサリル、DCM、3時間、室温;ii)6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸、Et
3N、DMF、18時間、室温。
【0336】
6−ブロモピコリノイルクロリド(A):DCM(50ml)中の6−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸(500mg、2.5mmol)の懸濁液へ、塩化オキサリル(0.25ml、7.50mmol)を滴加し、引き続き触媒量のDMFを、0℃で添加し、この反応混合物を室温で3時間撹拌した。完了後、反応混合物を、真空下で濃縮し、化合物Aを黄色固形物として、定量的収量で(545mg)得た。
【0337】
7−(4−(6−ブロモピコリノイル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]−キノリン−3−カルボン酸(32):DMF(10ml)中の6−フルオロ−1−メチル−7−(4−((5−ニトロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(700mg、2.01mmol)、トリエチルアミン(0.7ml、5.0mmol)の撹拌溶液へ、化合物A(523mg、2.37mmol)を0℃で添加した。添加後、反応混合物を室温で一晩撹拌した。完了後、反応混合物を真空下で濃縮し、粗物質を溶出液として4% メタノール−DCMを使用するシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、最終化合物32を黄色固形物(150mg、15%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 14.61 (s, 1H, COOH), 7.93 (t, J
AB = 8 Hz, 1H, , ArH), 7.84 (d, 1H, J
AB = 13.5 Hz, ArH), 7.80 (d, 1H, J
AB = 8.0 Hz, ArH), 7.70 (d, 1H, J
AB = 7.5 Hz, ArH), 6.99 (d, 1H, J
AB = 7.0 Hz, ArH), 6.38 (q, 1H, J
AB = 6.0 Hz, SCHN), 3.72-3.58 (m, 2H, CH
2N), 3.48-3.40 (m, 2H, C’H
2N), 2.13 (d, 3H, J
AB = 6.5 Hz, CH
3)。ESI-MS (m/z): 532.81 (M+H)。
実施例12:化合物33の合成
【化57】
試薬及び条件:i)臭素、CCl
4、還流;ii)K
2CO
3;6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸、Et
3N、DMF、18時間、室温。
【0338】
(2−ブロモアセチル)ピリジン−1−イウムブロミド(A):CCl
4(60ml)中の1−(ピリジン−2−イル)エタン−1−オン(2.0g、16.6mmol)の撹拌溶液へ、臭素(2.7g、16.60mmol)を滴加した。完全に添加した後、最終反応混合物を、1時間還流した。沈殿を濾過により収集し、ジエチルエーテルにより2〜3回洗浄し、乾燥させ、化合物Aをベージュ色固形物(2.94g、93%)として得た。
【0339】
6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(4−(2−オキソ−2−(ピリジン−2−イル)エチル)ピペラジン−1−イル)−2a,3−ジヒドロ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(33):DMF中の6−フルオロ−1−メチル−7−(4−((5−ニトロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]−キノリン−3−カルボン酸(1.05g、3mmol)及び炭酸カリウム(1.25g、9mmol)の懸濁溶液へ、化合物A(850mg、3mmol)を添加し、反応混合物を、室温で一晩撹拌した。完了時に、最終反応混合物を水へ注ぎ、媒体のpHを、1N HClを添加することにより中性に調節した。得られた沈殿を濾過し、水、酢酸エチルで洗浄し、乾燥させ、33を帯黄白色固形物(700mg、50%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 14.56 (brs, 1H, COOH), 8.67(d, 1H, J
AB = 4.0 Hz, ArH), 8.14 (s, 1H, ArH), 7.98-7.42 (m, 1H, ArH), 7.79 (d, 1H, J
AB = 14.0 Hz, ArH), 7.62-7.58 (m, 1H, ArH), 6.88 (d, 1H, J
AB = 6.0 Hz, ArH), 6.38 (q, 1H, J
AB = 6.0 Hz, SCHN), 4.2 (s, 2H, CH
2), 3.43-3.35 (m, 4H, CH
2N), 2.87-2.77 (m, 4H, CH
2N), 2.14 (d, 3H, J
AB = 6.0 Hz, CH
3)。ESI-MS (m/z): 469.08 (M+H)。
実施例13:化合物34の合成
【化58】
試薬及び条件:i)過酸化水素(30%w/w)、TFA、還流;ii)6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸、ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、DMF、18時間、室温。
【0340】
2−カルボキシピリジン1−オキシド(A):2−ピコリン酸(1.23g、10mmol)を、トリフルオロ酢酸(25ml)中に懸濁し、過酸化水素(30%w/w、16ml)をこれに添加した。最終反応混合物を、16時間還流した。最後に、全ての揮発物を、減圧下で蒸発させ、かつ粗塊を、冷水で2〜3回洗浄した。真空下での乾燥時に、化合物Aは、白色固形物(1g、72%)として得た。
【0341】
2−(4−(3−カルボキシ−6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−7−イル)ピペラジン−1−カルボニル)ピリジン−1−オキシド(34):DMF中の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC.HCl、575mg、3mmol)の0℃の撹拌溶液へ、化合物A(278mg、2.0mmol)を添加し、引き続きヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、405mg、3mmol)を添加した。この反応混合物を、0℃で30分間攪拌し、6−フルオロ−1−メチル−7−(4−((5−ニトロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(700mg、2.01mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、0.35ml、3mmol)を添加し、生じた溶液を、室温で一晩撹拌させた。反応の完了後、DMFを蒸発させ、粗塊を、メタノールで温浸させ(digest)、得られた沈殿を濾過し、乾燥させ、粗物質を得、これをさらに20%メタノール−DCM溶出液を使用するシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、最終化合物34を帯黄白色固形物(113mg、12%)として得た。
1H NMR (CD
3OD-CDCl
3): δ 8.18 (d, 1H, J
AB = 4 Hz , ArH), 7.86-7.83 (m, 1H, ArH), 7.47-7.43 (m, 2H, ArH), 7.35 (s, 1H, ArH), 6.58-6.55 (m, 1H, ArH), 6.18-6.011 (m, 1H, SCHN), 3.79-3.51 (m, 4H, CH
2N), 3.39-3.36 (m, 4H, CH
2N), 2.13 (d, 3H, J
AB = 4.0 Hz, CH
3)。ESI-MS (m/z): 470.94 (M+H)。
実施例14:化合物43の合成
【化59】
試薬及び条件:i)(tert−ブトキシカルボニル)グリシン、6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸、ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、DMF、18時間、室温;ii)6N HCl、一晩;iii)S−メチルイソチオ尿素ヘミスルフェート、メタノール、一晩、還流。
【0342】
7−(4−((tert−ブトキシカルボニル)グリシル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(A):DMF(20ml)中のDCC(0.9g、4.3mmol)の撹拌溶液へ、BOC−グリシン(0.5g、2.85mmol)及びヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、0.5g、4.3mmol)を、0℃で添加し、混合物を4時間撹拌させ、引き続き6−フルオロ−1−メチル−7−(4−((5−ニトロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(0.9g、2.85mmol)及びトリエチルアミン(0.4g、0.6ml、4.3mmol)を0℃で添加した。反応混合物を、室温で一晩撹拌させた。完了後、最終溶液を次に減圧下で濃縮し、粗生成物を得、これを、溶出液として3%メタノール−DCMを使用する、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物Aを淡黄色固形物(0.75g、収率:65%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 14.62 (brs, 1H, COOH), 7.84 (d, 1H, J
AB = 14.0 Hz, ArH), 6.95 (d, 1H, J
AB = 7.0 Hz, ArH), 6.81 (t, 1H, J
AB = 6.0 Hz, NH), 6.39 (q, 1H, J
AB = 6.5 Hz, SCHN), 3.85 (d, 2H, J
AB = 6.0 Hz, CH
2), 3.64-3.56 (m, 4H, CH
2N), 2.12 (d, 3H, J
AB = 6.0 Hz, CH
3)。ESI-MS (m/z): 495.16 (M+H)。
【0343】
6−フルオロ−7−(4−グリシルピペラジン−1−イル)−1−メチル−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(B):6N HCl(20mL)中の化合物A(950mg、1.88mmol)の懸濁液を、一晩撹拌し、その後溶媒を蒸発させ、粗塊を、メタノール−ジクロロメタン中に溶解し、引き続きジエチルエーテルを添加し、沈殿した固形物を得た。このプロセスを2〜3回繰り返し、最終的に固形物を、冷ジクロロメタンにより洗浄し、純粋な化合物Bを黄色固形物(500mg、66%)として得た。
【0344】
7−(4−(カルバミミドイルグリシル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(43):エタノール(5mL)中の化合物B(70mg、0.17mmol)の溶液へ、S−メチルイソチオ尿素ヘミスルフェート(30mg、0.2mmol)を添加し、この反応混合物を一晩還流した。反応の完了後、得られた沈殿を遠心し、冷エタノールにより数回洗浄し、乾燥させ、純粋な化合物43を黄色固形物(46mg、60%)として得た。
実施例15:化合物44の合成
【化60】
試薬及び条件:i)二炭酸ジ−tert−ブチル、NaOH、H
2O、16時間、室温;ii)6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸、DMF、18時間、80℃;iii)6N HCl、THF、一晩、室温。
【0345】
ジ−(tert−ブトキシカルボニル)−グアニジン(A):塩酸グアニジン(1.23g、12.80mmol)及び水酸化ナトリウム(2.10g、52.5mmol)を、水(15ml)中、1,4−ジオキサン(25ml)混合液中に溶解した。この混合物を、0℃に冷却し、二炭酸ジ−tert−ブチル(6.3g、28.90mmol)を、この溶液中にゆっくり溶解した。混合物を、室温で16時間撹拌させた。反応混合物を、真空下でその最初の容積の1/3まで濃縮し、酢酸エチルにより抽出した。次に有機相を10%クエン酸、水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、化合物Aを得、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0346】
7−(4−((N−(tert−ブトキシカルボニル)カルバミミドイル)カルバモイル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(B):DMF(5ml)中の6−フルオロ−1−メチル−7−(4−((5−ニトロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(350mg、1mmol)の撹拌溶液へ、化合物A(260mg、1mmol)を添加し、この反応混合物を、80℃で一晩加熱した。この反応の完了後、溶媒を蒸発させ、粗物質を、溶出液として4%メタノール−DCMによる、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物B(320mg、60%)を得た。
【0347】
7−(4−(カルバミミドイルカルバモイル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(44):化合物B(200mg、0.37mmol)を、THF(10mL)中に溶解し、6N HCl(10ml)をこの反応混合物へ0℃で添加した。最終溶液を、室温で一晩撹拌した。完了後、溶媒を減圧下で蒸発させ、得られた塊を、冷水により2〜3回洗浄し、乾燥させ、化合物44を帯黄白色固形物(100mg、62%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 14.62 (brs, 1H, COOH), 11.06 (brs, 1H, NH), 8.62 (brs, 2H, NH
2), 8.26 (brs, 2H, NH
2), 7.83 (d, 1H, J
AB = 13.5 Hz, ArH), 6.99 (d, J
AB = 5.5 Hz, ArH), 6.48-6.32 (m, 1H, SCHN), 3.98-3.56 (m, 4H, CH
2N), 2.12 (d, 3H, J
AB = 5.5 Hz, CH
3)。ESI-MS (m/z): 434.93 (M+H)。
実施例16:化合物48の合成
【化61】
試薬及び条件:i)イソシアン酸エチル、6−フルオロ−1−メチル−7−(4−((5−ニトロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸、THF、一晩、還流。
【0348】
7−(4−(エチルカルバモイル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(48):無水THF(8ml)中の6−フルオロ−1−メチル−7−(4−((5−ニトロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(0.3g、0.86mmol)の撹拌溶液へ、イソシアン酸エチル(0.05mL、THF 2ml中0.57mmol)を滴加し、一晩80℃で還流させた。完了後、反応混合物を、減圧下で濃縮させ、粗生成物を得、冷水で洗浄し(4〜5回)、濾過し、純粋な48を黄色固形物(270mg、収率:75%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 7.83 (d, 1H, J
AB = 13.0 Hz, ArH), 6.65 (s, 1H, ArH), 5.74 (s, 2H, SCHN, NH), 3.52-3.42 (m, 4H, CH
2N), 3.133-3.08 (m, 2H, CH
2N), 2.12 (d, 3H, J
AB = 6.0 Hz, CH
3), 1.04 (t, 3H, J
AB = 7.0 Hz, CH
3 )。ESI-MS (m/z): 421.16 (M+H)。
【化62】
(S)−N−((3−(3−フルオロ−4−(ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)メチル)アセトアミド塩酸塩(LA)
【0349】
リネゾリドアナログ(LA)は、文献「新規セファロスポリン−オキサゾリジノン複合体の合成及び生物学的評価(Syntheses and biological evaluation of new cephalosporin-oxazolidone conjugates)」、Shanshan Yan, Marvin J. Miller, Timothy A. Wencewicza及びUte Mollmannb, Med. Chem. Commun., 2010, 1, 145-148において言及された手順に従い合成される。
【0350】
1H NMR (CD
3OD): δ 7.57 (dd, 1H, J
AB = 11.6 Hz, J
m = 2 Hz, ArH), 7.23 (dd, 1H, J
AB = 7 Hz, J
m = 2 Hz, ArH), 7.14 (t, 1H, J
AB = 7.2 Hz, ArH), 4.83-4.78 (m, 1H, CHOCO), 4.14 (t, 1H, J
AB = 7.2 Hz, CH
2NHCO), 3.84-3.81 (m, 1H, CH
2NHCO), 3.58 (d, 2H, J
