特開2020-526(P2020-526A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-526(P2020-526A)
(43)【公開日】2020年1月9日
(54)【発明の名称】食品用カッター
(51)【国際特許分類】
   A47J 43/28 20060101AFI20191206BHJP
   A47G 21/00 20060101ALI20191206BHJP
   B26D 3/24 20060101ALI20191206BHJP
【FI】
   A47J43/28
   A47G21/00 Z
   B26D3/24 J
   B26D3/24 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-123247(P2018-123247)
(22)【出願日】2018年6月28日
(71)【出願人】
【識別番号】591203831
【氏名又は名称】株式会社マーナ
(74)【代理人】
【識別番号】100079072
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 俊之
(72)【発明者】
【氏名】東原 恭子
【テーマコード(参考)】
3B115
4B053
【Fターム(参考)】
3B115AA13
3B115AA19
3B115AA22
3B115AA23
3B115BA09
3B115DA09
4B053AA03
4B053CA30
(57)【要約】
【課題】 本発明は、簡単な構成でありながらも確実に食品を切断して離乳食や介護食を得ることができ、携帯に便利で後始末も容易な食品用カッターを提供することにある。
【解決手段】 下端縁を刃状加工した一対のプレートの一方のプレート2下端縁からこのプレート2中央部にかけて上下方向に沿って下部スリット5を開設し、他方のプレート3上端縁からこのプレート3中央部にかけて上下方向に沿って上部スリット6を開設し、一対のプレート2、3を、下端縁が交差する十文字状の姿勢で、下部スリット5と上部スリット6とを相互に嵌め込んで組み付けることを特徴とする。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端縁を刃状加工した一対のプレートの夫々に一端が開放されたスリットを開設し、前記一対のプレートの夫々の下端縁が交差する十文字状の姿勢で、前記各スリットを相互に嵌め込んで組み付けることを特徴とする食品用カッター。
【請求項2】
下端縁を刃状加工した一対のプレートの一方のプレート(2)下端縁から該プレート(2)中央部にかけて上下方向に沿って下部スリット(5)を開設し、他方のプレート(3)上端縁から該プレート(3)中央部にかけて上下方向に沿って上部スリット(6)を開設し、前記一対のプレート(2)、(3)を、下端縁が交差する十文字状の姿勢で、前記下部スリット(5)と上部スリット(6)とを相互に嵌め込んで組み付けることを特徴とする食品用カッター。
【請求項3】
下端縁を刃状加工した一対のプレートの一方のプレート(7)下端縁から該プレート(7)中央部にかけて上下方向に沿って第一のスリット(9)を開設すると共に、該一方のプレート(7)上端縁から該プレート(7)中央部にかけて上下方向に沿って第二のスリット(10)を開設し、他方のプレート(8)の側縁中央部から下部方向にかけて逆L字形状に鉤スリット(11)を開設し、前記一方のプレート(7)の第一のスリット(9)を他方のプレート(8)の鉤スリット(11)の開口縁から挿入嵌め込みして、一方のプレート(7)と他方のプレート(8)とを相互に回動させて、下端縁が交差する十文字状の姿勢で組み付けることを特徴とする食品用カッター。
【請求項4】
プレートの下端縁を下方に向けて膨出する湾曲縁としたことを特徴とする請求項1、2、3に記載の食品用カッター。
【請求項5】
プレートの上端部の左右幅を下端部の左右幅よりも小さくしたことを特徴とする請求項1、2、3に記載の食品用カッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、離乳食或いは介護食等を得るために食品を細かく切断する食品用カッターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
咀嚼が未熟な乳児から乳幼児に成長する過程では離乳食を用意しなければならない。この離乳食は歯の生え揃わない乳児に充分な栄養を与えるためだけでなく咀嚼の訓練ともなるものであり、家庭内であれば乳幼児が食べ易く嫌わないようにするための工夫を凝らし、食品を細かく・小さく切断加工するなどの対応をすることができる。
【0003】
