特開2020-52938(P2020-52938A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2020052938-操作盤管理システム 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-52938(P2020-52938A)
(43)【公開日】2020年4月2日
(54)【発明の名称】操作盤管理システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/05 20060101AFI20200306BHJP
   G05B 19/409 20060101ALI20200306BHJP
【FI】
   G05B19/05 D
   G05B19/409 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-184244(P2018-184244)
(22)【出願日】2018年9月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000167288
【氏名又は名称】光洋電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】特許業務法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 竜二
(72)【発明者】
【氏名】河島 大文
(72)【発明者】
【氏名】村井 保彦
【テーマコード(参考)】
3C269
5H220
【Fターム(参考)】
3C269BB07
3C269KK08
3C269MN47
3C269QC05
3C269QE34
3C269QE37
5H220AA05
5H220BB11
5H220BB15
5H220CC03
5H220CX01
5H220CX05
5H220HH08
5H220JJ12
(57)【要約】
【課題】利便性、作業性を向上した操作盤管理システムを提供する。
【解決手段】操作盤管理システム1は、作業者の入力操作が行われる入力部23、入力部23での操作情報を設備機械4の制御用のPLC22に送信すると共に、PLC22から設備機械4の情報を受信する送受信部24、及び送受信部24で受信した設備機械4の情報を表示する表示器25を有する制御装置21が搭載された操作盤2と、操作盤2と別体に設けられた管理用端末装置3と、を備え、制御装置21は、操作盤2の内部情報をコード化して出力するコード出力部26を有し、管理用端末装置3は、コード出力部26により出力されたコードを読み取るコード読み取り手段31を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者の入力操作が行われる入力部、前記入力部での操作情報を設備機械の制御用のコントローラに送信すると共に、前記コントローラから前記設備機械の情報を受信する送受信部、及び前記送受信部で受信した前記設備機械の情報を表示する表示器を有する制御装置が搭載された操作盤と、
前記操作盤と別体に設けられた管理用端末装置と、を備え、
前記制御装置は、前記操作盤の内部情報をコード化して出力するコード出力手段を有し、
前記管理用端末装置は、前記コード出力手段により出力されたコードを読み取るコード読み取り手段を有する、
操作盤管理システム。
【請求項2】
前記コード出力手段は、前記表示器にコードを表示し、
前記コード読み取り手段は、前記表示器に表示されたコードを撮像するカメラと、前記カメラで撮像した画像からコードを読み取る画像処理部と、を有する、
請求項1に記載の操作盤管理システム。
【請求項3】
コード化される前記内部情報は、エラー情報の識別番号を含み、
前記管理用端末装置は、端末側表示器と、前記エラー情報の識別番号とエラー情報の詳細内容とを関連付けて記憶したエラー情報データベースと、前記エラー情報データベースを参照して、前記コード読み取り手段で読み取ったコードに含まれる前記エラー情報の識別番号に対応する前記エラー情報の詳細内容を抽出し、前記端末側表示器に表示するエラー情報表示部と、を有する、
請求項1または2に記載の操作盤管理システム。
【請求項4】
コード化される前記内部情報は、マニュアルの識別番号を含み、
前記管理用端末装置は、端末側表示器と、前記マニュアルの識別番号とマニュアルの内容とを関連付けて記憶したマニュアルデータベースと、前記マニュアルデータベースを参照して、前記コード読み取り手段で読み取ったコードに含まれる前記マニュアルの識別番号に対応する前記マニュアルの内容を抽出し、前記端末側表示器に表示するマニュアル表示部と、を有する、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の操作盤管理システム。