AB = 4 Hz, CH
2NCO), 3.42-3.40 (m, 4H, CH
2N-Ar), 3.34-3.33 (m, 4H, CH
2NH), 1.98 (s, 3H, CH
3)。ESI-MS (m/z): 337 (M+H)。比旋光度:28.7℃及び589nmで、9mg/mlクロロホルム溶液(0.9%)において、[α]
Tλ=−11.11°。
実施例17:化合物55の合成
【化63】
試薬及び条件:i)ブロモアセチルブロミド、Et
3N、CH
3CN、4時間、室温;ii)(S)−N−((3−(3−フルオロ−4−(ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)メチル)アセトアミド塩酸塩(LA、リネゾリドアナログ)、Et
3N、DMF、一晩、室温。
【0351】
2−ブロモ−N−(5−ニトロチアゾール−2−イル)アセトアミド(A):アセトニトリル中の5−ニトロチアゾール−2−アミン(2g、13.80mmol)及びトリエチルアミン(2.85ml、20.60mmol)の撹拌溶液へ、ブロモアセチルブロミド(1.55ml、17.80mmol)を0℃でゆっくり添加した。添加の完了後、この反応混合物を、室温で4時間撹拌した。次に溶媒を、減圧で蒸発させ、酢酸エチルにより抽出した。有機層を、1N HCl、引き続きブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発乾固し、Aを得、これをさらに精製することなく次反応に使用した(2.6g、85%)。
【0352】
(S)−2−(4−(4−(5−(アセトアミドメチル)−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−2−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)−N−(5−ニトロチアゾール−2−イル)アセトアミド(55):DMF(10ml)中のLA(0.15g、0.4mmol)及びトリエチルアミン(0.4ml、2.85mmol)の撹拌溶液へ、DMF中の化合物A(0.28g、1.08mmol)の溶液を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。良好に完了した後、反応混合物を、過剰な酢酸エチルにより抽出し、1N HClにより洗浄した。有機層を濃縮し、粗塊を、4%メタノール−DCM溶出液によるシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、55を淡黄色固形物(45mg、25.8%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 8.92 (brs, 1H, NH), 8.60 (s, 1H, ArH), 8.19 (t, 1H, J
AB = 4.8, NH), 7.48 (dd, 1H, J
AB = 11.8 Hz, J
m = 1.6 Hz, ArH), 7.18 (dd, 1H, J
AB = 8 Hz, J
m = 3.6 Hz, ArH), 7.10 (t, 1H, J
AB = 7.6 Hz, ArH), 4.72-4.68 (m, 1H, CHOCO), 4.08 (t, 1H, J
AB = 7.2 Hz, CH
2NHCO), 3.72-3.69 (m, 1H, CH
2NHCO), 3.58 (s, 2H, COCH
2N), 3.40 (t, 2H, J
AB = 4 Hz, CH
2NCO), 3.08-3.05 (m, 4H, CH
2N-Ar), 2.88-2.81 (m, 4H, CH
2NH), 1.83 (s, 3H, CH
3)。ESI-MS (m/z): 522.07 (M+H)。比旋光度:30.6℃及び589nmで、9mg/ml 1:1クロロホルム:メタノール混合液(0.9%)において、[α]
Tλ=-2.22°。
実施例18:化合物57の合成
【化64】
【0353】
試薬及び条件:i)チオ尿素、エタノール、一晩、還流;ii)10%、NaOH、一晩、室温;iii)(S)−N−((3−(3−フルオロ−4−(ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)メチル)アセトアミド塩酸塩(LA, リネゾリドアナログ)、ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC.HCl)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、DMF、18時間、室温。
【0354】
2−アミノチアゾール−4−カルボン酸エチル(A):エタノール中のブロモピルビン酸エチル(0.97g、0.62ml、8.54mmol)の撹拌溶液を、チオ尿素(0.5g、6.57mmol)と反応させ、この反応混合物を、一晩還流した。完了後、最終溶液を、減圧下で濃縮させ、生じた残渣を、酢酸エチルにより抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。粗塊を、4%メタノール−DCM溶出液によるシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物Aを淡黄色固形物(0.88g、85%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 7.45 (s, 1H, ArH), 7.21 (brs, 2H, NH), 4.19 (q, 2H, J
AB = 7.0 Hz, CH
2), 1.25 (t, 3H, J
AB= 7.5 Hz, CH
3)。
【0355】
2−アミノチアゾール−4−カルボン酸(B):10%水酸化ナトリウム水溶液(10ml)中の化合物A(500mg、2.9mmol)の懸濁液を、室温で一晩撹拌した。完了後、この反応液を冷却し、媒体のpHを、1N HClにより1に調節した。得られた沈殿した塊を濾過し、冷水で洗浄し、最終的に乾燥させ、化合物Bを帯黄白色固形物(400mg、96%)として得た。
1H NMR (DMSO): δ 7.41 (s, 1H, ArH), 7.34 (brs, 2H, NH
2)。
【0356】
(S)−N−((3−(4−(4−(2−アミノチアゾール−4−カルボニル)ピペラジン−1−イル)−3−フルオロフェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)メチル)アセトアミド(57):0℃のDMF中の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC.HCl、134mg、0.7mmol)の撹拌溶液へ、化合物B(95mg、0.65mmol)を添加し、引き続きヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、95mg、0.7mmol)を添加した。この反応混合物を、0℃で30分間攪拌し、LA(200mg、0.54mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA 0.7ml、6mmol)を添加し、生じた溶液を室温で一晩撹拌させた。反応の完了後、DMFを蒸発させ、粗塊を、4%メタノール−DCM溶出液を使用するシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、最終化合物57を帯黄白色固形物(29.9mg、12%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 8.27 (t, 1H, J
AB = 6.0 Hz, NH), 7.53-7.49 (m, 2H, ArH), 7.19 (dd, 1H, J
AB = 7.5, J
m = 2.0 Hz, ArH), 7.09 (t, 1H, J
AB = 9.0 Hz, ArH), 4.74-4.69 (m, 1H, CHOCO), 4.09(t, 1H, J
AB = 7.2 Hz, CH
2NHCO), 3.99-3.88 (m, 1H, CH
2NHCO) , 3.73-3.70 (m, 2H, CH
2NCO), 3.12 (q, 4H, J
AB = 7.5 Hz CH
2N-Ar), 3.03-2.92 (m, 4H, CH
2-N), 1.84 (s, 3H, CH
3)。ESI-MS (m/z): 462.9 (M+H)。比旋光度:30.6℃及び589nmで、9mg/ml 1:1クロロホルム:メタノール混合液(0.9%)において、[α]
Tλ=-2.22°。
実施例19:化合物58の合成
【化65】
試薬及び条件:i)濃HCl、チオ硫酸ナトリウム五水和物、水酸化アンモニウム(水性NH
3)、1時間、10−20℃;ii)二炭酸ジ−tert−ブチル、DMF、4−ジメチルアミノピリジン、20時間、R.T;iii)ブロモピルビン酸エチル、アセトン、20時間、0℃、室温;iv)10%NaOH、一晩、室温;v)(S)−N−((3−(3−フルオロ−4−(ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)メチル)アセトアミド塩酸塩(LA, リネゾリドアナログ)、ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC.HCl)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、DMF、18時間、室温。
【0357】
1−[アミノ(イミノ)メチル]チオ尿素(グアニルチオ尿素)(A):水(250ml)中のジシアンジアミド(1g、1.9mmol)の溶液へ、濃HCl(2.38ml)を、反応温度を20℃以下に維持しながら、10分間かけて滴加した。連続撹拌しながら、水(125ml)中のチオ硫酸ナトリウム五水和物(2.98g、1.9mmol)の溶液を、30分かけて滴加し、その後ほぼ難溶性の硫酸水素グチミンが沈殿した。その後この混合物のpHを、水酸化アンモニウム(2.86ml、25%)の0℃での添加により、8〜10に調節した。得られた沈殿を収集し、冷水で洗浄し、乾燥させ、化合物Aの2.25g(80%)を無色の結晶として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 7.15 (brs, 3H, NH), 6.99 (brs, 3H, NH)。
【0358】
tert−ブチル{[(アミノカルボノチオイル)アミノ](イミノ)メチル}カルバメート(B):DMF(10ml)中の二炭酸ジ−tert−ブチル(1.7g、7.8mmol)の溶液を、DMF(10ml)中の化合物A(1g、7.8mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(85mg、0.7mmol)の混合物へ、1時間かけて滴加した。添加の完了後、混合物を35℃で20時間撹拌した。この混合物を、真空で濃縮し、残渣を、水(10ml)と共に手作業で振盪した。1分以内に沈殿が出現し始め、手作業による振盪をさらに6分間継続し、この混合物を4℃で1時間維持した。沈殿を濾過により収集し、冷水(15ml)で洗浄し、真空で乾燥させ、化合物Bを白色固形物(1.36g、収率80%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): 7.96 (brs, 1H, NH), 7.31 (brs, 1H, NH), 1.42 (s, 9H, CH
3)。
【0359】
2−グアニジノ−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル(C):アセトン(2ml)中の90%ブロモピルビン酸エチル(0.67g、0.43ml、3.5mmol)の溶液を、アセトン(5.2ml)中の氷冷したBの撹拌懸濁液(1g、4.6mmol)へ1時間かけて滴加した。添加の完了後、この反応混合物を室温でさらに16時間撹拌し、次に溶媒を減圧下で減少させ、そのようにして得られた粗物質を、溶出液として4%メタノール−DCMを使用する、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、Cを淡黄色固形物(0.53g、71%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): 12.06 (brs, 1H, NH), 8.18 (s, 1H, ArH), 4.29 (q, 2H, J
AB = 7.0 Hz, CH
2), 1.29 (t, 3H, J
AB = 7.0 Hz, CH
3)。ESI-MS (m/z): 214.94 (M+H)。
【0360】
2−グアニジノ−チアゾール−4−カルボン酸(D):10%水酸化ナトリウム水溶液(10ml)中のC(500mg、2.3mmol)の懸濁液を、室温で一晩撹拌した。完了後、この反応液を氷浴中で冷却し、媒体のpHを、1N HClの添加により、1に調節した。沈殿した塊を濾過し、Dを黄色固形物(0.41g、収率96%)として得た。
【0361】
(S)−N−((3−(3−フルオロ−4−(4−(2−グアニジノチアゾール−4−カルボニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)メチル)アセトアミド(58):0℃のDMF中の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC.HCl、66.9mg、0.35mmol)の撹拌溶液へ、化合物B(59.8mg、0.32mmol)を添加し、引き続きヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、47.2mg、0.35mmol)を添加した。反応混合物を、0℃で30分間攪拌し、LA(100mg、0.27mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA 0.2ml、1.1mmol)を添加し、生じた溶液を、室温で一晩撹拌させた。反応の完了後、DMFを蒸発させ、粗塊を、4%メタノール−DCM溶出液を使用する、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、最終化合物58を褐色固形物として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 8.27 (t, 1H, J
AB = 6.0 Hz, NH), 7.53-7.49 (m, 2H, ArH), 7.19 (dd, 1H, J
AB = 7.5, J
m = 2.0 Hz, ArH), 7.09 (t, 1H, J
AB = 9.0 Hz, ArH), 4.74-4.69 (m, 1H, CHOCO), 4.09 (t, 1H, J
AB = 7.2 Hz, CH
2NHCO), 3.99-3.88 (m, 1H, CH
2NHCO) , 3.73-3.70 (m, 2H, CH
2NCO), 3.12 (q, 4H, J
AB = 7.5 Hz CH
2N-Ar), 3.03-2.92 (m, 4H, CH
2-N), 1.84 (s, 3H, CH
3)。ESI-MS (m/z): 462.9 (M+H)。比旋光度:32.2℃及び589nmで、9mg/ml 1:1クロロホルム:メタノール混合液(0.9%)において、[α]
Tλ=−27.68°。
実施例20:化合物65の合成
【化66】
試薬及び条件:i)グリコール酸、6N HCl、一晩、還流;ii)臭化チオニル、DMF、ベンゼン、18時間、還流;iii)(S)−N−((3−(3−フルオロ−4−(ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)メチル)アセトアミド塩酸塩(LA、リネゾリドアナログ)、Et
3N、DMF、室温、18時間。
【0362】
6−ニトロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−メタノール(A):6N塩化水素(50ml)中の1,2−ジアミノ−4−ニトロベンゼン(5.00g、32.60mol)及びグリコール酸(3.72g、49mol)の溶液を、一晩還流した。反応混合物を冷却し、10%水酸化ナトリウム溶液により中和した。沈殿を濾過し、乾燥させ、Aを淡茶色固形物(5g、80%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 13.04 (bs, 1H, NH), 8.37 (s 1H, ArH), 8.07 (dd, 1H, dd, J
AB = 10 Hz, J
m = 2.5 Hz, ArH), 7.65 (d, 1H, J = 5 Hz, ArH), 5.94 (bs, 1H, NH), 4.76 (s, 2H, CH
2)。
【0363】
2−(ブロモメチル)−6−ニトロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(B):ベンゼン中のA(300mg、1.55mmol)の撹拌溶液へ、臭化チオニル(0.16ml、2mmol)及びDMF(0.20ml)を0℃で添加し、反応混合物を18時間還流した。反応の完了後、溶媒を蒸発させ、粗物質をDCMに溶解し、水で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウムを通過させ、減圧下で蒸発させ、粗塊を得、これを2%メタノール−DCM溶出液によるシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによりさらに精製し、化合物Bを帯黄白色固形物(330mg、84%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 8.48 (d, 1H, J
AB =2.0 Hz, ArH), 8.14 (dd, 1H, J
AB = 10 Hz, J
m = 2.5 Hz, ArH), 7.74 (d, 1H, J
AB =9 Hz, ArH), 4.86 (s, 2H, CH
2)。
【0364】