しかしながら、同じ食卓で成人食を与えなければならない場合もあり、特に外食では通常食を与えなければならないこともある。このような事情は乳幼児に限らず、歯が退化してしまった年寄りに対してでも同様で、刻み食としなければならず、離乳食や介護食とするためには例えば所定のカッターやハサミを使用することになり、このような場合の対処として以下のような提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3110750号公報
【特許文献2】特開2017−124481号公報
【特許文献3】特開2000−237069号公報
【特許文献4】特開平9−206480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した特許文献1の考案は、食器本体と、食品を切断するブレードを有するカッターとから構成され、食品を収納した食器本体内にカッターを挿入して食品を切断するものであるが、「携帯用食器」とされてはいるものの構造が複雑で大型であり、使用後の洗浄に手間がかかることが予想される。特許文献2の発明もほぼ同様である。
【0006】
また、特許文献3の発明は、ピンセット状の一方のレバーに食品を押し潰すことのできる面板部、他方のレバーに面板部に押し付けて食品を切断する切断刃を設けた構成、特許文献4の発明は複数の刃が噛み合う鋏の構成であるが、共に使用後に刃の部分に食品が残存付着してしまい、後始末に手間のかかるものになっている。
【0007】
よって本発明は、上述した従来技術の欠点、不都合、不満を解消するべく発明されたものであって、簡単な構成でありながらも確実に食品を切断して離乳食や介護食を得ることができ、携帯に便利で後始末も容易な食品用カッターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の食品用カッターは、下端縁を刃状加工した一対のプレートの夫々に一端が開放されたスリットを開設し、前記した一対のプレートの夫々の下端縁が交差する十文字状の姿勢で、前記した各スリットを相互に嵌め込んで組み付けることを特徴とする構成である。
【0009】
また、下端縁を刃状加工した一対のプレートの一方のプレート下端縁からこのプレート中央部にかけて上下方向に沿って下部スリットを開設し、他方のプレート上端縁からこのプレート中央部にかけて上下方向に沿って上部スリットを開設し、前記した一対のプレートを、下端縁が交差する十文字状の姿勢で、前記した下部スリットと上部スリットとを相互に嵌め込んで組み付けることを特徴とする構成である。
【0010】
更には、下端縁を刃状加工した一対のプレートの一方のプレート下端縁からこのプレート中央部にかけて上下方向に沿って第一のスリットを開設すると共に、この一方のプレート上端縁からこのプレート中央部にかけて上下方向に沿って第二のスリットを開設し、他方のプレートの側縁中央部から下部方向にかけて逆L字形状に鉤スリットを開設し、前記した一方のプレートの第一のスリットを他方のプレートの鉤スリットの開口縁から挿入嵌め込みして、一方のプレートと他方のプレートとを相互に回動させて、下端縁が交差する十文字状の姿勢で組み付けることを特徴とする構成である。
【0011】
これ等の構成にあって、プレートの下端縁を下方に向けて膨出する湾曲縁とし、或いは更に加えてプレートの上端部の左右幅を下端部の左右幅よりも小さくしたことを特徴とする構成とする。
【発明の効果】
【0012】
従って、下端縁を刃状加工した一対のプレートは下端縁が交差する十文字状の姿勢で相互に組み付いているので、上部を把持して下端縁を食品に押し付ければ、単なる二枚刃というだけでなく十文字刃として広範にわたって麺類、ゆで野菜等の食品を容易に押し切ることができる。この場合、プレートの下端縁を下方に向けて膨出する湾曲縁とすれば、前後左右方向に搖動させることができるので押し切り操作が円滑になり、プレートの上端部の左右幅を下端部の左右幅よりも小さくすれば、切断操作時に握り易くなる。
【0013】
一対のプレートはスリットを相互に嵌め込んで組み付けることができるので、組み立てが容易であり同時に分解も容易である。従って、上記した組み立てた形態での押し切り操作とは別に、分解して個々のプレートであたかもフォークとナイフのように食品を一口大に切ったり裂いたり、更にはヘラとしても使用できることになる。
【0014】
外出先での使用の際でも、分解した一対のプレートは嵩張らないので携帯に便利であり、使用後に分解したプレートの特にスリット部分が食品で汚れていても容易に払拭し或いは洗浄することができるので、衛生的である。
【0015】
また、一方のプレート下端縁から中央部にかけて上下方向に沿って下部スリットを開設し、他方のプレート上端縁から中央部にかけて上下方向に沿って上部スリットを開設すれば、一方のプレートの下部スリットを他方のプレートの上部スリットに嵌め込んで上下に相対移動させるだけで良いので組み立てが極めて容易であり、同様に分解も容易である。