【請求項5】
コード化される前記内部情報は、文書情報を含み、
前記管理用端末装置は、前記端末側表示器を備え、前記コード読み取り手段で読み取ったコードに含まれる文書情報を前記端末側表示器に表示するように構成される、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の操作盤管理システム。
【請求項6】
コード化される前記内部情報は、前記制御装置の設定ファイルを含む、
請求項1乃至5の何れか1項に記載の操作盤管理システム。
【請求項7】
コード化される前記内部情報は、前記制御装置のログ情報を含む、
請求項1乃至6の何れか1項に記載の操作盤管理システム。
【請求項8】
前記制御装置とネットワークを介して接続されたネットワーク装置を備え、
前記制御装置は、前記内部情報を前記ネットワーク装置に転送し記憶させるアップロード部を有し、
前記コード出力手段は、前記ネットワーク装置に記憶された前記内部情報にアクセス可能なアドレス情報をコード化して出力するように構成される、
請求項1乃至7の何れか1項に記載の操作盤管理システム。
【請求項9】
前記管理用端末装置は、ファイルをコード化して出力する端末側コード出力手段を有し、
前記制御装置は、前記端末側コード出力手段により出力されたコードを読み取る操作盤側コード読み取り手段を有する、
請求項1乃至8の何れか1項に記載の操作盤管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作盤管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
工場等で用いられる工作機械等の設備機械を制御する操作盤(制御盤)として、設備機械の情報等を表示する表示器を有する制御装置が搭載されたものが知られている。従来、例えば、操作盤において何らかの異常が発生した際には、設備機械の電源をオフにし、操作盤を開いて、制御装置からエラー情報のログの取得等を行っていた。
【0003】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017−227948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のように操作盤を開くことは非常に手間がかかり、利便性、作業性の観点で改善の余地があった。また、操作盤を開いて作業を行う場合、操作盤の内部構成を熟知していない作業者(オペレータ)が作業を行うと、誤接続等の問題を引き起こす可能性があった。例えば、操作盤に異常が発生した場合には、普段操作盤のメンテナンスを行っていない作業者に、エラー情報のログ等を取得して管理者へと報告することが求められるケースも多く、このような場合でも容易に作業可能なシステム構成とすることが望まれる。
【0006】
そこで、本発明は、利便性、作業性を向上した操作盤管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決することを目的として、作業者の入力操作が行われる入力部、前記入力部での操作情報を設備機械の制御用のコントローラに送信すると共に、前記コントローラから前記設備機械の情報を受信する送受信部、及び前記送受信部で受信した前記設備機械の情報を表示する表示器を有する制御装置が搭載された操作盤と、前記操作盤と別体に設けられた管理用端末装置と、を備え、前記制御装置は、前記操作盤の内部情報をコード化して出力するコード出力手段を有し、前記管理用端末装置は、前記コード出力手段により出力されたコードを読み取るコード読み取り手段を有する、操作盤管理システムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、利便性、作業性を向上した操作盤管理システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施の形態に係る操作盤管理システムの概略構成図である。
図2】(a)は操作盤の内部情報を管理用端末装置で取得する場合、(b)は管理用端末装置の更新用ファイルを操作盤に読み込ませる場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0011】
(操作盤管理システムの全体構成)