(S)−N−((3−(3−フルオロ−4−(4−((6−ニトロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)メチル)アセトアミド(65):DMF(10ml)中のLA(100mg、0.26mmol)の撹拌溶液へ、トリエチルアミン(0.1ml、0.92mmol)及び化合物B(100mg、0.4mmol)を添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応の完了後、過剰な酢酸エチルを、反応混合物へ添加し、固形物を濾過した。有機層を濃縮し、得られた粗物質を、6%メタノール−DCM溶出液を使用するシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによりさらに精製し、最終化合物65を褐色固形物(135mg、13%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 8.48 (s, 1H, ArH), 8.14 (dd, 1H, J
AB = 7.6 Hz, J
m = 1.2 Hz, ArH), 7.64-7.55 (m, 1H, ArH), 7.35 (dd, 1H, J
AB = 11.2 Hz, J
m = 2 Hz, ArH), 7.02 (dd, 1H, J
AB = 7 Hz, J
m = 1.6 Hz, ArH), 6.90 (t, 1H, J
AB = 7.2 Hz, ArH), 4.71-4.68 (m, 1H, CHOCO), 3.99 (t, 1H, J
AB = 7.2 Hz, CH
2NHCO), 3.92 (s, 2H, CH
2NCO), 3.73-3.67 (m, 1H, CH
2NHCO), 3.55 (s, 2H, ArCH
2), 3.23-3.22 (m, 4H, CH
2N-Ar), 2.82-2.77 (m, 4H, CH
2NH), 1.94 (s, 3H, CH
3).ESI-MS (m/z): 511.96 (M+)。
実施例21:化合物66の合成
【化67】
試薬及び条件:i)ブロモ酢酸、6N HCl、一晩、還流;ii)(S)−N−((3−(3−フルオロ−4−(ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)メチル)アセトアミド塩酸塩(LA、リネゾリドアナログ)、Et
3N、DMF、18時間、室温。
【0365】
2−(ブロモメチル)−5,6−ジクロロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(A):6N HCl中の4,5−ジクロロベンゼン−1,2−ジアミン(1g、5.65mmol)の撹拌溶液へ、ブロモ酢酸(2.51g、18.08mmol)を添加し、反応混合物を一晩還流した。完了後、反応混合物を室温に冷却し、10%水酸化ナトリウム溶液により中和した。生じた沈殿を濾過し、乾燥させ、化合物Aをベージュ色固形物(1.57g、64%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 7.61 (s 1H, ArH), 4.69 (s, 2H, CH
2)。
【0366】
(S)−N−((3−(4−(4−((5,6−ジクロロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−3−フルオロフェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)メチル)アセトアミド(66):DMF(10ml)中のLA(100mg、0.26mmol)の撹拌溶液へ、トリエチルアミン(0.2ml、1.56mmol)及び化合物A(160mg、0.65mmol)を添加し、反応混合物を、室温で18時間撹拌した。反応が良好に完了した後、過剰な酢酸エチルを、この反応混合物へ添加し、固形物を濾過した。濾液を蒸発乾固させ、粗塊を、溶出液として6%メタノール−DCMを使用するシリカカラムクロマトグラフィーによりさらに精製し、最終化合物66を淡黄色固形物(78mg、10%)として得た。
1H NMR (DMSO): δ 8.24(t, 1H, J
AB = 5.6, NH), 7.86 (s, 1H, ArH), 7.78 (s, 1H, ArH), 7.45 (dd, 1H, J
AB = 14.8 Hz, J
m = 2.4 Hz ArH), 7.16 (dd, 1H, J
AB = 9 Hz, J
m = 2.4 Hz ArH), 7.06 (t, 1H, J
AB = 9.2 Hz, ArH), 4.73-4.66 (m, 1H, CHOCO), 4.07 (t, 2H, J
AB = 8.8 Hz, CH
2NHCO), 3.70 (s, 2H, ArCH
2), 3.69-3.67 (m, 2H, CH
2NCO), 3.17-3.16 (m, 4H, CH
2N-Ar), 2.72-2.62(m, 4H, CH
2NH), 1.79(s, 3H, CH
3)。ESI-MS (m/z): 536.13 (M+H)。
実施例22:化合物68の合成
【化68】
試薬及び条件:i)臭化シアン、メタノール;ii)二炭酸ジ−tert−ブチル、4−ジメチル−アミノピリジン、THF;iii)亜鉛、塩化アンモニウム、EtOH−H
2O;iv)ブロモアセチルブロミド、Et
3N、DCM、v)(S)−N−((3−(3−フルオロ−4−(ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)メチル)アセトアミド塩酸塩(LA、リネゾリドアナログ)、Et
3N、DMF、室温、18時間;vi)6N HCl、THF、一晩、室温。
【0367】
トリス−boc−2−アミノ−4−ニトロベンズイミダゾール(A):4−ニトロ−1,2−フェニレンジアミン(2.76g、17.66mmol)を、メタノール(200ml)中に懸濁し、アセトニトリル中の5M臭化シアン(4ml)を、20分間かけて滴加し、引き続き水50mlをこの反応混合物へ加えた。最終的に生じた反応混合物を、室温で一晩撹拌し、水30mlをこれに添加した。反応混合物を、約80mlに濃縮し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液により塩基性とした。形成された黄色沈殿を濾過し、冷水により洗浄し、2−アミノ−4−ニトロベンズイミダゾールを黄色固形物(2.94g、93%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 11.90 (brs, 1H, NH), 7.87 (d, 1H, J
AB = 2.5 Hz, ArH), 7.81 (1H, dd, J
AB = 11 Hz, J
m = 2.5 Hz, ArH), 7.12 (1H, d, J
AB = 9 Hz, ArH), 6.87 (s, 2H, NH
2)。二炭酸ジ−tert−ブチル(12ml、50mmol)を、THF(200ml)中の合成した2−アミノ−4−ニトロベンズイミダゾール(3.6g、20mmol)の懸濁液へ添加した。この混合物を、室温で5時間撹拌した。次に二炭酸ジ−tert−ブチル(12ml、50mmol)の別の部分を、反応混合物へ添加し、引き続き4−ジメチルアミノピリジン(250mg、2.05mmol)を添加した。室温で一晩撹拌した後、溶媒を蒸発させ、残渣を、シリカゲル上のクロマトグラフィー(溶出液:DCM)により精製し、トリ−boc保護された化合物Aを帯黄白色固形物として得、これは2種の異性体の混合物であった(6.0g、63%)。
1H NMR (CDCl
3):異性体I: δ 8.96 (d, 1 H, J
AB = 2.5 Hz, ArH), 8.29 (dd, 1H, J
AB = 11 Hz, J
m = 2.5 Hz, ArH), 7.85 (d, 1H, J
AB = 9.0 Hz, ArH), 1.70 (s, 9H, CH
3), 1.42 (s, 18H, CH
3);異性体II:δ 8.64 (d, 1H, J
AB = 2.0 Hz, ArH), 8.33 (dd, 1H, J
AB = 9.2 Hz, J
m = 2.0 Hz, ArH), 8.15 (d, 1H, J
AB = 9.0 Hz, ArH), 1.68 (s, 9H, CH
3), 1.42 (s, 18H, CH
3)。
【0368】
トリス−boc−2,4−ジアミノベンゾイミダゾール(B):エタノール−水(3:1、5mL)中のA(300mg、0.62mmol)の懸濁液へ、粉末亜鉛(500mg、7.50mmol)及び塩化アンモニウム(400mg、7.50mmol)を、0℃で添加し、反応混合物を、室温で2時間撹拌した。反応の完了時に、アンモニア水溶液を添加し、無機物質を濾過し、濾液をDCMにより抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒の蒸発時に、化合物Bを、白色固形物(200mg、71%)として得た。
1H NMR (CDCl
3):異性体I:δ 7.74 (d, 1H, J
AB = 8.5 Hz, ArH), 7.00 (d, 1H, J
AB = 2 Hz, ArH), 6.73 (dd, 1H, J
AB = 10 Hz, J
m = 2.0 Hz, ArH), 1.64 (s, 9H, CH
3), 1.39 (s, 18H, CH
3);異性体II:δ 7.48 (d, 1H, J
AB = 8.5 Hz, ArH), 7.33 (d, 1H, J
AB = 2 Hz, ArH), 6.71 (dd, 1H, J
AB = 10 Hz, J
m = 2.0 Hz, ArH), 1.64 (s, 9H, CH
3), 1.39 (s, 18H, CH
3)。
【0369】
トリス−N−boc−N−(2−アミノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−イル)−2−ブロモアセトアミド(C):DCM中のB(1g、2.23mmol)及びトリエチルアミン(0.5ml、3.60mmol)の撹拌溶液へ、ブロモアセチルブロミド(0.25ml、3mmol)を、0℃で添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応の完了後に、最終混合物を水で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。粗Cを、蒸発後に得、これをさらに精製することなく次工程で使用した(1g、85%)。
【0370】
トリス−N−boc−(S)−2−(4−(4−(5−(アセトアミドメチル)−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−2−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)−N−(2−アミノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−イル)アセトアミド(D):DMF(5ml)中のLA(200mg、0.4mmol)及びトリエチルアミン(0.25ml、1.8mmol)の撹拌溶液へ、化合物C(379mg、0.6mmol)を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応の完了後、溶媒を蒸発させ、粗物質を酢酸エチルに溶解し、水で洗浄した。有機溶媒の蒸発後、粗塊を、溶出液として4%メタノール−DCMを使用するシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、Dを帯黄白色固形物(82mg、25%)として生じた。
【0371】
(S)−2−(4−(4−(5−(アセトアミドメチル)−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−2−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)−N−(2−アミノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−イル)アセトアミド(68):THF(5ml)中の化合物D(82mg、99.5mmol)の溶液へ、6N HClを0℃で添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応が良好に完了した後、溶媒を蒸発乾固させた。得られた粗物質を、最小量のメタノール及びジクロロメタン混合液に溶解し、過剰なジエチルエーテルの添加により沈殿させた。このプロセスを、2〜3回繰り返し、最終的に純粋な化合物84を帯黄白色固形物(15mg、30%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 8.56 (s, 1H, NH), 8.29 (t, 1H, J
AB = 4.8 Hz, NH), 7.84 (s, 1H, ArH), 7.53 (dd, 1H, J
AB = 12.4 Hz, J
m = 2.0 Hz , ArH), 7.36-7.31(m, 2H, ArH), 7.23 (dd, 1H, J
AB = 6 Hz, J
m = 2.4 Hz, ArH), 7.17 (t, 1H, J
m = 7.6 Hz, ArH), 4.74-4.70 (m, 1H, CHOCO), 4.10 (t, 1H, J
AB = 7.2 Hz, CH
2NHCO), 3.76-3.70 (m, 2H, CH
2NCO), 3.43-3.38(m, 2H, CH
2N-Ar), 3.13-3.08(m, 4H, CH
2NH), 1.84 (s, 3H, CH
3)。ESI-MS (m/z): 525.16 (M+H)。
実施例23:化合物75の合成
【化69】
試薬及び条件:i)a)塩化オキサリル、ジエチルエーテル、24時間、0℃;b)KOH、2時間還流、c)10%過酸化水素、4時間還流;ii)塩化チオニル、トルエン、5時間、還流;iii)(S)−N−((3−(3−フルオロ−4−(ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)メチル)アセトアミド塩酸塩(LA、リネゾリドアナログ)、DMF、Et
3N、室温、一晩。
【0372】
5−ニトロ−1H−インドール−3−カルボン酸(A):5−ニトロインドール(1g、6.2mmol)を、ジエチルエーテル中に懸濁し、塩化オキサリル(4.3ml、49.4mmol)を、窒素大気下0℃で添加した。生じた反応混合物を、0℃で24時間撹拌し、生じた沈殿を濾過し、冷ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させた。乾燥後、塊を、水(40ml)中の水酸化カリウム(1.63g、29mmol)の溶液中にさらに溶解し、2時間還流した。反応混合物を氷冷し、12N HClでpH1に酸性とした。得られた沈殿を濾過し、1N HClで洗浄し、乾燥させた。この沈殿を、10%過酸化水素溶液(75ml)中にさらに溶解し、4時間還流し、室温まで冷却した。得られた沈殿を濾過し、冷水で洗浄し、乾燥させ、Aを緑色がかった黄色固形物(750mg、61%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 12.49-12.46 (2H, NH & OH), 8.91 (d, 1H, J
AB= 2.0 Hz, ArH), 8.29 (d, 1H, J
AB = 2.0 Hz, ArH), 8.10 (dd, 1H, J
AB= 9.0 Hz, J
m= 2.5 Hz,ArH), 7.68 (d, 1H, J
AB= 9.0 Hz,ArH);ESI-MS (m/z): 206.93 (M+H)。
【0373】
5−ニトロ−1H−インドール−3−カルボニルクロリド(B):5−ニトロ−1H−インドール−3−カルボン酸(700mg、3.4mmol)を、トルエン(20ml)中に懸濁し、引き続き塩化チオニル(8.4ml、115mmol)を添加した。反応混合物を、5時間還流させた。反応の完了後、過剰な塩化チオニル及びトルエンを、減圧下で蒸発させ、乾燥させた(690mg、91%)。
【0374】
(S)-N-((3-(3-フルオロ-4-(4-(5-ニトロ-1H-インドール-3-カルボニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)メチル)アセトアミド(75):DMF(5ml)中のLA(100mg、0.27mmol)及びトリエチルアミン(0.15ml、1.07mmol)の撹拌溶液へ、DMF(5ml)中の化合物A(60mg、0.27mmol)の溶液を、0℃で滴加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応の完了後、溶媒を蒸発させ、粗物質を、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:4%メタノール-DCM)により精製し、75を帯黄白色固形物(120mg、81.6 %)として生じた。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 12.42 (brs, 1H, NH), 8.70 (d, 1H, J
AB = 2.5 Hz, ArH), 8.29 (t, 1H, J
AB = 6.0 Hz, NH), 8.08 (dd, 1H, J
AB = 10.75 Hz, J
m = 2.0 Hz, ArH), 8.05 (d, 1H, J
AB = 2.5 Hz, ArH), 7.66 (d, 1H, J
AB = 9.0 Hz, ArH), 7.52 (dd, 1H, J
AB = 14.75 Hz, J
m= 2.5 Hz, ArH), 7.20 (dd, 1H, J
AB = 8.75 Hz, J
m = 2.5 Hz, ArH), 7.11 (t, 1H, J
AB = 9.5, ArH), 4.74-4.69 (m, 1H, CHOCO), 4.10 (t, J
AB = 9.0 Hz, 1H, CH