【0016】
更には、一方のプレート下端縁から中央部にかけて上下方向に沿って第一のスリットを開設すると共に、この一方のプレート上端縁から中央部にかけて上下方向に沿って第二のスリットを開設し、また、他方のプレートの側縁中央部から下部方向にかけて逆L字形状に鉤スリットを開設する構成とすれば、一方のプレートの第一のスリットを他方のプレートの鉤スリットの開口縁から挿入嵌め込みし、一方のプレートと他方のプレートとを相互に回動させて、下端縁が交差する十文字状の姿勢で組み付けるに際し、食品が直接触れる下部と手で直接把持する上部とが接触することはないので、汚れることもなく衛生的である等、本発明は多くの優れた作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の食品用カッターの実施例を示す正面図で、(a)は一方のプレート、(b)は他方のプレートである。
図2図1の実施例を示す斜視図で、(a)は組み立て途中状態、(b)は組み立て状態である。
図3】本発明の食品用カッターの他の実施例を示す正面図で、(a)は一方のプレート、(b)は他方のプレートである。
図4図3の実施例を示す斜視図で、(a)は組み立て前、(b)は第一のスリットを鉤スリットの水平部に挿入嵌め込みした状態である。
図5図3の実施例を示す斜視図で、(a)は第一のスリットを鉤スリットに挿入嵌め込みして一方のプレートと他方のプレートとを相互回動させる途中状態、(b)は組み立て状態である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の食品用カッターは、一対のプレートを下端縁が交差する十文字状の姿勢で相互に嵌め込んで組み付ける構成で、プレートの夫々に一端が開放されたスリットを開設し、この各スリットを相互に挿入するものであり、プレートの各下端縁を刃状加工する。
【実施例】
【0019】
図1、2に示した実施例にあって、食品用カッター1を構成する一対のプレート2、3は合成樹脂で成形される平板状であって、夫々の下端縁は下方に向けて膨出する湾曲縁の刃状加工したブレード部4となっており、一方のプレート2下端縁からこのプレート2の中央部にかけて上下方向に沿って下部スリット5を開設し、また、他方のプレート3上端縁からこのプレート3の中央部にかけて上下方向に沿って上部スリット6を開設する。また、各プレート2、3の上端部の左右幅l(エル)を下端部の左右幅mよりも小さくする(図1(a)参照)。
【0020】
そして、図2に示すように、他方のプレート3の上部スリット6に対して一方のプレート2の下部スリット5を位置合わせし、夫々の下端縁が交差する十文字状の姿勢にして一方のプレート2を上方から嵌め込み、組み付けるのである。
【0021】
次に、図3、4、5に示した実施例にあって、食品用カッター1を構成する一対のプレート7、8は前記実施例と同様の合成樹脂で成形される平板状であって、夫々の下端縁は下方に向けて膨出する湾曲縁の刃状加工したブレード部4、各プレート7、8の上端部の左右幅l(エル)は下端部の左右幅mよりも小さくする(図3(a)参照)。そしてここでの一方のプレート7には、下端縁から中央部にかけて上下方向に沿って第一のスリット9が開設され、且つこの一方のプレート7の上端縁から中央部にかけては上下方向に沿って第二のスリット10が開設される。また、他方のプレート8の一方側縁中央部から下部方向にかけては水平部11aから垂直部11bへと連続する逆L字形状の鉤スリット11が開設される。
【0022】
そして先ず、図4(a)に示すように、例えば垂直姿勢とした他方のプレート8の鉤スリット11開口縁である水平部11a開口縁に対して、水平姿勢とした一方のプレート7の第一のスリット9開口縁を位置合わせし、図4(b)に示すように、第一のスリット9を水平部11aに挿入して更に第一のスリット9を他方のプレート8の中央部に挿し込む。
【0023】
次いで図5(a)に示すように、一方のプレート7と他方のプレート8とを相互に回動させ、更に、他方のプレート8の下部が第一のスリット9に挿入され且つ他方のプレート8の上部が第二のスリット10に挿入されるようにして、一方のプレート7と他方のプレート8の夫々の下端縁が交差する十文字状の姿勢に組み付けるのである(図5(b))。ここでは、一方のプレート7の中央部が他方のプレート8の鉤スリット11の垂直部11bに嵌まり込むことになるので、一方のプレート7と他方のプレート8との組み付きは強固なものになる。
【符号の説明】
【0024】
1 食品用カッター
2 一方のプレート
3 他方のプレート
4 ブレード部
5 下部スリット
6 上部スリット
7 一方のプレート
8 他方のプレート
9 第一のスリット
10 第二のスリット
11 鉤スリット
11a 水平部
11b 垂直部
図1
図2
図3
図4
図5