図1は、本実施の形態に係る操作盤管理システムの概略構成図である。図1に示すように、操作盤管理システム1は、工場の工作機械等の設備機械4を制御する操作盤2と、操作盤2と別体に設けられた管理用端末装置3と、を備えている。
【0012】
操作盤2は、表示器25を有するパネル状のコンピュータである制御装置21と、各設備機械4の制御用のコントローラとしてのPLC(プログラマブルロジックコントローラ)22と、を有している。
【0013】
制御装置21は、作業者(オペレータ)の入力操作が行われる入力部23と、入力部23での操作情報を設備機械4の制御用のPLC22に送信すると共に、PLC22から設備機械4の情報を受信する送受信部24と、送受信部24で受信した設備機械4の情報を表示する表示器25と、を有している。制御装置21は、CPU等の演算素子、メモリ、インターフェイス、ソフトウェア等を適宜組み合わせて実現される。
【0014】
本実施の形態では、表示器25としてタッチパネル式のディスプレイを用いており、入力部23は、タッチパネルによる入力が可能に構成されている。また、入力部23は、タッチパネル以外のボタンやキーボード、マウスによる入力が可能に構成されていてもよい。
【0015】
管理用端末装置3としては、タブレットやスマートフォン等の携帯端末を用いることができる。
【0016】
(コードによる内部情報の出力)
本実施の形態に係る操作盤管理システム1では、制御装置21は、操作盤2の内部情報をコード化して出力するコード出力手段としてのコード出力部26を有しており、管理用端末装置3は、コード出力部26により出力されたコードを読み取るコード読み取り手段31を有している。
【0017】
図1及び図2(a)に示すように、コード出力部26は、操作盤2の内部情報から、例えばQRコード(登録商標)等の二次元コードを生成し、生成したコードを表示器25に表示するように構成されている。本実施の形態では、コード出力部26が二次元コード6を生成する場合を説明するが、これに限らず、コード出力部26は、一次元コード(バーコード)や、時間変化や色、濃淡等のパラメータを加えた三次元コードや四次元コード等を出力するよう構成されてもよい。また、コード出力部26は、特定の音声パターンである音声コードや、特定の点滅パターン等を用いる光コード等を用いてもよく、これらを2種以上組み合わせても構わない。
【0018】
管理用端末装置3のコード読み取り手段31は、操作盤2の表示器25に表示された二次元コード6を撮像するカメラ31aと、カメラ31aで撮像した画像の画像処理を行い、コードを読み取る画像処理部31bと、を有する。
【0019】
(エラー情報の詳細内容の提示)
本実施の形態では、操作盤2で異常が発生した際に、操作盤2の表示器25における所定の表示領域にエラーの概略を示すテキストメッセージを表示すると共に、エラー情報の識別番号とタイムスタンプ(異常が発生した時刻)をコード化した二次元コード6を表示するようにコード出力部26を構成した。複数のエラーが発生している場合には、複数のエラーの識別番号とタイムスタンプとをまとめた1つの二次元コード6を生成するようにコード出力部26を構成してもよいし、エラー毎に二次元コード6を生成してもよい。
【0020】
管理用端末装置3は、端末側表示器32と、エラー情報の識別番号とエラー情報の詳細内容とを関連付けて記憶したエラー情報データベース33と、エラー情報データベース33を参照して、コード読み取り手段31で読み取ったコードに含まれるエラー情報の識別番号に対応するエラー情報の詳細内容を抽出し、端末側表示器32に表示するエラー情報表示部34と、を有している。
【0021】
このように構成することで、操作盤2に異常が発生した際に、作業者は、操作盤2を開かずに、その場でエラー情報の詳細内容を取得することができ、速やかにかつ容易に状況把握を行うことが可能になる。なお、操作盤2の表示器25にエラー情報の詳細内容を表示することも考えられるが、表示器25は例えば数インチとサイズが小さく、かつ表示領域が狭いために、エラー情報の詳細内容といった細かい文字情報を表示することには限界がある。管理用端末装置3側でエラー情報の詳細内容を表示することにより、作業者が手元で内容を確認できるため読みやすく、またエラー情報データベース33の形式等を適宜工夫することにより、画像や映像を交えたユーザーフレンドリーな理解しやすい形態での情報提供も可能になる。
【0022】