2NHCO), 3.74-3.71 (m, 1H, CH
2NCO), 3.63-3.57 (m, 2H, CH
2N-Ar), 3.43-3.39 (m, 4H, CH
2N), 3.16-3.11 (m, 4H, CH
2N), 1.84 (s, 3H, CH
3)。ESI-MS (m/z): 524.91 (M+H)。
実施例24:化合物76の合成
【化70】
試薬及び条件:i)塩化オキサリル、DCM、3時間、室温;ii)(S)−N−((3−(3−フルオロ−4−(ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)メチル)アセトアミド塩酸塩(LA、リネゾリドアナログ)、Et
3N、DMF、18時間、室温。
【0375】
6−ブロモピコリノイルクロリド(A):DCM(50ml)中の6−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸(500mg、2.5mmol)の懸濁液へ、塩化オキサリル(0.25ml、7.50mmol)を滴加し、引き続き触媒量のDMFを0℃で添加した。その後、反応混合物を、室温で3時間撹拌させた。反応の完了後、混合物を真空下で濃縮し、Aを黄色固形物として定量的収量(545mg)で得た。
【0376】
(S)−N−((3−(4−(4−(6−ブロモピコリノイル)ピペラジン−1−イル)−3−フルオロフェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)メチル)アセトアミド(76):DMF(5ml)中のLA(50mg、0.13mmol)及びトリエチルアミン(0.06ml、0.47mmol)の撹拌溶液へ、DMF(5ml)中の化合物A(38.5mg、0.47mmol)の溶液を、0℃で滴加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応の完了後、溶媒を蒸発させ、粗物質を、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:4%メタノール−DCM)により精製し、76を褐色固形物(18mg、26.5%)として生じた。
1H NMR (CDCl
3): δ 8.27 (t, 1H, J
AB = 4.8 Hz, NH), 7.92 (t, 1H, J
AB = 6 Hz, ArH), 7.78 (d, 1H, J
AB = 6.4 Hz, ArH), 7.68-7.64 (m, 1H, J
AB = 11.6 Hz, J
m = 5.6 Hz, ArH), 7.51 (dd, 1H, J
AB = 12 Hz, J
m = 2 Hz, ArH), 7.19 (dd, 1H, J
AB = 8 Hz, J
m = 2 Hz, ArH), 7.11(t, 1H, J
AB = 7.6 Hz, ArH), 4.74-4.69 (m, 1H, CHOCO), 4.09 (t, 1H, J
AB = 7.2 Hz, CH
2NHCO), 3.82-3.80 (m, 2H, CH
2NCO), 3.72-3.69 (m, 1H, CH
2NHCO), 3.55-3.53 (t, 2H, J
AB = 4 Hz, CH
2N-Ar), 3.42-3.40 (t, 2H, J
AB = 4 Hz, CH
2N-Ar), 3.08-3.06 (m, 2H, CH
2NH), 3.0-2.96 (m, 2H, CH
2NH), 1.83 (s, 3H, CH
3)。ESI-MS (m/z): 521.89 (M+H)。
実施例25:化合物77の合成
【化71】
試薬及び条件:i)(S)−N−((3−(3−フルオロ−4−(ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)メチル)アセトアミド塩酸塩(LA、リネゾリドアナログ)、ヒドロキシベンゾトリアゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、DMF、18時間、室温。
【0377】
(S)−N−((3−(3−フルオロ−4−(4−ピコリノイルピペラジン−1−イル)フェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)メチル)アセトアミド(77):無水DMF中のN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、82.6mg、0.4mmol)の0℃の撹拌溶液へ、2−ピコリン酸(32.8mg、0.26mmol)を添加し、引き続きヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、54mg、0.4mmol)を添加した。30分後、LA(100mg、0.26mmol)及びトリエチルアミン(0.2ml、0.9mmol)を添加し、反応混合物を、室温で一晩撹拌させた。反応の完了後、DMFを蒸発させ、粗塊を、溶出液として6%メタノール−DCMを使用するシリカカラムクロマトグラフィーによりさらに精製し、77を褐色固形物(28.6mg、25%)として生じた。
1H NMR (DMSO-d
6): δ8.61 (d, 1H, J
AB = 3.6.0 Hz, ArH), 8.27 (t, 1H, J
AB = 4.0 Hz, NH), 7.96 (dd, 1H, J
AB = 14.8, J
m = 6 Hz, ArH), 7.70 (d, 1H, J
AB = 6.4 Hz, ArH), 7.61(d, 1H, J
AB = 2.4 Hz, ArH), 7.57- 7.54(m, 1H, ArH), 7.51-7.48(d, 1H, J
AB = 6 Hz, ArH), 7.10 (t, 1H, J
AB = 7.2 Hz, ArH), 4.72-4.70(m, 1H, CHOCO), 4.08 (t, 1H, J
AB = 7.2 Hz, CH
2NHCO), 3.81 (m, 2H, CH
2NCO), 3.73-3.66(m, 1H, CH
2NHCO), 3.42-3.37(m, 4H, CH
2N-Ar), 3.06 -2.959 (m, 4H, CH
2NH), 1.83 (s, 3H, CH
3)。ESI-MS (m/z): 463.97 (M+Na)。
実施例26:化合物78の合成
【化72】
試薬及び条件:i)過酸化水素(30%)、TFA、還流;ii)(S)−N−((3−(3−フルオロ−4−(ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)メチル)アセトアミド塩酸塩(LA, リネゾリドアナログ)、N,N,N′,N′−テトラメチル−O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HBTU)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、DMF、18時間、室温。
【0378】
2−カルボキシピリジン1−オキシド(A):2−ピコリン酸(1.23g、10mmol)を、トリフルオロ酢酸(25ml)中に懸濁し、30%過酸化水素(30%w/w, 16ml)をこれに添加し、反応混合物を、16時間還流した。反応の完了時に、全ての揮発物を、減圧下で蒸発させ、粗塊を、冷水により2〜3回洗浄した。真空下での乾燥時に、化合物Aを、白色固形物(1g、72%)として得た。
【0379】
(S)−2−(4−(4−(5−(アセトアミドメチル)−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−2−フルオロフェニル)ピペラジン−1−カルボニル)−ピリジン1−オキシド(78):DMF中のN,N,N′,N′−テトラメチル−O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HBTU、263mg、0.69mmol)の0℃の撹拌溶液へ、化合物A(113mg、0.8mmol)を添加し、反応混合物を10分間攪拌させ、引き続きLA(200mg、0.53mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、0.37ml、2.1mmol)を添加し、この反応混合物を室温で一晩撹拌させた。反応の完了後、DMFを蒸発させ、粗塊を、溶出液として8%メタノール−DCMを使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、さらに精製し、最終化合物78を褐色固形物(30mg、12%)として得た。
1H NMR (CDCl
3): δ 8.22-8.21 (m, 1H, J
AB = 2 Hz , ArH), 7.47 - 7.42 (m, 2H, ArH), 7.35 - 7.33 (m, 2H, ArH), 7.04 (d, 1H, J
AB = 6.8 Hz, ArH), 6.91 (t, 1H, J
AB = 7.2 Hz, ArH), 6.39 (t,1H, J
AB = 5.2 Hz, NH), 4.80-4.72 (m, 1H, CHOCO), 4.19-4.12 (m, 1H, CH
2NHCO), 4.01 (t, 1H, J
AB = 7.2 Hz, CH
2NHCO), 3.82-3.72 (m, 2H, CH
2NCO), 3.71 - 3.55 (m, 4H, CH
2N-Ar), 3.16 - 3.08 (m, 4H, CH
2NH), 2.01 (s, 3H, CH
3)。ESI-MS (m/z): 457.90 (M+H)。
実施例27:化合物80の合成
【化73】
試薬及び条件:i)(tert−ブトキシカルボニル)グリシン、(S)−N−((3−(3−フルオロ−4−(ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)メチル)アセトアミド塩酸塩(LA、リネゾリドアナログ)、N−ヒドロキシスクシンイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、DMF、18時間、室温;ii)6N HCl、一晩、室温;iii)過酸化水素(30%)、TFA、16時間、還流;iv)B、ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC.HCl)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、DMF、18時間、室温。
【0380】
(S)−(2−(4−(4−(4−(アセトアミドメチル)−2−オキソイミダゾリジン−1−イル)−2−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル)カルバミン酸tert−ブチル(A):DMF(5ml)中の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC.HCl、179mg、0.93mmol)の撹拌溶液へ、BOC−グリシン(109g、0.62mmol)及びN−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu、107mg、093mmol)を、0℃で添加し、この混合物を4時間撹拌させ、引き続きLA(200mg、0.54mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.32ml、1.8mmol)を0℃で添加した。この反応混合物を、室温で一晩さらに撹拌した。最後に、反応混合物を、減圧下で濃縮し、粗生成物を、溶出液として3%メタノール−DCMを使用するシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物Aを淡黄色固形物(160mg、収率:60%)として得た。
【0381】
(S)−(2−(4−(4−(4−(アセトアミドメチル)−2−オキソイミダゾリジン−1−イル)−2−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル)カルバミン酸(B):6N HCl(10mL)中の化合物A(150mg、0.3mmol)の懸濁液を、一晩撹拌し、その後溶媒を蒸発させ、粗塊を、メタノール−DCM中に溶解し、引き続きジエチルエーテルを添加し、沈殿を得た。このプロセスを2〜3回繰り返し、最終的に純粋な化合物Bを黄色固形物(120mg、92%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 8.34 (t, 1H, J
AB = 6 Hz, NH), 8.30-8.22 (m , 3H, NH), 7.52 (dd, 1H, J
AB = 15 Hz, J
m = 2.5 Hz, ArH), 7.21 (dd, 1H, J
AB = 5.25 Hz, J
m = 2 Hz, ArH), 7.10 (t, 1H, J
AB = 9.5 Hz, ArH), 4.74-4.69 (m, 1H, CHOCO), 4.11-4.07 (m, 1H, CH
2NHCO), 3.91 (q, 2H, J
AB = 5.5 Hz, CH
2-N), 3.75-3.72(m, 1H, CH
2NHCO), 3.67 (t, 2H, J
AB = 5 Hz, CH
2NCO), 3.58-3.52 (m, 2H, CH
2N-Ar), 3.40 (t, 1H, J
AB = 5.5 Hz, CH
2N-Ar), 3.03-3.01 (m, 2H, CH
2-N), 2.99-2.97 (m, 2H, CH
2-N), 1.84 (s, 3H, CH
3)。ESI-MS (m/z): 394.01 (M+H)。
【0382】
2−カルボキシピリジン1−オキシド(C):2−ピコリン酸(1.23g、10mmol)を、トリフルオロ酢酸 (25ml)中に懸濁し、30%過酸化水素(30%w/w, 16ml)をこれに添加し、反応混合物を、16時間還流した。反応の完了時に、全ての揮発物を減圧下で蒸発させ、粗塊を冷水で2〜3回洗浄した。真空下での乾燥時に、化合物Cを、白色固形物(1g、72%)として得た。
【0383】
(S)−2−((2−(4−(4−(4−(アセトアミドメチル)−2−オキソイミダゾリジン−1−イル)−2−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル)カルバモイル)ピリジン1−オキシド(80):DMF(5ml)中の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC.HCl、65.8mg、0.3mmol)の撹拌溶液へ、化合物C(38.8mg、0.27mmol)を添加し、引き続きヒドロキシベンゾトリアゾール(44.6mg、0.3mmol)を添加した。反応混合物を1時間撹拌した。その後化合物B(100mg、0.25mmol)を、N,N−ジエチルイソプロピルアミン(0.2ml、1.0mmol)と一緒に添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌させた。反応の完了後、溶媒を蒸発させ;粗反応混合物を、水で洗浄し、溶出液として4%メタノール−DCMによるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、80を帯黄白色固形物(20mg、14.9%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 11.57 (t, 1H, J
AB =4.5 Hz, NH), 7.72 (d, 1H, J
AB = 8.5 Hz, ArH), 7.67-7.64 (m, 1H, ArH), 7.62-7.59 (m, 1H, ArH), 7.55-7.53 (m, 1H, ArH), 7.52-7.51 (m, 1H, ArH), 7.41 (t, 1H, J
AB = 7.5 Hz, ArH), 7.21-7.18 (m, 1H, J
AB = 4.5 Hz, ArH), 7.10 (t, 1H, J
AB = 9 Hz, ArH), 4.73-4.70 (m, 1H, CHOCO), 4.37 (d, 1H, J
AB = 8.5z, CH
2), 4.10 (t, 1H, J
AB = 9 Hz, CH
2NHCO), 3.74-3.71 (m, 1H, CH
2NHCO), 3.65-3.68 (m, 1H, CH
2NCO), 3.41 (t, 2H, J
AB = 5.5 Hz, CH
2N-Ar), 3.01-3.05 (m, 2H, CH
2N), 2.95-3.0 (m, 1H, CH
2N), 2.55 (s, 3H, CH
3)。ESI-MS (m/z): 514.20 (M+H), 36.94 (M+Na), 552.9 (M+K)。
実施例28:化合物84の合成
【化74】
試薬及び条件:i)N,N−二炭酸ジ−tert−ブチル、水酸化ナトリウム、H
2O、16時間、室温;ii)(S)−N−((3−(3−フルオロ−4−(ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)メチル)アセトアミド塩酸塩(LA、リネゾリドアナログ)、DMF、18時間、80℃;iii)6N HCl、THF、一晩、室温。
【0384】
ジ−(tert−ブトキシカルボニル)−グアニジン(A):塩酸グアニジン(1.23g、12.80mmol)及び水酸化ナトリウム(2.10g、52.5mmol)を、水(15ml)及び1,4−ジオキサン(25ml)に溶解した。この混合物を0℃に冷却し、N,N−二炭酸ジ−tert−ブチル(6.3g、28.90mmol)を添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌させた。反応混合物を真空下でその最初の容積の1/3まで濃縮し、酢酸エチルにより抽出した。その後有機相を、10%クエン酸、水及びブラインにより洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、Aを得、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0385】