本実施の形態では、エラー情報の識別番号をコード化したが、これに限らず、エラー情報の詳細内容の文書情報(テキストデータ)そのものをコード化してもよい。この場合、管理用端末装置3は、コード読み取り手段31で読み取った二次元コード6に含まれる文書情報を端末側表示器32に表示するように構成される。文書情報が長く二次元コード6のサイズが大きくなってしまう場合には、操作盤2の表示器25で小さく表示された二次元コード6(あるいはコード表示ボタン等)をタッチすると、二次元コード6を拡大表示する機能を搭載してもよい。
【0023】
(マニュアルの提示)
さらに、本実施の形態では、熟練していない作業者への支援のために、管理用端末装置3にてマニュアルを表示できるように構成されている。コード出力部26は、表示器25に表示されている表示内容に応じたマニュアルの識別番号をコード化した二次元コード6を、表示器25の所定の表示領域に表示するように構成されている。
【0024】
管理用端末装置3は、マニュアルの識別番号とマニュアルの内容とを関連付けて記憶したマニュアルデータベース35と、マニュアルデータベース35を参照して、コード読み取り手段31で読み取ったコードに含まれるマニュアルの識別番号に対応するマニュアルの内容を抽出し、端末側表示器32に表示するマニュアル表示部36と、を有している。
【0025】
このように構成することで、マニュアルの実本を持ち歩かずとも、その場でマニュアルの内容を参照することができ、特に熟練していない作業者に対して利便性が向上する。なお、マニュアルは、例えば数百〜数千文字の文書情報となるため、表示器25の限られた表示領域に表示することは非現実的である。また、データが大きいために、マニュアルの文書情報そのものをコード化することは困難である。よって、本実施の形態のように、マニュアルデータベース35を管理用端末装置3側に搭載しておき、どの部分を参照すべきかを示す識別番号を、二次元コード6を介して操作盤2側から受け取るように構成することがより望ましいと言える。
【0026】
(設定ファイルのバックアップ)
さらに、コード出力部26によりコード化される内部情報は、制御装置21の設定ファイルを含んでもよい。設定ファイルは、例えば、設備機械4の制御に用いるパラメータや、制御装置21の表示設定など、種々の設定内容がまとめられたファイルである。これにより、管理用端末装置3にて、設定ファイルのバックアップを取得することができ、制御装置21が何らかの理由で故障したり、誤操作等により設定ファイルがリセットされたりした場合に、容易に復旧できるようになる。コード出力部26は、設定ファイルのファイル内容をコード化して二次元コード6を生成し、表示器25に表示する。設定ファイルの情報量が多く二次元コード6のサイズが大きくなってしまう場合には、上述と同様の二次元コード6を拡大表示する機能を搭載してもよい。
【0027】
(ログ情報の取得)
また、コード出力部26によりコード化される内部情報は、制御装置21のログ情報を含んでもよい。コード化されるログ情報は、エラーログ、アクションログ等の履歴情報である。コード出力部26は、ログ情報をコード化して二次元コード6を生成し、表示器25に表示する。ログ情報の情報量が多く二次元コード6のサイズが大きくなってしまう場合には、上述と同様の二次元コード6を拡大表示する機能を搭載してもよい。
【0028】
(ネットワーク装置5を介した内部情報の出力)
さらに、本実施の形態では、二次元コード6でやり取りができない大きな情報、例えば画像データ等を取得するために、ネットワーク装置5を介した制御装置21と管理用端末装置3間でのデータの送受信が可能となっている。ネットワーク装置5は、例えばネットワークストレージサーバ(ファイルサーバ)であり、OTネットワーク等の所定のネットワークを介して操作盤2の制御装置21と相互に通信可能に接続されている。
【0029】
制御装置21は、制御装置21内の内部情報を、ネットワーク装置5に転送し記憶させるアップロード部を有している。ネットワーク装置5にアップロードされる内部情報は、例えば、エラー発生時の表示器25のキャプチャ画像等の画像情報や、情報量が大きく二次元コード6への変換が困難なログ情報、設定ファイル等である。コード出力部26は、ネットワーク装置5に記憶された内部情報にアクセス可能なアドレス情報をコード化して出力するように構成される。
【0030】
管理用端末装置3は、携帯電話回線を介した通信や、無線通信で通信可能なアクセスポイントを介した通信によりインターネット通信を行うネットワーク通信部37を有しており、コード読み取り手段31で読み取ったコードに含まれるアドレス(つまりネットワーク装置5)にアクセスして、制御装置21の内部情報を取得する。
【0031】
(管理用端末装置3から操作盤2へのファイル転送)