(S)−4−(4−(5−(アセトアミドメチル)−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−2−フルオロフェニル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−カルバミミドイルピペラジン−1−カルボキサミド(B):DMF(5ml)中のLA(150mg、0.4mmol)撹拌溶液へ、トリエチルアミン(0.2ml、1.4mmol)を添加し、引き続き化合物A(135mg、0.52mmol)を添加し、最終溶液を80℃で一晩加熱した。反応の完了後、溶媒を蒸発させ、粗靴を、4%メタノール−DCM溶出液を使用するシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物Bを白色固形物(76mg、45%)として得た。
1H NMR (CDCl
3): δ 8.05 (brs, 1H, NH), 7.46 (dd, 1H, J
AB= 11.2 Hz, J
m= 2 Hz ArH), 7.20 (dd, 1H, J
AB= 7.2 Hz, J
m= 1.6 Hz, ArH), 6.94 (t, 1H, , J
AB = 7.2 Hz, ArH), 6.09 (t, NH, J
AB = 4.8 Hz, ArH), 4.80-4.78 (m, 1H, CHOCO), 4.04 (t, 1H, J
AB = 7.2 Hz, CH
2NHCO), 3.98-3.87 (m, 2H, CH
2NCO), 3.78-3.75 (m, 2H, CH
2NHCO, CH
2N-Ar), 3.73-3.70 (m, 2H, CH
2N-Ar), 3.65-3.62 (m, 1H, CH
2N-Ar), 3.08-2.97 (m, 4H, CH
2NH), 2.04 (s, 3H, CH
3), 1.35 (s, 9H, CH
3)。ESI-MS (m/z): 422.2 (M+H)。
【0386】
(S)−4−(4−(5−(アセトアミドメチル)−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−2−フルオロフェニル)−N−カルバミドイルピペラジン−1−カルボキサミド(84):THF(10ml)中のB(75.7mg、0.14mmol)の溶液へ、6N HCl(10ml)を0℃で添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応が良好に完了した後、溶媒を蒸発乾固させた。得られた粗物質を、最小量のメタノール及びジクロロメタン混合液に溶解し、過剰なジエチルエーテルの添加により沈殿させた。このプロセスを2〜3回繰り返し、最終的に純粋な化合物84を帯黄白色固形物(30mg、49%)として得た。ESI-MS (m/z): 422.02 (M+H)。比旋光度:30.6℃及び589nmで、9mg/ml 1:1クロロホルム:メタノール混合液(0.9%)において、[α]
Tλ=−2.22°。
実施例29:化合物107の合成
【化75】
試薬及び条件:i)ナトリウム、エタノール、5時間、還流;ii)1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩、N−ヒドロキシスクシンイミド、6−フルオロ−1−メチル−7−(4−((5−ニトロ−1H−ベンゾ[d]−イミダゾール−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]−キノリン−3−カルボン酸、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、DMF、一晩、室温。
【0387】
N−アセチル−S−ドデシル−L−システイン(A):新たに切断した金属ナトリウム(180mg、7.8mmol)を、窒素大気下で無水エタノール(15ml)に溶解した。この溶液に、N−アセチル−L−システイン(500mg、3.1mmol)を添加し、引き続き1−ブロモドデカン(0.89ml、3.72mmol)を添加し、反応混合物を4時間還流加熱した。冷却時に、反応を少量の水によりクエンチし、溶媒を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル中に再溶解した。この溶液を1M HCl、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、最後に溶媒を減圧下で除去し、所与の化合物を白色固形物(810mg、80%)として得た。
1H NMR (CDCl
3): δ 4.78 (q, 1H, J
AB = 6 Hz, CH), 3.50-3.45 (m, 1H, CH
2S), 3.41 (t, 1H, J
AB = 6 Hz, CH
2S), 3.03 (t, 2H, J
AB = 4.5 Hz, CH
2S). 2.55-2.52. (m, 2H, CH
2), 2.1(s, 3H, COCH
3), 1.58-1.52 (m, 2H, CH
2), 0.87 (t, 2H, J
AB = 6.5 Hz, CH
3)。ESI-MS (m/z): 331.99 (M+H)。
【0388】
7−(4−(N−アセチル−S−ドデシル−L−システイニル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト−[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(107):DMF中の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC.HCl、576mg、3mmol)の0℃の撹拌溶液へ、化合物A(662mg、2.0mmol)を添加し、引き続きN−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu、345mg、3mmol)を添加した。30分後、6−フルオロ−1−メチル−7−(4−((5−ニトロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]−キノリン−3−カルボン酸(690mg、2.0mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、0.53ml、3mmol)を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌させた。反応の完了後、DMFを蒸発させ、粗塊を、水で温浸させ、得られた沈殿を濾過し乾燥させ、これを溶出液として3%メタノール−DCMを使用するシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによりさらに精製し、化合物107を帯黄白色固形物(200mg、15%)として得た。
1H NMR (CDCl
3): δ 14.14(brs, 1H, COOH), 7.88 (d, 1H, J
AB = 13.0 Hz , ArH), 6.58 (d, 1H, J
AB = 7.5 Hz , ArH), 6.42 (brs, 1H, NH), 6.19-6.04 (m, 1H, SCHN), 5.14 (q, 1H, J
AB = 7 Hz, CH), 4.02-3.89 (m, 2H, CH
2S), 3.91-3.82 (m, 1H, CH
2S), 3.80-3.73 (m, 1H, CH
2S), 3.46-3.21 (m, 4H, CH
2), 2.92-2.78 (m, 2H, CH
2), 2.54 (t, 1H, J
AB = 7.5 Hz, CH
2), 2.21-2.14 (m, 2H, CH
2S), 2.21-2.14 (m, 3H,SCH
3), 2.02 (s, 3H,COCH
3), 1.58-1.53 (m, 2H, CH
2), 1.38-1.33 (m, 2H, CH
2), 1.26-1.21 (m, 16H, CH
2), 0.86 (t, 2H, J
AB = 7 Hz, CH
3)。ESI-MS (m/z): 663.05 (M+H)。
実施例30:化合物108の合成
【化76】
試薬及び条件:i)ナトリウム、エタノール、5時間、還流;ii)1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩、N−ヒドロキシスクシンイミド、(S)−N−((3−(3−フルオロ−4−(ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)メチル)アセトアミド塩酸塩(LA、リネゾリドアナログ)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、DMF、一晩、室温。
【0389】
N−アセチル−S−ドデシル−L−システイン(A):新たに切断した金属ナトリウム(180mg、7.8mmol)を、窒素大気下で無水エタノール(15ml)中に溶解した。この溶液に、N−アセチル−L−システイン(500mg、3.1mmol)を添加し、引き続き1−ブロモドデカン(0.89ml、3.72mmol)を添加し、この反応混合物を4時間還流加熱した。冷却時に、反応を少量の水によりクエンチし、溶媒を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル中に再溶解した。この溶液を、1M HCl、ブラインにより洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去し、化合物を白色固形物(810mg、80%)として得た。
1H NMR (CDCl
3): δ 4.78 (q, 1H, J
AB = 6 Hz, CH), 3.50-3.45 (m, 1H, CH
2S), 3.41 (t, 1H, J
AB = 6 Hz, CH
2S), 3.03 (t, 2H, J
AB = 4.5 Hz, CH
2S). 2.55-2.52. (m, 2H, CH
2), 2.1(s, 3H, COCH
3), 1.58-1.52 (m, 2H, CH
2), 0.87 (t, 2H, J
AB = 6.5 Hz, CH
3)。ESI-MS (m/z): 331.99 (M+H)。
【0390】
(S)−N−[2−(4−{4−[5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2−フルオロ−フェニル}−ピペラジン−1−イル)−1−ドデシルスタンニルメチル−2−オキソ−エチル]−アセトアミド(108):DMF中の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC.HCl、115mg、0.6mmol)の0℃の撹拌溶液へ、化合物(165mg、0.48mmol)を添加し、引き続きN−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu、69.6mg、0.6mmol)を添加した、30分後に、化合物LA(150mg、0.4mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、0.28ml、1.6mmol)を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌させた。反応の完了後、DMFを蒸発させ、粗塊を水により温浸させ、得られた沈殿を濾過し、乾燥させ、粗物質を得、これを溶出液として3%メタノール−DCMを使用するシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによりさらに精製し、化合物108を帯黄白色固形物(28mg、11%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 7.49 (d, 1H, J
AB = 13 Hz, ArH), 7.10 (d, 1H, J
AB = 8 Hz, ArH), 6.95 (t, 1H, J
AB = 9 Hz, ArH), 6.59 (d, 1H, J
AB = 8 Hz, NH), 6.12 (brs, 1H, NH), 5.18 (q, 1H, J
AB = 7 Hz, CH), 4.85-4.76 (m, 1H, CHOCO), 4.05 (t, 1H, J
AB = 8 Hz, CH
2NHCO), 3.95-3.87 (m, 1H, CH
2NHCO), 3.85-3.81 (m, 2H, CH
2NCO), 3.77-3.80 (m, 1H, CH
2S), 3.74-3.68 (m, 1H, CH
2S), 3.68-3.60 (m, 1H, CH
2S), 3.21-3.13 (m, 1H, CH
2S), 3.13-3.04 (m, 3H, CH
2NHCO), 2.95-2.90 (m, 1H, CH
2), 2.85-2.78 (m, 1H, CH
2), 2.75 (s, 1H, CH
2), 2.56 (t, 2H, J
AB = 7.5 Hz, CH
2N-Ar), 2.20 (s, 3H, CH
3), 2.05 (s, 3H, CH
3), 1.28 (s, 17H, CH
2), 0.91(t, 3H,J
AB = 10 Hz, CH
3)。ESI-MS (m/z): 650.04 (M+H)。
実施例31:化合物110の合成
【化77】
試薬及び条件:i)尿素、エタノール、一晩、還流;ii)10%、NaOH、一晩、室温;iii)N−[3−(3−フルオロ−4−ピペラジン−1−イル−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−アセトアミド塩酸塩(LA、リネゾリドアナログ)、ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC.HCl)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、DMF、18時間、室温。
【0391】
2−アミノ−1,3−オキサゾール−4−カルボン酸エチル(A):エタノール中のブロモピルビン酸エチル(2.44g、1.32ml、2.54mmol)の撹拌溶液を、尿素(1g、6.5mmol)で処理し、一晩還流した。完了後、得られた反応混合物を、真空下で濃縮し、残渣を生じ、酢酸エチルにより抽出し、水、ブラインで洗浄し、最後に硫酸ナトリウム上で乾燥させた。有機層の減圧下で濃縮後、粗塊を、4%メタノール−DCM溶出液を使用するシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、Aを淡黄色固形物(0.34g、85%)として得た。
1H NMR (DMSO): δ 8.07 (s, 1H, ArH), 6.92 (brs, 2H, NH), 4.19 (q, 2H, J
AB = 7.0 Hz, CH
2), 1.24 (t, 3H, J
AB= 7.0 Hz, CH
3)。
【0392】
2−アミノ−オキサゾール−4−カルボン酸(B):10%水酸化ナトリウム水溶液(10ml)中のA(354mg、2.2mmol)の懸濁液を、室温で一晩撹拌した。その後、反応液を氷浴中で冷却し、媒体のpHを、1N HClの添加により1に調節した。沈殿した塊を濾過し、冷水により2〜3回洗浄し、最後に乾燥させて、化合物Bを帯黄白色固形物(270mg、96%)として得た。
1H NMR (DMSO): δ 8.71 (brs, 2H, NH), 7.14 (s, 1H, ArH)。
【0393】
(S)−N−(3−{4−[4−(2−アミノ−オキサゾール−4−カルボニル)−ピペラジン−1−イル]−3−フルオロ−フェニル}−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル)−アセトアミド(110):DMF中の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC.HCl、104mg、0.5mmol)の0℃の撹拌溶液へ、化合物B(56.7mg、0.4mmol)を添加し、引き続きヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、70.7mg、0.5mmol)を添加した。反応混合物を0℃で30分間攪拌し、LA(150mg、0.4mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、0.28ml、1.6mmol)を添加し、生じた溶液を室温で一晩撹拌させた。反応の完了後、DMFを蒸発させ、粗塊を、4%メタノール−DCM溶出液を使用するシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、最終化合物110を帯黄白色固形物(30mg、16.8%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 8.28 (t, 1H, J
AB = 5.5 Hz, NH), 7.52 (dd, 1H, J
AB = 14.8, J
m = 2 Hz, ArH), 7.19 (dd, 1H, J
AB = 8.5 Hz, J
m = 1.5 Hz, ArH), 7.09 (t, 1H, J
AB = 9.5 Hz, ArH), 6.96 (brs, 1H, NH), 4.74-4.69 (m, 1H, CHOCO), 4.09 (t, 1H, J
AB = 9.0 Hz CH
2NHCO), 3.77-3.72 (m, 4H, CH
2NHCO, CH
2NCO), 3.02-2.98 (m, 4H, CH
2N-Ar), 2.93-2.89 (m, 4H, CH
2-N), 1.84 (s, 3H, CH
3)。ESI-MS (m/z): 446.98 (M+), 468.95 (M+Na), 484.92 (M+K)。
実施例32:化合物111の合成
【化78】
試薬及び条件:i)(tert−ブトキシカルボニル)グリシン、6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸、ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、DMF、18時間、室温;ii)6N HCl、一晩、R.T;iii)過酸化水素(30%)、TFA、16時間還流;iv)B、ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、DMF、18時間、室温。
【0394】
7−(4−((tert−ブトキシカルボニル)グリシル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(A):DMF(20ml)中のDCC(0.9g、4.3mmol)の撹拌溶液へ、BOC−グリシン(0.5g、2.85mmol)及びヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、0.5g、4.3mmol)を0℃で添加し、この混合物を4時間撹拌させ、引き続き6−フルオロ−1−メチル−7−(4−((5−ニトロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(0.9g、2.85mmol)及びトリエチルアミン(0.4g、0.6ml、4.3mmol)を0℃で添加した。反応混合物を、さらに室温で一晩撹拌させた。次に反応混合物を、減圧下で濃縮し、粗生成物を得、これを溶出液として3%メタノール−DCMを使用する、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物Aを淡黄色固形物(0.75g、収率:65%)を得た。
【0395】
6−フルオロ−7−(4−グリシルピペラジン−1−イル)−1−メチル−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(B):6N HCl(20mL)中の化合物A(950mg、1.88mmol)の懸濁液を、一晩撹拌し、その後溶媒を蒸発させ、粗塊をメタノール−DCM中に溶解し、引き続きジエチルエーテルを添加し、このプロセスを2−3回繰り返し、最後にほぼ純粋な化合物Bを黄色固形物(500mg、66%)として得た。
【0396】
2−カルボキシピリジン1−オキシド(C):2−ピコリン酸(1.23g、10mmol)を、トリフルオロ酢酸(25ml)中に懸濁させ、30%過酸化水素(16ml)をこれに添加した。最終反応混合物を、16時間還流した。終了時に、全ての揮発物を減圧下で蒸発させ、粗塊を冷水により2〜3回洗浄した。真空下で乾燥時に、化合物Cを白色固形物(1g、72%)として得た。
【0397】
2−((2−(4−(3−カルボキシ−6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−7−イル)ピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル)カルバモイル)ピリジン1−オキシド(111):DMF(5ml)中の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC.HCl、286mg、1.8mmol)の撹拌溶液へ、化合物C(205mg、1.5mmol)を添加し、引き続きヒドロキシベンゾトリアゾール(282mg、1.8mmol)を添加した。反応混合物を1時間撹拌させた。その後化合物B(500mg、1.23mmol)を、N,N−ジエチルイソプロピルアミン(0.3ml、1.6mmol)と共に添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌させた。反応の完了後、溶媒を蒸発させ;粗反応混合物を水で洗浄し、溶出液として4%メタノール-DCMによるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、111を白色固形物(70mg、11%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 14.64 (s, 1H, COOH), 11.59 (s, 1H, NH), 8.48 (d, 1H,J
AB= 6.0 Hz,ArH), 8.27 (d, 1H,J
AB= 8.0 Hz,ArH, 7.68-7.60 (m, 3H, ArH), 7.49 (t, 1H,J
AB= 7.5 Hz, ArH), 7.38 (t, 1H,J
AB= 7.5 Hz, ArH) 7.04-6.92 (m, 1H, ArH), 6.51-6.32 (m, 1H,SCHN), 4.39 (d, 2H,J
AB= 3.5 Hz, CH
2), 3.71-3.67 (m, 4H,CH
2N), 2.17-2.11 (m, 3H, CH
3)。ESI-MS (m/z): 549.90 (M+Na)。
実施例33:化合物112の合成
【化79】
試薬及び条件:i)尿素、HCl、酢酸;ii)クロロアセチルクロリド、Et
3N、CH
3CN、16時間、還流;iii)6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸、Et
3N、DMF、一晩、室温。
【0398】
1−フェニル尿素(A):水(20ml)中のアニリン(5.4ml、5.92mmol)及び尿素(12g、0.2mol)の混合物へ、濃HCl(0.4ml)及び氷酢酸(0.4ml)を添加し、この反応混合物を一晩還流した。その後、反応混合物を氷浴中で冷却し、得られた沈殿を収集した。粗固形物を沸騰水から結晶化し、純粋な化合物Aを白色固形物(1g、10%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 8.50 (brs, 1H, NH), 7.38 (d, 2H, J
AB = 8 Hz, ArH), 7.20 (t, 2H, J
AB = 8 Hz, ArH), 6.88 (t, J
AB = 7.5 Hz, ArH), 5.83 (brs, 2H, NH
2)。
【0399】
2−クロロ−N−(フェニルカルバモイル)アセトアミド(B):アセトニトリル(20ml)中のA(408mg、3.0mmol)及びトリエチルアミン(0.63ml、4.5mmol)の撹拌溶液へ、クロロアセチルクロリド(0.36ml、4.5mmol)を添加し、この溶液を4時間還流した。その後、溶媒を減圧下で蒸発させ、水を添加し、酢酸エチルにより抽出した。溶媒の蒸発後、粗物質Bを得、これをさらに精製することなく次工程で使用した(450mg、70%)。
【0400】
6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(4−(2−オキソ−2−(3−フェニルウレイド)エチル)ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト−[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(112):DMF(10ml)中の6−フルオロ−1−メチル−4−オキソ−7−(ピペラジン−1−イル)−1H,4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸(400mg、1.15mmol)及びトリエチルアミン(630μL、4.5mmol)の撹拌溶液へ、化合物B(320mg、1.5mmol)を添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の完了後、溶媒を蒸発させ、粗物質を、溶出液として3%メタノール−DCMを使用するシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物112を帯黄白色固形物(90mg、15%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 14.63 (brs, 1H, COOH), 10.40 (brs, 1H, NHAr),10.33 (brs, 1H, NH), 7.80 (d, 1H, J
AB = 13.5 Hz, ArH), 7.52 (d, 1H, J
AB = 8.0 Hz, ArH), 7.34 (t, 1H, J
AB = 8 Hz, ArH), 7.09 (t, 1H, J
AB = 7.5 Hz, ArH), 6.97 (d, 1H, J
AB = 6 Hz, ArH), 6.45-6.33 (m, 1H, SCHN), 2.78-2.72 (m, 4H, CH
2N), 2.12 (d, 3H, J
AB = 5.5 Hz, CH
3)。ESI-MS (m/z): 489.18 (M+H)。
実施例34:化合物113の合成
【化80】
試薬及び条件:i)尿素、HCl、酢酸;ii)クロロアセチルクロリド、Et
3N、CH
3CN、16時間、還流;iii)(S)−N−((3−(3−フルオロ−4−(ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イル)メチル)アセトアミド塩酸塩(LA、リネゾリドアナログ)、Et
3N、DMF、一晩、室温。
【0401】
1−フェニル尿素(A):水(20ml)中のアニリン(5.4ml、5.92mmol)及び尿素(12g、0.2mol)の混合物へ、濃HCl(0.4ml)及び氷酢酸(0.4ml)を添加し、反応混合物を一晩還流した。次に反応混合物を氷浴中で冷却し、沈殿した固形物を収集した。粗固形物を、沸騰水から結晶化し、純粋な化合物Aを白色固形物(1g、10%)として得た。%)。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 8.50 (brs, 1H, NH), 7.38 (d, 2H, J
AB = 8 Hz, ArH), 7.20 (t, 2H, J
AB = 8 Hz, ArH), 6.88 (t, J
AB = 7.5 Hz, ArH), 5.83 (brs, 2H, NH
2)。
【0402】
2−クロロ−N−(フェニルカルバモイル)アセトアミド(B):アセトニトリル(20ml)中のA(408mg、3.0mmol)及びトリエチルアミン(0.63ml、4.5mmol)の撹拌溶液へ、クロロアセチルクロリド(0.36ml、4.5mmol)を添加し、この溶液を4時間還流した。その後、溶媒を減圧下で蒸発させ、水を添加し、酢酸エチルにより抽出した。溶媒の蒸発後、粗物質Bを得、これをさらに精製することなく次工程で使用した(450mg、70%)。
【0403】
(S)−2−(4−(4−(5−(アセトアミドメチル)−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−2−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)−N−(フェニル−カルバモイル)アセトアミド(113):DMF(2ml)中のLA(70mg、0.19mmol)及びトリエチルアミン(105μL、0.75mmol)の撹拌溶液へ、化合物B(60mg、0.28mmol)を添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の完了後、溶媒を蒸発させ、粗物質を、溶出液として3%メタノール−DCMを使用する、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物113を帯黄白色固形物(15mg、15%)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ 7.52 (d, 1H, J
AB = 6.4 Hz, ArH) 7.46 (dd, 1H, J
AB = 14.0 Hz, J
m = 2.5 Hz ArH), 7.36-7.32 (m, 1H, ArH), 7.15-7.01 (m, 1H, ArH), 7.07 (dd, 1H, J
AB = 8.75 Hz, J
m = 2.0 Hz, ArH), 6.94 (t, 1H, J
AB = 9 Hz, ArH), 6.59 (brs, 1H, NH), 6.09 (t, 1H, J
AB = 6.0 Hz, NH), 4.78-4.76 (m, 1H, CHOCO), 4.73 (brs, 1H, NH), 4.02 (t, 1H, J
AB = 9 Hz, CH
2NHCO), 3.76-3.71 (m, 1H, CH
2NHCO), 3.70-3.68 (m, 1H, CH
2NCO), 3.62-3.57 (m, 1H, CH
2NCO), 3.24 (s, 2H, CH
2-N), 3.17-3.11 (m, 4H, CH
2N-Ar), 2.8-2.78 (m, 4H, CH
2-N), 2.02 (s, 3H, CH
3)。ESI-MS (m/z): 513.00 (M+H)。
【0404】
実施例35:インビトロにおける生物学的結果
例示的な本発明の化合物を、様々な高感受性及び耐性のグラム陽性細菌株に対し、インビトロにおいて試験した。
【0405】
最小阻害濃度(MIC)の決定
試薬:ブレインハートインフュージョンブロス、細菌培養物、96ウェル−プレート、オートクレーブ、インキュベーター、アラマーブルー。
【0406】
プロトコール:DART分子のMICを、CLSI指針に従うマイクロブロス希釈法により決定した。細菌株を、ブレインハートインフュージョン寒天(BHIA)において、37℃で24時間培養した。MIC決定のために、BHIブロス(100μl)を、96ウェルプレートの各ウェルに添加した。薬物を含有するブロス100μlを、第一のウェル(1Aから1H)へ添加し、その後連続(二倍)希釈を、最大10ウェルまで(96ウェルプレートのカラム1からカラム10まで)実行した。細菌接種材料を、細菌培養濁度が0.5マクファーランド標準(およそ1.5×10
8個細胞/ml)になるよう調節し、かつ希釈することにより(滅菌BHIブロスにより100倍)、調製した。希釈した細菌懸濁液(100μl)を、無菌の対照ウェル(96ウェルプレートのカラム12)以外の各ウェルに添加した。これらのプレートを、37℃で24時間インキュベーションした。被験化合物のMICを、アラマーブルー色素の添加後測定した。
【0407】
様々な高感受性及び耐性グラム陽性及びグラム陰性の細菌株に対する、様々な合成された分子に関する最小阻害濃度(MIC)(μg/ml)を、各々、表1及び表2に示している。
【0408】
【表1】
【0409】
【表2】
【0410】
MICの解釈
前記MIC結果は、最終的に得られる有効抗菌薬と、変動する官能基を伴う様々なクラスの抗生物質との間の、いくつかの興味深い構造活性相関(SAR)を強調している。変動するY及びZ置換基を伴う5員の複素環式部分で官能基化されたフルオロキノロンは全て、高感受性及び耐性黄色ブドウ球菌種に対し、同等に活性があることがわかる。例えば、類似のR
4及びB基を伴うフルオロキノロンは、式Iに示したように、5員の複素環のY及びZ置換基を変化しながら、異なるように挙動する。これらの新規フルオロキノロン1、2、6、10及び11は全て、高感受性黄色ブドウ球菌及びMRSAの両方において、並びにE.フェシウムに対して、同等に活性がある。類似のBを伴う異なるY及びZ置換基は、特定の病原菌に対する特定の分子の特異性を変化させる。例えば、化合物6は、高感受性大腸菌及びエンテロバクター・アエロゲネスに対し活性があることを除き、化合物2及び6は、グラム陰性病原菌に対してと比べ、グラム陽性病原菌に対し特異性があることが、わかる。ほとんどのグラム陰性病原菌において、化合物2は、4〜8μg/mlの範囲の活性を示す。驚くべきことに、Y=S、Z=Nを伴う化合物(化合物6)並びにY=C及びZ=Oを伴う化合物(化合物10)は、キノロン耐性黄色ブドウ球菌株並びにキノロン及びエリスロマイシン耐性表皮ブドウ球菌株に対してさえ活性がある。化合物6及び10の間で、化合物10は、キノロン耐性黄色ブドウ球菌株及び表皮ブドウ球菌株に対しより活性があることがわかる。化合物10及び化合物11は、異なるB基を有するが、依然これらは、高感受性及び耐性の両方のグラム陽性病原菌に対し類似の活性を有する。
【0411】
キノロン化合物6、10、11、16、18、20、21、31、32、33のほとんどは、肺炎桿菌(高感受性)に対し全て活性があるが、それらの一部は、緑膿菌、A.バウマニ、大腸菌、及びエンテロバクター・アエロゲネスのような、他のグラム陰性病原菌に対し働くことができない。
【0412】
化合物10及び11は、広いスペクトルの抗生物質であり、かつ全てのグラム陽性病原菌(高感受性及び耐性)並びにグラム陰性病原菌(高感受性)に対し働くことがわかっている。化合物10及び11におけるB基の変化は、それらの一方を、特定の耐性グラム陰性病原菌に対し、他のものと比べ活性があるようにする。例えば、化合物10は、式Iに言及したように、B基がわずかに変化した、類似の官能基構造を伴う化合物11と比べ、耐性緑膿菌、A.バウマニに対し活性がある。しかし、化合物11は、耐性大腸菌(BAA 196)に対し、化合物10よりもより良い活性を有する。これは、B基の性質は、フルオロキノロン抗菌活性の特異性の決定において、重要な役割を果たすことを指摘している。
【0413】
化合物11及び化合物16は、異なるフルオロキノロンであり、かつ類似のB基を伴う類似の5員の複素環式部分により官能基化されている。両方の化合物は、高感受性及び耐性グラム陽性菌株に対する活性があるが、興味深いことに化合物11は、高感受性及び耐性の両方の大腸菌並びに他のグラム陰性病原菌の阻害を通じ、広いスペクトル活性を維持している。他方で、化合物16は、グラム陰性病原菌に対する、特に大腸菌及びエンテロバクター・アエロゲネスに対する活性を示すことに失敗しているが、各々の親フルオロキノロンは、ほとんどのグラム陰性種に対し活性があることがわかっている。しかし化合物16は、高感受性緑膿菌、A.バウマニ種に対し活性があることがわかっている。
【0414】