図1及び図2(b)に示すように、本実施の形態では、さらに、管理用端末装置3から操作盤2に、二次元コード6を介してファイル転送を行うことが可能となっている。管理用端末装置3は、ファイルをコード化して出力する端末側コード出力手段としての端末側コード出力部38を有している。本実施の形態では、端末側コード出力部38は、ファイルの内容をコード化して二次元コード6を生成し、端末側表示器32に表示する。なお、本実施の形態では、端末側コード出力部38が二次元コード6を生成する場合を説明するが、これに限らず、端末側コード出力部38は、一次元コード(バーコード)や、時間変化や色、濃淡等のパラメータを加えた三次元コードや四次元コード等を出力するよう構成されてもよい。また、端末側コード出力部38は、特定の音声パターンである音声コードや、特定の点滅パターン等を用いる光コード等を用いてもよく、これらを2種以上組み合わせても構わない。
【0032】
操作盤2の制御装置21は、端末側コード出力部38により出力された二次元コード6を読み取る操作盤側コード読み取り手段28を有している。本実施の形態では、操作盤側コード読み取り手段28は、管理用端末装置3の端末側表示器32に表示された二次元コード6を撮像する操作盤側カメラ28aと、操作盤側カメラ28aで撮像した画像の画像処理を行い、コードを読み取る操作盤側画像処理部28bと、を有している。
【0033】
管理用端末装置3から操作盤2に転送するファイルは、例えば、制御装置21の設定ファイルを更新したり、制御装置21内のプログラムを更新したり、あるいは制御装置21内のデータベースを更新するための更新用ファイル(アップデート用ファイル)である。本実施の形態では、操作盤2の制御装置21は、操作盤側コード読み取り手段28で読み取ったコードに含まれる更新用ファイルにより制御装置21の内部ファイルのアップデートを行うアップデート処理部29を有している。
【0034】
なお、更新用ファイルの容量が大きい場合には、管理用端末装置3からネットワーク装置5に更新用ファイルをアップロードし、更新用ファイルにアクセス可能なアドレス情報を、端末側コード出力部38にてコード化して出力するように構成してもよい。この場合、制御装置21は、操作盤側コード読み取り手段28で読み取ったコードに含まれるアドレス(つまりネットワーク装置5)にアクセスして、更新用ファイルを取得することになる。
【0035】
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係る操作盤管理システム1では、操作盤2と別体に設けられた管理用端末装置3を備え、操作盤2の制御装置21は、操作盤2の内部情報をコード化して出力するコード出力部26を有し、管理用端末装置3は、コード出力部26により出力されたコードを読み取るコード読み取り手段31を有している。
【0036】
このように構成することで、操作盤2を開かずとも、操作盤2の内部情報を管理用端末装置3で読み取ることが可能になり、熟練していない作業者でも、簡単にエラー情報の詳細内容を表示したり、マニュアルを表示したりすることが可能になる。すなわち、本実施の形態によれば、利便性、作業性を向上した操作管理システム1を実現できる。
【0037】
例えば、制御装置21と管理用端末装置3間で無線通信を行うことで、内部情報を伝送することも考えられるが、工場内での無線通信は電磁波の干渉により他の機器に影響を及ぼす場合がある。また、無線通信用の装置を制御装置21に搭載する必要があり、コストアップの原因となる。本実施の形態のように、2次元コード6等のコードを介して内部情報を伝送することにより、他の機器への電磁波の干渉を抑制でき、また低コストな操作盤管理システム1を実現可能となる。
【0038】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0039】
1…操作盤管理システム
2…操作盤
21…制御装置
22…PLC(コントローラ)
23…入力部
24…送受信部
25…表示器
26…コード出力部(コード出力手段)
28…操作盤側コード読み取り手段
28a…操作盤側カメラ
28b…操作盤側画像処理部
29…アップデート処理部
3…管理用端末装置
31…コード読み取り手段
31a…カメラ
31b…画像処理部
32…端末側表示器
33…エラー情報データベース
34…エラー情報表示部
35…マニュアルデータベース
36…マニュアル表示部
37…ネットワーク通信部
38…端末側コード出力部(端末側コード出力手段)
4…設備機械
5…ネットワーク装置
図1
図2