化合物18、20及び21の間の生体活性の差異は、これらのフルオロキノロンの生体活性は、5員の複素環に縮合されているベンゼンスキャフォールド内のR5及びR6での置換基の性質によって左右されることを指摘している。例えば、ジクロロ置換された化合物21は、他の分子18及び20とは異なり、MRSA及び高感受性黄色ブドウ球菌に対し良好な生体活性を有する。化合物19及び20は、異なる位置にアミノ置換を伴う、両方共アミノ置換されたベンゾイミダゾール誘導体である。化合物20は、ベンゼンスキャフォールド上でアミノ置換され、かつ5員の複素環上にアミノ置換を持つ化合物19と比べ、黄色ブドウ球菌に対しより良い生体活性を有する。さらに化合物20は、MRSAに対し、高感受性黄色ブドウ球菌株と比べ、より良い生体活性を示す。これらの分子18−21は全て、グラム陰性病原菌に対し不活性であり、かつキノロン耐性黄色ブドウ球菌に対する何らかの活性を示すことに失敗していることがわかっている。
【0415】
式Iに示されたような、化合物31−33を含むピリジン置換されたキノロン誘導体は全て、高感受性黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌及びMRSA菌株に対し、良好な生体活性を示した。化合物33を除き、他は全て、ほとんどのグラム陰性病原菌に対し不活性であることがわかる。化合物34は、高感受性黄色ブドウ球菌株に対する活性を有する以外に、それがMRSAに対する特異的活性があるようにする、N−ヒドロキシル基を有することを除いて、化合物34は、化合物31と同じである。
【0416】
化合物33は、非常に活性がある分子であることがわかっており、かつ高感受性及び耐性グラム陽性及びグラム陰性病原菌の両方に対する広いスペクトルの抗生物質であることがわかっている。これは、高感受性緑膿菌、A.バウマニ、大腸菌、及びエンテロバクター・アエロゲネスに対し非常に強力であり、かつ緑膿菌、A.バウマニの異なる耐性菌によって、化合物33の生体活性は4〜16μg/mlを変動する。しかしこれは、耐性大腸菌(MDR)及びE.アエロゲネスに対し、非常に活性がある(MIC≦1μg/ml)。
【0417】
興味深いことに、ほとんどのピリジンアナログである化合物31、32及び33は、高感受性及び耐性の両大腸菌に対し、同等に活性があることがわかっている。
【0418】
キノロンスキャフォールド由来のN−ヒドロキシピリジン部分の位置は、最終分子の活性に対し大きく影響を及ぼす。例えば、化合物111は、化合物34と比べ、完全に失活していることがわかった。したがって、主要な構造スキャフォールドに関する好適な位置を伴う官能基部分は、特定の標的に対するその分子の結合を決定し、結果的に様々な病原菌に対する活性を決定する。
【0419】
置換されたモノ/ジ−グアニジンスキャフォールドを伴うフルオロキノロン、例えば式Iの化合物43及び44は、任意のグラム陽性病原菌及び耐性大腸菌株に対し作用することに失敗しているが、高感受性大腸菌種に対するそれらの活性は保持している。概して、グアニジンスキャフォールドは、大腸菌膜との相互作用を有することがわかっている(J. App. Microbiol. 2010, 108, 898)。前述の結果は、化合物43及び44に存在するグアニジン官能基は、フルオロキノロンとDNA−ジャイレースの間の相互作用を立体的に妨害するが、大腸菌膜との相互作用は維持することを示唆している。
【0420】
これらの前述の結果は全て、既知の官能基部分による誘導体化を基にしたフルオロキノロンの活性の予測は困難であることを強調している。分子の全般的活性は、分子に存在する様々な官能基部分の疎水性、正味荷電及び全般的空間的配向、並びに細菌膜、細菌の流出系とのそれらの各々の相互作用、並びに標的細菌に存在する標的タンパク質との結合相互作用によってのみ左右される。
【0421】
化合物55、65、66、68、76、77及び78は、式IIに示されたような、異なる官能基部分を伴うオキサゾリジノン誘導体のいくつかの代表である。これらの化合物全ての中で、興味深いことに、ニトロ複素環を含むオキサゾリジノン誘導体(ここで、Y=S及びZ=N)、いわゆる化合物55は、MRSAに対し、市販のリネゾリドと比べ、8倍より高い活性を示した。これは、MRSA、キノロン耐性表皮ブドウ球菌の両方、並びに他の高感受性及び耐性グラム陽性病原菌に対しよりよい活性を示したが、グラム陰性病原菌に対する効能を示すことには失敗した。化合物55は、エンテロコッカス・フェシウムに対し活性があることがわかっている。他方で、ベンゾイミダゾール、ピリジン、並びにビ−グアニジン置換されたオキサゾリジンのアナログは、グラム陽性、グラム陰性の両方の病原菌に対する活性を示すことに失敗した。
【0422】
前述の結果は、様々な既知の官能基部分を伴うオキサゾリジノンは、フルオロキノロンによるそれらの活性を維持している、オキサゾリジンスキャフォールドが存在するにもかかわらず、類似の活性を維持することは失敗していることを明らかにしている。そのためオキサゾリジノン部分に関する異なる官能基部分のそのような賢明で論理的配置、好適な官能基部分の選択は、それらの好適な配向と共に、最終分子の全般的活性を決定するであろう。
【0423】
実施例36:インプラントに関連した感染症に関するインビトロアッセイ
PMMAビーズに関する逐次ZIBアッセイ
材料:ブレインハートインフュージョン寒天、表皮ブドウ球菌S5−2、ペトリ皿、オートクレーブ、インキュベーター、UV分光光度計。
【0424】
方法:表皮ブドウ球菌S5−2細胞を、ブレインハートインフュージョン寒天(BHIA)において、37℃で24時間増殖した。0.5マクファーランドと等しい細菌懸濁液100μlを、BHAプレートに播種した。薬物負荷されたビーズを、これらのプレート上に配置した。プレートを、37℃で24時間インキュベーションした。翌日、ビーズの阻害ゾーン(ZOI)を測定し、その後これらのビーズを、細菌懸濁液を播種した新鮮なBHAプレートに配置し、かつこの実験を最大7日間継続した。薬物放出パターンを、最大7日間の、各ZOIサイクルにおけるビーズのZOIデータの集計及び解析により決定した。
【0425】
骨セメントからのインビトロ薬物放出アッセイの結果を、表3に示す。
【表3】
【0426】
結果及び解釈
インプラントに関連した骨感染症は、骨セメントに負荷することができる化合物PMMAを必要とする。これらの化合物は、骨におけるそれらの作用のために、必ずセメントからの良好な放出特性を有さなければならず、治療は長期間にわたるので、この放出は持続されなければならず、かつ一般に黄色ブドウ球菌のような骨感染症に関連した微生物表皮ブドウ球菌、アクネ菌のような日和見病原菌などに対して極めて強力でなければならない。前述の微生物に対し良好な効能を有する化合物2及び10を、好適な比で、SmartSet HV(FDA承認済みPMMA)に負荷し、かつ骨感染症において主に使用される抗生物質バンコマイシンが負荷されたセメントと比べた。インビトロ阻害ゾーン(ZOI)アッセイは、表皮ブドウ球菌株S5−2を用いて行った。
図1のZOIから認められるように、持続放出が化合物2及び10において得られた。この進行性の放出は、これら2種の化合物について、バンコマイシンよりも高いことがわかった。したがってこれらの化合物は、骨インプラント関連感染症に対する作用に関して、可能性のあるリード分子である。
【0427】
本発明は、本明細書に記載の式I−VIIに示された式の新規化合物を提供する。式I−VIIの代表的化合物のいくつか及びそれらの各々の中間体の完全な合成プロセスは、実施例として本明細書に記載されている。本明細書に記載の中間体の一部は、その上他の化合物クラスの合成のための、有用な中間体でもある。
【0428】
本発明はさらに、グラム陽性又はグラム陰性又は両方の病原菌のいずれかを含む細菌感染症の治療のための医薬品を調製するために、本明細書に記載の有効な分子(複数可)の特定のクラスの使用を提供する。この細菌感染症は、エンテロコッカス菌種又は黄色ブドウ球菌株のいずれかにより引き起こされ得る。この細菌感染症はまた、MRSAのような薬物耐性病原菌によっても引き起こされ得る。ある特定の実施態様において、細菌感染症は、MRSA、並びにバンコマイシン耐性菌VRSAにより引き起こされる。
【0429】
ある特定の実施態様において、本発明は、MRSA及び表皮ブドウ球菌ような他の日和見病原菌並びにキノロン耐性黄色ブドウ球菌及び表皮ブドウ球菌により引き起こされた細菌感染症の治療のための、式Iに関連した化合物2、6、10及び11のようなある新規化合物又はそれらの各々の適切な医薬として許容し得る塩の使用を提供する。本発明はさらに、作用部位に活性を最適に送達し、かつ特定の医薬品の治療的有効性を全般的に改善するための、様々な治療的剤形中に新規化合物を含有する製剤の様々な形状を提供する。本発明は、外用製剤及び経口製剤の様々な形状を含む。外用製剤は、急性細菌性皮膚及び皮膚構造感染症(ABSSI)、合併した皮膚構造感染症、腫れ物、フルンケル、麦粒腫、蜂巣炎、膿痂疹及び他の顔面(superfacial)の皮膚感染症、並びに手術部位感染症もしくは感染性潰瘍、熱傷及び大規模膿瘍のような深部皮膚軟組織が関与する感染症を含む他の合併感染症の治療のための、クリーム、ゲル、エマルゲル(emulgel)、軟膏、スプレー、泡剤、ローション及び散剤を含む。
【0430】
本発明は、改善された投薬計画を生じる良好なPKプロファイル及び患者服薬順守を生じる迅速な作用の始まりと共に、有効な皮膚滞留をもたらす、好適な新規分子を伴う様々な外用クリーム及びゲル製剤の開発を説明している。この製剤において選択された新規化合物は、良好な疎水性及びlogP値を提供し、加えて医薬として許容し得る希釈剤、賦形剤及び担体と共に安定した外用製剤を形成する(表4及び表5)。
【0431】
外用クリーム及びゲルの組成物は、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、イソソルビドジメチルのような浸透促進剤、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、軽質流動パラフィン、ワセリンのような緩和剤;並びに、ステアレス2、ステアレス21、ツイーン80、スパン40、スパン60、セトステアリルエーテル12、セトステアリルエーテル20、クレスマー(cresmer)1000のような乳化剤、プロピレングリコール、グリセロール、ポリエチレングリコール400のような保湿剤、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、様々なアクリル酸ベースのポリマーのようなゲル化剤、クエン酸、トリエタノールアミン、希HClのようなpH調節剤からなる。製剤は、ベンジルアルコール、安息香酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノールなどのような保存剤を含む。
【0432】
化合物2を含有する局所用ゲルの調製方法(表4)
簡単に述べると、本方法は、均質な透明な溶液を得るための、正確に秤量した量のジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール400及びプロピレングリコールの均質な混合に関与している。活性物質(化合物2)の特定の量を、前記混合物へ、撹拌しながら少しずつ添加し、相Aを形成した。別に、ヒドロキシエチルセルロースを、30〜40分かけて撹拌しながら、水中に可溶化し、透明なゲル基剤(相B)を形成した。
【0433】
相Aは、相Bへ、撹拌しながらゆっくり添加し、均質なゲル混合物を形成した。相C成分(ベンジルアルコール)を、少量ずつ添加し、最終混合物を得、撹拌をさらに10分間継続し、均質な外用ゲルを得た。最後に、ゲルのpHを、20%クエン酸溶液により、5.0〜5.5に調節した。
【0434】
化合物2を含有する外用クリームの調製方法(表2)
簡単には、この方法は、シクロペントシロキサン、セトステアリルアルコール、イソソルビドジメチル、ステアレス2及びステアレス21のような、様々な相A成分を均質に混合しながら、同時に60℃で加熱し、透明な溶液を形成することを含む。正確に秤量した量の活性化合物2を、温度を60℃に維持することにより、相Aの透明な溶液に、少量ずつ添加した。相Bを、カルボポール980を水へ添加する(撹拌しながら)ことにより調製し、かつpHを5に調節し、均一なゲル基剤を形成した。プロピレングリコール及びポリエチレングリコール400のような保湿剤を、カルボポールゲル基剤に添加し、この混合物を60℃で加熱し、相Bを得た。相Aを、攪拌しながら、60℃で相Bに添加し、この混合物を40℃に冷却した。次に相C成分(ベンジルアルコール)を、先の混合物へ添加し、撹拌し、室温まで冷却させ、クリーム製剤を調製した。
【0435】
本発明は、炎症性骨感染症、いわゆる骨髄炎、インプラント関連感染症、手術部位の感染症、糖尿病性下肢感染症、糖尿病性潰瘍、軽度から中等度の創傷感染症などの治療のための、ビーズ、注射用ヒドロゲル、ヒドロゲル、ポリマー状フィルム、泡剤、インサイチュゲル、親水コロイドの形状中の、いくつかの有効な新規抗生物質の送達に焦点を当てている。本発明は、MRSA並びに表皮ブドウ球菌のような他の日和見病原菌並びにキノロン耐性黄色ブドウ球菌及び表皮ブドウ球菌又はグラム陽性及びグラム陰性病原菌の混合により主に引き起こされた細菌感染症を治療するための、本明細書に記載の新規局所用/外用製剤の形状中の新規化合物の使用を提供する。
【0436】
本発明は、表3に言及されたような特定の寸法を持つビーズを得るための、新規の疎水性又は両親媒性又は親水性抗生物質並びに生分解性又は非生分解性ポリマーを伴う骨セメント製剤を含む。前記製剤は、主にMRSA及び他の日和見病原菌により、さらにはVRSAによっても引き起こされる骨髄炎の治療及び予防のために、延長された期間、制御された様式でマトリクスを通じて薬物を放出することが可能であろう。
【0437】
本発明は、良好な抗炎症作用と共に、インビトロ逐次阻害ゾーン試験及び逐次薬物放出試験からの証拠づけられる長期にわたる最適な濃度の抗生物質の持続放出を達成するための、感染部位でのいくつかの新規抗生物質の改善された送達を提供する。この種の局所治療は、一般に骨髄炎の経口及び非経口治療のために処方されたいくつかの既知の抗生物質の血清中の高い薬物濃度の長期曝露(4〜6週間)により引き起こされる、腎毒性、中毒性難聴、及び胃腸管副作用を最小化する。本発明はさらに、実質的抗菌作用及び抗炎症作用により、バイオフィルム形成を阻害又は防止することができる新規抗生物質を伴う有効な製剤を提供する。
【0438】
【表4】
【0439】
【表5】
【0440】
【表6】
【0441】
【表7】
【0442】
【表8】
【0443】
【表9】
【0444】
【表10】
【0445】
【表11】
【0446】
実施例37:表皮ブドウ球菌及び黄色ブドウ球菌に対する耐性出現アッセイ
試薬:ブレインハートインフュージョンブロス、黄色ブドウ球菌MTCC 6908及び表皮ブドウ球菌S5−2、96ウェルプレート、オートクレーブ、インキュベーター、マルチウェルリーダー、UV分光光度計
【0447】
方法:インビトロにおける耐性出現アッセイは、文献に報告された方法に従い、これらの化合物について行った。被験化合物に関する耐性アッセイは、CLSI指針に従い、マイクロブロス希釈法を用いるMICアッセイにおいて文書化された様式と同じ様式で行った。第二サイクルに関して、細菌培養物は、成長を示している、被験化合物のMICに対し次に低い濃度を含むウェルから収集し、かつ各サイクルのMICに応じ、同じ又はより高い濃度範囲を含む次のサイクルの接種材料として使用した。同じ手法を、20〜30日間、次のサイクルにおいて繰り返した。MICが増加することがわかった場合には、被験化合物の濃度は、本試験にわたり増加した。連続継代は、20〜30回の連続サイクルにおいて行った。本アッセイは、各サイクルにおいて2つ組で行った。
【0448】
サイクル1における被験化合物のMICと比べ、MIC≧8倍の増加は、有意な耐性の発達とみなした。
【0449】
実施例38:本発明の例示的な化合物及び化合物負荷されたビーズによるバイオフィルム破壊アッセイ
材料:ブレインハートインフュージョンブロス、表皮ブドウ球菌ATCC 35984、96ウェルプレート、オートクレーブ、インキュベーター、MTT、マルチウェルプレートリーダー。
【0450】
方法:表皮ブドウ球菌ATCC 35984を、ブレインハートインフュージョン寒天(BHIA)において、37℃で24時間増殖させた。細菌培養物のループフル(loop full)を、滅菌水中に懸濁させ、濃度が0.5マクファーランド標準(およそ1.5×10
8個)になるよう調節し、培養懸濁液(100μl)を、96ウェルプレートの各ウェルに添加し、バイオフィルム形成のために、プレートを37℃で48時間インキュベーションした。各ウェルに形成されたバイオフィルムを、滅菌水により2回洗浄し、プランクトン細胞を除去した。次にバイオフィルムを、様々な濃度のDART分子と懸濁したBHIブロス100μlで処理し、引き続きプレートを37℃で24時間インキュベーションした。その後ウェル中のバイオフィルムを、MTT試薬で染色し、プレートを37℃で2時間インキュベーションした。ウェル内に形成された沈殿を、ジメチルスルホキシド(DMSO)100μl中に溶解し、吸光度をマルチウェルプレートリーダーにおいて600nmで測定し、最小バイオフィルム阻害濃度(MBIC)を決定した。MBICを、各薬物処理した試料の吸光度を、48時間増殖した対照から減算することにより算出した。
【0451】
バイオフィルム破壊アッセイの結果を、表12及び13に示す。
【0452】
【表12】
【0453】
【表13】
【0454】
化合物141及び16は、効果的バイオフィルム破壊能を示した。50%のバイオフィルム破壊は、およそ0.06mg/mlで達成された。化合物2は、濃度0.5〜1.0mg/mlで、50%のバイオフィルム破壊能を生じた。化合物55は、最大2mg/mlまで、バイオフィルムに対し作用がなかった。化合物10の組合せを含有するビーズは、市販のゲンタマイシンと類似した有効性で、バイオフィルムを破壊することができる。化合物141(0.4%)の化合物10含有ビーズへの添加は、製剤化されたビーズのバイオフィルム破壊効能をさらに増大した。
【0455】
実施例39:インビボにおける前臨床結果
インビボにおけるラット足浮腫モデルを使用する抗炎症性作用。宿主炎症は、細菌感染症に関連したほとんどの適応症の重大な臨床特徴の一つである。本発明者らは、本発明の例示的な化合物(化合物2)を使用し、インビボにおいてラット足浮腫モデルを使用し、抗炎症作用を試験した。炎症は、インプラント関連感染症において蔓延する日和見病原菌アクネ菌の1種を用いて、誘導した。スプラーグダルウェイラットを、本試験に使用し、かつ感染症は、アクネ菌CCARM 9010により誘導した。加熱により死滅させた細菌1×10
9CFU/mlの接種材料を、右後肢の足底側に注射し(〜2×10
7CFU/足)、それ以外にシャム対照には、食塩水を注射した。処置は、右後肢の足底表面に化合物2(30mg)の被験製剤を1日2回塗布し、かつ人差し指で50回優しく擦り込むことにより、注射後8時間で開始した。比較例のAcnedap(ダプソン5%ゲル)及びアダパレンゲル(Adaferin(登録商標))を、1日2回、及び臨床処方用量を基に1日1回塗布した。足のサイズは、感染の開始時、感染後8時間、及び処置開始後24時間(炎症誘導後32時間)に、Vernierキャリパーを使用しミリメートルで測定した。炎症に起因した足サイズの変化を、各時点で測定した足サイズと浮腫誘導直前に測定した基本足サイズの間の差異として評価した。誘導後32時間での炎症の阻害を、下記式を用い計算した:
阻害率(%)=100×(1−X/Y)
(式中、X=処置したラットの足サイズの平均増加(mm)、及びY=対照ラットの足サイズの平均増加(mm))。
【0456】
足サイズの増加は、アクネ菌誘導後の足の炎症を示した8時間時点で認められ、並びに処置動物と未処置動物の間の足サイズの差異は、処置後24時間時点で明らかであった。処置後24時間で、化合物2は、未処置と比べ、炎症の阻害を43%上昇し、これは既知の抗炎症薬であるダプソンにより媒介された阻害と同等であった(表14)。これらのインビボにおける結果は、化合物2は、アクネ菌が誘導した炎症の根絶に有効であることを示唆している。
【0457】
【表14】
【0458】
実施例40:ドッキング試験
長い間、β−ラクタム系は、黄色ブドウ球菌により引き起こされた感染症のための薬物の選択肢であった。しかし、これらの抗生物質の広範な使用は、古いβ−ラクタム系抗生物質に対する耐性の出現により時代遅れとなったが、セフタロリン、セフタビプロールのような新世代β−ラクタム系が、MRSAに対して働くことが分かっている。現在、バンコマイシン、ダプトマイシン及びリネゾリドが、MRSA、並びにセフタロリン耐性MRSA病原菌に対して働く利用可能な薬物である。しかし世界規模でのこれらの抗生物質全てに対する蔓延した抗生物質耐性は、特に耐性MRSAにより引き起こされた細菌感染症を根絶するための、新規戦略の開発を必要としている。
【0459】
黄色ブドウ球菌に対するβ−ラクタム系の耐性は、MRSAにおけるタンパク質PBP2aをコードしているmecA遺伝子の存在により獲得された(Acebronら、Curr. Med. Chem. 2015, 22, 1678;Limら、Nat. Struct. Biol. 2002, 9, 870-876)。PBP2aは、グラム陽性及びグラム陰性の両方の病原菌について、隣接グリカン鎖を架橋し、ペプチドグリカンポリマーによって構成された細菌細胞壁の形成を生じることに関与している(Llarrullら、Antimicrob. Agents Chemotherap. 2009, 53, 4051)。最近FDA承認されたβ−ラクタム系抗生物質であるセフタロリンは、MRSAに対し働くことがわかっている。セフタロリンは、PBP2aのアロステリック部位に結合し、これはコンホメーション変化を引き起こし、活性部位の開放を生じ、引き続きPBP2aの活性部位に存在するセリン残基に不可逆的に結合する(Fishovitzら、J. Am. Chem. Soc. 2015, 137, 6500、Lavanyaら、J. Cell. Biochem. 2016 (117) 542-548)。したがって、セフタロリンは、PBP2aのアロステリック部位及び活性部位の両方に結合し、MRSAに対し活性があることがわかった。
【0460】
最近、セフタロリン耐性PBP2aが、臨床菌株から単離された。146残基でのアスパラギン(N)のリジン(K)への及び150残基でのグルタミン酸(E)のリジン(K)へを含む2つの変異は、セフタロリン耐性MRSA菌株の原因となっている(Lavanyaら、Journal of Cellular Biochemistry 2016 (117) 542-548)。セフタロリン耐性PBP2aに作用すべき新規抗生物質を設計するための新規戦略の開発が、緊急に必要とされている(Bouleyら、J. Am. Chem. Soc. 2015, 137, 1738;Turkら、Plos one 2011, 6, e19418)。
【0461】
本試験は、アロステリック部位への結合により、セフタロリン耐性PBP2aを阻害するように設計されている新規クラスの抗生物質を製造するための、フラグメントベースの及び構造ベースの設計法を提供する。ここで、最適化されたリード分子は、アロステリック部位へ結合し、引き続きPBP2aの活性部位のセリン残基と共有付加体を形成することにより、抗生物質として作用することができるか、或いは塩橋を通じて活性部位を開放することにより、他のβ−ラクタム系抗生物質の活性を増強する増強物質(potentiator)として作用するか、もしくは既知のβ−ラクタム系抗生物質の活性に相乗的に作用することができる。
【0462】
本試験において、本発明者らは、式III及びIVに示されたキナゾリン−ジオン及びキサンテン−9−オンのようなスキャフォールドの新規クラスを設計し、これらはドッキング分析により証明されたように、PBP2a(PDB:3ZFZ及び4CPK)アロステリック部位、並びに活性部位へ、良好な結合エネルギーで結合することがことがわかった(
図2A及び2B)。
【0463】
ドッキング試験は、式VI及びVIIに言及されたようないくつかの分子の、PBP2aとの、並びに変異したPBP2aとの相互作用を設計しかつ理解するために行った。試験は、セフタロリン耐性MRSA(PDB ID:4CPK)からのPBP2aの既知のX線結晶構造についてAutodock 4.2.6.を使用し、実行した。
【0464】
セフタロリンの野生型菌株のPBP2a(PDB ID:3ZFZ)との複合構造は、分かっている。セフタロリンは、残基Glu145及びAsn146との相互作用を有するPBP2aのアロステリック部位に結合することが報告された(Oteroら、Proc. Natl. Acad. Sci. 2013, 110, 16808)。セフタロリン耐性MRSAにおいて、PBP2aのAsn146は、Lys146に変異されており、これはセフタロリンのPBP2aへの結合を妨害し、結果的にセフタロリン耐性菌を生じる。
【0465】
合成された2種の化合物である化合物99及び104は、このタンパク質のアロステリック部位で結合し、かつ強力に相互作用することができた。いくつかのH結合に関与した重要な相互作用する残基は、Ile144、Lys146、Asp275、Glu294及びTyr297である。これらの化合物はまた、アロステリック部位の残基との疎水性相互作用に関与していることも認められた。強力な結合エネルギー及び変異したPBP2aとの相互作用は、タンパク質を阻害するそれらの能力、及び最終的にMRSAのセフタロリン耐性菌に対するそれらの作用を明らかに指摘している。
【0466】
実施例41:市販の非生分解性PMMAセメント(Smartset HV(登録商標))へ負荷された化合物2の調製方法
典型的には、SmartsetHV(登録商標)粉末40gmを、1gmの化合物10と、無菌条件下で、適宜混合し、均一な混合物を得た。次に、密封したモノマー溶液20mlを、PMMAポリマー及び活性物質の混合物へ添加し、かつ室温で混合を30秒間継続し、均質な混合物を形成した。前記混合物を、ゴム性グローブに最早接着しない必要なような粘度で柔らかい均質な混合物を得るために、2分間静置した。この柔らかい軟性混合物を、4.8mmビーズ金型に広げた。充填した金型を、セメントを室温で硬化させるために、25℃で7〜8分間静置した。硬化したセメントビーズを、金型から取りだし、無菌条件下で室温で貯蔵した。各ビーズの薬物含量を、HPLCにより測定し、これは計算された薬物含量と合致した。抗生物質負荷されたセメントビーズは、インビトロ薬物放出アッセイ、インビトロ逐次ZIBアッセイ及びインビトロバイオフィルム阻害試験について、さらに試験した。しかし世界規模でこれらの抗生物質全てに対する猛威を奮っている抗生物質耐性は、特に耐性MRSAにより引き起こされる細菌感染症を退治するための新規戦略を開発する課題を有す。
【0467】
実施例42:市販の生分解性CaSO4セメント(Stimulan rapid cure(登録商標))に負荷された化合物2の調製方法
典型的には、stimulan rapid cure(登録商標)粉末40gmを、1gmの化合物2と、無菌条件下で、適宜混合し、均一な混合物を得た。次に混合溶液12.48mlを、薬物−ポリマー混合物へ添加し、かつ30秒間混合し、均質な軟性の柔らかい混合物を形成した。この軟性混合物を、4.8mmビーズ金型に広げた。充填した金型を、セメントを室温で硬化させるために、25℃で3〜5分間静置した。硬化した骨セメントビーズを、金型から取りだし、無菌条件下で室温で貯蔵した。各ビーズの薬物含量を、HPLCにより測定し、これは計算された薬物含量と合致した。抗生物質負荷されたセメントビーズは、インビトロ薬物放出アッセイ、インビトロ逐次ZIBアッセイ及びインビトロバイオフィルム阻害試験について、さらに試験した。
【0468】
実施例43:化合物2及び10含浸されたSmart set HV(登録商標)の薬物放出アッセイ
化合物2及び化合物10による薬物放出試験を、1.5mlの溶解培地、すなわちPBS緩衝液(pH6.8):アセトニトリル(9:1)を含有する試料バイアルにおいて行った。この試料は、インキュベーターローター内に、32℃で、40rpmで保持した。この放出培地を、特定の時間間隔(2時間、4時間、6時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日)で採取し、各時点で新鮮な溶解培地1.5mlと置き換えた。全ての試料を、分析を行うまで、−20℃で保存した。薬物放出の測定は、HPLCにより行った。
【0469】
薬物放出の結果を、
図3に示す。
図3からわかるように、化合物2及び化合物10が負荷された市販の負荷smart set HV(登録商標)は、7日間にわたる活性物質の持続放出を示した。化合物2負荷された骨セメントは、所定の時点で、化合物10負荷された骨セメントよりも、活性物質のより高い放出を示した。
【0470】
実施例44:キトサン−β−グリセロリン酸塩混合物を伴う化合物55負荷されたインサイチュゲル(表7;F8)の調製方法:
典型的には、キトサン1.5gmを、0.1N HClの75gmに溶解した。この混合物を、キトサンが完全に溶解するまで、完全に撹拌した。このキトサン溶液を、4℃に冷却した。β−グリセロリン酸塩5gmを秤量し、水17.5gmに溶解した。薬物溶液を、4℃に冷却したβ−グリセロリン酸塩溶液中に、1gmの化合物55を分散することにより調製した。化合物55−β−グリセロリン酸塩溶液を、無菌条件下で撹拌しながら、キトサン混合液(予め冷却した)に滴加した。安息香酸ナトリウム0.07gmを、この製剤に添加し、均一な溶液が形成されるまで撹拌した。製剤を、さらに使用するまで、4℃で貯蔵した。最終的な100ml製剤は、0.082Mに相当する1.5%キトサン、及び0.163Mに相当する5%のβ−グリセロリン酸塩を含有し、これは、中性pHでの固体状態(4〜10℃)から、体温37℃でのゲル状態へのシステムの転換を補助した。
【0471】
実施例45:温度感受性ポリマーPLGAを伴う化合物2負荷されたインサイチュゲル(表7;F7)の調製方法:
簡単には、15gmのPLGAを、クエン酸トリエチル82.3gmに入れ、かつこの混合物を、900rpmで撹拌しながら、70℃で1時間維持した。得られた溶液を、4℃まで冷却した。正確に秤量した1gmの化合物2を、PLGA溶液へ添加し、適宜混合した。この製剤を、4℃までゾル状態の形状で冷却し、これは34℃でゲル形状へと転換した。製剤を、さらに使用するまで、4℃で貯蔵した。
【0472】
実施例46:温度感受性ポリマーのポロキサマー407を使用する化合物6負荷されたインサイチュゲル(表7;F3)の調製方法:
典型的には、精製水73.9gmを秤量し、4℃まで冷却した。20gmのポロキサマー407を秤量し、撹拌しながら、予め冷却した水へ溶解した。正確に1gmの化合物6を秤量し、ジエチレングリコールモノエチルエーテル5gm中に分散させた。薬物−ジエチレングリコールモノエチルエーテル混合物を、予め冷却したポロキサマー407溶液へ、攪拌しながらゆっくり添加した。次に、メチルパラベン0.1gm及びプロピルパラベン0.01gmを添加し、かつ温度を4℃に維持することにより、均一な溶液が形成されるまで、撹拌した。製剤を、均質な分散を得るように撹拌し、4〜10℃ではゾル状態を維持したが、体温37℃でゲル化した。製剤を、さらに使用するまで、4℃で貯蔵した。
【0473】
実施例47:パルミチン酸アスコルビルを使用する化合物6負荷されたヒドロゲル(表8;F1)の調製方法:
典型的には、パルミチン酸アスコルビル0.4gmを秤量し、ジエチレングリコールモノエチルエーテル5gmに溶解した。1gmの化合物6を、パルミチン酸アスコルビル溶液へ添加し、適宜混合した。個別に、ヒドロキシエチルセルロースゲル基剤を、ヒドロキシエチルセルロース1.5gmを、水76gm中に、撹拌しながら溶解することにより調製した。ヒドロキシエチルセルロースゲル基剤に、コラーゲン(水5gm中0.1gm)及びポロキサマー407(水10gm中1gm)を、連続攪拌しながら添加した。薬物−パルミチン酸アスコルビル混合物を、ゲル基剤混合物へ、攪拌しながら添加した。この製剤混合物を、均一なゲルが形成されるまで、撹拌した。この製剤を、更なる使用まで、4℃で貯蔵した。
【0474】
実施例48:パルミチン酸アスコルビルを使用する化合物33負荷されたリポソームヒドロゲル(表11;F1)の調製方法:
多層リポソーム負荷された化合物33及びパルミチン酸アスコルビルを、薄フィルム水和技術により調製した。簡単には、化合物33の0.2gm、レシチン1gm、コレステロール0.4gm及びパルミチン酸アスコルビル0.1gmを、クロロホルム:メタノール(2:1)混合液20mlへ添加した。有機溶媒の真空下での蒸発により(45℃、50rpm)、薄い脂質フィルムが形成された。得られた薄いフィルムを、6時間真空乾燥させ、0.5%ポロキサマー407を含有する水5mlにより再水和させ、安定したリポソーム分散液を形成した。リポソームゲルを、予め膨潤した1.7%ヒドロキシエチルセルロースゲル(水12.96gm中0.34gm)中への、リポソーム分散液の添加及び適宜混合により調製し、均一なゲルを形成した。
【0475】
実施例49:化合物55負荷されたアルギン酸ナトリウムヒドロゲル(表9;F5)の調製方法:
典型的には、アルギン酸ナトリウム(Manucol LKX(登録商標))溶液2gmを正確に秤量し、水30gm中に、撹拌しながら溶解した。正確に1gmの化合物55(トランスキトール又はDMI又は任意の他の可溶化剤中に分散された)を、アルギン酸ナトリウム溶液へ添加し、適宜混合した。別に、ヒドロキシエチルセルロースゲル基剤を、ヒドロキシエチルセルロース1.5gmを、水60.3gm中に、撹拌しながら溶解することにより調製し、溶解するまで攪拌した。ヒドロキシエチルセルロースゲル基剤に、コラーゲン(水5gm中0.1gm)を、室温での撹拌を維持しながら、ゆっくり添加した。化合物55−アルギン酸ナトリウム混合物を、コラーゲン及びヒドロキシエチルセルロースを含有するゲル基剤混合物へ、撹拌条件下で添加した。完全な混合物を、均一なゲルが形成されるまで、撹拌した。保存剤である安息香酸ナトリウム0.07gmを、前記製剤混合物へ、撹拌しながら添加した。この混合物を、均一なヒドロゲルが形成されるまで、撹拌した。調製した製剤を、更なる使用まで、4℃で貯蔵した。
【0476】
実施例50:化合物2負荷されたヒドロゲルフィルム(表10;F1)の調製方法:
典型的には、1gのアルギン酸ナトリウム(Manucol LKX(登録商標)))を秤量し、水50ml中に撹拌しながら溶解した。化合物2を、アルギン酸ナトリウム溶液へ、撹拌しながら添加した。3%塩化カルシウム溶液を、ペトリプレートに注ぎ、これがプレート表面上に薄層を形成した後、過剰な分を廃棄した。化合物2−アルギン酸ナトリウム(Manucol LKX(登録商標)))溶液(50ml)を、ペトリプレートへ注ぎ、45℃で6〜8時間乾燥させた。架橋剤塩化カルシウムは、アルギン酸塩溶液の凝固を助け、ヒドロゲルフィルムを形成するであろう。適切に乾燥させた後、フィルムをプレートから取りだし、更なる使用のために貯蔵した。所望の厚さのフィルムを、様々な濃度のアルギン酸塩溶液を調製することにより、制御することができる。
【0477】
本明細書及び実施例において確定された全ての特許及び他の刊行物は、全ての目的のために引用により本明細書中に明白に組み込まれている。これらの刊行物は、本出願の出願日以前の開示についてのみ提供されている。これに関して、本発明者らは、先行する発明によって又はいかなる他の理由によってもかかる開示に先行する権利を与えられないことの承認と解釈されるべきではない。日付に関する全ての言及又はこれらの文書の内容に関する表記は、本出願人が入手可能な情報を基にし、これらの文書の日付又は内容の正確さについてはいかなる承認も構成しない。
【0478】
好ましい実施態様が本明細書において詳細に描写されかつ説明されているが、本発明の精神から逸脱しない限りは、様々な改変、追加、置換などを行うことができること、したがってこれらは、以下の請求項で規定されるような本発明の範囲内であると考えられることは、当業者には明らかであろう。さらに、既に指摘されていない程度に、本明細書に記載されかつ例証された様々な実施態様のいずれか一つは、本明細書に開示された他の実施態様のいずれかに示された特徴を組み込むようにさらに改変することができることは、当業者に理解されるであろう。